JP2013215843A - 形状測定装置および羽根車の形状測定装置 - Google Patents

形状測定装置および羽根車の形状測定装置 Download PDF

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龍平 竹田
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Abstract

【課題】切削加工の修正量を1回で正しく測定することができる形状測定装置を提供する。
【解決手段】工作機械はワークWの表面に切削工具11を押し当てながら所定のツールパスTに沿って切削工具11を移動させてワークWを切削加工する。かかる工作機械によって切削加工を施された加工面Bの形状を測定する装置であることを前提として、形状測定装置は、ツールパスTと平行な測定ラインLを加工面Bに設定する測定ライン設定部と、設定された測定ラインLから加工面Bまでの距離を測定して出力する形状誤差測定部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、切削加工によりインペラなどの羽根車を削り出して製造する方法に関し、特に切削加工の修正量を正確かつ迅速に測定する技術に関する。
近年、自動車の燃費向上の要求が高まり、エンジンの低回転領域におけるトルク向上を目的として、ロープレッシャーターボが注目されている。ロープレッシャーターボのターボチャージャーでは、コンプレッサに入る排気ガス温度が高温であるため、従来の鋳造品ではなく、耐熱性の高い鍛造品から羽根を削り出したインペラが必要とされている。
インペラなどの羽根車を切削加工する方法としては従来、例えば、特開2010−269417号公報(特許文献1)、特開2002−36020号公報(特許文献2)、および特開2008−18510号公報(特許文献3)に記載のものが知られている。特許文献1および特許文献2に記載の加工方法は、工作機械の主軸に切削工具を装着し、工作機械の割出テーブルにワークをチャッキングする。そして、切削工具を高速回転させながらワークに押し当て、コンピュータによる数値制御によって工作機械を3軸、4軸ないし5軸制御して、ワークを羽根車の形状に切削加工するというものである。このとき、ワークからみた切削工具の移動経路になるツールパス(切削方向、あるいは加工パスともいう)は、特許文献2の図2および図4(B)や、特許文献3の図3(a)に示すように、1枚の羽根の長手方向に沿って延びることが一般的である。
このツールパスは、ワーク表面の被削材を削り出すことによってワークを所定の形状に加工するものであり、切削工具の切り込み深さなどを考慮して目標切削形状に倣うように設定される。工作機械の数値制御によって切削工具はツールパスに沿って移動し、ワークを切削加工する。そして通常は、切削加工を施されたワークの加工面が目標切削形状の規格範囲内に収まり、ワークは羽根車に切削加工される。
しかしながら、被削材の材質や、ツールパスに沿って移動する切削工具の送りの速度や、工作機械の公差や、切削工具およびワーク自身の剛性不足や、ワークを割出テーブルに取り付ける際の微小な芯ずれなど、切削加工に何らかの不具合が生じて、切削加工を施された加工面が、目標切削形状の規格範囲から外れてしまう場合もあり得る。
したがって切削加工後、羽根車の形状にずれやゆがみがないかどうか、羽根車の形状が所定の規格範囲に収まるかどうか、羽根車の形状を検査する。そして、羽根車の形状が所定の規格範囲に収まっていれば、羽根車は次の工程へ進む。これに対し、羽根車の形状が所定の規格範囲に収まっていなければ、この羽根車は棄却の対象となり、ツールパスを修正して、次回以降のワークの切削加工によって製造される羽根車の形状が、所定の規格範囲に収まるようにする。
例えば特開2007−32570号公報(特許文献4)に記載の検査方法では、ターボ機械ブレードの形状を検査するため、ブレード断面を抽出し、当該ブレード断面の吸い込み面における所定位置の接線角や、圧力面における所定位置の接線角や、ブレード断面の迎え角や、ブレード断面における所定位置の厚み寸法など、ブレードの空気力学的なパラメータを測定する。
そして切削加工後の検査で、これらのパラメータについて羽根車の形状を詳細に測定して測定値を求め、これらパラメータの測定値と、空気力学的に求めた理論的なパラメータの目標値の差異を算出し、羽根車の形状のどの部分がどの程度規格範囲から外れているのか特定し、工作機械のオペレータの目安(勘と経験)によって工作機械の駆動部に出力される切削加工のツールパスを修正する。
特開2010−269417号公報 特開2002−36020号公報 図2 図4(B) 特開2008−18510号公報 図3(a) 特開2007−32570号公報
しかし、上記従来のように切削加工の誤差を修正するために、オペレータの目安で切削加工のツールパスを修正する方法にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまり、切削加工後のワークのパラメータ測定値に基づく修正であっても、切削加工のツールパスの修正は目安にすぎないため、切削加工のツールパスが正しく修正されているとは限らない。すなわち、ワークの空気力学的なパラメータは、切削加工の際の切削工具の移動経路(すなわちツールパス)と無関係であるため、詳細な測定によりワークの空気力学的なパラメータを算出しても、切削工具のツールパスを目安で修正するしかなく、一回の修正のみをもって切削加工の誤差を正しく修正することはできない。
