JP2013241524A - 二次電池容器用発泡体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた難燃性と電解質耐性を有し、ビスレス化による部品や工数削減可能な二次電池向け断熱材を提供する事。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂と難燃剤とを含み、かつUL規格のUL−94垂直法(20mm垂直燃焼試験)に準拠して測定される難燃性がV−0又はV−1である発泡体を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は難燃性、断熱性、電解液耐性、付形性に優れた二次電池容器用発泡体に関する。
近年、環境保護の観点から、ハイブリッド自動車や電気自動車が注目を浴びている。これらの性能に大きく影響するのが、リチウムイオン電池等の二次電池の発電効率であり、特に電気自動車が社会に広く普及するには、さらなる効率向上や、電池寿命延長等の性能改善が必要である。
二次電池は、充放電の際に発熱する事が知られている。この発熱により二次電池本体の温度が過度に上昇すると、性能が低下する事に加え、電池内部の反応が暴走する危険性が高くなったり、電池寿命が短命化してしまう為、電池を冷却する必要がある。一方、電池温度が低くなりすぎると、発電効率や放電効率が低下してしまうので、最適温度に冷却し、維持する事が重要である。通常、電気自動車等に使用される二次電池は、複数の電池が直列に接続されている。この際、電池間の温度、すなわち、効率にばらつきがあると、二次電池全体としての効率が悪化する原因となるので、電池の温度をいかに均一にするかも重要な技術課題となっている。
特許文献1、2では、電池を効率よく冷却する為に、冷風の流路を工夫し設計している。一方、特許文献3では、二次電池容器の一部に発泡体を使用し、耐振動性、耐衝撃性を向上させている。
特開2009−252460号公報 特開2012−79512号公報 特開2012−59379号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載の方法では、二次電池周囲の熱源への配慮がなされておらず、周囲温度という外因由来の温度斑を制御する事は不可能であった。特許文献3には発泡体が使用されているが、安全性への配慮がなされておらず、電池の電解液漏れによる発火等のトラブル対応が不十分であった。また、板状発泡体、フィルム、アルミ箔を積層している事から柔軟性が不足しており、部品をはめ込み固定するビスレスフレームには不適であった。また付形性も乏しく、複雑な形状に加工する事が困難であった。
本発明は、電解液が漏れて付着しても変形する事がなく、さらに電解液が発火した場合でも延焼を防止する安全性を有しつつ、二次電池の周囲を断熱する事が可能な二次電池用発泡体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため、特定の樹脂からなり、高い難燃性を有する発泡体が、二次電池の収納容器に適していることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] ポリフェニレンエーテル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂と難燃剤とを含む基材樹脂からなり、かつUL規格のUL−94垂直法(20mm垂直燃焼試験)に準拠して測定される難燃性がV−0又はV−1である、二次電池容器用発泡体。
[2] ポリフェニレンエーテル系樹脂40〜94重量%、難燃剤5〜30重量%を含む基材樹脂からなる、[1]に記載の二次電池容器用発泡体。
[3] 前記基材樹脂が、ゴム成分を0.3〜10重量%含む、[2]に記載の二次電池容器用発泡体。
[4] ポリカーボネート系樹脂と難燃剤からなり、該難燃剤を5〜30重量%含む基材樹脂からなる、[1]に記載の二次電池容器用発泡体。
[5] 発泡倍率が1.5〜40cc/gである、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の二次電池容器用発泡体。
[6] 発泡ビーズからなる、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の二次電池容器用発泡体。
[7] [1]〜[6]のいずれか1つに記載の発泡体からなる二次電池保持材。
[8] [1]〜[6]のいずれか1つに記載の発泡体からなる二次電池断熱材。
本発明は、難燃性及び電解液耐性に優れた発泡体を二次電池の収納容器に使用する事により、電解液が漏れて付着しても変形する事がなく、さらに電解液が発火した場合でも延焼を防止する安全性を有しつつ、二次電池の周囲を断熱するという効果を有する。
