JP2013230763A - 頭部保護エアバッグ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のエアバッグ部が車両前後方向に各々膨張されるエアバッグを、自己保形力が向上されて屈曲しくくし、かつ、スムーズに展開できるようにした頭部保護エアバッグを提供する。
【解決手段】非膨張部9を境にしてそれぞれが車両前後方向に独立して膨張する前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3を有し、これらエアバッグ部2、3が非膨張部9に対して車両前後方向で対向する一方の対向部3Cに、相手側に向かって車両前後方向に突出する突出膨張部22を設け、かつ、他方の対向部2Cに、突出膨張部22を受容する凹設部23を設ける。これにより、頭部保護エアバッグ1の展開時に突出膨張部22が凹設部23に受容されて、突出膨張部22が非膨張部9を補強する。
【選択図】 図1
【解決手段】非膨張部9を境にしてそれぞれが車両前後方向に独立して膨張する前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3を有し、これらエアバッグ部2、3が非膨張部9に対して車両前後方向で対向する一方の対向部3Cに、相手側に向かって車両前後方向に突出する突出膨張部22を設け、かつ、他方の対向部2Cに、突出膨張部22を受容する凹設部23を設ける。これにより、頭部保護エアバッグ1の展開時に突出膨張部22が凹設部23に受容されて、突出膨張部22が非膨張部9を補強する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車室内の側面窓部の内側に沿って上方から下方に向かってカーテン状に展開する頭部保護エアバッグに関する。
車両の側突やロールオーバー等により所定値以上の大きな横加速度が入力された際に、ルーフサイドレールに沿って格納されたエアバッグがカーテン状に展開して、側面窓部の内側を覆う頭部保護エアバッグが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このように、頭部保護エアバッグが窓部の内側を覆うことにより、横加速度で振られた乗員の頭部をそのエアバッグで拘束し、衝撃を緩和できるようになっている。
しかしながら、かかる従来の頭部保護エアバッグは、第1セル群を成す車両前方のエアバッグ部と第2セル群を成す車両後方のエアバッグ部とが、それぞれインフレータの一方のガス噴出口と他方のガス噴出口に接続され、非膨張部を境として車両前後方向に独立して膨張されるようになっている。このとき、非膨張部は略上下方向に延在する直線状となっている。
このため、頭部保護エアバッグは、その展開時に非膨張部の前後に前方のエアバッグ部と後方のエアバッグ部とが位置する関係となり、横方向に屈曲しやすい傾向をもつ。そこで、前後方向の張りを、例えばフロントピラーの高さ方向の中間位置にある固定点と、センターピラーに重なるピラーとの間で張力を発生させ自己保持力を得、後方のエアバッグ部とリアピラーの重なる部分で後方のエアバッグ部を支えつつ、セルの膨張による車両前後方向(エアバッグの長手方向)の縮寸による張りを可能な限り利用することで、屈曲しやすいエアバッグにおいても車両の室外方向へのエアバッグの動きを抑えるような設計上の配慮がなされる。しかしながら、このような屈曲を抑制する力はセル圧を高目にすることなどが必要となり、インフレータの大型化やセルの高耐圧化などの配慮を要し、コスト上昇要因となる。
そこで、本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて、複数のエアバッグ部が車両前後方向に各々膨張されるエアバッグを、自己保形力が向上されて屈曲しくくし、かつ、スムーズに展開できるようにした頭部保護エアバッグを提供することを目的とする。
本発明の第1の手段の頭部保護エアバッグは、非膨張部を境にしてそれぞれが車両前後方向に独立して膨張する複数のエアバッグ部と、これら複数のエアバッグ部が前記非膨張部を境として車両前後方向で対向する対向部の一方に設けられ、相手側に向かって車両前後方向に突出する1つ又は複数の突出膨張部と、前記対向部の他方に設けられ、前記突出膨張部を受容する1つ又は複数の凹設部と、を備えたことを特徴としている。
