JP2013204469A - 蒸気タービン、蒸気タービン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い効率で運用することができる蒸気タービンを提供する。
【解決手段】タービン回転軸の周りを囲う蒸気室について、メイン蒸気室部と、そのメイン蒸気室部に蒸気が供給された後にメイン蒸気室部と共に蒸気が供給されるサブ蒸気室部とに仕切る。メイン蒸気室部にメイン蒸気管を接続し、メイン蒸気管にメイン調整弁を設ける。サブ蒸気室部にサブ蒸気管を接続し、サブ蒸気管にサブ調整弁を設ける。サブ蒸気管については、メイン蒸気管においてメイン調整弁の下流側に位置する部分でメイン蒸気管から分岐するように設ける。
【選択図】図2
【解決手段】タービン回転軸の周りを囲う蒸気室について、メイン蒸気室部と、そのメイン蒸気室部に蒸気が供給された後にメイン蒸気室部と共に蒸気が供給されるサブ蒸気室部とに仕切る。メイン蒸気室部にメイン蒸気管を接続し、メイン蒸気管にメイン調整弁を設ける。サブ蒸気室部にサブ蒸気管を接続し、サブ蒸気管にサブ調整弁を設ける。サブ蒸気管については、メイン蒸気管においてメイン調整弁の下流側に位置する部分でメイン蒸気管から分岐するように設ける。
【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、蒸気タービン、蒸気タービン制御装置に関する。
蒸気タービンは、外燃機関であって、蒸気が外部から内部のタービンロータへ供給されることによって、タービンロータが回転する。具体的には、蒸気タービンにおいては、ノズルと、そのノズルの下流側に位置するタービン羽根とによって構成されるタービン段落が、タービン回転軸の軸方向に沿って、複数段、設けられている。このため、複数段のダービン段落においてノズルからタービン羽根に蒸気が噴射され、蒸気の膨張が繰り返されることによって、タービンロータが回転する。そして、その回転するタービンロータによって、発電機が駆動され、発生した電力が系統に供給される。
蒸気タービンのうち、地熱タービンは、たとえば、地熱井から得られる天然の蒸気を作動流体として用いる。この他に、地熱井から得た熱水をフラッシャーによって蒸気にした後に、その蒸気を作動流体として用いる(たとえば、特許文献1参照)。
蒸気タービンにおいては、高い効率での運用が困難な場合がある。
特に、地熱タービンでは、高い効率で運用することが容易でない。地熱井から得られる蒸気には、ケイ素、硫黄、ナトリウム、ボロン、塩素、金属元素などの種々の元素からなる物質がスケール成分(不純物)として多く含まれている。このため、地熱タービンでは、多量のスケールが蒸気の流路に堆積し、蒸気の流れが阻害されるので、出力が低下する場合がある。そして、この不具合を解消するために運転を停止しメンテナンスを行うなどの措置が必要となるため、地熱タービンについて高い効率で運用することが容易でない。
また、地熱タービンでは、蒸気中からスケール成分を除去するためにセパレータなどの機器を用いているが、全てを除去するのは困難であり、長期の運転の継続によって、スケールが多量に堆積する。特に、初段ノズルにおいては、スケールが堆積しやすい。
この他に、地熱井は、時間の経過に伴って蒸気の流量や圧力が低下する傾向にあり、それに対応するためにノズルの変更や改造などの措置が必要になる場合がある。その結果、地熱タービンについて高い効率で運用することが容易でない場合がある。
地熱タービンなどの蒸気タービンを高い効率で運用するために、さまざまな技術が開発されているが、十分ではない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、高い効率で運用できる、蒸気タービン、蒸気タービン制御装置を提供することである。
