JP2013240835A - レーザー加工装置及びレーザー加工方法 - Google Patents

レーザー加工装置及びレーザー加工方法 Download PDF

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良司 村椿
Yukiaki Nagata
幸明 永田
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Abstract

【課題】レーザー加工により生じた粉塵等の切屑を、より確実に除去することができるレーザー加工装置及びそのレーザー加工装置を用いたレーザー加工方法を提供する。
【解決手段】レーザー加工装置1は、レーザーにより被加工物Wを加工するレーザー加工装置1であって、被加工物Wに向かって照射するレーザーを出射するレーザー発振器18と、ノズル14を有し、ノズル14から噴流液体Fを噴射する液体噴流手段6と、被加工物Wを設置する設置台9と、ノズル14周囲の空間52を吸引するヘッド側吸引手段46と、設置台9に設けられ、設置台9表面近傍の空間を裏面側から吸引する設置台側吸引手段48と、ヘッド側吸引手段46及び設置台側吸引手段48の吸引力を制御する吸引力制御装置60と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、 レーザーにより被加工物を加工するレーザー加工装置及びこのレーザー加工装置を用いて被加工物を加工するレーザー加工方法に関する。
レーザーを金属等の被加工物に照射することによって、アブレーション現象を利用して被加工物を加工するレーザー加工装置が知られている。このようなレーザー加工装置においては、加工により生じた切屑が切粉となって加工部周辺に飛散し、被加工物に付着することがある。アブレーションによって生じた切屑は活性であるので、被加工物に切屑が付着すると、これを除去することが難しい。また、この切屑は、被加工物に付着後、時間が経つにつれて被加工物への付着力が増大するため、除去することがさらに困難になる。
そこで、レーザー加工によって生じた粉塵(パーティクル)等の切屑を除去するための装置を備えたものが提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1に記載のレーザー加工装置は、レーザーが出射される集光器の周囲に粉塵排出手段を備える。粉塵排出手段は、レーザーの出射位置の周囲に環状の開口を有し、この開口から空気を吸引することにより、レーザー加工によって生じた粉塵を除去する。
また、特許文献2に記載のレーザー加工装置は、レーザー照射手段と被加工物との間に液体を循環させるデブリ回収装置を備える。このデブリ回収装置は、レーザー照射手段の先端部と被加工物の表面との間の空間を局所的に液体で浸した液浸部を形成し、この液浸部に、加工によって生じた切屑を放出させ、液浸部の液体を回収することによって、切屑を除去する。
特開2007−69249号公報 特開2007−29973号公報
ところで、レーザー加工装置としては、ノズルヘッドから液体を被加工物に向かって噴射することによって噴流液柱を形成し、この液柱内に導かれたレーザーにより、被加工物の加工を行うものがある。このタイプのレーザー加工装置では、レーザーの照射と同時に液体が噴射されるため、レーザー加工によって生じた切屑のほとんどは、噴流とともに洗い流される。
しかしながら、一部の切屑が、洗い流されずに微細な切粉またはガスの状態でノズルヘッドの周辺に飛散したり、加工部周辺で被加工物の表面上に溜まった水滴中に浮遊したりする場合がある。このような状態で加工を続けると、切粉が被加工物に再付着する場合があり、被加工物の表面の仕上がりに悪影響を及ぼす。
