JP2013537539A - 疾患の治療のためのIL−1β及びIL−18に対する抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、疾患を治療するための組成物及び方法に関する。より詳細には、本発明は、抗IL−1β及び抗IL−18の二重特異性抗体を含む抗IL−1β及び抗IL−18抗体、並びにこのような抗体を使用する疾患の治療法に関する。

Description

関連出願
本出願は、2010年8月13日に出願された米国仮出願第61/373760号の利益を主張し、それは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

本発明は、一般に、抗IL−1βと抗IL−18の二重特異性抗体及びモノクローナル抗体を含む、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体、並びに疾患の治療のために係る抗体を使用する方法に関する。

インターロイキン−1(IL−1)及びIL−18ファミリーのサイトカインは、由来、レセプター構造、及び使用されるシグナル伝達経路の機構により関連している。これらのサイトカインは、前駆体分子として合成され、細胞からの遊離前又は遊離中に酵素カスパーゼ1により切断される。NALP3インフラマソームは、活性カスパーゼ1を生成するのに極めて重要である (Cassel et al., 2009; Ferrero-Miliani et al., 2007)。IL−1ファミリーは、IL−1αとIL−1βの2つのアゴニスト、特異的阻害因子、IL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1Ra)、及び生物学的活性型IL−1Rと不活性II型IL−1Rの2つのレセプターを含む (Arend et al., 2008)。IL−1RIとIL−33Rの両方は、同一の相互作用するアクセサリータンパク質(IL−1RAcP)を使用する。IL−1とIL−1Raの間のバランスは、種々の器官において疾患を予防するのに重要であり、IL−1の過剰産生は、多くのヒトの疾患と関連づけられている。IL−18ファミリーもまた、IL−18に液相で結合するIL−18結合タンパク質(IL−18BP)を含む。IL−18レセプターは、IL−1レセプター複合体と類似し、単一のリガンド結合鎖及び異なる相互作用するアクセサリータンパク質を含んでいる。IL−18は、自然免疫応答と獲得免疫応答の間の重要な連結を提供する。

インフラマソーム活性化及びIL−1β/IL−18プロセシング並びに分泌は、疾患の進行に関与し得る。全ゲノム相関解析は、インフラマソームの炎症性腸疾患(IBD)に対する役割を示している。インフラマソーム−化合物NALP−3に遺伝子多型を有する患者は、報告によればクローン病のリスクが増大している (Ferrero-Miliani et al., 2007; Villani et al., 2009)。加えて、カスパーゼ1活性化及びIL−1β/IL−18プロセシングを制御するオートファジー構成要素Atg16I1及びIRGMにおける遺伝子多型が、報告によればクローン病に関連している (Baldassano et al., 2007; Cadwell et al., 2008; Kuballa et al., 2008; Saitoh et al., 2008)。独立の研究により、IBDを有する患者のIL−1β及びIL−18の血清レベルの増加が報告されている(Ludwiczek et al., 2005; Ludwiczek et al., 2004; Monteleone et al., 1999)。 ヒトにおける試験は、前臨床試験により更に裏付けられている。IL−18又はIL−1βの遮断は、報告によれば、この疾患の前臨床モデルでの臨床スコアの回復をもたらす (Ten Hove et al., 2001)。

更に、眼においては、糖尿病性網膜症を有する患者でIL−1βのレベルが増加していることが報告されている(Kowluru and Odenbach, 2004)。

本発明は、例えば、抗IL−1βと抗IL−18の二重特異性抗体を含む、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体、及び疾患の治療のために係る抗体を使用する方法に関する。幾つかの実施態様において、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体はモノクローナル抗体であり、疾患の治療のために同時に又は継続的に患者に投与される。別の実施態様において、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体は二重特異性抗体であり、疾患の治療のために患者に投与される。幾つかの実施態様において、疾患はインフラマソーム媒介疾患、例えば、インフラマソームが活性化される疾患である。疾患例として、免疫疾患及び自己免疫疾患が挙げられ、そして炎症性腸疾患(IBD)、加齢黄斑変性(AMD)、及び2型糖尿病(T2D)が挙げられる。

幾つかの実施態様において、本発明の抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体は、IL−1β及び/又はIL−18の活性をを遮断又は中和し、及び/又はIL−1β及び/又はIL−18に結合する。幾つかの実施態様において、二重特異性抗体は、L−1β及び/又はIL−18の活性をを遮断又は中和し、及び/又はIL−1β及び/又はIL−18に結合する。

一態様において、患者において疾患を治療する方法であって、
a.IL−1β/IL−18二重特異性抗体;又は
b.IL−1β及びIL−18に結合する抗体;又は
c.IL−1βに結合する抗体及びIL−18に結合する抗体
の有効量を前記患者に投与することを含み、前記パートa、b、又はcの一又は複数の抗体は、細胞又は組織においてIL−1β及びIL−18活性を中和し又は遮断することができる抗体である方法を提供する。

幾つかの実施態様において、本方法で使用される一又は複数の抗体は、ヒト化される。幾つかの実施態様において、抗体は、二重作用抗体である。

幾つかの実施態様において、本方法は、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体を含む併用治療を用いる。一態様において、少なくとも一つの抗体は、モノクローナル抗体である。幾つかの実施態様において、それぞれの抗体はモノクローナル抗体である。幾つかの実施態様において、パート(c)の抗体は、同時に又は継続的に投与される。幾つかの実施態様において、これらの抗体は、1時間以内で投与される。

幾つかの実施態様において、治療される疾患は、免疫疾患もしくは自己免疫疾患又は炎症性疾患もしくは自己炎症性疾患である。幾つかの実施態様において、疾患は、インフラマソーム媒介疾患である。幾つかの実施態様において、疾患は、IL−1β関連疾患又はIL−18関連疾患又はIL−1β/IL−18疾患である。

幾つかの実施態様において、疾患は、加齢黄斑変性(AMD)である。幾つかの実施態様において、疾患は、2型糖尿病(T2D)である。幾つかの実施形態において、炎症性腸疾患(IBD)である。幾つかの実施態様において、疾患は、クローン病(CD)である。幾つかの実施態様において、疾患は、潰瘍性大腸炎(UC)である。幾つかの実施態様において、疾患は、アテローム性動脈硬化症である。幾つかの実施態様において、疾患は、心臓性代謝性疾患である。幾つかの実施態様において、疾患は、繊維性狭窄クローン病である。

幾つかの実施態様において、本方法で治療される患者は、抗TNF治療に応答しない。

幾つかの実施態様において、患者において疾患を治療する本方法は、該患者に有効量のIL−1βに結合するモノクローナル抗体及びIL−18に結合するモノクローナル抗体を投与することを含む。

他の態様において、細胞又は組織においてIL−1β及び/又はIL−18活性を中和又は遮断する方法であって、IL−1βに結合するモノクローナル抗体及びIL−18に結合するモノクローナル抗体を該細胞又は組織に接触させ、それにより該活性を中和又は遮断する方法が提供される。幾つかの実施態様において、これらの抗体は、同時に又は継続的に投与される。幾つかの実施態様において、細胞は、IL−1βに結合する前記モノクローナル抗体及びIL−18に結合する前記モノクローナル抗体に同時に又は継続的に接触させられる。

他の態様において、IL−1β活性及びIL−18活性を中和する抗体が提供される。幾つかの実施態様において、抗体は、二重特異性抗体である。幾つかの実施態様において、抗体は、ヒト化されている。幾つかの実施態様において、抗体は、IL−1β及びIL−18に結合する。

IL−1β及びIL−18に対するリガンド及びレセプターの例を示す。例えば、情報伝達は、IL−1β又はIL−18による二つのレセプター鎖の会合を介して開始され得る。細胞内トール-インターロイキンレセプター様(Toll-Interleukin Rexeptor-like )(TIR)ドメインがNF−kB及びAP1転写因子の活性化を引き起こし、ついでサイトカイン産生を増加させ、最終的に防御免疫、自己炎症性疾患又は慢性炎症をもたらすと考えられている。 炎症性腸疾患におけるIL−1β/IL−18関与についての仮想モデルの例を示す。腸管微生物による粘膜固有層マクロファージの刺激は、カスパーゼ1の自己触媒的活性化を引き起こし、次いでIL−1β及びIL−18の加工及び分泌を引き起こす。IL−1β及びIL−18は、種々の免疫細胞に作用して、マクロファージで炎症促進性のサイトカインを誘導し、T細胞をTh1及びTh17病原性T細胞に分極化させ、上皮性関門を破壊し、より多くの病原体がマクロファージを刺激することを可能にする。 遺伝学がクローン病におけるインフラマソーム活性化の役割を示唆する方法の例を示す。オートファジー関連遺伝子ATG16L1及びIRGM並びにインフラマソーム制御遺伝子NOD2及びNALP3における遺伝子多型は、増大したカスパーゼ1の活性化並びにIL−1β及びIL−18の分泌をもたらす。 (A)は、クローン病及びUC患者からの結腸生検におけるIL−1βmRNA及びIL−18mRNAの発現を示すデータである。数値は、アジレント・ジーンプラットフォーム(Agilent gene platform)上のハイブリダイゼーションシグナルの相対強度に基づくものである。(B)は、クローン病及びUCの患者からの血清においてIL−1β及びIL−18が増加していることを示すデータである。 炎症性結腸におけるIL−1β及びIL−18の発現差異を示すデータである。UCの患者からの結腸生検による横断切片の免疫組織化学。切片は、ヒトIL−1β及びIL−18に対する抗体で染色した。IL−1βは壁内炎症部位に存在するマクロファージに主に見出されるのに対し、IL−18はリンパ濾胞に存在する樹状細胞に優勢に見出される。両方の場合において、染色は、炎症領域にのみ観察された。 飲料水中の3.5%DSSを5日間自由に摂取したマウスの結腸からのIL−1β及びIL−18の分泌の増加を示すデータである。 CD4+CD45RBhiT細胞を養子性に移植されたマウスの結腸からのIL−1β及びIL−18の分泌の増加を示すデータである。 ピロキシカムで処置したIL−10 KOマウスの結腸からのIL−1β及びIL−18の分泌の増加を示すデータである。 IL−1RI及びASC KOマウスがDSS誘導性大腸炎の有意に減弱した重症度を示すことを示すデータである。IL−1R1、IL−18Ra及びASCを欠損するマウスからの結腸スコア。 IL−1R1欠損は、DSS誘導性大腸炎においてIL−1β、IL−18,IL−17及びTNFαの有意な減少を引き起こす。 IL−18R欠損は、DSS誘導性大腸炎においてIL−1β及びIL−12p40のレベルの有意な減少を引き起こすことを示すデータである。 ASC欠損は、DSS誘導性大腸炎においてIL−1β、IL−18、IL−12p40及びIL−17のレベルの有意な減少を引き起こすことを示すデータである。 種々のマウスIBDから取得した生体外の結腸培養物における例示的サイトカイン応答の概要である。 AMD患者の亜集団の硝子体でIL−1βが発現することを示すデータである。ウエット型AMD、地図状萎縮(GA)と診断された患者又は黄斑パッカー又は黄斑円孔を有する患者から硝子体を収集した。サイトカインレベルをELISA分析を用いて決定した。 一定光暴露後の眼におけるIL−1β及びカスパーゼ1発現の増加を示すデータである。(A)において、マウスを一定光(1800Lux)に10日間暴露させ、その後、眼を取り除いた。(B)において、mRNAを網膜から単離し、リアルタイムPCRによりIL−1βmRNAレベルを決定した。そして(C)において、全眼を溶解緩衝液中でホモジナイズし、そして細胞抽出物をSDSゲル上で分離し、ブロットし、マウスカスパーゼ1に対する抗体で染色した。 IL−1β感染性眼におけるプロIL−1β及びカスパーゼ1の発現を示すデータである。アデノ関連ウイルス(AAV)発現性成熟マウスIL−1βを網膜下に注射した。3週後、マウスを強度光(5000Lux)(ILE;強度光暴露)に6時間暴露した。1日後に眼を図15に記載の通りIL−1β及びカスパーゼ1のウエスタンブロット解析のために処理した。 マウス眼におけるIL−1β過剰発現後の増強した炎症及び血管新生を示すデータである。(A)において、アルビノマウスは、空のAAVウイルス又はIL−1β発現ウイルスの網膜下注射を受けた。3週後、マウスにFITC溶液を注射し、それらの眼をフルオレセイン血管造影法により走査した。矢印は、脈絡叢血管新生(CNV)を有する領域を示す。(B)において、眼を摘出し、固定して、パラフィン包埋及び薄切のために処理した。切片を浸潤免疫細胞を可視化するためにCD45に対する抗体で染色した。空のAAVベクターを網膜下に注射したマウスには炎症はなかった。 プロIL−1β感染AAV眼は、カスパーゼ1活性に依存しない炎症を示すことを示すデータである。カスパーゼ1 wt又はkoマウスに、図17に記載するように網膜下AAV-プロIL−1βを注射した。3週後、眼を摘出して記載の通り処理した。炎症は、カスパーゼ1活性に依存せずに進行した。 AAV-IL1β及びAAV-IL−18の両方が暗順応ERG応答を有意に減弱させることを示すデータである。AAV-IL−1β及びAAV-IL18で処置したマウスの網膜電図(ERGs)は、空のベクターを注射したマウスと比較した「a」及び「b」波応答の有意な減弱を示す。 非ヒト動物(例えば、マウス)での前臨床試験での使用及びヒト試験のための臨床試薬として使用するための抗IL−1β及び抗IL−18中和抗体を開発するのに有用な、AMDにおけるIL−1β及びIL−18の生物学の概要である。 ELISAに基づく手法を用いる抗IL−1β中和抗体のスクリーニング法の例を示すデータである。 ハムスター抗−マウスIL−1βハイブリドーマのサブセットの中和活性を示すELISA解析である。 ハムスター抗−マウス抗IL−1β抗体の遮断活性についてのIC50値を示す表である。 ヒト及びマウスIL−1β/IL−18の中和活性を決定するために使用される細胞株を示すデータである。 (A)は、マウスIL−1βの上昇していく濃度で処置したNIH3T3細胞でのNF−kBレポーター活性の用量−応答を示すデータである。(B)は、IL−1β中和Absを含むハイブリドーマ上清の遮断活性を示すデータである。 ファージ技術に由来する例示的抗体の概要である。 重鎖可変領域(V)又は重鎖及び軽鎖両方の可変領域(V)において多様性をともなう種々のファージディスプレイライブラリをスクリーニングした。チロシン、セリン及びグリシンに富むコドンを使用するランダム化CDRを生ずる縮小遺伝子コドンライブラリ(Fellouse et al., J Mol Biol, 373, 924-940)である合成ライブラリ(YSGX)並びに特定のペプチド配列に潜在的に結合するよう設計された抗体ライブラリであるペプチドライブラリもスクリーニングした。 ELISAに基づく中和解析における種々のファージ抗体の遮断活性を示すデータである。 膵臓β細胞の減少及び抗−IL−1β/IL−18による干渉の潜在的レベルを引き起こす例示的連続事象を示す図である。 実施例4において用いられた実験手順の概略図である。 (A)は、組織像結腸スコアの結果を表すグラフである。(B)は、ピロキシカムIL−10KOマウスIBDモデルにおける抗IL−1β及び/又は抗IL−18治療の目視による結腸スコアの結果を表すグラフである。TNFα遮断の結果も示す。抗IL−1β及び抗IL−18併用治療はTNF遮断と同等に有効であった。

本発明は、例えば、抗IL−1βと抗IL−18の二重特異性抗体を含む、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体、及び疾患の治療のために係る抗体を使用する方法に関する。幾つかの実施態様において、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体はモノクローナル抗体であり、疾患の治療のために同時に又は継続的に患者に投与される。別の実施態様において、抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体は二重特異性抗体であり、疾患の治療のために患者に投与される。疾患例として、免疫疾患及び自己免疫疾患が挙げられ、そして炎症性腸疾患(IBD)、加齢黄斑変性(AMD)、及び2型糖尿病(T2D)が挙げられる。

幾つかの実施態様において、本発明の抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体は、IL−1β及び/又はIL−18の活性をを遮断又は中和し、及び/又はIL−1β及び/又はIL−18に結合する。

患者、出願、及び科学文献を含む本明細書に引用される全ての参照は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

一般的技術
本明細書に記載又は参照される技術及び手順は、一般的によく理解され、当業者により従来の方法論を用いて共通に採用されており、例えば、以下に記載されるような広く用いられる方法論である。Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 3rd. edition (2001) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.; Current Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel, et al. eds., (2003)); the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.): PCR 2: A Practical Approach (M. J. MacPherson, B. D. Hames and G. R. Taylor eds. (1995)), Harlow and Lane, eds. (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, and Animal Cell Culture (R. I. Freshney, ed. (1987));Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed., 1984); Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J. E. Cellis, ed., 1998) Academic Press; Animal Cell Culture (R. I. Freshney), ed., 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture (J. P. Mather and P. E. Roberts, 1998) Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J. B. Griffiths, and D. G. Newell, eds., 1993-8) J. Wiley and Sons; Handbook of Experimental Immunology (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. M. Miller and M. P. Calos, eds., 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994); Current Protocols in Immunology (J. E. Coligan et al., eds., 1991); Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999); Immunobiology (C. A. Janeway and P. Travers, 1997); Antibodies (P. Finch, 1997); Antibodies: A Practical Approach (D. Catty., ed., IRL Press, 1988-1989); Monoclonal Antibodies: A Practical Approach (P. Shepherd and C. Dean, eds., Oxford University Press, 2000); Using Antibodies: A Laboratory Manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999); The Antibodies (M. Zanetti and J. D. Capra, eds., Harwood Academic Publishers, 1995); and Cancer: Principles and Practice of Oncology (V. T. DeVita et al., eds., J.B. Lippincott Company, 1993)。

定義
本明細書の解釈のためには、以下の定義が採用され、適当な場合には、単数で使用される用語はまた複数を、及びその逆も含む。下記のいかなる定義が、参照により本明細書に組み込まれるいかなる文書と矛盾する場合には、下記の定義が規制する。

本明細書に言及される分子(例えば、抗体、及び該抗体が結合する分子)に関して「活性な」又は「活性」とは、係る分子の生物学的、免疫学的及び/又は機能的活性を指す。例えば、幾つかの実施態様において、本発明の抗IL−1β 及び抗IL−18抗体は、IL−1β 及びIL−18に結合し、よって結合活性を有する二重特異性抗体である。さらなる実施態様において、本発明の抗IL−1β 及び抗IL−18抗体は、中和又は遮断活性を有し、すなわち、IL−1β 及び/又はIL−18の活性を中和又は遮断することができる。

「アフィボディーズ(Affibodies)」又は「アフィボディ(Affibody)」は、標的分子のための結合表面を生じさせるためにタンパク質を足場として使用する、ペプチド結合によりFc領域に連結されたタンパク質の使用を指す。別の標的分子又は同一標的分子上の別のエピトープに結合できるタンパク質のライブラリを生じさせるために、突然変異誘発を介して結合表面を改変することができる。開始タンパク質は、しばしばブドウ球菌プロテインAもしくはIgG結合Bドメインなどの天然に生じるタンパク質、又はそれら由来のZタンパク質(Nilsson et al (1987), Prot Eng 1, 107-133及び米国特許第5143844号を参照)又はそれらの誘導体の断片である。例えば、標的分子を結合できる変異体のライブラリを生じさせるようにランダム突然変異誘発によってZタンパク質のセグメントを突然変異させたものである、標的分子(一又は複数)への結合親和性が改変されたZタンパク質変異体から、アフィボディを作ることができる。アフィボディの例には、米国特許第6534628号、Nord K et al, Prot Eng 8:601-608(1995)及びNord K et al, Nat Biotech 15:772-777(1997).Biotechnol Appl Biochem.2008 Jun; 50(Pt 2):97-112が含まれる。

本明細書における用語「抗体」は、最も広義の意味で使用され、所望の生物学的活性(例えば、エピトープ結合活性)を示す限り、それらの任意の断片、突然変異体、変異体又は誘導体を含む、天然に生じる又は改変された、任意の免疫グロブリン(Ig)分子を指す。抗体の例としては、限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体、抗体フラグメント、単一ドメイン抗体、オクトパス抗体及びDVD抗体が挙げられる。一実施態様において、本発明の抗体は、少なくとも一つの可変ドメインを含む。別の実施態様において、本発明の抗体は、二重特異性抗体である。

一般的に、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、異なるクラスが指定される。5つの主要な免疫グロブリンのクラス:IgA,IgD,IgE,IgG及びIgMが記述されている。これらは、更に例えば、IgG1,IgG2,IgA1,IgA2等のサブクラス(アイソタイプ)に分けることができる。IgA、D、E、G、及びMのそれぞれのクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、各々α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元配置は良く知られており、一般に、例えば、Abbas et al., 2000, Cellular and Mol. Immunology, 第4版に記載されている。抗体は、一以上の他のタンパク質又はペプチドと共有又は非共有結合により形成された、より大きな融合分子の一部であってもよい。

一実施態様において、本発明の抗体は、減少した(より少ない)ジスルフィド結合を有する。一実施態様において、本発明の抗体は、領域内で少なくとも一つのシステイン残基がジスルフィド結合を形成できないようにされたヒンジ領域を含み、ここでジスルフィド結合は、好ましくは分子間、好ましくは二つの重鎖の間である。ヒンジシステインは、当該技術分野での任意の種々の適切な方法により、限定されないが、システイン残基の削除又は別のアミノ酸によるシステインの置換を含む本明細書に記載のいくつかの方法により、ジスルフィド結合を形成不能にさせることができる。

「抗IL−1β抗体及び/又は抗IL−18抗体(単数又は複数)」という文言は、文脈により、(1)抗IL−1β抗体、又は(2)抗IL−18抗体、(3)抗IL−1β抗体及び抗IL−18抗体の組み合わせ(すなわち、2つの抗体)、又は(4)IL−1β及びIL−18の両方に結合する抗体を指す。

「親和性成熟」抗体は、その1つ以上のCDRに1つ以上の変更を有する抗体であって、そのような変更(一又は複数)を有しない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性を向上させる。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対して、ナノモル単位の、更にはピコモル単位の親和性を有する。親和性成熟抗体は、既知の工程により生産される。可変重鎖(V)ドメインと可変軽鎖(V)ドメインのシャフリングによる親和性成熟を記述しているMarks他、Bioechnology, 10:779-783(1992)を参照されたい。CDR及び/又はフレームワーク残基のランダムな突然変異誘発が、例えば、Barbas他、Proc Nat. Acad. Sci, USA 91:3809-3813(1994); Shier他、Gene, 169:147-155 (1995); Yelton他、J. Immunol., 155:1994-2004 (1995); Jackson他, J. Immunol., 154(7):3310-9 (1995); 及びHawkins他, J. Mol. Biol., 226:889-896 (1992)に記述されている。

