JP2013223558A - 運動支援装置、運動支援方法、及び運動支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体情報測定装置1は、脈拍検出部10により検出されるユーザーの脈拍数を取得する脈拍取得手段21と、取得した脈拍数を記憶する記憶部12と、記憶部12に記憶された脈拍数に基づいて、脈拍数の変動傾向を判定する脈拍傾向判定手段22と、取得した脈拍数が所定のターゲットゾーン内であるか否かを判定する脈拍判定手段23と、脈拍判定手段23による判定結果、及び脈拍傾向判定手段22により判定された脈拍数の変動傾向に基づいた音を出力させる音出力手段28と、を備えた。
【選択図】図3
Description
これにより、本発明の運動支援装置では、脈拍数がターゲットゾーンに収まっている場合であっても、さらに脈拍数の変動傾向に基づいた音を出力するので、ユーザーに対して、適切な運動を維持するための判断を促すことができ、運動効率を向上させるための効果的な運動支援を行うことができる。
例えば、音出力手段から、脈拍数がターゲットゾーン内ではあるが、脈拍数の変動傾向が上昇傾向である旨の音が出力された場合、ユーザーは、当該音により、脈拍数がターゲットゾーンの上限値を超えないように運動強度を落とそうと判断することができる。また、音出力手段から、脈拍数がターゲットゾーン内ではあるが、脈拍数の変動傾向が下降傾向である旨の音が出力された場合、ユーザーは、当該音により、脈拍数がターゲットゾーンの下限値を下回らないように運動強度を上げようと判断することができる。これにより、例えば脈拍数がターゲットゾーンを外れた後に警告を発する構成等に比べて、脈拍数がターゲットゾーンから外れる前に、ユーザーに運動状態や運動の変化傾向を知らせることができ、効率的な運動支援を行うことができる。
これに加え、音によりユーザーの脈拍数(運動状態)を知らせることで、例えばディスプレイに運動状態を表示させる場合に比べて、ユーザーの運動への集中を途切れさせることなく、運動支援を行うことができる。つまり、ディスプレイにより運動状態を知らせる場合では、ユーザーは、運動中にディスプレイを視認する必要があり、運動への集中が途切れることが考えられる。また、例えばランニング等の運動中に、ディスプレイを確認する動作が入ると、転倒や衝突等のリスクも増大する。これに対して、音により運動状態を知らせる本発明では、ディスプレイを視認する必要がないため、運動への集中が途切れず、転倒や衝突等のリスクも回避することができる。また、夜間等においても確実にユーザーに運動状態を知らせることができる。
本発明では、音出力手段は、ターゲットゾーンの中でも異なる部分脈拍範囲において異なる音を出力する。例えば、ターゲットゾーンが、中心値から上限値までの高域部分脈拍範囲と、中心値から下限値までの低域部分脈拍範囲とに区分されている場合、音出力手段は、高域部分脈拍範囲で脈拍が上昇傾向である場合、高域部分脈拍範囲で脈拍が下降傾向である場合、低域部分脈拍範囲で脈拍が上昇傾向である場合、及び低域部分脈拍範囲で脈拍が下降傾向である場合の各パターンに対して異なる音を出力する。このように、複数の部分脈拍範囲、脈拍数の変動傾向に応じた音が出力される場合、ユーザーは、現在の運動状態を正確に確認することができ、運動強度の増減タイミングや増減量を的確に判断することができる。すなわち、運動支援装置は、より効果的な運動支援を行うことができ、ユーザーの運動効率性をより高めさせることができる。
このような適正な運動状態で、音を出力すると、ユーザーに当該音を聞き分ける負担をかけることになり、ユーザーの運動への集中を途切れさせる可能性がある。これに対して本発明では、適正な運動状態である場合には、音が停止される。すなわち、音が出力されない。これにより、ユーザーの運動への集中を高めさせることができ、より効果的な運動支援を行うことができる。
本発明では、脈拍取得手段により取得した脈拍数が高い場合、高音を出力し、脈拍数が低い場合、低音を出力する。これにより、ユーザーは、音の周波数から直感的に現在の脈拍の状態を知ることができ、容易に運動状態を把握することができる。
本発明では、脈拍取得手段により取得した脈拍数が高い場合、音を出力する時間間隔が長く設定され、脈拍数が低い場合、音を出力する時間間隔が短く設定される。このように、音の出力時間間隔(音出力ピッチ)を変化させることで、ユーザーは直感的に現在の脈拍の状態を知ることができ、容易に運動状態を把握することができる。また、脈拍数が高い場合に音を出力する時間間隔を長くすることで、ユーザーを落ち着かせて、運動強度の減少を促すことができる。一方、脈拍数が低い場合に音を出力する時間間隔を短くすることで、ユーザーを急かせて、運動強度の増大を促すことができる。
本発明では、取得した脈拍数がターゲットゾーンから外れる場合に、警告音が出力される。これにより、身体に負担のかかる運動や運動効果が低い運動等、非効率な運動状態である場合に、警告音によりユーザーに知らせることができ、効果的な運動効果が得られる適正な運動状態への復帰を促すことができる。
本発明では、運動評価量計測手段により、ユーザーの運動評価量を計測し、目標判定手段により計測された運動評価量の所定期間における累計値が、予め設定された運動目標値に達したと判定された場合に、音出力手段は、その旨を知らせる音を出力する。
これにより、音により運動の目標達成状況をユーザーに報知することができる。したがって、例えば、ユーザーは、運動中であってもディスプレイ等を確認することなく、音により運動達成状況を確認することができ、効果的な運動支援を行うことができる。
