次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の下部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン36が設けられている。該操作ボタン36を押下することによって、後述する演出種類モードMA,MB,MC,MDを選択し得るよう構成される。前記操作ボタン36は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、遊技者が操作可能な操作手段である。操作ボタン36は、該ボタン36を押下したときに押下信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力するよう構成される。また、操作ボタン36の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31a,31bを有する始動入賞装置(始動入賞手段)30および特別入賞口を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bを上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段、可変式の始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞しないよう構成されている(入賞確率0%)。
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34aと指称し、第2始動入賞口31bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ34bと指称するものとする。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(特図表示器50A,50Bについて)
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a内の左側部位置)には、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する特図表示器(特図表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示器50A,50Bは、前記第1始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50Aと、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器50Bとからなり、各特図表示器50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器50Bの発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部は小数点表示可能な7セグメント表示器により構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、複数個のLEDにより構成された表示器であったり、ドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示器50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る当り表示(大当り表示)としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての1種類の特図とが設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器50A,50Bに確定停止表示される。そして、前記特図表示器50A,50Bに、当り表示としての特図が表示されることで、引き続いて遊技者に大当り遊技が付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bを区別することなく、単に特図表示器50A,50Bと指称する場合がある。また、第1特図表示器50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示器50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
また、図2に示すように、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの左側部位置に、この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では「4」ずつ)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、上下に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が上から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が上から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、ラウンド回数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技のラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの左側部位置に設けられている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では3個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技のラウンド数として、「15回」と「2回」の2種類が設定されており、ラウンド表示部57では、中側および下側の2つの発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「15回」の大当り遊技であることが報知され、上側の1つの発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「2回」の大当り遊技であることが報知されようになっている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2、図9に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列81,82,83が複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄列81,82,83の飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置S1〜S9が各図柄列81,82,83毎に定められている。具体的には、図柄表示装置17には、上下に並んだ3列の各図柄列81,82,83が設定されると共に、該図柄列81,82,83の夫々に3箇所の有効停止位置が横並び状に定められており、3列・3段の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。以下の説明では、上側から順に上図柄列81、中図柄列82、下図柄列83と指称し、各図柄列81,82,83における右側の有効停止位置から順に、右有効停止位置S1,S4,S7、中有効停止位置S2,S5,S8、左有効停止位置S3,S6,S9と指称する場合がある。
また、実施例のパチンコ機10では、各図柄列81,82,83の有効停止位置S1〜S9を1つずつ直線的に組み合わせて、図柄変動演出の結果として有効停止位置S1〜S9に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出する5つの有効ラインL1〜L5が設定されている(図9参照)。以下の説明では、各図柄列81,82,83の右有効停止位置S1,S4,S7を組み合わせた上下直線状の有効ラインを右有効ラインL1と指称し、各図柄列81,82,83の中有効停止位置S2,S5,S8を組み合わせた上下直線状の有効ラインを中有効ラインL2と指称し、各図柄列81,82,83の左有効停止位置S3,S6,S9を組み合わせた上下直線状の有効ラインを左有効ラインL3と指称する場合がある。また、上図柄列81の右有効停止位置S1、中図柄列82の中有効停止位置S5および下図柄列83の左有効停止位置S9を組み合わせた左下がり直線状の有効ラインを第1傾斜有効ラインL4と指称し、上図柄列81の左有効停止位置S3、中図柄列82の中有効停止位置S5および下図柄列83の右有効停止位置S7を組み合わせた右下がり直線状の有効ラインを第2傾斜有効ラインL5と指称する場合がある。ここで、前記各図柄列81,82,83における各有効停止位置S1〜S9の表示領域は、特図表示器50A,50Bに比較して大きな表示態様で飾図を表示可能な表示で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の有効ラインL1〜L5に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向に沿って飾図が移動するよう変動表示されて、予め定められた停止順序で各図柄列81,82,83に変動表示されている飾図が有効停止位置S1〜S9に停止表示されるようになっている。ここで、実施例では、各図柄列81,82,83において飾図が右から左方向へ移動する変動態様を基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて各図柄列81,82,83において飾図が左から右方向となる逆方向へ移動するよう構成される。なお、以下の説明では、各図柄列81,82,83において飾図が右から左方向へ移動する変動態様を順変動と指称し、飾図が左から右方向へ移動する変動態様を逆変動と指称する場合もある。また、実施例では、図柄変動演出の開始時に、上図柄列81、中図柄列82、下図柄列83の順で飾図が変動開始し、上図柄列81、下図柄列83、中図柄列82の順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて各図柄列81,82,83の飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列81,82,83の有効停止位置S1〜S9に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列81,82,83の飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列81,82,83において、有効停止位置S1〜S9に表示される飾図が所定の配列順序(後述)で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列81,82,83において有効停止位置S1〜S9に飾図が所定の特図変動インターバル時間(実施例では1000ms(ミリ秒))に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列81,82,83において有効停止位置S1〜S9に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置S1〜S9において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示器50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、特図表示器50A,50Bは、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例の図柄表示装置17の各図柄列81,82,83に変動表示される飾図は当り表示やリーチ表示等として有効な図柄組み合わせを形成可能な複数の有効図柄と、当り表示やリーチ表示等として有効な図柄組み合わせを形成不能なブランク図柄とからなり、図柄列81,82,83毎に変動表示される飾図の順序を規定する図柄配列が設定されている(図10参照)。具体的には、各図柄列81,82,83毎に、前記有効図柄とブランク図柄とを交互に配置した図柄配列が定められており、該図柄配列に定められた順序で各図柄列81,83の有効停止位置S1〜S9に有効図柄およびブランク図柄が表示されるようになっている。以下、必要に応じて飾図を有効図柄またはブランク図柄として区別する場合がある。
具体的に、上図柄列81用の図柄配列は、図10に示すように、前記有効図柄としての9個(「1」〜「9」)の数字と9個のブランク図柄とが交互に配置されると共に、図柄変動(順変動)に伴って上図柄列81の右有効停止位置S1に降順(すなわち「9」〜「1」)となる順序で飾図が表れるように設定されている。なお、上図柄列81の右有効停止位置S1に「1」の飾図が表示された後は、ブランク図柄を挟んで「9」の飾図が右有効停止位置S1に表示されることを繰り返すようになっている(図11(a)参照)。また、下図柄列83用の図柄配列は、前記有効図柄としての9個(「1」〜「9」)の数字と9個のブランク図柄とが交互に配置されると共に、図柄変動(順変動)に伴って下図柄列83の右有効停止位置S7に昇順(すなわち「1」〜「9」)となる順序で飾図が表れるように設定されている。なお、下図柄列83の右有効停止位置S7に「9」の飾図が表示された後は、ブランク図柄を挟んで「1」の飾図が右有効停止位置S7に表示されることを繰り返すようになっている(図11(c)参照)。このように、上下の図柄列81,83用の図柄配列は、18個の飾図により構成されている。
中図柄列82用の図柄配列は、図10に示す如く、前記有効図柄としての10個(「1」〜「9」および2つ目の「4」)の数字と10個のブランク図柄とが交互に配置されると共に、図柄変動(順変動)に伴って中図柄列82の右有効停止位置S4に昇順(すなわち「1」〜「9」)となる順序で飾図が表れ、「9」の次にブランク図柄を挟んで2つ目の「4」が表れるように設定されている。なお、中図柄列82の右有効停止位置S4に2つ目の「4」の飾図が表示された後は、ブランク図柄を挟んで「1」の飾図が右有効停止位置S4に表示されることを繰り返すようになっている(図11(b)参照)。すなわち、中図柄列82用の図柄配列は、20個の飾図により構成されている。このように、実施例の中図柄列82用の図柄配列は、上下の図柄列81,83用の図柄配列よりも構成する有効図柄が1つ多くなるよう設定されると共に、同一の有効図柄(実施例では「4」)を2つ含むよう設定されている。
すなわち、各図柄列81,82,83の有効停止位置S1〜S9に飾図が停止表示された状態では、各図柄列81,82,83における飾図の表示態様は、2つの有効図柄としての数字と1つのブランク図柄からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様か、1つの有効図柄と2つのブランク図柄からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様の何れかの表示態様となる(図10参照)。ここで、前記上図柄列81の有効停止位置S1〜S3、中図柄列82の有効停止位置S4〜S6および下図柄列83の有効停止位置S7〜S9の夫々に一度に停止表示される飾図の組み合わせは、図柄停止パターンとして予め設定されており(図10参照)、各図柄列81,82,83毎に図柄停止パターンを決定することで、全ての有効停止位置S1〜S9に停止表示される飾図が定まるようになっている。
また、以下の説明では、前記各図柄列81,82,83の有効停止位置S1〜S9に表示された飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)が各図柄列81,82,83の図柄配列に従って変動方向にN個(N:自然数)だけ移動する変動態様を「飾図がNコマ移動する」と表すものとする。具体的には、例えば図12に示すように、中図柄列82の中有効停止位置S5に「1」の飾図が表示された状態を基準とした場合に、2コマ移動するよう中図柄列82を変動させると、中図柄列82の中有効停止位置S5に「2」が表示された状態となり、7コマ移動するよう変動させると、中図柄列82の中有効停止位置S5に「5」と「6」の間のブランク図柄が表示された状態となる。
なお、各図柄列81,82,83に表示される飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図の有効図柄は、当り表示の組み合わせで停止表示された際に大当り遊技の終了後に確変状態(後述)が付与されることを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄(特定図柄)と、当り表示の組み合わせで停止表示された際に大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄(通常図柄)に分類されている。なお、実施例において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図(有効図柄)の中から適宜に設定しても、基本となる飾図(有効図柄)以外に定めた特別な飾図とすることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列81,82,83の有効停止位置S1〜S9(有効ラインL1〜L5)に確定停止表示された各図柄列81,82,83の有効図柄が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りの図柄組み合わせとして、各図柄列81,82,83の何れかの有効ラインL1〜L5上の有効停止位置S1〜S9に同じ有効図柄が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等。但し「上図柄列81、中図柄列82、下図柄列83」の順で表記してある)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の各有効ラインL1〜L5上の有効停止位置S1〜S9に確定停止表示された図柄の組み合わせにおいて、1つでも異なる種類の飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)が含まれる場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「73・」「1・1」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識でき、このはずれを認識可能な飾図の図柄組み合わせが、はずれ表示となる。なお、「・」はブランク図柄であることを示す。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列81,82,83の内で、所定の2つの図柄列(実施例では、上図柄列81および下図柄列83)の何れかの有効ラインL1〜L5上に同じ有効図柄が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列82)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、上図柄列81および下図柄列83に有効図柄が停止表示され状態で、何れかの有効ラインL1〜L5上に同じ有効図柄が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。ここで、実施例では、上下直線状の右有効ラインL1,中有効ラインL2および左有効ラインL3の内の何れか1つの有効ラインで前記リーチ表示となるシングルリーチと、斜めに延在する2つの第1および第2傾斜有効ラインL4,L5上で同時にリーチ表示となるダブルリーチとを生起させることができる。また、リーチ表示を形成する図柄列(上図柄列81および下図柄列83)の飾図は、残りの図柄列(中図柄列82)に飾図が停止表示(仮停止表示)されるまでの間、仮停止表示の状態とされる。
