JP2013228327A - 放射線遮蔽体、放射線遮蔽構造物、並びに放射線遮蔽方法 - Google Patents

放射線遮蔽体、放射線遮蔽構造物、並びに放射線遮蔽方法 Download PDF

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Naomasa Shibata
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Noboru Takei
昇 武井
Takeshi Nishikawa
武志 西川
Biki Yoshimura
美毅 吉村
Shigeru Kikuchi
菊池  茂
Hanako Nakamura
華子 中村
Hiroshi Ito
洋 伊藤
Yasuhiro Suyama
泰宏 須山
Takao Uchikawa
隆夫 内川
Akihiko Yokoo
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Abstract

【課題】簡易、低コストかつ有効に放射線を遮蔽する手段の提供。
【解決手段】木材又は木材由来の材料により形成された放射線遮蔽体、その放射線遮蔽体を構成要素として含む放射線遮蔽構造物、及び、放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いる放射線遮蔽方法を提供する。例えば、放射線量が基準値を超える放射性廃棄物などを比較的大量に運搬・輸送する場合、放射性廃棄物を積載する場所の周囲を木材又は木材由来の材料で囲繞することにより、比較的簡易かつ低コストで一定量の放射線を遮蔽できる。また、例えば、放射線量が基準値を超える放射性廃棄物などを比較的大量に廃棄・保管する場合にも、廃木材又は木材由来の材料で形成された遮蔽体を棄・保管場所の周囲に設置することにより、比較的簡易かつ低コストで保管施設を構築できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、木材又は木材由来の材料により形成された放射線遮蔽体、該放射線遮蔽体を構成要素として含む放射線遮蔽構造物、並びに放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いる放射線遮蔽方法などに関連する。
放射線(電離放射線、以下同じ)は、ガンマ線・X線などの電磁波と、アルファ線・ベータ線・陽子線・中性子線などの粒子線に大別される。この2種類の放射線は、物理的性質が異なるが、いずれもエネルギーを有し、通過する物質から電子を放出させ、その物質に対して類似する化学作用を及ぼす。
原子力発電などでは、核分裂反応に起因して、種々の放射線が発生する。また、放射線は、高い透過能力・電離作用を有する、検出感度が高いなどの性質があり、医療・工業・農業、その他の分野で、広く利用されている。
一方、放射線は、生物に多大な影響を及ぼすことが知られている。そのため、放射性物質の利用・取扱い・保管・運搬・廃棄などについては、各種法令で厳密に規定されている。
原子力発電所、放射線発生施設、放射線取扱施設、放射性廃棄物保管施設などでは、作業者・従事者の放射線被曝、及び、外部環境への放射線漏出の防止のため、放射線遮蔽が厳密に行われている。また、放射線取扱時や運搬時などにおいても、同様に、適切な防護措置が義務付けられている。
ガンマ線・X線など、透過能力の高い放射線では、電子密度の高い材料が、遮蔽効果が高いことが知られている。そこで、一般的に、放射線廃棄物などの運搬や保管などの際には、放射線遮蔽材料として、コンクリート、鉛・鉄・バリウム・タングステンなどの金属などが用いられている。
例えば、特許文献1には、重量骨材として鉄鉱石を用いた重量コンクリートが、特許文献2には、放射線遮蔽用の鉛板積層マットが、それぞれ記載されている。
特開平7−25654号公報 特開平7−229999号公報
一般に用いられている放射線遮蔽材料の場合、重量を大きくすることにより、遮蔽効果を高めることができる。しかし、放射線遮蔽材料の重量が大きいと、放射性廃棄物を輸送する際などにおける負担が大きくなる。また、放射性廃棄物保管施設などを建設する際にも、労力、施工日数及びコストが増大する。そこで、本発明は、簡易、低コストかつ有効に放射線を遮蔽する手段を提供することなどを目的とする。
本発明者らは、一定の厚さを有する木材又は木材由来の材料が、コンクリートなどとほぼ同等の放射線遮蔽効果を有することを新規に見出した。
そこで、本発明では、木材又は木材由来の材料により形成された放射線遮蔽体、その放射線遮蔽体を構成要素として含む放射線遮蔽構造物、及び、放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いる放射線遮蔽方法を提供する。