「アゴニスト抗体」又は「アゴニスト性抗体(agonistic antibody)」はレセプターなどの抗原に結合して活性化する抗体である。一般的に、アゴニスト抗体のレセプター活性化能は、レセプターの天然のアゴニストリガンドのそれと少なくとも質的に同等であろう(及び基本的に量的に同等)。

「抗体断片」とは、インタクトな抗体の一部、好ましくはインタクトな抗体の抗原結合又は可変領域を含む抗体を指す。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies)(Db);タンデムダイアボディ(taDb);直鎖状抗体(米国特許第5641870号、実施例2;Zapata等, Protein Eng. 8(10): 1057-1062 (1995));一アーム抗体、ミニボディ、単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体(例えば、Db−Fc、taDb−Fc、taDb−CH3及び(scFV)4−Fcが含まれるがこれらに限定されない)を含む。

幾つかの実施態様において、抗体断片は、インタクト抗体の一部分のみを含み、該部分がインタクト抗体中に存在する場合に該部分が通常は関連する機能の少なくとも一つを保持し、更に大部分又は全ての機能を保持し得る。別の実施態様において、本発明の抗体断片は、減少したジスルフィド結合能を有する重鎖の二量体化(又は多量体化)を可能にするのに十分な定常領域部分を含み、例えば、重鎖間ジスルフィド結合に通常関与するヒンジシステインの少なくとも一つが本明細書に記載のように改変される。一実施態様において、抗体断片は、抗原結合部位又はインタクト抗体の可変ドメインを含み、従って抗原に結合する能力を保持する。別の実施態様において、抗体断片は、例えば、Fc領域を含むものは、インタクトな抗体中に存在するときにFc領域と通常関連する生物学的機能、FcRn結合、抗体半減期調節、ADCC機能、及び/又は補体結合(例えば、抗体がADCC機能又は補体結合に必要な糖鎖付加特性を有する場合)等の少なくとも一つを保持する。抗体断片の例として、限定されないが、直鎖状抗体;単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多重特異的抗体が挙げられる。

抗体依存性細胞媒介性細胞障害」及び「ADCC」とは、FcRsを発現する非特異的な細胞障害細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球及びマクロファージ)が標的細胞上の結合抗体を認識し続いて標的細胞の溶解を起こす細胞媒介性反応を指す。ADCCを媒介する主要な細胞NK細胞はFcγRIIIのみを発現するのに対し、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcRの発現は、Ravetch et al., Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991)の464ページの表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5500362号又は同第5821337号に記載されているようなインビトロADCCアッセイを実施することができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、又は更に、目的の分子のADCC活性は、Clynes et al. PNAS (USA) 95:652-656 (1998)に開示されるように、インビボで、例えば動物モデルにおいて評価することができる。

用語 「抗IL−1β抗体」及び 「IL−1βに結合する抗体」とは、抗体が、IL−1βを標的とする際に、診断薬剤及び/又は治療的薬剤として有用であるように、十分な親和性でIL−1βに結合することができる抗体を指す。一実施態様において、抗IL−1β抗体の、無関係な非IL−1βタンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される場合、抗体のIL−1βへの結合の約10%未満である。所定の実施態様において、抗IL−1β抗体は、異なる種由来のIL−1β間で保存されているIL−1βのエピトープに結合する。

用語 「抗IL−1β抗体」及び 「IL−1βに結合する抗体」とは、抗体が、IL−1βを標的とする際に、診断薬剤及び/又は治療的薬剤として有用であるように、十分な親和性でIL−1βに結合することができる抗体を指す。一実施態様において、抗IL−18抗体の、無関係な非IL−18タンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される場合、抗体のIL−18への結合の約10%未満である。所定の実施態様において、抗IL−18抗体は、異なる種由来のIL−18間で保存されているIL−18のエピトープに結合する。

本明細書で使用される「自己免疫疾患」は、個体の自己組織から生じてそれに対して向けられる非悪性の疾患又は障害である。本明細書に記載する自己免疫疾患は、具体的には悪性又は癌性の疾患又は症状を排除し、特にB細胞リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、及び慢性骨髄芽球性白血病を排除する。自己免疫疾患又は障害の例には、限定されないが、加齢黄斑変性(AMD)、乾癬及び皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎)を含む炎症性皮膚病;全身性強皮症及び硬化症;炎症性腸疾患に関連する応答(クローン病及び潰瘍性大腸炎等);呼吸促迫症候群(成人呼吸促迫症候群;ARDSを含む);皮膚炎;骨髄炎;脳炎;ぶどう膜炎;大腸炎;糸球体腎炎;湿疹及び喘息等のアレルギー症状並びにT細胞の浸潤及び慢性炎症応答に関わる他の症状;粥状動脈硬化;白血球粘着不全症;リウマチ性関節炎;全身性エリテマトーデス(SLE);ループス腎炎(LN);糖尿病(例えば、1型糖尿病又はインスリン依存性糖尿病);多発性硬化症;レイノー病;自己免疫性甲状腺炎;アレルギー性脳脊髄炎;シェーグレン症候群;若年発症糖尿病;典型的には結核、サルコイドーシス、多発性筋炎、肉芽種症及び血管炎で見られるサイトカイン及びTリンパ球媒介性の急性及び遅延型過敏症に関連する免疫応答;悪性貧血(アジソン病);白血球血管外漏出;中枢神経系(CNS)炎症性障害;多臓器損傷症候群;溶血性貧血(限定されないが、クリオグロブリン血症又はクームス陽性貧血を含む);重症筋無力症;抗原抗体複合体媒介性疾患;抗糸球体基底膜抗体病;抗リン脂質抗体症候群;アレルギー性神経炎、グレーブス病;ランバート・イートン筋無力症症候群;水疱性類天疱瘡;天疱瘡;自己免疫多腺性内分泌障害;ライター病;全身硬直症候群;ベーチェット病;巨細胞性動脈炎;免疫複合体腎炎;IgA腎症;IgM多発性神経炎;免疫血小板減少性紫斑病(ITP)又は自己免疫性血小板減少症等が含まれる。

AMDは、高齢者の間で重度の、非可逆的な失明の主な原因である(例えば、 Bressler (2004) JAMA 291:1900-01を参照)。これは、ドルーゼとして知られる淡黄色の斑点、網膜色素上皮の破壊(RPE),脈絡膜血管新生(CNV)、及び円板状黄斑変性を含む広範囲の臨床及び病理学的知見により特徴付けられる。疾患の徴候は、二つの形態に分類される:非滲出型(ドライ型)及び滲出型(ウエット型又は血管新生型)。最近、ウエット型AMDの治療のための幾つかの療法、ベルテポルフィンを用いる光線力学的治療(ビスダイン(登録商標));VEGF結合アプタマー、ペガプタニブ(マクジェン(登録商標));及び抗VEGF抗体断片、ラニビズマブ(ルセンティス(登録商標))が認可されている。

本明細書で使用される「自己炎症性疾患」は、特に発熱といった、類似の特徴を共有する遺伝性のまれな免疫媒介性障害の集団を指す。自己炎症性疾患は、高力価の自己抗体、感染、又は抗原特異的Tリンパ球の不在下での再発性非挑発性炎症により特徴付けられる。例示的自己炎症性疾患には、限定されないが、家族性地中海熱(FMF);腫瘍壊死因子(TNF)レセプター関連性周期熱症候群(TRAPS);高グロブリンD血症及び周期熱症候群(HIDS);全身性若年性特発性関節炎(スチル病);クリオピリン関連周期性症候群(CAPS);家族性感冒自己炎症性症候群;マックル・ウェルズ症候群;インターロイキン1レセプターアンタゴニスト欠損(DIRA);及び新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID)/慢性乳児神経性皮膚関節(CINCA)症候群が含まれる。

自己免疫疾患及び自己炎症性疾患は、障害集団の両方が、免疫系の身体自身の組織の攻撃に起因し、そしてまた炎症の増加に帰着するという点で共通の特徴を共有する。両者間を区別する特徴は、自己炎症性疾患における(高力価での)自己抗体」の欠如である。

「生物学的に活性な」又は「機能的な」イムノグロブリンとは、構造的、制御的、生化学的又は生物物理学的事象において一つ以上の天然の活性を発揮できるものである。例えば、生物学的に活性な抗体は、特異的に抗原に結合する能力を有してもよく、該結合はシグナル伝達又は酵素活性等の細胞又は分子事象を誘発又は変化させてもよい。生物学的に活性な抗体はまた、レセプターのリガンド活性化を遮断してもよく、又はアゴニスト抗体として作用してもよい。抗体が一つ以上のその天然の活性を発揮する可能性は、ポリペプチド鎖の適切なフォールディング及び会合に依存する。

一般的に「結合親和性」は、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合的な相互作用の総合的な強度を意味する。そのパートナーYに対する分子Xの親和性は、一般に解離定数(Kd)で表すことができる。親和性は、本明細書に記載したものを含む、当技術分野で知られている一般的な方法によって測定することができる。低親和性抗体は抗原に弱く結合して素早く解離する傾向があるのに対し、高親和性抗体は抗原により密接により長く結合したままとなる。

「生物学的分子」は、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、及びそれらの組み合わせを指す。一実施態様において、生物学的分子は、天然に存在する。

「遮断」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害又は減弱させるものである。そのような遮断は、いかなる手段によっても起こり得、例えば、レセプターへのリガンド結合、レセプター複合体形成、レセプター複合体中のチロシンキナーゼレセプターのチロシンキナーゼ活性及び/又はレセプター中又はレセプターによるチロシンキナーゼ残基(一又は複数)、を干渉することにより起こり得る。好ましい遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は、抗原の生物学的活性を、実質的に又は完全に阻害する。

用語 「癌」及び「癌性」は、無秩序な細胞成長を典型的に特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指し又は記述する。癌の例には、限定されないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病を含む。そのような癌のより具体的な例は、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺がん、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、消化器癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頚癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、及び様々な型の頭頸部癌を包含する。

「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の種に由来する又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同であるが、その(それらの)鎖の残部は別の種に由来する又は別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同である抗体、並びにそのような抗体の断片(但し、それらが所望の生物学的活性を示すことを条件とする)を指す(例えば、米国特許第4816567号;Morrison et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855(1984)を参照のこと)。

本明細書で使用する「細胞」、「細胞株」及び「細胞培養物」という表現は、相互に交換可能に使用され、このような名称は全て子孫を含む。ゆえに「形質転換体」及び「形質転換された細胞」という語は、継代の数に関係なく、それに由来する一次対象細胞及び培養物を含む。全ての子孫は、計画的又は偶発性の変異によりDNA量が正確には同一でないことも理解される。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングされたものと同じ機能又は生物活性を有する変異型子孫が含まれる。異なる名称が意図される場合、それは文脈から明らかであろう。

表現「コントロール配列」は、特定の宿主生物において操作可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列と、リボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。

本明細書で使用する「糖尿病」は、動物における炭水化物、脂肪及びタンパク質の代謝に影響する慢性疾患である。糖尿病は、成人における失明、腎不全、及び下肢切断の主な原因であり、心血管疾患及び脳卒中の主要な危険因子である。I型糖尿病(又はインスリン依存性糖尿病(IDDM)又は若年発症糖尿病)は、全糖尿病症例の約10%を構成する。糖尿病は、膵臓β細胞によるインスリン分泌の進行性の消失により特徴付けられる。この特徴はまた、その起源を膵臓疾患に有する、非特発性又は「二次的」糖尿病により共有される。I型糖尿病は、次の臨床的徴候又は症候、例えば、継続的に上昇した血漿糖濃度又は高血糖;多尿症;多飲症及び/又は過食症;網膜症、腎障害及び神経障害等の慢性の微小血管合併症;並びに失明、終期腎疾患、肢切断及び心血管梗塞を引き起こし得る高脂血症及び高血圧等の大血管性合併症を伴う。

II型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病又はNIDDM)は、糖代謝の調節不全及びインスリン感受性の障害に関連する代謝障害である。II型糖尿病は通常成人で発症し、身体の十分なインスリンの利用又は産生の不能性を伴う。標的組織におけるインスリン耐性に加えて、II型糖尿病を患う患者は相対的なインスリン不足を有し、つまり、患者は所与の血漿糖濃度に関して予想されるよりも低いインスリンレベルを有する。II型糖尿病は、次の臨床的徴候又は症候、例えば、継続的に上昇した血漿糖濃度又は高血糖;多尿症;多飲症及び/又は過食症;網膜症、腎障害及び神経障害等の慢性の微小血管合併症;並びに失明、終期腎疾患、肢切断及び心血管梗塞を引き起こし得る高脂血症及び高血圧等の大血管性合併症を伴う。インスリン抵抗性症候群(IRS)とも称されるシンドロームX、メタボリックシンドローム又はメタボリックシンドロームXは、冠血管カテーテル診断の約2%に認められる。これは、しばしば身体障害性の、例えば、傷害された糖耐性(IGT)、障害された空腹時血糖(IFG)、高血糖、インスリン耐性、脂質異常症(例えば、高トリグリセリド、低HDL)、高血圧及び肥満を含む症候又は危険因子を呈する。

「障害」は単数の治療用抗体又は複数の治療用抗体による治療から利益を得る任意の状態である。これには、哺乳動物に問題の疾患に罹らせる病的状態を含む慢性及び急性の障害又は疾患が含まれる。幾つかの実施態様において、障害は癌、炎症性疾患、免疫疾患、自己炎症性疾患又は自己免疫疾患である。

本明細書において「細胞外ドメイン」は、FcR等の膜貫通性ポリペプチドの細胞外部にある領域として定義される。

用語「Fcレセプター」又は「FcR」は、抗体のFc領域に結合するレセプターを記述するために使用される。

本明細書において用語「Fc領域」は、天然配列Fc領域及び変異Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。一実施態様において、Fc領域はCH2ドメイン及び/又はCH3ドメインを含む。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、位置Cys226のアミノ酸残基から、又はPro230から、そのカルボキシル末端への伸展と定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムに従うと残基447)は、例えば、抗体の産生又は精製の間に、又は抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え操作することによって除去してもよい。
したがって、インタクトな抗体の組成物は、すべてのK447が除去された抗体の集合、K447が除去されていない抗体の集合、及びK447残基を有する抗体とK447残基を有さない抗体の混合を有する抗体の集合を含み得る。本明細書で使用する「Fc複合体」は、2つのCH2ドメイン及び/又は2つのCH3ドメインを指し、ここでCH2ドメイン及び/又はCH3ドメインは、ペプチド結合でない相互作用を介して互いに結合している。

「フレームワーク領域」(FR)は、CDR残基以外の可変ドメイン残基である。それぞれのIgG可変ドメインは、FR1、FR2、FR3、及びFR4と同定される典型的には4つのFRを有する。CDRがカバットの定義に従うならば、軽鎖FR残基は残基およそ1−23(LCFR1)、35−49(LCFR2)、57−88(LCFR3)及び98−107(LCFR4)に位置し、重鎖FR残基は重鎖残基の残基1−30(HCFR1)、36−49(HCFR2)、66−94(HCFR3)及び103−113(HCFR4)に位置する。CDRが高頻度可変ループからのアミノ酸残基を含むならば、軽鎖FR残基は軽鎖の残基1−25(LCFR1)、33−49(LCFR2)、53−90(LCFR3)及び97−107(LCFR4)におよそ位置し、重鎖FR残基は重鎖残基の残基1−25(HCFR1)、33−52(HCFR2)、56−95(HCFR3)及び102−113(HCFR4)におよそ位置する。場合によって、CDRがカバット(Kabat)の定義によるCDRと高頻度可変ループのものの両方からのアミノ酸を含む場合、FR残基はそれに応じて調節されるであろう。例えば、CDRH1がアミノ酸H26−H35を含む場合、重鎖FR1残基は位置1−25にあり、FR2残基は位置36−49にある。

「機能性Fc領域」は、天然配列Fc領域の「エフェクター機能」を保有する。例示的「エフェクター機能」は、C1q結合;補体依存性細胞傷害;Fcレセプター結合;抗体依存性細胞介在性細胞傷害活性(ADCC);食作用;細胞表面レセプター(例えば、B細胞レセプター;BCR)のダウンレギュレーション等を含む。このようなエフェクター機能は、一般にFc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と結合することを必要とし、例えば本明細書で開示されるような様々なアッセイを用いて評価することができる。「天然配列Fc領域」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域には、天然配列ヒトIgG1 Fc領域(非A及びAアロタイプ);天然配列ヒトIgG2 Fc領域;天然配列ヒトIgG3 Fc領域;及び天然配列ヒトIgG4 Fc領域;並びにこれらの天然に生じる変異体が含まれる。「変異体Fc領域」は、本明細書で定義する少なくとも1のアミノ酸修飾による天然配列Fc領域のものとは異なるアミノ酸配列を含む。変異体Fc領域は、天然配列Fc領域と又は親抗体のFc領域と比較して少なくとも1のアミノ酸置換、例えば、天然配列Fc領域に又は親抗体のFc領域に約1から約10のアミノ酸置換、又は約1から約5のアミノ酸置換を有することができる。変異体Fc領域は、天然配列Fc領域及び/又は親抗体のFc領域と少なくとも約80%の同一性を保有することができ、それらと少なくとも約90%の同一性を有してもよく、又はそれらと少なくとも約95%の同一性を有してもよい。

「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、実質的にインタクトな形態の抗体を指し、以下に定義するような抗体断片は意味しない。この用語は、特に重鎖及びFc領域を有する抗体を指す。本明細書の抗体変異体は、例えば完全長抗体であり得る。また、完全長抗体は、例えば、ヒトの、ヒト化の、キメラの、及び/又は親和性成熟されたものであり得る。

本明細書で使用する「ヒンジ領域」及びその変異体は、当技術分野において知られた意味を含み、例えば、Janeway et al., 1999, Immuno Biology: The Immune System in Health and Disease, Elsevier Science Ltd., NY 第4版.; Bloom et al., 1997, Protein Science, 6:407-415; Humphreys et al., 1997, J. Immunol. Methods, 209:193-202で説明されている。

「相同性」は、配列を整列させ、必要な場合には最大パーセントの相同性を達成するために間隙を導入した後に、同一であるアミノ酸配列変異体中の残基のパーセンテージとして定義される。整列の方法及びコンピュータープログラムは当該分野で良く知られている。 一つのこのようなコンピュータープログラムはジェネンテック(Genentech)Inc.の著作の「Align 2」であり、これは1991年12月10日に20559ワシントンDCの米国著作権庁に使用者用説明書と共に提出された。

本明細書で使用される「宿主細胞」(又は「組換え宿主細胞」)という用語は、組換えプラスミド又はベクター等の外来性ポリヌクレオチドの導入より、遺伝的に改変されているか、又は遺伝的に改変可能な細胞を指す。
このような用語は、特定の対象の細胞ばかりでなく、このような細胞の子孫も意味することを意図していることが理解されなければならない。ある種の修飾は、突然変異又は環境の影響により後の世代において生じるため、このような子孫は実際は親細胞と同一ではない可能性があるが、ここで使用される「宿主細胞」なる用語の範囲には尚含まれる。

「ヒトコンセンサスフレームワーク」とは、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的には、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからのものである。一般的には、配列のサブグループは、カバット(Kabat)にあるようなサブグループである。一実施態様において、Vについて、サブグループはカバット(Kabat)にあるサブグループカッパIである。一実施態様において、Vについて、サブグループはカバット(Kabat)にあるサブグループIIIである。

カバット番号付けシステムは、一般的に、可変ドメインにおける残基に言及する際に使用される(およそ、軽鎖の残基1〜107及び重鎖の1〜113)(例えば、Kabat et al., Sequences of Immunological Interest. 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))。「EU番号付けシステム」又は「EUインデックス」は一般に、免疫グロブリン重鎖定常領域を指す場合に用いられる(例えば上掲のKabat et al.において報告されたEUインデックス)。
「カバットにおけるEUインデックス」はヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の可変ドメイン内の残基番号の参照は、カバット番号付けシステムによって番号付けする残基を意味する。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の定常ドメイン内の残基番号の参照は、EU番号付けシステムによる残基番号付けを意味する(例えば、米国仮特許出願第60/640,323、EU番号付けについての図を参照のこと)。

天然に生じる基本的な4-鎖抗体ユニットは2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖から構成されるヘテロ四量体の糖タンパクである(IgM抗体は、基本的なヘテロ四量体ユニットとそれに付随するJ鎖と称される付加的なポリペプチドの5つからなり、よって10の抗原結合部位を有するが、分泌されたIgA抗体は重合して、基本的4-鎖ユニットとそれ付随するJ鎖のうち2〜5つを含む多価集合体に重合可能である)。IgGの場合、4鎖ユニットは一般的に約150000ダルトンである。各L鎖は一つの共有ジスルフィド結合によりH鎖に連結している一方、2つのH鎖はH鎖のアイソタイプに応じて一又は複数のジスルフィド結合により互いに連結されている。また各H及びL鎖は、規則的に離間した鎖内ジスルフィド架橋を有している。各H鎖は、N末端に可変ドメイン(VH)と、これに続くα及びγ鎖それぞれに対しては3つの定常ドメイン(CH)と、μ及びεアイソタイプに対しては4つのCHドメインを有する。各L鎖は、N末端に可変ドメイン(VL)と、これに続く定常ドメイン(CL)をその他端に有する。VLはVHに整列しており、CLは重鎖の第1定常ドメイン(CH1)に整列している。特定のアミノ酸残基は軽鎖と重鎖の可変ドメインの間の界面を形成すると考えられている。VHとVLは一緒になって単一の抗原結合部位を形成する。異なったクラスの抗体の構造及び特性について、例えば、Basic and Clinical Immunology, 8版, Daniel P. Stites, Abba I. Terr and Tristram G. Parslow編, Appleton & Lange, Norwalk, CT, 1994, 71頁, 6章を参照のこと。

任意の脊椎動物種からのL鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ及びラムダと呼ばれる明確に区別される2つのタイプのうちの一つを割り当てることができる。それらの重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラス又はアイソタイプに割り当てることができる。5つのクラスの免疫グロブリンが存在する。それぞれα、δ、γ、ε及びμと命名される重鎖を有するIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMである。γ及びαクラスは更にCH配列及び機能の比較的小さな差異に基づいてサブクラスに分割され、例えばヒトでは、次のサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2を発現する。

「ヒトエフェクター細胞」は、一又は複数のFcRを発現する白血球であり、エフェクター機能を果たす。幾つかの実施態様において、細胞は少なくともFCγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を果たす。ADCCを媒介するヒト白血球の例には、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞及び好中球が含まれる。エフェクター細胞は、天然供給源、例えば、、本明細書に記載の血液又はPBMC(末梢血単核細胞)から単離することができる。