本発明の第2の手段は、第1の手段の頭部保護エアバッグにおいて、前記突出膨張部は、前記エアバッグ部の最上部の1箇所に設けられていることを特徴としている。
本発明の第3の手段は、第1の手段の頭部保護エアバッグにおいて、前記突出膨張部は、前記エアバッグ部の最上部と、前記エアバッグ部の最下部との2箇所に設けられていることを特徴としている。
本発明の第4の手段は、第1の手段の頭部保護エアバッグにおいて、前記突出膨張部は、前記エアバッグ部の最上部と、前記エアバッグ部の上下方向の中間部分との2箇所に設けられていることを特徴としている。
本発明の第1の手段によれば、一方のエアバッグ部の突出膨張部が他方のエアバッグ部の凹設部に受容されることにより、それら両エアバッグ部間の非膨張部を突出膨張部で補強することができる。これにより、複数のエアバッグ部が車両前後方向に各々膨張されるエアバッグを、自己保形力が向上されて屈曲しくくし、かつ、スムーズに展開できるようにした頭部保護エアバッグを提供することができる。
本発明の第2の手段によれば、第1の手段の効果に加えて、前記突出膨張部が、前記エアバッグ部の最上部の1箇所に設けられているので、頭部保護エアバッグの展開初期において最上部の突出膨張部がスムーズに凹設部に受容される。これにより、頭部保護エアバッグの以後の展開を円滑に行うことができる。
本発明の第3の手段によれば、第1の手段の効果に加えて、前記突出膨張部が、前記エアバッグ部の最上部と、前記エアバッグ部の最下部との2箇所に設けられている。従って、最上部の突出膨張部によって頭部保護エアバッグの展開を円滑に行うことができ、かつ、最下部の突出膨張部を加えて上下方向に2つとしたので、それぞれの突出膨張部の太さを、頭部保護エアバッグの全高に対して大きく確保できる。これにより、2つ設けた突出膨張部の全体的な強度を大きくして、頭部保護エアバッグが展開される際に、非膨張部での折れ曲がりの抑制効果をより高めることができる。
本発明の第4の手段によれば、第1の手段の効果に加えて、前記突出膨張部が、前記エアバッグ部の最上部と、前記エアバッグ部の上下方向の中間部分との2箇所に設けられている。これにより、頭部保護エアバッグの展開を円滑に行うことができ、かつ、第3の手段と同様にそれぞれの突出膨張部を上下方向に2つとして、それぞれの突出膨張部の太さを大きく確保して、突出膨張部の全体的な強度を大きくできる。
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の頭部保護エアバッグ1の展開状態を示す。この頭部保護エアバッグ1は、例えばナイロン製の2枚の基布の周縁部や内方領域の適宜箇所を縫合して結合することにより形成され、本実施形態では、車両前後方向に独立して膨張する前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3とが設けられる。尚、2枚の基布は縫合によることなく、接着や溶着によって結合することもできる。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の頭部保護エアバッグ1の展開状態を示す。この頭部保護エアバッグ1は、例えばナイロン製の2枚の基布の周縁部や内方領域の適宜箇所を縫合して結合することにより形成され、本実施形態では、車両前後方向に独立して膨張する前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3とが設けられる。尚、2枚の基布は縫合によることなく、接着や溶着によって結合することもできる。
そして、これら前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3を有する頭部保護エアバッグ1は、図2に示すように巻回若しくは折り畳まれて結束され、図1中2点鎖線で示すルーフサイドレール4に沿って格納される。このとき、図2に示すように、前方エアバッグ部2を膨張させる第1のインフレータ5と、後方エアバッグ部2を膨張させる第2のインフレータ6も頭部保護エアバッグ1と一緒に結束される。これら頭部保護エアバッグ1および第1、第2のインフレータ5、6の結束は、展開時に破断可能は粘着性のバインディングテープやスリーブ等のバンド部材7が用いられる。例えば、第1のインフレータ5の結束部分では、図3に示すように、巻回した頭部保護エアバッグ1と第1のインフレータ5の外周をバンド部材7によって取り巻くようにして結束される。尚、図1には第1、第2のインフレータ5、6を図示省略してある。