例えば、放射性廃棄物などを比較的大量に運搬・輸送する場合、放射性廃棄物を積載する場所の周囲を木材又は木材由来の材料で囲繞することにより、比較的簡易かつ低コストで一定量の放射線を遮蔽できる。
また、例えば、放射性廃棄物などを比較的大量に廃棄・保管する場合にも、木材又は木材由来の材料で形成された遮蔽体を廃棄・保管場所の周囲に設置することにより、比較的簡易かつ低コストで保管施設を構築できる。
なお、一定の厚さを有する木材又は木材由来の材料が、コンクリートなどとほぼ同等の放射線遮蔽効果を有する理由は、木材の複雑な三次元組織構造が、放射線の放射方向を非連続にし、放射線を屈折・分散させ、減衰させるためであると推測する。
本発明により、比較的簡易かつ低コストで一定量の放射線を遮蔽できる。従って、本発明は、例えば、比較的大量の放射性廃棄物の運搬・保管・廃棄などに有用である。
以下、本発明の実施形態の例を示す。なお、本発明は、これらの実施形態のみに狭く限定されない。
<本発明に係る放射線遮蔽体について>
本発明に係る放射線遮蔽体は、木材又は木材由来の材料により形成されたものをすべて包含する。
放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いることにより、一定量の放射線、特に、ガンマ線などの電磁波を比較的簡易かつ低コストで遮蔽できる。
木材について、本発明では、生木、及び、木材チップ・乾燥木材・乾燥角材・木材合板・廃木材などの加工木材を広く用いることができ、特に限定されない。また、各種の植物から採取された木材を広く用いることができ、特に限定されない。
加えて、本発明では、木材パルプ・洋紙など、木材を原料として製造された材料についても、放射線遮蔽効果を有することを新規に見出した。従って、上記の木材のほか、これらの木材由来の材料についても、本発明に係る放射線遮蔽体に採用できる。
木材又は木材由来の材料の形状・大きさなどは、目的・用途に応じて適宜設定できるが、遮蔽体全体の厚さが、40mm以上、より好適には50mm以上になるように形成することが好ましい。なお、この遮蔽体は、厚さが大きい方が、より遮蔽効果が高いと考えるが、設置する際の作業性などを考慮すると、2,000mm以下程度が好適であると考える。
木材を用いる場合、例えば、ほぼ同じ長さに切断された木材を、方向をそろえ、木材間の隙間ができるだけ生じないように並列・積層し、遮蔽体を形成する。各木材の太さは特に限定されないが、例えば、5〜1,000mmのものを用いてもよい。
木材由来の材料を用いる場合、所定の大きさ・形状に形成されたものを遮蔽体として用いてもよいし、また、目的・用途に応じて、積層して遮蔽体を形成してもよい。
木材又は木材由来の材料の平均含水率は、30%以上が好適であり、50%以上がより好適であり、70%以上が最も好適である。なお、上限については、例えば、99.9%以下のものが好適であると考える。
木材又は木材由来の材料の平均含水率が高い方が、より放射線遮蔽効果が高い。また、放射線遮蔽材料の含水率が高い場合、中性子線も有効に遮蔽できるという有利性がある。含水率の高い材料として、例えば、生木及びパルプが挙げられる。
生木は、平均含水率が高いという点で、本発明に係る放射線遮蔽材料として最も好適である。また、放射線遮蔽材料として生木を用いることには、(1)特別な加工を必要としない、(2)例えば、森林の間伐材などを用いることで、比較的簡易かつ低コストで材料を調達できる、などの有利性がある。
なお、木材チップ、乾燥木材、洋紙などの含水率の低い材料についても、例えば、水に浸して含水率を高めることにより、生木などと同様、放射線遮蔽効果をより高めることができる。
本発明に係る放射線遮蔽体は、例えば、木材又は木材由来の材料が乾燥防止手段により被覆された構成を備えたものでもよい。木材又は木材由来の材料を乾燥防止手段で被覆することにより、含水率を高く保持できるので、放射線遮蔽性能を長期間保持できる。また、木材又は木材由来の材料を乾燥防止手段で被覆することにより、腐朽菌の付着及び該菌への酸素の供給を抑制できるため、木材又は木材由来の材料の腐朽・劣化を防止できる。
乾燥防止手段は、被覆する木材又は木材由来の材料を略密閉できるものであればよく、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン製の袋体など、公知の袋体などを広く用いることができる。なお、ポリエチレンは中性子線の遮蔽にも有効であるため、ポリエチレン製の袋体を用いることには、放射線遮蔽性能を向上できるという利点もある。
