JP2013226480A - 酸含有水溶液の蒸発濃縮装置および蒸発濃縮方法 - Google Patents

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洋志 松尾
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洋一 重
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Abstract

【課題】設備・材料コストの増大を抑制するとともに、十分な省エネルギー化を実現することが可能な酸含有水溶液の蒸発濃縮装置および蒸発濃縮方法を提供する。
【解決手段】腐食性を有する酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮するための蒸発濃縮装置を、酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱部1と、加熱部により加熱された酸含有水溶液から水分を主たる成分とする低沸点成分を蒸発させる蒸発部2と、蒸発部において蒸発した低沸点成分蒸気を、第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮部3と、加熱部において酸含有水溶液の加熱に使用され、温度が低下した第1の熱媒の昇温と、凝縮部において低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が上昇した前記第2の熱媒の冷却とを行うヒートポンプチラー3とを備えた構成とする。
蒸発部で発生した蒸気と、凝縮部で凝縮した凝縮液を還流させて接触させる蒸留部5を備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸含有水溶液の蒸発濃縮装置および蒸発濃縮方法に関し、詳しくは、半導体用シリコンウェハーの洗浄に用いられたフッ酸水溶液などの酸含有水溶液を蒸発濃縮するための蒸発濃縮装置および蒸発濃縮方法に関する。
例えば、半導体用シリコンウェハーの洗浄には高純度のフッ酸が使用されるが、このような高純度フッ酸に代表されるような各種高純度酸を用いる工程を備えた技術分野においては、高純度酸を含む酸廃液が発生する。しかし、そのような酸廃液を処理しようとすると、処理設備の費用が大きくなるばかりでなく、高度な廃水処理技術も必要となるため、事業者には大きな負担となる。
また、この酸廃液を産業廃棄物の処理業者に引き渡して処理を委託する場合においても、運送費用を含めた処理費用は高額となる。
さらに、運送費および処理費用を低減する目的で、酸廃液を減容するための、蒸発や蒸留による濃縮装置を導入しようとした場合にも、腐食性の強い酸に対する耐性を有する高級材料を用いることが必要になるため、設備費が高額になるという問題点がある。
また、酸を取り扱う蒸発濃縮のプロセスでは、蒸気再圧縮式などの省エネルギー性の高い技術を適用することが非常に困難になるため、ランニングコストが大きくなり、減容することのメリットを見いだすことが困難になる場合も少なくないのが実情である。
このような状況の下で、特許文献1に、酸含有水溶液を蒸発濃縮して回収する方法が提案されている。
この方法は、蒸発釜にシリカを含むフッ酸廃液を一定流量で供給して加熱し、蒸気として粗フッ酸を回収すると共に濃縮廃液を分離する粗フッ酸蒸発工程と、第1の蒸留塔で粗フッ酸を蒸留し、粗フッ酸よりも高濃度で且つフッ酸の共沸濃度未満の濃度の濃縮フッ酸と回収水とに分離する第1蒸留工程と、第2の蒸留塔で濃縮フッ酸を更に蒸留し、濃縮フッ酸と同様の濃度で且つ濃縮フッ酸に比べて不純物の少ない精製フッ酸と廃液とに分離する第2蒸留工程とを備え、前記粗フッ酸蒸発工程のフッ酸廃液に金属成分の析出を抑制するに足る量の硫酸を添加することを特徴とするフッ酸の回収方法である。
この特許文献1のフッ酸の回収方法では、酸および酸含有蒸気から熱を回収することにより、省エネルギー化を図っているが、酸含有蒸気は酸の濃度が希薄である場合にも、腐食性が著しく高く、一般汎用の金属材料では十分な耐食性を備えた設備を構成することはできない。その結果、熱を回収するための機構における被加熱側と加熱側の両側の接液金属を、タンタルやジルコニウムなどの高級金属材料で構成することが必要となり、設備費が非常に高額となるため、経済性の見地から採用することが困難である場合が多い。
特許第4635527号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、高級金属材料が用いられるべき領域を減らして、設備コストの増大を抑制するとともに、十分な省エネルギー化を実現することが可能な、優れた酸含有水溶液の蒸発濃縮装置および蒸発濃縮方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、
腐食性を有する酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮するための蒸発濃縮装置であって、
酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱部と、
前記加熱部により加熱された酸含有水溶液から水分を主たる成分とする低沸点成分を蒸発させる蒸発部と、
前記蒸発部において蒸発した前記低沸点成分蒸気を、第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮部と、
前記加熱部において酸含有水溶液の加熱に使用され、温度が低下した前記第1の熱媒の昇温と、前記凝縮部において前記低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が上昇した前記第2の熱媒の冷却と、を行うヒートポンプチラーと
を備えていることを特徴としている。
また、前記蒸発部で発生した蒸気と、前記凝縮部で凝縮した凝縮液を還流させて接触させる蒸留部を備えていることを特徴としている。
また、酸含有水溶液が、揮発性を有する酸を含むものであることを特徴としている。
また、酸含有水溶液が、フッ酸を含むものであることを特徴としている。
また、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、前記凝縮部で沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が30〜40℃に上昇した前記第2の熱媒から、前記ヒートポンプチラーで熱を回収し、回収した熱を、前記加熱部で酸含有水溶液の加熱に使用されて温度の低下した前記第1の熱媒の昇温に利用して、前記第1の熱媒の温度を前記加熱部で使用可能な70〜90℃に上昇させるように構成されていることを特徴としている。
また、前記第1の熱媒および前記第2の熱媒が水であることを特徴としている。
また、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮方法は、
腐食性を有する酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮するための方法であって、
加熱部において、酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱工程と、
蒸発部において、前記加熱部で加熱された酸含有水溶液から水分を主たる成分とする低沸点成分を蒸発させる蒸発工程と、
凝縮部において、前記蒸発部において蒸発した前記低沸点成分蒸気を、第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮工程と、
ヒートポンプチラーにより、前記凝縮部で前記低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が上昇した前記第2の熱媒が有する熱を利用して、前記加熱部で酸含有水溶液の加熱に使用され、温度が低下した前記第1の熱媒を加熱して、前記第1の熱媒を前記加熱工程で用いられる温度にまで昇温する一方、前記第2の熱媒を冷却して、前記凝縮工程で用いられる温度にまで降温する熱媒加熱・冷却工程と
を具備することを特徴としている。
本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱部と、加熱部により加熱された酸含有水溶液から水分を主たる成分とする低沸点成分を蒸発させる蒸発部と、蒸発部において蒸発した低沸点成分蒸気を、第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮部と、加熱部において酸含有水溶液の加熱に使用され、温度が低下した前記第1の熱媒の昇温と、凝縮部において低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が上昇した第2の熱媒の冷却とを行うヒートポンプチラーとを備えた構成を有しているので、高級金属材料を用いることが必要になる領域を減らして、設備コストが増大することを抑制しつつ、省エネルギー性に優れた酸含有水溶液の蒸発濃縮装置を提供することが可能になる。
上述のように、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱部(ヒータ)と、蒸発部で蒸発した低沸点成分蒸気を第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮部(コンデンサ)を備えており、加熱部と凝縮部の間の熱移動部分に、ヒートポンプチラーを組み合わせている。これにより、従来は困難であった、腐食性を有する酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮するための装置においてヒートポンプチラーを用いることが可能になり、大きな省エネルギーを実現することが可能になる。