また、頭部保護エアバッグ1は、図1に示すように、それの上端縁に適宜間隔をもって複数の取付部8が設けられており、それら取付部8によって頭部保護エアバッグ1がルーフサイドレール4に取付けられる。
尚、本実施形態の頭部保護エアバッグ1が搭載される車両は3列シート車である場合を例にとって説明する。この場合、運転席や助手席であるシート1列目の斜め前方にAピラー10、シート1列目とその後方のシート2列目との間にBピラー11、シート2列目とその後方のシート3列目との間にCピラー12、更にシート3列目の後方にDピラー13が配置される。そして、それぞれのピラー10〜13の上端部がルーフサイドレール4によって連結されている。
前方エアバッグ部2は、シート1列目とシート2列目に着座した乗員の頭部を拘束できる領域を有し、後方エアバッグ3は、シート3列目に着座した乗員の頭部を拘束できる領域を有する。また、前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3は、2枚の基布が結合線2L、3Lや結合点2P、3Pによって所望の箇所で結合され、各エアバッグ部2、3が全体的に略均等な厚さで膨張されるようになっている。
このとき、前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3とは、非膨張部9を境にして車両前後方向に独立して膨張するようになっている。従って、膨張した前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3とは、非膨張部9に対して互いに車両前後方向に対向される。これにより、前方エアバッグ部2の車両後方縁部は、後方エアバッグ部3に対向する対向部2Cとなり、後方エアバッグ部3の車両前方縁部は、前方エアバッグ部2に対向する対向部3Cとなっている。
前方エアバッグ部2の上側部には第1のインフレータ5から供給される高圧ガスの第1の導入口20が設けられ、かつ、後方エアバッグ部3の上側部には第2のインフレータ6から供給される高圧ガスの第2の導入口21が設けられている。
第1のインフレータ5および第2のインフレータ6は、側突やロールオーバーによって車両に所定値以上の大きな横加速度が入力された際に高圧ガスを発生させる。この高圧ガスの発生方式としては、薬剤を燃焼させる燃焼式やガスを高圧で貯蔵する貯蔵式、又はこれら燃焼式と貯蔵式とを組み合わせたハイブリッド式等が知られている。
そして、高圧ガスが導入される第1の導入口20および第2の導入口21は、それらのガス導入流に対する下流側が前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3の内方に連通される。それら内方に連通された第1、第2の導入口20、21の下流部には、ガス流を車両前後方向に分配する前方分配部20Dおよび後方分配部21Dが設けられている。
それぞれの分配部20D、21Dは、車両前方に向かって開口する前方開口部20a、21aと、車両後方に向かって開口する後方開口部20b、21bとを有する略筒状となっている。そして、前方分配部20Dの前方開口部20aは、第1の導入口20に供給された高圧ガスを前方エアバッグ部2内の前方に向かって噴出させ、かつ、後方開口部20bは、高圧ガスを前方エアバッグ部2内の後方に向かって噴出させる。
また、後方分配部21Dの前方開口部21aは、第2の導入口21に供給された高圧ガスを後方エアバッグ部3内の前方に向かって噴出させ、かつ、後方開口部21bは、高圧ガスを後方エアバッグ部3内の後方に向かって噴出させる。
これにより、前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3は、高圧ガスが全体に亘ってよりスムーズに行き渡るようになり、それぞれのエアバッグ部2、3を全体的に略等しく膨張させることができる。尚、それぞれの分配部20D、21Dは、前方開口部20a、21aおよび後方開口部20b、21b以外にも、略筒状となった側面に他のガス噴出口を設けてあってもよい。
ここで、本実施形態では、前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3の対向部2C、3Cのうち、後方エアバッグ部3の対向部3Cに、相手側となる前方エアバッグ部2に向かって車両前方に突出する突出膨張部22が設けられている。また、前方エアバッグ部2の対向部2Cには、その突出膨張部22を受容する凹設部23が設けられている。
