JP2013237885A - プラズマ成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ成膜装置において、基板の搬送工程を効率化し、基板の搬送工程のための機構を小型化する技術を提供する。
【解決手段】プラズマ成膜装置300は、交互に成膜処理を実行する第1と第2の成膜処理系301,302を備える。第1と第2の成膜処理系301,302はそれぞれ、搬送機構310と、真空予備室320と、成膜室330とを備える。搬送機構310は、基板5を保持する基板保持部325が先端に連結されたシリンダ軸311を備える。プラズマ成膜装置300では、ゲートバルブ322を開いた状態で、シリンダ軸311を直線的に摺動させることにより、基板5が載置された基板保持部325を真空予備室320から成膜室330に搬入させる。シリンダ軸311には、基板保持部325が成膜室330に収容されたときに、成膜室330の入口を閉塞する弁体324が取り付けられている。
【選択図】図10

Description

この発明は、プラズマ成膜装置に関する。
真空状態に保持された成膜室において、原料ガスをプラズマ化することにより生成される金属イオンを、基板表面に吸着させて成膜するプラズマ成膜装置が知られている(下記特許文献1等)。プラズマ成膜装置では、成膜室に成膜対象となる基板を設置する際にも、成膜室の真空状態を保持するために、成膜室の前段に真空予備室が設けられる。また、プラズマ成膜装置では、真空予備室と成膜室との間の基板の搬送を実行する搬送機構が設けられる。
ところで、プラズマ成膜装置では、複数の基板に対する成膜を、流れ工程によって連続的に実行することにより、全体の処理時間を短縮することが要求されている。しかし、上述したように、成膜室に対して基板を搬入・搬出する基板の搬送工程は、ロボットアームなどの複雑な機構を有する搬送機構によって、真空予備室を介して実行される。そのため、その基板の搬送工程が、プラズマ成膜装置における処理時間のボトルネックとなっていた。
また、プラズマ成膜装置は、真空予備室や搬送機構などの基板の搬送工程のための機構によって、装置構成が大型化してしまう場合があった。これまで、プラズマ成膜装置において、装置内における基板の搬送工程を効率的に実行して処理時間を短縮することや、基板の搬送のための機構をコンパクトに構成して、装置構成を小型化にすることについて十分な工夫がなされてこなかった。
特開2009−164213号公報 特開平11−102951号公報 特開2009−032312号公報 特開2008−004540号公報
本発明は、プラズマ成膜装置において、基板の搬送工程を効率化し、基板の搬送工程のための機構を小型化する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
プラズマ成膜装置であって、真空状態に保持され、基板に対する成膜処理が実行される成膜室と、前記成膜室に隣接し、前記成膜室に対する前記基板の搬入および搬出を行う搬送機構が設置され、少なくとも、前記成膜室に対する前記基板の搬入および搬出が実行されるときには、真空状態に保持される真空予備室と、を備え、前記搬送機構は、前記基板を保持する保持部と、直線的な伸縮運動によって、前記保持部を、前記真空予備室と前記成膜室との間で移動させる支持腕部と、を備える、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、搬送機構の有する支持腕部の直線的な伸縮運動によって、簡易かつ迅速に基板の搬送を実行することができる。また、搬送機構を簡易に構成できるため、装置構成を小型化することができる。
[適用例2]
適用例1記載のプラズマ成膜装置であって、前記支持腕部には、前記基板が前記成膜室内に搬入されたときに、前記成膜室と前記真空予備室とを連結する搬送口を封止するキャップ部が設けられており、前記成膜室では、前記保持部に保持されたままの前記基板に対して成膜処理が実行される、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、基板の搬入とともに成膜室の搬送口が気密に閉塞されるため、基板の搬送工程における搬送口の開閉を効率的に実行できる。
[適用例3]
適用例3記載のプラズマ成膜装置であって、前記真空予備室は、前記成膜室の重力方向上側に設置されており、前記保持部は、表面が前記重力方向に平行になる配置角度で、前記基板を保持し、前記支持腕部は、重力方向に平行に伸縮運動することにより、前記基板を前記配置角度のまま、前記成膜室へ搬入する、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、基板が重力方向に沿った角度で配置されるため、成膜処理の際に、基板が重力の影響で撓んでしまったり、基板表面に成膜室の汚れが落下して付着してしまうことが抑制される。
[適用例4]
適用例3記載のプラズマ成膜装置であって、前記基板には予め貫通孔が形成されており、前記保持部は、前記貫通孔に係合する係合部を備え、前記係合部に前記基板を吊り下げて保持する、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、基板の保持機構を簡易に構成することができる。また、基板の保持機構により、基板に外力が付与されて、基板が変形してしまうことを抑制できる。
[適用例5]
適用例2から4のいずれかに記載のプラズマ成膜装置であって、前記成膜室は、互いに並列に配置され、真空状態を保持するための共通の真空ポンプを備える、第1と第2の成膜室を含み、前記真空予備室は、前記第1と第2の成膜室のそれぞれに隣接して、互いに並列に配置され、真空状態を作るための共通の真空ポンプを備える、第1と第2の真空予備室を含む、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、複数の基板を連続的に成膜することができる。また、成膜処理のための構成部を成膜室同士で共有するため、装置構成の小型化が可能である。
[適用例6]
適用例5記載のプラズマ成膜装置であって、前記第1と第2の成膜室では、交互に成膜処理が実行され、前記第1の成膜室において成膜処理が実行されているときに、前記第2の真空予備室の前記搬送機構は、前記第2の成膜室において成膜された処理済みの基板を前記第2の成膜室から搬出し、前記第2の真空予備室において、前記処理済みの基板と、成膜処理前の新しい基板とが取り替えられ、前記第2の真空予備室が真空化された後に、前記新しい基板を前記第2の成膜室へ搬入する、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、流れ工程により、複数の基板を連続的に成膜する場合に、基板の単位間数当たりの処理時間を短縮することが可能である。
[適用例7]
適用例1記載のプラズマ成膜装置であって、前記成膜室は、交互に成膜処理が実行される第1と第2の成膜室を含み、前記搬送機構は、前記第1の成膜室において成膜処理が実行されているときに、前記第2の成膜室への前記基板の搬入を実行する、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、第1と第2の成膜室が搬送機構を共有でき、装置の小型化が可能である。また、流れ工程により、複数の基板を連続的に成膜する場合に、基板の単位間数当たりの処理時間を短縮することが可能である。
[適用例8]