また、図柄表示装置17には、特図表示器50A,50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、特図表示器50A,50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、特図表示器50A,50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列81,82,83に飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(球通過ゲート47について)
図1、図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過))に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
(普図表示器55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの左側部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を示している。具体的には、上側LEDだけが点灯する発光態様、および下側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、上側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、説明の都合上、下側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの左側部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、221/65536)から高確率(実施例では、2210/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、実質的に次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。具体的には、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後に10000回の図柄変動演出(特図変動表示)が行われるまで確変状態が付与されることで、確変状態において実質的に次回の大当りが生起されるようにしている。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてから次回の大当りが生起されるまでとすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例の変短機能では、大当り遊技終了後の前記普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、1125/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。実施例において普図変動表示の変動時間は、変短状態が付与されていない状態で、普図変動の開始から10000msに設定され、変短状態が付与されている状態で、普図変動の開始から1000msに設定されている。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの時間(普図変動インターバル時間)は、600msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33は開放してから所定時間(実施例では1220ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を、所定時間間隔(実施例では1080ms)で3回繰り返すようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開放時間および開放回数を満たす前であっても開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄である場合には、実質的に次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた非確変図柄である場合には、所定回数(実施例では100回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では2ラウンドまたは15ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば7個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では4種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、4種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄Dの4つのグループに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1に応じて4種類の大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示器50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄dの4つのグループに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2に応じて4種類の大当り遊技が付与される。
ここで、大当り図柄としての特図1は、図柄Aに45種類振り分けられ、図柄Bに7種類振り分けられ、図柄Cに3種類振り分けられ、図柄Dに45種類振り分けられている。大当り図柄としての特図2は、図柄aに45種類振り分けられ、図柄bに7種類振り分けられ、図柄cに3種類振り分けられ、図柄dに45種類振り分けられている。
(特別確変大当り遊技について)
ここで、図柄Aに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄aに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技)が付与されるようになっている。前記特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。そして、特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、確変状態および変短状態が付与されるようになっている。なお、実施例の特別確変大当り遊技では、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまで確変状態が付与されると共に、所定回数(10000回)の図柄変動演出(特図変動表示)が行われるまで変短状態が付与される。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で15回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が夫々設定されている。また、特別確変大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、図柄Aおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合に付与される大当り遊技の価値は等しく設定されている。そして、図柄Aおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の演出モードが後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(2R突然確変大当り遊技について)
図柄Bに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄bに分類される特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として2R突然確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記2R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。そして、2R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、確変状態および変短状態が付与されるようになっている。なお、実施例の2R突然確変大当り遊技では、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまで確変状態が付与されると共に、所定回数(10000回)の図柄変動演出(特図変動表示)が行われるまで変短状態が付与される。2R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、2R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で2回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。そして、図柄B、図柄bに分類される特図1または特図2が決定された場合には、大当り遊技後の演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
ここで、2R突然確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.3(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「3.2(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、2R突然確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.3(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このため、2R突然確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある後述するジャンプアップ確変大当り遊技とは、遊技者に与える価値が異なる遊技である。
(特殊確変大当り遊技について)
図柄Cに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄cに分類される特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、確変状態および変短状態が付与されるようになっている。なお、実施例の特殊確変大当り遊技では、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまで確変状態が付与されると共に、所定回数(10000回)の図柄変動演出(特図変動表示)が行われるまで変短状態が付与される。
ジャンプアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では2回)開放させ、2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(2回)の短時間開放動作を開閉扉43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(14ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放2回目における開閉扉43の開放時間が「0.3(秒)」に夫々設定され、開放3回目の開閉扉43の開放時間が「24.4(秒)」に設定されている。また、開放1回目から開放2回目の間の1回分のラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定され、開放2回目から開放3回目の間の1回分のラウンド内インターバル時間として「2.9(秒)」が夫々設定されている・これにより、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「0.3(秒)×2+2.0(秒) +2.9(秒)+24.4(秒)」からなる「29.9(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、ジャンプアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が夫々設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄Cに分類される特図1または図柄cに分類される特図2が決定された場合には、大当り遊技後の演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
また、ジャンプアップ確変大当り遊技におけるオープニング演出時間は、前述した2R突然確変大当り遊技のオープニング演出時間と同一時間に設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開放1回目から開放2回目における特別入賞装置40の開閉扉43の開放時間は、2R突然確変大当り遊技におけるラウンド遊技時間と同一時間に設定されている。そして、突然確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉43が開放してから2ラウンド目で開閉扉43が閉鎖するまでのラウンド間インターバル時間(「2.0(秒)」)は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目におけるラウンド内インターバル時間(「2.0(秒)」)と同一時間とされている。従って、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉43が2回開閉するまでの開閉扉43の開閉動作は、2R突然確変大当り遊技が開始してから2ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっており、開閉扉43の開閉動作からジャンプアップ確変大当り遊技か、2R突然確変大当り遊技かを見分けることは不可能になっている。
(通常非確変大当り遊技について)
図柄Dに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では100回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。なお、通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で15回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
また、通常非確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25.0(秒)」が、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が夫々設定されている。各ラウンド遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、通常非確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25.0(秒)」は最大時間となる。なお、通常非確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間INaは、「2.0(秒)」に設定されている。
(演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では3つ)の演出モードを備えている。ここで、演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では100回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る演出モードには、確変状態が付与されていない遊技状態となる通常モードと、確変状態が付与されている遊技状態となる確変モードと、非確変状態で変短状態が付与されている遊技状態となる変短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置には、演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50A,50Bの表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
(判定用乱数について)
メイン制御CPU60aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類を特定し得るようになっている。また、前述したように、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「240」の全241通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターン振分用乱数として、「0」〜「239」の全240通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として普図当りを発生するか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機では、大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。なお、前記普図当り判定用乱数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したこと(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では2210個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では221個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態のときの大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示器50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した大当りを示す100種類の特図決定用乱数に対応した「1」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROMには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「240」までの全241通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態または変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。