凹設部23は、突出膨張部22の先端から下側の形状に沿って上方が開放される凹設形状となっている。そして、突出膨張部22と凹設部23との間には僅かの隙間が設けられて、膨張する突出膨張部22を凹設部23にスムーズに受容できるようになっている。また、本実施形態では、突出膨張部22は、後方エアバッグ部3の最上部に設けられるようになっている。
従って、突出膨張部22を受容する凹設部23は、後方エアバッグ部3の最上部に段差状に凹設された形状となる。この場合、突出膨張部22は、その突出長さLが略100mm程度、かつ、直径Dが略70φmm程度に設定され、突出膨張部22が膨張した際に折れ曲がりに対する強度を確保できるようになっている。
また、後方エアバッグ部3の後方分配部21Dは、それの前方開口部21aが突出膨張部22に向かって配置されている。これにより、第2のインフレータ6から供給された高圧ガスが、図1中矢印aに示すように、前方開口部21aから突出膨張部22へと効率良く噴出されるようになっている。このとき、前方開口部21aから噴出される高圧ガスは、突出膨張部22以外にも、同図中矢印bに示すように、対向部3Cの内面に沿って後方エアバッグ部3の下方にも案内され、後方エアバッグ部3の前方下部のガス充填効率を高めることができる。
かかる構成になる頭部保護エアバッグ1は、所定値以上の横加速度の入力により第1、第2のインフレータ5、6で発生した高圧ガスは、前方エアバッグ部2の第1の導入口20および後方エアバッグ部3の第2の導入口20、21に供給される。すると、格納状態にある前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3内にそれぞれの分配部20D、21Dを介して高圧ガスが噴出され、これらエアバッグ部2、3を膨張させる。これにより、格納されていた頭部保護エアバッグ1は、バンド部材7を破断しつつ側面窓部の内側に沿って下方へとカーテン状に展開される。
このとき、第1の導入口20の前方分配部20Dは、前方開口部20aから車両前方に勢いよくガスを噴出して、前方エアバッグ部2の前方部分から中央部分に亘って十分にガスを行き渡らせる。また、後方開口部20bから車両後方に勢いよくガスを噴出して、前方エアバッグ部2の後方部分から中央部分に亘って十分にガスを行き渡らせる。これにより、前方エアバッグ部2を、偏り無く全体的に略均等に膨張させることができる。
一方、第2の導入口21の後方分配部21Dは、前方開口部21aから車両前方に勢いよくガスを噴出して、後方エアバッグ部3の前方部分から中央部分に亘って十分にガスを行き渡らせる。また、後方開口部21bから車両後方に勢いよくガスを噴出して、後方エアバッグ部3の後方部分から中央部分に亘って十分にガスを行き渡らせる。これにより、後方エアバッグ部3を、前方エアバッグ部2と同様に偏り無く全体的に略均等に膨張させることができる。
ところで、頭部保護エアバッグ1が展開される際、前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3は上方から下方へと向かって膨張される。このとき、頭部保護エアバッグ1の展開初期において、後方エアバッグ部3の突出膨張部22が膨張されつつ、前方エアバッグ部2の凹設部23に受容される。そして、膨張された突出膨張部22が凹設部23に受容された状態で、前方エアバッグ部2および後方エアバッグ部3のそれよりも下方部分が連続して膨張され、最終的に図1に示すように頭部保護エアバッグ1が展開される。
従って、頭部保護エアバッグ1の展開途中および展開完了後にあっては、突出膨張部22が凹設部23に受容された状態が維持され、前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3との間の非膨張部9が突出膨張部22によって補強される。これにより、頭部保護エアバッグ1の展開が安定し、前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3との間でく字状に折れ曲がってしまうのを抑制できる。