適用例7記載のプラズマ成膜装置であって、前記真空予備室は、室外に、前記基板を収容可能な程度の容積を有する基板収容室を備え、前記基板収容室は、外部から前記基板を収容するために開閉する入口部と、前記基板収容室から前記真空予備室へと前記基板を導入するために開閉する出口部と、を備え、前記基板収容室は、
(i)外部から前記基板が収容される際には、前記出口部を閉じるとともに、前記入口部を開き、
(ii)前記基板が前記基板収容室に収容されたときには、前記出口部を閉じたまま、前記入口部を閉じ、
(iii)前記基板を前記基板収容室から前記真空予備室に導入する際には、前記入口部を閉じたまま、前記出口部を開く、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、基板を導入する際に真空予備室に侵入する外気の量を低減できる。従って、真空予備室や成膜室に余分な水分が侵入してしまうことを抑制でき、成膜環境を良好に保持できる。また、真空予備室の真空度の低下が抑制されるため、真空予備室の真空状態の保持のための消費エネルギーを低減することができる。
[適用例9]
適用例7または適用例8記載のプラズマ成膜装置であって、前記第1と第2の成膜室は、真空状態を保持するための共通の真空ポンプを備えている、プラズマ成膜装置。
このプラズマ成膜装置であれば、第1と第2の成膜室が真空ポンプを共有するため、装置構成を小型化することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、プラズマ成膜装置、プラズマ成膜装置の制御方法および制御装置、プラズマ成膜装置における基板の搬送方法、それらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
プラズマ成膜装置の構成を示す概略図。 成膜対象となる基板の構成を示す概略図。 真空予備室に設けられた第1の基板導入部の構成を示す概略図。 基板の真空予備室への導入工程を工程順に示す概略図。 基板の真空予備室への導入工程を工程順に示す概略図。 第1の成膜室の構成を示す概略図。 第1の成膜室への基板5の搬入工程を工程順に示す概略図。 第1と第2の成膜室における処理工程のタイムチャートを示す説明図。 第1実施例のプラズマ成膜装置の他の構成例を説明するための概略図。 第2実施例としてのプラズマ成膜装置の構成を示す概略図。 第2実施例としてのプラズマ成膜装置の構成を示す概略図。 プラズマ成膜装置における成膜室への基板の搬送工程を工程順に示す概略図。 プラズマ成膜装置における成膜室への基板の搬送工程を工程順に示す概略図。 第3実施例としてのプラズマ成膜装置の構成を示す概略図。 基板を重力方向に沿って吊り下げた状態で成膜処理を実行することによる効果を説明するための模式図。 比較例としてのプラズマ成膜装置の構成を示す概略図。 参考例としての燃料電池の構成を示す概略図。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.第1実施例の他の構成例:
B.第2実施例:
C.第3実施例
D.変形例:
E.比較例:
F.参考例:
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としてのプラズマ成膜装置100の構成を示す概略図である。なお、図1には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。このプラズマ成膜装置100は、いわゆるプラズマCVD法(plasma CVD; plasma-enhanced chemical vapor deposition)によって成膜対象である基板(後述)の表面全体に炭素薄膜を形成する。なお、成膜される炭素薄膜の構造としては、アモルファス構造や、グラファイト構造であるものとしても良く、他の種類の構造であるものとしても良い。
プラズマ成膜装置100は、第1と第2の成膜室10a,10bと、真空予備室20と、を備える。第1と第2の成膜室10a,10bはそれぞれ、真空予備室20の外周に配置され、真空予備室20と、入口11を介して連結されている。
第1と第2の成膜室10a,10bにはそれぞれ真空ポンプ15が接続されており、室内が真空状態に保持されている。第1と第2の成膜室10a,10bでは、それぞれに独立に成膜処理が実行される。第1と第2の成膜室10a,10bにおける成膜処理のための詳細な構成については後述する。
真空予備室20には、真空ポンプ25が接続されている。真空予備室20は、真空ポンプ25によって、その室内が真空状態に保持される。また、真空予備室20には、真空予備室20の上方から成膜対象である基板を室内に導入するための第1と第2の基板導入部30a,30bが設けられている。図1では、第1と第2の基板導入部30a,30bが設けられている位置を二点鎖線で図示してある。
第1と第2の基板導入部30a,30bはそれぞれ、第1と第2の成膜室10a,10bのそれぞれと、真空予備室20の中心21を挟んで対向する位置に配置されている。より具体的には、第1の基板導入部30aと第2の成膜室10bとが、真空予備室20の中心21を挟んで対角する位置に配置され、第2の基板導入部30bと第1の成膜室10aとが、真空予備室20の中心21を挟んで対角する位置に配置されている。第1と第2の基板導入部30a,30bの構成については後述する。
真空予備室20の室内には、基板を搬送するための搬送機構40が設置されている。搬送機構40は、回転基台41と、伸縮アーム部42と、保持部43と、を備える。回転基台41は、真空予備室20の中心21に固定的に設置されている。回転基台41は、伸縮アーム部42の一端と連結されており、伸縮アーム部42を略水平に保持する。
また、回転基台41は、その内部に、モータなどの回転駆動部(図示は省略)を備え、真空予備室20の中心21を中心として、伸縮アーム部42を水平面に沿って360°、回転移動させることが可能である。さらに、回転基台41は、伸縮アーム部42の高さ位置を、重力方向に沿った上下方向に調整することが可能である。
伸縮アーム部42は、直線的に伸縮可能に構成された支持腕部である。伸縮アーム部42は、例えば、ソレノイド機構などの電磁力を利用した機構や油圧による機構によって伸縮する。保持部43は、伸縮アーム部42の先端に設けられている。保持部43はフォーク状に構成されており、成膜対象である基板を載置することが可能である。なお、保持部43の基板を載置する面には、基板の位置ずれを抑制するための突起部44が設けられている。
搬送機構40は、伸縮アーム部42の水平面に沿った回転移動と、伸縮アーム部42による直線的な伸縮運動とによって、第1と第2の基板導入部30a,30bと、第1と第2の成膜室10a,10bとの間における基板の受け渡し(搬送)を実行する。なお、第1と第2の基板導入部30a,30bにおける基板の受取工程および第1と第2の成膜室10a,10bにおける基板の搬入工程の詳細については後述する。
図2は、本実施例のプラズマ成膜装置100において成膜対象となる基板5の構成を示す概略図である。基板5は、燃料電池のセパレータとして用いられる、導電性およびガス不透過性を有する板状部材(例えば金属板)である。基板5は、略長方形形状を有しており、その外周四辺に沿った所定の位置に複数の貫通孔6が配列されている。貫通孔6は、燃料電池を構成したときに、反応ガスなどの流体のマニホールドを構成する。なお、燃料電池の詳細な構成については、参考例として、実施例の後に説明する。
図3は、真空予備室20に設けられた第1の基板導入部30aの構成を示す概略図であり、第1の基板導入部30aを水平面に沿って見たときの図である。図3には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。なお、以下では、第1の基板導入部30aについて説明するが、第2の基板導入部30aの構成についても、第1の基板導入部30aと同様である。