すなわち、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態が付与されているときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なし(低確変短なし)の場合に37個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態あり(低確変短あり)の場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態あり(高確変短あり)の場合に3個の演出実行判定値が設定されている。また、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数および第2特図始動保留情報の保留数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するよう設定されている。具体的には、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、第1特図始動保留情報の保留数が「0」〜「2」の場合に37個の演出実行判定値が設定され、該保留数が「3」〜「4」の場合に23個の演出実行判定値が設定されている。また第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、第1特図始動保留情報の保留数および第2特図始動保留情報の保留数を合算した保留数が「0」〜「2」の場合に37個の演出実行判定値が設定され、該合算した保留数が「3」〜「4」の場合に23個の演出実行判定値が設定されている。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態あり時に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、変短状態なしの場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態あり時の普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の変動パターンが記憶されており、各変動パターンに対応して変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなるパターンを特定するものであり、実施例では、176種類の変動パターンが設定されている。そして、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出の演出時間)を特定している。変動パターン振分判定値は、前記変動パターン振分用乱数を用いて変動パターンの決定に用いる判定値であり、変動パターン振分用乱数の採り得る乱数値が各変動パターン毎に所定数の変動パターン判定値が割当てられている。
そして、メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されており、変動パターン毎に特定の変動パターン判定値が定められている。なお、大当り演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合に選択可能な変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が否定の場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
なお、大当り演出用の変動パターンに基づき行われる図柄変動演出には、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的に大当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチあり大当り演出と、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行することなく、最終的に大当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチなし大当り演出とが設けられている。はずれリーチ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を行うことなく最終的にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが図柄表示装置17に表示されてから、大当り表示またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、始動入賞装置30への入賞を契機として当りか否かを判定すると共に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞装置30への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変状態判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、変短状態を付与する期間として決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞装置30への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、第1始動入賞口31aに入賞したパチンコ球を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段および前記第2始動入賞口31bに入賞したパチンコ球を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
(メイン制御について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について具体的に説明する。
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第1特図始動保留情報の保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第2特図始動保留情報の保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示器50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、当該第2特図始動保留情報の保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第2特図記憶領域MB1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域MB2の情報(乱数)を、前記第2特図記憶領域MB1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域MB3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域MB2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域MB4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域MB3に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図表示器50Bの表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、221/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2210/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第2特図表示器50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図2の大当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の演出モード(遊技状態)を示す演出モードフラグを設定する。具体的には、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。このように、確変フラグおよび変短フラグにより演出モードが特定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB28,B29,B30,B31において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPUは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示が開始させるように第2特図表示器50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域M1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域M2の情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域M1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域M3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域M2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域M4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域M3に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、221/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2210/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第1特図表示器50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の演出モード(遊技状態)を示す演出モードフラグを設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB38,B39,B40,B41において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(変動パターンについて)
次に、実施例のメイン制御ROM60bに記憶されているはずれ変動用および大当り変動用の変動パターンの詳細について説明する。前記メイン制御ROM60bには、図13に示すように、はずれ変動用の変動パターンとして、図柄変動演出においてリーチ演出が行われることなく(リーチ表示が表示されることなく)はずれ表示となるはずれ演出用の通常はずれ変動パターンP1と、図柄変動演出においてリーチ演出が行われて最終的にはずれ表示となるはずれリーチ演出用のリーチはずれ変動パターンP2〜P21とが設定されている。また、前記メイン制御ROM60bには、大当り変動用の変動パターンとして、図柄変動演出においてリーチ演出が行われて最終的に当り表示となる大当り演出用のリーチ大当り変動パターンP22〜P41と、図柄変動演出においてリーチ演出が行われることなく当り表示となるリーチなし大当り演出用のリーチなし大当り変動パターンP42とが設定されている。そして、始動入賞口31a,31bへの入賞に基づいて行われる大当り判定や演出実行判定の判定結果に基づいて、メイン制御CPU60aが何れか1つの変動パターンP1〜P42を決定するよう構成されている。ここで、実施例では、前記メイン制御ROM60bに対して合計で42個の変動パターンが記憶されており、以下の説明では必要に応じて各変動パターンに対してP1〜P42を付加して区別することがある。なお、変動パターンの設定数としては、これに限られるものではなく、パチンコ機10に設ける演出のバリエーションに応じて適宜に増減されるものであることは云うまでもない。
(通常はずれ変動パターンについて)
前記通常はずれ変動パターンP1は、始動入賞口31a,31bへの入賞に基づいて行われる大当り判定および演出実行判定の判定結果が何れも否定の場合にメイン制御CPU60aが決定する変動パターンである。すなわち、通常はずれ変動パターンP1は、パチンコ機10において遊技が行われた際に選択頻度が最も高い変動パターンである。ここで、実施例のメイン制御ROM60bには、所定数(実施例では1種類)の通常はずれ変動パターンP1が記憶されている。この通常はずれ変動パターンP1に基づいて実行される図柄変動演出は、背景画像として通常背景(通常変動画像)が表示されるようになっている。なお、実施例における通常背景とは、特殊な演出を伴わない通常の図柄変動演出で表示される基本的な背景画像であって、リーチ演出を伴わないはずれ用の演出で表示されたり、図柄変動演出が終了して次の図柄変動演出が開始されるまでの間に表示されるものである。また、通常背景は、リーチ演出を伴う図柄変動演出においては、変動開始からリーチ表示が形成されるまでの間にも引続き表示されるようになっている。なお、この通常はずれ変動パターンP1で特定される通常はずれ演出の具体的内容を規定する演出パターンは、通常はずれ演出パターンとして統括制御ROM65bに記憶されている。そして、統括制御CPU65aは、通常はずれ変動パターンP1を指定する変動パターン指定コマンドが入力されると、演出パターンとして通常はずれ演出パターンを決定し、通常はずれ演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御CPU70aに出力するようになっている。
(リーチはずれ変動パターンおよびリーチ大当り変動パターンについて)
前記リーチはずれ変動パターンP2〜P21は、始動入賞口31a,31bへの入賞に基づいて行われる大当り判定が否定判定となり、演出実行判定の判定結果が肯定結果となる場合にメイン制御CPU60aが決定する変動パターンである。ここで、実施例のメイン制御ROM60bには、リーチはずれ変動パターンP2〜P21として複数種類(実施例では20種類)の変動パターンが記憶されると共に、リーチ大当り変動パターンP22〜P41として複数種類(実施例では20種類)の変動パターンが記憶されている。そして、リーチはずれ変動パターンP2〜P21では、図柄変動演出において何れかの有効ラインL1〜L5においてリーチ表示を形成してリーチ演出を実行した後に、最終的にはずれ表示(リーチはずれ表示)となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される演出を特定している。また、前記リーチ大当り変動パターンP22〜P41は、始動入賞口31a,31bへの入賞に基づいて行われる大当り判定が肯定判定の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な変動パターンである。リーチ大当り変動パターンP22〜P41では、図柄変動演出において何れかの有効ラインL1〜L5においてリーチ表示を形成してリーチ演出を実行した後に、最終的に当り表示となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される演出を特定している。このように、図柄変動演出においてリーチ演出を行って当り表示が表示される可能性を示唆した後にはずれ表示または当り表示が表示されることで、図柄変動演出に対する期待感を持たせている。なお、リーチ演出では、背景画像として通常背景が表示されるようになっており、リーチ演出が通常背景のもとで行われるノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出後に発展的に実行されるリーチ演出であって背景画像として通常背景とは異なるスーパーリーチ演出画像が表示されるスーパーリーチ演出とがある。ここで、スーパーリーチ演出画像とは、特殊背景の1つであって通常背景とは異なる態様で表示されて、スーパーリーチ演出であることを遊技者に認識させる背景画像である。スーパーリーチ演出画像としては、例えば、特定のキャラクタが登場するアニメーション画像(動画)や、明暗や色調を段階的に変化させるグラデーション画像等が設定される。なお、リーチ表示が表示される有効ラインL1〜L5をリーチラインとする。
また、前記リーチなし大当り変動パターンP42は、リーチ大当り変動パターンP22〜P41と同様に、始動入賞口31a,31bへの入賞に基づいて行われる大当り判定が肯定判定の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な変動パターンである。ここで、実施例のメイン制御ROM60bには、所定数(実施例では1種類)のリーチなし大当り変動パターンP42が記憶されている。リーチなし大当り変動パターンP42では、図柄変動演出において何れかの有効ラインL1〜L5においてリーチ表示が形成されることなく当り表示となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される演出を特定する変動パターンであって、リーチ表示が表示されずに当り表示となることで、遊技に対する意外性や演出のバリエーションを付与するようにしている。ここで、リーチなし大当り変動パターンP42で特定される具体的な演出内容としては、例えば各図柄列81,82,83の飾図が当り表示となる図柄組み合わせのまま変動表示する所謂全回転演出や、前述した通常はずれ変動パターンで特定される各図柄列81,82,83の飾図の停止タイミングで停止させた飾図が当り表示となる突然当り演出等が例示されるが、これに限られるものではない。
なお、リーチはずれ変動パターンP2〜P21が特定する図柄変動演出の具体的内容を規定する演出パターンは、リーチはずれ演出パターンとして統括制御ROM65bに記憶されている。同様に、リーチ大当り変動パターンP22〜P41が特定する図柄変動演出の具体的内容を規定する演出パターンが、リーチ大当り演出パターンとして統括制御ROM65bに記憶されると共に、リーチなし大当り変動パターンP42が特定する図柄変動演出の具体的内容を規定する演出パターンが、リーチはずれ演出パターンとして統括制御ROM65bに記憶されている。そして、統括制御CPU65aは、リーチはずれ変動パターンP2〜P21やリーチ大当り変動パターンP22〜P41、リーチなし大当り変動パターンP42を指定する変動パターン指定コマンドが入力されると、演出パターンとして対応するリーチはずれ演出パターン、リーチ大当り演出パターンまたはリーチなし大当り演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御CPU70aに出力するようになっている。
(変動パターンの変動時間について)
次に、前記各変動パターンにより特定される変動時間について説明する。図13に示すように、各変動パターンP1〜P42には、1つの始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(特図変動表示)の基準変動時間Tが夫々に設定されている。具体的には、実施例におけるメイン制御ROM60bには、1回の図柄変動演出(特図変動表示)における飾図の変動開始から確定停止までの変動時間の基礎となるベース変動時間TBと、図柄変動演出においてリーチ演出が行われるリーチ変動時間TRとが設定されており、変動パターンP1〜P42の種類に応じて、これらのベース変動時間TB、リーチ変動時間TRを加算した時間が基準変動時間Tとして設定される。
例えば、通常はずれ変動パターンP1では、図13に示すように、図柄変動演出においてリーチ演出が実行されないことから、前記ベース変動時間TB(実施例では11100ms)が基準変動時間Tとして設定される。また、リーチはずれ変動パターンP2〜P21およびリーチ大当り変動パターンP22〜P41では、図柄変動演出においてリーチ演出が実行されることから、ベース変動時間TBに対してリーチ変動時間TRを加算した時間が基準変動時間Tとして設定される。また、前記リーチなし大当り変動パターンP42は、通常はずれ変動パターンP1と同様にリーチ演出が実行されないことから、前記ベース変動時間TBが基準変動時間Tとして設定される。
