JP2013234377A - 溶融めっき浴の温度制御方法及び温度制御設備並びに溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】めっき浴の温度変動を低減することが可能な溶融めっき浴の温度制御方法及び温度制御設備を提供する。
【解決手段】溶融めっき浴の温度を、インゴット投入位置の近傍である第1位置、及び、めっきされる基材の侵入位置の近傍である第2位置を含む少なくとも2箇所で測定し、第1位置で測定された温度に基づいて第1位置のめっき浴温を制御し、第2位置で測定された温度に基づいて第2位置のめっき浴温を制御する、溶融めっき浴の温度制御方法とし、第1位置の溶融めっき浴の温度を測定する第1温度測定手段と、第2位置の溶融めっき浴の温度を測定する第2温度測定手段と、溶融めっき浴の第1位置を加熱可能な第1加熱手段と、溶融めっき浴の第2位置を加熱可能な第2加熱手段と、を備え、第1加熱手段が第1温度測定手段の測定結果に基づき出力制御され、第2加熱手段が第2温度測定手段の測定結果に基づき出力制御される、溶融めっき浴の温度制御設備とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融めっき製品を製造する際の溶融めっき浴の温度制御方法及び設備、並びに、これを用いる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び製造装置に関する。本発明は、特に、連続溶融めっき鋼板製造ライン(CGL)における溶融亜鉛めっき鋼板の製造時等において、めっき浴中のドロス発生を抑制するのに有効な、溶融めっき浴の温度制御方法及び装置、並びに、これを用いる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び製造装置に関する。
溶融亜鉛めっき鋼板は、安価な防錆鋼板として、家電、建材、家具等様々な用途に適用されている。とりわけ、溶融亜鉛めっき後にめっき層をFe−Zn合金化処理した合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車用途に広く使用されている。一方で、自動車用途特にボディーパネル等の外装用途では、鋼板の表面品質に対する要求が厳しい。
この表面品質に影響を及ぼすものの一つに、溶融亜鉛めっきを施す際にめっき槽内で発生するドロスが挙げられる。溶融亜鉛めっき作業中、母材は溶融亜鉛めっき浴に浸漬され、浸漬されている間に母材から少量のFe原子が浴中に溶出する。「ドロス」とは、この溶出したFe原子が浴中のZnやAlと反応して金属間化合物等を形成し、それが粒状に凝集成長したものである。鋼板にドロスが付着すると、外観が損なわれるうえ、プレス成形時に鋼板に押し込まれて反対面にプリントスルーと称される外観不良が発生する要因になる。このように表面欠陥(ドロス欠陥)の原因になるため、ドロスが付着した鋼板は外観が重要視される用途には使用できない。
ドロス欠陥対策の一つは、溶融亜鉛めっき浴の温度変動、特に温度低下を抑えることである。ドロス(例えば、めっき浴中に固溶していたFeとZnとが反応して生成されるFe−Znドロス。以下において同じ。)は、温度が低下するたびに粒状に凝集する。したがって、めっき浴温変動をなるべく小さく保つことがドロス欠陥対策として非常に重要である。
溶融亜鉛めっき浴の温度制御方法としては、ポット側面又はポット底部に加熱装置(インダクター)を設置し、浴温の代表点(1点)を参考として一定時間あたりの出力量を調整管理、制御するのが一般的である。
また、特許文献1には、溶融亜鉛めっき浴におけるドロスの発生を抑制する技術が開示されている。特許文献1に開示されている技術では、浴中の深さ方向に異なる、めっき浴上部とめっき浴下部の2箇所の浴温を測定し、それらの温度差を5℃以下に管理するために、(a)めっき浴撹拌装置、(b)側部インダクター出力、及び、(c)底部インダクター出力から選ばれる1種又は2種以上を制御している。
特開2001−107208号公報