<本発明に係る放射線遮蔽構造体について>
本発明に係る放射線遮蔽構造体は、上述のいずれかの放射線遮蔽体を少なくとも構成要素として含むものをすべて包含する。
上述の通り、木材又は木材由来の材料により形成された放射線遮蔽体は放射線遮蔽性能を有するため、この放射線遮蔽体を一又は複数用いて、放射線遮蔽構造体を形成してもよい。
また、本発明者らの検討の結果、コンクリート製の放射線遮蔽体の放射方向前方又は後方に、木材などで形成された放射線遮蔽体を並列した場合、及び、コンクリート製の放射線遮蔽体の間に、木材などで形成された放射線遮蔽体を挟んで並列した場合、のいずれの場合についても、コンクリート製の放射線遮蔽体の影響を受けずに、木材などで形成された放射線遮蔽体を単独で用いた場合と同等の放射線遮蔽効果が得られた。
そこで、従来のコンクリート製・金属製などの放射線遮蔽構造体と組み合わせて、若しくはそれらの放射線遮蔽構造体の補助遮蔽体として、上述の放射線遮蔽体を含む構成にすることにより、本発明に係る放射線遮蔽構造体を形成してもよい。
なお、本発明に係る放射線遮蔽構造体には、立体形状に形成されたもの、例えば、輸送・運搬の際に用いる放射線遮蔽容器、放射性廃棄物輸送・運搬・保管用の箱体・籠体・コンテナ・収容体、放射性廃棄物廃棄・保管用の建造物などを広く包含する。
<本発明に係る放射線遮蔽方法について>
本発明に係る放射線遮蔽方法は、放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いるものをすべて包含する。
上記の通り、放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いることにより、放射線、特に、ガンマ線などの電磁波を比較的簡易かつ低コストで遮蔽できる。
また、含水率の高い木材又は木材由来の材料を用いることにより、放射線遮蔽効果を高めることができる。加えて、含水率の高い木材又は木材由来の材料を用いることにより、及び、木材又は木材由来の材料をポリエチレン製などの乾燥防止手段で被覆することにより、中性子線に対する遮蔽効果も高めることができる。
放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いる場合、全体の厚さを40mm以上、より好適には50mm以上になるように形成することが好ましい。これにより、コンクリートなどとほぼ同等の放射線遮蔽効果を奏することができる。
実施例1では、森林の間伐材を用いて、放射線遮蔽性試験を行った。
外寸法が縦300mm×横300mm×高さ250mm、内寸法が縦200mm×横200mm×高さ200mm、各壁の厚さ50mm、普通コンクリート製で、蓋のされていない箱体を準備した。
遮蔽体として、それぞれ、生木で作製したもの、コンクリート平板、鉛板をそれぞれ準備した。
生木で作製した遮蔽体は、約25〜45cmの長さに切断したサクラの生木約20〜40本をポリエチレン製の袋体に詰め、略密閉して作製した。生木には、約5〜35mmの太さのものを用い、生木を袋体に詰める際には、方向をそろえて生木を並べ、木材間の隙間ができるだけ生じないようにした。作製した遮蔽体の厚さは約50mmであった。
コンクリート平板は、縦300mm×横300mm×高さ50mmの普通コンクリート製のもの(平均重量9.5kg)を、鉛板は、縦400mm×横300mm×高さ3mmのもの(平均重量0.45kg)を、それぞれ準備した。
上記箱体の中に放射線汚染土を入れ、準備した各遮蔽体を載せて遮蔽し、遮蔽体の上からγ線を測定した。γ線の測定には、「UltraRadiac-plus-S(キャンベラ社製)」を用いた。
結果を表1に示す。
Figure 2013228327
表1は、各遮蔽体で遮蔽した場合における放射線量及び遮蔽率を表す。表1中、「線量」は測定した放射線量(μSv/h)を表す。表1中、遮蔽率(%)は、測定した放射線量を放射線汚染土の放射線量(No.1)で除し、百分率にして透過率を求めた後、100%からその透過率を減じて、算出した。
表1中、サンプルNo.1は箱体の上に遮蔽体を載せなかった場合、即ち、放射線汚染土の放射線量を表す。表1中、サンプルNo.2は箱体内に放射線汚染土を入れずにコンクリート平板を箱体の上に載せて放射線量を測定した結果(対照)を、サンプルNo.3は箱体内に放射線汚染土を入れずに生木で作製した遮蔽体を箱体の上に載せて放射線量を測定した結果(対照)を、それぞれ表す。
表1中、サンプルNo.4〜6は箱体内に放射線汚染土を入れコンクリート平板を箱体の上に1〜3枚載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.7及びNo.8は箱体内に放射線汚染土を入れ鉛板を箱体の上に載せて放射線量を測定した結果を、それぞれ表す。