これにより、電池近傍にある熱源の影響を排除する事が可能になり、周囲温度の差による電池温度斑を低減したり、逆に、寒冷地での過冷却を防止する事により、電池効率を向上させる事ができる。また、発泡体の柔軟性を利用し、部品やケーブル等をビスレスで固定する事もできる。
本発明について、以下具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本発明の発泡体は、ポリフェニレンエーテル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂と難燃剤とを含む基材樹脂からなる。
本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂とは、下記一般式(1)で表される重合体のことをいう。ここで一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、又はハロゲンと一般式(1)中のベンゼン環との間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロアルキル基若しくはハロアルコキシ基で第3α−炭素を含まないもの、を示す。また、nは重合度を表す整数である。
Figure 2013241524
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、重量平均分子量が20,000〜60,000であるものが好ましい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂の例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−ジフェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられるが、これに限定されるものではない。この中でも特に、R1及びR2が炭素数1〜4のアルキル基であり、R3及びR4が水素若しくは炭素数1〜4のアルキル基のものが好ましい。これらは一種単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、他の1種類以上の樹脂と混合が可能であり、その例として、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリアミドに代表されるエンプラ系樹脂、ポリフェニレンスルファイドに代表されるスーパーエンプラ系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加工性向上の点から、ポリスチレン系樹脂と混合することが好ましい。
本発明におけるポリスチレン系樹脂とは、スチレン及びスチレン誘導体のホモポリマーに加え、スチレン及びスチレン誘導体を主成分とする共重合体のことをいう。スチレン誘導体として、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジフェニルエチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ホモポリマーのポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリクロロスチレン等が挙げられ、共重合体のポリスチレン系樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン−N−アルキルマレイミド共重合体、スチレン−N−アルキル置換フェニルマレイミド共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メチルアクリレート共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−n−アルキルアクリレート共重合体、スチレン−n−アルキルメタクリレート共重合体、エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体のほか、ABS、ブタジエン−アクリロニトリル−α−メチルベンゼン共重合体等の三元共重合体も挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、グラフト共重合体、例えば、スチレングラフトポリエチレン、スチレングラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、(スチレン−アクリル酸)グラフトポリエチレン、スチレングラフトポリアミド等も含まれる。これらは、一種単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、重量平均分子量が180,000〜500,000であるものが好ましい。なお、本明細書中において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
基材樹脂中のポリスチレン系樹脂の含有量は特には限定されず、他成分が所望の含有量になるように適宜調整して使用される。
