JP2013254922A - 金属ベース回路基板 - Google Patents

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健次 門田
Toru Arai
亨 荒井
Kenji Miyata
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Ryota Kumagai
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Abstract

【課題】 絶縁層にクラックが発生することを抑制することが可能な高信頼性の回路基板。
【解決手段】 金属基板と、上記金属基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導電回路層とを有する金属ベース回路基板であって、上記導電回路層は、銅を主成分として有し、上記絶縁層は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機フィラーを混合して得られるエポキシ樹脂組成物からから形成され、上記エポキシ樹脂組成物は、耐クラック指数Σins≦0.025を満たす、金属ベース回路基板を用いる。(但し、前記ΣinsはEins×|αCu−αins|×(Tg−25)/Fで定義される値であり、上記Einsは25℃における上記エポキシ樹脂組成物はの引張弾性率、上記αCuは25℃における上記導電回路層の線膨張係数、上記αinsは25℃における上記エポキシ樹脂組成物はの線膨張係数、前記Tgは上記エポキシ樹脂組成物のガラス転移点、上記Fは25℃における上記エポキシ樹脂組成物の引張破断強度を示す)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、絶縁層にクラックが発生することを抑制することが可能な高信頼性の回路基板に関する。
従来、金属板上に無機フィラーを充填したエポキシ樹脂等からなる絶縁層を設け、その上に導電回路層を配設した金属ベース回路基板が、熱放散性に優れることから高発熱性電子部品を実装する回路基板として用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
特許文献1の回路基板では、エポキシ樹脂を主体とする樹脂、硬化剤化合物、シリコーン軟質粒子及び無機充填剤を含む組成物を用いて絶縁層を形成することによって、電子部品固定のための半田にクラックが発生することを抑制している。
特許文献2の回路基板では、(1)エポキシ樹脂を主体とする樹脂、(2)ポリエーテル骨格を有し、主鎖の末端に1級アミン基を有する硬化剤を含む硬化剤、及び(3)無機充填剤を必須成分とする組成物を用いて絶縁層を形成することによって、電子部品固定のための半田にクラックが発生することを抑制している。
特許文献3の回路基板では、主鎖がポリエーテル骨格を有し直鎖状であるエポキシ樹脂、芳香環を有し、主鎖の末端に1級アミン基を2個以上有する硬化剤、及び無機充填剤を必須成分とする回路基板用組成物を用いて絶縁層を形成することによって、電子部品固定のための半田にクラックが発生することを抑制している。
特許文献4の回路基板では、絶縁層と接する金属板の側面部を、特定の角度に調節することによって、絶縁層にクラックが発生することを抑制している。
特開2002−076549号公報 特開2002−012653号公報 特開2008−266535号公報 特開2001−217368号公報
特許文献1〜3の発明は、電子部品固定のための半田にクラックが発生することを抑制することを目的としており、絶縁層に発生するクラックについては、議論されていない。一方で、特許文献4の発明は、絶縁層に発生するクラックを抑制することを目的としているが、導電回路層の側面部をエッチングで特定の角度に調節する必要があり、そのためのコストが発生していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、特定の性質の絶縁層を有することにより、絶縁層にクラックが発生することを抑制することが可能な高信頼性の回路基板、又は電子部品搭載基板を提供するものである。
本発明者らは、信頼性が極めて高い金属ベース回路基板を開発すべく、ヒートサイクル試験を行ったところ、図1に示すように、導電回路層のエッジ部近傍において、絶縁層にクラックが生じる場合があることに気がついた。このクラックは、絶縁層の厚さ方向に延びており、金属基板にまで到達すると、金属基板と導電回路層との間に絶縁不良が生じてしまう。
そのような問題を抱える中、本発明者らは後述する実施例において、特定の性質の絶縁層を使用すると、金属ベース回路基板にヒートサイクルを200回行った後であっても、絶縁層にクラックが発生していないことを発見した。この金属ベース回路基板に使用した絶縁層は、耐クラック指数Σinsが0.025以下と小さくなっていた。