すなわち、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、第1の熱媒と第2の熱媒とを用いて、間接的に加熱と冷却とを行っているので、ヒートポンプチラーで取り扱われる第1および第2の熱媒は酸を含まない。そのため、蒸発濃縮装置のうちで、腐食性を有する液や蒸気に接触する領域を減らして、高級金属材料の使用量を削減し、設備コストを低減することが可能になるとともに、ヒートポンプチラーを用いて、加熱部と凝縮部の間の熱移動を効率よく行わせることにより、エネルギーの節約を図ることが可能になる。
なお、ヒートポンプチラーとして、高効率のものを用いることにより、温度が30〜40℃の、冷却水程度の低温熱源(凝縮部で用いられた第2の熱媒)から熱を回収し、電気を駆動源として熱を改質し、温度が70〜90℃の加熱源となる高温熱源(加熱部で用いられる第1の熱媒)を作り出すことが可能になる。
本発明のように、ヒートポンプチラーを組み込むことにより、加熱源として、蒸気を使用することなく、電力のみでの蒸発操作が可能になり、総合成績係数COP(Coefficient of Performance)を5以上とすることができるような省エネルギーを実現することが可能になる。
また、本発明にかかる酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、上述のように、腐食性を有する酸を含むプロセス流体と、ヒートポンプチラーが熱媒を介して熱を回収する部分とは、完全に隔離されているため、腐食対策を必要とする酸を扱うのに適合したシステムであり、高級金属材料を必要とする領域を減らして設備費用を低減することが可能になる。
このように、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置(および蒸発濃縮方法)は、酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱部と、蒸発部で蒸発した低沸点成分蒸気を第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮部を備えた蒸発濃縮機構と、高効率のヒートポンプチラー機構を組み合わせるようにしているので、設備コストの大幅な増大を抑制しつつ、省エネルギー化を実現することが可能になる。
なお、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置において、蒸発部で発生した蒸気と、凝縮部で凝縮した凝縮液を還流させて接触させる蒸留部を備えた構成とすることにより、酸含有水溶液が、揮発性を有する酸を含むものである場合にも、蒸発蒸気への酸の含有量を減らすことが可能になり、凝縮部への腐食性の負荷を減らしたり、酸の回収率を向上させたりすることができる。
また、酸含有水溶液がフッ酸を含むものである場合、フッ酸は特に腐食性が強く、揮発性も大きいため、従来の方法で蒸発濃縮しようとすると設備コストが増大して、実用性に欠けるという問題点があるが、本発明によれば、酸含有水溶液が、フッ酸を含むものである場合にも、フッ酸を含む酸含有水溶液を効率よく濃縮して、回収することが可能で、特に有意義である。
なお、半導体用シリコンウェハーの洗浄には高純度のフッ酸が使用され、そのような用途に使用されたフッ酸水溶液は、フッ酸とケイ素化合物とを含んでいるが、そのような酸含有水溶液を濃縮する場合にも、本発明の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置(および蒸発濃縮方法)は、好適に用いることができる。
また、本発明においては、第1の熱媒および第2の熱媒として水を用いることが可能であり、その場合にも、温度が30〜40℃の、冷却水程度の低温熱源(凝縮部で用いられた第2の熱媒)から熱を回収し、電気を駆動源として熱を改質し、温度が70〜90℃の加熱源となる高温熱源(加熱部で用いられる第1の熱媒)を作り出すことができる。
本発明の実施形態にかかる酸含有水溶液の蒸発濃縮装置の構成を示す図(フローシート)である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施形態では、酸含有水溶液の蒸発濃縮装置として、半導体用シリコンウェハーの洗浄に用いられた、高純度フッ酸を酸として含有するとともに、ケイ素化合物を含有する酸含有水溶液を蒸発濃縮するための蒸発濃縮装置を例にとって説明する。
なお、この実施形態の蒸発濃縮装置を用いることにより、例えば、
(1)高純度のフッ酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮して減容化し、有価物として処理業者に引き渡すことを可能にしたり、
(2)濃縮液と、新しいフッ酸とを適切な割合で配合して、再度シリコンウェハーの洗浄などに用いたりすることを可能にしたり
することができる。