このため、切削加工時のツールパスを修正して次のワークを切削加工しても、切削加工された羽根車の表面形状が規格範囲から再び外れてしまうことが多く、もう一度、切削加工のツールパスを修正しなければならなかった。結局、ワークの切削加工と、切削加工後の検査と、切削加工のツールパスの修正とを、繰り返し行うことになってしまい、切削加工の誤差の修正に長い時間がかかっていた。
従来における切削加工のツールパスの修正方法を図18にフローチャートで示すと、まずステップS101で工作機械を用いてワークを切削加工し、次のステップS102で形状測定装置を用いてワークの加工面を測定してパラメータの測定値を求め、次のステップS103で加工面のパラメータ測定値と羽根面の理論的なパラメータ目標値の差異を算出し、次のステップS104で差異が規格範囲に入るか否か判定する。そして規格範囲に入っていればツールパスを修正することなく終える。これに対し、規格範囲外であれば、ステップS105に進み、工作機械のオペレータの経験と勘によりツールパス修正量の目安をつける。次のステップS106で修正量の目安に基づき切削加工のツールパスを修正する。次にステップS101に戻り、修正したツールパスに基づきワークを切削加工する。以降、ツールパスが正しく修正されるまで、ステップS101〜ステップS106を繰り返す。このように従来においては、切削加工の誤差の修正の失敗と再修正を繰り返すという問題があった。
本発明は、上述の実情に鑑み、切削加工の誤差の修正の失敗および再修正の繰り返すことなく、切削加工のツールパスを1回で正しく修正することができる形状測定装置を提供することを目的とする。
この目的のため本発明による形状測定装置は、ワークの表面に切削工具を押し当てながら所定のツールパスに沿って切削工具を移動させてワークを切削加工する工作機械によって切削加工を施された加工面の形状を連続して測定する装置であることを前提とする。そして、ツールパスと平行な測定ラインを加工面に設定する測定ライン設定部と、設定された測定ラインから加工面までの距離を連続して測定し、得られた測定値を出力する形状誤差測定部とを備える。
かかる本発明によれば、切削加工が施されたワークの加工面の形状を、切削加工のツールパスに基づく測定ラインに沿って測定する。そして、設定上の測定ラインから実際の加工面までの距離を連続測定することから、加工面の形状誤差とツールパスが関連付けられる。したがって、加工面の形状誤差をツールパスに反映させて切削加工のマシニングセンタ修正量を迅速に求めることができる。したがって、ツールパスを1回の修正で正しく修正することができる。
所定のツールパスは、削り出しによってワークを目標切削形状に加工するために予め設定された数値であり、例えばXYZ座標で表される方程式、あるいは座標群等である。このツールパスと平行な測定ラインは、目標切削形状に包含されるものであってもよいし、目標切削形状よりもワーク外方またはワーク内方へオフセットするものであってもよい。あるいは測定ラインはツールパスと一致してもよい。測定ラインから加工面までの距離は、目標切削形状に対し直交方向に測定した最短距離であってもよいし、目標切削形状から所定の斜め方向に測定した距離であってもよい。
切削工具の先端で切削加工する場合、ツールパスは切削工具先端という点領域の移動経路を表す。切削工具の先端という点領域で切削加工する場合、ツールパス1本当たりの加工面の幅は小さく、先端の移動経路のみが重要な修正対象であるから、ツールパス先端当たりの加工面に1本の測定ラインを設定すると良い。
また切削工具の側面で切削加工する場合、ツールパスは切削工具の先端側から根元側までの長尺な線領域の移動経路を表す。切削工具の側面という線領域で切削加工する場合、ツールパス1本当たりの加工面の幅は大きく、切削工具の先端側の移動経路および根元側の移動経路の双方が重要な修正対象である。そこで、測定ライン設定部は、切削工具の先端側部分のツールパスと平行な測定ラインと、切削工具の根元側部分のツールパスと平行な測定ラインをそれぞれ設定すると良い。かかる実施形態によれば、切削工具の先端側の側面で切削加工が施された加工面の測定ラインと、切削工具の根元側の側面で切削加工が施された加工面の測定ラインとが得られることから、2本の測定ラインから加工面の形状誤差を算出することができる。したがって、切削工具の側面で切削加工する場合であってもツールパスを好適に修正することができる。
上述した2本の測定ラインを設定する実施形態に重畳して、例えば、切削工具の中間部分のツールパスと平行な測定ラインを追加して、測定ラインを3本以上設定することにより、より精度の高い修正を実現することができる。
好ましい実施形態として、測定ライン設定部は、測定ラインと交差する補助の測定ラインをさらに設定する。かかる実施形態によれば、切削加工における切削工具の実際の傾斜角度を測定することができる。したがって、ツールパスを高精度で修正することができる。なお測定ラインと補助の測定ラインの交差角度は特に限定されない。好ましくは切削工具の延在方向と平行に補助の測定ラインを設定する。