即ち、本発明によれば、金属基板と、上記金属基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導電回路層とを有する金属ベース回路基板であって、
上記導電回路層は、銅を主成分として有し、
上記絶縁層は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機フィラーを混合して得られるエポキシ樹脂組成物から形成され、
上記エポキシ樹脂組成物は、耐クラック指数Σins≦0.025を満たす、金属ベース回路基板が提供される。
(但し、前記ΣinsはEins×|αCu−αins|×(Tg−25)/Fで定義される値であり、前記Einsは25℃における前記エポキシ樹脂組成物の引張弾性率、前記αCuは25℃おける前記導電回路層の線膨張係数、前記αinsは25℃における前記エポキシ樹脂組成物の線膨張係数、前記Tgは前記エポキシ樹脂組成物のガラス転移点、前記Fは25℃における前記エポキシ樹脂組成物の引張破断強度を示す)。
この構成を有する金属ベース回路基板は、後述する実施例において、ヒートサイクルを200回行っても、絶縁層にクラックが発生しなかったことが実証されている。
以下、本発明の種々の実施形態を説明する。以下に示す種々の実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、上記エポキシ樹脂組成物は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状フェノールノボラック樹脂、及び無機ファイラーを混合して得られる。
好ましくは、上記液状フェノールノボラック樹脂と上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の当量比(液状フェノールノボラック樹脂/ビスフェノールF型エポキシ樹脂)は0.25〜0.80である。
また、本発明によれば、上記金属ベース回路基板と、この金属ベース回路基板上に搭載された電子部品を有する電子部品搭載基板が提供される。
図1は、従来の回路基板において、導電回路層のエッジ部近傍において絶縁層に発生するクラックを示す断面SEM写真である。 図2は、本発明の一実施形態の回路基板の構成を示す断面図である。 図3は、本発明の実施例での引張試験で使用したサンプルの形状を示す。
以下、図2を用いて、本発明の一実施形態の回路基板について説明する。
図2に示すように、本実施形態の回路基板は、金属基板1と、金属基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された導電回路層3を有する。
1.金属基板1
金属基板1の材質は、特に制限はなく、鉄、銅、アルミニウムやその合金を用いることができる。基板1の厚さは、特に限定されないが、例えば0.2mm以上4mm以下である。基板1が薄すぎるとハンドリングが困難であったり、放熱性が悪化したりするからであり、基板1が厚すぎると、回路基板全体が不必要に厚くなってしまうからである。
2.絶縁層2
絶縁層2は、樹脂を含む。この樹脂の種類は、特に限定されず、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂、例えばナフタレン型、フェニルメタン型、テトラキスフェノールメタン型、ビフェニル型、およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物型のエポキシ樹脂等があげられ、このうち応力緩和性という理由で、主鎖がポリエーテル骨格を有し直鎖状であるエポキシ樹脂が好ましい。主鎖がポリエーテル骨格を有し直鎖状であるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型の水素添加エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ポリテトラメチレングリコール型エポキシ樹脂に代表される脂肪族エポキシ樹脂、およびポリサルファイド変性エポキシ樹脂等があり、これらを複数組み合わせてもよい。