ここで、図14に示すように、前記リーチ変動時間TRには、リーチ演出が行われる最短時間を定めた基礎リーチ変動時間TRSと、該基礎リーチ変動時間TRSに対して加算される加算時間TRAとが設定されており、当該基礎リーチ変動時間TRSおよび加算時間TRAに基づいて、同一種類の変動パターンP2〜P41の基準変動時間Tが異なるよう設定されている。すなわち、リーチ演出が行われる変動パターンP2〜P41にあっては、基礎リーチ変動時間TRSに対して加算時間TRAを順次加算した時間をリーチ変動時間TRとすることで、同一種類の変動パターンP2〜P41の範囲において基準変動時間Tが相互に異なるよう設定される。換言すると、同一種類の変動パターンにおいて、n番目(n>2の自然数)の変動パターンの基準変動時間Tは、1つ手前(n−1)番目の変動パターンの基準変動時間Tに対して加算時間TRAを加算した時間に設定されている。
具体的には、例えばリーチ大当り変動パターンP2〜P21において、ベース変動時間TBに基礎リーチ変動時間TRSを加算した時間が、該リーチはずれ変動パターンP22〜P41の範囲での最短の基準変動時間Tとしてリーチはずれ変動パターンP2に設定されている。そして、該リーチはずれ変動パターンP2で特定される基準変動時間Tに対して更に加算時間TRAを加算した時間が、リーチはずれ変動パターンP2〜P21の範囲において2番目に短い基準変動時間Tとしてリーチはずれ変動パターンP3に設定される。更に、リーチはずれ変動パターンP3で特定される基準変動時間Tに対して更に加算時間TRAを加算した時間が、リーチはずれ変動パターンP2〜P21の範囲において3番目に短い基準変動時間Tとしてリーチはずれ変動パターンP4に設定され、以下同様にしてリーチはずれ変動パターンP21の基準変動時間Tには、1つ手前の大当り変動パターンP20(すなわち同一種類の変動パターンにおいて1つだけ基準変動時間Tが短い変動パターン)で特定される基準変動時間Tに対して加算時間TRAを加算した時間が設定されている。すなわち、リーチはずれ変動パターンP2〜P21に対しては、各変動パターン毎に異なる20種類の基準変動時間Tが設定される。なお、前記変動パターンの基準変動時間Tは、メイン制御ROM60bにおける所定のデータ領域に基準変動時間Tが短くなるデータ(すなわちベース変動時間TBのみのデータ、これに基礎リーチ変動時間TRSを加算したデータ、更に加算時間TRAを加算したデータの順)から順に記憶される。
また、リーチ大当り変動パターンP22〜P41に対しても、リーチはずれ変動パターンP2〜P21と同様に、各変動パターン毎に異なる20種類の基準変動時間Tが設定される。ここで、前記リーチはずれ変動パターンP2〜P21およびリーチ大当り変動パターンP22〜P41は、何れもベース変動時間TBに対してリーチ変動時間TRを加算した時間が基準変動時間Tとして設定されることから、各リーチはずれ変動パターンP2〜P21に設定された各基準変動時間T、および各リーチ大当り変動パターンP22〜P41に設定された各基準変動時間Tに対しては、個々に対応した同一の変動時間が定められている。このように、各リーチはずれ変動パターンP2〜P21および各リーチ大当り変動パターンP22〜P41の基準変動時間Tを同一時間に設定することで、図柄変動演出におけるリーチ演出の変動時間から最終的に当り表示となるか否かの判別を困難(不可能)にして、リーチ演出に対する期待感を維持している。
ここで、実施例においてベース変動時間TBは、一定時間に設定されている。具体的にはベース変動時間TBは11100msに設定されている。すなわち、リーチはずれ変動パターンP2〜P21やリーチ大当り変動パターンP22〜P41と同様に、基礎リーチ変動時間TRSに対して加算時間TRAを順次加算した時間をリーチ変動時間TRとすることで同一種類の変動パターンP2〜P41の範囲において基準変動時間Tが相互に異なるようになっている。
なお、実施例では基礎リーチ変動時間TRSとして5000msが設定されると共に、加算時間TRAとして、時間の異なる第1加算時間TRA1(実施例では336ms)および第2加算時間TRA2(実施例では332ms)が設定されている。ここで、実施例では、同一種類の変動パターンの範囲において、基礎リーチ変動時間TRSに対して1回の第1加算時間TRA1を加算した後に2回の第2加算時間TRA2を加算する順序で算出される時間がリーチ変動時間TRとされるようになっている。すなわち、同一種類の変動パターンの範囲において最短の基準変動時間Tとなる変動パターンに対して第1加算時間TRA1を加算することで、2番目に短い基準変動時間Tとなる変動パターンが設定され、該2番目および3番目に短い基準変動時間Tとなる変動パターンに対して第2加算時間TRA2を夫々加算することで、対応的に3番目および4番目に短い基準変動時間Tとなる変動パターンが設定されるようになっている。
言い換えると、同一種類の変動パターンの範囲においてベース変動時間TBに基礎リーチ変動時間TRSを加算した時間を1番目とした場合に、(3m−4)番目(m>2の自然数)の変動パターンの基準変動時間Tは、1つ手前(3m−5)番目の変動パターンの基準変動時間Tに対して第1加算時間TRA1を加算した時間に設定され、(3m−3)番目および(3m−2)番目の変動パターンの基準変動時間Tは、1つ手前(3m−4)番目および(3m−3)番目の変動パターンの基準変動時間Tに対して第2加算時間TRA2を加算した時間に設定される。このように、実施例では、複数(実施例では2種類)の加算時間TRA1,TRA2を設けたことで、加算時間TRA1,TRA2した各変動パターンにおける基準変動時間Tの時間変化が単調にならず、変動時間の多様化を図り得る。
ここで実施例では、ベース変動時間TB、リーチ変動時間TRに基づいて設定されるリーチはずれ変動パターンP2〜P21およびリーチ大当り変動パターンP22〜P41の基準変動時間Tは、16100ms〜22436msの範囲となるよう変動パターン毎に夫々設定されている。
削除
なお、各変動パターンP1〜P42では、変動開始から所定の上図柄列停止時間(実施例では、8600ms)の経過後に上図柄列81の有効停止位置S1〜S3に飾図が仮停止し(統括制御CPU65aが仮停止図柄指定コマンドを出力。以下同様)、変動開始から所定の下図柄列停止時間(実施例では、9600ms)の経過後に下図柄列83の有効停止位置S7〜S9に飾図が仮停止するよう設定されている。
(変動時間の補正について)
次に、前述した各変動パターンP1〜P42で特定される変動時間の補正について説明する。実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づいて前記変動パターンP1〜P42を決定する際に、メイン制御ROM60bに記憶された遊技の進展に伴い決定される遊技情報に基づいて変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正するか否かを決定するよう設定されている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、遊技の進展に伴い決定される遊技情報を記憶する記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する当該遊技情報に基づいて、各変動パターンP1〜P115により特定される基準変動時間Tを補正するか否かを決定する補正決定手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御ROM60bには、前記各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tに加算または減算する複数種類(実施例では3種類)の補正時間TH1〜TH3が設定されている。なお、複数種類の補正時間を設定する必要はなく、1種類の補正時間のみをメイン制御ROM60bに設定するようにしてもよい。具体的には、前記メイン制御ROM60bには、所定時間(実施例では6000ms)の第1補正時間TH1と、第1補正時間TH1とは異なる所定時間(実施例では8100ms)の第2補正時間TH2と、該第1および第2補正時間TH1,TH2とは異なる所定時間(実施例では7768ms)の第3補正時間TH3とが設定されており、メイン制御ROM60bに記憶された遊技情報に基づいて、変動パターンP1〜P42で特定される基準変動時間Tをそのまま図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間とするか、該基準変動時間Tを第1〜第3補正時間TH1〜TH3の何れかで補正した時間を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間とするかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
前記メイン制御CPU60aは、遊技の進展に伴い変化する遊技情報を用いて基準変動時間Tを補正するか否かを決定するよう設定されている。より具体的には、前記始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機として制御処理が行われることで変化する遊技情報に基づいてメイン制御CPU60aが基準変動時間Tを補正するか否かを決定するようになっている。また、実施例のメイン制御CPU60aは、遊技の進展に伴い変化する複数の遊技情報に基づいて基準変動時間Tを補正するか否かを決定するよう設定されている。具体的に実施例では、前記メイン制御CPU60aは、前記第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が通常よりも高確率となる変短状態(第2の特典遊技状態)が付与されていることを示す変短状態付与情報(特典遊技状態付与情報)に基づいて、各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正するか否かを決定するよう構成されている。なお、実施例の変短状態付与情報は、前記変短フラグである。また、前記メイン制御CPU60aは、前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数および第2特図始動保留情報の保留数を示す保留数情報に基づいて、各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正するか否かを決定するよう構成されている。更に、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の何れの情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるかを示す特図変動処理情報(前述した特図変動処理フラグ)に基づいて、各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正するか否かを決定するよう構成されている。
ここで、前記第1〜第3補正時間TH1〜TH3は、前記変動パターンP1〜P42において変動開始からリーチ表示が表示されるまで(すなわち変動開始から上・下の図柄列81,83に飾図が停止表示されるまで)の基準リーチ表示時間TXの範囲で設定されおり、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tの補正を決定した場合に、該基準変動時間Tから第1〜第3補正時間TH1〜TH3を減算した時間を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間とするようになっている。なお、実施例の基準リーチ表示時間TXは、変動開始からの下図柄列停止時間(9600ms)と一致する。実施例では、前記保留数情報に基づいて各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正する場合に、メイン制御CPU60aが該基準変動時間Tから第1補正時間TH1を減算して図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間とするよう設定されている。従って、例えば通常はずれ変動パターンP1が決定された状態で変短状態付与情報に基づいて基準変動時間Tを補正する場合には、該通常はずれ変動パターンP1により特定される基準変動時間T(11100ms)から第1補正時間TH1を減算した時間(5100ms)を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間としてメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、実施例では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の何れへの情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるかを示す特図変動処理情報に基づいて、各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正する場合に、メイン制御CPU60aが該基準変動時間Tから第2補正時間TH2または第3補正時間TH3を減算して図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間とするよう設定されている。ここで、実施例において第2補正時間TH2は、リーチ演出を実行する変動パターンの基準変動時間Tを補正する補正時間として設定されると共に、第3補正時間TH3は、リーチ演出を実行しない変動パターンの基準変動時間Tを補正する補正時間として設定されている。
すなわち、実施例では、決定された変動パターンがリーチはずれ変動パターンP2〜P21、リーチ大当り変動パターンP22〜P41の何れかの場合に、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tから第2補正時間TH2を減算して図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間とするよう設定されている。従って、例えばリーチはずれ変動パターンP2が決定された状態で特図変動処理情報に基づいて基準変動時間Tを補正する場合には、該リーチはずれ変動パターンP2により特定される基準変動時間T(16100ms)から第2補正時間TH2を減算した時間(10668ms)を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間としてメイン制御CPU60aが決定するようになっている。また、例えば通常はずれ変動パターンP1が決定された状態で特図変動処理情報に基づいて基準変動時間Tを補正する場合には、該通常はずれ変動パターンP1により特定される基準変動時間T(11100ms)から第2補正時間TH2を減算した時間(3000ms)を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間としてメイン制御CPU60aが決定し、リーチなし大当り変動パターンP42が決定された状態で特図変動処理情報に基づいて基準変動時間Tを補正する場合には、基準変動時間T(11100ms)から第2補正時間TH2を減算した時間(3000ms)を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間としてメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
ここで、特図変動処理情報に基づいて各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正する場合に、リーチ演出を実行する変動パターンの基準変動時間Tを補正する補正時間として第2補正時間TH2を設定すると共に、リーチ演出を実行しない変動パターンの基準変動時間Tを補正する補正時間として第3補正時間TH3を設定する場合を説明したが、該第2補正時間TH2および第3補正時間TH3を振分によりメイン制御CPU60aが決定することも可能である。すなわち、第2補正時間TH2および第3補正時間TH3の夫々に、補正時間決定用の判定値(例えば0〜100)を任意数ずつ割当てると共に、補正時間決定用の乱数(判定値と同数。例えば0〜100)をメイン制御CPU60aが取得して当該乱数に対応する判定値が割当てられた補正時間TH2,TH3を補正時間として決定することもできる。ここで、補正時間決定用の乱数は、大当り判定用乱数等の判定用乱数と同様に、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成される。また、補正時間決定用の乱数は、メイン制御RAM60cに始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って取得するようにしてもよく、また、変動パターンを決定するタイミングで取得するようにしてもよい。すなわち、補正時間の決定より前のタイミングで補正時間決定用の乱数を取得するようにすればよい。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが実行する変動時間の決定処理について一例を具体的に説明する。
図15に示す変動時間の決定処理では、変動パターンを決定した際に、第1の変動時間補正条件を満たしているか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップC1)。ここで、ステップC1では、前記第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が通常よりも高確率となる変短状態が付与されていることを示す変短付与情報に基づいて、各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正するか否かをメイン制御CPU60aが決定するよう設定されている。具体的には、ステップC1では、メイン制御RAM60cに変短状態付与情報が設定されている(すなわち、変動時間の決定処理を実行する時点で変短状態が付与されている)か否かをメイン制御CPU60aが判定するようになっている。そして、ステップC1の判定結果が否定の場合(変短状態付与情報が設定されていない場合)には、ステップC2に移行して、第2の変動時間補正条件を満たしているか否かをメイン制御CPU60aが判定する。
ここで、ステップC2では、前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数および第2特図始動保留情報の保留数を示す保留数情報に基づいて、各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正するか否かをメイン制御CPU60aが決定するよう設定されている。具体的には、ステップC2では、第1特図始動保留情報に基づいて変動パターンが決定された場合(特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」が設定されている場合)には、第1特図始動保留情報の保留数が所定値よりも大きいか否かを判定する。実施例では、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報の保留数が「2」より大きいか否かを判定する。そして、第1特図始動保留情報の保留数が「2」以下の場合にステップC3に移行し、第1特図始動保留情報の保留数が「2」より大きい場合にステップC4に移行する。また、第2特図始動保留情報に基づいて変動パターンが決定された場合(特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」が設定されている場合)には、第1特図始動保留情報の保留数および第2特図始動保留情報の保留数の合算値が所定値よりも大きいか否かを判定する。実施例では、メイン制御CPU60aは、第1および第2特図始動保留情報の保留数の合算値が「2」より大きいか否かを判定する。そして、この合算値が「2」以下の場合にステップC3に移行し、当該合算値が「2」より大きい場合にステップC4に移行する。