切削加工の対象領域の幅寸法が切削工具の長さよりも小さい場合、1本のツールパスで切削加工が可能である。これに対し、切削加工の対象領域の幅寸法が切削工具の長さよりも大きい場合、複数本のツールパスを往復するよう並列に設定して切削加工してやるとよい。ただし、切削工具のツールパスは、切削加工の対象領域の長手方向に限定されるものではない。
加工面の形状誤差は様々な原因からなる。例えば、ワーク端部を切削して生じるバリに起因する形状誤差は、ワークの材質に因るものであって、ツールパスに因るものではない。そこで好ましい実施形態として、測定ライン設定部は、測定ライン上に2個の管理ポイントを設定する。そして形状誤差測定部は、一方の管理ポイントから他方の管理ポイントまでを含む測定ラインを連続して測定する。かかる実施形態によれば、ツールパスの両端部を除いたツールパスの中間領域で、形状誤差を測定することから、バリなどの原因を排除してツールパスを好適に修正することができる。
本発明は、回転対称形状である羽根車などの切削加工品を好適に製造することができる。特にインペラのように、ベースとなる円盤部と、円盤部から一方に延びる軸部と、軸部の周方向等間隔に配設される複数の羽根部とを備える切削加工品は、羽根部が複雑な3次元曲面形状であり、本発明によって好適に製造される。また本発明は、自動車用ターボチャージャーのインペラやタービンのように小型の羽根車に好適に適用される。あるいは発電機用のインペラやタービンのように大型の羽根車にも適用可能である。
好ましい実施形態として、工作機械は、ワークの基準軸線を中心として周方向に離れた複数個所に、同一のツールパスで加工面を順次切削形成するものである。そして、形状誤差測定部は、複数個所における測定ラインから加工面までの距離を平均化して出力する。かかる実施形態によれば、平均化した形状誤差を出力することができる。したがって、ワークを工作機械の割出テーブルにチャッキングしたとき、割出テーブルの回転軸線とワークの基準軸線がずれたまま切削加工しても、軸線のずれを原因とする形状誤差と、切削工具の不具合を原因とする形状誤差を分けて算出することができ、切削工具のツールパスを正しく修正することができる。なお、この実施形態の他、ワークの形状は非対称であってもよく、線対称であっても適用可能である。本発明は鍛造または鋳造の羽根車の羽根部表面を好適に測定することができる。
このように本発明は、ツールパスに対応する修正量がわかり、ツールパスを正しく速やかに修正するため、修正の失敗と再修正を繰り返す必要がなく、一回のみの修正で切削加工の誤差を速やかに正しく修正することができる。したがって、時間をかけることなく精度の高い切削加工品を効率よく製造することができ、修正時間の短縮により加工費を低減することができる。
本発明の一実施例になる切削加工品の製造方法を実行する機器類のシステム構成図である。 同実施例になる切削加工品の製造方法を示すフローチャートである。 切削加工品の目標切削形状を例示する斜視図である。 ワークの切削加工を模式的に示す斜視図である。 測定ラインを示す斜視図である。 切削加工が施された加工面と、目標切削形状を対比して示す斜視図である。 測定ラインにおける形状誤差を示す図である。 補助測定ラインにおける形状誤差を示す図である。 切削加工が施された加工面の形状誤差をマップ化した図である。 切削加工品(インペラ)の全体を示す側面図である。 図10の切削加工品(インペラ)を示す平面図である。 切削加工のツールパスおよび測定ラインを示す説明図である。 羽根部における切削加工の様子を示す図であり、(a)がワークおよび目標切削形状を対比して示し、(b)がツールパスを示し、(c)がツールパスと測定ラインと目標切削形状の位置関係を模式的に示す。 第1の羽根部に関し、測定ラインにおける形状誤差を示す図である。 第3の羽根部に関し、測定ラインにおける形状誤差を示す図である。 第1〜第5羽根部に関する形状誤差を平均化した形状誤差を示す図である。 芯ずれのまま割出テーブルにチャッキングされたワークの加工面を模式的に示す図である。 従来の切削加工品の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施例になる形状測定装置を用いて切削加工品の製造方法を実行する装置類のシステム構成図である。図2は、切削加工品の製造方法を示すフローチャートである。この製造方法は、図1に示すように、数値制御されてワークWを切削加工する工作機械と、切削加工が施されたワークWの加工面を測定する形状測定装置と、工作機械および形状測定装置にデータを出力し、形状測定装置からデータを入力される演算装置とによって実行される。
演算装置は、切削加工品の目標切削形状から切削工具のツールパスを算出し、数値制御される工作機械にツールパスのデータを出力する電子計算機である。ツールパスデータは連続する座標群であったり、関数などで表現される線であったりする。また、演算装置は工作機械に含まれてもよい。
工作機械はマシニングセンタであって、数値制御により、割出テーブル12を動作させながら工作機械の主軸に装着された切削工具11を入力されたツールパスに沿って移動させてワークWを切削加工する。なおワークWは、予め荒加工によって、余肉を残したまま略目標切削形状に整えられている。したがって、この実施例で説明する切削加工は、仕上げ工程に含まれる最終的な被削材除去作業である。