本発明の目的は、レーザー加工により生じた粉塵等の切屑を、より確実に除去することができるレーザー加工装置及びそのレーザー加工装置を用いたレーザー加工方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のレーザー加工装置は、レーザーにより被加工物を加工するレーザー加工装置であって、被加工物に向かって照射するレーザーを出射するレーザー発振器と、ノズルヘッドを有し、ノズルヘッドから噴流液体を噴射する液体噴流手段と、被加工物を設置する設置台と、ノズルヘッド周囲の空間を吸引するヘッド側吸引手段と、設置台に設けられ、設置台表面近傍の空間を裏面側から吸引する設置台側吸引手段と、ヘッド側吸引手段及び設置台側吸引手段の吸引力を制御する吸引力制御装置と、を備える、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、レーザー加工によって生じた切屑のうち、ノズルヘッドの周囲の空間に飛散したものを、ヘッド側吸引手段によって吸引する。これにより、ノズルヘッドの周囲の空間に存在する切屑を吸引して除去する。したがって、レーザー加工直後に切屑の除去を行うことができるので、被加工物の表面に切屑が付着するのを確実に防止することができる。また、設置台側吸引手段が、設置台の裏面側から設置台表面近傍の空間に存在する切屑や、切屑を含んだ水滴を吸引する。したがって、液柱によってレーザー光を導く方式のレーザー加工装置においても、水滴に含まれた切屑を吸引することができるから、被加工物の表面に切屑が付着するのを確実に防止することができる。
本発明において、好ましくは、液柱の周りに液柱の形成を助けるアシストガスを噴出するアシストガス供給装置を更に有する。
このように構成された本発明においては、アシストガス供給装置を更に有するので、ノズルヘッドから噴射された液柱の周りにアシストガスが噴出される。したがって、液柱の周りのアシストガスによって、液柱を安定させることができ、液柱内を導かれるレーザーが安定して被加工物まで伝送される。
本発明において、好ましくは、設置台は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有するハニカム状に構成され、設置台側吸引手段は、貫通孔を通して裏面側から表面側の空間を吸引するように設置台に接続される。
このように構成された本発明においては、設置台がハニカム状に構成され、設置台側吸引手段が設置台の裏面側から貫通孔を通して表面側の空間を吸引するので、被加工物を設置するための設置台としての構造的強度を確保しながら、設置台表面側に存在する水滴等の吸引を効率よく行うことができる。
本発明において、好ましくは、設置台は、設置台側吸引手段の吸引力で被加工物を保持するように構成される。
このように構成された本発明においては、設置台側吸引手段が切屑を含んだ水滴等を吸引するとともに、被加工物を保持するのにも役立つので、簡単な構造で被加工物の保持及び切屑の吸引を行うことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明のレーザー加工方法は、前述のレーザー加工装置を用いて、レーザーにより被加工物を加工するレーザー加工方法であって、被加工物を設置台に設置し、設置台側吸引手段により、被加工物を吸引して設置台に固定する工程と、ヘッド側吸引手段によってノズルヘッド周辺の空間を吸引し、且つ設置台側吸引手段によって設置台の裏面から表面側の空間を吸引する工程と、ノズルヘッド周辺の空間及び設置台の表面側の空間を吸引しながら、レーザー発振器から出射されたレーザーにより被加工物の加工を行う工程と、を備える、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ヘッド側吸引手段がノズルヘッド周辺の空間を吸引するため、レーザー加工によって生じた切屑のうち、ノズルヘッド周辺の空間に飛散したものを確実に吸引して除去することができる。したがって、レーザー加工直後に切屑の除去を行うことができるので、被加工物の表面に切屑が付着するのを確実に防止することができる。また、設置台側吸引手段が、設置台の裏面側から設置台表面近傍の空間に存在する切屑や、切屑を含んだ水滴を吸引する。したがって、液柱によってレーザー光を導く方式のレーザー加工装置においても、水滴に含まれた切屑を吸引することができるから、被加工物の表面に切屑が付着するのを確実に防止することができる。さらに、設置台側吸引手段によって被加工物を吸引して設置台に固定するので、設置台側吸引手段を、切屑等を吸引するため、及び被加工物を固定するための両方に使用することができるから、簡単な構造及び準備作業でレーザー加工を行うことができる。