表1中、サンプルNo.9は箱体内に放射線汚染土を入れ生木で作製した遮蔽体を箱体の上に載せて放射線量を測定した結果を表す。サンプルNo.10及びNo.11は生木で作製した遮蔽体の上にコンクリート平板を1枚又は2枚載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.12及びNo.13はコンクリート平板の間に生木で作製した遮蔽体を挟み、コンクリート平板1枚、生木で作製した遮蔽体1枚、コンクリート平板1枚又は2枚の順で重ね、放射線量を測定した結果を、サンプルNo.14〜16はコンクリート平板1枚〜3枚の上に、生木で作製した遮蔽体を載せて放射線量を測定した結果を、それぞれ表す。
表1中、サンプルNo.17は箱体内に放射線汚染土を入れ生木で作製した遮蔽体2枚を箱体の上に載せて放射線量を測定した結果を表す。サンプルNo.18〜20は生木で作製した遮蔽体2枚の上にコンクリート平板を1〜3枚載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.21及びNo.22はコンクリート平板の間に生木で作製した遮蔽体2枚を挟み、コンクリート平板1枚、生木で作製した遮蔽体2枚、コンクリート平板1枚又は2枚の順で重ね、放射線量を測定した結果を、サンプルNo.23〜25はコンクリート平板1枚〜3枚の上に、生木で作製した遮蔽体2枚を載せて放射線量を測定した結果を、それぞれ表す。
表1に示す通り、生木で作製した遮蔽体を1枚用いた場合(遮蔽体の厚さ:約50mm)の遮蔽率は68.8%(No.9)、生木で作製した遮蔽体を2枚用いた場合(遮蔽体の厚さ:合計約100mm)の遮蔽率は87.6%(No.17)であり、生木で作製した遮蔽体を一定の厚さに形成することにより、コンクリート平板を遮蔽体として用いた場合(No.4)とほぼ同等又はそれ以上の値を示した。
また、生木で作製した遮蔽体とコンクリート平板を組み合わせて放射線量を測定した結果、生木で作製した遮蔽体の上にコンクリート平板を積み重ねた場合(No.10、11及びNo.18〜20)、コンクリート平板の間に、生木で作製した遮蔽体を挟んだ場合(No.12、13及びNo.21、22)、コンクリート平板の上に、生木で作製した遮蔽体を積み重ねた場合(No.14〜16及びNo.23〜25)のいずれの場合でも、コンクリート平板の遮蔽体を同枚数積み重ねた場合(No.4〜6)とほぼ同等に放射線が遮蔽された。
以上の結果は、木材で一定の厚さを有する遮蔽体を形成することにより、コンクリートとほぼ同等の放射線遮蔽を実現できること、即ち、木材が放射線遮蔽材料として有用であることを示す。また、本結果は、コンクリート製の放射線遮蔽体の前方又は後方に、木材などで形成された放射線遮蔽体を並列した場合、若しくはコンクリート製の放射線遮蔽体の間に、木材などで形成された放射線遮蔽体を挟んで並列した場合、コンクリートのみで放射線遮蔽体を形成した場合と同様の放射線遮蔽効果を奏することを示す。
実施例2では、各材料を遮蔽材料に用いて、放射線遮蔽性試験を行った。
実施例1と同様、外寸法が縦300mm×横300mm×高さ250mm、内寸法が縦200mm×横200mm×高さ200mm、各壁の厚さ50mm、普通コンクリート製で、蓋のされていない箱体を準備した。
遮蔽材として、コンクリート平板、生木、乾燥木材、乾燥角材、木材合板、乾燥竹材、パルプ、電話帳をそれぞれ準備した。
コンクリート平板は、縦300mm×横300mm×高さ50mmの普通コンクリート製のものを用いた。生木には、太さ約5〜35mmで、長さ約25〜45cmに切断したサクラの枝を用いた。なお、生木の平均含水率を測定した結果、77.4%であった。乾燥木材には、前記と同様の生木を乾燥させたものを用いた。乾燥角材には、縦300mm×横50mm×高さ50mmのものを用いた。木材合板には、縦300mm×横300mm×高さ12mmのコンクリート型枠用のものを用いた。乾燥竹材には、太さ約5〜35mmで、長さ約25〜45cmに切断した竹を乾燥させたものを用いた。パルプには、厚さ約50mm、平均含水率50%のものを用いた。電話帳は、厚さ約50mmのものを用い、また、通常のものと、水に浸して含水させたものの2種類を準備した。
上記箱体の中に放射線汚染土を入れ、その上に木材合板を1枚敷き、その木材合板の上に、準備した各遮蔽材料を載せて遮蔽し、遮蔽材の上からγ線を測定した。