形状測定装置は、ワークWの表面を測定する。工作機械によって切削加工が施されたワークWは、形状測定装置に送られる。上下および水平方向に移動可能な形状測定装置の基台にワークWをチャッキングした状態で、形状測定装置のプローブ21の球状先端が、切削加工が施されたワークWの加工面に接触し、プローブ21を測定ラインに沿って移動させて、切削加工が施されたワークWの加工面を測定する。そして形状測定装置は、測定ラインから加工面までの距離を測定し、測定距離に基づき形状誤差を算出して、演算装置に形状誤差を出力する。なお形状測定装置は測定距離のデータをそのまま演算装置に出力し、演算装置で測定距離に基づき形状誤差を算出してもよい。
形状誤差に関する測定データを入力された演算装置は、形状誤差に基づきツールパスを修正して、次回の切削加工から工作機械に修正されたツールパスデータを出力する。これにより工作機械は、次回から正しいツールパスでワークWを切削加工し、形状誤差が規格範囲内の切削加工品を製造する。
形状誤差は目標切削形状と加工面の差異を表す数値データであり、測定ラインから加工面までの測定距離が形状誤差になる。測定ラインが目標切削形状よりも外方あるいは内方へオフセットして設定される場合、オフセット量と測定距離の和が形状誤差になる。
なおワークWは、工作機械の加工台である割出テーブル12にチャッキングされ、割出テーブル12の回転軸線Cを中心として所定の角度で等間隔に割り出しされる。また割出テーブル12の回転軸線Cと水平面との角度αは変更可能であり、ツールパスデータに合致するよう制御される。工作機械の数値制御は、ツールパスデータどおりに、高速回転する切削工具11をXYZ軸の3方向に移動させながら、水平面に対する回転軸線Cの傾斜角度αおよび回転軸線Cを中心とする回転角βを変更する。
本実施例の製造方法は、図2に示すフローチャートで表すことができる。まずステップS10で切削工具11を所定のツールパスに沿って移動させ、ワークWを切削加工する。ツールパスは、目標切削形状に基づき予め設定されたものであり、後述する図4にTで例示するように設定された切削工具11の移動経路である。
図2に示す次のステップS20では、切削加工が施されたワークWにツールパスと平行な測定ラインを設定する。なお測定ラインはツールパスから計算によって求めた連続する座標群であったり、関数で表現される線であったりする。また測定ラインは目標切削形状に包含されてもよい。これに対し実際の加工面は、目標切削形状と一致したり、目標切削形状よりも僅かに削りすぎであったり、僅かに削り残しがあったりする。
次のステップS30で測定ラインから加工面までの距離を測定する。測定ラインが目標切削形状に包含される場合、測定距離は形状誤差に等しい。この場合、測定ラインから加工面までの距離が0であれば、切削加工に誤差がない。これに対し測定ラインから加工面までの距離が負値であれば、加工面が目標切削形状を越えて切削されている(削りすぎ)。あるいは測定ラインから加工面までの距離が正値であれば、加工面が目標切削形状まで切削されていない(削り残し)。
次のステップS40で測定した形状誤差が規格範囲内であるか否かを判定する。規格範囲内であれば、ワークは正しく切削加工され、ツールパスを修正する必要がないので、このフローチャートを終了する。これに対し規格範囲外であれば、ツールパスを修正するためにステップS50へ進む。なお、加工面の精度を高くしたければ、このステップS40で規格範囲の上限値および下限値を0に近づけるとよい。
次のステップS50で前のステップで得られた形状誤差に基づきツールパスを修正する。例えば形状誤差が+a[μm]の正値であれば、ツールパスをa[μm]だけ目標切削形状に近づけて、削り残しを解消する。
本実施例の製造方法を詳細に説明する。図3〜図9にツールパスの具体的な修正手順を示す。図3は羽根1枚を模式的に表すものであって、切削加工品の目標切削形状を示す斜視図である。図3に示す例では、1本のツールパスによって基準軸線Eを中心とする半径R=25[mm]、直径D=50[mm]、幅I=50[mm]の目標切削形状Aを形成する。本発明の理解を容易にするため、図3〜図9で、目標切削形状Aは半円柱外周面であると仮定する。
図4は、高さ寸法R=25[mm]超、横寸法D=50[mm]超、奥行き寸法I=50[mm]超のワークWの切削加工を模式的に示す斜視図である。ワークWは基準軸線Eを有し、この基準軸線Eが割出テーブル12の表面と平行になるよう、割出テーブル12にチャッキングされる。切削工具11は高速回転するエンドミルであり、割出テーブル12を基準とする傾斜角度が0°となるよう割出テーブル12と平行に延在する。そして切削工具11は、実線および二点鎖線で表されるツールパスTに沿って矢印の方向に動かされ、傾斜角度0°のまま、切削工具11の側面でワークWを切削加工する。
この例のツールパスTは、基準軸線Eを中心とする半円弧に設定された移動経路である。ツールパスTの目標切削形状Aは、基準軸線Eを中心とする半径25[mm]の半円柱外周面である。この例では、切削工具11の先端部11pのツールパスも、切削工具11の根元部11qのツールパスも、基準軸線Eを中心とする半径25[mm]の半円弧である。先端部11pのツールパスと根元部11qのツールパスは、基準軸線Eの延在方向に間隔を開けて平行に設定される。この例では、複数本のツールパスを設定せず、図4に示すように1本のツールパスTで目標切削形状Aを形成する。
