JP2013535429A - 置換ベンゾフラン類の化学的製造方法 - Google Patents

置換ベンゾフラン類の化学的製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、増殖性疾患を治療するときに有益な治療活性を示す、生物学的に活性な化合物の大規模合成に関する。特に、本発明は、特定のクラスの置換ベンゾフランのチューブリン重合阻害剤のキログラム規模合成の製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、増殖性疾患を治療するときに有益な治療活性を示す、生物学的に活性な化合物の大規模合成に関する。特に、本発明は、特定のクラスの置換ベンゾフランのチューブリン重合阻害剤のキログラム規模合成の製造方法に関する。
WO 2002/060872 (PCT/AU2002/000099)およびWO 2007/087684 (PCT/AU2007/000101)は、とりわけ、次の一般的クラス:
の置換ベンゾフラン化合物を開示している。
これらの化合物は、チューブリン重合阻害剤(TPI)として有望な抗増殖活性を有することが示されている。
2-アリール-3-アロイル-ベンゾフランのクラスの合成は、実験室規模(すなわち、10グラム規模未満)で極めて成功しているが、このものおよびその他の好ましい2-置換の3-アロイル-ベンゾフラン類の大量(すなわち、キログラム規模)を効率良く製造するためにこの手法を使用することは、難しいことが証明されている。このことが、当該技術に存在する現行の欠陥を克服するための新しいスケールアップの手法を考案することを本発明者らにもたらした。本発明は、優れたTPI活性を示す置換ベンゾフラン類の好ましいクラスの効率良いキログラム規模の合成を可能にするためのこれらの欠陥の対処に向けられる。
発明の要旨
一つの観点において、本発明は、式(1):
(式中、R1は、任意に置換されたC1-C4アルキル、任意に置換されたC2-C4アルケニルまたは任意に置換されたC2-C5アルキニルである)
の化合物またはそのC-7ジナトリウムホスフェートエステルのキログラム量を製造する方法を提供し、該方法は、
a) パラジウム触媒の存在下、式(2)の化合物を式(3)のアルキンとカップリングさせる工程
(式中、HalはIまたはBrであり、Pはヒドロキシ保護基である);
b) 50℃より低い温度で、COの存在下、得られる工程a)のカップリング生成物をその場で式(4)の化合物と反応させる工程
(式中、R2はBr、IまたはCF3SO3である);および
c) 式(1)の化合物を得るためにC-7ヒドロキシ保護基を除去し、任意にC-7ヒドロキシ基をそのジナトリウムホスフェートエステルに変換する工程
を含む。
一つの実施態様において、工程c)は、C-7ヒドロキシ保護基を除去し、そのヒドロキシ基をそのC-7ジナトリウムホスフェートエステルに変換することを含む。したがって、もう一つの観点において、本発明は、式(1a)
(式中、R1は前記で定義されたとおりである)
のキログラム規模の量を製造する方法を提供する。
さらなる観点において、本発明は、式(1a)の化合物のキログラム規模の量を製造する方法を提供し、該方法は、
a) パラジウム触媒の存在下、式(2)の化合物を式(3)のアルキンとカップリングさせる工程
(式中、
HalはIまたはBrであり、
Pはヒドロキシ保護基であり、
R1は、任意に置換されたC1-C4アルキル、任意に置換されたC2-C4アルケニルまたは任意に置換されたC2-C5アルキニルである);
b) 50℃より低い温度で、COの存在下、得られるカップリング生成物をその場で式(4)の化合物と反応させる工程
(式中、R2はBr、IまたはCF3SO3である);
c) パラジウム触媒の実質的な除去を可能にするため、得られる化合物をトリブチルホスフィンで処理する工程;ならびに
d) 式(1)の化合物を得るために、任意にC-7ヒドロキシ保護基を除去する工程;および
e) 式(1a)の化合物を得るために、任意にC-7ヒドロキシ基をそのジナトリウムホスフェートエステルに変換する工程
を含む。
発明の詳細な説明
この明細書および続く特許請求の範囲をとおして、文脈に別の要求がなければ、「含む(comprise)」の単語、ならびに「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」のような変形は、表示された一つの整数もしくは工程(step)または複数の整数もしくは工程の群を包含することを意味するが、いかなる他の一つの整数もしくは工程または複数の整数もしくは工程を除外することを意味するものではないと理解されたい。
本発明は、明細書の以下に詳細に記載される特定の反応条件を採用することにより、前の発明の要旨に記載された一般式(1)および(1a)の化合物を、キログラムの量で良好な収率でかつ高純度で効率的に製造することができることの発見に基づく。
「アルキル」の用語は、メチル(「Me」)、エチル(「Et」)、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル等のような直鎖または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味する。
好ましくは、前記の式に関して、R1は、C1-3アルキル、より好ましくはメチルおよびエチルである。より好ましい実施態様において、R1はメチルである。
「アルケニル」は、直鎖または分枝鎖状であり得る一価のアルケニル基を意味する。例は、エテニル(-CH=CH2)、n-プロペニル(-CH2CH=CH2)、イソ-プロペニル(-C(CH3)=CH2)、ブテ-2-エニル(-CH2CH=CHCH3)等を含む。
「アルキニル」は、一つの炭素・炭素三重結合を有する一価のアルキニル基を意味する。アルキニル基の例は、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)、ペンチ-2-イニル(-CH2C≡CCH2-CH3)等を含む。
「任意に置換される」の用語は、基が1以上の置換基を含み得ることを意味する。基上の1以上の水素原子は、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、-(CH2)pC3-7シクロアルキル、-(CH2)pC4-7シクロアルケニル、-(CH2)pアリール、-(CH2)pヘテロシクリル、-(CH2)pヘテロアリール、-C6H4S(O)qC1-6アルキル、-C(Ph)3、-OCF3、-CF3、-CN、-OR、-O-(CH2)1-6-R、-O-(CH2)1-6-OR、-OC(O)R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)NR'R"、-NR'R"、-NRC(O)R'、-NRC(O)NR'R"、-NRC(S)NR'R"、-NRS(O)2R'、-NRC(O)OR'、-C(NR)NR'R"、-C(=NOR')R、-C(=NOH)NR'R"、-C(O)NR'R"、-C(=NCN)-NR'R"、-C(=NR)NR'R"、-C(=NR')SR"、-NR'C(=NCN)SR"、-CONRSO2R'、-C(S)NR'R"、-S(O)qR、-SO2NR'R"、-SO2NRC(O)R'、-OS(O)2R、-PO(OR)2および-NO2から独立して選択される置換基で置き換わることができ、