以上説明したように、第1の実施形態の頭部保護エアバッグ1によれば、後方エアバッグ部3の突出膨張部22が後方エアバッグ部3の凹設部23に受容された状態で頭部保護エアバッグ1が展開されるようになっている。従って、突出膨張部22が非膨張部9に跨がった状態で突出されるため、前方エアバッグ部2と後方エアバッグ部3との間を突出膨張部22で補強することができる。
従って、頭部保護エアバッグ1が展開する際に、非膨張部9からく字状に折れ曲がってしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、突出膨張部22が、後方エアバッグ部3の最上部の1箇所に設けられているので、頭部保護エアバッグ1の展開初期において、最上部の突出膨張部22をスムーズに凹設部23に受容させることができる。これにより、突出膨張部22が凹設部23に受容された以後の頭部保護エアバッグ1の展開を円滑に行うことができる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
本実施形態の頭部保護エアバッグ1Aが第1の実施形態と異なる点は、突出膨張部を上下2段構えとしたことにある。即ち、後方エアバッグ部3の対向部3Cには、第1の実施形態と同様に後方エアバッグ部3の最上部に設けた突出膨張部22に加えて、対向部3C(後方エアバッグ部3)の最下部に突出膨張部22Aが新たに設けられている。これにより、後方エアバッグ部3の対向部3Cは、2本の突出膨張部22、22Aによって全体として略コ字状を成している。
勿論、前方エアバッグ部2の対向部2Cには、突出膨張部22および新たな突出膨張部22Aをそれぞれ受容する凹設部23および新たな凹設部23Aが設けられる。この場合の新たな凹設部23Aは、新たな突出膨張部22Aが後方エアバッグ部3の最下部に設けられたことにより、凹設部23とは略対称に下方が開放される凹設形状となっている。
また、新たな突出膨張部22Aの長さおよび太さは、最上部の突出膨張部22と略同程度、つまり、長さを略100mm程度、直径を略70φmm程度として強度が確保されている。
以上説明したように、第2の実施形態の頭部保護エアバッグ1Aによれば、後方エアバッグ部3の対向部3Cに、後方エアバッグ部3の最上部に突出膨張部22が設けられ、かつ、最下部に突出膨張部22Aが設けられている。従って、最上部の突出膨張部22によって第1の実施形態と同様に頭部保護エアバッグ1Aの展開を円滑に行うことができる。
また、その突出膨張部22に加えて突出膨張部22Aを設けたので、突出膨張部22、22Aの数を2つに限定して、それぞれを上下方向に配置させることができる。これにより、それぞれの突出膨張部22、22Aの太さを、頭部保護エアバッグ1Aの全高(略400〜500mm)に対して十分に大きく確保できる。従って、2つ設けた突出膨張部22、22Aの全体的な強度を大きくして、頭部保護エアバッグ1Aが展開される際に、非膨張部9での折れ曲がりの抑制効果をより高めることができる。
つまり、突出膨張部を多数(3つ以上)設けた場合には、頭部保護エアバッグ1Aの全高に対して各突出膨張部が細くなり過ぎて、かえって強度が低下したり、突出膨張部の膨張時に皺が形成されて展開が阻害されたりする。これに対して、本実施形態では突出膨張部22、22Aを2つに限定して十分に太くしたので、折れ曲がりに対する強度を高めつつ、突出膨張部22、22Aを、皺を発生することなくスムーズに膨張させることができる。
<第3の実施形態>
図5は、本発明の第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
<第3の実施形態>
図5は、本発明の第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
本実施形態の頭部保護エアバッグ1Bが第1の実施形態と異なる点は、第2の実施形態と同様に突出膨張部を上下2段構えとしたことにあるが、その突出膨張部の具体的な位置が第2の実施形態とは異なっている。
即ち、後方エアバッグ部3の対向部3Cには、第1の実施形態と同様に後方エアバッグ部3の最上部に設けた突出膨張部22に加えて、対向部3C(後方エアバッグ部3)の上下方向の中間部分に突出膨張部22Bが新たに設けられている。これにより、後方エアバッグ部3の対向部3Cは、2本の突出膨張部22、22Bによって全体として左右逆の略F字状を成している。