非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形とは、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、望まれる特異性、親和性、及び力価を有するマウス、ラット、ウサギ又はヒト以外の霊長類(ドナー抗体)の超可変領域からの残基によって置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。幾つかの例においては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)の残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられている。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体中に見出されない残基を含んでもよい。これらの修飾は、抗体の性能を更に改良するためになされる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、超可変ループの全て又は実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全て又は実質的に全てのFR領域が、ヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、場合によって、免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的には、ヒト免疫グロブリンのそれをまた含むであろう。さらなる詳細については、Jones et al.,Nature,321:522−525(1986);Reichmann et al.,Nature,332:323−329(1988);及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−596(1992)参照。

「ヒト抗体」は、ヒトにより産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するもの、及び/又は本明細書中に開示したヒト抗体を製造するためのいずれかの技術を使用して、製造されたものである。ヒト抗体のこの定義は、特に、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除く。

本明細書に使用される用語「高血糖性疾患」は、例えば、I型及びII型糖尿病、並びに重度インスリン抵抗性、高インスリン血症、及び高脂血症等の、インスリン抵抗性に起因する全ての形態の糖尿病及び障害を指し、例えば、メンデンホール症候群(Mendenhall's Syndrome)、ウェルナー症候群、妖精症、脂肪萎縮性糖尿病、及び他の脂肪組織萎縮症等の肥満症、及びインスリン抵抗性糖尿病を指す。本明細書に開示する特定の高血糖性障害は、糖尿病、特にI型及びII型糖尿病である。「糖尿病」それ自身は、インスリンの不適切な産生又は利用を伴い、高血糖と糖尿により特徴付けられる糖代謝の進行性疾患を指す。

本明細書で使用される用語「超可変領域」又は「HVR」又は「HV」は、配列が超可変であるか、及び/又は構造的に定義されたループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は、VH(H1、H2、H3)に3つ、及びVL(L1、L2、L3)に3つの6 つのHVRを含む。天然抗体において、H3とL3は6つのHVRの内で最も多様性を呈し、特にH3は抗体に精密な特異性を付与するのに独特の役割を果たすと考えられている。例えば、Xu et al., Immunity 13:37-45 (2000); Johnson and Wu, in Methods in Molecular Biology 248:1-25 (Lo編., Human Press, Totowa, NJ, 2003)を参照のこと。しかしながら、重鎖のみ有し軽鎖を欠いた天然に生じる及び人工改変された機能的抗体の多数の例が存在する。例えば、Hamers-Casterman et al., Nature 363:446-448 (1993); Sheriff et al., Nature Struct. Biol. 3:733-736 (1996)を参照のこと。

多数ののHVRの描写が使用され、本明細書に包含される。カバット相補性決定領域(CDR)は配列変化に基づいており、最も一般的に使用されている(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。Chothiaは、代わりに構造的ループの位置に言及している(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。AbM HVRは、カバットHVRとChothia構造的ループとの間の妥協を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアにより使用される。「接触」HVRは、利用できる複合体結晶構造の分析に基づく。これらHVRのそれぞれからの残基を以下に示す。

HVRは、一般的に超可変ループ由来及び/又は「相補性決定領域」(CDR)由来のアミノ酸残基を含み、後者は、最高の配列可変性であり、及び/又は抗原認識に関与している。例示的な超可変ループはアミノ酸残基 26-32 (L1)、50-52 (L2)、91-96 (L3)、26-32 (H1)、53-55 (H2)、及び96-101 (H3)で生じる(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。例示的なCDR (CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、 CDR-H2、及びCDR-H3)は、L1のアミノ酸残基24-34、 L2の50-56、L3の89-97、H1の31-35B、H2の50-65、及びH3の95-102に生じる(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))。VHのCDR1の例外を除いて、CDRは一般的に超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは、抗原に接触する残基である「特異性決定残基」又は 「SDR」も含む。SDRは、略称(abbreviated-)CDR、又はa-CDRと呼ばれる、CDRの領域内に含まれている。例示的なa-CDR (a-CDR-L1、a-CDR-L2、a-CDR-L3、a-CDR-H1、 a-CDR-H2、及びa-CDR-H3)は、L1のアミノ酸残基31-34、 L2の50-55、L3の89-96、H1の31-35B、H2の50-58、及びH3の95-102に生じる(See Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008))。IgG HVRは、次のような「拡大HVR」を含むことができる:Vの24−36又は24−34(L1)、46−56又は50−56(L2)及び89−97又は89−96(L3)、並びにVの26−35(H1)、50−65又は49−65(H2)及び93−102、94−102、又は95−102(H3)である。特に断らない限り、可変ドメイン内のHVR残基及び他の残基(例えば、FR残基)は、上掲のカバットらに従い、本明細書において番号が付けられる。

2以上のエピトープに結合することのできるVH/VL ユニットを有する抗体を製造することができる(Bostrom et al. (2009) Science 323:1610-1614; WO 2008/027236 (参照により組み込まれる))。このような多重特異性抗体は、抗体の単一アーム(V/Vユニットとしても知られる)が同一標的分子の少なくとも2つのエピトープ又は異なる標的分子の少なくとも2つのエピトープに結合できることを示すために、本明細書では「ツーインワン(two-in one)」抗体又は「二重作用性Fab」又は「DAF」と称される。一態様において、これらのDAF抗体は、第一のエピトープに結合する抗体のV/VユニットのVドメインを変異させ、第一のエピトープ及び第二のエピトープに結合することができる変異体V/Vユニットを選択することにより製造することができる。例えば、一実施態様において、第二のエピトープへの結合について変異V/Vユニットをスクリーニングする前に、軽鎖CDRの一つ以上の溶媒露出アミノ酸残基(一又は複数)は、ランダムに又は選択的に一つ以上の別のアミノ酸残基(一又は複数)に置換される。

「インフラマソーム媒介疾患」とは、正常な非炎症性組織と比較して、IL−1β及び/又はIL−18が上昇している任意の疾患を指す。一般的に、インフラマソーム媒介性疾患においては、非誘導性の対照細胞と比較してカスパーゼ1のプロセシング及び/又は活性化が関与/上昇している。カスパーゼ1活性は、商業的に入手可能なアッセイキット、例えば、カスパーゼ1蛍光定量アッセイキット((Cat. No. ab394120; AbCam, Cambridge, MA)、カスパーゼ1比色定量アッセイ(Cat. No. BF14100; R&D Systems)等を使用して測定することができる。

一般的に、もしそれが体液もしくは組織でのIL−1βのレベルの上昇に関連し、又は、もし身体から採取した細胞もしくは組織が培養中で上昇したレベルのIL−1βを産生するならば、疾患又は症状はIL−1β関連疾患と考えることができる。同様に、もしそれが体液もしくは組織でのIL−18のレベルの上昇に関連し、又は、もし身体から採取した細胞もしくは組織が培養中で上昇したレベルのIL−18を産生するならば、疾患又は症状はIL−18関連疾患と考えることができる。よって、IL−1β/IL−18関連疾患又は症状は、もし組織又は身体から採取した細胞もしくは組織が培養中で上昇したレベルの両サイトカインを産生するならば、体液もしくは組織でのIL−1β及びIL−18のレベルの上昇に関連する。

免疫及び炎症性疾患には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチ、変形性関節症、若年性慢性関節炎、脊椎関節症、全身性硬化症(強皮症)、特発性炎症性筋症(皮膚筋炎)、全身性血管炎、サルコイドーシス、自己免疫性溶血性貧血(免疫性汎血球減少症、発作性夜間ヘモグロビン尿症)、自己免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病、免疫媒介性血小板減少症、甲状腺炎(グレーブス病、橋本病、若年性リンパ球性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)自己免疫性炎症疾患(例えば、アレルギー性脳脊髄炎、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、自己免疫性網膜ぶどう膜炎、甲状腺中毒症、自己免疫性甲状腺病、悪性貧血、自己移植拒絶、糖尿病、及び免疫媒介性腎症(糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎))、多発性硬化症、特発性脱髄性多発ニューロパチー又はギラン‐バレー症候群などの中枢及び末梢神経系の脱髄性疾患、及び慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー;感染性肝炎(A型、B型、C型、D型、E型肝炎及び他の非肝臓指向性ウイルス肝炎)等の肝胆道疾患、自己免疫性慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肉芽腫性肝炎、及び硬化性胆管炎、グルテン過敏性腸症、及びウィップル病;水疱性皮膚病、多形性紅班及び接触皮膚炎、乾癬を含む皮膚媒介性皮膚病;喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、春季カタル、湿疹、食物過敏症及び蕁麻疹等のアレルギー性疾患;好酸球性肺炎、特発性肺線維症及び過敏症肺炎等の肺の免疫学的疾患;移植拒絶及び移植片対宿主病等の移植関連疾患が含まれる。

免疫関連及び炎症疾患は、正常な生理機能では、発作又は傷害に反応して、発作又は傷害からの修復を開始し、外来生物体に対する生得的及び後天的防御を開始するのに重要な、かなり複雑で、多くの場合は多重に相互関連した生物学的経路の現れ又は結果である。疾患又は病理は、これらの正常な生理学的経路が、反応の強さに直接関連してか、異常な調節又は過度な刺激の結果として、自己に対する反応として、又はこれらの組合せとして、更なる発作又は傷害を引き起こすときに生じる。

IL−1β関連疾患の例は、急性膵炎;ALS;エイズによって誘発される悪液質を含む悪液質/食欲不振;喘息及び他の肺疾患;自己免疫血管炎;CIAS1関連周期性発熱症候群(CAPS);新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID/CINCA)、全身型若年性特異性関節炎、スティルス病、マックル・ウェルズ症候群、慢性疲労症候群;クロストリジウム関連の下痢を含むクロストリジウム関連疾患;うっ血性心不全、冠状動脈再狭窄、心筋梗塞、心筋機能不全(例えば、敗血症に関連する)及び冠状動脈バイパス術を含む冠状動脈症状及び徴候;癌、多発性骨髄腫及び骨髄性(例えばAML及びCML)及び他の白血病、並びに腫瘍転移;糖尿病(例えばインスリン糖尿病);子宮内膜症;家族性感冒自己炎症性症候群(FCAS);家族性地中海熱(FMF);発熱;線維症;糸球体腎炎;移植片対宿主病/移植拒絶;出血性ショック;痛覚過敏;炎症性腸疾患;乾癬性関節炎(並びに骨関節症及び関節リウマチ)を含む関節の炎症性症状;例えば、角膜移植片と関連し得る炎症性眼病;脳虚血(例えば、各々が神経変性に至り得る外傷、てんかん、出血又は脳卒中の結果としての脳損傷)を含む虚血;川崎病;学習障害;肺疾患(例えばARDS);筋疾患(例えば、筋タンパク質代謝、特に敗血症における);神経毒性(例えばHIVによって誘導される);骨粗鬆症;癌関連痛を含む疼痛;パーキンソン病;歯周病;早期分娩;乾癬;再灌流傷害;放射線療法の副作用;睡眠障害;側頭顎関節疾患;腫瘍壊死因子レセプター関連周期性発熱症候群(TRAPS);ブドウ膜炎;又は圧力、捻挫、軟骨損傷、外傷、整形外科手術、感染又は他の疾患プロセスから生じている炎症性症状である。

インターロイキン18は、免疫及び炎症性の要素に関連する種々の疾患に伴う病理に重要な役割を果たしている。これらの疾患は、限定されないが、慢性関節リウマチ、骨関節症、若年性慢性関節炎、ライム関節炎、乾癬の関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、狼瘡(例えば、全身性エリテマトーデス及びループス腎炎)、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー疾患、乾癬、乾癬タイプ1、乾癬タイプ2、皮膚炎硬皮症、移植片対宿主病、臓器移植拒否、臓器移植と関連する急性又は慢性免疫疾患、類肉腫症、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内血液凝固、川崎病、、グレーヴス病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ヴェゲナーの肉芽腫症、ヘノッホ‐シェーンライン紫斑病、腎臓の顕微鏡的な脈管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、感染性ショック、毒性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染症、寄生虫病、急性横脊髄炎、ハンティングトン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、孤発性多腺性欠乏症タイプI及び多腺性欠乏症タイプII、シュミット症候群、成人呼吸窮迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清反応陰性関節症、関節症、ライター症候群、乾癬の関節症、潰瘍性結腸性関節症、腸炎性滑膜炎、クラミジア、エルシニア及びサルモネラ菌関連関節症、脊椎関節症、アテローム性疾患1型動脈硬化(atheromatous disease1 arteriosclerosis)、アトピー性アレルギー、自己免疫水疱症、尋常性天疱瘡 、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳炎/ロイヤル・フリー病(encephalitis/Royal Free Disease)、慢性皮膚粘膜カンジダ症、巨細胞動脈炎、主要硬化性肝炎、特発性自己免疫肝炎、後天性免疫不全症候群、後天性免疫不全関連疾患、C型肝炎、一般の様々な免疫不全、一般の可変的な低ガンマグロブリン血症、拡張心筋症、女性の不妊症、卵巣機能不全、早発卵巣不全、線維症肺疾患、特発性繊維化肺胞炎、炎症後間質性肺疾患、間質性肺炎、結合組織病関連間質性肺疾患、混合性結合組織病関連肺疾患、全身性硬化症関連間質性肺疾患、関節リウマチ関連間質性肺疾患、全身性エリテマトーデス関連肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎関連肺疾患、シェーグレン疾患関連肺疾患、強直性脊椎炎関連肺疾患、脈管炎汎発性肺疾患、ヘモジデリン沈着症関連肺疾患、薬物性間質性肺疾患、放射線線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺疾患、痛風関節炎、自己免疫肝炎、1型自己免疫肝炎、古典的自己免疫性又はルポイド肝炎、2型自己免疫肝炎、抗LKM抗体肝炎、自己免疫媒介低血糖症、黒色表皮肥厚症を有するB型インスリン抵抗、副甲状腺機能低下症、臓器移植関連急性免疫疾患、臓器移植関連慢性免疫疾患、骨関節炎、原発性硬化性胆管炎、特発性白血球減少症、自己免疫好中球減少、腎疾患NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的脈管炎、ライム病、円板状エリテマトーデス、特発性又はNOS男性不妊症、精子自己免疫、多発性硬化症の全ての亜類型、交感性眼炎、結合組織疾患に対して従属的な肺高血圧、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ様脊椎炎、スティル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫甲状腺疾患、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫性の自己免疫甲状腺機能低下又は橋本病、萎縮性自己免疫甲状腺機能低下、一次性粘液水腫、水晶体遺伝子ブドウ膜炎、一次性脈管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アレルギー及び喘息、精神障害、うつ、統合失調症、Th2型及びTh1型媒介疾患(Th2 Type and Thl Type mediated diseases)慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性、自己免疫性及び骨疾患を含む。

本発明の抗体及び断片は、IL−1β関連、IL−18関連、、自己炎症性、自己免疫性、炎症性又は免疫疾患を治療するのに使用されてもよい。

これら疾患の起源には、殆どにおいて多段階経路及び複数の異なった生物学的系/経路が関与しているが、これらの一つ又は複数の経路の重要なポイントでの介入は、改善的又は治療的効果をもたらすことができる。 治療的介入は、有害なプロセス/経路の拮抗作用又は有益なプロセス/経路の刺激の何れかによって生じることができる。

Tリンパ球(T細胞)は、哺乳動物の免疫応答の重要な構成物である。T細胞は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域中の遺伝子によってコードされている自己分子と結合する抗原を認識する。該抗原は、MHC分子とともに抗原提示細胞、ウイルス感染細胞、癌細胞、移植片などの表面に表示されうる。T細胞系は、宿主動物の健康へ脅威を与えるこれら改変細胞を除去する。T細胞には、ヘルパーT細胞と細胞傷害性T細胞が含まれる。ヘルパーT細胞は、抗原表示細胞上の抗原-MHC複合体の認識の後に大々的に増殖する。ヘルパーT細胞はまた、種々のサイトカイン、例えば、B細胞、細胞傷害性T細胞及び免疫応答に関与する種々の他の細胞の活性化において中心的な役割を担うリンホカインを分泌する。

多数の免疫応答において、炎症性細胞は損傷又は感染の部位へ浸潤する。この遊走細胞は、患部組織の組織学的検査によって判定することができる好中球、好酸球、単球又はリンパ球性の細胞でありうる。例えば、Current Protocols in Immunology,John E. Coligan編, 1994, John Wiley & Sons, Incを参照のこと。多くの免疫関連疾患が知られており、広範に研究されている。そのような疾患は、免疫媒介性炎症疾患(例えば、関節リウマチ、免疫介在性腎症、肝胆道疾患、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬及び喘息)、非免疫媒介性炎症疾患、感染症、免疫不全症、腫瘍、及び移植拒絶等が含まれる。免疫学の分野において、炎症及び炎症性障害の治療のための標的が同定された。免疫学の分野において、炎症及び炎症性障害の治療のための標的が本明細書で同定されている。免疫関連疾患は、一例では、免疫応答を抑制することにより治療することができる。
免疫刺激活性を有する分子を抑制する中和抗体を使用することは、免疫媒介性疾患及び炎症性疾患の治療に有益である。免疫応答を抑制する分子を利用して(タンパク質を直接的に又は抗体アゴニストを用いて)、免疫応答を抑制し、よって免疫関連疾患を寛解することができる。

本明細書において使用する場合、用語「イムノアドヘシン」は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能を組み合わせた分子を示す。構造的には、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、Fc領域(例えば、IgGのCH2及び/又はCH3配列)との融合体を含む。例示的なアドヘシン配列には、対象のタンパク質に結合するレセプター(例えば、細胞外ドメイン)又はリガンドの一部分を含む隣接アミノ酸配列が含まれる。アドヘシン配列は、対象のタンパク質を結合するがレセプター又はリガンド配列ではない配列(例えばペプチボディ中のアドヘシン配列)でもあり得る。そのようなポリペプチド配列を、ファージディスプレイ技術及びハイスループット選別法をはじめとする様々な方法によって、選択又は同定することができる。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG-1、IgG-2、IgG-3又はIgG-4サブタイプ、IgA(IgA-1及びIgA-2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の免疫グロブリンから得ることができる。例示的分子は、Berg et al., 1991, PNAS (USA) 88:4723及び Chamow et al., 1994, J. Immunol. 153:4268に記載される二重特異性CD−IgG分子である。

「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものである。その天然環境の混入成分は、抗体のための診断的又は治療的使用に干渉するであろう材料であり、酵素、ホルモン、及び他の蛋白質性又は非−蛋白質性溶質を含んでもよい。幾つかの実施態様において、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合に抗体の95重量%超、最適には99重量%超まで、(2)スピニングカップシーケネーターの使用によって、N−末端又は内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、あるいは(3)クーマシーブルー又は、好ましくは、銀染色を用いて還元又は非還元条件下でSDS−PAGEによって均一になるまで精製される。単離された抗体は、該抗体の自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないであろうため、組み換え細胞内のインサイツの抗体を含む。しかしながら、通常は、単離された抗体は、少なくとも1つの精製工程によって調製されうる。

「単離された」核酸分子は、同定され、抗体核酸の天然供給源に通常付随している少なくとも一の汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離された核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。単離された核酸分子は、従って天然の細胞中に存在する核酸分子とは区別される。しかし、単離された核酸分子は、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にある抗体を通常発現する細胞に含まれる核酸分子を含む。

本明細書において言及する「ノブ・イントゥー・ホール(knob−into−hole)」又は「KnH」という用語は、インビトロ又はインビボで2つのポリペプチドの相互的な対合を選択的に導く技術であって、それらが相互作用する界面において一方のポリペプチドに突起(ノブ)を及び他方のポリペプチドに空洞(ホール)を導入することによる技術を指す。例えば、KnHは、抗体のFc:Fc結合界面、C:C1界面又はV/V界面において導入されている(例えば、米国特許出願公開第2007/0178552号、国際公開第96/027011号、国際公開第98/050431号及びZhu et al.(1997)Protein Science 6:781-788)。これは、多重特異性抗体の製造中に2つの異なる重鎖の相互的な対合を駆動するのに特に有用である。例えば、Fc領域にKnHを有する多重特異性抗体は、各Fc領域に連結された単一可変ドメインを更に含むことができ、又は類似したもしくは異なる軽鎖可変ドメインと対合する異なる重鎖可変ドメインを更に含むことができる。実際、KnH技術を用いて、2つの異なるレセプター細胞外ドメインを互いに対合させること、又は(例えばアフィボディ、ペプチボディ及び他のFc融合体を含む)異なる標的認識配列を含む任意の他のポリペプチド配列を対合させることもできる。

「線形抗体」という表現は、一般的に、Zapata等, Protein Eng. 8(10):1057-1062 (1995)に記載された抗体を意味する。簡単に言えば、これら抗体は、相補的な軽鎖ポリペプチドと共に抗原結合領域の対を形成する一対の直列のFdセグメント(V-C1-V-C1)を含む。直鎖状抗体は二重特異性であっても単一特異性であってもよい。

「哺乳類」という用語は、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、及びネコを含む哺乳類として分類される任意の動物を含む。一実施態様において、哺乳類はヒトである。

本明細書中で用いる用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体をいい、すなわちこの集団を含む個々の抗体は、微量で存在するかも知れない可能な天然に生じる突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であって、単一の抗原部位に対するものである。更に、典型的には、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含む、従来の(ポリクローナル)抗体製剤とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基に対するものである。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均一な集団から得られる抗体の特徴を示し、いずれかの特定の方法による抗体の生産を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って用いるべきモノクローナル抗体は、 Kohler et al., (1975), Nature 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作成されてもよく、あるいは組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号参照)によって作成されてもよい。「モノクローナル抗体」は、例えば、Clackson et al., (1991), Nature 352:624-628 及びMarks et al., (1991), J. Mol. Biol. 222:581-597に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリから単離してもよい。

本明細書のモノクローナル抗体は、具体的には、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の種に由来する又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同であるが、その(それらの)鎖の残部は別の種に由来する又は別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、並びにそのような抗体の断片(但し、それらが所望の生物学的活性を示すことを条件とする)を含む(米国特許第4816567号;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855(1984))。

用語「多特異性抗体」は最も広い意味で使用され、具体的にはポリエピトープ特異性を有する抗体を指す。このような多重特異性抗体は、限定されないが、重鎖可変ドメイン(VH)及び軽鎖可変ドメイン(VL)を含む抗体を含み、VLユニットはポリエピトープ特異性、2以上のVドメイン及びVドメインを有し、各VVL ユニットは異なるエピトープに結合する抗体、2以上の単一可変ドメインを有し、少なくとも2つの単一可変ドメインが異なるエピトープに結合する抗体、全長抗体、抗体断片、例えばFab、Fv、dsFv、scFv、ダイアボディ、タンデム抗体、直鎖状抗体及びトリアボディ等、共有結合的に連結又は互いに非共有結合的相互作用を介して結合している抗体断片を含む。多重特異性抗体を作成するために使用されている又は使用することができる抗体形態の他の例には、ダイボディのFc融合体、タンデム抗体、及び単鎖抗体(例えば、Db−Fc、taDb−Fc、taDb−CH3及び(scFV)4−Fc)、ノブ−N−ホール(KnH)抗体、オクトパス抗体、並びにDAF抗体が含まれるが、これらに限定されない。