エポキシ樹脂には硬化剤を添加することが好ましい。硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、それらの具体例としては、たとえばフェノールノボラック樹脂(半固形、固形、液状を含む)、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAやレゾルシンなどから合成される各種ノボラック、各種多価フェノール化合物、無水マレイン酸、無水マレイン酸、無水ピロメリト酸などの酸無水物およびメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノフェニルスルホンなどの芳香族アミンなどがあげられる。半導体装置封止用としては、耐熱性、耐湿性および保存性の点から、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのノボラック樹脂が好ましく用いられ、用途によっては二種以上の硬化剤を併用してもよい。硬化剤の添加量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、例えば5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
硬化剤を添加する目的として、まずエポキシ樹脂と比較的低温で反応させ、Bステージ状態を形成させることがある。そのため硬化剤は、好ましくは、硬化剤とエポキシ樹脂の当量比(硬化剤/エポキシ樹脂)が0.25〜0.80となるように添加する。また、この当量比は、特に限定されないが、例えば0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40.0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、又は0.80であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。硬化剤の添加量が少なすぎると、エポキシ樹脂と硬化剤が反応しても、未硬化部分の割合が多すぎて、表面のベタツキがのこり、移送時やユーザーでの使用時に取り扱い性が悪くなる。硬化剤の添加量が多すぎると、未硬化部分の割合が少なすぎるため、ユーザーで使用時に加熱しても溶融せず、接着性が発現しない。なお、エポキシ樹脂の当量とは、エポキシ樹脂の分子量を分子内の未反応エポキシ基の数で割った値を意味し、硬化剤の当量とは、硬化剤の分子量を分子内の未反応の反応基(エポキシ基と反応する部分。フェノール系樹脂の場合は、水酸基)の数で割った値を意味する。
エポキシ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂の単独重合物であってもよく、他の成分との共重合物であってもよい。このエポキシ樹脂組成物がAステージ状態(未硬化の状態)にある場合、各種コーターによってシート状に所望の厚みに塗布し、加熱により硬化させることでエポキシ樹脂組成物のシートを作製することができる。シート状への成形は、剥離フィルムに塗工する方法、押出成形、射出成形、ラミネート成形等がある。硬化させる際の熱量を適切にコントロールすることにより、シート状に塗布したエポキシ樹脂組成物を半硬化させたBステージ状態のシートを作製することもできる。「Bステージ状態」とは、樹脂組成物が室温で乾いた状態を示し、高温に加熱すると再び溶融する状態をいい、より厳密には、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査型熱量計)を用いて、硬化時に発生する熱量から計算した値で硬化度が70%未満の状態を示す。さらに、Bステージのエポキシ樹脂組成物を加熱し、硬化を進めることで、Cステージのエポキシ樹脂組成物を作製することができる。「Cステージ状態」とは、樹脂組成物の硬化がほぼ終了した状態で、高温に加熱しても再度溶融することはない状態をいい、硬化度70%以上の状態をいう。
エポキシ樹脂組成物には組成に影響を与えない範囲で、硬化促進剤、変色防止剤、界面活性剤、カップリング剤、着色剤、粘度調整剤などを適宜配合することができる。
エポキシ樹脂組成物の耐クラック指数Σinsは、Eins×|αCu−αins|×(Tg−25)/Fで定義することができる。このΣinsは、絶縁層と導電回路層との熱応力を低下させ、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、0.025以下が好ましく、0.022以下がより好ましく、0.020以下がさらに好ましい。後述する実施例では実際に、このΣinsが0.025以下のエポキシ樹脂組成物を使用したときに、ヒートサイクルを200回行った後であっても、絶縁層にクラックが発生しなかった。このΣinsは、例えば0.025、0.024、0.023、0.022、0.021、0.020、0.019、0.018、0.017、0.016、0.015、0.010、又は0であってもよく、それらいずれかの値以下、又は範囲内であってもよい。なお、このときのTgは25℃以上であってもよい。エポキシ樹脂組成物にTgが2つ以上ある場合は、その少なくとも1つのTgを採用でき、好ましくはより低いTgを採用できる。