本実施形態の蒸気タービンにおいては、タービンロータは、複数段のタービン羽根がタービン回転軸に沿って並んでいる。複数段のノズルが、その複数段のタービン羽根のそれぞれに蒸気を噴射する。ケーシングは、タービンロータおよび複数段のノズルを内部に収容しており、複数段のノズルのうち一端側に位置する初段ノズルを介して、複数段のタービン羽根のうち一端側に位置する初段タービン羽根に蒸気室から蒸気を供給する。調整弁は、蒸気室へ供給する蒸気の流量を調整し、蒸気管は、調整弁から蒸気室へ蒸気が流れる。ここで、蒸気室は、タービン回転軸の周りを囲うように設けられており、タービン回転軸の回転方向において、メイン蒸気室部と、そのメイン蒸気室部に蒸気が供給された後にメイン蒸気室部と共に蒸気が供給されるサブ蒸気室部とに仕切られている。蒸気管は、メイン蒸気室部に接続されたメイン蒸気管と、サブ蒸気室部に接続されたサブ蒸気管とを有する。調整弁は、メイン蒸気管に蒸気を流すメイン調整弁と、サブ蒸気管に蒸気を流すサブ調整弁とを有する。そして、サブ蒸気管が、メイン蒸気管においてメイン調整弁の下流側に位置する部分でメイン蒸気管から分岐している。
本発明によれば、高い効率で運用できる、蒸気タービン、蒸気タービン制御装置を提供できる。
実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[A]構成
図1,図2は、第1実施形態に係る蒸気タービンについて、要部を模式的に示す図である。図1は、図2のY1−Y2部分の矢視図である。図2は、図1のX1−X2部分の矢視図と共に機能ブロック図を併せて示しており、蒸気の流れを実線で示し、電気信号の流れを破線で示している。
[A]構成
図1,図2は、第1実施形態に係る蒸気タービンについて、要部を模式的に示す図である。図1は、図2のY1−Y2部分の矢視図である。図2は、図1のX1−X2部分の矢視図と共に機能ブロック図を併せて示しており、蒸気の流れを実線で示し、電気信号の流れを破線で示している。
蒸気タービン1は、図1に示すように、ケーシング2、タービンロータ3、および、ノズル4を有する。この他に、図2に示すように、蒸気タービン1は、主蒸気止め弁10、メイン調整弁11、第1サブ調整弁111、第2サブ調整弁112、および、制御部200を有する。
蒸気タービン1は、たとえば、地熱タービンであって、地熱井などの蒸気発生源100からケーシング2の内部へ蒸気が供給され、その供給された蒸気によってタービンロータ3が回転する。
以下より、蒸気タービン1を構成する各部について、順次説明する。
[A−1]ケーシング2について
ケーシング2は、図1に示すように、蒸気室30が内部に設けられていると共に、その内部の収容空間にタービンロータ3とノズル4とを収容している。ケーシング2は、タービンロータ3を回転可能に支持しており、蒸気室30からノズル4を介して蒸気がタービンロータ3に供給されることで、タービンロータ3が回転する。ケーシング2は、図1,図2に示すように、円錐台形状であって、蒸気が流れる方向に沿って径が大きくなるように形成されている。
ケーシング2は、図1に示すように、蒸気室30が内部に設けられていると共に、その内部の収容空間にタービンロータ3とノズル4とを収容している。ケーシング2は、タービンロータ3を回転可能に支持しており、蒸気室30からノズル4を介して蒸気がタービンロータ3に供給されることで、タービンロータ3が回転する。ケーシング2は、図1,図2に示すように、円錐台形状であって、蒸気が流れる方向に沿って径が大きくなるように形成されている。
ケーシング2において、蒸気室30は、図2に示すように、タービンロータ3のタービン回転軸8の周りを円形で囲うように設けられている。本実施形態においては、蒸気室30は、メイン蒸気室部31と、第1サブ蒸気室部311と、第2サブ蒸気室部312とを備え、これらの各部は、仕切り板33によって蒸気室30を仕切ることで設けられている。