本明細書で使用する「多重特異性分子」は、ポリエピトープ特異性を有する分子を指す。「ポリエピトープ特異性」とは、一つの標的分子又は異なる標的分子上の2つ以上の異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。「単一特異性」は唯一つのエピトープに結合する能力を指す。一実施態様によると、多重特異性分子は、5μM から 0.001pM、3μMから0.001pM、1μMから0.001pM、0.5μMから0.001pM 又は0.1μMから0.001pMの親和性で各エピトープに結合する。本明細書で使用する「二重特異性」という用語は、2つのエピトープを結合する能力を指す(例えば、抗IL−1β/IL−18二重特異性抗体)。ポリエピトープ特異性を維持するために維持し又は人工改変されてもよい分子の例には、限定されないが、抗体、アフィボディ、イムノアドヘシン、ペプチボディ及び他のFc融合体を含む。

本明細書で使用する一つ又は複数の「オクトパス」抗体という用語は、Fc領域及びFc領域のアミノ末端の2以上の抗原結合部位を含む多価抗体を指す。好適な一実施態様において、該抗体のポリペプチドの配置は、VD1−(X1)n−DV2−(X2)n−Fcであり、ここでVD1は第一の可変ドメインであり、VD2は第2の可変ドメインであり、FcはFc領域の一つのポリペプチド鎖であり、X1とX2はアミノ酸又はポリペプチドを表し、nは0又は1である。一実施態様において、X1又はX2はCH1ドメイン、CH1ドメインの一部分、GSリンカー等のなんらかの他のリンカー配列又はそれらのなんらかの組み合わせである(例えば、WO2007/024715の5頁を参照)。

本明細書で使用する核酸は、他の核酸配列と機能的な関係に置かれるときに「操作可能に結合」している。例えば、プレ配列又は分泌リーダーのDNAは、抗体の分泌に参画するプレタンパク質として発現されている場合、その抗体のDNAに操作可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に操作可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にある場合、コード配列と操作可能に結合している。一般に、「操作可能に結合」とは、連結するDNA配列が近接しており、及び分泌リーダーの場合には、近接しており読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが使用される。

「ペプチボディ」又は「ペプチボディーズ(peptibodies)」はFcドメインを有するペプチド配列の融合体を指す。2003年12月9日に Feigeらに発行された米国特許第6660843号を参照のこと(参照によりその全体が組み込まれる)。それらは、N末端、C末端、アミノ酸側鎖、又はこれらの内の1を超える部位と連結する一つ又は複数のペプチドを含む。む。ペプチボディ技術は、1つ以上のリガンド又はレセプターを標的にするペプチド、腫瘍ホーミングペプチド、膜輸送ペプチド等を組み込む治療薬の設計を可能にする。ペプチボディ技術は、ジスルフィドによって拘束された線状ペプチド、「直列ペプチド多量体」(すなわち、Fcドメインの単鎖上の1つより多くのペプチド)を含めて、多数のそのような分子の設計において有用であることが証明された。例えば、米国特許第6,660,843号;2003年10月16日に公開された米国特許出願公開第2003/0195156号(2002年11月21日に公開された国際公開第02/092620号に対応する);2003年9月18日に公開された米国特許出願公開第2003/0176352号(2003年4月17日に公開された国際公開第03/031589号に対応する);1999年10月22日に出願された米国特許出願第09/422,838号(2000年5月4日に公開された国際公開第00/24770号に対応する);2003年12月11日に公開された米国特許出願公開第2003/0229023号;2003年7月17日に公開された国際公開第03/057134号;2003年12月25日に公開された米国特許出願公開第2003/0236193号(2004年4月8日に出願されたPCT/US04/010989号に対応する);2003年9月18日に出願された米国特許出願第10/666,480号(2004年4月1日に公開された国際公開第04/026329号に対応する)を参照のこと。これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

本明細書の目的に関して「医薬組成物」は、哺乳動物、特にヒトに投与するのに適応し及び適切なものである。従って、組成物は、哺乳動物において疾患又は障害を治療するために使用することができる。更に、組成物中のタンパク質は、その治療的使用に介入するかもしれない汚染物(一又は複数)がそれらから分離されている等の1以上の精製又は単離工程をを受けている。一般的に、医薬組成物は、治療用タンパク質及び薬剤的に許容可能な担体又は希釈剤を含む。組成物は、通常無菌であり、凍結乾燥されてもよい。薬剤のさらなる詳細を以下に記載する。

本明細書で互換的に使用する「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド又は塩基、及び/又はそれらの類似体、又はDNAもしくはRNAポリメラーゼにより、もしくは合成反応によりポリマー中に取り込み可能な任意の基質とすることができる。ポリヌクレオチドは、修飾されたヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体を含み得る。存在するならば、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの組み立ての前又は後になされ得る。ヌクレオチドの配列は非ヌクレオチド成分により中断されてもよい。ポリヌクレオチドは合成後に標識とコンジュゲートによるなどして更に修飾されてもよい。他のタイプの修飾には、例えば「キャップ(caps)」、類似体との自然に生じたヌクレオチドの一又は複数の置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電連結(例えばホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミダート、カルバマート等)及び荷電連結(ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート等)を有するもの、ペンダント部分、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ply-L-リジン等)を含むもの、インターカレータ(intercalators)を有するもの(例えばアクリジン、ソラレン等)、キレート剤(例えば金属、放射性金属、ホウ素、酸化的金属等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された連結を含むもの(例えばアルファアノマー核酸等)、並びにポリヌクレオチド(類)の未修飾形態が含まれる。更に、糖類中に通常存在する任意のヒドロキシル基は、例えばホスホナート基、ホスファート基で置き換えられてもよく、標準的な保護基で保護されてもよく、又は付加的なヌクレオチドへのさらなる連結を調製するように活性化されてもよく、もしくは固体又は半固体担体に結合していてもよい。5'及び3'末端のOHはリン酸化可能であり、又は1〜20の炭素原子を有する有機キャップ基部分又はアミンで置換することもできる。また他のヒドロキシルは標準的な保護基に誘導体化されてもよい。またポリヌクレオチドは当該分野で一般的に知られているリボース又はデオキシリボース糖類の類似形態のものを更に含み得、これらには例えば2'-O-メチル-、2'-O-アリル、2'-フルオロ又は2'-アジド-リボース、炭素環式糖の類似体、α-アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノース、キシロース類又はリキソース類、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体、及び非塩基性ヌクレオシド類似体、例えばメチルリボシドが含まれる。一又は複数のホスホジエステル連結は代替の連結基で置き換えてもよい。これらの代替の連結基には、限定されるものではないが、ホスファートがP(O)S(「チオアート」)、P(S)S(「ジチオアート」)、「(O)NR2(「アミダート」)、P(O)R、P(O)OR'、CO又はCH2(「ホルムアセタール」)と置き換えられた実施態様のものが含まれ、ここでそれぞれのR及びR'は独立して、H又は、エーテル(-O-)結合を含んでいてもよい置換もしくは未置換のアルキル(1〜20C)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル又はアラルジル(araldyl)である。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記述は、RNA及びDNAを含むここで引用される全てのポリヌクレオチドに適用する。

本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」は一般に、必須ではないが一般におよそ200ヌクレオチド長未満である、短い、一般に一本鎖の、一般に合成のポリヌクレオチドを指す。「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」なる用語は互いに矛盾しない。ポリヌクレオチドについての記載は等しく、オリゴヌクレオチドにも完全に適用できる。

「レセプター結合ドメイン」という用語は、細胞接着分子を含むレセプターに対する任意の天然リガンド、あるいは対応する天然リガンドの定性的レセプター結合能力を少なくとも保持しているかかる天然リガンドの任意の領域又は誘導体を指すために使用する。
この定義は、とりわけ、上述のレセプターに対するリガンドからの結合配列を特に含む。

「分泌シグナル配列」又は「シグナル配列」とは、細胞膜、通常は原核生物の内側の膜又は内側と外側の両方の膜を通して、対象となる新しく合成されたタンパク質の方向付けに使用することのできる短いシグナルペプチドをコードする核酸配列を指す。
このようにして、対象となるタンパク質、例えば免疫グロブリン軽鎖又は重鎖ポリペプチドは、原核宿主細胞の周辺に、あるいは培地中に分泌される。分泌シグナル配列によってコードされるシグナルペプチドは、宿主細胞に内在しても、あるいはそれらは外因性でもよく、発現されるポリペプチドに本来あるシグナルペプチドを含む。分泌シグナル配列は、典型的には発現されるポリペプチドのアミノ末端に存在し、典型的にはポリペプチドの生合成と分泌の間に細胞質から酵素的に取り除かれる。従って、シグナルペプチドは、通常、成熟タンパク質産物には存在しない。

「単一ドメイン抗体」(sdAb)又は「単一可変ドメイン(SVD)抗体」という表現は、単一可変ドメイン(V又はV)が抗原結合を付与することができる抗体を一般に指す。言い換えると、単一可変ドメインは、標的抗原に結合するために別の可変ドメインと相互作用する必要がない。単一ドメイン抗体の例には、ラクダ科(ラマ及びラクダ)及び軟骨魚(例えばテンジクザメ)に由来するもの並びにヒト及びマウス抗体からの組換え法から得られるものが含まれる(Nature(1989)341:544-546;Dev Comp Immunol(2006)30:43-56;Trend Biochem Sci(2001)26:230-235;Trends Biotechnol(2003):21:484-490;国際公開第2005/035572号;同第03/035694号;Febs Lett(1994)339:285-290;国際公開第00/29004号;同第02/051870号)。

本明細書で使用する「治療用抗体」は、疾患ないしは障害を有する哺乳動物又は疾患ないしは障害の素因を有する哺乳動物の疾患又は障害を治療する際に有用な抗体である。例示的な治療用抗体には、本発明の抗IL−1β及び抗IL−18二重特異性抗体を含む本発明の抗IL−1β及び抗IL−18抗体、並びにrhuMAb4D5(HERCEPTIN(登録商標))(Carter等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285-4289 (1992)、米国特許第5725856号)を含む抗体;米国特許第5736137号に記載のキメラ抗CD20「C2B8」等の抗CD20抗体(RITUXAN(登録商標))、米国特許第5721108B1号記載の2H7抗体のキメラ又はヒト化変異体又はトシツモマブ(BEXXAR(登録商標));抗-IL-8 (St Johnら, Chest, 103:932 (1993)、及び国際公開第95/23865号);ヒト化及び/又は親和性成熟抗-VEGF抗体、例えばヒト化抗-VEGF抗体huA4.6.1 AVASTIN(商標)を含む抗-VEGF抗体(Kimら, Growth Factors, 7:53-64 (1992), 国際公開第96/30046号、及び国際公開第98/45331号, 1998年10月15日に公開);抗−PSCA抗体(国際公開第01/40309号);S2C6及びそのヒト化変異体を含む抗−CD40抗体(国際公開第00/75348号);抗CD11a抗体(米国特許第5,622,700号, 国際公開第98/23761号, Steppeら, Transplant Intl. 4:3-7 (1991)、及びHourmantら, Transplantation 58:377-380 (1994));抗IgE抗体(Prestaら, J. Immunol. 151:2623-2632 (1993)、及び国際公開第 95/19181号);抗CD18抗体(1997年4月22日に発行された米国特許第5,622,700号、又は1997年7月31日に公開された国際公開第97/26912号);抗IgE抗体(1998年2月3日に発行された米国特許第5,714,338号、又は1992年2月25日に発行された米国特許第5,091,313号、1993年3月4日に公開された国際公開第93/04173号、又は1998年6月30日に出願された国際出願第PCT/US98/13410号、米国特許第5,714,338号);抗Apo−2レセプター抗体(1998年11月19日に公開された国際公開第98/51793号);cA2 (REMICADE(登録商標))、CDP571及びMAK−195を含む抗TNFα抗体(1997年9月30日に発行された米国特許第5,672,347号、Lorenzら J. Immunol. 156(4):1646-1653 (1996)、及びDhainautら Crit. Care Med. 23(9):1461-1469 (1995)を参照);抗-組織因子(TF)抗体(1994年11月9日に許諾された欧州特許第0420937B1号);抗-ヒトγ−βインテグリン抗体(1998年2月19日に公開された国際公開第98/06248号);抗−EGFR抗体(1996年12月19日に公開された国際公開第96/40210号にあるようなキメラ化又はヒト化225抗体;抗CD3抗体、例えばOKT3(1985年5月7日に発行された米国特許第4,515,893号);抗CD25又は抗tac抗体、例えばCHI-621 (SIMULECT(登録商標))及びZENAPAX(登録商標)(1997年12月2日に発行された米国特許第5,693,762号を参照);抗CD4抗体、例えばcM-7412抗体(Choyら, Arthritis Rheum 39(1):52-56 (1996));抗−CD52抗体、例えばCAMPATH−1H(Riechmannら Nature 332:323-337 (1988);抗Fcレセプター抗体、例えばGrazianoら J. Immunol. 155(10):4996-5002 (1995)にあるような、FcγRIに対するM22抗体;抗-癌胎児性抗原(CEA)抗体、例えばhMN−14 (Sharkeyら Cancer Res. 55(23Suppl):5935s-5945s (1995);huBrE−3、hu−Mc 3及びCHL6を含む乳房上皮細胞に対する抗体(Cerianiら Cancer Res. 55(23): 5852s-5856s(1995);及びRichmanら Cancer Rea. 55(23 Supp): 5916s-5920s (1995));C242等の、結腸癌細胞に結合する抗体(Littonら Eur J. Immunol. 26(1):1-9 (1996));抗CD38抗体、例えばAT 13/5(Ellisら J. Immunol. 155(2):925-937 (1995));抗−CD33抗体、例えばHu M195(Jurcicら Cancer Res 55(23 Suppl):5908s-5910s (1995)及びCMA−676又はCDP771;抗−CD22抗体、例えばLL2又はLymphoCide(Juweidら Cancer Res 55(23 Suppl):5899s-5907s (1995);抗−EpCAM抗体、例えば17−1A(PANOREX(登録商標));抗−GpIIb/IIIa抗体、例えばabciximab又はc7E3 Fab (REOPRO(登録商標));抗−RSV抗体、例えばMEDI-493(SYNAGIS(登録商標));抗-CMV抗体、例えばPROTOVIR(登録商標);抗-HIV抗体、例えばPRO542;抗-肝炎抗体、例えば抗Hep B抗体 OSTAVIR(登録商標);抗CA 125抗体 OvaRex; 抗-イディオタイプGD3エピトープ抗体BEC2;抗-αvβ3抗体VITAXIN(登録商標);抗-ヒト腎細胞癌抗体、例えばch−G250;ING−1;抗-ヒト 17-IA抗体(3622W94); 抗-ヒト大腸腫瘍抗体(A33);GD3ガングリオシドに対する抗-ヒトメラノーマ抗体R24;抗-ヒト扁平上皮癌(SF−25);及び抗-ヒト白血球抗原(HLA)抗体、例えばSmart ID10及び抗HLA DR抗体Oncolym(Lym-1)が含まれる。

「標的分子」は、標的認識部位に結合することができる分子を指す。標的分子:標的認識部位相互作用の例には、抗原:抗体可変ドメイン相互作用、レセプター:リガンド相互作用、リガンド:レセプター相互作用、アドヘシン:アドヘシン相互作用、ビオチン:ストレプトアビジン相互作用等が含まれる。一実施態様において、標的分子は、生体分子である。

「治療的有効量」という用語は、患者又は哺乳動物の疾患又は障害を「軽減する」又は「治療する」のに有効な本発明組成物の量を指す。一実施態様において、「治療的有効量」は、IL−1β及びIL−18のそれらのレセプターへの結合を阻害又は減少させるのに有効な若しくはそれらを必要とする患者における炎症性障害を治療又は予防するのに有効な本明細書に記載の抗体の単独の量又は他の活性成分と組み合わせた場合の量を含むことを意図する。

「治療」(及び「治療する(treat)」又は 「治療している(treating)」など文法上の変形)は、治療されている対象の自然経過を変えようと試みる臨床的介入を指し、予防のために、又は臨床病理の過程においてのいずれかで実行できる。治療の望ましい効果は、限定されないが、疾患の発症又は再発を予防すること、症状の緩和、疾患の直接的又は間接的な病理学的帰結の縮小、転移を予防すること、疾患の進行の速度を遅らせること、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善を含む。幾つかの実施態様において、本発明の抗体は、疾患の発症を遅延させるか又は疾患の進行を遅くするために使用される。一般的に、疾患又は障害の治療は、疾患又は障害に関連する一以上の症状又は医学上の問題を軽減することを含む。一実施態様において、本発明の抗体及び組成物は、患者又は哺乳動物において疾患又は障害の発症又は再発を防止するために使用されてもよい。例えば、自己免疫疾患を有する患者において、本発明の抗体は再発を予防又は治療するために使用することができる。継続治療又は投与は、1日以上の治療の中断が無い少なくとも毎日の治療を指す。間欠治療又は投与、又は間欠的様式の治療又は投与とは、継続的でないがむしろ周期的性質の治療を指す。本明細書の治療計画は、継続的又は間欠的のいずれでもよい。

「可変」なる用語は、可変ドメインの所定のセグメントが抗体間で配列の点で広範囲に相違していることを意味する。Vドメインは抗原結合を媒介し、特定の抗体のその特定の抗原に対する特異性を定める。しかしながら、可変性は可変ドメインのアミノ酸のスパンにわたって均一に分布しているのではない。代わりに、V領域は「超可変領域」と称される極めて可変性のより短い領域により分離されるフレームワーク領域(FR)と称される相対的に不変のストレッチから構成される。 1つの可変ドメイン内の超可変領域は別の鎖からの超可変領域と協同して、抗体の型に依存して、抗体上の抗原結合部位を形成するのに貢献する(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)を参照)。定常ドメインは典型的には抗体の抗原への結合に直接は関係しないが、例えば抗体依存性細胞傷害性(ADCC)への抗体の関与のような様々なエフェクター機能を示す。

本明細書で使用する「変異型」又は「変更された」重鎖は、一般的に、減少したジスルフィド結合能を有する重鎖、例えば、少なくとも一つのシステイン残基がジスルフィド結合形成不能にされた重鎖を指す。好ましくは、少なくとも一つの該システインは重鎖のヒンジ領域にある。

本明細書で使用される、用語「ベクター」は、それが結合されている別の核酸を運搬することができる核酸分子を指すことを意図する。一つのタイプのベクターは「プラスミド」であり、これは付加的なDNAセグメントが結合されうる円形の二本鎖DNAループである。別の型のベクターはファージベクターである。別の型のベクターはウイルスベクターであり、付加的なDNAセグメントをウイルスゲノムへ結合させうる。所定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内において自己複製することができる(例えば、細菌の複製開始点を有する細菌ベクターとエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、従って宿主ゲノムと共に複製する。更に、所定のベクターは、それらが動作可能に結合している遺伝子の発現を指令し得る。このようなベクターは本明細書では「組換え発現ベクター」(又は単に「組み換えベクター」)と呼ぶ。一般に、組換えDNA技術で有用な発現ベクターはしばしばプラスミドの形態をとる。本明細書では、プラスミドが最も広く使用されているベクターの形態であるので、「プラスミド」と「ベクター」を相互交換可能に使用し得る。

標的分子でない他の分子に結合するよりもより高い親和性で標的分子に「選択的に結合する」抗体。相対的結合及び/又は結合親和性は、限定されないが、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)及び蛍光標示式細胞分取法(FACS)を含む当該分野で受け入れられている様々な方法で実証することができる。一実施態様において、本発明の抗体は、ELISAで測定する場合、非標的分子に結合するよりも少なくとも1対数濃度高い反応性で標的分子に結合する。

I.例示的抗体
場合によって他の分子とコンジュゲートした、可溶性ヒトIL−1β又はヒトIL−18、又はそれらの断片は、抗体を産生するために免疫原として使用することができる。あるいは、又は加えて、ヒトIL−1β又はヒトIL−18を発現する細胞を免疫原として使用することができる。そのような細胞は天然源に由来することができるか、あるいはヒトIL−1β又はヒトIL−18を発現するように組換え技術によって形質転換された細胞であってよい。抗体を調整するために有用なヒトIL−1β又はヒトIL−18の他の形態は、当業者には明らかであろう。

A.ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連する抗原及びアジュバントの複数回の皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射により動物において産生される。それは、免疫化されるべき種において免疫原性であるタンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又は大豆トリプシンインヒビターへ、二重官能性又は誘導体形成剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介する抱合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl、又はR及びRが異なるアルキル基であるRN=C=NRへ、関連する抗原をコンジュゲートさせるために有用であり得る。

動物を、例えばタンパク質又はコンジュゲート100μg又は5μg(それぞれウサギ又はマウスの場合)を完全フロイントアジュバント3容量と併せ、この溶液を複数部位に皮内注射することによって、抗原、免疫原性コンジュゲート、又は誘導体に対して免疫する。およそ1ヶ月後、該動物を、完全フロイントアジュバントに入れた初回量の1/5ないし1/10のペプチド又はコンジュゲートを用いて複数部位に皮下注射することにより、追加免疫する。7ないし14日後に動物を採血し、抗体価について血清を検定する。動物は、力価がプラトーに達するまで追加免疫する。好ましくは、動物は、同じ抗原であるが異なるタンパク質にコンジュゲートさせた、及び/又は異なる架橋剤によってコンジュゲートさせたコンジュゲートにより追加免疫される。コンジュゲートはまた、タンパク質融合体として組換え細胞培養中で調製することができる。また、ミョウバンのような凝集化剤が、免疫反応の増強のために好適に使用される。

B.モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、Kohler等, Nature, 256:495 (1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法、又は組換えDNA法(例として米国特許第4816567号を参照)によって作成することができる。

ハイブリドーマ法においては、マウス又はその他の適当な宿主動物、例えばハムスター又はマカクザルを上記のように免疫し、免疫化に用いられたタンパク質と特異的に結合する抗体を産生する、又は産生することのできるリンパ球を導き出す。代わりに、リンパ球をインビトロで免疫することもできる。次いで、リンパ球をポリエチレングリコールのような適当な融合剤を用いて骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成させる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 59-103頁(Academic Press, 1986))。

このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、融合していない親の骨髄腫細胞の増殖又は生存を阻害する一又は複数の物質を好適に含む適当な培地に蒔き、増殖させる。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠失するならば、ハイブリドーマのための培地は、典型的には、HGPRT−欠失細胞の増殖を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含有するであろう(HAT培地)。

好適な骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高レベルの発現を支援し、HAT培地などの培地に対して感受性である細胞である。
これらの中でも、好適な骨髄腫細胞株は、マウス骨髄腫株、例えば、ソーク・インスティテュート・セル・ディストリビューション・センター、サンディエゴ、カリフォルニア、USAより入手し得るMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍、及び、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ロックビル、メリーランド、USAより入手し得るSP-2又はX63-Ag8-653細胞から誘導されるものである。ヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株もまたヒトモノクローナル抗体の産生のために開示されている(Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984);Brodeur等, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, 51-63頁、(Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。