ins×|αCu−αins|×(Tg−25)は、発生応力の評価指数として設定できる。この式から導き出される値は、絶縁層と導電回路層との熱応力を低下させ、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、2.50MPa以下が好ましく、2.20MPa以下がより好ましく、2.00MPa以下がさらに好ましい。この値は、例えば2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2.0、1.98、1.90、1.80、1.70、1.60、1.50、1.0、又は0MPaであってもよく、それらいずれかの値以下、又は範囲内であってもよい。
エポキシ樹脂組成物のガラス転移点Tgは、絶縁層と導電回路層との熱応力を低下させ、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、60℃以下が好ましく、55℃以下がより好ましく、53℃以下がさらに好ましい。この値は、例えば60、59、58、57、56、55、54、53、50、40、30、又は25℃であってもよく、それらいずれかの値以下、又は範囲内であってもよい。後述する実施例では、Tgが60℃以下で、且つEins×|αCu−αins|<100×10Pa/℃を満たすエポキシ樹脂組成物を使用した金属ベース回路基板では、ヒートサイクルを200回行った後であっても、絶縁層にクラックが発生しなかった。
insは、25℃における上記エポキシ樹脂組成物の引張弾性率である。この値は、絶縁層と導電回路層との熱応力を低下させ、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、20GPa以下が好ましく、18GPa以下がより好ましく、17GPa以下がさらに好ましい。この値は、例えば20、19、18、17、16、15、14、12、10、又は5GPaであってもよく、それらいずれかの値以下、又は範囲内であってもよい。
αinsは、25℃におけるエポキシ樹脂組成物の線膨張係数である。この値は、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、9.5〜23.5ppm/℃が好ましく、10.5〜22.5ppm/℃がより好ましく、11.5〜21.5ppm/℃がさらに好ましい。この値は、例えば9.5、10、10.5、11、11.5、12、13、16、16.5、17、20、21、21.5、22、22.5、23、又は23.5ppm/℃であってもよく、それらいずれか2つの値の範囲内であってもよい。またαCuは、25℃における銅の線膨張係数であり、16.5ppm/℃であってもよい。
|αCu−αins|から得られる値は、絶縁層と導電回路層との線膨張係数差を表すための値である。この値は、絶縁層と導電回路層との熱応力を低下させ、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、7.0ppm/℃以下が好ましく、5ppm/℃以下がより好ましく、4.7ppm/℃以下がさらに好ましい。この値は、例えば7.0、6.5、5.5、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.5、4、3、2、1、0.5、又は0であってもよく、それらいずれか2つの値の範囲内であってもよい。なお、「||」の記号は絶対値を意味する。
ins×|αCu−αins|から得られる値は、絶縁層の引張弾性率と上記線膨張係数差との積を表すための値である。この値は、絶縁層と導電回路層との熱応力を低下させ、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、100×10Pa/℃未満が好ましく、85×10Pa/℃以下がより好ましく、80×10Pa/℃以下がさらに好ましい。この値は、例えば99×103、95×103、90×103、85×103、80×103、78×103、75×103、70×103、60×103、40×103、20×103、又は0Pa/℃であってもよく、それらいずれかの値以下、又は範囲内であってもよい。
Fは、25℃におけるエポキシ樹脂組成物の引張破断強度である。この値は、絶縁層へのクラックを抑制する観点からは、98MPa以上が好ましく、100MPa以上がより好ましく、105MPa以上がさらに好ましい。この値は、例えば、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、110、120、又は150MPaであってもよく、それらいずれか2つの値の範囲内であってもよい。
2−1.絶縁層の厚さ
本実施形態において、絶縁層2の厚さは、80μm以上300μm以下が好ましい。この範囲が好ましいのは、あまりに薄いと電気絶縁性が確保できなくなる傾向にあり、あまりに厚いと熱放散性が低下する傾向にあり、さらに小型化や薄型化に寄与できなくなる傾向にあるためである。
2−2.無機フィラー