本発明において、好ましくは、被加工物を設置台に固定する工程は、被加工物の周囲の設置台表面をカバー部材で覆う工程を含む。
このように構成された本発明においては、設置台に固定された被加工物の周囲をカバー部材で覆うので、被加工物を良好に吸引して設置台に固定することができると共に、設置台側吸引手段に必要な吸引力を最小限にとどめることができ、効率的な吸引を実現することができる。
本発明の実施形態によるレーザー加工装置の全体構成を概略的に示す図である。 本発明の実施形態による吸引手段による吸引動作を示す部分拡大斜視図である。 本発明の実施例による加工後の被加工物の表面状態を示す図である。 本発明の比較例による加工後の被加工物の表面状態を示す図である。 本発明の比較例による加工後の被加工物の表面状態の部分拡大図である。
[実施形態]
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるレーザー加工装置の全体構成を概略的に示す図である。本発明の実施形態にかかるレーザー加工装置1は、レーザー加工ヘッド2と、このレーザー加工ヘッド2を通ってレーザーを被加工物W上に照射する光学装置4と、被加工物Wに噴流液体である高圧水を噴射するための液体噴流手段6と、液体噴流手段6によって生成された噴流液柱Fに沿ってアシストガスASを導入するアシストガス供給装置8と、被加工物Wを設置、固定するための設置台9と、レーザー加工により発生した切屑を吸引するための吸引手段10と、を備えている。
レーザー加工ヘッド2は、略円筒形状に形成されたハウジング12を備え、ハウジング12の内部下方には、噴流液柱Fを噴射するノズル14が形成されている。ハウジング12内の上方には光学装置4の一部が収容され、ハウジング12内の下方には液体噴流手段6の一部とアシストガス供給装置8の一部が設けられている。
光学装置4は、所定の位置にレーザーを集光させるレーザー光学系16と、レーザー光学系16にレーザーを入射させるレーザー発振器18とを備える。
レーザー光学系16は、レーザー発振器18から出射されたレーザーを光ファイバ等でレーザー加工ヘッド2に導くと共に、このレーザーをレーザー加工ヘッド2内のノズル14の上端の開口近傍の位置で集光させるように構成されている。なお、図1においては、レーザー光学系16は模式化して図示されており、レーザーを最終的に集光させる1枚の集光レンズ20のみ示している。
レーザー発振器18は、所定強度のレーザーを生成するように構成されている。本実施形態においては、レーザーとしてグリーンレーザーを使用しているが、水に吸収されにくい吸収率の低いレーザーであれば、その種類は任意に選択することができる。
グリーンレーザーは、2倍波(SHG)YAGレーザーであり、波長が532nmである。グリーンレーザーは、YAGレーザー(波長1064nm)やCO2レーザー(波長10.6μm)と異なり、水を通過しやすい特徴を有するため、噴流液体として安価で入手が容易な水を使用する場合には、レーザーの伝搬効率を向上させることができる。また、水に吸収され難いため、熱レンズの発生を抑制することで、レーザー加工ヘッド2内のノズル14の開口近傍の位置に精度よくレーザーを導くことが容易となる。このため、ノズル14の損傷を防止するとともに、安定した加工品質を確保することができる。
液体噴流手段6は、液体供給源22と、液体供給源22からの液体からイオンを除去する等の処理を行う液体処理装置24と、液体供給源22から供給された液体をレーザー加工ヘッド2に圧送する高圧ポンプ26と、高圧ポンプ26とレーザー加工ヘッド2の間に設けられ、液体から不純物等を除去するための高圧フィルタ28と、レーザー加工ヘッド2内に形成され、高圧ポンプ26から送られた高圧の液体をノズル14に導く液体流路30とを備える。本実施形態では、液体として水を採用している。