ハイブリドーマ細胞が生育している培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降又はインビトロ結合検定、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定(ELISA)によって測定される。

所望の特異性、親和性、及び/又は活性な抗体を産生するハイブリドーマ細胞が確定された後、そのクローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法により増殖させることができる(Goding, 上掲)。
この目的に対して好適な培地は、例えば、D-MEM又はRPMI-1640培地を包含する。加えて、このハイブリドーマ細胞は、動物の腹水症腫瘍として、インビボで増殖させることができる。

サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析又はアフィニティクロマトグラフィーのような常套的な免疫グロブリン精製法によって、培地、腹水、又は血清から上手く分離される。

モノクローナル抗体をコードするDNAは、常法を用いて(例えば、モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)容易にに分離されて、配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好適な供給源となる。ひとたび分離されたならば、DNAを発現ベクター中に入れ、ついでこれを、この状況以外では免疫グロブリンタンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は骨髄腫細胞のような宿主細胞中に形質移入し、組換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成を獲得することができる。抗体の組み換え産生を以下に詳細に記載する。

更なる実施態様では、抗体又は抗体断片は、McCafferty等, Nature, 348:552-554 (1990)に記載された技術を使用して産生される抗体ファージライブラリから分離することができる。Clackson等, Nature, 352:624-628 (1991)及び Marks等, J.Mol.Biol., 222:581-597 (1991)は、ファージライブラリを使用したマウス及びヒト抗体の分離を記述している。続く刊行物は、鎖シャフリングによる高親和性(nM範囲)のヒト抗体の産生(Marks等, Bio/Technology, 10:779-783(1992))、並びに非常に大きなファージライブラリを構築するための方策としてコンビナトリアル感染とインビボ組換え(Waterhouse等, Nuc.Acids.Res., 21:2265-2266(1993))を記述している。従って、これらの技術はモノクローナル抗体の単離に対する伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ法に対する実行可能な別法である。

また、DNAは、例えば、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を、相同的マウス配列に代えて置換することによって(米国特許第4816567号;Morrison等, Proc.Nat.Acad.Sci., USA, 81:6851(1984))、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリン物質のコード配列の全部又は一部を共有結合させることによって修飾することができる。

典型的には、このような非免疫グロブリン物質は、抗体の定常ドメインに置換するか、又は抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置換して、抗原に対する特異性を有する1つの抗原結合部位と異なる抗原に対する特異性を有するもう一つの抗原結合部位とを含むキメラ二価抗体を作り出す。

C.ヒト化抗体及びヒト抗体
ヒト化抗体は、非ヒト源からの一又は複数のアミノ酸残基を有する。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「移入」残基と称され、典型的には「移入」可変ドメインから得られる。ヒト化は一般的にウィンター(Winter)及び共同研究者(Jones等, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyen等, Science, 239:1534-1536 (1988))の方法に従って、げっ歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することにより実施される。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4816567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及び場合によっては幾つかのFR残基が、非ヒト、例えばげっ歯類の抗体の類似する部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。

抗原性を低減するには、ヒト化抗体を生成する際に使用する軽重両方のヒト可変ドメインの選択が非常に重要である。いわゆる「ベストフィット法」によれば、げっ歯動物抗体の可変ドメインの配列を、既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリ全体に対してスクリーニングする。次にげっ歯動物のものと最も近いヒト配列を、ヒト化抗体のヒトフレームワーク(FR)として受け入れる(Sims等, J. Immunol., 151:2296 (1987);Chothia等, J. Mol. Biol., 196:901(1987))。他の方法では、軽又は重鎖の特定のサブグループのヒト抗体全てのコンセンサス配列から誘導される特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークをいくつかの異なるヒト化抗体に使用できる(Carter等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);Presta等, J. Immunol., 151:2623(1993))。

更に、抗体を、抗原に対する高親和性や他の好ましい生物学的性質を保持してヒト化することが重要である。この目標を達成するべく、好適な方法では、親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析工程によりヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般的に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推測三次元立体配座構造を図解し、表示するコンピュータプログラムは購入可能である。これら表示を見ることで、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のありそうな役割の分析、すなわち候補免疫グログリンの抗原との結合能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、例えば標的抗原(一又は複数)に対する親和性が高まるといった、望ましい抗体特性が達成されるように、FR残基をレシピエント及び移入配列から選択し、組み合わせることができる。一般的に、CDR残基は、直接かつ最も実質的に抗原結合性に影響を及ぼしている。

あるいは、現在では、免疫化することで、内因性免疫グロブリンの産生がなく、ヒト抗体の全レパートリーを産生することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を産生することが可能である。
例えば、キメラ及び生殖細胞系突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子のホモ接合体欠失によって、結果として内因性抗体産生の完全な阻害が起こることが記述されてきた。ヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子配列の、このような生殖細胞系突然変異体マウスへの転移によって、結果として抗原投与時にヒト抗体の産生がおこる。Jakobovits等, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:2551 (1993);Jakobovits等, Nature 362:255-258 (1993); Bruggeman等, Year in Immuno., 7:33 (1993);及びDuchosal等 Nature 355:258 (1992)を参照されたい。また、ヒト抗体はファージディスプレイライブラリからも得られる(Hoogenboom等, J. Mol. Biol., 227:381 (1991);Marks等, J. Mol. Biol., 222:581-597 (1991);Vaughan等 Nature Biotech 14:309 (1996))。

i.キメラ及びヒト化抗体

ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、キメラ抗体である。所定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855 (1984))に記載されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサル等の非ヒト霊長類由来の可変領域)及びヒト定常領域を含む。更なる例において、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。

ある実施態様において、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するために、親の非ヒト抗体の特異性と親和性を保持したまま、ヒト化されている。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(又はその一部)が、非ヒト抗体から由来し、FR(又はその一部)がヒト抗体配列に由来する、一以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体はまた、任意で、ヒト定常領域の少なくとも一部をも含む。幾つかの実施態様において、ヒト化抗体の幾つかのFR残基は、例えば、抗体特異性又は親和性を回復もしくは改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換されている。

ヒト化抗体及びそれらの製造方法は、例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)に総説され、更に、 例えば、Riechmann et al., Nature 332:323-329 (1988); Queen et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 86:10029-10033 (1989); 米国特許第5, 821,337, 7,527,791, 6,982,321,及び7,087,409; Kashmiri et al., Methods 36:25-34 (2005) (SDR (a-CDR)グラフティングを記述); Padlan, Mol. Immunol. 28:489-498 (1991) ("リサーフェシング"を記述); Dall’Acqua et al., Methods 36:43-60 (2005) ("FRシャッフリング"を記述);及びOsbourn et al., Methods 36:61-68 (2005) 及びKlimka et al., Br. J. Cancer, 83:252-260 (2000) (FRのシャッフリングへの"誘導選択"アプローチを記述)に記載されている。

ヒト化に用いられ得るヒトフレームワーク領域は、限定されないが、「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al. J. Immunol. 151:2296 (1993));軽鎖又は重鎖の可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carter et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);及びPresta et al. J. Immunol., 151:2623 (1993)を参照); ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域又はヒト生殖細胞系フレームワーク領域 (例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)を参照); 及びFRライブラリスクリーニング由来のフレームワーク領域 (例えば、Baca et al., J. Biol. Chem. 272:10678-10684 (1997)及び Rosok et al., J. Biol. Chem. 271:22611-22618 (1996)を参照)を含む。

ii.ヒト抗体
ある実施態様において、本明細書で提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で既知の様々な技術を用いて生産することができる。ヒト抗体は一般的にvan Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74 (2001) 及びLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459 (2008)に記載されている。

ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答して、インタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を持つ又はインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することにより調製することができる。このような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、又は染色体外に存在するかもしくは動物の染色体にランダムに組み込まれている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全て又は一部を含む。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に不活性化される。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、 Lonberg, Nat. Biotech. 23:1117-1125 (2005)を参照。また、例えば、XENOMOUSETM 技術を記載している、米国特許第6,075,181号及び6,150,584号;HuMAB(登録商標)技術を記載している米国特許第5,770,429号; K-M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許第7,041,870号及び、VelociMouse(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第2007/0061900号)を参照。このような動物で生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、更に改変される可能性がある。

ヒト抗体は、ハイブリドーマベース法によっても作成することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J. Immunol., 133: 3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987); 及び Boerner et al., J. Immunol., 147: 86 (1991)を参照)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術により生成されたヒト抗体もLi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562 (2006)に記載されている。更なる方法は、例えば、米国特許第7189826号 (ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載している)及びNi, Xiandai Mianyixue, 26(4):265-268 (2006) (ヒト-ヒトハイブリドーマを記載している)に記載されたものを含む。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)もまた、Vollmers and Brandlein, Histology and Histopathology, 20(3):927-937 (2005) 及びVollmers and Brandlein, Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology, 27(3):185-91 (2005)に記載される。
ヒト抗体はまた、ヒト由来のファージディスプレイライブラリから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成され得る。このような可変ドメイン配列は、次に所望のヒト定常ドメインと組み合わせてもよい。抗体ライブラリからヒト抗体を選択するための技術が、以下に説明される。

D.多重特異性抗体
多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる抗体に対して結合特異性を有する。このような分子は、通常の2つの抗原のみに結合する(例えば、二重特異性抗体、BsAbs)が、さらなる特異性を有する抗体、例えば三重特異性抗体も、ここで使用される場合はこの表現に含まれる。 BsAbの例には、一つの抗原結合部位がIL−1βに対して方向づけられ、もう一つの抗原結合部位がIL−18に対して方向づけられるものを含む。幾つかの実施態様において、BsAbは、IL−1β又はIL−18に対する第一の結合特異性及び細胞質ITAMモチーフを有する活性化レセプターに対する第二の結合特異性を含む。ITAMモチーフ構造は、9〜11のアミノ酸のスペーサーにより分離する2つのチロシンを含有する。一般的コンセンサス配列は、YxxL/I(x)6−8YxxL(Isakov, N., 1997, J. Leukoc. Biol., 61:6-16)である。例示的活性化レセプターは、FcεRI、FcγRIII、FcγRI、FcγRIIA、及びFcγRIICを含む。他の活性化レセプターは、例えば、CD3, CD2, CD10, CD161, DAP-12, KAR, KARAP, FcεRII, Trem-1, Trem-2, CD28, p44, p46, B細胞レセプター, LMP2A, STAM, STAM-2, GPVI, 及びCD40 (例えば、Azzoni, et al., 1998, J. Immunol. 161:3493; Kita, et al., 1999, J. Immunol. 162:6901; Merchant, et al., 2000, J. Biol. Chem. 74:9115; Pandey, et al., 2000, J. Biol. Chem. 275:38633; Zheng, et al., 2001, J. Biol. Chem. 276:12999; Propst, et al., 2000, J. Immunol. 165:2214を参照)を含む。

一実施態様において、BsAbは、IL−1βに対する第一の結合特異性及びIL−18に対する第二の結合特異性を含む。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab’)二重特異性抗体)として調製され得る。二重特異性抗体は、加えて、ノブ−イン−ホール又はヒンジレス抗体として調製され得る。二重特異性抗体は、Segal et al., 2001, J. Immunol. Methods 248:1-6に概説されている。

二重特異性抗体を作成する方法は、当該技術分野で既知である。完全長二重特異性抗体の従来の産生は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の共発現に基づき、ここで2つの鎖は異なる特異性を有する(Millstein et al., 1983, Nature, 305:537-539)。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の種類がランダムなので、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の混合物を生産する可能性があり、そのうち、唯一つが正しい二重特異性構造を有する。

正しい分子の精製は通常、アフィニティークロマトグラフィー工程により行われるが、ある程度厄介かつ生産収率は低い。同様の工程は国際公開第93/08829号及びTraunecker et al., EMBO J. 10: 3655-3659 (1991)に開示されている。

異なるアプローチによれば、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合される。融合は、少なくともヒンジ、CH2、及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものであり得る。少なくとも一つの融合体には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が存在することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体をコードするDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。これにより、組立に使用される三つの抗体鎖の等しくない比率が最適な収率をもたらす態様において、三つの抗体フラグメントの相互の割合の調節に大きな融通性が与えられる。しかし、少なくとも二つの抗体鎖の等しい比率での発現が高収率をもたらすとき、又はその比率が特に重要性を持たないときは、2又は3個全ての抗体鎖のためのコード化配列を一つの発現ベクターに挿入することが可能である。

このアプローチ法の別の実施態様では、二重特異性抗体は、第一の結合特異性を有する一方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖と他方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖対(第二の結合特異性を提供)からなる。二重特異性分子の半分にしか免疫グロブリン軽鎖がないと容易な分離法が提供されるため、この非対称的構造は、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせから分離することを容易にすることが分かった。このアプローチ法は、国際公開第94/04690号に開示されている。二重特異性抗体を産生する更なる詳細については、例えばSuresh等, Methods in Enzymology, 121:210 (1986)を参照のこと。

国際公開第96/27011号に記載された他のアプローチ法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収されるヘテロダイマーの割合を最大にすることができる。
好適な界面は抗体定常ドメインのCH3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第一抗体分子の界面からの一又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖(一又は複数)と同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第二の抗体分子の界面上に作り出す。これにより、ホモダイマーのような不要の他の最終産物に対して異種二量体ヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。

二重特異性抗体は、架橋した抗体又は「ヘテロコンジュゲート」抗体を含む。
例えば、ヘテロコンジュゲートの抗体の一方はアビジンに、他方はビオチンに結合することができる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を望ましくない細胞に向けるため(米国特許第4676980号)、及びHIV感染の治療のために(国際公開第91/00360号、同第92/200373号、及び欧州特許第03089号)提案されている。ヘテロコンジュゲート抗体は、便利な架橋方法のいずれかを使用して作製することができる。適切な架橋剤は当技術分野において周知であり、多数の架橋技術と共に米国特許第4676980号に開示されている。

2を超える結合価を有する抗体も考慮される。例えば、Tuttら J. Immunol. 147: 60(1991)に従って、三重特異性抗体を調製することができる。

「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能性抗原結合部位を持つ改変抗体もまた本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1号を参照)。

本明細書中の抗体又は断片はまた、IL−1β並びにIL−18(例えば米国特許出願公開第2008/0069820号参照)に結合する抗原結合部位を含む「2重作用(Dual Acting) FAb」又は「DAF」を含む。

E.変異ヒンジ領域を有する抗体
本発明の抗体は、例えば2003年10月30日に出願された米国特許出願第10/697995号に記載されるように変異重鎖を含んでもよい。変異重鎖を含む抗体は、システイン残基がジスルフィド結合を形成できないと言うような、少なくとも一つのジスルフィド形成システイン残基の変化を含む。一実施態様において、前記システイン(一又は複数)は重鎖のヒンジ領域の中である(よって、このようなヒンジ領域は本明細書において「変異ヒンジ領域」と称され、加えて「ヒンジレス」と称され得る)。

一実施態様において、このような免疫グロブリンは、分子間(2つの重鎖間等)又は分子内(単一ポリペプチド鎖内の2つのシステイン残基間等)いずれかのジスルフィド結合形成が通常可能な重鎖システイン残基の完全なレパートリーを欠損する。一般的及び好適には、変更された(すなわち、ジスルフィド結合形成不能にされた)システイン残基(一又は複数)により形成されるジスルフィド結合は、抗体内に存在しない場合、免疫グロブリンの正常な物理化学的及び/又は生物学的特徴の実質的欠失をもたらさないものである。好適には、必須ではないが、ジスルフィド結合形成不能にされたシステイン残基は、重鎖のヒンジ領域のシステインである。

変異重鎖又は変異ヒンジ領域を有する抗体は、一般に、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は2〜11個の重鎖間ジスルフィド結合が除去されている抗体を宿主細胞に発現させ、前記抗体を宿主細胞から回収することにより産生される。前記抗体の発現は、減弱したジスルフィド結合能を有する変異重鎖を含む抗体をコードするポリヌクレオチドからであってよく、次いで該ポリヌクレオチドを含む宿主細胞から前記抗体を回収する。好適には、前記重鎖は免疫グロブリン重鎖の変異ヒンジ領域を含み、ここで前記変異ヒンジ領域の少なくとも1つのシステインがジスルフィド結合形成不能にされている。

本明細書に記載のヒンジシステインと同様に、免疫グロブリン重鎖の任意のシステインがジスルフィド結合形成不能にされ得ることが期待されるが、このような変更が免疫グロブリンの生物学的機能を実質的に減弱しないことを条件とする。例えば、IgM及びIgEはヒンジ領域を欠くが、それぞれは余分の重鎖ドメインを含有する;該重鎖を含む重鎖及び/又は抗体の生物学的機能を実質的に減弱しない限りにおいて、、重鎖のシステインの少なくとも一つ(幾つかの実施態様においては全て)を本発明の方法においてジスルフィド結合形成不能にさせることができる。

重鎖ヒンジシステインは、例えば、 Kabat、1991、“Sequences of proteins of immunological interest”上掲 に記載されるように当分野において周知である。当分野において知られるように、ヒンジシステインの数は、免疫グロブリンのクラス及びサブクラスに依存して変化する。例えば、Janeway, 1999, Immunobiology, 第4版, (Garland Publishing, NY)を参照のこと。例えば、ヒトIgGにおいて、2つのヒンジシステインは2つのプロリンにより分離され、これらは通常は分子間ジスルフィド結合内で隣接する重鎖上のそれらの対応物と対合する。他の例は、4つのヒンジシステインを含有するヒトIgG2、11個のヒンジシステインを含有するIgG3、及び2つのヒンジシステインを含有するIgG4を含む。

従って、本発明の方法は、変異ヒンジ領域を含む免疫グロブリン重鎖を宿主細胞に発現させることを含み、ここで変異ヒンジ領域の少なくとも一つのシステインはジスルフィド結合形成不能にされており、重鎖が軽鎖と複合体を形成して生物学的に活性な抗体を形成するのを可能にし、宿主細胞から抗体を回収するのを可能にする。

代わりの実施態様は、少なくとも2つ、3つ、又は4つのシステインがジスルフィド結合形成不能にされているもの;約2〜約11個のシステインが不能にされているもの;及び変異ヒンジ領域の全てのシステインが不能にされているものを含む。

本発明の方法により産生される本発明の抗体を構成する軽鎖及び重鎖は、単一のポリヌクレオチド又は別々のポリヌクレオチドによりコードされていてもよい。

ジスルフィド結合形成に通常関与するシステインは、当分野で知られている様々ないかなる方法により、又は本明細書に記載された判断基準の観点において当業者に明らかであろう方法によりジスルフィド結合形成不能にされ得る。例えば、ヒンジシステインは、ジスルフィド結合できないセリン等の別のアミノ酸と置換することができる。アミノ酸置換は、改変されるべきヒンジ領域をコードする核酸配列の部位指向的変異誘発等の標準的な分子生物学の技法により達成することができる。適切な技法には、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版に記載のものが含まれる。変異ヒンジ領域を有する免疫グロブリンを産生する他の技法は、置換されるべきシステインに対するコドンが置換アミノ酸に対するコドンに置き換わったヒンジ領域をコードするオリゴヌクレオチドを合成することを含む。このオリゴヌクレオチドは、適切であれば、可変領域及びFc配列等の他の適切な抗体配列を含むベクター骨格に連結することができる。

別の実施態様において、ヒンジシステインは欠失させることができる。アミノ酸欠失は、改変されるべきヒンジ領域をコードする核酸配列の部位指向的変異誘発等の標準的な分子生物学の技法により達成することができる。適切な技法は、 Sambrook et al., (上掲)に記載のものが含まれる。変異ヒンジ領域を有する免疫グロブリンを産生する他の技法は、改変されるべきシステインに対するコドンが除去されたヒンジ領域をコードする配列を含むオリゴヌクレオチドを合成することを含む。このオリゴヌクレオチドは、適切であれば、可変領域及びFc配列等の他の適切な抗体配列を含むベクター骨格に繋げることができる。

F.「プロチュバランス・イントゥー・キャビティ(Protuberance-Into-Cavity)ストラテジーを使用して形成される二重特異性抗体
幾つかの実施態様において、本発明の二重特異性抗体は、「ノブ・イントゥー・ホール(knob−into−hole)」とも称され、異種多量体化のために第1と第2のポリヌクレオチド間の界面を操作するのに働く「プロチュバランス・イントゥー・キャビティ」ストラテジーを使用することによって形成される。好適な界面は抗体定常ドメインのCH3ドメインの少なくとも一部を含む。Fc配列のCH3ドメイン内の「ノブ・イントゥー・ホール」変異は、ホモダイマーの形成を大きく減ずることが報告されている(例えば、Merchant et al., 1998, Nature Biotechnology, 16:677-681を参照のこと)。「プロチュバランス(Protuberances)」は、第1のポリペプチドの界面からの小さなアミノ酸側鎖をより大きな側鎖(例えば、チロシン又はトリプトファン)で置き換えることにより構築することができる。プロチュバランスと同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、場合によって、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第2のポリペプチドの界面上に作り出す。適切に位置付けられかつ適切な寸法のプロチュバランス又はキャビティが第1又は第2のポリペプチドのいずれかの界面に存在する場合、対応するキャビティ又はプロチュバランスのそれぞれを隣接する界面で操作することのみが必要である。プロチュバランス及びキャビティは、ポリペプチドをコードする核酸を変更する等の合成手段又はペプチド合成により作製することができる。ノブ・イントゥー・ホールの更なる記載に関しては、米国特許第5731168号、5807706号、5821333号を参照されたい。

幾つかの実施態様において、ノブ・イントゥー・ホール技術を使用して、完全長二重特異性の抗FcγRIIB及び抗活性化レセプター(例えば、IgER)抗体を産生するための異種二量体化を促進する。一実施態様において、「ノブ」変異(T366W)をFc領域に導入することによる抗FcγIIB成分(例えば、p5A6.11.ノブ)、及び「ホール」変異(T366S、L368A、Y407V)を導入することによる抗IgER成分(例えば、p22E7.11.ホール)のための構築物が調製された。別の実施態様において、「ホール」変異をFc領域に導入することによる抗FcγIIB成分(例えば、p5A6.11.ホール)、及び本明細書又はMerchant et al., (1998)、上掲、又は米国特許第5731168号、同第5807706号、同第5821333号で開示された工程によるなどして、そのFc領域に「ノブ」変異を導入することによる抗IgER成分(例えば、p22E7.11.ノブ)のための構築物が調製される。