そして、ステップC3に移行した場合には、変動パターンで特定される基準変動時間Tを補正しないことをメイン制御CPU60aが決定する一方、ステップC4に移行した場合には、変動パターンで特定される基準変動時間Tを補正することをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の保留数の多寡に応じて、基準変動時間Tを補正するか否かをメイン制御CPU60aが決定するよう構成されている。すなわち、ステップC3では、メイン制御CPU60aは、変動パターンで特定される基準変動時間Tを図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間として決定し、ステップC4では、メイン制御CPU60aは、変動パターンで特定される基準変動時間Tを第1補正時間で補正(減算)した時間を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間として決定する。
ステップC3においてメイン制御CPU60aが図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間が決定されると、ステップC5に移行し、決定された変動パターンにより定められた演出内容(変動パターンの種類)および基準変動時間Tを特定する変動パターン指定コマンド(変動情報)をメイン制御CPU60aが決定する。一方で、ステップC4においてメイン制御CPU60aが図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間が決定されると、ステップC5に移行し、決定された変動パターンにより定められた演出内容(変動パターンの種類)および基準変動時間Tを第1補正時間TH1で補正した補正変動時間を特定する変動パターン指定コマンド(変動情報)をメイン制御CPU60aが決定する。このように、基準変動時間Tの補正の判定に基づいて、メイン制御CPU60aが実際に行う図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間を指示する変動パターン指定コマンドを決定することで、該変動パターン指定コマンドが入力された統括制御CPU65aにおいて補正された変動時間で図柄変動演出を実行することが可能となる。すなわち、前記メイン制御CPU60aは、基準変動時間Tを補正しない場合には、変動パターンP1〜P41により定められた演出内容および基準変動時間Tを特定する変動パターン指定コマンド(変動情報)を設定し、基準変動時間Tを補正する場合には、変動パターンP1〜P41により定められた演出内容および基準変動時間Tを補正した補正変動時間を特定する変動パターン指定コマンドを設定する変動情報設定手段として機能している。
また、ステップC1における判定結果が否定の場合(変短状態付与情報が設定されてる場合)には、ステップC6に移行して、第3の変動時間補正条件を満たしているか否かをメイン制御CPU60aが判定する。ここで、ステップC6では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の何れへの情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるかを示す特図変動処理情報(特図変動処理フラグ)に基づいて、各変動パターンP1〜P42により特定される基準変動時間Tを補正するか否かをメイン制御CPU60aが決定するよう設定されている。具体的には、ステップC6では、第2特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるか否か(特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」が設定されているか否か)を判定する。そして、第1特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)が実行される場合(特図変動処理フラグが「0」の場合)にはステップC3に移行し、前述と同様に、変動パターンで特定される基準変動時間Tを補正しないことをメイン制御CPU60aが決定して、変動パターンで特定される基準変動時間Tを図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間として決定する。そして、その後に決定された変動パターンにより定められた演出内容(変動パターンの種類)および基準変動時間Tを特定する変動パターン指定コマンド(変動情報)をメイン制御CPU60aが決定するようになっている(ステップC5)。
また、ステップC6において、第2特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)が実行される場合(特図変動処理フラグが「1」の場合)にはステップC7に移行する。ステップC7では、メイン制御CPU60aが変動パターンで特定される基準変動時間Tを補正することを決定すると共に、変動パターンで特定される基準変動時間Tを補正する補正時間を第2補正時間TH2または第3補正時間TH3からメイン制御CPU60aが決定する。ここで、前述のように決定された変動パターンの種類(リーチ演出が実行されるか否か)に応じて第2補正時間TH2および第3補正時間TH3の何れかの補正時間を決定してもよく、また、第2補正時間TH2および第3補正時間TH3を振分により決定してもよい。そして、ステップC7において第2補正時間TH2または第3補正時間TH3に補正時間を決定すると、メイン制御CPU60aは、変動パターンで特定される基準変動時間Tを決定した第2補正時間TH2または第3補正時間TH3で補正(減算)した時間を図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間としてメイン制御RAM60cが決定する(ステップC8)。
ステップC8においてメイン制御CPU60aが図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間を決定すると、ステップC5に移行し、決定された変動パターンにより定められた演出内容(変動パターンの種類)、および基準変動時間Tを第2補正時間TH2または第3補正時間TH3で補正した補正変動時間に基づいて、変動パターン指定コマンド(変動情報)をメイン制御CPU60aが決定する。このように、基準変動時間Tの補正の判定に基づいて、メイン制御CPU60aが実際に行う図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間を指示する変動パターン指定コマンドを決定することで、該変動パターン指定コマンドが入力された統括制御CPU65aにおいて補正された変動時間で図柄変動演出を実行することが可能となる。
(統括制御CPU65aで処理について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、演出モード毎に分類されており、統括制御基板65に入力される演出モードフラグの設定値に基づいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列81,82,83の飾図(停止図柄)および各飾図(停止図柄)の停止予定位置を決定する。
すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、当り表示となる有効図柄の図柄組み合わせとなるよう各図柄列81,82,83の停止図柄が決定されると共に、当り表示となる有効図柄の図柄組み合わせが表示される有効ラインL1〜L5が決定される。また、統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせが有効ラインL1〜L5に表示されるよう決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
ここで、前記演出パターンには、各図柄列81,82,83の飾図の停止タイミング(仮停止および確定停止のタイミング)が設定されると共に、各種演出の実行タイミングが設定されている。そして、前記演出パターンで特定される各図柄列81,82,83の飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、上図柄列81の飾図の停止タイミングにおいて上飾図指定コマンドを出力し、下図柄列83の飾図の停止タイミングにおいて下飾図指定コマンドを出力し、中図柄列82の飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。ここで、前記飾図指定コマンドは、各図柄列81,82,83に停止表示する飾図停止パターンを特定するコマンドである。
ここで、前記各演出パターンでは、変動開始からの上図柄列停止時間(実施例では、8600ms)が一定に設定されると共に、変動開始からの下図柄列停止時間(実施例では、9600ms)が一定に設定されている。そして、前記メイン制御CPU60aから基準変動時間Tを補正した変動パターン指定コマンドが入力されると、上下の図柄列停止時間の夫々から変動パターン指定コマンドで特定される補正時間TH1〜TH3を減算した時間で、飾図指定コマンドが出力されるよう設定されている。また、前記メイン制御CPU60aから基準変動時間Tを補正した変動パターン指定コマンドが入力されると、統括制御CPU65aは、演出パターンで特定される演出を、変動パターン指定コマンドで特定される補正時間TH1〜TH3が経過したタイミングから実行するよう設定される。
また、統括制御CPUは、メイン制御CPUが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの種類を決定し、当該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列81,82,83の飾図指定コマンドが入力されると、対応する図柄列81,82,83の有効停止位置S1〜S9に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列81,82,83の有効停止位置S1〜S9に飾図指定コマンドで指示された飾図停止パターンを図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
(可動体について)
次に、実施例のパチンコ機10に設けられた可動体について説明する。図2、図9に示すように、実施例のパチンコ機10の遊技盤20には、駆動モータ(駆動手段)MT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動に伴い動作される可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が設けられている。そして、前記図柄表示装置17で行われる図柄変動演出において、前記複数の飾図列81,82,83の内の少なくとも何れか1つの図柄列での飾図の変動開始または飾図の変動停止に同期するよう前記駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動制御して可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させるよう構成されている。ここで、実施例では、前記駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25は、前記メイン制御CPU60aから入力される各種の制御信号(制御コマンド)に基づいて前記統括制御CPU65aが駆動制御するよう構成されている。すなわち、前記統括制御CPU65aは、前記図柄表示装置17における図柄変動演出の実行を制御すると共に、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動を制御する演出実行制御手段としての機能を備えている。実施例の可動体KD21〜KD25は、遊技盤20に対して前後に延在する回転軸(図示せず)を中心として自由回転し得るよう構成されている。
ここで、実施例の遊技盤20には、前記可動体KD11〜KD13として、前記図柄表示装置17において飾図を変動表示可能な各図柄列81,82,83毎に対応した複数(実施例では3つ)の可動体KD11〜KD13が設けられている。そして、各図柄列可動体KD11〜KD13の夫々に対応して前記駆動モータMT11〜MT13が個別に設けられており、各駆動モータMT11〜MT13を駆動することで図柄列81,82,83に対応した各可動体KD11〜KD13を個別に動作開始させたり、動作停止させることが可能となっている。なお、以下の説明では、上図柄列81に対応した図柄列可動体を上図柄列可動体KD11と指称し、中図柄列82に対応した図柄列可動体を中図柄列可動体KD12と指称し、下図柄列83に対応した図柄列可動体を下図柄列可動体KD13と指称して区別する場合がある。ここで、図9に示すように、前記各図柄列可動体KD11〜KD13は、対応する各図柄列81,82,83の飾図の変動方向に沿った延長線上に位置するよう図柄表示装置17の周囲に配設されている。なお、実施例では、図柄表示装置17の右側部に縦並びに3つの図柄列可動体KD11〜KD13が配設されている。
また、実施例の遊技盤20には、前記可動体KD11〜KD13として、前記図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の結果として確定停止表示される飾図の有効な組み合わせを導出する有効ラインL1〜L5毎に対応した複数(実施例では5つ)の可動体KD21〜KD25が設けられている。そして、各有効ライン可動体KD21〜KD25の夫々に対応して前記駆動モータMT21〜MT25が個別に設けられており、各駆動モータMT21〜MT25を駆動することで有効ラインL1〜L5に対応した各可動体KD21〜KD25を個別に動作開始させたり、動作停止させることが可能となっている。なお、以下の説明では、右・中・左の各有効ラインL1〜L3、第1および第2傾斜有効ラインL4,L5の夫々に対応した有効ライン可動体を、右有効ライン可動体KD21、中有効ライン可動体KD22、左有効ライン可動体KD23、第1傾斜有効ライン可動体KD24、第2傾斜有効ライン可動体KD25と指称して区別する場合がある。ここで、図2または図9に示すように、前記各有効ライン可動体KD21〜KD25は、対応の有効ラインL1〜L5の延長線上に位置するよう図柄表示装置17の周囲に配設されている。なお、実施例では、図柄表示装置17の上部に横並びに5つの有効ライン可動体KD21〜KD25が配設されている。
(可動体の動作について)
次に、パチンコ機10に備えられた各可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作について説明する。前記統括制御ROM65bには、前記各可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させる動作タイミングを特定する複数種類(実施例では6種類)の動作パターンV1〜V6が設定されている(図16参照)。そして、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させる場合に、メイン制御CPU60aから入力される変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンP1〜P42に応じて、統括制御CPU65aが複数の動作パターンV1〜V6から1つの動作パターンを決定して、決定した動作パターンV1〜V6に基づいて各駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動制御するよう構成される。ここで、前記統括制御ROM65bには、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始および変動開始の夫々に同期して対応の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動させる動作パターンV1,V2が設定されている。また、統括制御ROM65bには、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動停止にのみ同期して対応の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動させる動作パターンV3,V4が設定される。更に、括制御ROM65bには、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始にのみ同期して対応の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動させる動作パターンV5,V6が設定されている。また、実施例では、前記複数の動作パターンV1〜V6は、各図柄列可動体KD11〜KD13および各有効ライン可動体KD21〜KD25を動作させる共通の動作パターンとして設定されている。
飾図の変動開始に同期するとは、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始に合わせて駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動開始または駆動停止する状態を云い、また飾図の変動停止に同期するとは、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動停止に合わせて駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動開始または駆動停止する状態を云う。また、同期する状態としては、飾図の変動開始または変動停止のタイミングと、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動開始または駆動停止のタイミングとが完全に一致した状態(すなわち同時)のみを指すものではなく、遊技者が認識不能な程度に両者のタイミングが異なった状態をも含んだ概念である。なお、飾図の変動開始または変動停止のタイミングと、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動開始または駆動停止のタイミングとのタイミングのズレとしては、数ms〜数百msの範囲とすることで、当該ズレが遊技者に認識されるのを実質的に不能とすることができる。なお、タイミングのズレの時間範囲はこれに限られるものではない。また、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25は、飾図の確定停止および仮停止の何れに同期させてもよい。実施例では、上下の図柄列81,83に対応する可動体KD11,13の駆動モータMT11,MT13は、対応する上下の図柄列81,83の仮停止に同期するよう設定されると共に、中図柄列82に対応する可動体KD12の駆動モータMT12は、中図柄列82の確定停止に同期するよう設定されている。
(可動体の動作タイミングとの関係について)