溶融めっき浴(以下において、「めっき浴」ということがある。)の温度変化の要因のとして、めっき浴に侵入する基材鋼板とめっき浴との温度差、めっき浴の補充のために投入されるインゴットとめっき浴との温度差、及び、インゴットの融解熱による温度低下が挙げられる。このうち、基材鋼板の温度をめっき浴温度とほぼ同等として操業することはある程度可能だが、めっき浴とインゴットとの温度差をゼロにすることや、インゴットの融解熱による温度低下を防止することは困難である。インゴットをめっき浴へ投入すると、めっき浴温が急激に下がるため、ドロスの発生が懸念される。特許文献1に開示されている技術では、めっき浴の上部及び下部の2箇所で温度を測定し、その結果を用いてめっき浴上部と下部との温度差を5℃以下に低減している。ここで、めっき浴の温度は、インゴットの投入時に低下しやすく、インゴット投入位置近傍における温度低下が顕著である。ところが、特許文献1に開示されている技術では、測温位置とインゴット投入位置との距離を考慮していない。特許文献1に開示されている技術を用いて、めっき浴の上部及び下部の温度を単に測定しても、測温位置とインゴット投入位置との距離を考慮しなければ、インゴット投入位置近傍における温度低下を低減することは困難である。それゆえ、特許文献1に開示されている技術では、めっき浴の温度変動を低減し難かった。
そこで、本発明は、溶融めっき浴の温度変動を従来よりも低減することが可能な溶融めっき浴の温度制御方法及び温度制御設備、並びに、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法及び製造装置を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、溶融めっき浴の温度を、インゴット投入位置の近傍である第1測温位置、及び、めっきされる基材の溶融めっき浴への侵入位置の近傍である第2測温位置を含む少なくとも2箇所で測定し、第1測温位置で測定された温度に基づいて、溶融めっき浴の第1測温位置の温度を制御し、第2測温位置で測定された温度に基づいて、溶融めっき浴の第2測温位置の温度を制御する、溶融めっき浴の温度制御方法である。
ここに、本発明の第1の態様及び以下に示す本発明の他の態様(以下において、これらをまとめて単に「本発明」ということがある。)において、「インゴット投入位置の近傍」とは、めっき浴へ向けて投入されたインゴットがめっき浴へと侵入する部位であるインゴット投入位置との距離が100mm以上500mm以下である領域を言う。また、本発明において、「侵入位置の近傍」とは、めっき浴の代表的な温度(インゴット投入位置の近傍以外の部位におけるめっき浴の代表的な温度)を測定可能な領域をいう。本発明において、「侵入位置の近傍」は、例えば、インゴット投入位置よりも、めっき浴へと浸漬される基材(めっきされる基材)がめっき浴へと侵入する部位である侵入位置に近い領域とすることができ、例えば、侵入位置との距離が100mm以上1500mm以下の領域とすることができる。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様にかかる溶融めっき浴の温度制御方法によって温度を制御される溶融亜鉛めっき浴で、鋼板に溶融亜鉛めっきを施す工程を有する、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
本発明の第3の態様は、インゴット投入位置の近傍における溶融めっき浴の温度を測定する第1温度測定手段と、めっきされる基材の溶融めっき浴への侵入位置の近傍における溶融めっき浴の温度を測定する第2温度測定手段と、溶融めっき浴の上記インゴット投入位置の近傍を加熱可能な第1加熱手段と、溶融めっき浴の上記侵入位置の近傍を加熱可能な第2加熱手段と、を備え、第1加熱手段は第1温度測定手段の測定結果に基づき出力制御され、第2加熱手段は第2温度測定手段の測定結果に基づき出力制御される、溶融めっき浴の温度制御設備である。
本発明の第4の態様は、溶融亜鉛めっき浴と、上記本発明の第3の態様にかかる溶融めっき浴の温度制御設備とを備える、溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置である。
本発明では、インゴット投入位置の近傍(第1測温位置)のめっき浴温、及び、侵入位置の近傍(第2測温位置)のめっき浴温をそれぞれ制御するので、インゴット投入時においてもめっき浴の温度変動を低減することが可能になる。これにより、特に溶融亜鉛めっき鋼板製造時には、製品(溶融亜鉛めっき鋼板)へのドロス付着を低減することができ、ドロス欠陥の発生を低減することが可能になる。したがって、本発明を溶融亜鉛めっき鋼板の製造に適用することにより、自動車や家電等の構成部品として好適な、良好な表面品質特性を備えた溶融亜鉛めっき鋼板を効率的に製造することが可能になる。