絶縁層2は無機フィラーを含有していてもよい。無機フィラーとしては、電気絶縁性に優れかつ熱伝導率の高いものが用いられ、例えばアルミナ、シリカ、窒化アルミ、窒化珪素、窒化硼素の単独又は複数の組み合わせがあり、高い充填可能性及び高い熱伝導性の見地から、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、窒化硼素が好ましい。無機フィラーの充填率は、例えば、40〜85体積%であり、具体的には40、45、50、55、60、65、70、75、80、又は85体積%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
3.導電回路層3
導電回路層の素材としては、銅、アルミニウム、鉄、錫、金、銀、モリブデン、ニッケル、チタニウムの単体又はこれら金属を二種類以上含む合金であり、汎用性の高い銅を主成分として含むことが好ましい。導電回路層の形状としては、板、シート、箔、これらの積層体がある。導電回路層の厚さは、50〜300μmである。厚さが薄すぎると、大電流を流したときの発熱が大きくなり、厚さが厚すぎると、絶縁層2にクラックが生じやすくなるからである。導電回路層3の表面にニッケルメッキ、ニッケル−金メッキ等のメッキ処理をしても良い。本明細書において「主成分」とは、例えば、一つの層内に最も多く含まれる成分を意味する。主成分の含有量は、例えば、80、85、90、95、98、99、99.7、99.8、99.9、又は100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
4.製造方法
本実施形態の回路基板の製造方法は、例えば、金属基板に絶縁層としての絶縁材を塗布した後に加熱半硬化させ、さらに絶縁層の表面に導電回路層としての金属箔をラミネート又は熱プレスする製造方法、絶縁剤をシート状にしたものを介して金属基板と導電回路層としての金属箔を貼り合わせる製造方法がある。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、上記実施形態に記載の構成を組み合わせて採用することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1−1. エポキシ樹脂組成物Aの作製
下記式(1)のビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピコート807(登録商標)、ジャパンエポキシレジン株式会社製)100質量部に対して、下記式(2)の液状フェノールノボラック硬化剤(MEH−8005 明和化成社製)24質量部、無機フィラーを、プラネタリーミキサーで15分間、攪拌混合し樹脂混合液を得た。硬化剤とエポキシ樹脂の当量比(硬化剤/エポキシ樹脂)は0.4である。

さらに、その混合液にトリフェニルフォスフィン(TPP、北興化学社製)1.2質量部、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(2PHZ−PW、四国化成工業社製)1.2質量部を入れ、プラネタリーミキサーで15分間、攪拌混合しエポキシ樹脂組成物Aを作製した。
なお、無機フィラーは、エポキシ樹脂組成物全体に対して74容量%となるように添加した。また、無機フィラーは、以下の3種類のアルミナ粒子を以下に示す比率で混合したものを用いた。
住友化学社製 AA−18(50質量%) d50=18μm
電気化学工業製 DAW05(30質量%) d50=5μm
住友化学社製 AKP−15(20質量%) d50=0.7μm
1−2. エポキシ樹脂組成物Bの作製
1−2−1. 事前混合液の作製
下記式(3)の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX8000、三菱化学)100質量部に対して、下記式(4)のビフェニル型エポキシ樹脂(YX4000、三菱化学)22質量部、下記式(5)の高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD-017、新日鐵化学)22質量部、下記式(6)のビスフェノールA型ノボラック硬化剤(VH−4150、DIC社製)79質量部を170℃で混合し、均一になるまで攪拌し事前混合液を得た。硬化剤とエポキシ樹脂の当量比(硬化剤/エポキシ樹脂)は0.85である。



1−2−2. 樹脂混合液及びエポキシ樹脂組成物の作成
事前混合液100質量部に対して、無機フィラーとトリフェニルフォスフィン(TPP、北興化学社製)0.26質量部を加え、プラネタリーミキサーで15分間、攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物Bを作製した。なお、無機フィラーは、エポキシ樹脂組成物全体に対して78容量%となるように添加した。また、無機フィラーは、上記1−1に記載の3種類のアルミナ粒子を、上記に示す比率で混合したものを用いた。