アシストガス供給装置8は、アシストガス供給源32と、アシストガスASの圧力を調整するエアコントローラ34と、レーザー加工ヘッド2内でノズル14の下流側に形成され、ノズル14から噴出された噴流液柱Fを取り囲むように形成されたガス供給室36と、を備えている。本実施形態では、アシストガスとして空気を採用している。
設置台9は、被加工物Wを載置する表面38と、表面38と反対側の裏面40とを有し、図2によく見られるように、表面38から裏面40に貫通する断面六角形の貫通孔42が隙間なく配置されたハニカム構造となっている。設置台9は、レーザー加工装置1で扱う被加工物Wの大きさの範囲よりも大きく形成されている。
本実施形態では、貫通孔42を仕切る壁44の厚みは、約0.3mmのものを採用している。また、本実施形態では、設置台9は、XY方向(水平方向)に沿って移動可能に構成され、レーザー加工ヘッド2がZ方向(上下方向)に移動可能に設けられている。なお、設置台9及びレーザー加工ヘッド2の移動可能な方向は自由に設計することができ、例えば設置台9がZ方向に移動し、レーザー加工ヘッド2がXY方向に移動するように構成してもよい。また、上述のように、設置台9及びレーザー加工ヘッド2の両方が移動可能に設けられている構造に限らず、例えば設置台9がXYZ方向(水平方向及び上下方向)に沿って移動可能に構成されていてもよく、または、レーザー加工ヘッド2がXYZ方向に沿って移動可能に設けられていてもよい。
吸引手段10は、レーザー加工ヘッド2に取り付けられ、ノズル14周囲の空間を吸引するヘッド側吸引手段46と、設置台9の裏面40側から表面38側の空間を吸引する設置台側吸引手段48と、を備える。
ヘッド側吸引手段46は、レーザー加工ヘッド2の下端に取り付けられ、ノズル14の周囲を取り囲む包囲壁50と、包囲壁50の内部の空間52を吸引するための吸引装置54と、吸引装置54と空間52とを連通する吸引路56と、吸引路56の途中に設けられ、吸引空気量を調整するための流量調整弁58と、流量調整弁58の開度を制御して吸引力を制御するための吸引力制御装置60と、を有する。
包囲壁50は、ノズル14の周囲に略円筒形に形成され、その上端がレーザー加工ヘッド2の下端部に固定されている。包囲壁50の下端は、レーザー加工ヘッド2の下端に突出するノズル14の下端よりも下方に位置する。包囲壁50には、互いに対向する位置に2つの吸引路56が接続されている。
2つの吸引路56は1つの流量調整弁58及び吸引装置60に接続している。
設置台側吸引手段48は、設置台9の外周を取り囲み、下方に閉鎖された空間を形成する吸引室62と、吸引室62内部の空気を吸引するための吸引装置54と、吸引装置54と吸引室62の底部とを連通する吸引路64と、吸引路64の途中に設けられ、吸引空気量を調整するための流量調整弁66と、流量調整弁66の開度を制御して吸引力を制御するための吸引力制御装置60と、を有する。
なお、図1から分かるように、ヘッド側吸引手段46の吸引装置54及び吸引力制御装置60と、設置台側吸引手段48の吸引装置54及び吸引力制御装置60は、共通である。したがって、1つの吸引装置54及び吸引力制御装置60によって、ヘッド側吸引手段46及び設置台側吸引手段48の吸引動作を制御することができる。また、流量調整弁58,66は、ヘッド側吸引手段46及び設置台側吸引手段48のそれぞれに設けられているので、これらの吸引力を個々に制御することが可能である。
次に、本実施形態のレーザー加工装置1の動作について説明する。
まず、設置台9に被加工物Wを載置する。そして、吸引装置52によって設置台側吸引手段48を動作させ、吸引室62内の空気を吸引する。すると、吸引力によって被加工物Wが設置台9の表面38に吸着され、設置台9に保持、固定される。
ここで、本実施形態では、被加工物Wの面積は、設置台9の表面38の面積より小さいため、被加工物Wの周囲には、設置台9の表面38が露出する。この露出部分を、図1に示すようなカバー部材68で覆う。なお、カバー部材68は、露出部分全体を覆う大きさ、形状であってもよく、あるいは、露出部分の一部のみを覆う大きさ、形状であってもよい。