ここで、pは0-6であり、qは0-2であり、R、R'およびR"は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C4-7シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-6アルキルアリール、C1-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルヘテロシクリルであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアール、C1-6アルキルアリール、C1-6アルキルヘテロアリールまたはC1-6アルキルヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、-CO2H、CF3、CN、フェニル、NH2および-NO2から選択される同一または異なる1〜6個の基で任意に置換され得るか;または; R'およびR"が同じ窒素原子に結合しているとき、それは、それらが結合する該原子と一緒に、5〜7員の窒素含有複素環を形成し得る。
最初の工程段階は、パラジウム触媒の存在下、式(2)の化合物を式(3)のアルキンとカップリングすることを含む。
好ましい一つの実施態様において、カップリング反応において、式(2)に対して2以上のモル当量のアルキンが用いられる。より好ましくは、カップリング反応において、(2)に対して約2モル当量の(3)が用いられる。一番目の当量のグリニャールがフェノールをメタル化し、二番目の当量が得られる(2)のフェノキシドとカップリングする。この実施態様において、好ましいアルキン(3)は、1-プロピニル マグネシウム ブロマイドである。より好ましくは、アルキン(3)は、テトラヒドロフラン(THF)中の溶液(例えば、Aldrichから入手可能な、THF中の1-プロピニルマグネシウム ブロマイドの0.50 M)として提示される。代替のアプローチは、メチル マグネシウム ブロマイドまたはイソプロピル マグネシウム ブロマイドのようなグリニャール試薬の1当量を用いてマグネシウム フェノキシドを製造し、次いで、得られるフェノキシドを1モル当量の(3)とカップリンすることである。
一つの実施態様において、(2)のHalはIである。
パラジウム触媒は、例えば、Kumuda, Negishi, Sonogashira, SuzukiまたはStilleのカップリング化学において好適であることが知られている、いずれかの好適なPd(0)またはPd(II)錯体であり得る。好ましくは、パラジウム触媒はPd(PPh3)2Cl2 (ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド)、Pd(PPh3)4、PdCl2、Pd(NH3)2Cl2、Pd(NH3)2(NO2)2、PdCl2(CH3CN)2およびPd (ジベンジリデンアセトン)3から選択される。
パラジウム触媒は、触媒量、好ましくは、アルキン(3)に対して、0.01-0.20モル当量で存在する。
一つの実施態様において、(2)のHalはIであり、アルキン(3)は1-プロピルマグネシウム ブロマイドであり、パラジウム触媒はPd(PPh3)2Cl2である。
カップリング反応は、不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)中、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびTHFのような極性非プロトン性溶媒(または極性非プロトン性溶媒の混合物)中で行われる。好ましくは、反応はTHF中で行われる。
一つの実施態様において、反応容器は、不活性ガスでパージ(purge)され、次いで、(2)、パラジウム触媒および溶媒(好ましくはTHF)が投入される。好ましくは、前記混合物を約15℃-18℃に冷却し、30℃より低い反応温度を保つ速度で、(3)のTHF溶液を滴下して加える。
好ましくは、(全ての成分の添加後)カップリング反応は、室温に温められ、次いで加熱還流される。反応の進行は、TLCまたはHPLCでモニターできる。
上記の反応から得られるカップリング生成物は、式(3a):
の化合物であろうと理解されるであろう。
工程(b)において、この生成物は、一酸化炭素(CO)の存在下、50℃より低い温度で、その場で式(4)の化合物と反応させられる。
好ましくは、式(4)の化合物およびCOの添加の前に、真空下で工程(a)からの溶媒が最初の溶媒量の約50-75%まで蒸留され、その時点で、ジメチルスルフォキシド(DMSO)を加え、(工程(a)からの)残りのTHFのほとんどが反応混合物から除去されるまで、蒸留工程を続ける。したがって、一つの実施態様において、工程(a)に対する溶媒はTHFであり、工程(b)に対する溶媒はDMSOである。
工程(a)からの溶媒がDMSOで置き換えられると、((3a)を含む)反応容器に(4)が投入され、該容器を不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン)で充填する。好ましくは、次いで、該容器を脱気し、(好ましくは大気圧と4 psiの間の)COで満たし、次いで、該反応を50℃より低い温度で進行するようにする。
好ましくは、該反応は、10-40℃の間、より好ましくは15-30℃の間、、最も好ましくは約25℃-約30℃の温度で行われる。
この点に関して、本発明者らは、反応が50℃より低い温度で(好ましくは約30℃で)行われるとき、そのような温度が、ヘテロアニュレーティブ(heteroannulative) カップリング反応においてCO挿入を積極的に引き起こすとみられることを驚くべきことに見出した。あらゆる特定の理論に拘束されることを望むことなく、より低い温度での増加するCO挿入は、二つの面を有すると考えられる:(i) 溶解したCOガス濃度はより低い温度でより高くなり、Pd(II) アリール中間体のCO挿入を増加させ、Pd(II) アロイル中間体を与え、(ii) Pd(II) アロイル中間体種は、同等のPd(II) アリール中間体より親電子的であり、前者は、Pd(II) アリール中間体より低い温度で、O-アルキニルフェノールとのヘテロアニュレーティブカップリンを受けることができる。温度を上げることは、弱い反応性のPd(II) アリール中間体の能力を高め、CO挿入の前に競争的ヘテロアニュレーティブカップリングを受けることがさらに仮定される。いずれにしても、反応温度を低くすることの正味の効果は、反応の効率を大いに改善し、環化/カルボニル化生成物のクロマトグラフィー精製に対する必要性を最小限にするので、反応の規模適応性に役立つ。