蒸気室30のうち、メイン蒸気室部31は、図2に示すように、メイン蒸気入口管21が設けられており、そのメイン蒸気入口管21から蒸気が内部に供給される。メイン蒸気室部31は、蒸気室30において、第1サブ蒸気室部311と第2サブ蒸気室部312との両者よりも大きな割合を占めるように設けられている。メイン蒸気室部31は、運転開始前のようにスケールの付着が流路に無い初期状態において、メイン蒸気室部31のみに蒸気が供給されたときに、蒸気タービン1について定格負荷での運用が可能なように設計されている。
蒸気室30のうち、第1サブ蒸気室部311は、図2に示すように、第1サブ蒸気入口管211が設けられており、その第1サブ蒸気入口管211から蒸気が内部に供給される。第1サブ蒸気室部311は、蒸気室30において、メイン蒸気室部31よりも小さい割合を占めるように設けられている。
蒸気室30のうち、第2サブ蒸気室部312は、図2に示すように、第2サブ蒸気入口管212が設けられており、その第2サブ蒸気入口管212から蒸気が内部に供給される。第2サブ蒸気室部312は、たとえば、第1サブ蒸気室部311と同様に、蒸気室30において、メイン蒸気室部31よりも小さい割合を占めるように設けられている。
詳細については後述するが、第1サブ蒸気室部311および第2サブ蒸気室部312は、メイン蒸気室部31に蒸気が供給された後に、メイン蒸気室部31と共に蒸気が供給される。
[A−2]タービンロータ3について
タービンロータ3は、図1に示すように、タービン羽根5と、タービン回転軸8とを有し、蒸気がタービン回転軸8に沿ってタービン羽根5へ供給され回転する。
タービンロータ3は、図1に示すように、タービン羽根5と、タービン回転軸8とを有し、蒸気がタービン回転軸8に沿ってタービン羽根5へ供給され回転する。
タービンロータ3において、タービン羽根5は、図1に示すように、複数段のタービン羽根51〜54を備え、その複数段のタービン羽根51〜54が、タービン回転軸8の軸方向に沿って並んでいる。
タービンロータ3において、タービン回転軸8は、図1に示すように、発電機9が連結されており、タービン回転軸8の回転によって発電機9が駆動して、発電が行われる。
[A−3]ノズル4について
ノズル4は、図1に示すように、複数段のノズル41〜44を備え、その複数段のノズル41〜44が、タービン回転軸8の軸方向に沿って並んでいる。複数段のノズル41〜44のそれぞれは、複数段のタービン羽根51〜54のそれぞれよりも蒸気の流れ方向において上流側に設置されており、蒸気をタービン回転軸8の軸方向に沿って噴射する。
ノズル4は、図1に示すように、複数段のノズル41〜44を備え、その複数段のノズル41〜44が、タービン回転軸8の軸方向に沿って並んでいる。複数段のノズル41〜44のそれぞれは、複数段のタービン羽根51〜54のそれぞれよりも蒸気の流れ方向において上流側に設置されており、蒸気をタービン回転軸8の軸方向に沿って噴射する。
図示を省略しているが、複数段のノズル41〜44は、たとえば、内側リングと外側リングとの間に複数のノズル板が間を隔てて並んでおり、その複数のノズル板の面がタービンロータ3の回転平面に対して傾斜している。複数段のノズル41〜44のそれぞれは、複数のノズル板の間の間隙から蒸気を複数段のタービン羽根51〜54のそれぞれに噴射して、タービンロータ3を回転させる。
本実施形態では、複数段のノズル41〜44のうち、初段ノズル41は、図1に示すように、ケーシング2において蒸気室30が設けられた一端側に位置しており、複数段のタービン羽根51〜54のうち一端側に位置する初段タービン羽根51へ蒸気室30から蒸気を噴射する。また、初段ノズル41は、図2に示すように、メイン初段ノズル部41Mと、第1サブ初段ノズル部411と、第2サブ初段ノズル部412とを有し、これらの各部は、蒸気室30が仕切り板33で仕切られることで区画されている。メイン初段ノズル部41Mと第1サブ初段ノズル部411と第2サブ初段ノズル部412とのそれぞれは、メイン蒸気室部31と第1サブ蒸気室部311と第2サブ蒸気室部312とが仕切られた角度に対応するように、各噴口面積が割当てられている。