基材樹脂中には、発泡性向上の点からゴム成分が含まれているものがより好ましい。 ゴム成分としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらは、ポリスチレン系樹脂からなる連続相中に粒子状に分散しているものが好ましい。これらゴム成分を添加する方法として、ゴム成分そのものを加えてもよく、スチレン系エラストマーやスチレン−ブタジエン共重合体等の樹脂をゴム成分供給源として用いてもよい。後者の場合、ゴム成分の比率(R)は下記式で計算できる。
R=C×Rs/100
C:ゴム成分供給源中のゴム濃度(質量%)
Rs:基材樹脂中のゴム供給源含有量(質量%)
なお、上記以外にも、他の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、染料、耐候性改良剤、帯電防止剤、耐衝撃改質剤、ガラスビーズ、無機充填材、タルク等の核剤等を、発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明の発泡体は、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、難燃剤、及びゴム成分を含む基材樹脂からなることが最も好ましい。この場合の各成分の含有量は、ポリフェニレンエーテル系樹脂40〜94質量%、難燃剤5〜30質量%、及びゴム成分0.3〜10質量%であり、残部がポリスチレン系樹脂からなることが好ましい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が40質量%以上であれば、耐熱性に優れ、さらに難燃性、特に燃焼時の樹脂だれ防止性能が著しく向上する。燃焼時の樹脂だれを防ぐには、(1)燃焼時間を短くし、(2)樹脂の耐熱性を上げる(軟化しにくくする)ことが重要となるが、難燃剤の添加量を増やすだけでは(2)には逆効果であり、より薄肉のサンプルでの樹脂だれを防止するには、ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量を40質量%以上にすることが好ましい。一方、ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が94質量%以下であれば、基材樹脂の熱劣化が起こりにくくなり、発泡、成形等の加工がしやすくなる。
基材樹脂中のポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量は、より好ましくは45〜90質量%、さらにより好ましくは50〜85質量%である。含有量を45〜90質量%とすることにより、耐熱性を維持しつつ、発泡温度、成形温度がより低くなり、より加工しやすくなる。
基材樹脂中の難燃剤の含有量は5〜30質量%が好ましい。難燃剤の含有量が5質量%以上であると、所望の難燃性が発現しやすくなる。逆に、30質量%以下だと、難燃剤による基材樹脂の可塑化効果が適度となり、耐熱性が向上する。さらに、発泡時の樹脂の伸張粘度が向上し、発泡倍率が上げられるようになり、発泡体の独立気泡率が向上し、成形体への成形加工性に優れるようになる。このように、難燃性と発泡性のバランスを調整することは非常に重要である。
基材樹脂中のゴム成分の含有量は0.3〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。0.3質量%以上であると所望の難燃性が発現しやすくなる。さらに、0.5質量%以上であると樹脂の柔軟性、伸びに優れ、発泡時に発泡セル膜が破膜しにくく、発泡倍率が上がり、成形加工性や機械強度に優れる発泡体となる。難燃性を重視すると、ポリフェニレンエーテル系樹脂や難燃剤は、より多く添加する方が好ましいが、これらはどちらも添加量が増えると発泡性には悪影響を与える。そのような組成において、発泡性を付与させるのにゴム成分は好適である。これは特に、常温から徐々に温度を上げ、非溶融状態で樹脂を発泡させるビーズ発泡において重要である。一方、ゴム成分の含有量は10質量%以下であれば所望の難燃性が発現しやすくなる。さらに、8質量%以下であると、十分な耐熱性が得られる。ゴム粒子の形状は特には限定されず、ゴム成分を外殻とする粒子の内部に複数のポリスチレン系樹脂微粒子を内包した、いわゆるサラミ構造を形成していてもよく、ゴム成分を外殻とする粒子の内部に単数のスチレン系樹脂微粒子を内包した、いわゆるコアシェル構造であってもよい。ゴム成分のゴム粒径は特には限定されないが、サラミ構造の場合は0.5〜5.0μm、コアシェル構造の場合は0.1〜1.0μmが好ましい。この範囲であると、より優れた発泡性を発揮しやすい。