この実施形態にかかる酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、図1に示すように、揮発性の酸であるフッ酸を含む酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱部(ヒータ)1と、加熱部1により加熱された酸含有水溶液から水分を主たる成分とする低沸点成分を蒸発させる蒸発部(蒸発缶)2と、蒸発部2において蒸発した低沸点成分蒸気を、第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮部(コンデンサ)3と、加熱部1において酸含有水溶液の加熱に使用され、温度が低下した第1の熱媒の昇温と、凝縮部3において低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が上昇した第2の熱媒の冷却とを行うヒートポンプチラー4とを備えている。
また、上記の第1の熱媒および第2の熱媒としては、水が用いられている。ただし、必要に応じて、水以外の公知の物質を用いることも可能である。
また、蒸発部3の上部には、蒸発部3で発生した蒸気と、凝縮部3で凝縮した凝縮液を還流させて接触させる蒸留部5を備えている。
また、この酸含有水溶液の蒸発濃縮装置は、系内を減圧状態にして操作することができるように、真空ポンプユニット6を備えている。
また、酸含有水溶液が加熱部1と蒸発部2とを循環させるための循環ポンプ7を備えている。
そして、この酸含有水溶液の蒸発濃縮装置においては、凝縮部3において低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が40℃に上昇した第2の熱媒(冷却水)から、ヒートポンプチラー4で熱を回収し、第2の熱媒を30℃まで冷却する一方、回収した熱を、加熱部1において酸含有水溶液の加熱に使用されて温度が65℃の低下した第1の熱媒(加熱用温水)の昇温に利用して、第1の熱媒の温度を、加熱部1において使用可能な70℃に上昇させることができるように構成されている。
次に、この酸含有水溶液の蒸発濃縮装置を用いて酸含有水溶液の蒸発濃縮を行う方法について説明する。
供給液として、数%〜8%程度の高純度フッ酸を含有する酸含有水溶液(高純度フッ酸廃水)が、真空ポンプユニット6にて所定の真空(減圧)状態に調整された蒸発部(蒸発缶)2に供給される。
蒸発缶1に送られた酸含有水溶液は、蒸発部2の下部から、循環ポンプ7によりで加熱部1に送られる。
加熱部1へ供給された酸含有水溶液(供給液)は、高効率のヒートポンプチラー4から送られる、例えば、70〜90℃の加熱用温水(第1の熱媒)により間接的に加熱されて蒸発部2に送られ、蒸発蒸気と濃縮液に分離される。
この蒸発操作により、供給液は10〜20数%の濃縮液として循環ポンプ7の吐出側より濃縮液として系外に排出される。
なお、フッ酸濃度が10〜20数%になるように減容された濃縮液は、有価物として処理業者に引き渡すことが可能なものである。
一方、蒸発部2で蒸発した蒸気は、凝縮部3で凝縮した凝縮液を蒸留部5に還流させた還流液と、蒸留部5で接触することにより精留され、蒸気中のフッ酸の割合が減少する。
そして、蒸留部5にて精製された、極微量のフッ酸を含有する蒸発蒸気は、高効率のヒートポンプチラー4から送られる冷却水(第2の熱媒)により間接的に冷却され、凝縮部3で凝縮して一部が蒸留部5に還流され、残りは極微量のフッ酸を含有する蒸発ドレンとして系外に排出される。
また、ヒートポンプチラー4から送られる第2の冷媒(冷却水)は30℃で凝縮部3に供給され、熱移動により凝縮部3の出口では40℃に上昇してヒートポンプチラー4に戻る。
この冷却水(第2の熱媒)側においてヒートポンプチラー4は、40℃の冷却水(第2の熱媒)から熱を回収し、30℃の冷却水を送り出す。
また、ヒートポンプチラー4の内部では、冷却水(第2の熱媒)から取り出した熱を、ヒートポンプチラー用の熱媒を用いて電力により昇温し、加熱用温水(第1の熱媒)側へ熱を伝える熱移動操作が行われる。
また、ヒートポンプチラー4の、加熱用温水(第1の熱媒)側では、前述の改質した熱(冷却水(第2の熱媒)から取り出した熱)が循環する加熱用温水(第1の熱媒)に伝えられ、ヒートポンプチラー4の入口で65℃の加熱用温水が、70℃にまで昇温される熱移動操作が行われる。
この70℃に昇温された加熱用温水(第1の熱媒)は、ヒータ1に循環供給され、この蒸発濃縮装置の熱源として、循環する酸濃縮液を間接加熱するのに利用される。
そして、加熱用温水(第1の熱媒)は加熱部1の出口で65℃となり、循環されてヒートポンプチラー4に戻り、ヒートポンプチラー4内で熱移動操作を受けて70℃に昇温し、加熱用温水として再び加熱部1に循環される。
このサイクルを繰り返すことにより、加熱源として、蒸気を使用することなく、電力のみでの蒸発操作を行うことが可能になり、効率よく酸含有水溶液の蒸発濃縮を行うことができる。なお、この実施例の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置によれば、総合成績係数COP(Coefficient of Performance)を5以上とすることができるような省エネルギーを実現することができる。