第1の基板導入部30aは、真空予備室20の上面22に設けられた貫通孔22tと、基板載置台31と、昇降機構32と、上蓋部33と、によって構成される。真空予備室20の上面22に設けられた貫通孔22tは、水平角度で配置された基板5を収容可能な程度の開口サイズと深さとを有している。
基板載置台31は、基板5を水平に載置可能な台面を有しており、貫通孔22tの下側に配置されている。また、基板載置台31は、その下側から昇降機構32によって、上下方向に移動可能なように支持されている。
なお、基板載置台31の台面の外周端部は、基板載置台31が最も高い位置まで上昇されたときに、貫通孔22tの外周縁部と面接触して、貫通孔22tの下側の開口部を密閉するように構成されている。また、基板載置台31の内部には、その台面から突出して、台面に載置された基板5を持ち上げることができる複数のピン31pが収容されている。
昇降機構32は、支持軸32sと、支持軸駆動部32dとを備える。支持軸32sは、基板載置台31を支持するとともに、真空予備室20の下側に設けられた支持軸駆動部32dによって重力方向に沿って直線的に上下方向に移動する。昇降機構32は、基板載置台31を、真空予備室20の上面から底面まで昇降移動させることができる。
上蓋部33は、貫通孔22tの上側の開口部を密閉可能に構成されている。上蓋部33は、基板載置台31への基板5の載置の際、および、基板載置台31からの基板5の取り外しの際に、貫通孔22tの開口部を開放する。
図4(A),(B)および図5(A),(B)は、基板5の真空予備室20への導入工程を工程順に示す概略図である。図4(A),(B)および図5(A),(B)にはそれぞれ、真空予備室20に設けられた第1の基板導入部30aと、重力方向を示す矢印Gとを、図3と同様に図示してある。また、図4(B)および図5(A),(B)には、搬送機構40を図示してある。
基板5の真空予備室20への導入工程は、まず、図3に示した状態から開始される。具体的には、基板載置台31が、最も高い位置まで移動して、貫通孔22tの下側の開口部を密閉し、上蓋部33が、貫通孔22tの上側の開口部を開放している状態である。なお、真空予備室20の室内は真空状態に保持されている。
この状態のときに、基板5を、貫通孔22t内に収容するとともに基板載置台31の台面に水平に載置し、上蓋部33によって貫通孔22tの上側の開口部を密閉する(図4(A))。これによって、貫通孔22tの内壁面と、基板載置台31の台面と、上蓋部33の底面とで囲まれた、基板5を収容する程度の容積を有する気密空間である収容室35が形成される。
次の工程では、基板載置台31を真空予備室20の底面まで移動させる(図4(B))。このとき、基板5を収容していた収容室35に基板5とともに収容されていた空気が、真空予備室20内に入り込むことになるため、真空ポンプ25を駆動させて、真空予備室20の真空度の低下を抑制する。なお、収容室35は、前記したとおり、基板5を収容できる程度の容積であるため、この工程において真空予備室20に入り込む空気の量はごくわずかである。
また、この工程では、基板載置台31の下降の際に、基板載置台31の内部に収容されていた複数のピン31pを基板載置台31の台面から突出させる。これによって、基板5が台面から持ち上げられる。なお、この工程では、基板載置台31の下降の最中に、搬送機構40の伸縮アーム部42を、第1の基板導入部30aの形成位置まで回転移動させておく。
次の工程では、搬送機構40の伸縮アーム部42を、基板5に向かって直線的に伸長させ、保持部43を、基板載置台31の台面と、基板5との間に入り込ませる(図5(A))。そして、基板5を持ち上げていた複数のピン31pを基板載置台31の内部に戻すことにより、基板5を保持部43の上に載置させる(図5(B))。
なお、このとき、保持部43の突起部44を、基板5の貫通孔6に嵌り込ませる。この保持部43の突起部44によって、この後の保持部43の移動の際に、基板5の配置位置がずれて、保持部43から脱落してしまうことが抑制される。
基板5が保持部43に載置された後、伸縮アーム部42は直線的に収縮する。そして、伸縮アーム部42は回転基台41を中心に回転して、基板5を第1の成膜室10aの手前まで移動させる。
このように、本実施例の第1の基板導入部30aであれば、貫通孔22tと、基板載置台31と、上蓋部33とで構成されていた基板5の収容室35(図4(A))に存在していたわずかな空気の侵入のみで、基板5を真空予備室20内に収容することができる。従って、真空予備室20や第1と第2の成膜室10a,10bへの余分な水分の侵入が抑制され、基板5に対する成膜処理を良好に実行することができる。また、真空予備室20を真空状態に保持するための真空ポンプ25の駆動量を低減することができ効率的である。
図6(A),(B)は、第1の成膜室10aの構成を示す概略図である。図6(A)は、第1の成膜室10aと真空予備室20の一部とを水平面に沿って見たときの図であり、図6(B)は、第1の成膜室10aと真空予備室20の一部とを重力方向に沿って見たときの図である。
なお、図6(A),(B)には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。また、図6(A),(B)には、第1の成膜室10aに設置された状態の基板5を一点鎖線で図示してあり、図6(B)には、第1の成膜室10aに基板5を設置する際に搬送機構40の保持部43が進入する位置を破線で図示してある。以下では、第1の成膜室10aについて説明するが、第2の成膜室10bの構成も同様であるため、その図示および説明は省略する。
第1の成膜室10aの室内には、設置された基板5を囲むように防着板13が配置されている。防着板13は、成膜処理の際に、プラズマ中に生成される、カーボン中間体などの汚れの原因物質が、第1の成膜室10aの内壁面に付着することを防止する。また、後述するように、防着板13は、原料ガスのプラズマを生成するための電極としても機能する。以後、本明細書では、防着板13で囲まれた領域を「プラズマ生成領域」とも呼ぶ。なお、防着板13には、プラズマ生成領域への基板5の導入を阻害しないように、第1の成膜室10aの入口11と同程度のサイズの開口入口部13eが設けられている。
第1の成膜室10aの底面には、基板5を水平に保持するための4本の保持軸12が略垂直に立てられている。各保持軸12は、第1の成膜室10aの底面に沿って配置されている防着板13を貫通して、プラズマ生成領域に突出している。各保持軸12は、その先端部が基板5の貫通孔6に嵌ることにより、基板5を保持する。
なお、各保持軸12は、基板5の設置のために第1の成膜室10aの室内に進入した搬送機構40の保持部43と緩衝しない位置に設けられている(図6(B))。また、各保持軸12は、防着板13とは電気的に絶縁されている。
ここで、第1の成膜室10aは、さらに、成膜処理のための構成部として、プラズマ発生用電源50と、原料ガス供給部60と、排ガス処理部65と、シリンダバルブ70と、を備えている。プラズマ発生用電源50は、保持軸12を介して基板5と電気的に接続されるとともに、防着板13と電気的に接続され、基板5と防着板13との間に、原料ガスをプラズマ化するための電場を生成する。なお、本実施例では、プラズマ発生用電源50は、基板5を負極とし、防着板13を陽極として電圧を印加する。