次に、レーザー発振器18から出射されたレーザーは、レーザー光学系16に入射し、レーザー加工ヘッド2内に導かれる。レーザーは、レーザー光学系16の集光レンズ20等によって、ノズル14の上端開口の位置近傍に集光される。一方、液体噴流手段6は、液体供給源22からの水を高圧ポンプ26で圧送し、液体流路30を通ってノズル14から噴流液柱Fを被加工物Wに向かって噴出する。レーザー光学系16によってノズル14の上端開口近傍に集光されたレーザーは、噴流液柱F内を全反射しながら噴流液柱Fに導かれ、被加工物Wまで到達して被加工物Wをレーザー加工する。
アシストガス供給装置8は、アシストガス供給源32からの空気(アシストガス)をガス供給室36に供給し、空気をノズル14の下方から被加工物Wに向かって噴出する。アシストガスは、噴流液柱Fの周囲を取り囲み、これにより、噴流液柱Fの流れを安定させる。
レーザー加工中、発生した切屑は、次のようにして除去する。
図2は、本発明の実施形態による吸引手段による吸引動作を示す部分拡大斜視図である。この図2に示すように、レーザーによって被加工物Wを加工すると、加工部の周囲に切屑が発生する。この切屑の一部は、微細な切粉やガス状の微粉となって、加工部上方に飛散する。また、噴流液柱Fが被加工物Wに衝突することによってノズル14の周囲に霧が発生する。この切粉や霧は、ヘッド側吸引手段46の包囲壁50によって、空間52内に或る程度閉じ込められる。そして、ヘッド側吸引手段46が空間52内の空気を吸引すると、飛散した切粉等が吸引されて加工部周辺から除去される。
一方、被加工物Wの表面では、加工部で発生した切屑は、噴流液柱Fの水にとらえられ、大部分が水と一緒に除去される。しかしながら、加工部周辺の被加工物Wの表面に水滴が生じ、この水滴に一部の切屑が浮遊することがある。
設置台側吸引手段48は、設置台9の裏面40側から貫通孔42を通して表面38側の被加工物Wの周囲の領域及び表面上方の空間を吸引する。本実施形態では、被加工物Wを切断する加工を行っているので、被加工物Wには、図2に示すように切断面の間に間隙70が形成される。したがって、設置台側吸引手段48は、主にこの間隙70から被加工物Wの表面に存在する水滴を、内部に閉じ込められた切屑と一緒に吸引室62に吸引する。これにより、被加工物Wの表面に存在する切屑が除去される。
このように構成された本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。
吸引手段10が、ヘッド側吸引手段46と設置台側吸引手段48とを備えているので、加工部の上方に飛散する微細な切粉だけでなく、被加工物Wの表面上に水滴中に閉じ込められた切屑の両方を除去することができる。したがって、本実施形態のように、噴流液柱Fによってレーザーを被加工物Wへ導くタイプのレーザー加工装置1においても、噴流液柱Fによって生じる水滴内に閉じ込められた切屑を確実に除去することができ、被加工物の加工品質を良好にすることができる。
例えば、機械の隙間調整に使われるシム材を切断加工する場合では、シム材の表面上に付着した切粉の分だけシム材の厚みが増加してしまい、所望の厚さのシム材が得られず、製品不良となることがある。また、例えば被加工物Wとして半導体ウェハを切断加工する場合には、半導体ウェハに切粉が付着すると、製品の電気的特性にばらつきが生じてしまうなどの問題がある。本実施形態のレーザー加工装置1によれば、上記のような問題が発生するのを効果的に抑制、防止することができる。
ヘッド側吸引手段46がノズル14の周囲に設けられ、設置台側吸引手段48が設置台9の表面38から空気を吸引するので、レーザー加工を行って切屑が発生した直後に加工部の周囲から切屑を除去することができる。したがって、切屑を迅速に被加工物W表面近傍から取り除くことができるので、切屑が被加工物Wの表面に付着する機会を減少させることができ、被加工物Wの加工品質を高く維持することができる。また、加工とほぼ同時に切屑を除去することができるので、レーザー加工の後工程で、被加工物Wの洗浄を省略することができる。