本発明では、上述した発明と同様の効果が得られ、ユーザーに対して、適切な運動を維持するための判断を促すことができ、運動効率を向上させるための運動支援を行うことができる。また、音によりユーザーの運動状態を知らせることで、例えばディスプレイに運動状態を表示させる場合に比べて、ユーザーの運動への集中を途切れさせることなく、運動支援を行うことができる。
本発明では、運動支援プログラムを導入した例えば携帯電話やスマートフォン、タブレット端末等の端末装置を運動支援装置として機能させることができ、上記発明と同様に、ユーザーに対して、適切な運動を維持するための判断を促すことができ、運動効率を向上させるための運動支援を行うことができる。
以下、本発明に係る第一実施形態の生体情報測定装置について、図面に基づいて説明する。
図1は、第一実施形態の生体情報測定装置1(本発明における運動支援装置)の概略を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の生体情報測定装置1は、例えばユーザーの手首等に装着されることで、ユーザーの脈拍を検出し、脈拍数に応じた運動支援情報を音によりスピーカー7から出力する。なお、スピーカー7としては、例えばヘッドホンやイヤホン等のヘッドマウント型のスピーカー装置を例示するが、これに限定されず、例えば、生体情報測定装置1に設けられたスピーカーから音を出力するものであってもよい。
生体情報測定装置1は、図2に示すように、装置本体2と、装置本体2に接続されるバンド3を備えている。そして、このような生体情報測定装置1は、裏面を生体に密着させた状態でバンド3を締めることで生体に装着され、血管中を流れる血流の状態を監視して、脈拍を測定することが可能となる。
脈拍検出部10は、例えばLED等の発光素子と、フォトダイオード等の受光素子とを備えた光電センサーにより構成されている。このような脈拍検出部10では、生体情報測定装置1が手首に装着された状態で、発光素子から生体に向かって光を照射させ、受光素子により受光する反射光の光量変化を検出することで、脈拍数を検出する。つまり、生体に照射された光は、血管で部分的に吸収されるが、この血管での吸収率は脈拍の影響で変化し、血管での反射光量も変化する。したがって、受光素子で検出した反射光の光量変化から、脈拍数を測定することが可能となる。
なお、本実施形態では、脈拍検出部10として、光電センサーを用いる例を示すが、例えば、超音波により血管の収縮を検出して脈拍数を計測する超音波センサーを用いてもよく、電極から微弱電流を体内に流して脈拍を検出するセンサー等を用いてもよい。
加速度センサー11は、加速度を検出する。検出された加速度は制御部20に出力され、制御部20において、検出された加速度から歩数が算出される。なお、本実施形態では、歩数を算出するために加速度センサー11が設けられる例を示すが、例えば、ユーザーの歩行動作に応じて振動する振り子を備え、振り子の振動回数に基づいて、歩数が計測される構成などとしてもよい。
また、制御部20は、時間を計測する内部タイマーを備えている。
脈拍傾向判定手段22は、記憶部12に記憶された脈拍数に基づいて、脈拍数の変動傾向、つまり、脈拍数が上昇傾向であるか、下降傾向であるか、安定傾向であるかを判定する。
ここで、脈拍数が属するゾーンとして、ユーザーが運動効果の高い適正運動を行っている状態(脈拍範囲)であることを示すターゲットゾーン(適正脈拍範囲)、ターゲットゾーンを超える脈拍範囲であるオーバーゾーン、及びターゲットゾーンを下回る脈拍範囲であるアンダーゾーンが挙げられる。ターゲットゾーンは、例えばユーザーデータの年齢等により算出される脈拍範囲であり、例えばマフェトン法やカルボーネン法等により算出される。また、ターゲットゾーンとして、ユーザーの操作部5の操作により、所望のターゲットゾーンや目標脈拍数が設定されるものであってもよい。
また、本実施形態では、設定されたターゲットゾーンを更に複数の部分ターゲットゾーン(部分脈拍範囲)に分割する。本実施形態では、ターゲットゾーンの中心値を境界とした2つの部分ターゲットゾーンに分割する。例えば、ターゲットゾーンの下限値が98であり、上限値が151である場合、下限値98から中心値125までの部分ターゲットゾーンと、中心値125+1(=126)から上限値151までの部分ターゲットゾーンとに分割する。ここで、以降の説明に当たり、ターゲットゾーンのうち、中心値からターゲットゾーンの上限値までのゾーンをアッパーターゲットゾーン、中心値からターゲットゾーンの下限値までのゾーンをローワーターゲットゾーンと称する。
そして、脈拍判定手段23は、脈拍取得手段21により取得された脈拍数が、これらのゾーンのいずれに属しているかを判定する。
運動時間計測手段25は、内部タイマーの時間に基づいて、本発明の運動評価量の一つであるゾーン滞在時間を計測する。
歩数計測手段26は、加速度センサー11により計測される加速度に基づいて、本発明の運動評価量の一つであるユーザーの歩数をカウントする。
また、音出力手段28は、目標判定手段27によりカロリー消費量がカロリー消費目標値に達したと判定された場合、又は運動時間が時間目標値に達したと判定された場合、又は歩数が歩数目標値に達したと判定された場合に、音信号を端子部8からスピーカー7に出力し、音により目標を達成した旨を通知する。
表示制御手段29は、脈拍取得手段21により取得された脈拍数、脈拍傾向判定手段22により判定された脈拍数の変動傾向、及び脈拍判定手段23により判定された脈拍数が属するゾーン等を表示部4に表示させる。
なお、上記のような制御部20の各機能についての詳細は、後述の運動支援方法において説明する。
[運動状態報知処理]