次に、本発明におけるポリカーボネート系樹脂は、ビスフェノール類とホスゲン(若しくはジフェニルカーボネート)とから誘導される炭酸エステル樹脂とすることが好ましく、高いガラス転移点と耐熱性とを有することが特徴である。このようなポリカーボネート系樹脂としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)エタン等から誘導されたポリカーボネートが好適である。これらのポリカーボネートは、一般に140〜155℃のガラス転移点(Tg)を有する。
ポリカーボネート系樹脂は、他の1種類以上の樹脂と混合が可能であり、その例としてポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル―スチレン共重合体(AS樹脂)、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、ポリメタクリル酸メチル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。他の樹脂と混合する場合は、難燃性の観点から、ポリカーボネート樹脂の含有量は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
基材樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いた場合、基材樹脂中の難燃剤の含有量は5〜30質量%が好ましい。難燃剤の含有量が5質量%以上であると、所望の難燃性が発現しやすくなる。逆に、30質量%以下だと、難燃剤による基材樹脂の可塑化効果が適度となり、耐熱性が向上する。
本発明における難燃剤とは、有機系難燃剤、無機系難燃剤があり、有機系難燃剤としては、臭素化合物に代表されるハロゲン系化合物や、リン系化合物シリコーン系化合物に代表される非ハロゲン系化合物がある。無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムに代表される金属水酸化物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンに代表されるアンチモン系化合物などが挙げられる。
上記難燃剤の中でも、環境の観点から、非ハロゲン系難燃剤が好ましく、リン系、シリコーン系の難燃剤がより好ましいが、これに限定されるものではない。
リン系の難燃剤には、リン又はリン化合物を含むものを用いることができる。リンとしては赤リンが挙げられる。また、リン化合物として、リン酸エステルやリン原子と窒素原子の結合を主鎖に有するホスファゼン化合物群等が挙げられる。リン酸エステルとして、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート等が挙げられ、また、これらを各種置換基で変性した化合物や、各種の縮合タイプのリン酸エステル化合物も含まれる。この中でも、耐熱性、難燃性、発泡性の観点からトリフェニルホスフェートや一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物が好ましい。
Figure 2013241524
ここで、一般式(2)中、Q1〜Q8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を示す。一般式(2)におけるQ1〜Q4で好ましいのは水素又はメチル基である。一般式(2)におけるQ5、Q6で好ましいのは水素であり、Q7、Q8で好ましいのはメチル基である。一般式(2)におけるmは1以上の整数である。該リン酸エステル化合物はm量体の混合物であっても構わない。一般式(2)におけるn1〜n4は、それぞれ独立に1〜5の整数であり、n5及びn6は、それぞれ独立に1〜4の整数である。
また、シリコーン系難燃剤には、(モノ又はポリ)オルガノシロキサン類を用いることができる。(モノ又はポリ)オルガノシロキサン類としては、例えば、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のモノオルガノシロキサン類、及びこれらを重合して得られるポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、これらの共重合体などのオルガノポリシロキサン類などが挙げられる。オルガノポリシロキサンの場合、主鎖や分岐した側鎖の結合基は、水素又はアルキル基、フェニル基であり、好ましくはフェニル基、メチル基、エチル基、及びプロピル基であるが、これに限定されない。末端結合基は、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、フェニル基、いずれも使用される。シリコーン類の形状にも特に制限はなく、オイル状、ガム状、ワニス状、粉体状、ペレット状などの任意のものが利用可能である。