次に、各動作パターンV1〜V6で特定される各可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させる動作タイミングについて説明する。また、メイン制御CPU60aで決定される変動時間と可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の関係について合わせて説明する。以下の説明において、各図柄列81,82,83の変動開始から変動停止までの図柄列変動時間をTMとする。すなわち、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tを補正していない状態での各図柄列81,82,83の図柄列変動時間をTMAとした場合に、各図柄列81,82,83の図柄列変動時間TMは、図柄列変動時間TMAまたは(図柄列変動時間TMA―補正時間TH1〜TH3)となる。ここで、前述のように実施例では、上図柄列81に対応する可動体KD11の駆動モータMT11は上図柄列81の仮停止に同期することから、上図柄列停止時間(実施例では、8600ms)が上図柄列81の図柄列変動時間TMに設定され、下図柄列83に対応する可動体KD13の駆動モータMT13は上図柄列83の仮停止に同期することから、下図柄列停止時間(実施例では、9600ms)が下図柄列83の図柄列変動時間TMに設定されている。また、中図柄列82に対応する可動体KD12の駆動モータMT12は中図柄列82の確定停止に同期することから、変動パターン(変動パターン指定コマンド)で特定される図柄変動演出の変動時間が中図柄列82の図柄列変動時間TMに設定される。
(第1動作パターンについて)
統括制御ROM65bには、図16(a)に示すように、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始および変動停止の夫々に同期する動作パターンとして第1動作パターンV1が設定されている。第1動作パターンV1は、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始に同期して駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を、各対応する図柄列81,82,83の飾図の変動停止まで継続して駆動させると共に、飾図の変動停止に同期して該駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動停止させる動作を特定している。すなわち、第1動作パターンV1では、対応する図柄列81,82,83の飾図が変動する間継続して可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が回転されるようになっている。ここで、第1動作パターンV1における駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV1とした場合に、駆動時間TV1は対応する図柄列81,82,83の変動時間TMとなるよう統括制御ROM65bに設定される。
(第2動作パターンについて)
また、統括制御ROM65bには、図16(b)に示すように、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始および変動開始の夫々に同期する動作パターンとして、第2動作パターンV2が設定されている。第2動作パターンV2は、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始に同期して駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を所定時間経過後に一時的に駆動停止させた後に、再び駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を、各対応する図柄列81,82,83の飾図の変動停止に同期して駆動停止させる動作を特定している。すなわち、第2動作パターンV2では、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始と変動停止のタイミングで可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が回転されるようになっている。
ここで、実施例では、第2動作パターンV2において1回目の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV2とした場合に、駆動時間TV2は図柄列81,82,83毎に一定時間となるよう設定されている。同様に、第2動作パターンV2において2回目の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV3とした場合に、駆動時間TV3は図柄列81,82,83毎に一定時間となるよう設定される。そして、第2動作パターンV2において駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動停止してから駆動開始するまでの時間を、駆動インターバル時間IF2とした場合に、駆動インターバル時間IF2は、(対応する図柄列81,82,83の変動時間TM)−(駆動時間TV2+駆動時間TV3)となるよう統括制御CPU65aに設定される。これにより、各図柄列81,82,83毎に第2動作パターンV2と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減が図られる。
また、前記駆動インターバル時間IF2は、補正時間TH1〜TH3よりも長い時間に設定されており、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tの補正を決定した場合に、補正時間TH1〜TH3を駆動インターバル時間IF2から減算するよう統括制御CPU65aが設定する。すなわち、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて、統括制御CPU65aが駆動インターバル時間IF2を可変するよう設定されている。これにより、メイン制御CPU60aにより基準変動時間Tが補正された場合でも、第2動作パターンV2に基づいた可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作が可能となる。また、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて第2動作パターンV2と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減を図り得る。
(第3動作パターン)
統括制御ROM65bには、図16(c)に示すように、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が対応する図柄列81,82,83の飾図の変動停止に同期する動作パターンとして、第3動作パターンV3が設定されている。第3動作パターンV3は、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始から所定時間経過後に駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を所定時間経過後に一時的に駆動停止させた後に、再び駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動停止に同期して駆動停止させる動作を特定している。すなわち、第3動作パターンV3では、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動途中と変動停止のタイミングで可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が停止されるようになっている。
ここで、第3動作パターンV3において1回目の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV4とした場合に、駆動時間TV4は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定されている。同様に、第3動作パターンV3において2回目の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV5とした場合に、駆動時間TV5は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定される。更に、第3動作パターンV3において駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動停止してから駆動開始するまでの時間を、駆動インターバル時間をIF3とした場合に、駆動インターバル時間IF3は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定される。また、第3動作パターンV3において飾図の変動開始から駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動開始するまでの時間を、駆動待機時間をST3とした場合に、駆動待機時間ST3は、(対応する図柄列81,82,83の変動時間TM)−(駆動時間TV4+駆動時間TV5+駆動インターバル時間IF3)となるよう統括制御CPU65aに設定される。これにより、各図柄列81,82,83毎に第3動作パターンV3と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減が図られる。
また、駆動待機時間ST3は、補正時間TH1〜TH3よりも長い時間に設定されており、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tの補正を決定した場合に、補正時間TH1〜TH3を駆動待機時間ST3から減算するよう統括制御CPU65aが設定する。すなわち、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて、統括制御CPU65aが駆動待機時間ST4を可変するよう設定されている。これにより、メイン制御CPU60aにより基準変動時間Tが補正された場合でも、第3動作パターンV3に基づいた可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作が可能となる。また、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて第3動作パターンV3と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減を図り得る。
(第4動作パターン)
統括制御ROM65bには、図16(d)に示すように、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が飾図の変動停止に同期する動作パターンとして、第4動作パターンV4が設定されている。第4動作パターンV4は、飾図の変動開始から所定時間経過後に駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を飾図の変動停止に同期して駆動停止させる動作を特定している。すなわち、第4動作パターンV4では、飾図の変動停止のタイミングで可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が停止されるようになっている。
ここで、第4動作パターンV4における駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV6とした場合に、駆動時間TV6は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定されている。また、第4動作パターンV4において飾図の変動開始から駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動開始するまでの時間を、駆動待機時間ST4とした場合に、駆動待機時間ST4は、(対応する図柄列81,82,83の変動時間TM)−(駆動時間TV6)となるよう統括制御CPU65aに設定される。これにより、各図柄列81,82,83毎に第4動作パターンV4と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減が図られる。
また、駆動待機時間ST4は、補正時間TH1〜TH3よりも長い時間に設定されており、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tの補正を決定した場合に、補正時間TH1〜TH3を駆動待機時間ST4から減算するよう統括制御CPU65aが設定する。すなわち、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて、統括制御CPU65aが駆動待機時間ST4を可変するよう設定されている。これにより、メイン制御CPU60aにより基準変動時間Tが補正された場合でも、第4動作パターンV4に基づいた可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作が可能となる。また、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて第4動作パターンV4と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減を図り得る。
(第5動作パターン)
統括制御ROM65bには、図16(e)に示すように、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が飾図の変動開始に同期する動作パターンとして、第5動作パターンV5が設定されている。第5動作パターンV5は、飾図の変動開始に同期して駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を所定時間経過後に一時的に駆動停止させた後に、再び駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を飾図の変動が停止される前のタイミングで駆動停止される動作を特定している。すなわち、第5動作パターンV5では、飾図の変動開始と変動途中のタイミングで可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が回転されるようになっている。
ここで、第5動作パターンV5において1回目の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV7とした場合に、駆動時間TV7は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定されている。同様に、第5動作パターンV5において2回目の駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV8とした場合に、駆動時間TV8は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定される。更に、第5動作パターンV5において駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動停止してから駆動開始するまでの時間を、駆動インターバル時間をIF5とした場合に、駆動インターバル時間IF5は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定される。また、第5動作パターンV5において駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を2度目に駆動停止してから飾図の変動停止までの時間を、駆動待機時間ST5とした場合に、駆動待機時間ST5は、(対応する図柄列81,82,83の変動時間TM)−(駆動時間TV7+駆動時間TV8+駆動インターバル時間IF5)となるよう統括制御CPU65aに設定される。これにより、各図柄列81,82,83毎に第5動作パターンV5と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減が図られる。
また、駆動待機時間ST5は、補正時間TH1〜TH3よりも長い時間に設定されており、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tの補正を決定した場合に、補正時間TH1〜TH3を駆動待機時間ST5から減算するよう統括制御CPU65aが設定する。すなわち、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて、統括制御CPU65aが駆動待機時間ST5を可変するよう設定されている。これにより、メイン制御CPU60aにより基準変動時間Tが補正された場合でも、第5動作パターンV5に基づいた可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作が可能となる。また、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて第5動作パターンV5と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減を図り得る。
(第6動作パターン)
統括制御ROM65bには、図16(f)に示すように、駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が飾図の変動開始に同期する動作パターンとして、第6動作パターンV6が設定されている。第6動作パターンV6は、飾図の変動開始に同期して駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を飾図の変動が停止される前のタイミングで駆動停止される動作を特定している。すなわち、第6動作パターンV6では、飾図の変動開始のタイミングで可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が回転されるようになっている。
ここで、第6動作パターンV6において駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動時間をTV9とした場合に、駆動時間TV9は図柄列81,82,83毎に一定時間に設定されている。また、第6動作パターンV6において駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動停止してから飾図の変動停止までの時間を、駆動待機時間ST6とした場合に、駆動待機時間ST6は、(対応する図柄列81,82,83の変動時間TM)−(駆動時間TV9)となるよう統括制御CPU65aに設定される。これにより、各図柄列81,82,83毎に第6動作パターンV6と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減が図られる。
また、駆動待機時間ST6は、補正時間TH1〜TH3よりも長い時間に設定されており、メイン制御CPU60aが基準変動時間Tの補正を決定した場合に、補正時間TH1〜TH3を駆動待機時間ST6から減算するよう統括制御CPU65aが設定する。すなわち、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて、統括制御CPU65aが駆動待機時間ST5を可変するよう設定されている。これにより、メイン制御CPU60aにより基準変動時間Tが補正された場合でも、第6動作パターンV6に基づいた可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作が可能となる。また、メイン制御CPU60aにおける基準変動時間Tの補正の有無に応じて第6動作パターンV6と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減を図り得る。
