JP2013501545A5

JP2013501545A5 - 人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスク

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Publication number: JP2013501545A5
Application number: JP2012524100A
Authority: JP
Filing date: 2010-08-12
Publication date: 2014-06-19

Description

本発明は人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスクに係わり、特に中・小学生用の人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスクに関するものである。

現在、小中学生の近視、猫背などの現象の継続的上昇傾向に対し、合理的、科学的なイス・デスクを設計することが、各界有識者および多くの先生方と子どもたちおよび保護者たちの強い願望になっており、同時に、心ある人々の悩みにもなっている。

このような不健康な現象を引き起こしている原因は多岐にわたり、結果も重大である。学校衛生学の観点からいえば、坐骨結節上またはそれより前方に上半身の重心を乗せる姿勢は、「前方座位（イスの先に腰掛けるような姿勢）」と言われる。この時、背中の筋肉の緊張とふとももでバランスを維持する。上半身の重心を坐骨結節より後方に乗せた姿勢は、「後方座位（イスの後に腰掛けるような姿勢）」と言われる。背中は必ず背もたれに寄り掛かることになる。猫背気味で机に顔を近づける「前方座位」が疲れ易く、「後方座位」が疲れ難いことは、明らかである。しかし現在、学生たちは、一般的に「前方座位」を採用し、猫背気味で机に顔を近づけて勉強している。生理学的観点からいえば、視線と見ようとする物体との角度が垂直になる時に網膜上の結像が最もクリアーになり、この角度は生理学的視角と呼ばれる。学生たちは、勉強中、最もはっきり見える視角を求めれば、頭を下げるしかない。生物学的観点からいえば、骨は硬くて脆い無機成分や柔軟な有機成分からなり、骨の物理特性は主に硬度と弾性の両方で表され、また骨の異なる組成の含有量や骨の物理特性は、年齢が増すにしたがって変化するとのことである。例えば児童・青少年期間の骨質の特性は硬度が小さく、かつ柔軟性があり、弾性が大きく、骨折しにくいが、その一方で変形しやすいため、学習をしたり、字を書くときの姿勢に対し長期に渡って不注意であると、猫背、脊椎側弯症および近視などの症状を引き起こす可能性がある。北京第四病院主治医師の劉志明は、長年の探求により、遂に、青少年が長期にわたって正しくしない学習姿勢を継続すると、疲れやすい、近視にかかる、猫背になるだけではなく、まだ人々に重視されてないが更に重大な結果を引き起こすという結論を出した。このような学生たちは成人後、頸椎症の高発群になるというのである。

しかし、この不健康な現象は、まだ深く理解されていない。従来、学生たちの学習姿勢は正しくなく、特に一般的に「前方座位」をとって猫背気味で机に顔を近づけて勉強している。いろいろと思案をめぐらしてこの姿勢の改善を試みているが未だ「後方座位」の作用を理解しない者がいる一方で、矯正が度を越し、「後方座位」の作用ばかりを強調して、「前方座位」が不可欠であり、しかもそれを正しい姿勢に改善することができることを理解しない者もいる。実際、「前方座位」がない場合、中国の伝統的毛筆の使用には不利である。「後方座位」は、「前方座位」に対し、現在、まだ、猫背気味で机に顔を近づけて勉強する問題もある。しかも、正しい「前方座位」と「後方座位を」学習の2種類の基本的な姿勢とし、自由に互いに変更可能でなければならず、変更の過程にあるいくつかの代替の姿勢も、存在するべきである。人がずっと1種の姿勢で坐っていることはできないからである。しかも、これらの姿勢はいずれも、伝統的な「三一」学習姿勢の要求、つまり、胸部から机の縁まで拳1つ、眼部からテキストまで1尺、手の指がペン先から1寸離れること、を可能にする。