ここで付言すると、切削加工によって半円錐外周面を形成する場合には、共通な基準軸線Eに対して、先端部11pのツールパスの半径と、根元部11qのツールパスの半径とを異ならせるとよい。あるいは切削加工によって3次元曲面を形成する場合には、先端部11pのツールパスと、根元部11qのツールパスを異ならせるとよい。
切削工具11の側面で切削加工する場合、切削工具11の移動経路であるツールパスTは、切削工具11の先端側のツールパスと、切削工具11の根元側のツールパスと、切削工具11の先端および根元間の所定部位のツールパスからなるが、この例のように切削工具1のいずれの部位のツールパスも同一形状であれば、切削工具11の先端および根元間の所定部位のツールパスで表現できる。また図示はしなかったが切削工具11の先端で切削加工する場合、切削工具11の移動経路であるツールパスTは切削工具11の先端のツールパスで表される。ツールパスTは半円等、この例のような平面曲線であってもよいし、例示はしなかったが空間曲線や直線であってもよい。また切削工具11の軸線方向は、この例のようにツールパスTと直交してもよいし、図示はしなかったがツールパスTと鋭角で交差するものであってもよいし、ツールパスTと一致してもよい。
図5は、測定ラインを示す斜視図である。切削加工の完了後に、ワークWの加工面を測定するための測定ラインLを設定する。測定ラインLは横方向一方から横方向他方まで延びる。この例では、ツールパス1本当たりの目標切削形状Aにつき、3本の測定ラインL,L,Lが設定される。測定ラインL,L,Lは図4のツールパスTとすべて平行である。
測定ラインLは、基準軸線Eの一方側で、基準軸線Eを中心として周方向に延びる。測定ラインLは、基準軸線Eの他方側で、基準軸線Eを中心として周方向に延びる。測定ラインLは、基準軸線Eの中央で、基準軸線Eを中心として周方向に延びる。換言すると測定ラインL,L,Lは基準軸線Eと直交する半円形の仮想平面をそれぞれ構成する。また測定ラインL,L,Lは目標切削形状Aに包含される。
さらにこの例では、ツールパスTと直交する補助測定ラインMが設定される。補助測定ラインMは奥行き方向に延び、補助測定ラインMとして複数本の補助測定ラインM,M,Mが設定される。補助測定ラインM,M,Mも目標切削形状Aに包含される。また補助測定ラインM,M,MはツールパスTに沿って移動する切削工具11の軸線方向を表す。
図6は、切削加工が施された加工面と目標切削形状を対比して示す斜視図であり、測定ラインから加工面までの距離である形状誤差を視覚的に示す。図6中、括弧内の太字の座標は実際の加工面Bを表し、枠囲いの細字の座標は目標切削形状Aを表す。また基準軸線Eは座標(0,0)と座標(0,50)を結ぶ直線である。座標の左数字は横方向位置を、右数字は奥行き方向位置を表す。座標の単位は[0.1mm]である。
図7は、測定ラインLにおける形状誤差を示す図であり、図8は、補助測定ラインMにおける形状誤差を示す図である。図7および図8中、水平な細線は測定ラインLおよび補助測定ラインM(目標切削形状A)を表し、太線は測定ラインLおよび補助測定ラインMから加工面Bまでの測定距離を表す。そして、太線が水平な細線と一致すれば形状誤差は0である。また、太線が細線を下回れば削りすぎであり、太線が細線を上回れば削り残しである。図7および図8には、ラインL,Mの座標を枠囲いの細線で表示する。
図6を参照して、測定ラインLから加工面Bまでの距離の測定は、加工面Bに測定用のプローブ21の球状先端を接触させながら、プローブ21を測定ラインLに沿って太矢印の向きに移動させることにより、連続的に測定可能である。プローブ21は、両矢印で示すように、測定ラインLと直交する方向(目標切削形状Aの法線方向)に接触して当該方向の測定距離を検出するとよい。プローブ21が目標切削形状Aと直交する姿勢で加工面Bに接触することにより、図6に両矢印で示すプローブ21の軸線は基準軸線Eの径方向に延び、プローブ21はプローブ軸線方向の変位量を測定することができる。かくして、プローブ軸線方向変位量がそのまま測定距離になる。補助測定ラインMについても同様である。
図7を参照して、測定ラインLでは、座標(-25,5)から座標(0,5)まで形状誤差が0であり、切削加工が正しく行われていることがわかる。また座標(0,5)から座標(25,5)に向かって太線が細線よりも徐々に下回り、座標(25,5)に向かうほど削りすぎであることがわかる。測定ラインLでは、座標(-25,25)から座標(0,25)まで形状誤差が0であり、切削加工が正しく行われていることがわかる。また座標(0,25)から座標(25,25)に向かって太線が細線よりも徐々に下回り、座標(25,5)に向かうほど削りすぎであることがわかる。このように測定ラインLで測定した形状誤差は、測定ラインLと同様の傾向を示すが、測定ラインLほど削りすぎではないことがわかる。測定ラインLでも測定ラインLと同様の傾向を示すが、測定ラインLほど削りすぎではないことがわかる。これら測定ラインL,L,Lにおける形状誤差から、切削工具11の実際の移動経路は、座標(25,0)に向かうほど誤差が大きくなることがわかる。