1−3. エポキシ樹脂組成物Cの作製
上記エポキシ樹脂組成物Bの作製手順において、無機フィラーをエポキシ樹脂組成物全体に対して70容量%となるように添加した。それ以外は、上記エポキシ樹脂組成物Bの作製手順と同様の手順により、エポキシ樹脂組成物Cを作製した。
1−4. エポキシ樹脂組成物Dの作製
上記エポキシ樹脂組成物Bの作製手順において、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YX8000、三菱化学)、ビフェニル型エポキシ樹脂、及び高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代えて、下記式(7)のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP、DIC社製)を使用した。また、硬化剤とエポキシ樹脂の当量比(硬化剤/エポキシ樹脂)が0.20となるように調整した。それ以外は、上記エポキシ樹脂組成物Bの作製手順と同様の手順により、エポキシ樹脂組成物Dを作製した。
1−5. エポキシ樹脂組成物のシート成形
エポキシ樹脂組成物Aを、厚さ0.05mmのポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム上に、硬化後の厚さが0.45mmになるように塗布し、180℃で12時間加熱乾燥させ、エポキシ樹脂組成物Aのシートを作製した。また、エポキシ樹脂組成物B〜Dについても、同様の手順でシートを作製した。
1−6. 物性測定
エポキシ樹脂組成物A〜Dについて、引張弾性率、線膨張係数、Tg、引張破断強度、耐クラック性を以下の手順で測定した。
1−6−1. 引張弾性率の測定
上記工程で作製したエポキシ樹脂組成物AのシートをPETフィルムからはがし、引張弾性率を引張試験機(株式会社島津製作所製 AGS−G)により引張速度5m/分で求めた。また、エポキシ樹脂組成物B〜Dのシートも、同様の手順で引張弾性率を測定した。
1−6−2. 線膨張係数の測定
上記工程で作製したエポキシ樹脂組成物AのシートをPETフィルムからはがし、規定のサイズ(幅3mm×長さ20mm)に切り出し、TMA装置(TMA2940、TAインスツルメント社製)を用いて線膨張係数を昇温10℃/分、引っ張りモードにて変位量を測定した。また、エポキシ樹脂組成物B〜Dのシートも、同様の手順で線膨張係数を測定した。
1−6−3. Tgの測定
ガラス転移点TgはISO−11359−2に準拠して測定した。上記工程で作製したエポキシ樹脂組成物AのシートをPETフィルムからはがし、規定のサイズ(5mm角)に切り出し、TMA装置(TMA2940、TAインスツルメント社製)を用いて、昇温5℃/分、押しモードにて厚み方向の変位量を測定した。そして、温度と、サンプルの厚みの変位量とを示す曲線のガラス転移点前後の曲線の接線をとり、この接線の交点からガラス転移点を算出した。また、エポキシ樹脂組成物B〜Dのシートも、同様の手順でTgを測定した。
1−6−4. 引張破断強度の測定
上記工程で作製したエポキシ樹脂組成物AのシートをPETフィルムからはがし、図3に示すダンベル形状の試験片(全長70mm、端部の幅a=12mm、平行部分の長さb=15mm、平行部分の幅c=3mm)に加工した。次に、試験片の両端の20mmずつをチェック部で保持した。この状態で、引張速度5mm/分の速度で、引張試験を行い、引張破断強度(=試験片破壊時の引張応力)を求めた。また、エポキシ樹脂組成物B〜Dのシートも、同様の手順で引張破断強度を測定した。
1−6−5. 耐クラック性の測定
厚さ300μmの銅板上に、エポキシ樹脂組成物Aを厚さ150μmで塗布した後に110℃30分で加熱してBステージ状態とした。次に、予め準備した厚さ70μmの導電回路層(リードフレーム)を120℃40秒で加熱した状態で仮接着し、その後、175℃180秒のモールド成形をした後、180℃4時間のアフターキュアを行った。さらに、高温高湿(85℃、85%)下で、−40℃〜150℃の間でのヒートサイクルを繰り返し行った。そして、ヒートサイクルを10回、200回、500回行った時点での、導電回路層のエッジ部における樹脂層(絶縁層)のクラックの発生状況を観察した。クラックが発生しなかった場合を「○」、発生した場合を「×」として評価した。
また、エポキシ樹脂組成物B〜Dも、同様の手順でクラックの発生状況を観察した。なお、エポキシ樹脂組成物B〜Dではヒートサイクルを10回行った時点でクラックが発生したため、それ以降のヒートサイクルは行わなかった。