次に、上記のような生体情報測定装置1を用いた運動支援処理における運動状態報知処理について図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態の生体情報測定装置1を用いた運動状態報知処理のフローチャートである。
図4に示すように、生体情報測定装置1による運動状態報知処理では、まず、ユーザーによる操作部5の操作に基づいて、生体情報測定装置1は、ユーザーの脈拍数の計測を開始する(S1)。
S1の脈拍数の計測では、生体情報測定装置1は、脈拍検出部10によりユーザーの脈拍を検出させる。また、脈拍取得手段21は、脈拍検出部10から入力された検出信号に基づいて、脈拍数を取得する。さらに、脈拍取得手段21は、取得した脈拍数を逐次記憶部12に記憶する。
具体的には、本実施形態の脈拍傾向判定手段22は、直近の5回分の脈拍数を用いて、回帰直線を求める。そして、脈拍傾向判定手段22は、当該回帰直線の傾きが所定の第一閾値以上である場合に、脈拍数が上昇傾向であると判定する。また、脈拍傾向判定手段22は、回帰直線の傾きが所定の第二閾値以下である場合に、脈拍数が下降傾向であると判定する。さらに、脈拍傾向判定手段22は、回帰直線の傾きが第一閾値から第二閾値の間である場合(例えば回帰直線の始点と終点との差が±5拍以内である場合)に、脈拍数が安定傾向であると判定する。
なお、本実施形態における脈拍検出部10は、4秒間で1回の脈拍数を計測する。従って、直近の5回分の脈拍数の計測時間が20秒となり、演算処理による遅延を考慮しても、脈拍傾向判定手段22は、20秒から30秒程度で、脈拍数の変動傾向を判定することが可能となる。
図5は、音出力手段28により出力される音パターンの一例を示す図である。
図5に示すように、音出力手段28は、S2により判定された脈拍数の変動傾向が上昇傾向である場合、例えば「ド」「ミ」「ソ」の三和音を出力し、安定傾向である場合、例えば「ミ」「ソ」「シ」の三和音を出力し、下降傾向である場合、例えば「ラ」の単音を出力する。この時、音出力手段28は、S1で取得した脈拍数が属するゾーンに応じて、音の周波数を変化させる。例えば、脈拍数がオーバーゾーンに属する場合では880Hzの周波数、アッパーターゲットゾーンに属する場合では440Hzの周波数、ローワーターゲットゾーンに属する場合では220Hzの周波数、アンダーゾーンに属する場合では110Hzの周波数で、音を出力する。ここで、本例では、運動効果が最も高くなるアッパーターゲットゾーンに対して、ユーザーにより最も識別しやすい440Hzの音が出力される例を示すが、例えばユーザーの年齢等に応じて、音の周波数を変更可能としてもよい。例えば、高音の聞き取りが困難である高齢者等では、音の周波数を全体的に下げてもよい。
なお、脈拍数の変動傾向が安定傾向であって、かつ、脈拍数がターゲットゾーンに属している場合は、脈拍数の変動がほぼなく、適切な運動状態が安定して行われていることを意味する。したがって、この場合、音出力手段28は、音の出力を停止、つまり、音出力手段28は、スピーカー7から音を出力させない構成としてもよい。
図6は、音出力手段28により出力される音パターンの他の例を示す図である。
図5に示す例では、音の周波数により、ターゲットゾーン外のオーバーゾーン及びアンダーゾーンを知らせる例を示したが、例えば図6に示すように、音出力手段28は、脈拍数がオーバーゾーン又はアンダーゾーンに属する場合に、脈拍数の変動傾向に関わらず、ブザー音等の警告音を出力してもよい。このような警告音は、一般に、人の聴覚により認識されやすい強い音であり、脈拍数がターゲットゾーンから逸脱していることをより確実にユーザーに気付かせることが可能となる。
なお、この際、脈拍数がオーバーゾーンに属する場合と、アンダーゾーンに属する場合とで、異なる警告音を出力してもよく、この場合、ユーザーは、脈拍数がターゲットゾーンを超えているのか、下回っているのかが、容易に認識できるようになる。
また、警告音の音量をターゲットゾーンから離れるに従って音量を大きくしてもよく、これにより、ユーザーは、どの程度運動強度を変化させる必要があるかを容易に認識できるようになる。
さらには、警告音の出力ピッチ(時間間隔)を、ターゲットゾーンからの差に応じて変更してもよい。例えば、脈拍数がオーバーゾーンに属する場合、ターゲットゾーンの上限値と、脈拍取得手段21により取得された脈拍数との差分値に応じて、差分値が大きくなるに従って、ブザー音の音ピッチを、大きくする。また、脈拍数がアンダーゾーンに属する場合、ターゲットゾーンの下限値と、脈拍取得手段21により取得された脈拍数との差分値に応じて、差分値が大きくなるに従って、ブザー音の音ピッチを、小さくする。音ピッチを長くすることで、ユーザーの運動を落ち着かせて、運動強度を低下させることが可能となり、音ピッチを短くすることで、ユーザーの運動を急かして、運動強度を上昇させることが可能となる。また、音ピッチに限られず、警告音の音量等により、脈拍数がターゲットゾーンからどの程度離れているかを知らせてもよい。
例えば、図6に示すように、脈拍数の変動傾向が上昇傾向であり、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属している場合には、音の出力ピッチを2秒間隔とし、ローワーターゲットゾーンに属している場合には、音の出力ピッチを1秒間隔とする。また、脈拍数の変動傾向が安定傾向であり、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属している場合には、音の出力ピッチを1秒間隔とし、ローワーターゲットゾーンに属している場合には、音の出力ピッチを0.5秒間隔とする。さらに、脈拍数の変動傾向が下降傾向であり、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属している場合には、音の出力ピッチを1秒間隔とし、ローワーターゲットゾーンに属している場合には、音の出力ピッチを0.5秒間隔とする。