γ線の測定には、「RAD EYE G-10 Gamma Survey Meter(Thermoscientific社製)」を用いた。放射線汚染土と測定器との距離が60mmになるように各遮蔽材料を設置した。測定時間を5分間とした。また、生木、乾燥木材、乾燥竹材を遮蔽材料に用いた際には、各材料間の隙間ができないように方向をそろえて並べ、また、高さが約50mmになるように積み上げた。
結果を表2に示す。
Figure 2013228327
表2は、各遮蔽材料を用いた場合における放射線量及び遮蔽率を表す。表2中、「線量」は測定した放射線量(測定時間内における平均値、単位:μSv/h)を表す。なお、この値は、測定値から、測定場所における雰囲気測定値の値を減じた値である。表2中、遮蔽率(%)は、放射線量の値を、放射線汚染土の放射線量で除し、百分率にして透過率を求めた後、100%からその透過率を減じて、算出した。
表2中、サンプルNo.26は箱体の上に木材合板を1枚敷いて測定した場合の放射線量を表す。
表2中、サンプルNo.27は木材合板1枚の上にコンクリート平板を載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.28は木材合板1枚の上に生木を載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.29は木材合板1枚の上に乾燥木材を載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.30は木材合板1枚の上に乾燥角材を載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.31は木材合板を5枚重ねて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.32は木材合板1枚の上に乾燥竹材を載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.33は木材合板1枚の上にパルプを載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.34は木材合板1枚の上に電話帳を載せて放射線量を測定した結果を、サンプルNo.35は木材合板1枚の上に含水させた電話帳を載せて放射線量を測定した結果を、それぞれ表す。
表2に示す通り、生木(No.28)については、コンクリート平板(No.27)とほぼ同等の遮蔽効果がみられた。また、木材合板を5枚重ねた場合(No.31、60mm厚)、木材合板1枚の場合(No.26、12mm厚)と比較して、顕著に放射線遮蔽効果が高かった。その他、含水率の低い材料(No.29、30、31、32、34)についても、一定の放射線遮蔽効果が検出されるとともに、含水率を高くすることにより、放射線遮蔽効果をより高めることができた(No.33、35参照)。
以上の結果は、木材又は木材由来の材料が放射線遮蔽性能を有し、放射線遮蔽材料として有用であること、及び、含水率を高めることにより、放射線遮蔽効果をより高めることができることを示す。
本発明に係る木材又は木材由来の材料は、普通コンクリートとほぼ同等の放射線遮蔽効果を有し、放射線遮蔽材料として有用である。特に、本発明は、比較的簡易かつ低コストで一定量の放射線を遮蔽できるため、比較的大量の放射性廃棄物の運搬・保管・廃棄などに有用である。
例えば、放射能汚染土などを保管する場合、放射能による人体などへの影響を極力軽減するため、山間部などの人里離れた場所に保管場所を設ける場合があり、その場合、森林を伐採して保管場所を確保する必要がある。本発明では、その伐採した木材を遮蔽材として用いることができるため、簡易かつ低コストに放射能汚染土などの保管場所を整備することができる。
その他、本発明は、既存のコンクリート製・金属製などの放射線遮蔽構造体と組み合わせて、若しくはそれらの放射線遮蔽構造体の補助遮蔽体としても、利用できる。

Claims (7)

  1. 木材又は木材由来の材料により形成された放射線遮蔽体。
  2. 厚さが40mm以上である請求項1記載の放射線遮蔽体。
  3. 前記木材又は木材由来の材料の平均含水率が30%以上である請求項1又は請求項2記載の放射線遮蔽体。
  4. 前記木材又は木材由来の材料が乾燥防止手段により被覆された請求項3記載の放射線遮蔽体。
  5. 前記木材又は木材由来の材料が生木である請求項1〜4のいずれか一項記載の放射線遮蔽体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の放射線遮蔽体を構成要素として含む放射線遮蔽構造物。
  7. 放射線遮蔽材料として木材又は木材由来の材料を用いる放射線遮蔽方法。
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