また、従来より知られた各種難燃剤及び難燃助剤、例えば、環状窒素化合物、その具体例としてはメラミン、アンメリド、アンメリン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、メラミンシアヌレート、メラム、メレム、メトン、メロン等のトリアジン骨格を有する化合物及びそれらの硫酸塩、結晶水を含有する水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物等も用いてもよい。また1種だけでなく、複数組み合わせて含んでいてもよい。
基材樹脂の形状は特に限定されないが、例としてビーズ状、ペレット状、球体、不定型の粉砕品等が挙げられる。
本発明の発泡体は、UL規格のUL−94垂直法(20mm垂直燃焼試験)に準拠して測定される難燃性がV−0又はV−1である必要があり、好ましくはV−0である。これは、二次電池に使用されている電解液は引火性であり、熱により反応が暴走した際や、充放電工程等で容器から漏れた際に発火する危険があるからである。発泡体の難燃性がV−0又はV−1であると、発火時の延焼が抑えられ、安全性が向上する。
本発明の発泡体の発泡倍率は特には限定されないが、1.5〜40cc/gが好ましく、2〜25cc/gがより好ましい。この範囲であると、軽量化のメリットを活かしつつ、優れた難燃性を維持しやすくなる傾向にある。さらに好ましくは3〜20cc/gである。3cc/g以上になると、電池効率向上効果に大きな影響を与える断熱性やビスレス固定に必要な柔軟性がより効果的に発現しやすくなる。ビスレス固定は、部品をはめ込む際に基材を押し広げ、部品を挿入した後、基材が元に戻ろうとする力で部品を固定するので、柔軟さと変形に対する回復力が重要となる。これを両立しうるのが発泡体の大きな特徴であり、未発泡の樹脂や金属では、なしえない効果である。一方、20cc/g以下になると剛性や長期クリープ性に優れる。これは、瞬間的な応力による変形が小さいだけでなく、長時間応力に晒され続けた場合でも径時で寸法変化しにくい事を意味し、発泡体を緩衝材としてではなく部品として使用するには重要な項目である。また、電解液耐性もより発揮しやすい。
本発明の発泡体の熱伝導率は特には限定されないが、0.10W/(m・K)以下が好ましく、0.05W/(m・K)以下がより好ましい。熱伝導率が0.10W/(m・K)であると、より薄い厚みで断熱性能を発揮でき、省スペース化しやすくなる。さらに、電解液が漏洩した場合でも、周囲を断熱する事により発火しにくくする効果も出やすい。前述したように、二次電池の効率は温度に大きく影響される。二次電池の周囲を断熱する事により、電池近傍にある熱源の影響を排除できる効果の他、さらに重要なのは、寒冷地等の低温環境下での効率改善効果である。二次電池は、充放電中は発熱するが、未使用時はもちろん発熱しない。よって、使用しない状態で寒冷地に放置されると、電池周囲は過度に冷却される。その結果、実際に二次電池を使用し始める時には、非常に効率の低い低温環境下で稼動する事になる。その際、ヒーター等で加熱する対策が考えられるが、二次電池周囲を断熱していると、外気温の影響による温度低下を防止できる事に加え、ヒーターで加熱する際の周囲への放熱も防げ、より効率よく二次電池を加熱する事が可能になる。これは、自動車や太陽電池等、地球上の種々の環境で使用される物への応用には重要な性能である。断熱による効率向上は、二次電池以外にも、リチウムイオンキャパシタ等の他の蓄電媒体にも同様の効果があり、有用である。
本発明の発泡体の100℃での加熱寸法変化率は特に限定されないが、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。加熱寸法変化率が10%以下であると、耐熱性に優れるため、高温の環境下で使用する部材にも適用が可能であり、さらには夏場の高温環境下に長期間保存しておくことも可能である。
本発明の発泡体の荷重たわみ温度(HDT)は特に限定されないが、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。荷重たわみ温度が60℃以上であると、耐熱性に優れ、上記と同様の効果が得られる。
本発明の発泡体に残存する脂肪族炭化水素系ガスの残留濃度は、1000体積ppm以下が好ましい。なお、本明細書において、脂肪族炭化水素系ガスの残留濃度とは、発泡体中に含まれる脂肪族炭化水素系ガスの体積を発泡体の体積で除して求めた値(体積ppm)であり、1体積ppm(以下、単に「ppm」ともいう。)は0.0001体積%に相当する。脂肪族炭化水素系ガスとしては、プロパン、n−ブタン、i―ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。脂肪族炭化水素系ガスの残留濃度が1000ppm以下であると、燃焼時に種火が長時間くすぶったり(グローイングという)しにくくなる。UL−94等の燃焼試験においては、燃焼時間に加えグローイング時間が規定されており、上記残存ガス量が少ないと、燃焼試験、特にV−0という規格をクリアしやすくなる。発泡体に残存する脂肪族炭化水素系ガスの残留濃度を1000ppm以下とするには、例えば、発泡剤として無機ガスを用いることや、発泡ビーズを高温(例えば、40℃〜80℃の間で任意に設定することができる)条件下に長時間置き残存するガスを放出させる「熟成工程」を経ることにより行うことができる。