原料ガス供給部60は、原料ガスの貯蔵タンク(図示は省略)を備えており、配管61を介して、第1の成膜室10aの室内に配置されたシャワー管62に原料ガスを供給する。本実施例では、原料ガスとしてピリジン(py;C55N)が供給される。なお、シャワー管62は、プラズマ生成領域において、基板5の両面に沿って原料ガスを噴射可能なように構成されている。
排ガス処理部65は、排ガスを吸引するためのポンプ(図示は省略)を備え、配管66を介して、プラズマ生成領域に接続されている。排ガス処理部65は、成膜に用いられることのなかった原子を含む排ガスを、第1の成膜室10aの外部へと排出する。プラズマ生成領域における排ガスの吸引口は、原料ガスのシャワー管62の開口方向に対向して配置されている防着板13に設けられている。なお、排ガス処理部65は、真空化処理のための真空ポンプ15を利用して排ガスを吸引するものとしても良いし、排ガス吸引のための専用のポンプを備えるものとしても良い。
シリンダバルブ70は、第1の成膜室10aの入口11を封止する。シリンダバルブ70は、駆動部本体である筒部が真空予備室20の室外の上方に配置されており、シリンダ軸を第1の成膜室10aの入口11に向かって斜め上方から伸縮させる。シリンダ軸の先端には、弁体71が取り付けられており、第1の成膜室10aの入口11の外周には、弁体71を受け止める弁座72が設けられている。
シリンダバルブ70は、成膜処理前の基板5を第1の成膜室10aに搬入するとき、および、成膜処理後の基板5を第1の成膜室10aから搬出するときに、入口11を開く。また、シリンダバルブ70は、それら以外のときには、入口11が閉じられた状態を保持する。このように、シリンダバルブ70であれば、シリンダ軸の直線運動のみで、第1の成膜室10aの入口11の開閉を実行できるため、入口11の開閉動作の所要時間の短縮が可能である。
図7(A)〜(C)は、第1の成膜室10aへの基板5の搬入工程を工程順に示す概略図である。図7(A)〜(C)には、第1の成膜室10aと、真空予備室20の一部と、重力方向を示す矢印Gとが図6と同様に図示してある。また、図7(A),(B)には、搬送機構40の一部が図示してある。
基板5の搬入工程では、まず、搬送機構30が、伸縮アーム部42を回転移動させて、第1の成膜室10aの入口11の手前に基板5を搬送してきたときに、シリンダバルブ70を駆動させて、第1の成膜室10aの入口11を開く(図7(A))。そして、伸縮アーム部42を直線的に伸長させて、基板5が載置された保持部43を、第1の成膜室10a内のプラズマ生成領域に進入させる。
次に、伸縮アーム部42を重力方向下側にわずかに移動させて、基板5を保持軸12に係合させて保持させる(図7(B))。その後、伸縮アーム部42を収縮させて、保持部43を真空予備室20まで戻す。なお、伸縮アーム部42は、第2の成膜室10bから成膜済みの基板5を搬出させるために、すぐに、第2の成膜室10bの方へと回転移動させる。伸縮アーム部42が第1の成膜室10aの入口の手前から移動した直後に、シリンダバルブ70によって、第1の成膜室10aの入口11を閉じ、第1の成膜室10aにおける成膜処理を開始する。
第1の成膜室10a(図6)では、成膜処理は、以下のように実行される。プラズマ発生用電源50によって、プラズマ生成領域に電場を生成する。原料ガス供給部60によって、第1の成膜室10aへの原料ガスの供給を開始するとともに、排ガス処理部65を駆動させて、排ガスの外部への誘導を開始する。第1の成膜室10aの室温が、350℃〜400℃程度まで上昇すると、原料ガスのプラズマが生じ、プラズマ中の炭素原子の陽イオンが、陰極である基板5の表面に吸着され、炭素薄膜が形成される。
ところで、前記したとおり、成膜処理は高温な状態で実行されるため、基板5は、その耐熱性によっては、熱変形を生じてしまう可能性がある。しかし、本実施例のプラズマ成膜装置100であれば、第1の成膜室10aにおいて、基板5は、保持軸12の先端に載置されているのみであり、その外周端が開放されている。そのため、成膜処理中における基板5の、表面に沿った方向への熱膨張が阻害されて、基板5が変形してしまうことが抑制される。
成膜処理の実行後には、成膜処理後の基板5は、図7で説明したのと逆の手順で、第1の成膜室10aから搬出される。また、第1の成膜室10aから搬出された基板5は、搬送機構40によって、第1の基板導入部30aに搬送され、図3〜図5で説明したのと逆の手順で、真空予備室20から取り出される。
図8は、第1と第2の成膜室10a,10bにおける処理工程のタイムチャートを示す説明図である。本実施例のプラズマ成膜装置100では、第1と第2の成膜室10a,10bにおける成膜処理は交互に実行される。そして、一方の成膜室において成膜処理が実行されている間に、他方の成膜室では基板5の搬入・搬出が実行される。
具体的には、第1の成膜室10aにおいて成膜処理が実行されている間に、搬送機構40が第2の成膜室10bからの成膜処理済みの基板5の搬出、および、第2の成膜室10bへの成膜処理前の新しい基板5の搬入が実行される。また、第2の成膜室10bにおいて成膜処理が実行されている間には、搬送機構40が第1の成膜室10aからの成膜処理済みの基板5の搬出、および、第1の成膜室10aへの成膜処理前の新しい基板5の搬入が実行される。このように、本実施例のプラズマ成膜装置100であれば、複数の基板5に対して、連続的かつ効率的に成膜処理を実行することが可能である。
以上のように、本実施例のプラズマ成膜装置100では、搬送機構40の伸縮アーム部42の回転移動と、直線方向の伸縮運動と、によって、真空予備室20と第1または第2の成膜室10a,10bとの間の基板5の搬送が実行される。即ち、基板5の搬送が、簡易な構成の搬送機構40による無駄のない運動によって、迅速且つ効率的に実行される。また、搬送機構40の運動がほぼ水平面に沿った運動であるため、真空予備室20の高さを低減して小型化することが可能である。さらに、第1と第2の成膜室10a,10bについても、基板5の厚みに応じた高さと、基板5の幅に応じた横幅とで構成でき、小型化が可能である。
A1.第1実施例の他の構成例:
図9は、第1実施例のプラズマ成膜装置100の他の構成例を説明するための概略図である。なお、図9には、第1と第2の成膜室10a,10bを便宜上、並列に図示してある。上記第1実施例では、第1と第2の成膜室10a,10bのそれぞれが、真空ポンプ15や、プラズマ発生用電源50、原料ガス供給部60、排ガス処理部65を備えていた。しかし、第1と第2の成膜室10a,10bは、これらの各構成部50,60,65を共有するものとしても良い。
この構成例では、真空ポンプ15は、切替バルブ16を介して分岐した配管17によって、第1と第2の成膜室10a,10bのそれぞれに接続されている。なお、真空ポンプ15は、真空化処理の処理対象を、切替バルブ16によって切り替えることが可能であり、第1と第2の成膜室10a,10bの真空化処理を交互に実行することができる。
また、プラズマ発生用電源50は、切替スイッチ51を介して、第1と第2の成膜室10a,10bの保持軸12および防着板13に接続されている。原料ガス供給部60は、切替バルブ63を介して分岐した配管61によって、第1と第2の成膜室10a,10bに接続されている。排ガス処理部65は、切替バルブ67を介して分岐した配管66によって、第1と第2の成膜室10a,10bに接続されている。プラズマ発生用電源50、原料ガス供給部60、排ガス処理部65は、切替スイッチ51や、切替バルブ63,67の切替動作によって、成膜処理の実行タイミングに合わせて、それぞれの処理対象を切り替えることができる。