ここで、脈拍数が上昇傾向であり、かつ脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属する場合、脈拍数がターゲットゾーンを超える可能性がある。この場合、音ピッチを長くすることで、ユーザーを落ち着かせて運動強度を低下させる効果が見込める。また、脈拍数が下降傾向であり、かつ脈拍数がローワーターゲットゾーンに属する場合、脈拍数がターゲットゾーンを下回る可能性がある。また、脈拍数が安定傾向である場合でも、ローワーターゲットゾーンに属する場合では、脈拍数が下降傾向に変動した場合に、適正な運動効果が得られないアンダーゾーンに移行する場合がある。この場合、音ピッチを短く設定することで、ユーザーを急かせて運動強度を上昇させる効果が見込める。
一方、脈拍数が上昇傾向であるが、脈拍数がローワーターゲットゾーンに属する場合、脈拍数が下降傾向であるが、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属する場合、及び、脈拍数が安定傾向であり、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属する場合では、脈拍数が即座にターゲットゾーンを逸脱する可能性が低い。したがって、上述の2パターンの間の音ピッチで音を出力する。
例えば、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属し、かつ脈拍数の変動傾向が上昇傾向である場合に、歩数が計測されるテンポよりも長い音ピッチで音を出力する。これにより、ユーザーは、当該音ピッチに合わせて歩行速度を遅くすることで、運度量を低下させることができる。脈拍数がオーバーゾーンに属する場合でも同様に、歩数が計測されるテンポより長い音ピッチで警告音を出力してもよい。
また、脈拍数がローワーターゲットゾーンに属し、かつ脈拍数の変動傾向が下降傾向である場合に、歩数が計測されるテンポよりも短い音ピッチで音を出力する。これにより、ユーザーは、当該音ピッチに合わせて歩行速度を速めることで、運動強度を上昇させることができる。脈拍数がアンダーゾーンに属する場合でも同様に、歩数が計測されるテンポより短い音ピッチで警告音を出力してもよい。
さらに、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属し、かつ脈拍数の変動傾向が下降傾向である場合では、歩数が計測されるテンポよりも長く、かつ、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属し、脈拍数の変動傾向が上昇傾向である場合に比べて短い音ピッチで、音を出力する。同様に、脈拍数がローワーターゲットゾーンに属し、かつ脈拍数の変動傾向が上昇傾向である場合では、歩数が計測されるテンポよりも短く、かつ、脈拍数がローワーターゲットゾーンに属し、脈拍数の変動傾向が下降傾向である場合に比べて長い音ピッチで、音を出力する。これにより、ユーザーは、音ピッチに合わせるように歩行速度を変化させることで、脈拍数の変動傾向を安定傾向に近づけることができる。
図7は、図4における目標達成通知処理のフローチャートである。
本実施形態の生体情報測定装置1では、例えばユーザーによる操作部5の操作により、カロリー消費量の目標値であるカロリー消費目標値、運動時間の目標値である時間目標値、及び歩数の目標値である歩数目標値を予め設定することができる。これらの各目標値は、例えば1日(例えば、0時0分0秒から23時59分59秒の期間)、1週間(例えば、日曜日の0時0分0秒から土曜日の23時59分59秒の期間)、1か月(例えば、月初の0時0分0秒から月末の23時59分59秒の期間)といった所定の期間毎に設定することができる。なお、この期間としては、本実施形態では、1日を最小単位として、1週間、1か月における目標値を設定する例を示すが、例えば、1時間を最小単位とした目標値を設定可能な構成としてもよい。
そして、生体情報測定装置1は、S5において、各期間におけるユーザーの運動により、カロリー消費量や運動時間、歩数が設定した目標値を達成した場合に、音により目標を達成した旨を通知する。
具体的には、歩数計測手段26は、加速度センサー11から入力される加速度に基づいて、ユーザーが歩行した際の歩数をカウントし、記憶部12に記憶する。
ここで、記憶部12には、歩数記憶領域が設けられ、この歩数記憶領域は、暦に基づいた1日毎の歩数を記憶する複数の歩数格納部を備えている。そして、歩数計測手段26は、歩数を1カウントする毎に、歩数格納部に記憶される歩数を1ずつ上昇させる。また、歩数を記憶する歩数格納部は、1日毎に切り替えられる。すなわち、ユーザーが午前0時0分0秒を跨いで歩行運動を行った場合、午前0時0分0秒以降にカウントされる歩数が記憶される歩数格納部は、午前0時0分0秒前にカウントされた歩数が記憶された歩数格納部とは異なる領域となる。これにより、1日単位での歩数を取得することが可能となる。
具体的には、運動時間計測手段25は、内部タイマーが示す時刻情報に基づいて、ユーザーの操作部5の操作により、時間計測が開始されると、計測開始時間からの時間をカウントし、記憶部12に記憶する。また、運動時間計測手段25は、ユーザーの操作部5の操作により、脈拍計測が停止されると時間のカウントも停止する。なお、時間計測の開始タイミングは、脈拍計測の開始タイミングとは異なるタイミングであってもよい。さらに、運動時間計測手段25は、脈拍判定手段23により、脈拍数がターゲットゾーン以上のゾーンに属すると判定された際に、運動時間の測定を開始してもよい。