溶融めっき浴の温度制御設備10及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置100を簡略化して示す上面図である。 溶融めっき浴の温度制御設備10及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置100を簡略化して示す側面図である。 本発明例による、侵入位置の近傍における浴温の変動結果を示す図である。 従来例による、侵入位置の近傍における浴温の変動結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
図1及び図2は、本発明の溶融めっき浴の温度制御設備10及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置100を説明する図である。図1は温度制御設備10及び製造装置100を簡略化して示す上面図であり、図2は温度制御設備10及び製造装置100を簡略化して示す側面図である。
図1及び図2に示した製造装置100は、溶融亜鉛1及び該溶融亜鉛1を貯留する溶融亜鉛めっき浴ポット2を有する溶融亜鉛めっき浴3と、溶融亜鉛めっきを施される鋼板4を溶融亜鉛めっき浴3へと導くスナウト5と、溶融亜鉛めっき浴3へと導かれた鋼板4に接触するシンクロール6と、溶融亜鉛めっき浴3へと投入されたインゴットを保持可能な受け部7と、温度制御設備10と、を備えている。温度制御設備10は、受け部7の近傍を加熱可能なインダクター(加熱手段)8a、8b、及び、鋼板4が溶融亜鉛めっき浴3へと侵入する位置の近傍(侵入位置の近傍)を加熱可能なインダクター(加熱手段)8c、8dを備え、さらに、受け部7の近傍における溶融亜鉛めっき浴3の温度を測定可能な温度計9a、9b、及び、侵入位置の近傍における溶融亜鉛めっき浴3の温度を測定可能な温度計9c、9dを備えている。温度計9a、9b、9c、9dの一端は溶融亜鉛めっき浴3へと挿入されている。図1に示したように、インダクター8a、8b、8c、8dは、溶融亜鉛めっき浴3の周囲に配置されている。受け部7側に配置されているインダクター8a、8bは、温度計9a、9bによる測定結果に基づいて出力が制御され、侵入位置の近傍に配置されているインダクター8c、8dは、温度計9c、9dによる測定結果に基づいて出力が制御される。
製造装置100では、溶融亜鉛めっき浴3のほぼ中央で、鋼板4が溶融亜鉛めっき浴3へと侵入し、インゴットは、鋼板4の進行方向の後方(図1の紙面右側)から溶融亜鉛めっき浴3へと投入される。溶融亜鉛めっき浴ポット2のインゴット投入位置側には、格子状のインゴット受け(受け部7)が備えられ、溶融亜鉛めっき浴3へと投入されたインゴットが直ちに溶融亜鉛めっき浴ポット2の底に落下しないようにされている。溶融亜鉛めっき浴3は、その周囲に配置されている4つのインダクター8a、8b、8c、8dによって加熱、保温されている。温度計9a、9b、9c、9dは、上側から溶融亜鉛めっき浴3へと垂直に挿入されており、溶融亜鉛めっき浴3へと挿入されている温度計9a、9b、9c、9dの一端は、溶融亜鉛めっき浴ポット2の深さを1とした場合、浴面より0.2以上0.6以下の深さに設置されている。
製造装置100では、受け部7の近傍に設置された温度計9a、9bによって、インゴット投入時の浴温低下を即座に感知することが可能である。ここで、受け部7の近傍とは、インゴット投入位置からの距離が100mm以上500mm以下の領域を言う。投入されたインゴットに近すぎる位置に温度計を配置すると、浴温の変動を過敏に検出してしまい、インダクターの出力変動が過度になってしまう。この場合、溶融亜鉛めっき浴ポット2内の対流が乱れ、溶融亜鉛めっき浴ポット2の底部に堆積しているボトムドロスXを巻き上げ、これを撹拌してしまう可能性があり、ボトムドロスXが攪拌されると鋼板品質に悪影響を及ぼす。したがって、かかる事態を回避して、鋼板4に付着するドロスを低減しやすい形態にする等の観点から、受け部7の近傍に設置される温度計9a、9bとインゴット投入位置との距離は100mm以上とする。また、受け部7の近傍に設置される温度計とインゴット投入位置とが離れすぎていると、インゴット投入時の部分的な浴温低下を即座に感知し難い。その結果、浴温が低下した箇所においてドロスが発生しやすく、鋼板にドロスが付着しやすくなる。そこで、かかる事態を回避して、鋼板4に付着するドロスを低減しやすい形態にする等の観点から、受け部7の近傍に設置される温度計9a、9bとインゴット投入位置との距離は500mm以下とする。