以上の測定結果を表1に示す。表中、Einsは25℃におけるエポキシ樹脂組成物の引張弾性率、αinsは25℃におけるエポキシ樹脂組成物の線膨張係数α1、αCuは銅の線膨張係数16.5ppm/℃を意味する。また|αCu−αins|は、絶縁層と導電回路層との線膨張係数差を表すための値である。またEins×|αCu−αins|は、絶縁層の引張弾性率と上記線膨張係数差との積を表すための値である。またEins×|αCu−αins|×(Tg−25)は、発生応力の評価指数として設定した。
またΣinsは、Eins×|αCu−αins|×(Tg−25)/Fで定義される値であり、耐クラック指数として設定した(Fは25℃における引張破断強度を意味する)。この耐クラック指数Σinsは、本発明者らが独自に算出した値である。クラックの発生は、ヒートサイクルで−40℃に温度が低下するときに、導電回路層とエポキシ樹脂組成物の間で発生する応力によると考えられるが、このΣinsを算出することによって、25℃という室温に近い温度下で測定した物性値を利用して、クラックの発生を評価することができる。
この結果、エポキシ樹脂組成物Aを用いたときには、200回のヒートサイクル後もクラックが発生せず、500回ヒートサイクルを行ったときに初めてクラックが発生していた。一方で、エポキシ樹脂組成物B〜Dを用いたときには、10回のヒートサイクル後にクラックが発生していた。
また、エポキシ樹脂組成物Aは、25℃の引張弾性率が16.3GPaであり、他のエポキシ樹脂組成物に比べて高かったが、一方で、線膨張係数α1の値は11.8ppm/℃であり、銅の線膨張係数16.5ppm/℃に最も近い値となっていた。またこのエポキシ樹脂組成物Aにおいて、Eins×|αCu−αins|は100×10Pa/℃以下、Tgは60℃以下でありいずれも比較的低い値となっていた。
さらに、エポキシ樹脂組成物Aの耐クラック指数Σinsは、他のエポキシ樹脂組成物に比べて低く、0.025以下であった。また、エポキシ樹脂組成物AのEins×|αCu−αins|×(Tg−25)は2.5MPa以下であり、発生応力が低いことがわかった。
以上の結果から、耐クラック指数Σinsが0.025以下のエポキシ樹脂組成物を絶縁層に用いることによって、ヒートサイクルを繰り返し行った後の、導電回路層のエッジ部における絶縁層のクラックの発生を抑制できることが明らかになった。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

Claims (4)

  1. 金属基板と、前記金属基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導電回路層とを有する金属ベース回路基板であって、
    前記導電回路層は、銅を主成分として有し、
    前記絶縁層は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機フィラーを混合して得られるエポキシ樹脂組成物から形成され、
    前記エポキシ樹脂組成物は、耐クラック指数Σins≦0.025を満たす、金属ベース回路基板
    (但し、前記ΣinsはEins×|αCu−αins|×(Tg−25)/Fで定義される値であり、前記Einsは25℃における前記エポキシ樹脂組成物の引張弾性率、前記αCuは25℃における前記導電回路層の線膨張係数、前記αinsは25℃における前記エポキシ樹脂組成物の線膨張係数、前記Tgは前記エポキシ樹脂組成物のガラス転移点、前記Fは25℃における前記エポキシ樹脂組成物の引張破断強度を示す)。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状フェノールノボラック樹脂、及び無機フィラーを混合して得られる、請求項1に記載の金属ベース回路基板。
  3. 前記液状フェノールノボラック樹脂と前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の当量比(液状フェノールノボラック樹脂/ビスフェノールF型エポキシ樹脂)が0.25〜0.80である、請求項2に記載の金属ベース回路基板。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の金属ベース回路基板と、この金属ベース回路基板上に搭載された電子部品とを有する、電子部品搭載基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021117399A1 (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 パナソニックIpマネジメント株式会社 エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止基板

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