次に、本発明の発泡体の製造方法について説明する。
本発明の発泡体の発泡方法は特には限定されないが、例として押出発泡法、ビーズ発泡法、射出発泡法等が挙げられる。この中でもビーズ発泡が好ましい。押出発泡の場合、発泡体は板状であり、これを加工するには所望の形状に切断する抜き工程や、切り取ったパーツを貼り合わせる熱貼り工程が必要になるが、ビーズ発泡の場合、所望の形状の型を作成し、そこに発泡ビーズを充填させて成形するので、より微細な形状や複雑な形状に成形しやすいからである。例えば、1つの発泡成形体の中にリブやフック形状を複雑に組み合わせる事ができ、これにより、二次電池の断熱材としてのみではなく、二次電池やその他部品をビスレスで固定する保持材としての役割を担う事ができる。ビスレスする事により工程の簡略化や部品点数削減効果があり、これはコストメリットだけでなく、軽量化にも大きく貢献するので有用である。射出発泡法でも複雑形状の加工は可能だが、ビーズ発泡の方が発泡倍率を上げやすく、断熱性の他、ビスレス固定に必要な柔軟性を発現しやすいので好ましい。
発泡剤は特には限定されず、一般的に用いられているガスを使用することができる。その例として、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等の無機ガス、トリクロロフルオロメタン(R11)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、クロロジフルオロメタン(R22)、テトラクロロジフルオロエタン(R112)ジクロロフルオロエタン(R141b)クロロジフルオロエタン(R142b)、ジフルオロエタン(R152a)、HFC−245fa、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−225ca等のフルオロカーボンや、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn―ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル等のカルボン酸エステル類、塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素類等が挙げられる。難燃性の観点から、発泡剤は可燃性や支燃性がないことが好ましく、ガスの安全性の観点から無機ガスがより好ましい。また、無機ガスは炭化水素等の有機ガスに比べ樹脂に溶けにくく、発泡工程や成形工程の後、樹脂からガスが抜けやすいので、成形品の経時での寸法安定性がより優れる利点もある。さらに、残存ガスによる樹脂の可塑化も起こりにくく、熟成等の工程を経ずに、より早い段階から優れた耐熱性を発現しやすいメリットもある。無機ガスの中でも、樹脂への溶解性、取り扱いの容易さの観点から、炭酸ガスが好ましい。
発泡体を目的の形状に加工する方法は特には限定されないが、例として発泡ビーズや溶融樹脂を金型に充填し成形する方法や、鋸刃や型ぬき刃等の刃物により切断する方法や、ミルにより切削する方法が挙げられる。また、複数の発泡体を熱や接着剤により接着させる事も可能である。
本発明の発泡体は、単独で使用してもよいし、金属や未発泡樹脂等と組み合わせてもよい。その際、各々成形加工した物を接着してもよいし、一体成形を行ってもよい。
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。なお、本発明はこれらに限られるものではない。
まず、実施例および比較例で用いた、評価方法について以下に説明する。
(1)発泡倍率・密度
100mm角、厚み3mmのサンプルの重量W(g)を測定し、サンプル体積を重量で除した値(V/W)を発泡倍率とし、その逆数(W/V)を密度とした。
(2)難燃性
米国UL規格のUL−94垂直法(20mm垂直燃焼試験)に準拠した試験を行い、難燃性の評価を行った。以下測定方法を示す。
長さ125mm、幅13mm、厚さ3mmの試験片を5本用いて判定した。試験片をクランプに垂直に取付け、20mm炎による10秒間接炎を2回行い、その燃焼挙動によりV−0、V−1、V−2、不適合の判定を行った。下記に該当しないものは不適合とした。
V−0:1回目、2回目ともに有炎燃焼持続時間は10秒以内、更に2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼時間の合計が30秒以内、更に5本の試験片の有炎燃焼時間の合計が50秒以内、固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない、燃焼落下物による綿着火なし。