また、記憶部12には、運動時間を記憶する時間記憶領域が設けられ、運動時間計測手段25は、運動状態報知処理が実施された時間を時間記憶領域に記憶する。また、時間記憶領域は、歩数記憶領域と同様に、暦に基づいた1日毎の運動時間を記憶する複数の時間格納部を備え、例えば1日毎に異なる時間格納部に運動時間が記憶される。そして、運動時間計測手段25は、運動状態報知処理が実施されている間、例えば1秒毎に、時間格納部に記憶された運動時間をカウントアップしていく。
ここで、運動時間計測手段25によるカロリー消費量の算出方法としては、既知の計算方法(例えば特開2009-285498参照)を用いることができ、例えば、ユーザーの年齢、性別、体重等のユーザーデータとして登録されたデータと、取得した脈拍数とから運動により消費されたカロリー消費量を算出する。また、上述したように、本実施形態の脈拍検出部10は、4秒間で1回の脈拍数を計測する。したがって、運動時間計測手段25は、記憶部12に脈拍数が記憶される毎に、4秒間で消費されたカロリー消費量を算出し、カロリー格納部に格納されたカロリー消費量に加算していく。
図8は、目標達成通知処理において、音出力手段28により出力される音パターンの一例を示す図である。
図8に示すように、音出力手段28は、1日の歩数が1日の歩数目標値に達した場合、例えばファンファーレ音を1回出力させ、1週間の歩数が歩数目標値に達した場合、例えばファンファーレ音を2回出力させ、1か月の歩数が歩数目標値に達した場合、例えばファンファーレ音を3回出力させる。
S16において、「Yes」と判定された場合、つまり、各期間における運動時間のうちの少なくともいずれか1つが、対応する時間目標値に達していると判定された場合、目標判定手段27は、表示部4に時間目標値を達成した旨を表示させ、音出力手段28は、時間目標値を達成した旨を知らせる音信号を端子部8に出力し、スピーカー7から音を出力させる(S17)。
この時、音出力手段28は、1日の運動時間が1日の時間目標値に達した場合、図8に示すように、例えばコインを床に落とした際の音(コイン音)を1回出力させ、1週間の運動時間が時間目標値に達した場合、コイン音を2回出力させ、1か月の運動時間が時間目標値に達した場合、コイン音を3回出力させる。
S18において、「Yes」と判定された場合、つまり、各期間におけるカロリー消費量のうちの少なくともいずれか1つが、対応するカロリー消費目標値に達していると判定された場合、目標判定手段27は、表示部4にカロリー消費目標値を達成した旨を表示させ、音出力手段28は、カロリー消費目標値を達成した旨を知らせる音信号を端子部8に出力し、スピーカー7から音を出力させる(S19)。
この時、音出力手段28は、1日のカロリー消費量が1日のカロリー消費目標値に達した場合、図8に示すように、例えば炎が発生した際の音(炎音)を1回出力させ、1週間のカロリー消費量がカロリー消費目標値に達した場合、炎音を2回出力させ、1か月のカロリー消費量がカロリー消費目標値に達した場合、炎音を3回出力させる。
また、各音の出力回数により、1日の目標を達成したものであるか、1週間の目標を達成したものであるか、1か月の目標を達成したものであるかを区別したが、これに限定されない。例えば、音量や音の高さ(周波数)により区別してもよく、異なる音を出力させてもよい。また、ユーザーの操作により、各目標達成時に用いる音を任意に設定可能な構成としてもよく、例えば、予め記憶部12に音楽ファイルを記憶しておき、目標達成時にその音楽ファイルを再生させてもよい。
本実施形態では、生体情報測定装置1は、脈拍検出部10により検出されるユーザーの脈拍数を脈拍取得手段21により取得し、その脈拍数を記憶部12に記憶させる。そして、脈拍傾向判定手段22は、記憶部12に記憶された直近5回分の脈拍数に基づいて、脈拍数の変動傾向を判定する。また、脈拍判定手段23は、脈拍取得手段21により取得された脈拍数がターゲットゾーン内に位置しているか否かを判定する。この後、音出力手段28は、脈拍傾向判定手段22により判定された脈拍数の変動傾向と、脈拍判定手段23により判定される脈拍数が属するゾーンとに基づいて音を出力する。
これにより、本実施形態では、脈拍数がターゲットゾーンに属している場合でも、脈拍数の変動傾向に応じて、異なる音が出力されることになる。従って、ユーザーは、出力された音に基づいて、脈拍数の変動傾向を安定させるように運動を行うことができる。すなわち、ユーザーは、脈拍数がターゲットゾーン外に逸脱する前に、脈拍数の変動傾向を把握することができ、最適な運動効果が得られる運動状態を維持することができる。
これに加え、音によりユーザーの運動状態を通知することで、例えばユーザーが運動中に表示部4を確認する必要がなく、ユーザーの運動への集中を途切れさせることなく、運動支援を行うことができる。また、ユーザーが運動中に表示部4を確認する必要がないので、運動中の転倒や衝突等のリスクを回避でき、また夜間においても、確実にユーザーに脈拍数に応じた運動状態を通知することができる。
このため、ユーザーに現在における脈拍数の状態、すなわち運動状態を、より詳細に通知することができ、ユーザーの運動効率性の向上を良好に支援することができる。これにより、ユーザーは、運動強度の増減タイミングや、増減量を適切に判断することができる。例えば、ジョギング中のユーザーが坂道に差し掛かる前に、脈拍数の変動傾向が上昇傾向であり、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属する旨の音を確認することで、走行ペースを落として、脈拍数がターゲットゾーンから外れないようにセーブすることもできる。