また実施例では、有効ライン可動体KD21〜KD25の動作タイミングは、図柄列可動体KD11〜KD13の何れかの動作タイミングと一致するように統括制御CPU65aが設定するよう構成されている。これにより、有効ライン可動体KD21〜KD25毎に第1〜第6動作パターンV1〜V6と同じパターンとなる動作パターンを設定する必要がないから、統括制御ROM65bに記憶させるデータ量を抑制してコストの低減が図られる。なお、実施例では、有効ライン可動体KD21〜KD25の動作タイミングは、最も動作時間が長くなる中図柄列82に対応する図柄列可動体KD12の動作タイミングと一致するように統括制御CPU65aが動作パターンV1〜V6に基づいて駆動モータMT21〜MT25の動作タイミングを設定するようになっている。すなわち、実施例の有効ライン可動体KD21〜KD25に対応した駆動モータMT21〜MT25は、中図柄列82の変動時間TMを基準とした動作パターンV1〜V6に基づいて動作タイミングが定められる
(可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作決定について)
次に、前記可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作決定について説明する。実施例では、図柄変動演出において前記可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が動作するか否かに応じて、当該図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が異なるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、統括制御CPU65aが可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作するか否かを決定するよう構成されており、大当り判定の判定結果に応じて、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させることを統括制御CPU65aが決定する割合が異なるようになっている。具体的には、前記メイン制御CPU60aでの大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、統括制御CPU65aは、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させない否定判定(以下動作否定判定という)よりも、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させる肯定判定(以下動作肯定判定という)をし易く設定されている。一方、前記メイン制御CPU60aでの大当り判定の判定結果が否定判定の場合に、統括制御CPU65aは、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作肯定判定よりも、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作否定判定をし易く設定されている。
具体的に実施例では、図17に示すように、統括制御ROM65bには、統括制御CPU65aが可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作するか否かを決定する図柄列可動体用の動作判定テーブルが設けられており、メイン制御CPU60aでの大当り判定の結果が肯定判定の場合に動作肯定判定および動作否定判定の夫々に割当てられる動作判定用の判定値と、メイン制御CPU60aでの大当り判定の結果が否定判定の場合に動作肯定判定および動作否定判定の夫々に割当てられる動作判定用の判定値の数を調整することで、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が動作した際に、大当り遊技が発生する期待度が異なるよう構成されている。実施例では、図17に示すように、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が動作した場合に、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が動作しない場合よりも図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が高くなるよう設定されている。そして、前記変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが動作判定用の乱数(0〜99)を取得し、当該乱数に対応する判定値(実施例では0〜99)が割当てられた動作肯定判定または動作否定判定を統括制御CPU65aが決定する。ここで、動作判定用の乱数は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成される。
また、実施例では、前記可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が動作する場合に、動作する可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の数に応じて、当該図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が異なるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させる場合に、動作する可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の数を統括制御CPU65aが決定するよう構成されており、大当り判定の判定結果に応じて、統括制御CPU65aが決定する可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作数の選択割合が異なるようになっている。具体的には、前記メイン制御CPU60aでの大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、統括制御CPU65aは、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作数を多くするよう設定されている。一方、前記メイン制御CPU60aでの大当り判定の判定結果が否定判定の場合に、統括制御CPU65aは、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作数を少なくするよう設定されている。
具体的に実施例では、図18に示すように、統括制御ROM65bには、統括制御CPU65aが図柄列可動体KD11〜KD13の動作数を決定する動作可動体決定テーブルが設けられており、メイン制御CPU60aでの大当り判定の結果に応じて図柄列可動体KD11〜KD13の動作数毎に割当てられる動作数判定用の判定値の数を調整することで、動作した図柄列可動体KD11〜KD13の数に応じて大当り遊技が発生する期待度が異なるよう構成されている。実施例では、図18に示すように、図柄列可動体KD11〜KD13の動作数が多くなるほど図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が高くなるよう設定されている。そして、前記変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが動作数判定用の乱数(実施例では0〜99)を取得し、当該乱数に対応する判定値(実施例では0〜99)が割当てられた図柄列可動体KD11〜KD13の動作数を統括制御CPU65aが決定する。ここで、動作数判定用の乱数は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成される。
更に、実施例では、前記可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が動作する場合に、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作パターンV1〜V6に応じて、当該図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が異なるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させる場合に、動作する可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作パターンV1〜V6を統括制御CPU65aが決定するよう構成されており、大当り判定の判定結果に応じて、統括制御CPU65aが決定する可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作パターンV1〜V6の選択割合が異なるようになっている。
具体的に実施例では、図19に示すように、統括制御ROM65bには、統括制御CPU65aが可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作パターンV1〜V6を決定する動作パターン決定テーブルが設けられており、メイン制御CPU60aでの大当り判定の結果に応じて動作パターンV1〜V6毎に割当てられる動作パターン決定用の判定値の数を調整することで、動作した可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作パターンV1〜V6に応じて大当り遊技が発生する期待度が異なるよう構成されている。実施例では、図19に示すように、第1動作パターンV1〜第6動作パターンV6の順で図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が高くなるよう設定されている。そして、前記変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが動作パターン決定用の乱数(実施例では0〜80)を取得し、当該乱数に対応する判定値(実施例では0〜80)が割当てられた動作パターンV1〜V6を統括制御CPU65aが決定する。ここで、動作パターン決定用の乱数は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成される。
なお、実施例では、前記図柄列可動体KD11〜KD13および有効ライン可動体KD21〜KD25の動作決定を行う際に、前記動作判定テーブルおよび動作パターン決定テーブルの夫々を共通して用いるよう設定されている。但し、前記図柄列可動体KD11〜KD13の動作決定に使用する各テーブルと、有効ライン可動体KD21〜KD25の動作決定に使用する各テーブルとを個別に設定することも可能である。また、実施例において有効ライン可動体KD21〜KD25は、図柄変動演出においてリーチ表示が形成される場合に、当該リーチ表示が表示される有効ラインL1〜L5(リーチライン)の延長線上に位置する可動体KD21〜KD25を動作させることを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。従って、実施例では、シングルリーチが生起される場合には、右有効ラインL1,中有効ラインL2および左有効ラインL3の内のリーチラインとなった有効ラインの延長線上に位置する1の可動体KD21〜KD23を動作させることを統括制御CPU65aが決定し得るよう構成され、またダブルリーチが生起される場合には、リーチラインとなる斜めに延在する2つの第1および第2傾斜有効ラインL4,L5の延長線上に位置する2の可動体KD24〜KD25を動作させることを統括制御CPU65aが決定し得るよう構成されている。
(可動体の動作決定処理について)
次に、統括制御CPU65aが実行する可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作決定処理について一例を具体的に説明する。
図20に示す図柄列可動体KD11〜KD13の動作決定処理では、メイン制御CPU60aからの変動パターン指定コマンドの入力を契機として、図柄列可動体KD11〜KD13を動作させるか否かを決定する(ステップD1)。すなわち、ステップD1では、変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した動作判定用の乱数に基づいて、動作判定テーブルに基づいて統括制御CPU65aが動作肯定判定または動作否定判定を行う。そして、ステップD1において統括制御CPU65aが肯定判定の場合にはステップD2に移行する一方、統括制御CPU65aが否定判定の場合には、図柄列可動体KD11〜KD13の動作決定処理を終了する。
ステップD2では、変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した動作数判定用の乱数に基づいて、動作可動体決定テーブルから図柄列可動体KD11〜KD13の動作数を決定する。このとき、図柄列可動体KD11〜KD13の動作数として「1」を決定した場合には、上図柄列81、中図柄列82または下図柄列83の何れに対応した図柄列可動体KD11〜KD13を動作させるかを統括制御CPU65aが決定する。また、図柄列可動体KD11〜KD13の動作数として「2」を決定した場合には、上図柄列81および中図柄列82に対応した図柄列可動体KD11,KD12の組、中図柄列82および下図柄列83に対応した図柄列可動体KD12,KD13の組、上図柄列81および下図柄列83に対応図柄列可動体KD11,KD13の組の何れの組を動作させるかを統括制御CPU65aが決定する。そして、図柄列可動体KD11〜KD13の動作数として「3」を決定した場合には、上・中・下の図柄列81,82,83に対応した3つの図柄列可動体KD11〜KD13を動作させることを統括制御CPU65aが決定する。ここで、図柄列可動体KD11〜KD13の動作数として「1」または「2」を決定した場合に、図柄列可動体KD11〜KD13の何れを動作させるかは、変動パターン指定コマンドが入力された際に取得される乱数および対応の判定値を用いた振分処理により決定されるようになっている。
そして、ステップD2において図柄列可動体KD11〜KD13の動作数が決定されると、ステップD3に移行する。ステップD3では、変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した動作パターン決定用の乱数に基づいて、動作パターン決定テーブルから動作パターンV1〜V6を統括制御CPU65aが決定する。そして、動作パターンV1〜V6が決定されると、メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドで特定される変動パターンP1〜P42の変動時間および動作パターンV1〜V6に基づいて、動作することを決定された図柄列可動体KD11〜KD13に対応する駆動モータMT11〜MT13の動作タイミングを統括制御CPU65aが決定する。
図21に示す有効ライン可動体KD21〜KD25の動作決定処理では、メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、リーチ演出を行う変動パターンP2〜P42の何れかが指定されているかを統括制御CPU65aが判定する(ステップE1)。そして、メイン制御CPU60aからリーチ演出を行う変動パターンP2〜P42を指定する変動パターン指定コマンドが入力された場合には、ステップE2に移行する一方、リーチ演出を行う変動パターンP2〜P42を指定する変動パターン指定コマンドが入力されていない場合には、有効ライン可動体KD21〜KD25の動作決定処理を終了する。ステップE2では、有効ライン可動体KD21〜KD25を動作させるか否かを統括制御CPU65aが決定する。すなわち、ステップE2では、変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した動作判定用の乱数に基づいて、動作判定テーブルに基づいて統括制御CPU65aが動作肯定判定または動作否定判定を行う。そして、ステップE2において統括制御CPU65aが肯定判定の場合にはステップE3に移行する一方、統括制御CPU65aが否定判定の場合には、有効ライン可動体KD21〜KD25の動作決定処理を終了する。そして、ステップE2において統括制御CPU65aが肯定判定の場合には、入力された変動パターン指定コマンドに基づいて統括制御CPU65aがリーチ表示を形成する有効ラインL1〜L5を決定すると共に、当該決定した有効ラインL1〜L5に対応する有効ライン可動体KD21〜KD25を動作させることを統括制御CPU65aが決定する(ステップE3)。
そして、ステップE3において動作させる有効ライン可動体KD21〜KD25が決定されると、ステップE4に移行する。ステップE4では、図柄列可動体KD11〜KD13の動作決定処理において統括制御CPU65aが図柄列可動体KD11〜KD13を動作させることを決定したか否かを判定し、図柄列可動体KD11〜KD13の動作を決定した場合には、ステップE5に移行して、統括制御CPU65aが決定した図柄列可動体KD11〜KD13の動作パターンV1〜V6と同じ動作パターンを有効ライン可動体KD21〜KD25の動作パターンとして統括制御CPU65aが決定する。また、統括制御CPU65aが図柄列可動体KD11〜KD13の動作を決定していない場合には、ステップE6において、変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した動作パターン決定用の乱数に基づいて、動作パターン決定テーブルから動作パターンV1〜V6を統括制御CPU65aが決定する。そして、ステップE5またはステップE6において動作パターンV1〜V6が決定されると、メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドで特定される変動パターンP1〜P42の変動時間および動作パターンV1〜V6に基づいて、動作することを決定された有効ライン可動体KD21〜KD25に対応する駆動モータMT21〜MT25の動作タイミングを統括制御CPU65aが決定する(ステップE7)。なお、実施例では、統括制御CPU65aは、中図柄列82に対応する図柄列可動体KD12に対応する駆動モータMT12の動作タイミングと同じ動作タイミングとなるよう有効ライン可動体KD21〜KD25に対応する駆動モータMT21〜MT25が動作するよう動作タイミングを決定するよう設定されている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のように、メイン制御基板60のメイン制御ROM60bに記憶させたリーチはずれ変動パターンP2〜P21や当り変動パターンP22〜P42を含む各変動パターンP1〜P42毎に基準変動時間Tを設定して、当該基準変動時間Tを所定の遊技情報に基づいて必要により補正することで実際の変動時間をメイン制御CPU60aが決定するよう構成したことで、実際に実行される図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間に対応した全ての時間を特定する変動パターンをメイン制御ROM60bに設定する必要がない。このため、変動パターンを記憶するメイン制御ROM60bの記憶容量を圧迫することなく多彩な演出内容を様々な変動時間で実行することが可能となる。