このように、この構成例のプラズマ成膜装置100であれば、第1と第2の成膜室10a,10bとの間で、成膜処理のための各構成部を共有しているため、装置の小型化が可能である。
B.第2実施例:
図10,図11は本発明の第2実施例としてのプラズマ成膜装置の構成を示す概略図である。図10には、第2実施例のプラズマ成膜装置300を、重力方向に沿って見たときの正面図を図示してある。図11には、第2実施例のプラズマ成膜装置300の第1の成膜処理系301を水平面に沿って見たときの側面図を図示してある。また、図10および図11には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。
このプラズマ成膜装置300は、プラズマCVD法による成膜処理を交互に実行する第1と第2の成膜処理系301,302を備える。なお、プラズマ成膜装置300の成膜対象である基板5は、第1実施例と同様に、燃料電池に用いられるセパレータ基材である。図10では、基板5を一点鎖線で図示してある。以下では、第1の成膜処理系301の構成について説明するが、第2の成膜処理系302の構成も同様である。
第1の成膜処理系301は、搬送機構310と、真空予備室320と、成膜室330とを備える。搬送機構310と、真空予備室320と、成膜室330とは、この順で直列に(一直線上に)連結されている。なお、真空予備室320は、基板5を収容可能な程度の容積で構成されていれば良く、成膜室330は、プラズマ生成領域を形成可能な程度の容積を有するように構成されていれば良い。
搬送機構310は、シリンダ軸311と、シリンダ筒312と、摺動部315とを備える。シリンダ筒312は、真空予備室320に向かって延伸して、真空予備室320の壁面に連結されている。なお、シリンダ筒312の内部空間と、真空予備室320の内部空間とは連通されている。
シリンダ軸311は、シリンダ筒312の筒内において、往復摺動可能なように配置されている。なお、シリンダ軸311の一方の端部は、真空予備室320に突出している。また、シリンダ軸311の、他方(シリンダ筒312に収容されている方)の端部には、磁石311mが設けられている。
摺動部315は、シリンダ筒312の外周において往復摺動可能に嵌められた環状のスライダである。摺動部315の内周側には、電磁石316が設けられている。搬送機構310では、摺動部315の電磁石316と磁石311mとの間の磁力を利用して、摺動部315とともにシリンダ軸311を往復運動させる。
真空予備室320は、搬送機構310の反対側に、成膜室330の入口335と連結される連通口321が設けられている。連通口321には、ゲートバルブ322が設けられている。ゲートバルブ322は、重力方向に沿って往復移動するシャッター322sによって、連通口321を開閉する。ゲートバルブ322は、真空予備室320の内部空間が外気に曝される場合には、事前に連通口321を閉じて成膜室330の真空状態を保持する。
真空予備室320の水平面に沿った重力方向上側の面には、基板5を真空予備室320内に導入するための基板導入口323が設けられている。図10では、基板導入口323の形成領域を破線で図示してある。基板導入口323は、可動式の外蓋部323cによって開閉される。なお、基板導入口323の外周には、外蓋部323cとの間のシール性を確保するためのシール部323sが配置されている。
真空予備室320の内部空間には、弁体324と、基板保持部325と、が収容されている。弁体324は、真空予備室320内に突出しているシリンダ軸311の端部に取り付けられている。弁体324は、シリンダ軸311の往復運動によって、真空予備室320内の、搬送機構310側の端部から成膜室330側の端部までの間を往復移動し、ゲートバルブ322が開いているときに、連通口321を密閉することができる。なお、弁体324の連通口321側の面には、気密性を確保するためのシール部324sが設けられている。
基板保持部325は、基板5を載置可能な枠(フレーム)状部材である。基板保持部325は、弁体324の連通口321側の面に接続・保持されており、弁体324が成膜室330側へと移動し、連通口321を閉塞するときには、成膜室330の内部空間に収容される。なお、基板保持部325には、基板5の貫通孔6に嵌り込む複数の突起部325pが設けられている。この突起部325pによって、基板保持部325の移動の際に、基板5の配置位置がずれてしまうことを抑制できる。
ここで、真空予備室320には、真空ポンプ326が接続されている。真空ポンプ326は、基板導入口323が閉じられているときに駆動し、真空予備室320を真空化する。なお、真空ポンプ326は、切替バルブ328を介して分岐した配管327によって第1と第2の成膜処理系301,302の両方の真空予備室320に接続されている。
成膜室330には、基板5の設置位置を囲むように防着板331が配置されて、プラズマ生成領域が形成されている。なお、防着板331には、プラズマ生成領域に基板5を導入するための開口部331eが、入口335と同程度の開口サイズで設けられている。また、成膜室330のプラズマ生成領域内には、基板5の両面に沿って原料ガスを流すことができるように構成されたシャワー管351が配置されている。
成膜室330は、さらに、真空ポンプ332と、プラズマ発生用電源340と、原料ガス供給部350と、排ガス処理部360とを備えている。真空ポンプ332は、切替バルブ334を介して分岐した配管333によって第1と第2の成膜処理系301,302の両方の真空予備室320に接続されており、各真空予備室320の真空状態を保持する。
プラズマ発生用電源340は、切替スイッチ341を介して、第1と第2の成膜処理系301,302の両方の成膜室330にプラズマ生成のための電力を供給可能に接続されている。具体的には、プラズマ発生用電源340は、各成膜室330の防着板331を陽極として、各成膜室330に収容された基板5を陰極として電力を供給する。
なお、プラズマ発生用電源340は、基板保持部325と電気的に接続されているものとしても良い。あるいは、プラズマ発生用電源340は、図示せざる端子によって、基板保持部325が成膜室330に収容されたときに、基板保持部325および基板5と電気的に接続されるものとしても良い。
原料ガス供給部350は、切替バルブ353を介して分岐した配管352によって、第1と第2の成膜処理系301,302の成膜室330のそれぞれに配置されたシャワー管351に接続されている。排ガス処理部360は、切替バルブ362を介して分岐した配管361によって第1と第2の成膜処理系301,302の成膜室330におけるプラズマ生成領域に接続されている。
このように、第2実施例のプラズマ成膜装置300では、真空ポンプ326,332や、プラズマ発生用電源340、原料ガス供給部350、排ガス処理部360を、2つの成膜処理系301,302で共有しているため、装置の小型化が可能である。
図12(A),(B),図13(A),(B)は、プラズマ成膜装置300における成膜室330への基板5の搬送工程を工程順に示す概略図である。図12(A),(B),図13(A),(B)にはそれぞれ、図11と同様な第1の成膜処理系301の側面図を図示してある。なお、以下では、第1の成膜処理系301における基板5の搬送工程について説明するが、第2の成膜処理系302における基板5の搬送工程も同様である。