結果として、これらの条件は、より高い温度で行われる類似反応でより一般的である、望まない非CO挿入ベンゾフラン副生成物の生成を最小限にする。そのような副生物を最小限にする利点は、大規模でのさらなる精製(すなわち、例えば、クロマトグラフィー工程の必要性)を避けることができることである。
反応の進行は、TLCまたはHPLCでモニターされ得る。一つの実施態様において、R2はIであり、反応温度は25℃-35℃、より好ましくは約30℃である。
この反応からの環化/カルボニル化生成物は、式(1a'):
として表される。
この生成物は、水性HClでクエンチ(quenching)し、得られる溶液を濾過することにより、反応混合物から抽出しうる。この前に、Pd触媒が除去できるように、粗反応混合物にトリブチルホスフィンを加えることが好ましい。好ましくは、加えられるトリブチルホスフィンの量は、パラジウム触媒に対して0.8-1.2モル当量の間である。
さらなる好ましい実施態様において、前記反応工程の終了後、パラジウム触媒に対して約2-4モル当量のトリブチルホスフィンで、粗反応混合物は再度処理される。本発明者らは、この工程でのトリブチルホスフィンの(好ましくは、2つの部分に分けての)添加が、最終生成物(式(1)の化合物またはその塩/エステル)に関連しうるPdの量を最小限にすることを発見した。この工程の特長が、最終生成物の許容可能な純度に最重要である。この工程がない場合、Pdの許容できないレベル(すなわち、規制機関による重金属に対して容認されたレベルを超えたレベル)が、最終生成物に残存しうる。UA-FDAのような規制当局は、医薬品中のPdレベルを理想的に低く、<10 ppmであることを要求している。この実施態様において、複合トリブチルホスフィン/Pd触媒は、(好ましくは、一番目にセライドパッドを用いて、二番目に0.45μm PTFEフィルターの使用による2つの濾過工程を用いる)濾過により除去することができる沈殿を通常形成する。トリブチルホスフィン処理後、(例えば、R1がMeである式(1)または(1a)において)Pdレベルは、許容可能なレベル内の2 ppm未満である。
環化/カルボニル化工程が終了したら、式(1a')の化合物のC-7ヒドロキシ保護基(P)は除去できる。一つの実施態様において、好ましくは、Pはイソ-プロピル基である。したがって、例えば、この基は、工程(b)の生成物をジクロロメタン(DCM)中の三塩化ホウ素(BCl3)と低い温度(例えば、0℃-10℃)で処理することによって除去できる。
ヒドロキシ基に対するその他の好適な保護基は、当業者に知られており、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, T.W. Greene and P. Wutz, John Wiley & Son, 第3版中に見出しうる。そのような基の除去のための条件はまた、そっくりそのまま本明細書に組み込まれる上記教科書中に見出しうる。C-7ヒドロキシ基に対するその他の注目すべき保護基は、-Oトリチル、-OPMB等に加えて、-O-sec-ブチル、-O-tert-ブチルのような分枝鎖アルキルエーテルを含みうる。
次いで、非保護C-7ヒドロキシ基は、ホスフェート エステルまたは該エステルの塩に変換され得る。好ましい一つの実施態様において、C-7ヒドロキシ基は、式(1a)の化合物を得るために、そのジナトリウム ホスフェート エステルに変換される。
この反応において、式(1)の化合物は、トリエチルアミン(TEA)のような非求核性塩基で最初処理され、次いで、より低い温度(例えば、-10℃-0℃)でホスホリル クロライドで続いて処理される。この反応は、ジクロロメタンのような塩素化溶媒中で行える。
製造されるホスフェート中間体のジナトリウム塩は、前記中間体の溶液、好ましくはアセトニトリルの溶液に、NaOH水溶液を加えることによって得られる。
さらに好ましい実施態様として、製造される塩(式(1a)の化合物)は、(不完全真空下の)濾過により反応混合物から取り出され、好ましくは、エーテルで洗浄され、大気圧で乾燥され得る。好ましくは、乾燥工程は、室温、大気圧で行われ、乾燥工程は、ホスフェート エステルの最大の安定性を維持するためおよび最終のジナトリウム ホスフェート エステル生成物(1a)中の式(1)の化合物の許容な低いレベルを達成するために重要であることが見出された。これに関連し、2%より低い(1)のレベルは、0.9%食塩溶液のような医薬的に許容なビヒクルへの溶解を確実にすることが見出された。
したがって、前記から、式(1a)および(1a')の化合物の製造において、さらに重要な中間体は、式(2):
(式中、Pは前記のような好適な保護基である)
の置換ハロフェノール類であることも理解されるであろう。
さらなる観点におけるものとして、本発明は、
(a) o-バニリンの2-ヒドロキシ基を保護して、(2a):
を形成する工程;
(b) (2a)を酸化し、中間体ホルメートエステルをけん化して、(2b):
を形成する工程;
(c) (2b)をハロゲン化して、(2)を形成する工程
を含む、式(2)の化合物のキログラム量を製造する方法を提供する。
それゆえ、本発明は、式(2)の製造における反応工程(a)-(c)の使用をも意図し、式(1)または(1a)の化合物をキログラム規模の量で製造するために、本明細書中に記載の追加の工程段階に順に付してもよい。
一つの実施態様および前記工程段階(a)〜(c)に特に関連して、Pはイソ-プロピル基である。したがって、一つの実施態様において、工程(a)は、2-ブロモプロパンでのo-バニリンの処理を含む。好ましくは、この反応は、炭酸カリウムのような弱塩基の存在下に行われる。代替の塩基は、炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは水素化ナトリウムを含み得る。アルデヒドに対するホルメートエステルへのバイヤービリガー酸化は、ジクロロメタン(DCM)中のm-クロロ過安息香酸(m-CPBA)を用いて行われ得る。代替の方法は、酸化剤として過酸化水素を用いることである。
ホルメートエステルは、水酸化ナトリウム水溶液を用いてけん化しうる。炭酸カリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムのようなその他の無機塩基が、けん化のための代替試薬でありうる。フェノールのヒドロキシに対してオルトをヨウ素化するための位置特性を提供するヨウ素化のための試薬が選択されうる。このアプローチは、保護基が酸素に対してオルトリチオ化に向ける代替の保護戦略に関係するより少ない工程を有する。ヒドロキシ基に対してオルト直接ヨウ素化のための試薬は、ヨウ素/銅(II)アセテート、ヨウ素/銀トリフルオロアセテートおよびヨウ素/tertブチルアミンを含む。