図8を参照して、補助測定ラインMでは、座標(23.5, 0)で太線が細線よりも下回っていて、削りすぎであることがわかる。また座標(23.5, 50)で形状誤差が0であり、切削加工が正しく行われていることがわかる。また座標(23.5, 50)から座標(23.5, 0)に向かって太線が細線よりも徐々に下回り、座標(23.5, 0)に向かうほど削りすぎであることがわかる。補助測定ラインMでは、座標(0,0)から座標(0,50)まで太線と細線が一致し、切削加工が正しく行われていることがわかる。補助測定ラインMでは、座標(-23.5, 0)から座標(-23.5, 50)まで太線と細線が一致し、切削加工が正しく行われていることがわかる。これら補助測定ラインM,M,Mにおける形状誤差から、切削工具11の実際の傾斜角度は、補助測定ラインM,Mで正しく、補助測定ラインMで誤差を伴うことがわかる。
図9は、切削加工が施された加工面Bの形状誤差をマップ化した図である。加工面Bは、座標(-25,0)と座標(0,0)と座標(0,50)と座標(-25,50)で囲まれた領域と、座標(0,50)から座標(25,50)までの線において形状誤差が0である。また、座標(25,0)に向かうほど削りすぎであることがわかる。目標切削形状の座標(25,0)では加工面が(23,0)であることから0.2[mm]削りすぎていることがわかる。この理由として例えば、切削工具11の先端部11pが高速回転中に何らかの理由により切削工具11の軸線直角方向に振動してしまったと考えられる。なお図9に示す形状誤差マップは測定ラインLおよび/または補助測定ラインMを複数本設定することで得られる。
測定ラインLおよび補助測定ラインMの形状誤差から、切削工具11のツールパスは、座標(-25,0)と座標(0,0)と座標(0,50)と座標(-25,50)で囲まれた領域で正しく、座標(0,0)と座標(25,0)と座標(25,50)と座標(0,50)で囲まれた領域で切削工具11の傾斜角度を修正すべきことがわかる。
そこで、座標(0,50)から座標(25,50)まで切削加工する切削工具11の根元部11qのツールパスをそのままとしつつ、座標(0,0)から座標(25,0)に向かって切削加工する切削工具11の先端部11pのツールパスを、座標(25,0)に向かうほど基準軸線Eから離し、座標(25,0)で0.2[mm]離すようにツールパスTを修正する。これにより、次回以降のツールパスTによって、ワークWは正しく切削加工される。
これまで説明してきたように、本実施例になる切削加工品の製造方法は、ワークの表面に切削工具を押し当てながら、所定のツールパスに沿って切削工具を移動させて、ワークを切削加工する切削加工工程と、ツールパスと平行な測定ラインを設定し、測定ラインから切削加工が施されたワークの加工面までの距離を測定し、この測定距離に基づきツールパスの目標切削形状に対する加工面の形状誤差を算出する形状誤差検出工程と、この形状誤差に基づき、ツールパスを修正するツールパス修正工程とを実行する。
また本実施例になる切削加工品の製造方法は、形状誤差検出工程において、切削工具の先端側部分のツールパスと平行な測定ラインと、切削工具の根元側部分のツールパスと平行な測定ラインをそれぞれ設定する。
また本実施例になる切削加工品の製造方法は、形状誤差検出工程において、測定ラインと交差する補助測定ラインをさらに設定し、補助測定ラインから加工面までの距離を測定して、この測定距離に基づき目標切削形状に対する加工面の形状誤差を算出する。
また後述するように本実施例になる切削加工品の製造方法は、切削加工工程において、切削工具は、同一の目標切削形状部分を、ワークの基準軸線を中心として周方向に離れた複数個所に順次切削形成するものであり、形状誤差検出工程において、算出された形状誤差は、複数個所における形状誤差を平均化した算出値である。
次に、本実施例の製造方法で切削加工される切削加工物の具体的形状を図10〜図12に示す。図10は切削加工品であるインペラの全体を示す側面図である。図11は、図10のインペラを示す平面図である。インペラ31は、ベースとなる円盤部32と、円盤部32から一方へ延びる軸部33と、円盤部32から他方へ延びる山型の基部34と、円盤部32の一方端面から軸部33の外周面まで螺旋状に延びる薄板状の羽根部35,36と、軸部33から基部34まで同軸に貫通する貫通孔37を有する。円盤部32、軸部33、および基部34は基準軸線Oを中心とし、羽根部35,36は基準軸線Oを中心として周方向等間隔に5枚ずつ形成される。このようにインペラ31は基準軸線Oを中心とする回転対称形状である。ワークの基準軸線Oは工作機械の割出テーブル12の回転軸線Cと一致するようチャッキングされる(図1)。
本実施例の製造方法で切削加工される加工面は、長い方の羽根部35の上面および下面と、短い方の羽根部36の上面および下面と、周方向に間隔を開けて互い違いに形成される羽根部35,36の間に位置する軸部33の外周面である。