V−1:1回目、2回目ともに有炎燃焼持続時間は30秒以内、更に2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼時間の合計が60秒以内、更に5本の試験片の有炎燃焼時間の合計が250秒以内、固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない、燃焼落下物による綿着火なし。
V−2:1回目、2回目ともに有炎燃焼持続時間は30秒以内、更に2回目の有炎燃焼持続時間と無炎燃焼時間の合計が60秒以内、更に5本の試験片の有炎燃焼時間の合計が250秒以内、固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない、燃焼落下物による綿着火有り。
×:不適合
(3)電解液耐性
長さ75mm、幅25mm、厚み3mmのサンプルを宇部興産社製ピュアライト(登録商標)に23℃で168時間浸漬し、前後の重量変化率を求めた
◎:5%未満
○:5〜10%
(4)断熱性
リチウムイオン電池ユニットのアルミ外装内部に10mm厚みのサンプルを装着し、内部温度を60℃に加熱した後−20℃雰囲気下に放置し、1時間後の内部温度を測定した。
◎:50℃以上
○:40〜50℃
×:40℃未満
(5)部品固定性能
ロの字型のサンプル(内寸798mm角、厚み3mm)に800mm角のファンを挿入後水平にし、落下しないか確認した。
◎:ファンは固定されており、落下しない。
×:ファンが落下、もしくはファンを挿入不能。
(6)安全性
長さ150mm、幅50mm、厚み3mmのサンプルをクランプに水平に取り付け、端部に38mm炎を120秒接炎し、燃焼長さを測定した。
◎:30mm未満
○:30〜50mm
×:50mm以上
[実施例1]
ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)としてS201A(旭化成ケミカルズ(株)製)を50質量%、非ハロゲン系難燃剤としてビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)(BBP)を15質量%、ゴム成分が0.6質量%となるようにゴム濃度が6質量%の耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)10質量%と汎用ポリスチレン樹脂(PS)としてGP685(PSジャパン(株)製)25質量%を加え、押出機にて加熱溶融混練の後に押出し、基材樹脂ペレットを作製した。特開平4−372630の実施例1に記載の方法に準じ、基材樹脂ペレットを耐圧容器に収容し、容器内の気体を乾燥空気で置換した後、発泡剤として二酸化炭素(気体)を注入し、圧力3.2MPa、温度11℃の条件下で3時間かけて基材樹脂ペレットに対して二酸化炭素を7重量%含浸させ、基材樹脂ペレットを発泡炉内で攪拌羽を77rpmにて回転させながら加圧水蒸気により発泡させた。この発泡ビーズを0.5MPaまで1時間かけて昇圧し、その後0.5MPaで8時間保持し、加圧処理を施した。これを、水蒸気孔を有する型内成形金型内に充填し、加圧水蒸気で加熱して発泡ビーズ相互を膨張・融着させた後、冷却し、成形金型より取り出した。この発泡体の難燃性はV―0であった。これを用い、二次電池用発泡体としての性能評価を実施した所、電解液耐性、断熱性、部品固定性能、安全性に優れる結果となった(表1)。
[実施例2]
発泡倍率を表1に示したとおり変更した以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例1と同様に優れた性能を示した(表1)。
[実施例3、4]
各成分の組成、又は発泡倍率を表1に示したとおり変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。ポリフェニレンエーテル系樹脂の比率が45質量%でも実施例1と同様に優れた性能を示した(実施例3)。ポリフェニレンエーテル系樹脂の比率を60質量%に上げても、優れた性能を示した(実施例4)。
[実施例5]
HIPSをゴム濃度が15質量%のものに変更し、各成分の組成、又は発泡倍率を表1に示したとおり変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。ゴム成分の組成を3質量%まで高くした場合も優れた性能を示した。
[実施例6〜14]
難燃剤をトリフェニルホスフェート(TPP)に、及びHIPSをゴム濃度が19質量%のものに変更し、各成分の組成、又は発泡倍率を表1に示したとおり変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。種々の難燃剤添加量(実施例6、7、8)、発泡倍率(実施例9)、ゴム成分量(実施例10)、ポリフェニレンエーテル系樹脂比率(実施例11、12)においても、電解液耐性、断熱性、部品固定性能、安全性、どの性能も低下することはなかった。一方、ポリフェニレンエーテル系樹脂の比率を低くした場合(実施例13)、難燃性がやや低下する傾向にあるが、実使用には問題のないレベルであった。また、BBPとTPPと併用しても、各種性能に問題はなかった(実施例14)。