勿論、前方エアバッグ部2の対向部2Cには、突出膨張部22および新たな突出膨張部22Bをそれぞれ受容する凹設部23および新たな凹設部23Bが設けられている。この場合の新たな凹設部23Bは、略U字状に凹設される形状となっている。
また、新たな突出膨張部22Bの長さおよび太さは、第2の実施形態の突出膨張部22Aと同様に最上部の突出膨張部22と略同程度、つまり、長さを略100mm程度、直径を略70φmm程度として強度を確保できる。
以上説明したように、第3の実施形態の頭部保護エアバッグ1Bによれば、後方エアバッグ部3の対向部3Cに、後方エアバッグ部3の最上部に突出膨張部22が設けられ、かつ、上下方向の中間部分に新たな突出膨張部22Bが設けられている。従って、最上部の突出膨張部22によって第1の実施形態と同様に頭部保護エアバッグ1Bの展開を円滑に行うことができる。
また、その突出膨張部22に加えて新たな突出膨張部22Bを設けたので、第2の実施形態と同様に突出膨張部22、22Bの数を2つに限定して、それぞれを上下方向に配置できる。これにより、それぞれの突出膨張部22、22Bの太さを、頭部保護エアバッグ1Bの全高に対して大きく確保できる。従って、2つ設けた突出膨張部22、22Bの全体的な強度を大きくして、頭部保護エアバッグ1Bが展開される際に、非膨張部9での折れ曲がりの抑制効果をより高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。例えば、本発明の頭部保護エアバッグ1、1A、1Bは、3列シート車に限ることなく2列シート車の頭部保護エアバッグにあっても本発明を適用できる。勿論、この2列シート車の頭部保護エアバッグにあっても、非膨張部を境に複数のエアバッグ部が車両前後方向に対向配置されることになる。
また、頭部保護エアバッグ1、1A、1Bは、非膨張部9によって前後方向に2つのエアバッグ部2、3が分離された場合を示したが、3つ以上のエアバッグ部が分離された頭部保護エアバッグにあっても本発明を適用できる。
更に、突出膨張部22、22A、22Bを後方エアバッグ部3に設けた場合を述べたが、前方エアバッグ部2の対向部2Cから車両後方に向かって突出膨張部を突出させ、それの凹設部を後方エアバッグ部3の対向部3Cに設けてもよい。
更にまた、第2、第3の実施形態では突出膨張部を二段構えとして、2つの突出膨張部22、22A又は22Bを設けたが、太さを十分に大きく確保できる場合は3つ以上の突出膨張部を設けることもできる。
1、1A、1B 頭部保護エアバッグ
2 前方エアバッグ部(エアバッグ部)
2C 対向部
3 後方エアバッグ部(エアバッグ部)
3C 対向部
9 非膨張部
22、22A、22B 突出膨張部
23、23A、23B 凹設部
2 前方エアバッグ部(エアバッグ部)
2C 対向部
3 後方エアバッグ部(エアバッグ部)
3C 対向部
9 非膨張部
22、22A、22B 突出膨張部
23、23A、23B 凹設部
Claims (4)
- 非膨張部を境にしてそれぞれが車両前後方向に独立して膨張する複数のエアバッグ部と、
これら複数のエアバッグ部が前記非膨張部を境として車両前後方向で対向する対向部の一方に設けられ、相手側に向かって車両前後方向に突出する1つ又は複数の突出膨張部と、
前記対向部の他方に設けられ、前記突出膨張部を受容する1つ又は複数の凹設部と、を備えたことを特徴とする頭部保護エアバッグ。 - 前記突出膨張部は、前記エアバッグ部の最上部の1箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ。
- 前記突出膨張部は、前記エアバッグ部の最上部と、前記エアバッグ部の最下部との2箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ。
- 前記突出膨張部は、前記エアバッグ部の最上部と、前記エアバッグ部の上下方向の中間部分との2箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ。
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- 2012-04-27 JP JP2012103757A patent/JP2013230763A/ja active Pending
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