また、音出力手段28は、図6に示すように、所定の音出力ピッチで音を出力し、脈拍数の大きいゾーンほど、音出力ピッチを長くしてもよい。
この場合でも、音出力ピッチにより脈拍数の大小を直感的に容易に判断することができる。この時、音出力手段28は、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属し、かつ脈拍数の変動傾向が上昇傾向である場合に、音出力ピッチを長くする(例えば2秒間隔)。このような音出力ピッチが長い音を出力することで、ユーザーを落ち着かせて運動強度を低下させることが見込め、ユーザーの運動効率性の向上を図る運動支援を行うことができる。また、音出力手段28は、脈拍数がローワーターゲットゾーンに属し、かつ脈拍数の変動傾向が下降傾向である場合に、音出力ピッチを短くする(例えば0.5秒間隔)。このような音出力ピッチが短い音を出力することで、ユーザーを急かせて運動強度を増加させることが見込め、ユーザーの運動効率性の向上を図る運動支援を行うことができる。
このような目標達成の通知により、ユーザーの運動へのモチベーションを維持することができ、効果的な運動支援を行うことができる。また、ユーザーが運動中である場合でも、ユーザーによる表示部4の確認が不要であり、音により、ユーザーの運動を阻害することなく、目標達成の旨を通知することができる。
また、音出力手段28は、目標達成の音として、例えば、ファンファーレ音や、コイン音、炎音等、脈拍数に基づいた運動状態の通知とは異なる音を出力する。これにより、脈拍数に基づいた運動状態の通知と連続して、目標達成の音が出力された場合でも、ユーザーは、容易に音の種類を判別することができる。
次に、本発明に係る第二実施形態について、以下に説明する。
上述した第一実施形態では、ターゲットゾーンの中心値を境界として、アッパーターゲットゾーン及びローワーターゲットゾーンに区分する例を示した。これに対して、第二実施形態では、ターゲットゾーンの区分方法、及び音を出力するゾーンが上記第一実施形態と異なる。
図9は、第二実施形態における音出力手段28により出力される音パターンの一例を示す図である。
図9に示すように、第二実施形態では、ターゲットゾーンを、上限値から上限値近傍の第一脈拍値までのアッパーターゲットゾーン(第一脈拍範囲)、下限値から下限値近傍の第二脈拍値までのローワーターゲットゾーン(第二脈拍範囲)、第一脈拍値から第二脈拍値までのミドルターゲットゾーンに区分する。
上限値及び第一脈拍値の差、第二脈拍値及び下限値の差がそれぞれ、例えば1〜5拍程度である場合、ミドルターゲットゾーンに属していた脈拍数が変化することで、アッパーターゲットゾーンやローワーターゲットゾーンを通知することなく、脈拍数がオーバーゾーンやアンダーゾーンに達する恐れがある。また、第一脈拍値及び第二脈拍値が、上限値及び下限値から例えば15拍以上の値に設定されている場合、ミドルターゲットゾーンが小さく、頻繁にアッパーターゲットゾーンやローワーターゲットゾーンに対応した音が出力されることになる。以上のような理由から、第一脈拍値及び第二脈拍値は、上限値及び下限値から5〜15程度離れた値に設定されることが好ましく、10拍程度離れた値とすることが最も好ましい。
すなわち、音出力手段28は、図6に示した音出力パターンと同様に、脈拍数がオーバーゾーンや、アンダーゾーンに属する場合、脈拍数の変動傾向によらずブザー音等の警告音をスピーカー7から出力させる。
一方、脈拍数の変動傾向が上昇傾向であり、脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属している場合、音出力手段28は、例えば脈拍数が上昇傾向である旨を示す音(例えば、「ド」「ミ」「ソ」の三和音)を、例えば1秒間隔の音出力ピッチで出力する。すなわち、ユーザーを落ち着かせて運動強度の減少を促すテンポの音により、脈拍数がオーバーゾーンに入る可能性がある旨をユーザーに通知する。
また、脈拍数の変動傾向が下降傾向であり、脈拍数がローワーターゲットゾーンに属している場合、音出力手段28は、例えば脈拍数が下降傾向である旨を示す音(例えば、「ラ」単音)を、例えば0.5秒間隔の音出力ピッチで出力する。すなわち、ユーザーを急かせて運動強度の増加を促すテンポの音により、脈拍数がアンダーゾーンに入る可能性がある旨をユーザーに通知する。
そして、脈拍数の変動傾向が上昇傾向であるが、脈拍数がローワーターゲットゾーン又はミドルターゲットゾーンに属している場合、脈拍数の変動傾向が下降傾向であるが、脈拍数がアッパーターゲットゾーン又はミドルターゲットゾーンに属している場合、及び脈拍数の変動傾向が安定傾向である場合、音出力手段28は、音信号を出力しない。すなわち、脈拍数がターゲットゾーンから外れる可能性が低い場合は、適切な運動が維持されている状態であることを意味し、音出力手段28による音の出力がないことで、ユーザーが運動に集中できる環境を維持することができる。
本実施形態では、ターゲットゾーンは、ターゲットゾーンの上限値から当該上限値より小さい第一脈拍値までのアッパーターゲットゾーンと、ターゲットゾーンの下限値から当該下限値より大きく第一脈拍値より小さい第二脈拍値までのローワーターゲットゾーンと、第一脈拍値から第二脈拍値までのミドルターゲットゾーンとに区分されている。そして、音出力手段28は、脈拍数の変動傾向が上昇傾向であり、かつ脈拍数がアッパーターゲットゾーンに属している場合に、脈拍数がターゲットゾーンを越える可能性がある旨の音として、「ド」「ミ」「ソ」の三和音を出力する。また、音出力手段28は、脈拍数の変動傾向が下降傾向であり、かつ脈拍数がローワーターゲットゾーンに属している場合に、脈拍数がターゲットゾーンを下回る可能性がある旨の音として、「ラ」の短音を出力する。更に、音出力手段28は、脈拍数の変動傾向が上昇傾向であり、脈拍数がミドルターゲットゾーン又はローワーターゲットゾーンに属する場合、脈拍数の変動傾向が下降傾向であり、脈拍数がミドルターゲットゾーン又はアッパーターゲットゾーンに属する場合、及び、脈拍数の変動傾向が安定傾向であり、脈拍数がターゲットゾーンに属する場合、音を出力しない。すなわち、音出力手段28は、脈拍数がターゲットゾーンから逸脱する可能性がある場合のみ音によりこれを通知し、ターゲットゾーンから早期に逸脱する可能性が低い場合は音を出力しない。