「プロチュバランス・イントゥー・キャビティ」ストラテジーを使用するヘテロマルチマーの一般的調製法は、プロチュバランスをコードするために元のポリヌクレオチドから変更されている第1のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びキャビティをコードするために元のポリヌクレオチドから変更されている第2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、1つ又は別々の宿主細胞において、発現させることを含む。ポリペプチドは、宿主細胞培養物からのヘテロマルチマーの回収を伴って共通の宿主細胞か、又は回収と精製を伴って別々の宿主細胞のいずれかにおいて発現されて、ヘテロマルチマーの形成に続く。幾つかの実施態様において、形成されるヘテロマルチマーは、多重抗体、例えば、二重特異性抗体である。2011年4月22日に出願された米国特許出願第13/092708号も参照されたい。

幾つかの実施態様において、本発明の抗体は、ヒンジレス二重特異性抗体を産生するために、ノブ・イントゥー・ホール・ストラテジーを変異ヒンジ領域構築物と組み合わせる。

G.イムノコンジュゲート
本発明はまた、化学療法剤又は薬物、成長抑制剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、又は動物起源の酵素活性毒素、又はそれらの断片)、又は放射性同位元素など、1つ以上の細胞傷害性薬物にコンジュゲートした本明細書中の抗IL−1β抗体及び/又は抗IL−18抗体(単数又は複数)を含むイムノコンジュゲートを提供する。

一実施態様において、イムノコンジュゲートは、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)であって、そこでは抗体は、限定されないが、メイタンシノイド(米国特許第5208020号、第5416064号及び欧州特許EP0 425235 B1を参照);モノメチルアウリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)(米国特許第5635483号及び5780588号及び7498298号を参照)などのアウリスタチン;ドラスタチン、カリケアマイシン又はその誘導体(米国特許第5712374号、5714586号、5739116号、5767285号、5770701号、5770710号、5773001号、及び5877296号を参照;Hinman et al., Cancer Res. 53:3336-3342 (1993);及びLode et al., Cancer Res. 58:2925-2928 (1998)); ダウノマイシン又はドキソルビシンなどのアントラサイクリン (Kratz et al., Current Med. Chem. 13:477-523 (2006); Jeffrey et al., Bioorganic & Med. Chem. Letters 16:358-362 (2006); Torgov et al., Bioconj. Chem. 16:717-721 (2005); Nagy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:829-834 (2000); Dubowchik et al., Bioorg. & Med. Chem. Letters 12:1529-1532 (2002); King et al., J. Med. Chem. 45:4336-4343 (2002);及び米国特許第6,630,579号を参照); メトトレキサート、ビンデシン、ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセルなどのタキサン、トリコテセン、及びCC1065を含む一つ以上の薬物とコンジュゲートしている。

その他の実施態様において、イムノコンジュゲートは、酵素的に活性な毒素又はその断片にコンジュゲートした、本明細書に記載の抗体を含み、限定されないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。

別の実施態様では、イムノコンジュゲートは、放射性コンジュゲートを形成するために放射性原子にコンジュゲートした本明細書に記載されるような抗体を含む。様々な放射性同位体が放射性コンジュゲートの生産のために入手可能である。例としては、At211, I131, I125, Y90, Re186, Re188, Sm153, Bi212, P32, Pb212 及びLuの放射性同位体を含む。検出のために放射性コンジュゲートを使用するとき、それはシンチグラフィー試験のための放射性原子、例えばtc99m又はI123、又は核磁気共鳴(NMR)画像化(磁気共鳴画像化mriとしても知られている)のためのスピン標識、例えば再び、ヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン又は鉄を含んでよい。

抗体と細胞傷害性薬物のコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート (SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの2官能性誘導体(例えばジメチルアジピミデートHCl)、活性エステル(例えばジスクシンイミジルズベレート)、アルデヒド(例えばグルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えばビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビスジアゾニウム誘導体(例えばビス(p−ジアゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えばトルエン2,6−ジイソシアネート)及びビス活性フッ素化合物(例えば1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)など、を使って作成され得る。Vitetta et al., Science 238:1098 (1987)に記載されるように、例えば、リシンイムノトキシンを調製することができる。カーボン−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体へのコンジュゲーションのためのキレート剤の例である。国際公開第94/11026号を参照。リンカーは、細胞中に細胞毒性薬物の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であり得る。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ過敏性リンカー、光解離性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカー(Chari et al., Cancer Res. 52:127-131 (1992);米国特許第 5208020号)が使用され得る。

本明細書において、イムノコンジュゲート又はADCは、限定されないが、市販の(例えばPierce Biotechnology, Inc., Rockford, IL., U.S.Aからの)、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、及びスルホ−SMPB、SVSB(スクシンイミジル(4-ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むクロスリンカー試薬を用いて調製されるコンジュゲートを特に考慮する。

II.ベクター、宿主細胞及び組換え方法
本発明は、本明細書に開示される抗体をコードする単離されたポリヌクレオチド、ベクター及び該ポリヌクレオチドを含む宿主細胞、及び抗体の産生のための組み換え技術も提供する。

抗体の組み換え産生のために、抗体をコードするポリヌクレオチドを単離して、更なるクローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製ベクターに挿入する。抗体をコードするDNAは簡便に単離され、従来の手順を用いて配列決定される(例えば、抗体をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いて)。多くのベクターが利用可能である。一般的に、ベクター成分には、シグナル配列、複製起点、一以上のマーカー遺伝子、エンハンサー因子、プロモータ及び転写終結配列の一又は複数を含むがこれらに限定されるものではない。

(i)シグナル配列成分
本発明の抗体は、直接的だけではなく、異種抗体との融合抗体としても産生され得る。一実施態様において、異種抗体は、成熟タンパク質又は抗体のN末端に特異的切断部位を有するシグナル配列あるいは他の抗体である。選択された異種シグナル配列は、宿主細胞によって認識され加工される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。天然の抗体シグナル配列を認識せず加工しない原核生物宿主細胞に対しては、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定なエンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列により置換される。酵母分泌については、天然のシグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼリーダ−、α因子リーダー(酵母菌属及びKluyveromycesα因子リーダーを含む)又は酸性ホスファターゼリーダー、白体グルコアミラーゼリーダー、又は国際公開第90/13646号に記載されているシグナルにより置換されてもよい。哺乳動物細胞での発現においては、哺乳動物のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダー、例えば単純ヘルペスgDシグナルが利用できる。このような前駆体領域のDNAは、抗体をコードするDNAに読み枠を一致させて結合される。

別の実施態様では、抗体の産生は宿主細胞の細胞質内で起こり、従って各シストロン内に分泌シグナル配列の存在は必要でない。この点において、免疫グロブリン軽鎖及び重鎖は発現され、折り畳まれ、集合して細胞質内に機能的免疫グロブリンを形成する。特定の宿主系(例として大腸菌trxB系)は、ジスルフィド結合形成に好適な細胞質条件を提供し、それにより発現したタンパク質サブユニットの適切な折り畳み及び集合を可能にする(Proba及びPluckthun Gene, 159:203 (1995))。

(ii)複製開始点成分
発現及びクローニングベクターは共に一又は複数の選択された宿主細胞においてベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。一般に、この配列はクローニングベクターにおいて、宿主染色体DNAとは独立にベクターが複製することを可能にするものであり、複製開始点又は自律的複製配列を含む。そのような配列は様々な細菌、酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は酵母に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。一般には、哺乳動物の発現ベクターには複製開始点成分は不要である(SV40開始点が典型的には初期プロモーターを有しているためだけで用いられる)。

(iii)選択遺伝子成分
発現及びクローニングベクターは、選択可能マーカーとも称される選択遺伝子を含み得る。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)例えばバシラス菌に対するD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子のような、複合培地から得られない重要な栄養素を供給する、タンパク質をコードする。

選択スキームの一例においては、宿主細胞の成長を抑止する薬物が用いられる。異種性遺伝子で首尾よく形質転換されるこれらの細胞は、薬物耐性」を付与するタンパク質を生産し、よって選択処方計画を生存する。このような優性選択の例としては、薬物ネオマイシン、ミコフェノール酸又はハイグロマイシンが使用される。

哺乳動物細胞に適切な選択可能なマーカーの別の例は、抗体核酸を捕捉することのできる細胞成分を同定することのできるもの、例えばDHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネインI及びII、好ましくは、霊長類メタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼ等である。

例えば、DHFR選択遺伝子によって形質転換された細胞は、先ず、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトリキセート(Mtx)を含む培地において形質転換物の全てを培養することで同定される。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、DHFR活性に欠陥のあるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)株化細胞である。

あるいは、抗体をコードするDNA配列、野生型DHFRタンパク質、及びアミノグリコシド3'-ホスホトランスフェラーゼ(APH)のような他の選択可能マーカーで形質転換あるいは同時形質転換した宿主細胞(特に、内在性DHFRを含む野生型宿主)は、カナマイシン、ネオマイシンあるいはG418のようなアミノグリコシド抗生物質のような選択可能マーカーの選択剤を含む培地における細胞増殖により選択することができる。米国特許第4965199号を参照。

酵母中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である(Stinchcomb等, Nature, 282:39(1979))。trp1遺伝子は、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4−1、Jones, Genetics, 85:12 (1977)のようなトリプトファン内で成長する能力に欠ける酵母の突然変異株に対する選択マーカーを提供する。酵母宿主細胞ゲノムにtrp1破壊が存在することは、トリプトファンの不存在下における成長による形質転換を検出するための有効な環境を提供する。同様に、Leu2欠陥酵母株(ATCC寄託番号20622あるいは38626)は、Leu2遺伝子を有する既知のプラスミドによって補完される。

加えて、1.6μmの円形プラスミドpKD1由来のベクターは、クルイヴェロマイシス(Kluyveromyces)酵母の形質転換に用いることができる。あるいは、組換え子ウシのキモシンの大量生産のための発現系がK.ラクティス(lactis)に対して報告されている。Van den Berg, Bio/Technology, 8:135 (1990)を参照のこと。クルイヴェロマイシスの工業的な菌株からの、組換えによる成熟したヒト血清アルブミンを分泌する安定した複数コピー発現ベクターも開示されている。Fleer 等, Bio/Technology,9:968-975 (1991)を参照のこと。

(iv)プロモーター成分
通常、発現及びクローニングベクターは、宿主生物により認識され、抗体核酸に作用可能に結合するプロモーターを含む。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターは、phoAプロモーター、βラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーターを含む。しかし、他の既知の細菌プロモーターも好適である。細菌系で使用するプロモーターもまた抗体をコードするDNAと作用可能に結合したシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列を有する。

真核生物に対してもプロモーター配列が知られている。事実上、全ての真核生物の遺伝子は、転写開始部位からおよそ25ないし30塩基上流に位置するAT富化領域を有する。多数の遺伝子の転写開始位置から70ないし80塩基上流に見出される他の配列は、Nが任意のヌクレオチドであるCNCAAT領域である。大部分の真核生物遺伝子の3'末端には、コード配列の3'末端へのポリA尾部の付加に対するシグナルであるAATAAA配列がある。これらの配列は全て真核生物の発現ベクターに適切に挿入される。

酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3-ホスホグリセラートキナーゼ又は他の糖分解酵素、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。

他の酵母プロモーターは、成長条件によって転写が制御される更なる利点を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母の発現に用いられる好適なベクターとプロモーターは欧州特許第73657号に更に記載されている。また酵母エンハンサーも酵母プロモーターと共に有利に用いられる。

哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからの抗体転写は、例えば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィルス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及び最も好ましくはサルウィルス40(SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、ヒートショックプロモーターによって、このようなプロモーターが宿主細胞系に適合し得る限り、制御される。

SV40ウィルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルスの複製開始点を更に含むSV40制限断片として簡便に得られる。ヒトサイトメガロウィルスの最初期プロモーターは、HindIIIE制限断片として簡便に得られる。ベクターとしてウシ乳頭腫ウィルスを用いて哺乳動物宿主でDNAを発現する系が、米国特許第4419446号に開示されている。この系の変更例は米国特許第4601978号に記載されている。また、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの調節下でのマウス細胞におけるヒトβインターフェロンcDNAの発現について、Reyes等, Nature, 297:598-601(1982)を参照されたい。あるいは、ラウス肉腫ウィルス長末端反復をプロモーターとして使用することができる。

(v)エンハンサーエレメント成分
より高等の真核生物による本発明の抗体をコードしているDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強されることが多い。
哺乳動物の遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。典型的には、しかし、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製開始点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。真核生物のプロモーターの活性化のための増強要素については、Yaniv, Nature, 297:17-18 (1982)もまた参照のこと。エンハンサーは、抗体コード配列の5'又は3'位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5'位に位置している。

(vi)転写終結成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、また転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列を含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの5'、時には3'の非翻訳領域から一般に取得できる。これらの領域は、抗体をコードしているmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。一つの有用な転写終結成分はウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。国際公開第94/11026号とそこに開示した発現ベクターを参照されたい。

(vii)翻訳強度の調節
本発明の免疫グロブリンは、分泌され及び適切に集積される完全長抗体の収率が最大となるように発現軽鎖及び重鎖の量的割合を調節することができる発現系からも発現させることができる。軽鎖及び重鎖の翻訳強度を同時に調節することによってそのような調節が達成される。

翻訳強度を調節する一つの方法は、Simmons等の米国特許第5840523号及びSimmons et al., 2002, J. Immunol. Methods, 263: 133-147に開示されている。これはシストロン内の翻訳開始領域(TIR)の変異体を利用する。与えられたTIRに対して、ある範囲の翻訳強度を持つ一群のアミノ酸又は核酸配列変異体を作り出すことができ、それによって、所望の発現レベルの特異的鎖に対してこの因子を調節するための簡便な手段を提供する。TIR変異体はアミノ酸配列を改変することができるコドン変化を生じる一般的な突然変異誘発法によって産生することができるが、ヌクレオチド配列のサイレント変化が好ましい。TIRの変更には、例えばシグナル配列の変更と共に、シャイン-ダルガーノ配列の数又は間隔の変更が含まれうる。変異体シグナル配列を作成するための好適な1つの方法は、シグナル配列のアミノ酸配列を変化させない(つまり変化がサイレントである)コード配列の最初での「コドンバンク」の産生である。これは、各コドンの第三のヌクレオチド位置を変化させることによって、達成できる;加えて、幾つかのアミノ酸、例えばロイシン、セリン、及びアルギニンはバンクの作製に複雑さを付加し得る複数の第一及び第二の位置を有している。この突然変異誘発の方法はYansura等(1992) METHODS: A Companion to Methods in Enzymol. 4:151-158に詳細に記載されている。

好適には、そこの各シストロンに対してある範囲のTIR強度を有する一群のベクターが産生される。この制限された群は、様々なTIR強度の組合せ下で各鎖の発現レベル並びに完全長産物の収量の比較を提供する。TIR強度は、Simmons等の米国特許第5840523号及びSimmons et al., 2002, J. Immunol. Methods, 263: 133-147に詳細に記載されているレポーター遺伝子の発現レベルを定量することによって決定することができる。本発明の目的のために、ベクター内の特定TIR対に関する翻訳強度の組み合わせは、(N−軽、M−重)によって表され、ここで、Nは軽鎖の相対的TIR強度であり、Mは重鎖の相対的TIR強度である。例えば、(3−軽、7−重)は、軽鎖の発現について約3の相対的TIR強度及び重鎖の発現について約7の相対的TIR強度を提供するベクターを意味する。翻訳強度の比較に基づいて、所望の個々のTIRが選択されて、本発明の発現ベクター構築物中で組み合わされる。

(viii)宿主細胞の選択及び形質転換
本明細書に記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な宿主細胞は、上述の原核生物、酵母、又は高等真核生物細胞である。この目的にとって適切な原核生物は、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えばエシェリチアのような腸内菌科、例えば大腸菌、エンテロバクター、エルウィニア(Erwinia)、クレブシエラ、プロテウス、サルモネラ、例えばネズミチフス菌、セラチア属、例えばセラチア・マルセスキャンス及び赤痢菌属、並びに桿菌、例えば枯草菌及びB.リチェニフォルミス(licheniformis)(例えば、1989年4月12日に公開されたDD266710に開示されたB.リチェニフォルミス41P)、シュードモナス属、例えば緑膿菌及びストレプトマイセス属を含む。一つの好適な大腸菌クローニング宿主は大腸菌294(ATCC31446)であるが、他の大腸菌B、大腸菌X1776(ATCC31537)及び大腸菌W3110(ATCC27325)のような株も好適である。これらの例は限定するものではなく例示的なものである。宿主細胞にとっては最少量の蛋白分解酵素を分泌することが好ましく、望ましくは追加の蛋白分解酵素阻害剤が培地に組み入れられてもよい。原核生物宿主細胞は、チオレドキシン及び/又はグルタチオン経路での変異(一又は複数)を含んでもよい。

原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、抗体をコードするベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィシア、又は一般的なパン酵母は下等真核生物宿主微生物のなかで最も一般的に用いられる。
しかしながら、多数の他の属、種及び菌株も、一般的に入手可能で、ここで有用であり、例えば、シゾサッカロマイセスポンベ;クルイベロマイセス宿主、例えばK.ラクティス、K.フラギリス(ATCC12424)、K.ブルガリカス(ATCC16045)、K.ウィッケラミイ(ATCC24178)、K.ワルチイ(ATCC56500)、K.ドロソフィラルム(ATCC36906)、K.サーモトレランス、及びK.マルキシアナス;ヤローウィア(欧州特許第402226号);ピチア・パストリス(欧州特許第183070号);カンジダ;トリコデルマ・リーシア(欧州特許第244234号);アカパンカビ;シュワニオマイセス、例えばシュワニオマイセス・オクシデンタリス;及び糸状真菌、例えばパンカビ属、アオカビ属、トリポクラジウム、及びコウジカビ属(Aspergillus)宿主、例えば偽巣性コウジ菌(A. nidulans)及びクロカビ(A. niger)が有用である。

グリコシル化抗体の発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物由来である。無脊椎動物細胞の例には、植物及び昆虫細胞が含まれる。多数のバキュロウィルス株及び変異体及び対応する許容可能な昆虫宿主細胞、スポドプテラ・フルギペルダ(毛虫)、アエデス・アエジプティ(蚊)、アエデス・アルボピクトゥス(蚊)、ドゥロソフィラ・メラノガスター(ショウジョウバエ)、及びボンビクス・モリ等の宿主からの宿主細胞が同定されている。トランスフェクションのための種々のウィルス株、例えば、オートグラファ・カリフォルニカNPVのL-1変異体とボンビクス・モリ NPVのBm-5株が公的に利用でき、このようなウィルスは本発明においてここに記載したウィルスとして使用でき、特にスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションに使用できる。綿花、コーン、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、及びタバコのような植物細胞培養を宿主として利用することもできる。

脊椎動物宿主細胞が最も広く使用されており、培養(組織培養)中での脊椎動物細胞の増殖は常套的な手順になっている。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株 (COS-7, ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での成長のためにサブクローン化された293細胞、Graham等, J. Gen Virol., 36:59 (1977));ハムスター乳児腎細胞(BHK, ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO, Urlaub等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 (1980));サルの腎細胞 (CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザルの腎細胞(VERO-76, ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞 (HELA, ATCC CCL 2);イヌ腎細胞 (MDCK, ATCC CCL 34); バッファローラット肝細胞 (BRL 3A, ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞 (W138, ATCC CCL 75);ヒト肝細胞 (Hep G2, HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT060562, ATTC CCL51);TRI細胞(Mather等, Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44-68 (1982));MRC5細胞;FS4細胞;NSO(例えば、RCB0213, 1992, Bio/Technology 10:169)及びSP2/0細胞(例えば、YB2/3HL..P2.G11.16Ag.20 細胞、ATCC CRL 1662)等のマウス骨髄腫細胞;YB2/0細胞等のラット骨髄腫細胞;及びヒト肝癌株(HepG2)である。CHO細胞は、CHO−K1、DUK−B11、CHO−DP12、CHO−DG44(Somatic Cell and Molecular Genetics 12:555(1986))とともに、本発明を行うために好ましい細胞株であり、Lec13は例示的宿主細胞株である。CHO−K1、DUK−B11、DG44又はCHO−DP12宿主細胞の場合、それらは、それらの中に発現されたタンパク質をフコシル化する能力をそれらが欠くように改変されてもよい。

本発明は、ハイブリドーマ細胞にも適用可能である。「ハイブリドーマ」なる用語は、免疫由来の不死細胞株と抗体産生細胞との融合により産生されるハイブリッド細胞株を意味する。該用語は、一般的にトリオーマ(trioma)細胞株として知られるヒト細胞とマウス骨髄腫細胞株との融合と、それに続くプラズマ細胞との融合の結果生じるヘテロハイブリッド骨髄腫融合の子孫を包含する。更に該用語は、クアドローマ(quadromas:例えばMilstein等, Nature, 537:3053 (1983)参照)等の抗体を産生する任意の不死化ハイブリッド細胞株を含むものとする。ハイブリッド細胞株は、ヒト及びマウスを含む任意の種のものであってよい。

最も好ましい実施態様で、哺乳動物細胞は、対象の抗体をコードする外因性の単離核酸で形質転換させた非ハイブリドーマ哺乳動物細胞である。「外因性核酸」又は「異種性核酸」とは、細胞に外来性の核酸配列、又は該細胞と同種であるがその核酸が通常見られない宿主細胞核酸内の位置にある核酸配列を意味する。

(ix)宿主細胞の培養
宿主細胞は、抗体生産のための上述した発現又はクローニングベクターで形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードしている遺伝子を増幅するために適当に修飾された常套的栄養培地で培養する。

本発明の抗体を生成するために用いられる宿主細胞は種々の培地において培養することができる。市販培地、例えばハム(Ham)のF10(シグマ)、最小必須培地((MEM),シグマ)、RPMI-1640(シグマ)及びダルベッコの改良イーグル培地((DMEM),シグマ)が宿主細胞の培養に好適である。加えて、Ham等, Meth. Enz. 58:44 (1979), Barnes等, Anal. Biochem. 102:255 (1980), 米国特許第4767704号;同第4657866号;同第4927762号;同第4560655号;又は同第5122469号;国際公開第90/03430号;国際公開第87/00195号;又は米国特許再発行第30985号に記載された任意の培地も宿主細胞に対する培地として使用できる。これらの培地はいずれも、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、又は表皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオチド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン(登録商標)薬)、微量元素(最終濃度がマイクロモル範囲で通常存在する無機化合物として定義される)、及びグルコース又は同等のエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質もまた当業者に知られている適当な濃度で含むことができる。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について以前から用いられているものであり、当業者には明らかであろう。

すべての培養培地は、典型的には、1つ又は複数の以下の分類から少なくとも1つの成分を提供する:
1)通常はグルコース等の炭水化物の形態である、エネルギー源;
2)すべての必須アミノ酸、及び通常は20のアミノ酸にシステインを加えた基本的なセット;
3)低濃度で必要であるビタミン及び/又は他の有機化合物;
4)遊離脂肪酸;及び
5)無機化合物、又はかなりの低濃度、通常はマイクロモル範囲で典型的には必要とされる天然で生じる要素として定義される微量要素。