初段ノズル41のうち、メイン初段ノズル部41Mは、図2に示すように、メイン蒸気室部31に設けられた部分であって、メイン蒸気室部31に供給された蒸気を噴射する。メイン初段ノズル部41Mは、運転開始前のように蒸気の流路にスケールの付着が無い初期状態においてメイン蒸気室部31のみに蒸気が供給されたときに、定格負荷での運用が可能な噴口面積になるように設けられている。
初段ノズル41のうち、第1サブ初段ノズル部411は、図2に示すように、第1サブ蒸気室部311に設けられた部分であって、第1サブ蒸気室部311に供給された蒸気を噴射する。第1サブ初段ノズル部411は、メイン初段ノズル部41Mよりも噴口面積が小さくなるように設けられている。
初段ノズル41のうち、第2サブ初段ノズル部412は、図2に示すように、第2サブ蒸気室部312に設けられた部分であって、第2サブ蒸気室部312に供給された蒸気を噴射する。第2サブ初段ノズル部412は、第1サブ初段ノズル部411と同様に、メイン初段ノズル部41Mよりも噴口面積が小さくなるように設けられている。
また、本実施形態においては、図1に示すように、初段ノズル41と第2段ノズル42との間であって初段タービン羽根51の下流側の部分に、圧力測定部501が設置されている。図示を省略しているが、圧力測定部501は、メイン蒸気室部31(図2参照)において初段ノズル41のメイン初段ノズル部41Mが蒸気を噴射し、初段タービン羽根51を通過した出口部分の蒸気の圧力を測定する。つまり、圧力測定部501は、メイン初段ノズル部41Mに対応する部分の初段シェル圧力値を測定する。
[A−4]主蒸気止め弁10について
主蒸気止め弁10は、図2に示すように、蒸気発生源100に接続されている。主蒸気止め弁10は、弁を閉めることによって、蒸気発生源100から供給される蒸気を遮断し、弁を開けることによって蒸気が流れる。
主蒸気止め弁10は、図2に示すように、蒸気発生源100に接続されている。主蒸気止め弁10は、弁を閉めることによって、蒸気発生源100から供給される蒸気を遮断し、弁を開けることによって蒸気が流れる。
[A−5]メイン調整弁11,第1サブ調整弁111,第2サブ調整弁112について
メイン調整弁11,第1サブ調整弁111,第2サブ調整弁112は、蒸気加減弁であって、図2に示すように、蒸気室30へ供給する蒸気の流量を調整する。
メイン調整弁11,第1サブ調整弁111,第2サブ調整弁112は、蒸気加減弁であって、図2に示すように、蒸気室30へ供給する蒸気の流量を調整する。
メイン調整弁11は、図2に示すように、メイン蒸気室部31に接続されたメイン蒸気管11Jに設置されている。メイン調整弁11は、主蒸気止め弁10の下流側に設置されており、メイン蒸気管11Jにおいて蒸気発生源100から主蒸気止め弁10を介してメイン蒸気入口管21へ流れる蒸気の流量を調整する。
第1サブ調整弁111は、図2に示すように、第1サブ蒸気室部311に接続された第1サブ蒸気管111Jに設置されている。第1サブ蒸気管111Jは、メイン蒸気管11Jにおいてメイン調整弁11の下流で分岐され、メイン蒸気管11Jと第1サブ蒸気入口管211との間を接続しており、第1サブ調整弁111は、メイン調整弁11を介して第1サブ蒸気管111Jから第1サブ蒸気入口管211に流れる蒸気の流量を調整する。つまり、第1サブ蒸気管111Jから第1サブ蒸気入口管211を介して、第1サブ蒸気室部311へ流れる蒸気の流量を調整する。第1サブ調整弁111は、メイン調整弁11よりも最大流量が小さく、たとえば、メイン調整弁11に対して、たとえば、10〜20%の最大流量である。