次の実施例は、本発明を説明することを意図し、本発明を限定するものと解釈されるべきものではない。
実施例
実施例 1
工程a)+b)
全ての試薬はSigma-Aldrichから調達された。
1. 乾燥した12 Lの3頸丸底フラスコをN2でパージ(purged)した。N2下、化合物(A) (200 g, 649.1 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) クロライド (23 g, 32 mmol)および無水THF (1.3 L)を前記フラスコに加えた。次いで、フラスコをN2で5分間フラッシュ(flush)した。次いで、混合物を水浴(15-18℃)で冷却し、内部温度<30℃を維持しながら、0.5 M 1-プロピニルマグネシウム ブロマイド溶液 (無水THF 2.8 L中に1.4 mol)を加えた。注意:添加の間、プロピンガスが発生する。
2. 添加後、N2雰囲気下で、溶液を5-9時間加熱還流した。反応をTLC (30% EtOAc/ヘキサン; UVおよびPMA)またはHPLCによりモニターした。
3. 溶媒の約3/4を除去するために、反応混合物を35℃(水浴温度)で真空下で濃縮した。次いで、無水DMSO (2.4 L)を加え、THFの除去を、完結する(蒸留物が著しく遅い速度で出てくる時点)まで続けた。
4. 次いで、12 Lフラスコに(気密アダプターによる)頭上式スターラー、バルーンを付けたガス注入口および熱電対を取り付けた。次いで、化合物 (B) (229 g, 779 mmol)を加え、フラスコを脱気し、N2で2回置換(back-filled)した。次いで、バルーンをCOで満たし、フラスコを脱気し、COで2回満たし、混合物を激しく撹拌し、12-18時間、30 ± 5℃に加熱した。反応をTLC (30% EtOAc/ヘキサン; PMA)またはHPLC (特記(Spec):中間体が<3%であるか、中間体が1時間当たり速度<2%に減少する)でモニターした。
5. 反応が終了に達したら、トリブチルホスフィン (32 mL, 130 mmol)を加え、反応混合物をさらに30分間撹拌した。
6. 次いで、氷冷水 (2.4 L)を加えると直ぐにスラリーとなり、pH 4-5にするために1 M HCl溶液 (水380 mL中に380 mmol)を加え、混合物を10分間撹拌した(スラリーはpH 5未満で微細な濾過可能なスラリーに変わった)。沈殿物をクラスC フリット(frit)漏斗で濾過し、水 (800 mL)、メタノール (600 mL)で洗浄し、再度メタノール (400 mL)で洗浄した。
7. 回収された固体をDCM (400 mL)に溶解した;完全な溶解を達成するために必要なら、さらなるDCMを用いることができる。該溶液にトリブチルホスフィン (20 mL, 80 mmol)を加え、混合物を0.5時間撹拌した。溶液を(DCMで前もって洗浄した)セライドパッドにより濾過し、さらなるDCM (100 mL)で洗浄した。次いで、濾液を0.45ミクロン PTFEフィルターにより濾過し、溶液を、濃厚なスラリーが生じる(最終容積〜350 mL)まで、真空下、30-40℃(水浴温度)で濃縮した。撹拌しながら、メタノール (600 mL)を2つの部分に分けてスラリーに加えた。
最初の部分(〜300 mL)を加えた後、生じたスラリーを真空下、〜400 mLまで再度濃縮した;2番目の部分を加えた後、スラリーを真空下、〜300-400 mLまで再度濃縮した。この段階で、混合物をクラスC フリット漏斗で濾過した。回収した固体をメタノール (200 mL)で洗浄し、高真空下、5時間に渡って40-50℃で乾燥し、白色の固体として生成物を得た。収率:148.72 g (55.3%)。Rf = 0.43 (30% EtOAc/ヘキサン)。HPLCは純度100%を示す。
工程c)
1. 3 Lの3頸丸底フラスコに頭上式スターラー、滴下漏斗および熱電対/N2注入口を取り付けた。N2雰囲気下、フラスコに(C) (147.5 g, 355.9 mmol)および無水DCM (740 mL)を加え、該溶液を氷水浴で冷却した。内部温度<5℃になったとき、内部温度<20℃に維持しながら、1 M BCl3溶液 (DCM 360 mL中に360 mmol)を滴下漏斗により加えた(添加時間〜1分;T max = 15.1℃)。
2. 発熱反応が終了したら、氷水浴を除き、TLC (50% EtOAc/ヘキサン;反応混合物をTLCプレートに直接スポットする)で反応をモニターしながら、混合物をRTで1-1.5時間撹拌した。この段階で反応は〜40%完結していることを示した。1 M BCl3溶液 (DCM 72 mL中に72 mmol)の2つのさらなるロット(lot)を、ロット間、RTで1-1.5時間の反応時間で前記のように添加後、TLCは反応が完結していることを示した。HPLCは0.55%の出発物質が残っていることを示した。
3. 反応混合物を5℃に冷却し、10% NH4Cl水溶液(水440 mL中に830 mmol)を注意深く加え、混合物を10分間撹拌した(少量の沈殿が観察された)。この混合物にメタノール (300 mL)を加え、固体のほとんどを溶解した。下部のDCM層を分離し、水層をDCM (150 mL)およびメタノール (44 mL)の混液で抽出した。
注:DCM/メタノールの混合溶媒および水の追加量が、エマルジョンの形態にある抽出を助けるために用いられうる。
4. 合わせたDCM/メタノール抽出物を真空下、〜2/3の容積 (〜450 mL)まで濃縮した。メタノール (300 mL)を加え、真空下、〜2/3の容積 (300-450 mL)まで再度濃縮した。混合物を濾過し、メタノール (150 mL)で洗浄した。
5. 回収した固体を高真空下、40-50℃で乾燥し、淡黄色の固体を得た。収率: 122.6 g (92.5%)。HPLCは99.06%の純度を示した。(Pd含有量: 1.7 ppm, 誘導結合プラズマ質量分析装置(ICPMS)で測定)。
工程d)
1. 2 Lの3頸丸底フラスコに滴下漏斗、熱電対および頭上式スターラーを取り付け、該フラスコをN2でパージした。フラスコに(D) (112.3 g, 301.6 mmol)および無水DCM (550 mL)を加え、撹拌し、オレンジ色のスラリーを得た。滴下漏斗によりトリエチルアミン (61.8 mL, 443 mmol)を加え、30分間撹拌し、濁ったオレンジ色の溶液を得た。
注:わずかに発熱:T = 12 - 15℃。
2. もう一つの2 Lの3頸丸底フラスコに滴下漏斗、熱電対および頭上式スターラーを取り付けた。フラスコを窒素でパージし、フラスコに無水DCM (550 mL)およびホスホリル クロライド (68.8 mL, 738 mmol)を加えた。次いで、激しく撹拌しながら、溶液を氷-メタノール浴で冷却し、内部温度が-10℃に達したとき、内部温度<3℃を維持しながら、前記の調製された(D)/DCM/トリエチルアミン混合物を滴下漏斗により滴下した(添加時間〜20分)。フラスコおよび滴下漏斗を反応混合物中にDCM (20 mL)で洗い流した。添加後、混合物を-10〜0℃の間で10分間撹拌した。次いで、混合物を真空下、30℃(水浴温度)で濃縮し、オレンジ色のスラリーを得た。