また、各変動パターンP1〜P42により特定される演出において、変動開始からリーチ表示までのリーチ表示時間の範囲となるよう基準変動時間Tを補正する補正時間TH1〜TH3を設定したから、基準変動時間Tを補正時間で減算するよう補正した場合に、リーチ演出の内容自体を変更する必要がなく、変動時間が短縮されても図柄変動演出の効果を維持することができる。また、一般的なパチンコ機10では、変短状態が付与されていない状態や、始動保留情報の保留数が少ない状態で遊技が行われる機会が最も多い。すなわち、パチンコ機10において選択される頻度が最も多い変動パターンP1〜P42で特定される基準変動時間Tを基準に補正時間を減算補正することで、メイン制御CPU60aでの変動時間の補正処理に要する処理負荷を軽減することができる。
また、前記特典遊技状態として変短状態の付与情報を変動時間の補正条件としたことで、変短状態が付与されている場合と、付与されていない場合とにおける変動時間を容易に変更することができる。また、補正時間TH1〜TH3を複数種類設定したことで、実際に行われる図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間のバリエーションを豊かにすることができる。
更に、特典遊技状態としての変短状態が付与されている場合と付与されていない場合とで補正時間TH1〜TH3の決定を異ならせることで、変短状態の有無に応じて遊技性を容易に変更することができる。そして、実施例では変短状態が付与されている場合に、補正時間TH1〜TH3に割当てられた判定値に応じて1つの補正時間TH1〜TH3を決定することで、決定される補正時間TH1〜TH3がランダムになり、変短状態が付与されている状態での変動時間TH1〜TH3の変化を豊かにすることができる。
リーチ演出を実行する変動パターンP2〜P41がメイン制御CPU60aにより決定された場合に決定される補正時間TH2と、該リーチ演出を実行しない変動パターンP1,P42がメイン制御CPU60aにより決定された場合とで、決定される補正時間を異ならせたことで、リーチ演出を実行する変動パターンP2〜P41が決定された場合に無理なく基準変動時間Tを補正することができる。すなわち、基準変動時間Tを補正した場合に、演出の実行上において不自然なタイミングでリーチ演出が切り替わったり途切れたりしない変動時間に容易に調整することができる。
また、実施例では、ベース変動時間TBと、図柄変動演出においてリーチ演出が行われるリーチ変動時間TRとを設定し、変動パターンP1〜P42の種類に応じてベース変動時間TBおよびリーチ変動時間TRを加算した時間を基準変動時間Tとするようにしたことで、各変動パターンP1〜P42の基準変動時間Tを全てメイン制御ROM60bに予め設定しておく必要がない。このため、変動パターンを記憶するメイン制御ROM60bの記憶容量を圧迫することなく多彩な演出内容を様々な変動時間で実行することが可能となる。
また、図柄表示装置17における複数の飾図列81,82,83の内の何れかの図柄列での飾図の変動開始または飾図の変動停止に同期するよう駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動制御することで、図柄表示装置17での飾図の変動タイミングと可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作タイミングとの関連性を高めることができる。これにより、図柄表示装置17において各飾図列81,82,83の飾図を変動または変動停止させる際に、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が連動する飾図列81,82,83に対する遊技者の関心を特に惹きつけて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、実施例では、各飾図列81,82,83に個別に対応した図柄列可動体KD11〜KD13を備えることで、各飾図列81,82,83での飾図の変動タイミングと、対応する図柄列可動体KD11〜KD13の動作タイミングとを個別に関連させることができる。このとき、各図柄列可動体KD11〜KD13が対をなす飾図列81,82,83の変動タイミングに連動して動作するので、各飾図列81,82,83の飾図の変動を遊技者に注目させることができる。更に、図柄列可動体KD11〜KD13の動作開始と対応する図柄列可動体KD11〜KD13の変動開始とを同期させることで、各飾図列81,82,83の変動開始時に対する注意を高めるができると共に、図柄列可動体KD11〜KD13の動作停止と対応する図柄列可動体KD11〜KD13の変動停止とを同期させることで、各飾図列81,82,83の変動停止を明確に表示することができる。
更に、各飾図列81,82,83の有効停止位置に停止表示された飾図の有効組み合わせとなる有効ラインL1〜L5毎に対応した有効ライン可動体KD21〜KD25を設けて、各有効ラインL1〜L5での飾図の変動開始または飾図の変動停止に同期するよう有効ライン可動体KD21〜KD25に対応する駆動モータMT21〜MT25を駆動制御することにより、飾図の変動タイミングと有効ライン可動体KD21〜KD25の動作タイミングとの関連性を高めることができる。しかも、各飾図列81,82,83に対する遊技者の関心を惹きつけるだけでなく、有効ラインL1〜L5に対する関心も高めることが可能となる。また、各飾図列81,82,83の変動に連動して動作する有効ライン可動体KD21〜KD25を有効ラインL1〜L5と同じ数に揃えることで、図柄変動演出の結果として当り表示となる飾図の組み合わせが成立する可能性がある有効ラインL1〜L5を強調して遊技者に注目させることができる。
(別実施例)
次に、別実施例に係るパチンコ機10について説明する。なお、基本的な構成は前述した実施例1と同じなので、異なる構成についてのみ説明する。
別実施例に係るパチンコ機10では、図柄変動演出の基本的な演出内容を特定する変動パターンとして、各図柄列81,82,83の飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出を行って大当り表示結果を確定停止表示する演出内容を特定した連続予告変動パターンがメイン制御ROM60bに記憶されている。ここで、連続予告変動パターンで特定される連続予告変動演出としては、図22に示すように、1つの特図始動保留情報(第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報)に基づく図柄変動演出(各図柄列81,82,83)の変動開始から仮停止までを1回とした擬似変動サイクルを1回の変動サイクルとして、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(各図柄列81,82,83の飾図の変動開始から確定停止までの確定変動サイクル)に複数回(実施例では2回〜4回)の擬似変動サイクルが含まれる連続予告演出(所謂、擬似連予告演出)である。すなわち、メイン制御CPU60aにより連続予告変動パターンが選択されると、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17において1つの特図始動保留情報に基づいて複数回の擬似変動サイクルを実行するようになっている。そして、連続予告変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが入力された統括制御CPU65aでは、連続予告変動パターンに対応する演出パターンとして連続予告演出パターンに定められた各図柄列81,82,83の飾図を仮停止させるタイミングが複数設定されており、各仮停止のタイミングにおいて各図柄列81,82,83の飾図指定コマンドを出力するように設定されている。なお実施例では、1回の確定変動サイクルにおいて各図柄列81,82,83の飾図を仮停止させるタイミングが1回(すなわち擬似変動サイクルを2回実行)〜3回(すなわち擬似変動サイクルを4回実行)定められた連続予告演出パターンが設定されている。
また、前記統括制御ROM65bには、前記各可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25を動作させる動作タイミングを特定する動作パターンとして、連続予告変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが入力された際に決定可能な動作パターンV7が設定されている。連続予告変動パターンに対応した連続予告演出用の動作パターンV7は、前記連続予告演出の各擬似変動サイクルにおける各図柄列81,82,83での飾図の変動開始または飾図の変動停止(仮停止)に同期するよう各可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25に対応した駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動タイミングが定められている。
(連続予告演出用の動作パターンについて)
具体的に、実施例の連続予告演出用の動作パターンV7は、図22に示すように、各擬似変動サイクルにおいて、対応する図柄列81,82,83の飾図の変動開始に同期して駆動開始させた駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を、各対応する図柄列81,82,83の飾図の変動停止(仮停止)まで継続して駆動させて、飾図の変動停止(仮停止)に同期して該駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25を駆動停止させる動作を特定している。すなわち、連続予告演出用の動作パターンV7では、連続予告演出パターンで定められた各擬似変動サイクルの変動開始および変動停止(仮停止)に同期するよう駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動される。なお、2回目以下以降の擬似変動サイクルにおける飾図の変動開始(仮停止した後の変動開始)のタイミングにおいては、飾図の変動開始から僅かに駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の駆動開始が遅れるよう設定されており、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が駆動停止したことを遊技者に明確に判別させ得るようにしてある。また、可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作決定に関しては、前述した実施例と同様である。なお、図22は、擬似変動サイクルを4回繰り返す連続予告演出パターンに対応した動作パターンを示してあり、擬似変動サイクルが2〜3回繰り返す連続予告演出パターンに対応した動作パターンは別途統括制御ROM65bに記憶されている。
このように、連続予告演出における各擬似変動サイクルの飾図の変動開始または飾図の変動停止(仮停止)に同期して可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が動作するよう構成したことで、各擬似変動サイクルにおける飾図の変動タイミングと可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25の動作タイミングとの関連性を高めることができる。従って、各擬似変動サイクルにおいて可動体KD11〜KD13,KD21〜KD25が連動する図柄列81,82,83に対する遊技者の関心を特に惹きつけることができる。
なお、前記連続予告演出用の動作パターンV7では、各擬似変動サイクルにおける飾図の変動停止および飾図の変動停止(仮停止)に同期して駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動されるようにしたが、少なくとも1回の擬似変動サイクルにおける飾図の変動停止および飾図の変動停止(仮停止)に同期して駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動される動作パターンとすることができる。また、擬似変動サイクルにおける飾図の変動停止および飾図の変動停止(仮停止)の何れにも同期して駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動されるようにしたが、擬似変動サイクルにおける飾図の変動停止および飾図の変動停止(仮停止)の何れかに同期して駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25が駆動されるようにすればよい。
また、連続予告演出用の動作パターンV7では、各擬似変動サイクルにおける駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の動作タイミングを同じにする必要はなく、擬似変動サイクル毎の動作パターンを異ならせることもできる。例えば、前述した第1〜第6動作パターンV1〜V6に示した動作パターンの動作タイミングを各擬似変動サイクルにおける駆動モータMT11〜MT13,MT21〜MT25の動作タイミングとして適宜に組み合わせて連続予告演出用の動作パターンV7とすることできる。
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、図柄表示手段に上下3段の図柄列を設けるようにしたが、これに限られるものではなく、左右に図柄列を複数設けて上下方向に図柄を変動表示するようにしてもよい。また各図柄列に設定する有効停止位置は3つに限られるものではなく、各図柄列に1つの有効停止位置を設定してもよく、任意数の有効停止位置を設定することができる。また、各図柄列の有効停止位置の数は、同じである必要はなく、例えば上下の図柄列に3つの有効停止位置を設定する一方で、中図柄列に中有効停止位置に相当する1つの有効停止位置のみを設定することもできる。
(2) 実施例では、変動パターン毎の基準変動時間を補正する補正時間を3種類設定したが、これに限られるものではなく、任意数の補正時間を設定することができる。
(3) 実施例では、補正時間を基準変動時間から減算するようにしたが、該基準変動時間に対して補正時間を加算して補正するようにしてもよい。
(4) 実施例では、遊技の進展に伴い決定される遊技情報として、変短状態が付与されているか否かを示す変短状態付与情報、特図始動保留情報の保留情報および図柄変動演出(特図変動表示)が実行される特図始動保留情報の種類を示す特図変動処理情報を例示したが、これに限られるものではなく、始動入賞手段への入賞を契機としてメイン制御手段で決定される各種情報(確変状態が付与されているか否かを示す情報や、大当り判定結果を示す情報、普図保留の情報等)を、基準変動時間を補正するか否かを判定する基準となる遊技情報とすることができる。
(5) 実施例では、ベース変動時間、リーチ変動時間を適宜加算することで各変動パターンの基準変動時間が特定されるようにしたが、これに限られず、メイン制御ROM(記憶手段)に対して各変動パターンの基準変動時間を予め個別に記憶させることもできる。
(6) 実施例では、各図柄列および有効ラインの夫々に対応して可動体を設けるようにしたが、図柄列に対応する可動体のみを設けるようにしてもよい。同様に、有効ラインの夫々に対応した可動体のみを設けるようにしてもよい。
(7) また、全ての図柄列に対応して可動体を設ける必要はなく、何れか1つの図柄列に対応した可動体を設けるようにしてもよい。同様に、全ての有効ラインに対応して可動体を設ける必要はなく、何れか1つの有効ラインに対応した可動体を設けるようにすることも可能である。
(8) 実施例では、図柄変動演出においてリーチ表示が形成される場合に、当該リーチ表示が表示される有効ライン(リーチライン)の延長線上に位置する有効ライン可動体を動作させるようにしたが、これに限らず、リーチ表示が形成されるか否かに関係なく、有効ライン可動体を動作させ得るようにすることもできる。例えば、実施例での図柄列可動体の動作数と同様に、動作する有効ライン可動体の動作数に応じて、当該図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が異なるようにすることもできる。具体的には、有効ライン可動体の動作数を決定する動作可動体決定テーブルを設けることで容易に実現できる。また、リーチ表示が形成されるか否かに関係なく、有効ライン可動体が動作され得るよう構成すると共に、これと併せて実施例のようにリーチ表示が形成される際にリーチラインに対応した有効ライン可動体が動作され得るよう構成することで、有効ライン可動体の動作によりリーチ演出が行われる期待感を持たせることが可能となる。
(9) また、実施例では、複数の有効ラインでリーチラインが形成される場合(すなわちダブルリーチの場合)に、各リーチラインに対応する有効ラインの延長線上に位置する各有効ライン可動体を動作させるよう構成したが、これに限らず、リーチラインを形成する有効ラインの何れか1つに対応する有効ラインの延長線上に位置する各有効ライン可動体を動作させるよう構成してもよい。この場合に、動作する有効ライン可動体の動作数(ダブルリーチの場合には1つまたは2つ)に応じて、当該図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生する期待度が異なるようにすることで、可動体の動作に対する注目を向上することができる。
(10) 実施例では、可動体の駆動手段を動作する動作タイミングを定めた動作パターンを6種類設定した例を示したが、これに限られるものではなく、任意数の動作パターンを設定できる。また、各動作パターンで特定される駆動手段の動作タイミングは、実施例に示したものに限定されるものではなく、図柄(飾図)の変動開始または変動停止に同期するものであれば、任意の動作パターンを設定することが可能である。
(11) 実施例では、図柄列に対応した可動体および有効ラインに対応した可動体を同じ動作パターンで動作させるよう構成したが、図柄列に対応した可動体および有効ラインに対応した可動体の夫々に応じた動作パターンを個別に設定することもできる。また、各図柄列に対応した可動体の動作パターンを個別に設定するようにしてもよい。同様に、各有効ラインに対応した可動体の動作パターンを個別に設定することも可能である。
(12) 実施例では、有効ラインに対応した可動体の動作決定に際し、図柄列に対応した可動体の動作決定と同一の各テーブルを用いて決定するようにしたが、有効ラインに対応した可動体の動作決定に用いる各テーブルを個別に設定するようにしてもよい。
(13) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞具手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2入賞検出手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞検出手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(14) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(15) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(16) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(17) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。