また、製造装置100では、侵入位置の近傍に設置された温度計9c、9dによって、侵入位置の近傍の浴温を測定している。ここで、侵入位置の近傍とは、溶融亜鉛めっき浴3の代表的な温度(インゴット投入位置の近傍以外の溶融亜鉛めっき浴3の部位における代表的な温度)を測定可能な領域をいう。溶融亜鉛めっき浴3へと浸漬される鋼板4が溶融亜鉛1へと侵入する位置(侵入位置)に近すぎる箇所で浴温を測定すると、侵入する鋼帯(鋼板4)の温度の影響を受ける虞があるため、温度計9c、9dは侵入位置から所定の距離(例えば100mm)以上離れていることが好ましい。また、温度計9c、9dが侵入位置から遠く離れた箇所に配置されていても大きな問題はないが、投入されるインゴットやインダクター8a、8b、8c、8dの影響を受け難くする観点から、温度計9c、9dと侵入位置との距離は、例えば1500mm以下とすることが好ましい。
また、浴面の表層の温度低下及びインダクター突出部の熱影響を受け難い深さにすることにより、ドロスの発生量を低減しやすい浴温制御を可能にする等の観点から、溶融亜鉛めっき浴3へと挿入されている温度計9a、9b、9c、9dの一端は、溶融亜鉛めっき浴ポット2の深さを1とした場合、浴面より0.2以上0.6以下の深さに設置されている。
本発明において、溶融めっき浴の温度制御に利用される、溶融めっき浴の温度を測定するタイミング(インゴット投入後の経過時間)は、特に限定されない。ただし、溶融めっき浴の温度変動を低減しやすい形態にする等の観点から、温度低下を感知した瞬間から溶融めっき浴の温度が元の温度に戻るまでの間、より具体的には、インゴットの投入直後に測定した溶融めっき浴の温度を用いて、溶融めっき浴の温度を制御することが好ましい。
また、本発明において、温度を制御される溶融めっき浴の組成は特に限定されない。本発明は、例えば、浴中アルミニウム濃度が0.05wt%以上0.2wt%以下である溶融めっき浴の温度変動を低減する際に、特に有効である。
本発明では、例えば、温度計9aによる温度測定結果を用いて、インダクター8a、8bの出力を制御し、温度計9cによる温度測定結果を用いて、インダクター8c、8dの出力を制御する。このように、温度変化が大きいインゴット投入位置の近傍の温度と、めっき浴の中央位置付近の温度とを分けて制御することにより、溶融亜鉛めっき浴3全体としてより均一かつ効果的にめっき浴温の変動を抑制することができる。
ここで、温度計9b、9dの測定は、予備的な監視用として使用するとともに、例えば、温度計9a、9cでの温度測定に異常(温度計9a、9cの故障等)が発生した場合には、温度計9bによる温度測定結果を用いてインダクター8a、8bの出力を制御し、温度計9dによる温度測定結果を用いてインダクター8c、8dの出力を制御するように、切り替え可能に構成されている。このほか、本発明では、温度計9aでの温度測定結果を用いてインダクター8aの出力を制御し、温度計9bでの温度測定結果を用いてインダクター8bの出力を制御し、温度計9cでの温度測定結果を用いてインダクター8cの出力を制御し、温度計9dでの温度測定結果を用いてインダクター8dの出力を制御しても良い。また、めっき浴の温度変動幅を低減しやすい形態にする等の観点から、本発明では、IVRを用いた無段階制御方式によって、インダクターの出力を制御することが好ましい。かかる形態とすることにより、タップ方式と比較してめっき浴の温度変動幅を小さくすることが可能になる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
連続溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン(CGL)における溶融亜鉛めっき浴の温度を、以下の本発明例又は従来例に示す条件で制御しつつ、実際に溶融亜鉛めっき鋼板を一定量連続製造し、このときの各温度測定点におけるインゴット投入時の温度変動を調査した。なお、本発明例における溶融亜鉛めっき浴の構造の概略は、溶融亜鉛めっき浴3と同様にした。また、従来例の構成で溶融亜鉛めっき鋼板を連続製造する際には、従来と同様に、スナウトの近傍に設置された温度計のみを使用して、溶融亜鉛めっき浴3と同様に配置されたインダクター(4個のインダクター)を用いて溶融亜鉛めっき浴の温度を制御した。
<本発明例>
温度計:4個(スナウト横2個、インゴット受け近傍2個。図1の9a〜9dに相当。)