なお、上記実施形態では、蒸発濃縮の対象となる酸含有水溶液が、揮発性の酸であるフッ酸を含む酸含有水溶液であることから、蒸留部5を備えた構成としているが、硫酸などの不揮発性の酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮する場合には、蒸留部5は不要で、単なるミスト除去手段が備えられていればよい。
なお、上記実施形態では、高純度のフッ酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮する場合を例にとって説明したが、本発明は、塩酸や硝酸などの揮発性を有する酸を含む酸含有水溶液や、硫酸やリン酸などの不揮発性の酸を含有する酸含有水溶液を蒸発濃縮する場合にも適用することが可能である。
本願発明は、さらにその他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、加熱部、蒸発部、凝縮部、ヒートポンプチラー、蒸留部などの具体的な構成、ヒートポンプチラーの高温側、低温側の温度条件、第1の熱媒および第2の熱媒を構成する物質の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 加熱部(ヒータ)
2 蒸発部(蒸発缶)
3 凝縮部(コンデンサ)
4 ヒートポンプチラー
5 蒸留部
6 真空ポンプユニット
7 循環ポンプ

Claims (7)

  1. 腐食性を有する酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮するための蒸発濃縮装置であって、
    酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱部と、
    前記加熱部により加熱された酸含有水溶液から水分を主たる成分とする低沸点成分を蒸発させる蒸発部と、
    前記蒸発部において蒸発した前記低沸点成分蒸気を、第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮部と、
    前記加熱部において酸含有水溶液の加熱に使用され、温度が低下した前記第1の熱媒の昇温と、前記凝縮部において前記低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が上昇した前記第2の熱媒の冷却と、を行うヒートポンプチラーと
    を備えていることを特徴とする酸含有水溶液の蒸発濃縮装置。
  2. 前記蒸発部で発生した蒸気と、前記凝縮部で凝縮した凝縮液を還流させて接触させる蒸留部を備えていることを特徴とする請求項1記載の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置。
  3. 酸含有水溶液が、揮発性を有する酸を含むものであることを特徴とする請求項1または2記載の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置。
  4. 酸含有水溶液が、フッ酸を含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置。
  5. 前記凝縮部で沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が30〜40℃に上昇した前記第2の熱媒から、前記ヒートポンプチラーで熱を回収し、回収した熱を、前記加熱部で酸含有水溶液の加熱に使用されて温度の低下した前記第1の熱媒の昇温に利用して、前記第1の熱媒の温度を前記加熱部で使用可能な70〜90℃に上昇させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置。
  6. 前記第1の熱媒および前記第2の熱媒が水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸含有水溶液の蒸発濃縮装置。
  7. 腐食性を有する酸を含む酸含有水溶液を蒸発濃縮するための方法であって、
    加熱部において、酸含有水溶液を第1の熱媒により間接的に加熱する加熱工程と、
    蒸発部において、前記加熱部で加熱された酸含有水溶液から水分を主たる成分とする低沸点成分を蒸発させる蒸発工程と、
    凝縮部において、前記蒸発部において蒸発した前記低沸点成分蒸気を、第2の熱媒により間接的に冷却して凝縮させる凝縮工程と、
    ヒートポンプチラーにより、前記凝縮部で前記低沸点成分蒸気の冷却に使用され、温度が上昇した前記第2の熱媒が有する熱を利用して、前記加熱部で酸含有水溶液の加熱に使用され、温度が低下した前記第1の熱媒を加熱して、前記第1の熱媒を前記加熱工程で用いられる温度にまで昇温する一方、前記第2の熱媒を冷却して、前記凝縮工程で用いられる温度にまで降温する熱媒加熱・冷却工程と
    を具備することを特徴とする酸含有水溶液の蒸発濃縮方法。
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