課題を解決するための手段として取られている措置があるがあまり成果が上がっていない。多くのイス・デスクが発明されている。例えば、現在までに発明されたものとして、新型のイス・デスクの一つである新知健康学習デスク(特許文献１)は、固定式デスクで、後側デスク表面部が傾斜するものであり、またひじ板付きで、イス・デスクの高さが調整でき、またデスクの足踏板も上下移動により高さが調整でき、適切な学習姿勢である″後方座位″達成を目標とするが、欠点は、イスとデスクを適切な距離に調整しにくく、また調整が完成した後で位置を変更したい時または使用者が出てくる時にやりにくいことである。別のイスを使えば(特許文献２)、イスの足の上に車輪があるので、比較的便利にイスとデスクの間の距離を調整できるが、欠点は、イスの足の車輪を開閉するのが不便なことである。しかもイスとデスクの間を適切な距離にまで調整しても、猫背気味で机に顔を近づけて勉強する可能性があり、胸前部が凹形になるので胸を保護する効果はあまりない。教室で使用する場合には、イスとデスクまたはイス・デスクとイス・デスクの間の高さが一致しないと外観に影響を与える。例えば、自然に近視と猫背を予防、治療する新型デスク(特許文献３)は、その上に本発明に類似するデスク用もたれ具を取り付け、あご用ガスケットがその上の横桁と接続し、上下調整支柱とデスクトップの後縁とを可動接合などして構成され、横桁とデスク縁との間を単柱の上・下調整支柱の前後と互いに積み重ね、なお、その上の位置調整ねじ穴を介してボルトで固定し、下調整支柱の下端とデスクの縁との間を可動接合して固定接続し、上下調整支柱の幅を人体胸部の約1/3とし、後方へやや傾き、上調整支柱は、使用者が腰をピンと伸ばして少し後方へ寄りかかる時に、下端が胸部の下側とデスク縁に到達し、腰をかがめてわずかに前へ寄りかかる時には、下端は、デスク縁までまたは胸部の下端よりやや下まで到達する。デスクトップ前部には机上棚に類似する読書ボードを設ける。使用者は伏せることができず、適切な″前方座位″を達成することを目標とするが、欠点は、使用者がイスに座って前後へ寄りかかると、デスクが揺れやすく、しかも出入りや座り姿勢変更をしにくい、イス・デスクの高さが調整できず、目的を達しにくいことである。例えば一種の姿勢矯正用の、読み書き用のイス・デスク(特許文献３)は、適切な姿勢になるようイス、デスク間の距離を調整して一体に接続するものであり、適切な学習姿勢である″前方座位″を達成することを目標とするが、欠点は、胸前に寄りかかるところがないので、やはり猫背気味で机に顔を近づけて勉強することになり、しかもイス・デスクが可動に自由調整できず、また高度も調整できない。

これらのイス・デスクの主な問題は次の通りである。第一は、イス・デスクの高度調整の問題についてまだ解決していないものもあれば、問題を解決したものの普及させにくいものもあることである。教室に配置したとき、高く調整したものは高く、低く調整したものは低く、美しくない。また調整方法が非常に複雑である。第二は、イス、デスク間の距離調整の問題についてまだ解決していないものがあり、また有るものは、基本的には問題を解決したものの、自由にイス・デスクを可動に接続して一体にできず、可動接続して一体にできたものは、保持が難しいなどの問題があることである。第三は、デスクトップ、イス・デスクの足、ひじ板、デスク用もたれ具、机上棚、イスの背もたれなどの構造の作用が、依然として、適切な″前方座位″と″後方座位″およびその間の過渡姿勢、またそれらが互いに交換しやすい、および、目と本用棚板との距離と視角が常に最良となるという目的を達成していないことである。その他、イス・デスクの整然とした配置、授業開始終了時のデスク・イスの移動音、および掃除しやすいか等の問題にも充分に注意しておらず、あるものは、学年のデスクボックスにおける書籍の収納スペースが小さくて、子供のための配慮があまりなされていない。イス・デスクの移動もまた便利ではない。

本発明が解決しようとする課題は、常に適切な″前方座位″と″後方座位″およびその間の学習姿勢で座ることができ、また、自由に便利に姿勢変更や出入りができ、疲れにくい、人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスクを提供することを目的とする。