また、このように吸引手段10によって切屑を発生直後に取り除くことは、レーザー加工を安定させる効果がある。即ち、例えば吸引手段10によって切屑の吸引処理を行わない場合では、被加工物Wの表面38上に水滴がたまり、これが原因となって噴流液柱Fが乱れてレーザー光の伝送が安定せず、加工に悪影響を及ぼす場合がある。また、噴流液柱が被加工物Wに衝突した際に発生する霧も同様に、噴流液柱Fを乱す原因となる場合がある。これに対して、本実施形態では、吸引手段10によって水滴や霧を即座に除去することにより、乱れのない噴流液柱Fを被加工物Wまで到達させ、安定したレーザー加工を行うことができる。
設置台9がハニカム構造となっているので、設置台側吸引手段48で空気を吸引すると、ハニカム構造の貫通孔42を介して空気を表面38側から裏面40側に吸引することができる。したがって、レーザーによって被加工物の切断加工を行う場合には、切断後に被加工物の表面と貫通孔42とを連通する加工切断面が形成されるので、これらの加工切断面間の隙間70から水滴等を吸引することができるので、特に有利である。
また、設置台側吸引手段48が、被加工物Wを設置台9に固定する吸引保持手段を兼ねているので、被加工物Wの保持構造を別途設ける必要がなく、レーザー加工装置の構造が簡単になる。
カバー部材68で設置台9のうち被加工物Wが載置されていない部分を覆うので、小さな吸引力で被加工物Wの保持力を確保することができるとともに、被加工物Wの表面近傍の空間の空気の吸引を行うことができる。また、吸引装置54において要求される吸引能力を小さくすることができる。
アシストガス供給装置8が設けられているので、アシストガスを噴流液柱Fの周りに噴出させることによって、安定した噴流液柱Fを作ることができる。したがって、レーザーを効率よく被加工物Wに向かって伝送することができ、レーザー加工効率が向上する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、設置台側吸引手段は、被加工物を設置台に保持する吸引保持手段を兼ねていたが、これに限らず、吸引保持手段を設置台側吸引手段とは別に設けてもよい。また、被加工物を設置台に対して固定する構造は、吸引によるものに限らず、被加工物の端部を把持する把持機構を設ける等、任意の構造を採用することができる。
被加工物を設置台に設置する際に、被加工物の周囲をカバー部材で覆ったが、必ずしも被加工物の周囲の設置台表面をカバー部材で覆う必要はない。即ち、カバー部材で設置台表面を覆わなくとも、吸引装置の吸引力を調整することにより、被加工物の保持に必要な吸引力及び切屑の除去に必要な吸引力を得ることができる。なお、設置台表面にカバー部材を配置しない場合には、被加工物の周囲の領域からも被加工物の表面側の空気を吸引して切屑を吸引することが考えられる。
アシストガス供給装置は、必ずしも設けられていなくてもよく、例えばアシストガスなしで安定した噴流液柱が得られるのであれば、アシストガス供給装置を省いてもよい。
本発明の効果を確認するために、次のような実験を行った。
[実施例]
前述の実施形態のレーザー加工装置1を用いて、複数個の被加工物Wのレーザー切断加工を行った。被加工物Wは、材質がステンレス鋼であり、直径約40mmの円形の材料を用いた。複数個の被加工物Wの平均厚さは10.7μmであった。この被加工物Wを、レーザー加工装置1の設置台9に設置し、吸引手段10で吸引処理を行いながら、レーザー切断加工する。このときの、レーザー加工装置1の加工条件は、ノズル14の直径が100μm、噴流液柱Fの噴出圧力が10MPa、レーザーの波長が532nm、レーザーパルス周波数が15kHz、レーザー出力が18W、設置台9の移動速度、即ち被加工物Wの送り速度が1000mm/minであった。また、吸引手段10のヘッド側吸引手段46の吸引圧力が−10kPaであり、設置台側吸引手段48の吸引圧力が−10kPaであった。
上記のような条件でレーザー切断加工を行い、切断加工後の被加工物Wの表面をマイクロスコープで観察した。また、切断加工後の被加工物Wの平均厚さをマイクロメータにより計測した。