図12は、切削加工によって羽根部35の上面あるいは下面を形成する切削工具のツールパスTと、測定ラインL,Lと、補助測定ラインM,Mを示す説明図である。なお図示はしなかったが、羽根部36についても同様である。図12には、切削工具のツールパスのうち、先端部と根元部との間における所定部位のツールパスTを代表して示す。図12以降の図面に示される測定ラインLおよび補助測定ラインMの右下の添え字は、図9以前の図面に示される測定ラインLおよび補助測定ラインMの添え字と厳密に対応するものではない。
前述したように、切削工具によって切削加工が施された加工面Bに対し、2本の測定ラインL,Lを設定する。そして加工面にプローブ21の先端を接触させながら、プローブ21の先端を測定ラインL,Lに沿って動かし、加工面Bを測定する。
このときプローブ21の先端は、測定ラインL,Lを基準として、羽根面である加工面Bに対応する目標加工形状の法線方向の変位量を連続して測定する。この変位量が加工面Bの形状誤差になる。あるいは測定された加工面Bの座標と、目標切削形状Aに包含される測定ラインL,Lの目標座標とを対比して、測定ラインL,Lにおける加工面Bの形状誤差を算出してもよい。算出された形状誤差に基づきツールパスTが修正される。
図13は、羽根部35の下面(円盤部32に近い方の面)を代表して切削加工を示す図である。図13(a)は、切削加工前のワークWの表面形状およびインペラ羽根部の目標切削形状Aを対比して示す斜視図である。図13(a)中、工作機械の切削工具11は、その側面でワークWを切削し、1本のツールパスで目標切削形状Aを形成する。羽根部35の上面および羽根部36についても同様である。
図13(b)は、ツールパスの開始位置と終了位置を示す図である。高速回転する切削工具11は、1本のツールパスに沿って移動する。具体的には、切削工具11の先端部11pが1本のツールパスTに沿って矢印の向きに移動するとともに、切削工具11の根元部11qが1本のツールパスTに沿って矢印の向きに移動する。測定ラインLはツールパスTと平行に延びる。測定ラインLはツールパスTと平行に延びる。補助測定ラインM,Mは測定ラインL,Lと交差する。また補助測定ラインM,Mは、切削工具11の設定上の傾斜角度を表す。切削加工では、切削工具11をツールパスTに沿って矢印方向に移動させながら、切削工具11の傾斜角度を刻々と変化させる。
図13(c)はツールパスと測定ラインと目標切削形状と加工面の位置関係を模式的に示す図である。測定ラインL,Lは目標切削形状Aに包含され、ツールパスT,Tとそれぞれ平行に延びる。加工面Bに包含される線Bは、測定ラインLに沿って測定される連続した座標群である。加工面Bに包含される線Bは、測定ラインLに沿って測定される連続した座標群である。
測定ラインL上には管理ポイントNをさらに設定する。管理ポイントNはツールパスTの開始側と終了側にそれぞれ設定するとよい。具体的には、ツールパスTの開始位置近傍と、ツールパスTの終了位置近傍に設定される。本実施例では図13(c)のように、測定ラインLの一方に管理ポイントNを設定し、測定ラインLの他方に管理ポイントNeを設定する。測定ラインL上にも同様に管理ポイントN,Neを設定するとよい。
図13(c)につき付言すると、切削工具11の軸線とツールパスTとの交差角θは、90°であってもよい他、切削工具11がツールパスに沿って移動するにつれて0°から90°の間で刻々と変化してもよい。ツールパスTについても同様である。これにより切削加工で複雑な形状の曲面を形成することができる。
本実施例では、割出テーブル12の割出機能によって、切削工具11が、同一の目標切削形状部分である羽根部35を、基準軸線Oを中心として周方向等間隔に離れた5箇所に順次形成する。また切削工具11は、羽根部35,35間に、同一の目標切削形状部分である羽根部36を、基準軸線Oを中心として周方向等間隔に離れた5箇所に順次形成する。
そこで、これら第1の羽根部から第5の羽根部までの形状誤差を平均化して、形状誤差を算出する。以下5枚の羽根部35を、羽根部351〜355と称する。
図14は、インペラ31の5枚の羽根部35の加工面Bのうち、第1の羽根部351の加工面351Bの形状誤差を示す図である。図15は、第3羽根部の加工面353Bの形状誤差を示す図である。図16は、第1〜第5の羽根部351〜355の加工面の形状誤差を平均化した形状誤差を示す図である。これらの形状誤差は同一箇所の測定ラインLである。測定ラインLについても同様に平均化する。そして一方に管理ポイントNから他方の管理ポイントNeまでの平均化した形状誤差をツールパスの修正量とする。
この実施例によれば、ツールパスは平均化した形状誤差に基づいて修正されることから、ツールパスを原因とする形状誤差と、ワークの芯ずれを原因とする形状誤差を分けて算出することが可能となり、次回のワークには、高い精度で切削加工を施すことができる。この理由につき詳細に説明する。
図17は、芯ずれのまま割出テーブルにチャッキングされたワークWの加工面を模式的に示す図である。ワークWの基準軸線Oが傾いたり位置ずれしたりする等、割出テーブル12の回転軸線Cから芯ずれしてしまうと、図17に示すように各羽根部351〜355の形状がすべて異なってしまう。この理由は、図17で、羽根部351〜355の加工面は実線で表されるように回転軸線Cを中心とする。これに対しワークWの元の形状は破線で表されるように基準軸線Oを中心とするからである。この結果、羽根部351〜355の加工面に形状誤差が生じる。