従来の技術に比べて本発明の有利な効果は次の通りである。本発明は人間工学の原理に基づき、イス・デスクに、足踏板、層格納セット、胸部からデスク縁までさらに腹部下部およびデスク・ボックス底板またはその下部まで伸びる胸腹板、胸腹板の下端またはやや上に可動接続される下調整板やデスクトップ昇降装置、机上棚昇降装置を追加して取り付け、また可動に嵌合するイスの背もたれを接続または可動接続し、また、車輪、デスクベースのトップ、軌道、イス・デスク受台などの構造を追加して取り付ける。これにより、第1に、猫背気味で机に顔を近づけて勉強するという問題を完全に解決した。デスク用もたれ具とイスの背もたれが必要に応じて前傾後傾可能であり、デスク面を自由に水平にしたりまたは傾斜させたりすることが可能であり、机上棚と目との間を常に最良の距離および視角にすることが可能である。従って、頭、目、首、胸、腹、腰、背、尻、両ひじ、両脚および両足などの部位に対し、イス、デスク間に形成される１つの合理的な活動空間を有効に保証する。使用者に対して常に、適切な″前方座位″と″後方座位″およびその間の学習姿勢を取らせることができ、また自由に姿勢を変更できる。これにより、目と本用棚板との距離および視角を常に最良にでき、学習の時にリラックスできて心地良く、疲れにくく、また教育、学習時間を節約できる。第2に、イスまたはデスクの移動や出入リが便利で、イスとデスクをしまい合わせるのが容易であり、また、イス、デスク間の距離を自由に簡単に調整できる。このように直接調整やコントロールするのはイス、デスクの間の距離であるが、その間接的な効果として、胸・腹部の前後運動の傾斜度をコントロールするものである。また、前後のデスク用もたれ具およびイスの背もたれの支援により、腰の直立がサポートされる。また、目と本用棚板との距離および視点を常に最良にできるので、順調に正しい"三一"姿勢矯正学習の目標を達成し、しかも両足を水平にして肩の幅と等しい姿勢を維持できる。また、イス、デスク間を幅広にも幅狭にもでき、腰を曲げ伸ばしでき、前にもたれたり後ろにもたれたりでき、その活発で動かしやすい天性の発揮に利益があり、いわゆる制約のあるところに自由ありである。第3は、イス・デスクの高さ調整が便利で、一般に使用時にまったくドライバー、レンチを使う必要がない。使用時に、背が高い人は腰をかがめて背が曲がり、背が低い人は届かないという欠点を克服したものであり、また、年齢が小さい子どもが座っても、年齢が少し大きい子どもが座っても高さが適当になる。1人の小学生が1組のイス・デスクを買えば高学年まで座ることができ、１つのクラス全員が同様な高度のイス・デスクに座ることができる。つまり、最も背の高い学生に合わせて高度調整を行い、背の高い人には低くなるように座らせ、背の低い人には高くなるように座らせることができるので、座った時の高さを皆同じにできる。また、階段形にも調整することができる。つまり教室の前に並ぶイス・デスクを低くし、一列後ろになる毎に高くする。第4に、イス・デスクが整然と並べられて美しいだけではなく、イス・デスクの移動の騒音が大幅に低減される。イス・ボックスを追加して取り付けることにより、多くのテキストなどを収納できるので、人間工学に基く姿勢矯正のためのイス・デスク車を作成すると押し/引きに便利であり、その上、掃除しやすい。第5に、学生が家の中で使用するのに適し、また学校での利用にも適し、しかも使用効果が直ちに現われ、構造も簡単で、容易に普及できる。

人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスクは、図1、 2、 3、 5、 9、 12、 14、 25に示すように、イス2およびデスク1を含み、デスク1の足8の下部が足踏板20と接続し、イスの背もたれ支柱19の間にイスの背もたれ17を接続する。記載のイスおよびデスクの上部や下部、イスとデスクの間、デスクの足8の間、またはイスの足の間に、適切な″前方座位″と″後方座位″およびその間の学習姿勢を取ることができ、またそれらを自由に変更できる姿勢矯正装置、及び該姿勢矯正装置を取り付ける機構を有する。

前記デスク1にデスク用もたれ具21を取り付ける。該デスク用もたれ具21の取付台90を、デスクトップ3またはデスクボックス12の上端よりやや下に取り付けられた取付底板91に取り付け、取付台90の水平方向スリット67にデスク用もたれ具21の上調整板98を挿入できる。

Claims

デスクおよびイスを含み、
前記デスクが姿勢矯正装置を備え、
該姿勢矯正装置が、前記デスクのデスクトップ（３）の後部に取り付けられるデスク用もたれ具（２１）を含み、
該デスク用もたれ具（２１）が胸腹板（１７８）およびあごレスト（１７７）を含むこと特徴とする人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスク。
前記デスク用もたれ具（２１）がさらに上調整板（９８）と取付台（９０）を備え、
前記取付台（９０）が前記デスクトップ（３）の後部に取り付けられ、
前記上調整板（９８）の一端が胸腹板（１７８）と接続され、他端が前記取付台（９０）の水平方向スリット（６７）に挿入されることによって、前記デスク用もたれ具（２１）が前記デスクトップ（３）の後部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスク。
前記デスク用もたれ具（２１）がさらに下調整板（９９）を備え、
該下調整板（９９）が前記胸腹板（１７８）の下端部に接続されることを特徴とする請求項2に記載の人間工学に基づいた姿勢を矯正するためのイス・デスク。