まず、外蓋部323cを基板導入口323から移動させて真空予備室320の室内が外気に曝された状態とし、基板5を、基板導入口323から真空予備室320に導入し、基板保持部325の上に配置する(図12(A))。なお、このときには、ゲートバルブ322を閉じた状態にして、成膜室330の真空状態を保持しておく。
次に、外蓋部323cによって基板導入口323を閉塞させるとともに、真空ポンプ326を駆動させて、真空予備室320を真空状態にする(図12(B))。そして、ゲートバルブ322を開き、シリンダ軸311を伸長させて、成膜室330のプラズマ生成領域内に内基板5を直線的に移動させる(図13(C))。なお、基板5がプラズマ生成領域の所定の設置位置に到達すると、シリンダ軸311に取り付けられた弁体324によって、成膜室330は密閉される。
この状態で、基板5に対して成膜処理が実行される。成膜処理の詳細については、第1実施例と同様であるため省略する。なお、第2実施例のプラズマ成膜装置300においても、基板5は、その外周端が開放された状態で、基板保持部325に載置されている。そのため、基板5の表面に沿った方向への熱膨張が阻害されず、基板5の変形が抑制される。
成膜処理が完了した後には、シリンダ軸311を短縮(後退)させて、成膜室330から成膜済みの基板5を搬出し、ゲートバルブ322を閉じる(図13(D))。その後、真空予備室320にガスを導入して、その真空状態を解除し、外蓋部323cを基板導入口323から移動させ、基板5を真空予備室320から取り出す。
なお、第2実施例のプラズマ成膜装置300では、第1実施例のプラズマ成膜装置100と同様な手順(図8)で、第1と第2の成膜処理系301,302が交互に成膜処理を実行する。従って、複数の基板5に対して、連続的かつ効率的に成膜処理を実行することが可能である。
以上のように、第2実施例のプラズマ成膜装置300であれば、搬送機構310のシリンダ軸311による直線的な往復運動によって、成膜室330に対する基板5の搬送が無駄なく迅速に実行される。また、第2実施例のプラズマ成膜装置300では、真空予備室320が、基板5を収容可能な程度の容積しか有していないため、基板5を成膜室330に搬入する前に実行される真空化処理の所要時間を短縮できる。さらに、基板5を成膜室330に収容するとともに弁体324によって成膜室330が密閉されるため、成膜室330の開閉処理の所要時間が短縮される。また、第2実施例のプラズマ成膜装置300であれば、真空予備室320も成膜室330も最小限度の容積で構成することができるため、装置構成を小型化することができる。
C.第3実施例:
図14は本発明の第3実施例としてのプラズマ成膜装置300Aの構成を示す概略図である。図14に図示された第1と第2の成膜処理系301,302は、基板保持部325に換えて基板保持部325Aが設けられている点と、配置方向が異なる点以外は、第2実施例で説明した第1と第2の成膜処理系301,302と同様な構成を有している。
なお、図14では、図10,図11に示された各構成部と同じ構成・機能を有する構成部には同じ符号を付して示してある。また、図14には、重力方向を示す矢印Gを図示してある。
第3実施例のプラズマ成膜装置300Aは、第2実施例のプラズマ成膜装置300と同様な第1と第2の成膜処理系301,302を備えている。ただし、第1と第2の成膜処理系301,302は、基板5の搬送方向が重力方向と平行になるように、搬送機構310を重力方向上側とし、成膜室330を重力方向下側として配置されている。
また、第3実施例のプラズマ成膜装置300Aでは、シリンダ軸311に連結されている基板保持部325Aは、先端にフック状の係合部325fを備えている。基板保持部325Aは、その係合部325fを、基板5の貫通孔6に係合させて、基板5を吊り下げて保持する。
このように、第3実施例のプラズマ成膜装置300Aでは、基板5は、重力方向に平行に直線的に移動するのみで、成膜室330のプラズマ生成領域に搬入される。そして、基板保持部325Aの係合部325fに吊り下げられたまま成膜処理が実行される。
図15(A)〜(C)は、基板5を重力方向に沿って吊り下げた状態で成膜処理を実行することによる効果を説明するための模式図である。図15(A)には、第2実施例のプラズマ成膜装置300の成膜室330において、基板5が基板保持部325の上に水平に配置されている状態を図示してある。
プラズマCVD法による成膜処理は高温(350℃以上)で実行されるため、基板5は熱変形を生じやすい状態となる。そのため、第2実施例のように、基板5を水平に保持している場合には、基板5の耐熱性やサイズ、厚みによっては、重力によって撓みを生じてしまう可能性がある。こうした基板5の撓みを抑制するためには、図15(B)の矢印で示す方向に、基板5に対して引っ張り方向の外力を付与する機構を設けることが望ましい。
しかし、そのような外力付与機構を設けることは、成膜装置の構成を複雑化させたり、大型化させたりする原因となる。また、引っ張り外力の付与によって、確実に基板5の撓みを抑制するためには、基板5に付与する引っ張り外力を、基板5の温度変化に応じて制御するなど、複雑な制御が必要となる可能性もある。
これに対して、第3実施例のプラズマ成膜装置300Aであれば、基板5は重力方向に沿って吊り下げられているため、成膜処理において加熱された場合であっても、図15(A)のような撓みを生じることが抑制される。従って、成膜処理後の基板5における変形が抑制され、成膜状態も良好となる。
また、成膜室330において、基板5が水平に配置されている場合には、成膜処理中に、防着板331に付着して堆積されたカーボン膜CDなどが重力によって基板5の表面に落下してしまう可能性がある(図15(A))。この場合には、基板5の表面の一部が、カーボン膜CDによってマスクされた状態で、成膜処理行われることになるため、図15(C)に示すように、処理後の基板5の表面に成膜ムラCBが生じてしまう可能性がある。
これに対して、第3実施例のプラズマ成膜装置300Aであれば、基板5は重力方向に沿って吊り下げられているため、防着板13に堆積されたカーボン膜が基板5の表面に落下することが抑制されている。従って、基板5に成膜ムラが生じることが抑制され、その成膜状態が良好となる。
さらに、第3実施例のプラズマ成膜装置300Aであれば、基板5は、貫通孔6に係合部325fが係合することにより保持されているのみである。そのため、チャック部などによって基板5を狭持して把持する場合よりも、基板5に付与される外力が低減されており、基板5の保持機構による変形が抑制される。
以上のように、第3実施例のプラズマ成膜装置300Aであれば、重力方向に沿った簡易な直線運動によって、成膜室330に対する基板5の搬送が効率的に実行される。また、基板5を保持する基板保持部325Aが先端に係合部325fを有するのみの簡易な構成であるため、真空予備室320や成膜室330をより小型化することが可能である。さらに、上述したように、成膜処理中における基板5の熱変形や、汚れの付着による成膜ムラの発生が抑制される。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例のプラズマ成膜装置100,300,300Aでは、基板5に炭素薄膜を形成していた。しかし、プラズマ成膜装置100,300,300Aは、炭素薄膜以外の他の種類の薄膜を、基板5の外表面に成膜するものとしても良い。例えば、プラズマ成膜装置100は、金や、白金、タンタルなどの金属元素の薄膜を成膜するものとしても良い。
D2.変形例2:
上記実施例のプラズマ成膜装置100,300,300Aでは、燃料電池のセパレータの基材として用いられる基板5を成膜対象としていた。しかし、成膜対象となる基板は、他の用途に用いられるものであっても良い。また、基板5には、貫通孔6が設けられていなくとも良い。