[実施例15]
ポリカーボネート系樹脂(PC)としてFPR3000(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を85質量%、非ハロゲン系難燃剤としてビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)(BBP)を15質量%に変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。基材樹脂にポリカーボネート系樹脂を使用した場合、ポリフェニレンエーテル系樹脂を用いた場合に比べ電解液耐性にやや劣るものの、実使用上特に問題のないレベルであった。また、発泡倍率が低い影響で断熱性にやや劣る結果ではあるが、外気温の影響を低減する効果が十分得られるレベルであった。(表1)。
[実施例16]
ポリカーボネート系樹脂(PC/ABS)としてMB3800(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に変更した以外は実施例15と同様に評価を行った所、電解液耐性は実施例15と同様であった以外は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を用いた場合と同等の性能であった。(表1)。
[比較例1〜5]
表2に示す各成分の組成、又は発泡倍率で実施例1と同様に評価を行った。なお、HIPSはゴム濃度19重量%のものを用いた。ポリフェニレン系樹脂組成物の比率が低い場合、低発泡倍率においても難燃性はV−2にも満たず、安全性に欠ける結果となった(比較例1)。逆に、ポリフェニレンエーテル系樹脂比率が高すぎると、基材樹脂ペレット作成時の押出において熱劣化による異物が多発し、評価に値する発泡体が得られなかった(比較例2)。難燃剤の量が少なすぎると難燃性が殆ど発現せず(比較例3)、多すぎると、発泡ビーズの独立気泡率が大幅に低下し、成形品が得られなかった(比較例4)。ゴム成分を全く用いなかった場合、樹脂の柔軟性、伸び不足によるセル膜の破膜が発生し、成形加工性が低下してしまい、良好な成形品が得られなかった(比較例5)。
[比較例6〜7]
表2に示す各成分の組成において未発泡の樹脂を加熱プレスで成形した以外は実施例1と同様に評価を行った。未発泡樹脂としてポリフェニレンエーテル系樹脂S201A(旭化成ケミカルズ(株)製)を使用した場合は、電解液耐性や安全性は良好なものの、断熱性は全く発揮されなかった。また、部品固定性能についても、発泡体のような柔軟さに欠けるため、ロの字型のサンプル内にファンを挿入する事ができなかった(比較例6)。ポリカーボネート系樹脂MB3800(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を使用した場合も同様の結果となった(比較例7)。
Figure 2013241524
Figure 2013241524
本発明の発泡体は、リチウムイオン電池等の二次電池の電池保持材や断熱材として好適である。さらに、リチウムイオンキャパシタ等、他の蓄電媒体についても、断熱材として好適に使用できる。

Claims (8)

  1. ポリフェニレンエーテル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂と難燃剤とを含む基材樹脂からなり、かつUL規格のUL−94垂直法(20mm垂直燃焼試験)に準拠して測定される難燃性がV−0又はV−1である、二次電池容器用発泡体。
  2. ポリフェニレンエーテル系樹脂40〜94重量%、難燃剤5〜30重量%を含む基材樹脂からなる、請求項1に記載の二次電池容器用発泡体。
  3. 前記基材樹脂が、ゴム成分を0.3〜10重量%含む、請求項2に記載の二次電池容器用発泡体
  4. ポリカーボネート系樹脂と難燃剤からなり、該難燃剤を5〜30重量%含む基材樹脂からなる、請求項1に記載の二次電池容器用発泡体。
  5. 発泡倍率が1.5〜40cc/gである請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池容器用発泡体。
  6. 発泡ビーズからなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池容器用発泡体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡体からなる二次電池保持材。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡体からなる二次電池断熱材。
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