[比較例]
前述の実施形態のレーザー加工装置1を用いて、複数個の被加工物Wのレーザー切断加工を行った。被加工物Wは、実施例と同じ条件のものを使用した。また、レーザー加工装置1の使用条件は、吸引手段10を作動させなかった他は、実施例でのレーザー加工装置1の使用条件と同じであった。
上記のような条件でレーザー切断加工を行い、切断加工後の被加工物Wの表面をマイクロスコープで観察した。また、切断加工後の被加工物Wの平均厚さをマイクロメータにより計測した。
[実施例と比較例との比較]
図3は、実施例の被加工物Wの切断加工後の表面の状態を示す。また、図4は、比較例の被加工物Wの切断加工後の表面の状態を示し、図5は、比較例の被加工物Wの表面の状態の部分拡大図を示す。
図3に示すように、実施例では、切断加工後の被加工物Wの表面には、切屑等が観察されず、表面状態が良好であった。また、切断加工後の被加工物Wの平均厚さは、11.2μmであった。
これに対して、図4の領域A及び図5に示すように、比較例では、被加工物Wの表面に切屑が残っていることが分かる。また、切断加工後の被加工物Wの平均厚さは、12.7μmであった。即ち、比較例では、被加工物Wの表面に切屑が残っているために、平均厚さが実施例のものよりも厚くなってしまっていることが分かる。
以上の実験により、本実施形態のレーザー加工装置1を用いることにより、被加工物の表面状態を良好にすることができ、被加工物の品質を向上させることができることが確認できた。
本発明は、以下のような構成であってもよい。
(1)液柱の周りに液柱の形成を助けるアシストガスを噴出するアシストガス供給装置を更に有する。
(2)設置台は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を有するハニカム状に構成され、設置台側吸引手段は、貫通孔を通して裏面側から表面側の空間を吸引するように設置台に接続される。
(3)設置台は、設置台側吸引手段の吸引力で被加工物を保持するように構成される。
1 レーザー加工装置
2 レーザー加工ヘッド
4 光学装置
6 液体噴流手段
8 アシストガス供給装置
9 設置台
10 吸引手段
14 ノズル
18 レーザー発振器
20 集光レンズ
38 表面
40 裏面
42 貫通孔
46 ヘッド側吸引手段
48 設置台側吸引手段
52 空間
60 吸引力制御装置
W 被加工物

Claims (2)

  1. レーザーにより被加工物を加工するレーザー加工装置であって、
    前記被加工物に向かって照射するレーザーを出射するレーザー発振器と、
    ノズルを有し、前記ノズルから噴流液体を噴射する液体噴流手段と、
    前記被加工物を設置する設置台と、
    前記被加工物の周囲の前記設置台表面を覆うカバー部材と、
    前記ノズルヘッド周囲の空間を吸引するヘッド側吸引手段と、
    前記設置台に設けられ、前記設置台表面近傍の空間を裏面側から吸引する設置台側吸引手段と、
    前記ヘッド側吸引手段及び前記設置台側吸引手段の吸引力を制御する吸引力制御装置と、を備える、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 請求項1に記載のレーザー加工装置を用いて、レーザーにより被加工物を加工するレーザー加工方法であって、
    前記被加工物を前記設置台に設置し、前記被加工物の周囲の前記設置台表面をカバー部材で覆い、前記設置台側吸引手段により、前記被加工物を吸引して前記設置台に固定する工程と、
    前記ヘッド側吸引手段によって前記ノズルヘッド周辺の空間を吸引し、且つ前記設置台側吸引手段によって前記設置台の裏面から表面側の空間を吸引する工程と、
    前記ノズルヘッド周辺の空間及び前記設置台の表面側の空間を吸引しながら、前記レーザー発振器から出射されたレーザーにより前記被加工物の加工を行う工程と、を備える、 ことを特徴とするレーザー加工方法。
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