D3.変形例3:
上記第1実施例のプラズマ成膜装置100では、第1と第2の成膜室10a,10bを備えていた。しかし、第1実施例のプラズマ成膜装置100は、第1の成膜室10aのみ備えるものとしても良いし、さらに、複数の成膜室を備えているものとしても良い。また、第1と第2の成膜室10a,10bでは、交互に成膜処理が実行されていたが、第1と第2の成膜室10a,10bでは、交互に成膜処理が実行されなくとも良い。
D4.変形例4:
上記第2実施例および第3実施例のプラズマ成膜装置300,300Aは、成膜処理を交互に実行する第1と第2の成膜処理系301,302を備えていた。しかし、第2実施例および第3実施例のプラズマ成膜装置300,300Aは、第1の成膜処理系301のみを備えるものとしても良い。また、第1と第2の成膜処理系301,302では、交互に成膜処理が実行されなくとも良い。
D5.変形例5:
上記第2実施例および第3実施例では、第1と第2の成膜処理系301,302の間で、真空予備室320用の真空ポンプ326や、成膜室330用の真空ポンプ332、プラズマ発生用電源340、原料ガス供給部350を共有していた。しかし、第1と第2の成膜処理系301,302は、それらの構成部をそれぞれに備えているものとしても良い。
D6.変形例6:
上記第3実施例では、基板5が基板保持部325Aの係合部325fに吊り下げられて保持されていた。しかし、基板保持部325Aは、係合部325f以外の構成(例えば、チャック部など)により、基板5を保持するものとしても良い。
E.比較例:
図16(A)は、本発明の比較例としてのプラズマ成膜装置400の構成を示す概略図である。この比較例のプラズマ成膜装置400は、成膜室422の前段と後段とにそれぞれ第1と第2の真空予備室421,423が設けられている。成膜室422と、第1と第2の真空予備室421,423との間にはそれぞれ、ゲートバルブ430が設けられている。
比較例のプラズマ成膜装置400では、成膜対象である基板5は、枠状の支持部材411によって支持された状態で、搬送部412に載置される。そして、搬送部412は、基板5を載置したまま、自身の備えるローラ機構413によって移動することにより、第1の真空予備室421から成膜室422への基板5の搬入と、成膜室422から第2の真空予備室423への基板5の搬出とを実行する。
この比較例のプラズマ成膜装置400では、成膜処理の際に、成膜室422に基板5とともに搬送部412が収容される。従って、搬送部412の収容空間を確保するために、成膜室422が大型化してしまう。また、成膜処理の際に生じた汚れの原因物質が、搬送部412に付着し、搬送部412を劣化させてしまう可能性がある。また、搬送部412に付着した汚れの原因物質が、隣接する真空予備室421,422に移動し、真空予備室421,422を汚染・劣化させてしまう可能性がある。
これに対して、上記実施例のプラズマ成膜装置100,300,300Aであれば、基板5を搬送する搬送機構の全体または一部が成膜室の外部に配置されている。そのため、成膜室を小型化することが可能である。また、搬送機構によって、真空予備室に汚れの原因物質が運搬されることを抑制できる。
図16(B)は、比較例のプラズマ成膜装置400におけるゲートバルブ430の開閉機構を説明するための概略図である。比較例のプラズマ成膜装置400では、ゲートバルブ430が閉じているときには、その弁体431は成膜室422の入口部に向かって押しつけられた状態となる(紙面左側の図)。
そして、ゲートバルブ430が開くときには、弁体431が一旦、成膜室422の入口部から離間するように移動した後、当該入口部からオフセットする方向に移動する二段階の移動が実行される(紙面右側の図)。このように、比較例のプラズマ成膜装置400では、ゲートバルブ430の開閉が二段階の運動によって行われるため、その開閉動作の所要時間が長くなる。
これに対して、上記第1実施例のシリンダバルブ70であれば、斜め上方への弁体71の直線的な移動のみで第1と第2の成膜室10a,10bの開閉が実行される。また、第2実施例および第3実施例のプラズマ成膜装置300,300Aであれば、弁体324の直線的な移動により、連通口321の開閉が実行される。従って、その開閉動作の所要時間が比較例よりも短縮される。また、開閉動作の所要時間が短縮される分だけ、真空予備室へのカーボン中間体の漏洩や、排熱の伝搬などが抑制される。
F.参考例:
図17は基板5の使用用途の一例としての燃料電池500を説明するための概略図である。図17は、燃料電池500の構成を示す概略図である。この燃料電池500は、反応ガスとして水素(燃料ガス)と酸素(酸化ガス)の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。なお、燃料電池500は、固体高分子形燃料電池でなくとも良く、セパレータを備えた他の種類の燃料電池であるものとしても良い。
燃料電池500は、膜電極接合体510と、セパレータ520とが交互に積層されたスタック構造を有する。膜電極接合体510は、電解質膜511の外側に2つの電極512,513が設けられた発電体である。電解質膜511は、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を示すイオン交換膜によって構成される。
各電極512,513はそれぞれ、電解質膜511の外表面に形成されたガス拡散性を有する電極であり、電気化学反応を促進するための触媒が担持されている。各電極512,513は、例えば、白金担持カーボンによって構成することができる。各電極512,513の外側の面には、ガス拡散層515が設けられている。ガス拡散層515は、炭素繊維などの導電性およびガス透過性・ガス拡散性を有する多孔質の繊維基材や、いわゆるエキスパンドメタルなどの金属加工板によって構成することができる。
膜電極接合体510の外周端には、当該外周端を被覆するようにシール部530が形成されている。シール部530は、反応ガスがシール部530に囲まれた領域から漏洩することを防止するとともに、膜電極接合体510を狭持するセパレータ520同士の間の短絡を防止する。なお、シール部530には、各膜電極接合体510に反応ガスを供給するためのマニホールドが形成されるが、その図示および説明は省略する。
セパレータ520は、それぞれが各電極512,513と対向するように配置される2枚のプレート521,522を備える。2つのプレート521,522の間には、反応ガスや冷媒のための流路を構成する流路形成層523が形成されている。各プレート521,522は、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成することができる。流路形成層523は樹脂フィルムと導電性部材とを組み合わせて構成されるものとしても良いし、金属材料を各プレート521,522の外表面に付着させて形成されるものとしても良い。
ここで、セパレータ520は、反応ガスや冷媒のための流路が形成された流体流路として機能する。即ち、セパレータ520を構成する各プレート521,522は、燃料電池500に供給される水素をはじめとする各流体や、燃料電池500で生成される水分と、高温環境下(例えば80℃程度)で直接的に接触する。そのため、セパレータ520の各プレート521,522は、耐腐食性が向上されることが好ましい。