培養培地は、好ましくは無血清、例えば、約5%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0〜0.1%血清、他の動物由来タンパク質である。
しかし、所望されるならば、それを使用することが可能である。本発明の好ましい実施態様では、細胞培養培地は過度のアミノ酸を含む。過度に供給されるアミノ酸は、例えば、Asn、Asp、Gly、Ile、Leu, Lys, Met, Ser, Thr, Trp, Tyr及びValから選択される。好ましくは、Asn、Asp、Lys, Met, Ser, 及びTrpは過度に提供される。例えば、アミノ酸、ビタミン、微量成分及び1又は2倍の範囲で欧州特許EP307,247又は米国特許第6180401号に特定されている他の培地成分を使用することができる。これら2つの書面は、本明細書に参照により取り込まれている。

所望するタンパク質を発現し、特定の位置に所望する炭水化物を付加することが可能な哺乳動物細胞の培養のために、培養する宿主細胞に特に注意を払い、多くの培養条件を使用することが可能である。哺乳動物細胞に適した培養条件は、当技術分野で良く知られているか(W. Louis Clevelandら, J. Immunol. Methods 56:221-234(1983))、或いは熟練者によって容易に決定することが可能であり(例えば、Animal Cell Culture: A Practical Approach第2版,Rickwood, D. 及びHames, B.D.編 オックスフォード大学出版,ニューヨーク(1992))、選択された特定の宿主細胞によって変化する。

(x)抗体精製
組換え技術を使用する場合、抗体は細胞内、細胞膜周辺腔内に産生されるか、又は培地に直接分泌され得る。抗体が細胞内で産生される場合、第1段階として、粒状屑、宿主細胞又は溶解断片を、例えば遠心分離又は限外濾過にかけて取り除く。Carter等, Bio/Technology 10:163-167(1992)は、大腸菌の細胞膜周辺腔に分泌される抗体を単離するための手順について記載している。簡単に述べると、細胞ペーストを酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、及びフェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)の存在下で、30分以上かけて解凍する。細胞屑は遠心分離により除去することができる。抗体が培地へ分泌されている場合、そのような発現系からの上清は、一般的には先ず市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmicon又はMillipore Pelliconの限外濾過ユニットを用いて濃縮する。PMSFなどのタンパク分解酵素阻害剤を上記の任意の工程に含めてタンパク質分解を阻害してもよく、抗生物質を含めて外来性の汚染物の成長を防止してもよい。

細胞から調製した抗体組成物は、例えば、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製でき、アフィニティクロマトグラフィーが好ましい精製技術である。アフィニティリガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体に存在する任意の免疫グロブリンFc領域の種及びアイソタイプに依存する。プロテインAは、ヒトγ1、γ2、又はγ4重鎖に基づく抗体の精製に用いることができる(Lindmark等, J. Immunol. Meth. 62:1-13 (1983))。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプ及びヒトγ3に推奨されている(Guss等, EMBO J. 5:15671575 (1986))。アフィニティリガンドが付着されるマトリクスはアガロースであることが最も多いが、他のマトリクスも使用可能である。孔制御ガラス又はポリ(スチレンジビニル)ベンゼン等の機械的に安定なマトリクスは、アガロースで達成できるものより早い流速及び短い処理時間を可能にする。抗体がC3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(登録商標)樹脂(J.T. Baker, Phillipsburg, NJ)が精製に有用である。イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、アニオン又はカチオン交換樹脂(例えばポリアスパラギン酸カラム)上でのヘパリンSEPHAROSE(登録商標)クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿などの他のタンパク質精製技術も、回収される抗体に応じて利用可能である。

一実施態様において、糖タンパク質は、レクチン基質(例えば、レクチンアフィニティカラム)上への吸着を用いて精製され、試料からフコース含有糖タンパク質を除去し、それによりフコース不含糖タンパク質を富化させてもよい。

(xi)抗体活性アッセイ
本発明の免疫グロブリンは、当該分野で既知の種々のアッセイにより、それらの物理的/化学的性質及び生物学的機能について特徴づけることができる。本発明の一態様において、本発明の抗体の免疫原への結合に対しての他の結合標的への結合の選択性を比較することは重要である。

本発明の所定の実施態様において、本明細書にて産生される免疫グロブリンは、その生物学的活性について分析される。幾つかの実施態様において、本発明の免疫グロブリンはその抗原結合活性について試験される。当技術分野で知られており、本明細書で使用することができる抗原結合アッセイとしては、限定されないが、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、蛍光イムノアッセイ、及びプロテインAイムノアッセイなどの技術を使用する任意の直接的又は競合的結合アッセイを含む。例示的な抗原結合アッセイは、実施例の項で以下に提供される。

精製された免疫グロブリンは、限定されないが、N末端配列決定、アミノ酸分析、非変性サイズ排除高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析法、イオン交換クロマトグラフィー及びパパイン消化を含む、一連のアッセイによって更に特徴づけることができる。タンパク質定量法は、当技術分野で周知である。例えば、発現タンパク質の試料はクマジー染色SDS−PAGE上でそれらの定量的強度を比較することができる。あるいは、対象の特異的バンド(一又は複数)(例えば、完全長バンド)を、例えば、ウェスタンブロット解析及び/又はAME5−RPアッセイにより検出することができる。

III.薬学的製剤
単数抗体/複数抗体の治療用製剤は、所望の程度の純度を有するその抗体と任意の生理学的に許容される担体、賦形剤又は安定化剤(Remington's Pharmaceutical Sciences 第16版, Osol, A.編 (1980))とを、凍結乾燥製剤又は水性溶液の形態で混合することによって調製される。許容される担体、賦形剤、又は安定化剤は、使用される投薬量及び濃度でレシピエントに毒性でなく、そしてこれには、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチオルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチル又はプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)抗体;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジン;マンノサッカライド、ジサッカライド、及びグルコース、マンノース又はデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム、金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);及び/又はTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体は、介在性薬物分散剤、例えば、水溶性の中性アクティブヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International, Inc.)などのヒト可溶性PH-20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質を更に含む。所定の例示的なsHASEGP及び使用法は、rHuPH20を含み、米国特許出願公開第2005/0260186号及び同第2006/0104968号に記載されている。一態様において、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの1つ又は複数の追加のグルコサミノグリカナーゼと組み合わされる。

例示的な凍結乾燥抗体製剤は、米国特許第6267958号に記載されている。水性の抗体製剤は、米国特許第6171586号及び国際公開第2006/044908号に記載されているものが含まれ、後者の製剤はヒスチジン−酢酸緩衝液を含む。

また、ここでいう製剤は、治療する特定の症状に必要な一以上の活性な化合物、好ましくはお互い悪影響を及ぼさない相補的活性を有する化合物を含んでよい。例えば、製剤は、別の抗体又は化学療法剤を更に含んでもよい。そのような分子は、意図する目的に有効な量の組み合わせで適切に提示される。

また、活性成分は、例としてコアセルベーション技術又は界面重合法により調製したマイクロカプセル、例として、それぞれ、コロイド薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミン微小球体、ミクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)における又はマクロエマルジョンにおける、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ-(メチルメタクリラート)マイクロカプセルに包含してよい。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. 編 (1980)に開示される。

インビボ投与に使用される製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通して濾過することにより、達成することができる。

徐放性製剤が調製されてもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、そのマトリックスが成形品、例えばフィルム又はマイクロカプセルの形態をしている。徐放性マトリクスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3773919号)、L-グルタミン酸及びγエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロリドの注射可能なマイクロスフェア)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ-(D)-(-)-3-ヒドロキシブチル酸が含まれる。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸などのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒドロゲルはより短時間でタンパク質を放出する。カプセル化された抗体が身体内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝集し、その結果、生物学的活性の低下及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす。合理的な方法は、含まれる機構に依存する安定化について工夫することができる。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換を通した分子間S−S結合形成であると発見された場合、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の使用、及び特異的ポリマーマトリクス組成物の開発によって達成されうる。

IV.抗体の非治療的使用
本発明の抗体を親和性精製用剤として用いてもよい。この過程において、当分野で公知の方法を用いて抗体をセファデックス(登録商標)樹脂又は濾紙などの固相に固定する。固定された抗体を、精製されるべき抗原を含む試料に接触させ、その後、固定した抗体に結合する抗原以外の試料中の実質的に全ての材料を除去するような適切な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、支持体を、他の適切な溶媒、例えば、抗原を抗体から放出させるグリシン緩衝液、pH5.0によって洗浄する。

また、抗体は、例えば、特異的な細胞、組織又は血清中の対象とする抗原の発現を検出するための診断検査法に有用であるかもしれない。
診断用の使用のために、一般的には抗体を検出可能な成分で標識するであろう。
多くの標識が利用可能であり、通常、以下のカテゴリに分類することができる:
(a)ラジオアイソトープ、例えば35S、14C、125I、H及び131I。抗体は例えば、 Current Protocols in Immunology, Volumes 1 and 2, Coligenら編 Wiley-Interscience, New York, N.Y., Pubs. (1991)に記載される技術を用いて放射性同位体にて標識することができ、放射能はシンチレーション計測器を用いて測定することができる。
(b)希有土類キレート(ユウロピウムキレート)又はフルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、Lissamine、フィコエリトリン及びテキサスレッドのような蛍光性の標識が利用できる。蛍光標識は、例えば、上掲のCurrent Protocols in Immunologyに開示される技術を用いて抗体にコンジュゲートすることができる。蛍光は、蛍光計を用いて定量化することができる。
(c)様々な酵素基質標識が利用可能であり、米国特許第4,275,149号にはこれらの一部の概説がある。一般に、酵素は、様々な技術を用いて測定することができる色素生産性基質の化学変化を触媒する。例えば、酵素は、分光測光法で測定することができる基質の変色を触媒するかもしれない。あるいは、酵素は、基質の蛍光又は化学発光を変えうる。蛍光の変化を定量化する技術は上記の通りである。化学発光基質は、化学反応によって電子的に励起され、測定することができる(例えば化学照度計を用いて)か、又はエネルギーを蛍光受容基に与える光を発しうる。酵素標識の例には、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタルアジネジオン(dihydrophthalazinediones)、リンゴ酸脱水素酵素、ウレアーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRPO)などのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカライドオキシダーゼ(例えばグルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環のオキシダーゼ(例えばウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼ等が含まれる。抗体に酵素をコンジュゲートする技術は、O'Sullivanら., Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay, in Methods in Enzym. (ed J. Langone & H. Van Vunakis), Academic press, New York, 73:147-166 (1981)に記載されている。

酵素基質の組合せの例には、例えば以下のものが含まれる:
(i)染料前駆体(例えば、オルソフェニレン(orthophenylene)ジアミン(OPD)又は3,3',5,5'テトラメチルベンジジン塩酸塩(TMB))を酸化する水素ペルオキシダーゼを利用する西洋わさびペルオキシダーゼ(HRPO);
(ii)色素生産性基質としてリン酸パラ-ニトロフェニルを有するアルカリホスファターゼ(AP);及び
(iii)色素生産性基質(例えばp-ニトロフェニル-β-D-ガラクトシダーゼ)又は蛍光発生基質4-メチルウンベリフェリル(methylumbelliferyl)-β-D-ガラクトシダーゼを有するβ-D-ガラクトシダーゼ(β-D-Gal)。

多数の他の酵素基質の組合せは当業者にとって利用可能である。これらの一般的な概要については、米国特許第4,275,149号及び同第4,318,980号を参照。

標識は、抗体と間接的にコンジュゲートされることがある。これを行うための様々な技術は当分野の技術者に認識されている。例えば、抗体は、ビオチンとコンジュゲートさせることができ、前述した広範な3つの分類のうちの何れかはアビジンとコンジュゲートさせることができ、その逆もまた可能である。ビオチンは選択的にアビジンと結合し、したがって、標識はこの間接的な様式で抗体にコンジュゲートさせることができる。あるいは、抗体と標識を間接的にコンジュゲートさせるために、抗体は小ハプテン(例えばジゴキシン)とコンジュゲートさせ、前述した標識の異なるタイプのうちの1つは抗ハプテン抗体(例えば抗ジゴキシン抗体)とコンジュゲートさせる。したがって、標識と抗体の間接的な結合が達成できる。

本発明の別の実施態様において、抗体は標識する必要がなく、その存在を抗体と結合する標識した抗体を用いて検出することができる。

本発明の抗体は、任意の既知のアッセイ方法、例えば競合結合アッセイ、直接的及び間接的なサンドイッチアッセイ及び免疫沈降アッセイに用いられうる。Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.47-158 (CRC Press, Inc. 1987)。

抗体は、インビボ診断検査法に用いられてもよい。通常、抗原又はそれを発現している細胞が免疫シンチグラフィを用いて局所化されるように、抗体を放射性核種(例えば111In、99Tc、14C、131I、125I、H、32P又は35S)で標識する。

V.抗体のインビボでの使用
別の実施態様において、本発明の(一又は複数の)IL−1β抗体及び/又はIL−18抗体は、治療剤の機能を増強するために治療剤と同時投与される。例えば、抗FcγRIIBは、FcγRIIBへのIgG結合を遮断するために哺乳動物に投与され、それにより免疫応答のFcγRIIB媒介性抑制を防止する。これは、IgG治療抗体の細胞毒性の増強をもたらす。例えば、治療抗体が腫瘍抗原に特異的である場合、本発明の抗FcγRIIBの抗腫瘍抗原抗体との同時投与は、抗腫瘍抗原抗体の細胞毒性を増強する。

その多くが上述された治療抗体が開発され、癌を含む様々な疾患の治療のために認可されている。例えば、RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ)(IDEC Pharm/Genentech, Inc.)はB細胞リンパ腫の治療に使用され、AVASTIN(商標)(ベバシズマブ)(Genentech, Inc.)は転移性結腸直腸癌の治療に使用され、及びHERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)(Genentech, Inc.)は転移性乳癌を治療するために使用されるヒト化抗HER2モノクローナル抗体である。このような治療のために開発された全モノクローナル抗体による癌治療の機構は完全には理解されていないであろうが、少なくとも一部の場合では、抗体治療の有効性の一部は、免疫エフェクター機能の動員に帰せられる(Houghton et al., 2000, Nature Medicine, 6:373-374; Clynes et al., 2000, Nature Medicine, 6:433-446)。XOLAIR(登録商標)(オマリズマブ)(Genentech, Inc.)は、アレルギーを治療するために使用される抗IgE抗体である。

このような二機能性抗体の治療可能性は、炎症及び/又はアレルギーに関連するシグナルの減弱を含む。例えば、IgE及びアレルゲン(FcFRを介して)により活性化される場合、肥満細胞と好塩基球は、血管と筋細胞に作用して炎症性細胞を動員する炎症性メディエーター及びサイトカインを分泌する。炎症性細胞は、次に炎症性メディエーターを分泌して炎症性細胞を動員し、連続過程において持続性の炎症をもたらす。結果として、IgE誘発肥満細胞活性化を制御する手段は、炎症応答の開始を妨害することによりアレルギー疾患を治療する治療方法を提供する。上述のように、二機能性抗体は、選択的にIL−1βに結合する抗体又はその断片を含み、かつ選択的にIL−18に結合する抗体又はその断片を含んでいる。

追加の二機能性抗体の例(例えば、二重特異性抗体)は、選択的にIL−1βに結合する抗体又はその断片、及び選択的にIL−18に結合する第2の抗体又はその断片を含む。幾つかの実施態様において、本発明の抗体は、該抗体で治療される哺乳動物における抑制性FcγRIIBレセプターを活性化するために使用され、レセプターの活性化により媒介されるプロ炎症シグナル及び/又はB細胞活性化を阻害する。ゆえに該抗体は、上記同定したような炎症性疾患及び/又は自己免疫疾患を治療するために使用される。

疾患の予防又は治療のために、抗体の適量は、治療する疾患の種類、疾患の重症度及び経過、予防を目的としてか治療を目的として抗体を投与するのか、以前の治療、患者の病歴、及び抗体への反応、主治医の慎重さに依存するであろう。抗体は、患者に対して、単回、又は一連の治療にわたって適切に投与される。

疾患の種類及び重症度に応じて、例えば一回以上の別個の投与によるか、連続注入によるかに関わらず、抗体約1μg/kgから15mg/kg(例えば0.1mg/kgから20mg/kg)が患者への投与のための初期候補用量となり得る。1つの典型的な一日当たり用量は上記した要因に応じて約1μg/kgから100mg/kg又はそれ以上の範囲である。数日以上にわたる繰り返し投与は、症状に応じて、疾患症状が希望通りに抑制されるまで継続する。しかしながら、他の投与計画は有効でありうる。この治療の進行は、従来技術及びアッセイにより容易にモニターされる。

抗体組成物は、良好な医療行為に合致した方法で処方され、投与され、投薬されるべきである。この観点において考慮すべき要因は、治療すべき特定の障害、治療すべき特定の哺乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤送達部位、投与方法、投与日程及び医療従事者が知る他の要因を包含する。投与されるべき抗体の「治療的有効量」はこのような考慮により管理され、疾患又は障害を予防、寛解、又は治療するのに必要な最少量である。抗体は、必要ではないが任意で、問題となる障害の予防又は治療のために、現在使用中の一又は複数の薬剤と共に処方される。そのような他の薬剤の有効量は製剤中に存在する抗体の量、障害又は治療の種類及び上記した他の要因に依存する。これらは一般に、上記で用いたのと同一の用量及び投与経路、又は従来採用されている用量の約1%から99%の用量で使用される。

例えば、関節リウマチ及び狼瘡等の炎症性細胞(例えば、白血球)の接着、遊走及び活性化の関与がある自己免疫疾患を治療するために、本明細書の抗体は、例えば、抗LFA1抗体(抗CD11a若しくは抗CD18抗体)又は例えばICAM−1、−2、−3等の抗ICAM抗体と同時投与され得る。本明細書の抗体との併用で関節リウマチを治療するための追加の薬剤には、Enbrel(商標)、DMARDS、例えばメトトレキセート、及びNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)が含まれる。本明細書の抗体以外の複数のこのような活性薬剤も採用されてよい。加えて、インスリンは糖尿病を、抗IgEは喘息を、抗CD11aは乾癬を、抗α4β7及び成長ホルモン(GH)は炎症性腸疾患を治療するために使用されてもよい。

更に、製剤は、血糖降下薬の有効量と共に適切に投与される。本明細書の目的のために、用語「血糖降下薬」は、グルコース代謝を制御するために有用な化合物、好適には経口薬を指す。本明細書でヒトの使用のためにより好ましいのは、インスリン及び膵臓によるインスリンの分泌を引き起こすスルホニルウレアのクラスの経口血糖降下薬である。例として、グリブリド、グリビジド、及びグリクラジドを含む。加えて、インスリン感受性を亢進する薬剤又はインスリン抵抗性改善薬、例えば、ビグアナイド(メトホルミン及びフェンホルミンを含む)及びREZULIN(商標)(トログリタゾン)ブランドのインスリン抵抗性改善薬、並びにPPARγ核レセプターに結合する他の化合物がこの定義内であり、また好適である。

血糖降下薬は、非経口、経鼻、経口、又は任意の他の有効な経路を含む適切な技術によって哺乳動物に投与される。最も好ましくは、投与は経口経路による。例えば、Upjohnから1.25、2.5、及び5mg錠剤濃度で市販されているMICRONASE(商標)錠剤(グリブリド)は経口投与に適している。この治療に配されたII型糖尿病のための通常の維持用量は、一般的に1日当たり約1.25から20mgであり、それは、適当と認められた場合に1回投薬又は1日を通して分割して与えられる。Phisician's Desk Reference, 2563-2565 (1995)。処方に利用可能なグリブリドをベースとする錠剤の他の例は、GLYNASE(商標)ブランド薬(Upjohn)及びDIABETA(商標)ブランド薬(Hoechst-Russel)を含む。GLUCOTROL(商標)(Pratt)は、5-及び10-mgの両強度で利用可能なグリピジド(1-シクロヘキシル-3-(p-(2-(5-メチルピラジンカルボキサミド)エチル)フェニル)スルホニル)ウレア)の商標であり、食事制限に続いて血糖降下治療を必要とするII型糖尿病又は他のスルホニルウレアに対する反応が止まった患者に対しても処方される。Phisician's Desk Reference, 1902-1903 (1995)。スルホニルウレア以外の他の血糖降下薬、例えばビグアニド(例えばメトホルミン及びフェンホルミン)又はチアゾリジンジオン(例えば、トログリトゾン)、又はインシュリン作用に影響する他の薬剤も用いられる。チアゾリジンジオンがペプチドと共に用いられる場合、現在使用されているのと同じレベル又は幾分低いレベルで用いられ、それはペプチド単独又はジオンと共に見られる効果に関して調節され得る。単独で用いられるトログリタゾン(REZULIN(商標))の典型的な用量は、1日当たり約100〜1000mg、より好ましくは200〜800mg/日であり、この範囲は本発明に適用可能である。例えば、Ghazzi等, Diabetes, 46: 433-439 (1997)を参照のこと。トログリタゾンより強いインシュリン抵抗性改善薬である他のチアゾリジンジオンも、より低い用量で用いられよう。

VI.製造品
本発明の他の態様において、上述した障害の治療、予防、及び/又は診断に有用な物質を含む製造品が提供される。製造品は、容器及びラベル又は容器上にある若しくは容器に付属する添付文書を含む。好適な容器は、例としてボトル、バイアル、シリンジ、IV輸液バッグ 等を含む。容器はガラス又はプラスチック等の様々な物質から形成され得る。容器は、症状の治療、予防、及び/又は診断に有効である、それ自体か、又はその他の組成物と併用される化合物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針によって穴を開けることができる栓を有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は本発明の抗体である。ラベル又は添付文書は、組成物が選択の症状の治療のために使用されることを示している。更に、製造品は、(a)組成物が本発明の抗体を包含する組成物を含む第一の容器;及び(b)組成物が更なる細胞障害性又はその他の治療的薬剤を包含する組成物を含む第2の容器を含み得る。本発明の本実施態様における製造品は、組成物が特定の症状を治療することに用いることができることを示す添付文書を更に含んでいてもよい。あるいは、又は加えて、製造品は、薬学的に許容される緩衝剤、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンガー溶液及びデキストロース溶液を含む第二(又は第三)の容器を更に含んでもよい。これは、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的及び使用者の立場から望まれる他の物質を更に含んでもよい。

治療的抗体組成物は一般的に、滅菌したアクセスポートを有する容器、例えば、静脈溶液バッグ又は皮下注射針によって穴を開けることができる栓を有するバイアルに納めてある。

本発明は、例えば、癌又は疾患の治療に有用な物質を含む製造品及びキットを更に提供する。製造品はラベルを有する容器を含む。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、及び試験管を含む。容器はガラス又はプラスチックのような様々な材料で形成することができる。容器は本明細書に記載の抗体を含む組成物を収容する。組成物中の活性剤は、特定の抗体である。容器のラベルは、組成物が特定の疾患若しくは障害の治療又は予防のために使用されることを表示し、また上記のようなインビボ用の指示が表示されてもよい。