3. 得られたスラリーにトルエン(235 mL)を加え、スラリーを真空下、40℃(水浴温度)で濃縮し、オレンジ色の固体を得た。該固体にアセトニトリル (220 mL)を加え、真空下、40℃(水浴温度)で溶媒を再度除去した。
4. 前記生成物を含むフラスコに、熱電対、頭上式スターラーおよび滴下漏斗を取り付け、これにアセトニトリル(330 mL)を加えた。激しく撹拌しながら、スラリーを氷水浴で冷却した。内部温度<-5℃に達したとき、内部温度<35℃を維持して、1 M NaOH溶液(水1.3 L中に1.3 mol)をゆっくりと加えた(注:最初の数mLの添加のみ非常に発熱する;pH 〜13-14)。溶液を真空下、40℃(水浴温度)で濃縮し、オレンジ色の固体を得た。
5. 前記固体を含むフラスコに、滴下漏斗、熱電対および頭上式スターラーを取り付け、水 (200 mL)を加え、混合物を撹拌した(pH 〜3-4)。pHが〜10-11で安定するまで、1 M NaOH溶液 (水484 mL中に484 mmol)を加えた(添加時間〜0.5時間)。
6. セライトプラグ(plug) (600 mLの大きさのクラスC フリット漏斗中に〜7-8 cmの高さ)を調製し、セライトを水でスラリーにして排出し;水の濾液がほとんど透明になるまで、アセトンおよび十分な水で洗浄した(注:水が最後の洗浄でなければならない)。前記生成物の混合物(pH 〜10-11で)を、前記セライトパッドにより濾過し、水 (100 mL)で洗浄した。この段階で、濾液は緑黄色であり、1171 gの重さで、pH 〜11である。該濾液を5 Lの3頸丸底フラスコに移した。
7. 前記フラスコに頭上式スターラー、滴下漏斗および熱電対を取り付け、水浴で冷却した。良好な撹拌とともに、pH 〜0-2に達するまで、滴下漏斗により濃HCl (37:63, HCl:水, 70 mL)を加え、濃厚なオフホワイト色のスラリーを得た。これにDCM (1 L)、続いてメタノール (1 L)を加え、澄んだ2相の溶液を得た。水層のpHをチェックし、pHが〜0-2であることを確かめた。オレンジ色の層を分離し、水層をDCM (100 mL)で抽出した。
8. 合わせたオレンジ色の層を撹拌しながら〜20分間、無水Na2SO4 (100 g)で乾燥した。溶液を濾過し、真空下、30℃(水浴温度)で濃縮し、0.5時間での重量変化<2%までRTでさらに乾燥し、粗酸 (120 g)を得た。
9. 前記生成物を含むフラスコに頭上式スターラー、熱電対および滴下漏斗を取り付けた。フラスコを水浴で冷却し、メタノール (200 mL)を加えた。これに、pHが〜10-11に安定化するまで、1 M NaOH溶液 (水500 ml中に500 mmol)を25分かけて少しずつ加えた。
10. 前記スラリーを真空下、40℃(水浴温度)で濃縮し、重量390 g (目標重量は、粗酸の重量 (120 g)の3〜4倍 (360 - 480 g)である)にした。スラリーは、少しの小さいオレンジ色の固体の塊だけを含む、pH 〜9-10のほとんど澄んだ薄黒い溶液であった。フラスコに頭上式スターラーを取り付け、1 M NaOH溶液 (水5.0 mL中に5 mmol)を撹拌下に加え(10 分)、pHをpH 〜10-11に調整した。この時点でオレンジ色の固体は、大半は溶解した。
11. 激しく撹拌しながら、前記スラリーにアセトニトリル (2.06 L)を加え、混合物を30-60分間撹拌した。次いで、得られた混合物を、クラスC フリット漏斗により濾過し、固体をアセトニトリル (220 mL)、ジエチルエーテル (220 mL)および再度ジエチルエーテル (220 mL)で洗浄した。濾液がポタポタ落ちるのが止まったら、真空をさらに10-20分間維持し、クリーム色の固体を得た。該固体をKimwipeの層で覆われたガラス製の乾燥パン(pan)の上に移し、表面上を空気が通過するアイソレータ(isolator)中で乾燥した。
12. アイソレータ中の空気中に全部で42時間後、該物質を褐色瓶に詰めた。収率: 134 g (89.5%)。HPLC (3回運転, 平均で): 99.18%。ICPは8.5%のNaおよび5.1%のPを示した。KFは11.1%の水を示す。残留溶媒試験は、ジエチルエーテル2997 ppmおよびアセトニトリル 100 ppmを示した。DCM、メタノールおよびトルエンは検出されなかった。
実施例 2
1) 置換ヨードフェノール出発物質(III)の製造
(a):イソプロピルエーテル(I)の形成
窒素下、反応容器に無水DMF (35 L)を入れ、次いで、o-バニリン (7.0 kg, 46 mol)およびK2CO3 (15 kg, 109 mol)をRTで加えた。2-ブロモプロパン (7.0 L, 75 mol)をRTでゆっくりと加えた。反応混合物を、TLCおよびHPLCにより完結したと測定されるまで(1.5時間)、110℃で還流するようにセットした。反応混合物をRTに冷えるままにし、混合物に水 (50 L)を加えた。反応混合物をEtOAc (3×50 L)で抽出した。プールされた(pooled)有機物を水 (8×25 L)および飽和NaCl水溶液 (25 L)で洗浄し、Na2SO4 (5 kg)で乾燥した。有機物を濃縮し、純粋な液状化合物(I)を得た。収率: 8.9 kg (定量的)。
(b):アルデヒド体のバイヤー-ビリガー酸化 (II)
反応容器に、(2) (8.9 kg, 46 mol)、続いて無水DCM (180 L)を入れて、0 - 5℃に冷却した。次いで、反応混合物の温度を0 - 5℃の範囲に維持しながら、m-CPBA (75%, 20 kg, 87 mol)を少しずつ加えた。混合物をRTで18時間撹拌し、TLCにより完結していることを決定した。沈殿物を濾過し、無水DCM (20 L)で洗浄し、濾液を蒸留して残渣を得、次いで、それをメタノール (180 L)に溶解した。水 (5.3 L)中のNaOH (3.8 kg, 95 mol)の溶液を加え、混合物をRTで2時間撹拌した。メタノールを蒸留し、残渣を飽和NH4Cl溶液 (35 L)で希釈し、EtOAc (3×50 L)で抽出した。プールされた有機物を水 (2×40 L)、飽和NaCl水溶液 (40 L)で洗浄し、Na2SO4 (5 kg)で乾燥した。有機物を濃出し、純粋な液状化合物(II)を得た。収率: 8.4 kg (定量的)。
(c):フェノール体に対するオルトヨウ素化 (III)