このため、ユーザーにより、高い運動効率で安定した運動が行われている場合では、ユーザーの運動への集中を阻害することがない。また、ターゲットゾーンから逸脱する可能性が高い場合にのみ音を出力することで、非効率な運動や、身体に過度の負担がかかる運動が行われることを抑制できる。これにより、生体情報測定装置1は、運動効果が高い運動を安定して維持させるような、効率的な運動支援を行うことができる。
次に、本発明に係る第三実施形態について、以下に説明する。
上記第一及び第二実施形態では、生体情報測定装置1の端子部8にスピーカー7を有線接続する例、又は生体情報測定装置1及びスピーカー7を無線により接続する例を示した。これに対して、第三実施形態では、生体情報測定装置1から出力された音信号を、中継端末装置を介してスピーカー7に出力する点で上記第一及び第二実施形態と相違する。
図10は、第三実施形態の機器接続構成、及び中継端末装置の構成を示すブロック図である。
図10において、中継端末装置30は、携帯型端末装置である。このような中継端末装置30としては、例えば、携帯電話、スマートフォンやタブレット端末、携帯型音楽再生装置、無線ヘッドホン、ヘッドマウントディスプレイ、携帯ラジオ等が例示できる。
この中継端末装置30は、例えば、生体情報測定装置1の端子部8に有線接続されていてもよく、Bluetooth等により無線接続されていてもよい。この中継端末装置30は、生体情報測定装置1から入力される、脈拍数や脈拍数の変動傾向に応じた音信号、及び目標達成時に出力される音信号を受信し、その音をスピーカー7に出力する。
音楽再生手段351は、例えばユーザーの操作部32の操作に基づいて、記憶部31に記憶された音楽等の音データを再生する。すなわち、音データに基づいた信号を入出力端子34からスピーカー7に出力して再生させる。
音信号取得手段352は、入出力端子34に接続された生体情報測定装置1から入力される、脈拍数や脈拍数の変動傾向に基づいた音信号を取得する。また、音信号取得手段352は、生体情報測定装置1の目標達成通知処理において出力される音信号を取得する。
この時、音楽再生手段351により音楽等の音がスピーカー7から出力されている場合、音制御手段353は、その音量を所定音量だけ低下させ、音信号取得手段352により取得した音信号に基づいた音をスピーカー7から出力させる。なお、音制御手段353は、音楽再生手段351により音楽等が再生されている場合、音楽等の音を一時停止させて、音信号取得手段352により取得した音信号に基づいた音を出力させてもよい。
また、音制御手段353は、音信号取得手段352から音信号が入力されると、音信号の種類に応じて予め設定された他の音(例えば音楽や音声等)をスピーカー7から出力させてもよい。
次に本発明に係る第四実施形態の運動支援装置について図面に基づいて説明する。
上記第一から第三実施形態では、生体情報測定装置1により本発明の運動支援装置が構成される例を示した。これに対して、本実施形態では、脈拍計に接続された端末装置40により、本発明の運動支援装置が構成される点で、上記各実施形態と相違する。
本実施形態では、脈拍計1Aは、脈拍検出部10を備え、ユーザーの腕等に装着されることで、上記第一実施形態と同様に、ユーザーの脈拍数を計測する。ここで、本実施形態の脈拍計1Aは、計測した脈拍数をデジタル信号として端末装置40に出力する構成を備えていればよく、例えば、従来のデジタル式の脈拍計測装置を用いることができる。
また、CPU46は、記憶部41に記憶されたプログラムを読み込み実行することで、第一実施形態と同様に、脈拍取得手段21、脈拍傾向判定手段22、脈拍判定手段23、カロリー算出手段24、運動時間計測手段25、歩数計測手段26、目標判定手段27、音出力手段28、及び表示制御手段29として機能する。
したがって、端末装置40は、脈拍計1Aにより計測された脈拍数に基づいて、上記第一実施形態と同様の処理(S1〜S6の各種処理)を実施することができる。
これに加え、音によりユーザーの運動状態を通知することで、例えばユーザーが運動中にディスプレイ43を確認する必要がなく、ユーザーの運動への集中を途切れさせることなく、運動支援を行うことができる。また、ユーザーが運動中にディスプレイ43を確認する必要がないので、運動中の転倒や衝突等のリスクを回避でき、また夜間においても、確実にユーザーに脈拍数に応じた運動状態を通知することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、運動時間計測手段25による運動時間の計測として、脈拍数の計測が行われている時間を計測する例を示したが、これに限定されない。例えば、脈拍数がターゲットゾーン内で維持されている時間を計測してもよい。