かかる場合に形状測定装置によって羽根部351〜355の加工面を測定して求めたそれぞれの羽根部351〜355の形状誤差は、芯ずれによる成分と、ツールパスTによる成分の双方を合算したものである。
本実施例では、羽根部351〜355のそれぞれの形状誤差を平均化することから、形状誤差から芯ずれによる成分を相殺することが可能となり、ツールパスTを適正に修正することができる。したがって、次回のワークには、高い精度で切削加工を施すことができるのである。
ところで本実施例の形状測定装置は、ツールパスTと平行な測定ラインLを加工面に設定する測定ライン設定部と、設定された測定ラインLから切削加工が施された加工面Bまでの距離を測定して出力する形状誤差測定部とを備える。
測定ライン設定部は、図13(c)に示すように、切削工具11の先端部11pのツールパスTと平行な測定ラインLと、切削工具11の根元部11qのツールパスTと平行な測定ラインLをそれぞれ設定する。
測定ライン設定部は、測定ラインL上に2個の管理ポイントNs,Neをさらに設定する。管理ポイントNsは、ツールパスTの開始位置よりも前方に設定され、管理ポイントNeは、ツールパスTの終了位置よりも後方に設定される。そして、形状誤差測定部は、一方の管理ポイントNsから他方の管理ポイントNeまで加工面Bまでの距離を連続して測定し、その想定値を出力する。
工作機械は、ワークWの基準軸線Oを中心として周方向に離れた第1〜第5の5個所に、同一のツールパスTで加工面を順次切削形成するものであり、形状誤差測定部は、複数個所における一方の管理ポイントNsから他方の管理ポイントNeまでの測定値を平均化して出力する。
本実施例の形状測定装置によれば、各羽根部の形状誤差とすべての羽根部の平均形状誤差とを対比して、隣り合う羽根部同士の割出ピッチの誤差も検出することができる。例えば、第1の羽根部の形状誤差が削りすぎであって第2の羽根部の形状誤差が削りすぎであれば、第1の羽根部と第2の羽根部のピッチが広がりすぎであることがわかる。反対に、第1の羽根部の形状誤差が削り残しであって第2の羽根部の形状誤差が削り残しであれば、第1の羽根部と第2の羽根部のピッチが狭すぎであることがわかる。
また本実施例の形状測定装置によれば、測定ライン上に2個の管理ポイントをさらに設定することから、羽根部の先端に形成されるバリなど、ツールパスの開始位置における形状誤差と、ツールパスの終了位置における形状誤差といった特別な原因による形状誤差を排除することができる。そして、ツールパスを好適に修正することができる。
本実施例の形状測定装置は、切削加工したインペラ31のように羽根車の形状を好適に測定することができる。羽根車は鋳造、鍛造、あるいは他の製造方法によるものであってもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になる形状測定装置は、マシニングセンタの工作機械の分野において有利に利用される。
11 切削工具、12 割出テーブル、21 プローブ、31 インペラ、32 円盤部、33 軸部、34 基部、35,36 羽根部、351 第1の羽根部、351B 第1の羽根部の加工面、353 第3の羽根部、353B 第3の羽根部の加工面、A 目標切削形状、B 加工面、C 割出テーブルの回転軸線、E 基準軸線、L 測定ライン、M 補助測定ライン、Ns,Ne 管理ポイント、T ツールパス、W ワーク、O 基準軸線。

Claims (6)

  1. ワークの表面に切削工具を押し当てながら所定のツールパスに沿って前記切削工具を移動させてワークを切削加工する工作機械によって切削加工を施された加工面の形状を連続して測定する装置であって、
    前記ツールパスと平行な測定ラインを加工面に設定する測定ライン設定部と、
    設定された前記測定ラインから前記加工面までの距離を連続して測定し、前記測定値を出力する形状誤差測定部とを備える、形状測定装置。
  2. 前記測定ライン設定部は、前記切削工具の先端側部分のツールパスと平行な測定ラインと、前記切削工具の根元側部分のツールパスと平行な測定ラインをそれぞれ設定する、請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記測定ライン設定部は、前記測定ラインと交差する補助の測定ラインをさらに設定する、請求項1または2に記載の形状測定装置。
  4. 前記測定ライン設定部は、前記測定ライン上に2個の管理ポイントを設定し、
    前記形状誤差測定部は、一方の前記管理ポイントから他方の前記管理ポイントまでを含む前記測定ラインを連続して測定する、請求項1〜3のいずれかに記載の形状測定装置。
  5. 前記工作機械は、ワークの基準軸線を中心として周方向に離れた複数個所に、同一のツールパスで加工面を順次切削形成するものであり、
    前記形状誤差測定部は、前記複数個所における前記測定ラインから前記加工面までの距離を平均化して出力する、請求項1〜4のいずれかに記載の形状測定装置。
  6. 前記加工面は鍛造または鋳造の羽根車の羽根部表面である、請求項5に記載の羽根車の形状測定装置。
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