インダクター出力指示:
受け部7の近傍を加熱可能なインダクター8a、8b…温度計9aでの測定温度に基づいて出力制御
侵入位置の近傍を加熱可能なインダクター8c、8d…温度計9cでの測定温度に基づいて出力制御
インダクター制御:IVR
<従来例>
温度計:2個(スナウト横2個。図1の9c、9dに相当。)
インダクター出力指示:
すべてのインダクター…温度計9cでの測定温度に基づいて出力制御
インダクター制御:タップ
その他、本発明例及び従来例に共通する製造条件は、以下の通りとした。
鋼板厚:0.4mm以上1.6mm以下
鋼板幅:800mm以上1650mm以下
ライン速度:40m/min以上120m/min以下
浴温:440℃以上480℃以下
浴中アルミニウム濃度:0.05wt%以上0.20wt%以下
本発明例による、侵入位置の近傍における浴温の変動結果を図3に、従来例の結果を図4に、それぞれ示す。図3及び図4の縦軸は浴温[℃]、横軸は時間[min]である。図3及び図4において、「↓」は亜鉛インゴットの投入を意味している。なお、図3及び図4は、溶融亜鉛めっき鋼板を連続製造した際の一部の時間をそれぞれ抽出した図であり、亜鉛インゴットの投入回数が偶々一致していない。本発明例及び従来例において、溶融亜鉛めっき鋼板を連続製造している間における亜鉛インゴットの投入回数(総投入回数)は、同一であった。
図3及び図4に示したように、本発明例によれば、侵入位置の近傍における浴温変動を、従来例の2分の1以下へと低減することができた。
さらに、本発明例及び従来例における、製造中のボトムドロスの発生量と、製造された溶融亜鉛めっき鋼板におけるボトムドロス欠陥の発生頻度の結果を、表1に示す。
表1に示したように、本発明例によれば、ボトムドロスの発生量を、従来と比較して4分の3以下に低減することができた。また、本発明例によれば、製品(鋼板)表面のドロス欠陥の発生頻度を、従来と比較して2分の1にまで低減することができた。以上より、本発明によれば、めっき浴の温度変動を従来よりも低減でき、ドロスの発生量を低減することが可能になる結果、ドロス欠陥の発生を低減できることが確認された。
1…溶融亜鉛
2…溶融亜鉛めっき浴ポット
3…溶融亜鉛めっき浴(めっき浴)
4…鋼板(基材)
5…スナウト
6…シンクロール
7…受け部
8a、8b…インダクター(第1加熱手段)
8c、8d…インダクター(第2加熱手段)
9a、9b…温度計(第1温度測定手段)
9c、9d…温度計(第2温度測定手段)
10…溶融めっき浴の温度制御設備
100…溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置

Claims (4)

  1. 溶融めっき浴の温度を、インゴット投入位置の近傍である第1測温位置、及び、めっきされる基材の溶融めっき浴への侵入位置の近傍である第2測温位置を含む少なくとも2箇所で測定し、前記第1測温位置で測定された温度に基づいて、前記溶融めっき浴の前記第1測温位置の温度を制御し、前記第2測温位置で測定された温度に基づいて、前記溶融めっき浴の前記第2測温位置の温度を制御する、溶融めっき浴の温度制御方法。
  2. 請求項1に記載の溶融めっき浴の温度制御方法によって温度を制御される溶融亜鉛めっき浴で、鋼板に溶融亜鉛めっきを施す工程を有する、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. インゴット投入位置の近傍における溶融めっき浴の温度を測定する第1温度測定手段と、
    めっきされる基材の溶融めっき浴への侵入位置の近傍における溶融めっき浴の温度を測定する第2温度測定手段と、
    前記溶融めっき浴における前記インゴット投入位置の近傍を加熱可能な第1加熱手段と、
    前記溶融めっき浴における前記侵入位置の近傍を加熱可能な第2加熱手段と、を備え、
    前記第1加熱手段は前記第1温度測定手段の測定結果に基づき出力制御され、
    前記第2加熱手段は前記第2温度測定手段の測定結果に基づき出力制御される、溶融めっき浴の温度制御設備。
  4. 溶融亜鉛めっき浴と、請求項3に記載の溶融めっき浴の温度制御設備と、を備える、溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
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