また、セパレータ520の各プレート521,522は、膜電極接合体510における発電反応で生じた水分を発電領域から円滑に誘導するために、親水性が向上されていることが好ましい。さらに、セパレータ520は、膜電極接合体510で発電された電気の導電パスとしても機能するため、各プレート521,522は、その表面抵抗が低減されることが好ましい。
そこで、上記実施例で説明したプラズマ成膜装置100,300,300Aによって、セパレータ520を構成するための基板5の外表面を炭素薄膜によってコーティングすることにより、そうしたセパレータ520の耐腐食性や導電性を向上させることができる。特に、本実施例で説明したプラズマ成膜装置100,300,300Aであれば、基板5の変形が抑制された状態で、厚みが均一な薄膜を形成することができる。そのため、セパレータ520と、それに隣接する各構成部との接触状態を良好にでき、燃料電池500の発電性能を向上させることができる。
10a…第1の成膜室
10b…第2の成膜室
11…入口
12…保持軸
13…防着板
13e…開口入口部
15…真空ポンプ
16…切替バルブ
17…配管
20…真空予備室
21…中心
22…上面
22t…貫通孔
25…真空ポンプ
30…搬送機構
30a…第1の基板導入部
30b…第2の基板導入部
31…基板載置台
31p…ピン
32…昇降機構
32s…支持軸
32d…支持軸駆動部
33…上蓋部
35…収容室
40…搬送機構
41…回転基台
42…伸縮アーム部
43…保持部
44…突起部
50…プラズマ発生用電源
51…切替スイッチ
60…原料ガス供給部
61…配管
62…シャワー管
63…切替バルブ
65…排ガス処理部
66…配管
67…切替バルブ
70…シリンダバルブ
71…弁体
72…弁座
100,300,300A…プラズマ成膜装置
301…第1の成膜処理系
302…第2の成膜処理系
310…搬送機構
311…シリンダ軸
311m…磁石
312…シリンダ筒
315…摺動部
316…電磁石
320…真空予備室
321…連通口
322…ゲートバルブ
322s…シャッター
323…基板導入口
323c…外蓋部
323s…シール部
324…弁体
324s…シール部
325,325A…基板保持部
325f…係合部
325p…突起部
326…真空ポンプ
327…配管
328…切替バルブ
330…成膜室
331…防着板
331e…開口部
332…真空ポンプ
333…配管
334…切替バルブ
335…入口
340…プラズマ発生用電源
341…切替スイッチ
350…原料ガス供給部
351…シャワー管
352…配管
353…切替バルブ
360…排ガス処理部
361…配管
362…切替バルブ
400…プラズマ成膜装置
411…支持部材
412…搬送部
413…ローラ機構
421…第1の真空予備室
422…成膜室
423…第2の真空予備室
430…ゲートバルブ
431…弁体
500…燃料電池
510…膜電極接合体
511…電解質膜
512,513…電極
515…ガス拡散層
520…セパレータ
521,522…プレート
523…流路形成層
530…シール部
CB…成膜ムラ
CD…カーボン膜

Claims (9)

  1. プラズマ成膜装置であって、
    真空状態に保持され、基板に対する成膜処理が実行される成膜室と、
    前記成膜室に隣接し、前記成膜室に対する前記基板の搬入および搬出を行う搬送機構が設置され、少なくとも、前記成膜室に対する前記基板の搬入および搬出が実行されるときには、真空状態に保持される真空予備室と、
    を備え、
    前記搬送機構は、
    前記基板を保持する保持部と、
    直線的な伸縮運動によって、前記保持部を、前記真空予備室と前記成膜室との間で移動させる支持腕部と、
    を備える、プラズマ成膜装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記支持腕部には、前記基板が前記成膜室内に搬入されたときに、前記成膜室と前記真空予備室とを連結する搬送口を封止するキャップ部が設けられており、
    前記成膜室では、前記保持部に保持されたままの前記基板に対して成膜処理が実行される、プラズマ成膜装置。
  3. 請求項2記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記真空予備室は、前記成膜室の重力方向上側に設置されており、
    前記保持部は、表面が前記重力方向に平行になる配置角度で、前記基板を保持し、
    前記支持腕部は、重力方向に平行に伸縮運動することにより、前記基板を前記配置角度のまま、前記成膜室へ搬入する、プラズマ成膜装置。
  4. 請求項3記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記基板には予め貫通孔が形成されており、
    前記保持部は、前記貫通孔に係合する係合部を備え、前記係合部に前記基板を吊り下げて保持する、プラズマ成膜装置。
  5. 請求項2から4のいずれか一項に記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記成膜室は、互いに並列に配置され、真空状態を保持するための共通の真空ポンプを備える、第1と第2の成膜室を含み、
    前記真空予備室は、前記第1と第2の成膜室のそれぞれに隣接して、互いに並列に配置され、真空状態を作るための共通の真空ポンプを備える、第1と第2の真空予備室を含む、プラズマ成膜装置。
  6. 請求項5記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記第1と第2の成膜室では、交互に成膜処理が実行され、
    前記第1の成膜室において成膜処理が実行されているときに、
    前記第2の真空予備室の前記搬送機構は、前記第2の成膜室において成膜された処理済みの基板を前記第2の成膜室から搬出し、前記第2の真空予備室において、前記処理済みの基板と、成膜処理前の新しい基板とが取り替えられ、前記第2の真空予備室が真空化された後に、前記新しい基板を前記第2の成膜室へ搬入する、プラズマ成膜装置。
  7. 請求項1記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記成膜室は、交互に成膜処理が実行される第1と第2の成膜室を含み、
    前記搬送機構は、前記第1の成膜室において成膜処理が実行されているときに、前記第2の成膜室への前記基板の搬入を実行する、プラズマ成膜装置。
  8. 請求項7記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記真空予備室は、室外に、前記基板を収容可能な程度の容積を有する基板収容室を備え、
    前記基板収容室は、外部から前記基板を収容するために開閉する入口部と、前記基板収容室から前記真空予備室へと前記基板を導入するために開閉する出口部と、を備え、
    前記基板収容室は、
    (i)外部から前記基板が収容される際には、前記出口部を閉じるとともに、前記入口部を開き、
    (ii)前記基板が前記基板収容室に収容されたときには、前記出口部を閉じたまま、前記入口部を閉じ、
    (iii)前記基板を前記基板収容室から前記真空予備室に導入する際には、前記入口部を閉じたまま、前記出口部を開く、プラズマ成膜装置。
  9. 請求項7または請求項8記載のプラズマ成膜装置であって、
    前記第1と第2の成膜室は、真空状態を保持するための共通の真空ポンプを備えている、プラズマ成膜装置。
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