反応容器に、酢酸 (90 L)中のヨウ素 (17 kg, 67 mol)の溶液を入れ、(II) (8.4 kg, 46 mol)を加えた。Cu(CO2CH3)2・H2O (10 kg, 50 mol)を加え、反応混合物を55℃で22時間加熱し、TLCにより完結していることを決定した。酢酸を蒸留し、残渣にEtOAc (100 L)を加えた。有機層をNa2S2O3水溶液 (5×25 L)、水 (3×50 L)、飽和NaCl水溶液 (50 L)で洗浄し、Na2SO4 (5 kg)で乾燥した。揮発性物を溜去し、粗生成物を60-120 シリカおよび溶出液として石油エーテル中10% EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率: 2.5 kg (18%)
2) (V)を与えるマルチ成分(multicomponent)カップリング
1. 50 ガロンのガラス-ライニングされた(glass-lined)反応器をN2でパージし、ジャケット温度を22.5℃に設定した。(III) (2.286 kg, 7.419 mol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) クロライド (0.253 kg, 0.360 mol)および無水THF (14.3 kg)を加えた。次いで、反応器をN2で5分間フラッシュした。次いで、混合物を16℃に冷却し、THF中の0.5 M 1-プロピニルマグネシウムブロマイド溶液 (16.0 mol, 30.3 kg)を、内部温度<30℃を維持して、19分かけて加えた。注意:添加の間にプロピンガスが発生する。
2. 添加後、溶液を9時間加熱還流した。反応をHPLCでモニターし、(III)の量が3%未満になったとき、反応が完結したと判断した。
3. 反応混合物を、<35℃での溶媒交換蒸留(solvent exchange distillation)により濃縮し、〜1/2の溶媒を除去した。無水DMSO (29.9 kg)を加え、真空下、<35℃で、残りのTHFを除去した。
4. 反応器をN2で再度満たし、ガス注入口を取り付けた。1-ヨード-3,4,5-トリメキシベンゼン (IV) (2.585 kg, 8.790 mol)を加えた。混合物を脱気し、窒素で充填し、次いで脱気し、COで充填しを2回行った。ガス流量調節器を、反応器に1-4 psiのCOが加えられるよう調整した。反応混合物を195 rpmで撹拌し、39時間、30℃に加熱し、HPLCでモニターした。
5. 反応が完結したことが示された後、COを排出し、反応器をN2で8分間パージした。反応温度を30℃に維持し、トリブチルホスフィン (0.297 kg, 0.936 mol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。
6. 1℃でRO/DI 水 (27.3 L)を一気に加え、スラリーを得た。10 Lのナルゲン(Nalgene)瓶中で、HCl水溶液 (37% HCl, (0.54 kg)および水 (4.5 L))を作り、この溶液の4.35 kgを反応容器中のスラリーに加え、17分間撹拌し、最終pH 〜5を得た。沈殿物をヌッチェ(Nutsche)フィルターにより濾過し、N2で圧搾し、次いで水 (10 L)で洗浄し、再度N2で圧搾した。残渣にメタノール (6.0 kg)を加え、物質を15分間でスラリーにし、次いでN2で圧搾した。メタノール (3.70 kg)を用いて操作を繰り返した。固体をヌッチェフィルター中、N2下、22.5℃で59時間乾燥した。
7. 前記固体を、頭上式スターラーおよびガス注入口を有する適当な大きさの3頸丸底フラスコに移し、DCM (4.6 L)に溶解した。該溶液にトリブチルホスフィン (234 mL, 937 mmol)を加え、該混合物を39分間撹拌した。溶液を、DCMで前もって洗浄した10 cmのセライトパッドにより濾過し、丸底フラスコはDCM (1.18 L)で洗浄し、それをセライトパッドを洗浄するのに用いた。次いで、濾液を0.45ミクロンPTFE Omnipore親水性膜フィルターにより濾過し、DCM (450 mL)で洗浄し、次いで再度DCM (225 mL)で洗浄した。濾液を、濃厚なスラリーが得られるまで(溶媒は乾固まで除去されない)、<40℃でロータバプ(rotorvap)で濃縮した。撹拌しながら、スラリーにメタノール (6.8 L)を2分割で加えた。最初の部分(〜1/2容積)を加えた後、得られるスラリーを乾固させず再度濃縮した。2番目の部分を加えた後、スラリーを5.29 kgの最終質量まで再度濃縮した。次いで、スラリーをクラスC 焼結ガラス漏斗により濾過し、回収された固体をメタノール (2.2 L)で洗浄した。真空下、生成物をフィルター上に残し、アルゴンを16時間流し、次いでアイソレータ真空オーブンに移し、高真空下、周囲温度で16時間乾燥し、白色の固体として生成物 (V)を得た。収率: 1475 g (48%)。HPLCは純度99.82%を示す。
3) (VI)を得るためにイソプロピルエーテル(V)の脱保護
1. 適当な大きさの3頸丸底フラスコに、頭上式スターラー、滴下漏斗、熱電対およびアルゴン注入口を取り付けた。該フラスコに、(V) (1475 g, 3.56 mol)および無水DCM (7.4 L)を加え、該溶液を氷水浴で<5℃に冷却した。内部温度が2.2℃になったとき、内部温度<20℃を維持するために、DCM中のBCl3の1.0 M溶液 (3698 mL, 3.70 mol)を2分割で加えた(分割1, 1858 mLの添加時間 = 14 分; T max = 8.0℃, 分割2, 1840 mLの添加時間 = 104分; T max = 8.2℃)。
2. 冷却浴を取り去り、混合物をRTに温まるままにし、81分間撹拌した。混合物のTLC (50% EtOAc/ヘキサン; 反応混合物をTLCプレート上に直接スポットした; Rf = 0.36)は、反応が未完結であることを示した。20℃で、混合物にDCM中のBCl3の1.0 M溶液 (700 mL, 0.7 mol)を3分かけて加え(T max = 22.9℃)、反応が未完結であった時点の後1.5時間撹拌した。DCM中のBCl3の1.0 M溶液の別の量(710 mL, 0.71 mol)を21分かけて加え(T max = 21.6℃)、反応が未完結であった時点の後3.5時間撹拌した。DCM中のBCl3の1.0 M溶液の別の量(352 mL, 0.352 mol)を7分かけて加え(T max = 20.4℃)、TLCが反応の完結を示した時点の後1.5時間撹拌した。
3. 前記反応混合物を3.8℃に冷却し、NH4Cl水溶液 (RO/DI 水4.0 L中に451.05 g)を注意深く37分かけて加え(注意: 最初、非常に発熱性でガス排出, T max = 19.9 ℃)、11分間撹拌した。クエンチされた混合物に、メタノール (3.0 L)を加え、層を11分間十分に混合した。層を分離するままにし、下部のDCM層を回収した。水層をDCM (1480 mL)およびメタノール (440 mL)の混合溶媒でさらに抽出し、層を6分間十分に混合し、分離するままにし、DCM層を回収し、前で回収されたDCM層と合わせた。