本発明のキットは、上記の容器及び緩衝剤を含む第二の容器を含む。更に、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用説明に関する添付文書を含む、商業的及び使用者の観点から望ましい他の材料を更に含んでいてもよい。

上記の製造品のいずれかは、IL−1β及び/又はIL−18単数抗体/複数抗体の代わりか又はそれに加えて、本発明のイムノコンジュゲートを含み得ることが理解される。

以下は、本発明の方法及び組成物の実施例であり、そして例示の目的で本明細書に提供され、これらは本発明の権利範囲を限定するためのものではない。
本明細書で提供される一般的な説明を前提として、他の様々な実施態様が実施され得ることが理解される。すべての特許及び本明細書に引用される科学文献の開示は、参照によりその全体が組み込まれる。

実施例において言及される市販の試薬は、特に明記しない限り製造者の指示に従って使用した。以下の実施例、及び明細書全体を通してATCC寄託番号によって識別される細胞の供給源は、アメリカ培養細胞系統保存機関、マナッサス、バージニア州である。

方法
デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸胃炎
体重19〜25グラムの間の週齢と性別を適合させた野生型及びノックアウトマウスを5日間、無治療のままにするか、又はそれらの飲み水中3.5%のDDSを自由に摂取させる。マウスは、体重減少について4日目に開始して毎日スコア化し、8日目に屠殺する。次いで結腸を収集し、スコア化し、器官培養又は病理組織診断のために使用する。炎症の程度についての結腸のスコアリングは以下のように行った。広範囲の洗浄による糞便の除去後、壁肥厚の程度に基づいて結腸をスコア化する。正常な結腸を0としてスコア化し、全長にわたる肥厚壁を4としてスコア化して、スコアを0から4に及ばせる。

サイトカインプロファイルのための結腸培養
マウスからの結腸を洗浄し、長軸方向に切開し、1%ペニシリン/ストレプトマイシン溶液を含むRPMI培地に配置した。37℃で一晩インキュベーション後、培地を回収して澄明にし、バイオラッド・バイオ−プレックス 単一又は23−プレックスアッセイ(BioRad Bio-Plex single or 23-plex assays)を用いたxMAPベース技術(Luminex)によるサイトカイン解析を行う。

AAV2/5網膜下注射
動物をケタミン/キシラジン(80mg/kg:15mg/kg)の腹腔内注射により麻酔した。手術用顕微鏡下、強膜を通じて穿刺 を作るために30gインスリン針を使用し、33ゲイジのハミルトン針及びマイクロ自動注射器(World Precision Instruments, Sarasota, FL)を使用して1μlの1x1012AAV2/5ゲノム粒子/ml(Genedetect, Bradenton, FL) の網膜下注射を可能にした。網膜下の気泡の形成は、注射の成功を示す。

ウェスタンブロット
10週齢のBalbcマウスに1μlの1x10AAV2/5−IL1β又はAAV2/5空対照ウイルス(Genedetect)を網膜下に注射した。注射4ヶ月後に、一部のマウスに強度の光暴露(ILE、8000lux)を3.5時間受けさせ、次いで暗所に48時間置いた。眼を解剖し、(眼から角膜と水晶体を除いた)アイ・キャップをタンパク分解酵素阻害剤(Protease Inhibitor Cocktail set I, Calbiochem, Gibbstown, NJ)を含む細胞溶解緩衝液中で1時間切り刻み、−80℃で凍結した。BCAアッセイにより試料中のタンパク質を定量した。Lammeli系緩衝液とbメルカプトエタノール中で3分間煮沸したレーン当たり10ugタンパク質を、10−20%トリス−グリシンゲル(Invitrogen, Carlsbad, CA)に充填し、125mWで1.5時間泳動した。タンパク質をトランスファー緩衝液(Invitrogen)中25mWで1時間0.2um孔ニトロセルロース膜へ移した。ブロットは、PBS/0.1%Tween−20(PBST)中の5%ミルクで1時間ブロックし、0.2ug/mlのヤギ抗IL−1β(R&D cat# AF-401-NA)又は0.5ug/mlのラット抗カスパーゼ1 (Genentech, clone 4B4.2) を1%ミルク/PBST中1時間添加した。ブロットをPBST中で5分間で4回洗浄した。抗ヤギHRP(1:5000 R&D)又は抗ラットHRP(Thermo/Pierce)を45分間添加し、PBST中で5分間で5回洗浄した。ブロットをECL Plusとハイパーフィルム(hyperfilm) (GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)で展開した。

免疫組織化学法
10週齢のBalbcマウスに1μlの1x10AAV2/5−IL1β又はAAV2/5空対照ウイルス(Genedetect)を網膜下に注射した。感染7週後に、全眼を取り除き、室温で一晩10%の中性緩衝化ホルマリン中で固定した。切片を加工し、パラフィンに包埋し、次いで抗CD45で染色してDABで可視化した。

蛍光血管造影(FA)
動物をケタミン/キシラジン(80mg/kg:15mg/kg)の腹腔内注射により麻酔し、眼を1%トロピカミド(Bausch and Lomb, Rochester, NY)で瞳孔散大させた。眼を人工涙で湿潤に保った。マウスに腹腔内100μlの10%AK−Fluor注射用フルオレセイン (Akorn, Buffalo Grove, IL)を注射した。ハイデルベルグ スペクトラリスHRA/OCTカメラ(Heidelberg Engineering, Vista, CA)によって画像を取得した。

光干渉断層撮影(OCT)
動物をケタミン/キシラジン(80mg/kg:15mg/kg)の腹腔内注射により麻酔し、眼を1%トロピカミド(Bausch and Lomb, Rochester, NY)で瞳孔散大させた。眼を人工涙で湿潤に保った。ハイデルベルグ スペクトラリスHRA/OCTカメラ(Heidelberg Engineering, Vista, CA)によって画像を取得した。測定は、15.2mm面積の網膜にわたる19の切片の平均厚である。厚さは網膜と脈絡膜を含む。

網膜電図(ERG)記録
マウスをERGの前に24時間暗順応させ、網膜反応を平衡化させた。一度暗順応させると、照明には赤色光のみを用いて、続く手順の全てを実施する。動物をケタミン/キシラジン(75〜80mg/kg:7.5〜15mg/kg)の腹腔内注射により麻酔した。マウス体温を、その制御ユニットに接続された恒温性加熱プレートを使用して37℃に保持した。瞳孔を1%アトロピンで散大させ、角膜表面を0.5%塩酸プロパラカインの滴下で麻酔した。両眼からのERGは、エスピオンE2(Espion E2)(Diagnosys LLC, Lowell, MA) 視覚電気生理学システムを使用して同時に記録された。マウスをプラットフォーム上に置き、参照電極を前頭部に皮下的に挿入し、アース電極を尾底部に挿入した。ゴナク・ハイパーメロース溶液を角膜上に配して角膜とプラチナ電極の間の電気的接触を確立させ、実験のあいだ乾燥から眼を保護する。マウスをカラードーム全体野デスクトップ・ガンズフェルド刺激装置(ColorDome full field desktop Ganzfeld stimulator)に置き、白色光で刺激した。3つのフラッシュの強度は1x10−5〜5cd/mに及び、ベースライン応答を再確立するためにフラッシュ間に2分を許容する。シグナルは0.15〜1000Hzでバンドパスフィルタにかけられ、2kHzで標本抽出される。

IL−1βファージパニング法
複数のファージディスプレイ合成抗体ライブラリは、固定化されたヒトIL−1βに対してパニングされる。IL−1βに特異的なファージプールを表示する抗体の濃縮は、3ラウンド及び続くラウンドでIL−1β特異的ファージクローンの回収されたプールのウシ血清アルブミン特異的結合プールとの比を測定することにより決定した。合成ナイーブ抗体ファージディスプレイライブラリの構築は、他所に記載される(Sidhu et al., 2004)。複数ラウンドのパニング後、IL−1βに特異的な抗体可変重鎖及び軽鎖ドメインを表示するファージクローンが同定された。可変重鎖のDNA配列を決定し、ヒトIgG1発現ベクターに再フォーマットして哺乳動物細胞における一過性の抗体発現を可能にした。続く可溶性タンパク質結合親和性定量アッセイ、レセプター・リガンド阻害アッセイ及び機能的細胞ベースアッセイのために細胞培養増殖培地からの抗体をプロテインAを用いて精製した。

ヒトIL−1RI又はIL−1RIIへのヒトIL−1β結合の競合的阻害
ニュートラアビジン (Pierce, Rockford, IL)は、リン酸緩衝食塩水(PBS)中2μg/mLに希釈し、4℃で一晩のインキュベーションの間ELISAプレート(384-well high-bind plates, Nunc, Neptune, New Jersey)上に被覆した。洗浄緩衝液 (PBS / 0.05% Tween−20)で3回洗浄後、プレートはPBS/0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)で1〜2時間ブロックした。これ及び続く全てのインキュベーションは、オービタルシェーカー上で室温で実行される。マレイミドPEGビオチン(Pierce) を用い製造者の指示書に従ってビオチン化されたヒトIL−1β (R&D Systems, Minneapolis, MN) をアッセイ緩衝液 (PBS / 0.5% BSA / 0.05% Tween−20)中で400ng/mlに希釈した。ブロックされたニュートラアビジンプレートを洗浄し、1〜2時間のインキュベーションの間にビオチン化ヒトIL−1βをプレート上に捕捉した。ヒトIL−1RI及びIL−1RII (R&D Systems)は、3−アミノ−3−デオキシジゴキシゲニンヘミサクシンアミドサクシニミジルエステル (3-amino-3-deoxydigoxigenin hemisuccinamide succinimidyl ester)(Invitrogen, Eugene, OR)を用い製造者の指示書に従ってジゴキシゲニン(DIG)で標識された。IL−1RI及びIL−1RII のIL−1βへの結合を遮断する抗体の能力は、抗体を広範囲にわたって希釈してそれらを同量のDIG標識ヒトIL−1RI又はIL−1RII(それぞれ、最終濃度1μg/ml又は60ng/ml)と混合することにより評価した。混合物を洗浄されたプレートに添加し、1〜2時間インキュベートさせた。次いでプレートに結合したIL−1RI又はIL−1RIIを西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)結合モノクローナル抗DIG抗体 (Jackson ImmunoResearch, West Grove, PA)を用いて検出した。1時間のインキュベーション及び追加の洗浄ステップ後、テトラメチルベンジジン(TMB, Kirkegaard & Perry Laboratories, Inc., Gaithersburg, MD)を加え、そしておよそ10分間発色jさせた。反応は1Mリン酸の添加により停止した。吸光度をマイクロプレートリーダー(450nm、650nm参照)を用いて読み出し、結合の半数阻害を得る抗体濃度を曲線の4パラメーターフィット (Kaleidagraph, Synergy Software, Reading, PA)を用いて決定した。図21を参照。

マウスIL−1RI又はIL−1RIIへのマウスIL−1β結合の競合的阻害
マウスIL−1βのマウスIL−1RI及びIL−1RII への結合を遮断する抗体の能力は、同様の方法を用いて評価した。マウスIL−1β(R&D Systems)をスルフォNHS−LC−ビオチン (Pierce)を用い製造者の指示書に従ってビオチン化し、400ng/mlの濃度でニュートラアビジンプレート上に捕捉した。抗体を広範囲にわたって希釈し、同量のマウスIL−1RI又はIL−1RII−ヒトIgG1Fc融合タンパク質(R&D Systems; それぞれ、最終濃度1μg/ml又は60ng/ml)と混合し、準備したプレート上で1〜2時間インキュベートした。結合したレセプターをHRP結合ヤギポリクローナル抗ヒトIgG Fc抗体(Jackson ImmunoResearch)を用いて検出した。発色及びデータ解析は、上記のように行った。図21を参照。

ヒトIL−18RaへのヒトIL−18の結合の競合的阻害
全体的なアッセイ法は、ヒトIL−1β/IL−1R結合の阻害を評価するために記述されたものと基本的に同一である。ELISAプレートをニュートラアビジン(Pierce)で被覆し、ヒトIL−18(R&D Systems)をスルフォNHS−LC−ビオチン (Pierce)を用いてビオチン化し、400ng/mlに希釈してプレート上に捕捉した。ヒトIL−18Ra−ヒトIgG1Fc(R&D Systems)は、3−アミノ−3−デオキシジゴキシゲニンヘミサクシンアミドサクシニミジルエステル(3-amino-3-deoxydigoxigenin hemisuccinamide succinimidyl ester) (Invitrogen, Eugene, OR)を用いてジゴキシゲニン(DIG)で標識された。希釈された抗体を同量のDIG−IL−18Ra−Fc(1μg/mlの最終濃度)と混合した。結合したレセプターを抗DIG抗体(Jackson ImmunoResearch)を用いて検出した。発色及びデータ解析は、上記のように行った。

実施例1:炎症性腸疾患におけるIL−1β及びIL−18の併用阻害
臨床試験において、本発明者らはクローン病でIL−1β及びIL−18発現細胞の有意な増加、並びにクローン病で血清IL−18レベルの有意な増加を見出している(図4を参照)。IBDの前臨床マウスモデルにおいて、エクスビボ結腸培養でのIL−1β及びIL−18の結腸からの分泌の増加が見出された(図5参照)。IL−1βに関しては、陽性細胞は活性炎症部位にあり、活性炎症の証拠がない領域にはほとんど陽性細胞はない(図5,上部写真)。IL−18に関しては、陽性細胞は形態的に濾胞樹状細胞(矢印)及びリンパ濾胞の辺縁帯の骨髄樹状細胞(矢頭)に適合する(図5,下部写真)。IL−18陽性細胞は結腸上皮細胞でもある。これらの結果は、評価した21人のクローン病患者試料の典型例である。

試験したマウスモデルは、DSS誘発性大腸炎(WT B6雌性マウスでの)、T細胞養子移植及びピロキシカムIL−10KOを含む(図6,7及び8参照)。本発明者らは、IL−1β、IL−18又は両方(ASC KO試験の場合)の阻害が、大腸のDSSモデルにおいて炎症反応(IL−1β、IL−18、TNFα、IL−17、IL−6)及び結腸スコアを減少させることを実証している(図9〜13参照)。

実施例2:加齢黄斑変性におけるIL−1β及びIL−18の併用阻害
以前の試験では、糖尿病性網膜症及びぶどう膜炎を患う患者の硝子体液においてIL−1βが増加していることを報告した。しかしながら、ウエット型又はドライ型AMDにおけるIL−1β及びIL−18の存在についての試験はなんら報告されていない。本試験は、AMD患者の亜集団の硝子体液でIL−1βレベルが増加していることを示す(図14参照)。前臨床マウス試験において、C発明者らはマウス眼におけるIL−1βの過剰発現は網膜炎症を誘発するが、IL−18過剰発現は誘発しないことを示す(図15〜18参照)。更に、本発明者らはIL−1β及びIL−18の両方が、ERG記録により測定される網膜機能に影響を及ぼすことを示す。これらの試験に基づいて、本発明者らはIL−1β及びIL−18の単独及び併用の阻害は、光受容細胞の機能及びCNV/浮腫を改善することが期待されると結論付ける。

実施例3:2型糖尿病におけるIL−1β及びIL−18の併用阻害
本発明者らは、IL−1βを標的にすることは2型糖尿病を患う患者におけるβ細胞機能を保存し得ると仮定する。IL−1βは、報告によれば、インビボで膵臓β細胞によるインスリン分泌を減少させ、様々なβ細胞の機能を変更させる。更に、IL−1Raを用いた治療は、報告によれば糖尿病の動物モデルを予防又は寛解し、IL−1Raは、報告によれば2型糖尿病を患う患者から取得するβ細胞を減少させる。図28を参照。

IL−1β/IL−18経路における遺伝子多型は、報告によれば中心性肥満及びメタボリック症候群に関連する (Carter et al., 2008)。更に、報告によれば、IL−1βはインビトロで膵臓β細胞によるインスリン分泌を減少させ(Lewis and Dinarello, 2006)、アナキンラ(IL−1Ra)は報告によれば、患者における糖血症及びβ細胞分泌機能を改善させる (Larsen et al., 2007)。加えて、IL−1及びIL−18の増加した血清レベルは、報告によればT2DM患者におけるIL−1RaとIL−18BPの比を減少させ、IL−1Ra及びIL−18BPは前臨床モデルにおいてSTZ又は高脂肪誘発性高血糖症に対して保護する (Sandberg et al., 1994)。

更に、Larsenらは、アナキンラを13週間1日当り1回投与することによる2型糖尿病患者における二重盲検臨床試験を実施した (Larsen et al., 2007)。この治療は、糖血症及びβ細胞インスリン分泌能を改善し、並びに全身性炎症のマーカーを減少させた。しかしながら、2型糖尿病患者でのβ細胞質量及び機能の回復においてより延長された半減期を持ちより長期間投与される抗IL−1療法のありえる有益な効果を判定する必要が残存している。

実施例4:ピロキシカムIL−10KO IBDモデルにおける抗IL−1b及び/又は抗IL−18
IL−10−/−マウスは自然発生大腸炎を発症する。しかしながら、発生頻度及び重症度は一定せず、これが本治療学を試験するためにIBDのモデルとして使用することをより困難にしている。IL−10−/−マウスにピロキシカムを与えることにより、ピロキシカムはこれらのマウスにおいて慢性小腸炎を増悪させ、Bergら(2002)により示されるように大腸炎の発症を同期させ得るように考えられる。従って、これはIBDの急性DSSモデルと対照的にIBDの慢性炎症モデルである。

6週齢雌性IL−10KO (Genentech)マウスを以下の処置群に分けた。

ピロキシカム粉末を幾何学的希釈を用いて粉末化されたげっ歯類食餌と200ppmの濃度で混合した。簡潔には、当量のマウス食餌をピロキシカムに加え、次いで完全に混合した。続く当量のマウス食餌を加え、マウス食餌の全量が組み入れられるまで各希釈後に十分混合した。一晩の絶食後、マウスに11日間ピロキシカム含有食餌を与え、12日目に通常の食餌に戻した。全処置で400μl PBS中の上記の量が腹腔内に1週当たり3回で6週間注射された。動物を毎日体重測定し、解析のために試験の終わりに屠殺した。ピロキシカム処置の開始前に、FACS及び血清用に、尾に切れ目を入れることにより尾静脈を通して100μlの血液を採取した。次いで、100μlの血液を実験開始後5週目に採取する。これらの試験において、視覚的結腸スコア、結腸組織学及び血清PKを解析した。図29を参照。

様々なサイトカインのレベルをピロキシカム処置あり及びピロキシカム処置なしのIL−10KOマウスにおいて測定した。図13を参照。述べたように、ピロキシカム処置群ではIL−1βとIL−18の上昇がある(WT動物と比較して)一方、TNFα、IL−12及びIL−17は群間で同等であった。

組織学的解析のために、組織を10%ホルマリン中で固定して、次いで薄片を作りヘマトキシリン及びエオシン染色をするためにパラフィンに包埋した。組織病理学的スコアは、近位、中位及び遠位結腸並びに直腸で評価し、1〜3のスケールでスコア化した。個別の結腸区域のスコアを合計し、動物当たりの総スコアを得た。同一人が全組織学的特徴をスコア化したが、実験群の知識は持っていなかった。

視覚的結腸スコア並びに組織学的スコアの結果を図30に示す。IL−1β及びIL−18の血清レベルが上昇した。抗IL−1β及び抗IL−18抗体の併用療法は、結腸に対する傷害の統計学的に優位の減少をもたらした。この併用療法は、TNFRII−Fc治療と同様に有効であった。これらの結果により、IL−1β及びIL−18の併用阻害は、IBDに関して有効な治療であり得ることが実証された。IL−1β及びIL−18の併用阻害もTNFα阻害より安全な治療を提供し得る。

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Claims (26)

  1. 患者において疾患を治療する方法であって、
    a.IL−1β/IL−18二重特異性抗体;又は
    b.IL−1β及びIL−18に結合する抗体;又は
    c.IL−1βに結合する抗体及びIL−18に結合する抗体
    の有効量を前記患者に投与することを含み、前記パートa、b、又はcの一又は複数の抗体は、細胞又は組織においてIL−1β及びIL−18活性を中和し又は遮断することができる抗体である方法。
  2. 抗体がヒト化されている請求項1に記載の方法。
  3. パート(b)の抗体が二重作用抗体である請求項1に記載の方法。
  4. パート(c)の少なくとも一つの抗体がモノクローナルである請求項1に記載の方法。
  5. パート(c)のそれぞれの抗体がモノクローナルである請求項1に記載の方法。
  6. パート(c)の複数の抗体が同時に又は継続的に投与される請求項1に記載の方法。
  7. 抗体が1時間以内で投与される請求項6に記載の方法。
  8. 疾患が、免疫疾患又は自己免疫疾患又は炎症性又は自己炎症性疾患である請求項1に記載の方法。
  9. 疾患がインフラマソーム媒介疾患である請求項1に記載の方法。
  10. 疾患がIL−1β関連疾患である請求項1に記載の方法。
  11. 疾患がIL−18関連疾患である請求項1に記載の方法。
  12. 疾患がIL−1β/IL−18関連疾患である請求項1に記載の方法。
  13. 疾患が加齢黄斑変性(AMD)である請求項8に記載の方法。
  14. 疾患が2型糖尿病(T2D)である請求項8に記載の方法。
  15. 疾患が炎症性腸疾患(IBD)である請求項8に記載の方法。
  16. IBDがクローン病(CD)である請求項15に記載の方法。
  17. IBDが潰瘍性大腸炎(UC)である請求項15に記載の方法。
  18. 患者が抗TNF療法に反応しない請求項1に記載の方法。
  19. 患者において疾患を治療する方法において、有効量のIL−1βに結合するモノクローナル抗体及びIL−18に結合するモノクローナル抗体を前記患者に投与することを含む方法。
  20. 細胞又は組織においてIL−1β及び/又はIL−18活性を中和又は遮断する方法であって、IL−1βに結合するモノクローナル抗体及びIL−18に結合するモノクローナル抗体に前記細胞又は組織を接触させ、それにより前記活性を中和又は遮断することを含む方法。
  21. IL−1βに結合する前記モノクローナル抗体及びIL−18に結合する前記モノクローナル抗体が、同時に又は継続的に投与される請求項19に記載の方法。
  22. 前記細胞は、IL−1βに結合する前記モノクローナル抗体及びIL−18に結合する前記モノクローナル抗体に同時に又は継続的に接触させられる請求項20に記載の方法。
  23. IL−1β及びIL−18活性を中和又は遮断する抗体。
  24. 抗体が二重特異性抗体である請求項1に記載の抗体。
  25. 抗体がヒト化されている請求項1に記載の抗体。
  26. 抗体がIL−1β及びIL−18に結合する請求項1に記載の抗体。
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