また、運動時間計測手段25は、脈拍数がオーバーゾーン内、又はターゲットゾーン内となる時間をそれぞれ計測してもよい。この場合、例えば無酸素運動の時間目標値、有酸素運動の時間目標値が設定されていてもよく、目標判定手段27は、脈拍数がオーバーゾーン内であった時間が無酸素運動の時間目標値に達したか否か、脈拍数がターゲットゾーン内であった時間が有酸素運動の時間目標値に達したか否かを判定する。そして、音出力手段28は、目標判定手段27の判定結果に基づいて、その達成状況を音により通知する。このような構成であれば、ユーザーの運動の種別に基づいてより詳細な運動状態を音により通知することができ、より効果的な運動支援を行うことができる。
例えば、所定期間(1日、1週間、1か月)における脈拍数の平均値を算出し、脈拍数の平均値に基づいてカロリー消費量を算出してもよい。
このような構成では、例えば、脈拍数が急激に上昇している場合に、アッパーターゲットゾーンが広がるので、脈拍数がオーバーゾーンに入る前に、迅速に、脈拍数がターゲットゾーンを越える可能性がある旨を知らせることができる。また、脈拍数が急激に下降している場合に、ローワーターゲットゾーンが広がるので、脈拍数がアンダーゾーンに入る前に、迅速に、脈拍数がターゲットゾーンを下回る可能性がある旨を知らせることができる。
第二実施形態においても同様であり、脈拍数の変動傾向を求めるための回帰直線の傾きに応じて、第一脈拍値や第二脈拍値の値を変動させてもよい。
また、運動の目的に応じて、ユーザーの操作部5の操作により、ターゲットゾーンを変更可能な構成としてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
Claims (10)
- 脈拍検出部により検出されるユーザーの脈拍数を取得する脈拍取得手段と、
取得した前記脈拍数を記憶する脈拍記憶手段と、
取得した前記脈拍数が所定の適正脈拍範囲内であるか否かを判定する脈拍判定手段と、
前記脈拍記憶手段に記憶された前記脈拍数に基づいて、脈拍数の変動傾向を判定する脈拍傾向判定手段と、
前記脈拍判定手段の判定結果、及び前記脈拍傾向判定手段により判定された脈拍数の変動傾向に基づいた音を出力させる音出力手段と、
を備えたことを特徴とする運動支援装置。 - 請求項1に記載の運動支援装置において、
前記適正脈拍範囲は、複数の部分脈拍範囲に区分されており、
前記音出力手段は、取得した前記脈拍数が属する前記部分脈拍範囲、及び前記脈拍数の変動傾向に応じて、異なる音を出力する
ことを特徴とする運動支援装置。 - 請求項2に記載の運動支援装置において、
前記適正脈拍範囲は、前記部分脈拍範囲として、前記適正脈拍範囲内の所定の第一脈拍値から前記適正脈拍範囲の上限値までの第一脈拍範囲と、前記適正脈拍範囲内の前記第一脈拍値よりも小さい第二脈拍値から前記適正脈拍範囲の下限値までの第二脈拍範囲とを含み、
前記音出力手段は、前記脈拍数の変動傾向が上昇傾向であり、かつ取得した前記脈拍数が前記第一脈拍範囲内である場合、及び前記脈拍数の変動傾向が下降傾向であり、かつ取得した前記脈拍数が前記第二脈拍範囲内である場合に、前記脈拍数が前記適正脈拍範囲から外れる可能性がある旨を知らせる音を出力する
ことを特徴とする運動支援装置。 - 請求項3に記載の運動支援装置において、
前記音出力手段は、前記脈拍数の変動傾向が上昇傾向であり、かつ取得した前記脈拍数が前記適正脈拍範囲における前記第一脈拍範囲外である場合、及び前記脈拍数の変動傾向が下降傾向であり、かつ検出された前記脈拍数が前記適正脈拍範囲における前記第二脈拍範囲外である場合、前記音の出力を停止する
ことを特徴とする運動支援装置。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の運動支援装置において、
前記音出力手段は、取得した前記脈拍数が属する前記部分脈拍範囲が高くなるに従って、高い周波数の音を出力する
ことを特徴とする運動支援装置。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載の運動支援装置において、
前記音出力手段は、所定の時間間隔で音を出力し、取得した前記脈拍数が属する前記部分脈拍範囲が高くなるに従って、前記音を出力する前記時間間隔を長くする
ことを特徴とする運動支援装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の運動支援装置において、
前記音出力手段は、前記脈拍判定手段により前記脈拍数が前記適正脈拍範囲外であると判定された場合に、警告音を出力する
ことを特徴とする運動支援装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の運動支援装置において、
ユーザーの運動を評価するための運動評価量を計測する運動評価量計測手段と、
所定の対象期間における前記運動評価量の累計値が予め設定された運動目標値に達したか否かを判定する目標判定手段と、を備え、
前記音出力手段は、目標判定手段により、所定の対象期間における前記運動評価量の累計値が前記運動目標値となった際に、前記運動目標値に達した旨を知らせる音を出力する
ことを特徴とする運動支援装置。 - 脈拍検出部により検出されるユーザーの脈拍数を取得する脈拍取得ステップと、
取得した前記脈拍数を脈拍記憶手段に記憶する脈拍記憶ステップと、
取得した前記脈拍数が所定の適正脈拍範囲内であるか否かを判定する脈拍判定ステップと、
前記脈拍記憶ステップで記憶された前記脈拍数に基づいて、脈拍数の変動傾向を判定する脈拍傾向判定ステップと、
前記脈拍判定ステップにより検出された判定結果、及び前記脈拍傾向判定ステップにより判定された脈拍数の変動傾向に基づいた音を出力させる音出力ステップと、
を実施することを特徴とする運動支援方法。 - コンピューターを請求項1から請求項8のいずれかに記載の運動支援装置として機能させることを特徴とする運動支援プログラム。
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