4. 合わせた抽出物を出発物質の重量の約3倍(2605 g)までロータバプで濃縮した。メタノール (3.0 L)を加え、混合物を今度は3686 gまで再度ロータバプで濃縮した。次いで、混合物をクラスC焼結漏斗で濾過し、回収した固体をメタノール (1.45 L)で洗浄した。固体を真空下、RTで3日間乾燥し、淡黄色の固体として化合物 VIを得た。収率: 1209 g (91%)。HPLC純度: 96.13%。
注:実施例1において、パラジウム含有量はこの時点でICP-MSを用いて測定され、Pd: 1.7 ppmであった。
4) (VII)を与えるためのホスフェートエステル形成
1. 適当な大きさの3頸丸底フラスコに、熱電対および頭上式スターラーを取り付けた。該フラスコをアルゴンでパージし、(VI) (1209 g, 3.247 mol)および無水DCM (6.0 L)を加え、撹拌して、オレンジ色のスラリーを得た。トリエチルアミン (670 mL, 4.807 mol)をゆっくりと加え、50分間撹拌し、濁ったオレンジ色の溶液を得た。
2. もう一つの3頸丸底フラスコに、滴下漏斗、熱電対、頭上式スターラーおよびガス注入口を取り付けた。該フラスコをアルゴンでパージし、このフラスコに無水DCM (6.0 L)およびホスホリル クロライド (740 mL, 7.94 mol)を加えた。激しく撹拌しながら、この溶液を氷-メタノール浴で32分間冷却し、内部温度が-7.6℃に達したとき、前記の調製した(VI)/DCM/トリエチルアミン混合物を、内部温度を-1.7℃未満に維持し、51分かけて滴下漏斗により滴下した。フラスコおよび滴下漏斗はDCM (265 mL)で洗浄し、洗浄した液を反応混合物に加えた。添加後、混合物を-15〜-5℃の間で15分間撹拌した。次いで、混合物を<40℃で、ロータバプで乾固するまで濃縮して、オレンジ色のスラリーを得た。
3. 得られたスラリーにトルエン (2.45 L)を加え、スラリーを真空下(<40℃)、乾固するまで濃縮して、オレンジ色の固体を得た。該固体にアセトニトリル (2.55 L)を加え、真空下(<40℃)に再度溶媒を除去した。
4. 前記生成物を含むフラスコに、熱電対、頭上式スターラー、滴下漏斗およびガス注入口を取り付け、アセトニトリル (3975 mL)を加えた。激しく撹拌しながら、スラリーを氷水浴で冷却し、内部温度が4.7℃に達したとき(48分)、RO/DI 水中のNaOH 1.0 M溶液 (14.1 L, 4℃に冷却して)を30分かけてゆっくりと加え(T max = 18.0℃)、pH 13にした (注: 最初の数mLの添加のみ非常に発熱)。該溶液を真空下(<40℃)、濃縮乾固し、オレンジ色の固体を得た。
5. 前記固体を含むフラスコに、熱電対、ガス注入口および頭上式スターラーを取り付け、激しく撹拌しながら、RO/DI 水 (2.5 L) を加えた(pH 〜8)。RO/DI 水中のNaOHの1.0 M溶液 (4.5 L)を、pHが〜11に安定化するまで、5時間かけて少しずつ(1回に〜1 L)加えた。
6. セライトプラグ(クラスC フリット漏斗中で10 cmの高さ)を調製した。セライトを水でスラリーにして排出し;水の濾液がほとんど透明になるまで、アセトンおよび十分な水で洗浄した(注:水が最後の洗浄でなければならない)。前記の濁った生成物の混合物を、前記セライトパッドにより濾過し;RO/DI 水 (1.2 L)で洗浄し、濾液(pH 〜12)を3頸丸底フラスコに移した。
7. フラスコに、頭上式スターラー、滴下漏斗、ガス注入口および熱電対を取り付け、水道水浴で冷却した。激しく撹拌しながら、pH 0に達し、濃いオフホワイト色のスラリーが得られまで、37% HCl溶液 (730 mL)を12分かけて加えた。該スラリーにDCM (10.875 L)、続いてメタノール (10.87 L)を加え、澄んだ2層の溶液が生じるまで、層を7分間十分に混合した(水層のpHは0であった)。有機層を分離して、水層をさらにDCM (1.2 L)で抽出した。
8. 合わせた有機層を、激しく撹拌しながら、無水Na2SO4 (1226 g)で21分間乾燥した。該溶液をクラスC ガラス漏斗により濾過し、十分なDCMで洗浄し、濾液を真空下(<40℃)、濃縮乾固し、0.5時間での重量変化<2%までRTでさらに乾燥して、粗酸 (2108 g)を得た。
9. 前記生成物を含むフラスコに頭上式スターラー、熱電対およびガス注入口を取り付け、水道水浴で冷却した。メタノール (2.4 L)を加え、続いて、激しく撹拌しながら、RO/DI 水中の1.0 M NaOH溶液 (4645 mL)を、pHが〜10-11に安定化するまで、〜3時間かけて少しずつ(1回に〜1 L)加えた (T max = 24.9℃)。
10. 前記スラリーをpH 8で、4483 gの重量まで、ロータバプ(<40℃)で濃縮した。フラスコに頭上式スターラーを取り付け、添加の間撹拌し、RO/DI 水中の1.0 M NaOH溶液 (355 mL)を少しずつ(1回に〜100 mL)加え、10-15分でpHを11に調整した (T max = 27.3℃)。
11. 激しく撹拌しながら、アセトニトリル (22.5 L)を加え、得られた混合物を60分間撹拌し、不完全真空下、不活性ガスで覆うことなく、クラスC フリット漏斗により濾過した。回収した固体をアセトニトリル (3.62 L)およびジエチルエーテル (3.6 L)で洗浄し、濾液がポタポタ落ちるのが止まったら、真空をさらに16分間維持し、クリーム色の固体を得た。該固体を遊離し、Kimwipeの層で覆われたガラス製の乾燥パンの上に移し、表面上を空気が通過するアイソレータ中、RT、大気圧で、1時間での重量変化<0.5%まで47時間乾燥した。
12. 物質 (VII)を褐色瓶に詰めた。収率: 1393 g, (86%)。HPLC: 99.94%。ICP-MSは7.4%のNa、6.2%のPを示し、Pdは検出されなかった。KFは12.8%の水を示す。残留溶媒試験は、ジエチルエーテル713 ppm;アセトニトリル、DCM、メタノールおよびトルエンは検出されなかった。

Claims (21)

  1. a) パラジウム触媒の存在下、式(2)の化合物を式(3)のアルキンとカップリングさせる工程
    (式中、HalはIまたはBrであり、Pはヒドロキシ保護基である);
    b) 50℃より低い温度で、COの存在下、得られる工程a)のカップリング生成物をその場で式(4)の化合物と反応させる工程
    (式中、R2はBr、IまたはCF3SO3である);および
    c) 式(1)の化合物を得るためにC-7ヒドロキシ保護基を除去し、任意にC-7ヒドロキシ基をそのジナトリウムホスフェートエステルに変換する工程
    を含む、式(1)
    (式中、R1は、任意に置換されたC1-C4アルキル、任意に置換されたC2-C4アルケニルまたは任意に置換されたC2-C5アルキニルである)
    の化合物またはそのC-7ジナトリウムホスフェートエステルのキログラム量を製造する方法。
  2. a) パラジウム触媒の存在下、式(2)の化合物を式(3)のアルキンとカップリングさせる工程
    (式中、
    HalはIまたはBrであり、
    Pはヒドロキシ保護基であり、
    R1は、任意に置換されたC1-C4アルキル、任意に置換されたC2-C4アルケニルまたは任意に置換されたC2-C5アルキニルである);
    b) 50℃より低い温度で、COの存在下、得られるカップリング生成物をその場で式(4)の化合物と反応させる工程
    (式中、R2はBr、IまたはCF3SO3である);
    c) パラジウム触媒の実質的な除去を可能にするため、得られる化合物をトリブチルホスフィンで処理する工程;ならびに
    d) 式(1)
    の化合物を得るために、任意にC-7ヒドロキシ保護基を除去する工程;および
    e) 式(1a)の化合物を得るために、任意にC-7ヒドロキシ基をジナトリウムホスフェートエステルに変換する工程
    を含む、式(1a)
    の化合物のキログラム規模の量を製造する方法。
  3. パラジウム触媒がビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライドである請求項1または2に記載の方法。
  4. 式(3)の化合物が1-プロピニルマグネシウム ブロマイドである請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 式(2)の化合物のPがイソ-プロピルである請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 式(4)の化合物のR2がヨードである請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. CO挿入工程の温度が約25-35℃の間である請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. CO挿入工程が1-4 psiのCOで行われる請求項7に記載の方法。
  9. (a) o-バニリンの2-ヒドロキシ基を保護して、(2a):
    を形成する工程;
    (b) (2a)を酸化し、続いてけん化して、(2b):
    を形成する工程;
    (c) (2b)をハロゲン化して、(2)を形成する工程
    を含む、式(2)
    (式中、Pは保護基を表す)
    の化合物のキログラム量を製造する方法。
  10. 工程(b)が(2a)をm-CPBAで酸化し、続いて無機塩基、好ましくは水酸化ナトリウムでけん化することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. (a) o-バニリンの2-ヒドロキシ基を保護し、式(2a)
    の化合物を形成する工程;
    (b) (2a)をm-PCBAで酸化し、続いて無機塩基でけん化し、式(2b)
    の化合物を形成する工程;
    (c) (2b)をハロゲン化し、式(2)の化合物を形成する工程;
    (d) パラジウム触媒の存在下、式(2)の化合物を式(3)のアルキンとカップリングさせる工程
    (式中、HalはIまたはBrであり、Pはヒドロキシ保護基である);
    (e) 50℃より低い温度で、COの存在下、得られる工程(d)のカップリング生成物をその場で式(4)の化合物と反応させる工程
    (式中、R2はBr、IまたはCF3SO3である);
    (f) C-7ヒドロキシ保護基を除去し、式(1)の化合物を得、任意にC-7ヒドロキシ基をそのジナトリウムホスフェートエステルに変換する工程
    を含む、式(1)
    (式中、R1は、任意に置換されたC1-C4アルキル、任意に置換されたC2-C4アルケニルまたは任意に置換されたC2-C5アルキニルである)
    の化合物またはそのC-7ジナトリウムホスフェートエステルのキログラム量を製造する方法。
  12. (a) o-バニリンの2-ヒドロキシ基を保護し、式(2a)
    の化合物を形成する工程;
    (b) (2a)をm-PCBAで酸化し、続いて無機塩基でけん化し、式(2b)
    の化合物を形成する工程;
    (c) (2b)をハロゲン化し、式(2)の化合物を形成する工程;
    (d) パラジウム触媒の存在下、式(2)の化合物を式(3)のアルキンとカップリングさせる工程
    (式中、
    HalはIまたはBrであり、
    Pはヒドロキシ保護基であり、
    R1は、任意に置換されたC1-C4アルキル、任意に置換されたC2-C4アルケニルまたは任意に置換されたC2-C5アルキニルである);
    (e) 50℃より低い温度で、COの存在下、得られるカップリング生成物をその場で式(4)の化合物と反応させる工程
    (式中、R2はBr、IまたはCF3SO3である);
    (f) パラジウム触媒の実質的な除去を可能にするため、得られる化合物をトリブチルホスフィンで処理する工程;ならびに
    (g) 式(1)の化合物を得るために、C-7ヒドロキシ保護基を除去する工程;および
    (h) 式(1a)の化合物を得るために、C-7ヒドロキシ基をジナトリウムホスフェートエステルに変換する工程
    を含む、式(1a)
    の化合物のキログラム規模の量を製造する方法。
  13. パラジウム触媒がビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライドである請求項11または請求項12に記載の方法。
  14. 式(3)の化合物が1-プロピニルマグネシウム ブロマイドである請求項11〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. 式(2)の化合物のPがイソ-プロピルである請求項11〜14のいずれか一つに記載の方法。
  16. 式(4)の化合物のR2がヨードである請求項11〜15のいずれか一つに記載の方法。
  17. CO挿入工程の温度が約25-35℃の間である請求項11〜16のいずれか一つに記載の方法。
  18. CO挿入工程が1-4 psiのCOで行われる請求項17に記載の方法。
  19. R1がC1-C4アルキル、好ましくはメチルである、請求項1〜8および11〜18のいずれか一つに記載の方法。
  20. 請求項1〜8および11〜19のいずれか一つで定義された方法により得られる、式(1)または(1a)の化合物。
  21. 化合物が2 ppm未満のPd残留レベルを有する請求項20に記載の化合物。
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