第2サブ調整弁112は、図2に示すように、第2サブ蒸気室部312に接続された第2サブ蒸気管112Jに設置されている。第2サブ蒸気管112Jは、第1サブ蒸気管111Jと同様に、メイン蒸気管11Jにおいてメイン調整弁11の下流で分岐され、メイン蒸気管11Jと第2サブ蒸気入口管212との間を接続しており、第2サブ調整弁112は、メイン調整弁11を介して第2サブ蒸気管112Jから第2サブ蒸気入口管212に流れる蒸気の流量を調整する。つまり、第2サブ蒸気管112Jから第2サブ蒸気入口管212を介して、第2サブ蒸気室部312へ流れる蒸気の流量を調整する。第2サブ調整弁112は、第1サブ調整弁111と同様に、メイン調整弁11よりも最大流量が小さく、たとえば、メイン調整弁11に対して、たとえば、10〜20%の最大流量である。
メイン調整弁11,第1サブ調整弁111,第2サブ調整弁112は、たとえば、油圧式アクチュエータによって弁の開度が調整される。メイン調整弁11,第1サブ調整弁111,第2サブ調整弁112は、流路抵抗(圧力損失)が小さいバタフライ型が好適であって、弁体と弁座との間において蒸気の漏洩がないシール構造にすることが好ましい。
[A−6]制御部200について
[A−6−1]制御部200の要部
制御部200は、図2に示すように、メイン調整弁11と第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112に、弁開度指令S81,S514,S524を出力し、各部の動作を制御する。
[A−6−1]制御部200の要部
制御部200は、図2に示すように、メイン調整弁11と第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112に、弁開度指令S81,S514,S524を出力し、各部の動作を制御する。
具体的には、制御部200は、メイン弁開度指令S81をメイン調整弁11へ出力し、メイン調整弁11の開度を制御することによって、メイン蒸気管11Jからメイン蒸気室部31へ流れる蒸気の流量を調整する。本実施形態では、メイン調整弁11の下流側においてメイン蒸気管11Jから第1サブ蒸気管111Jと第2サブ蒸気管112Jとが分岐している。このため、制御部200は、第1サブ蒸気管111Jから第1サブ蒸気室部311へ流れる蒸気の流量と共に、第2サブ蒸気管112Jから第2サブ蒸気室部312へ流れる蒸気の流量についても調整できる。
この他に、制御部200は、第1のサブ弁開度指令S514を第1サブ調整弁111へ出力し、第1サブ調整弁111の開度を制御する。これによって、制御部200は、メイン調整弁11を介してメイン蒸気管11Jから第1サブ蒸気管111Jに流れる蒸気の流量を調整する。
そして、制御部200は、第2のサブ弁開度指令S524を第2サブ調整弁112へ出力し、第2サブ調整弁112の開度を制御する。これによって、制御部200は、メイン調整弁11を介してメイン蒸気管11Jから第2サブ蒸気管112Jに流れる蒸気の流量を調整する。
詳細については後述するが、本実施形態では、蒸気タービン1の運転開始時のような初期状態では、制御部200は、第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112とを全て閉めた状態で、メイン調整弁11の開度を調整する。これにより、メイン蒸気管11Jからメイン蒸気室部31へ蒸気を供給し、メイン初段ノズル部41Mから蒸気が噴射される。
その後、蒸気タービン1の運転の継続によって蒸気の流路にスケールが堆積するに伴って、圧力測定部501で測定される初段シェル圧力値は、徐々に低下する。そして、初段シェル圧力値が第1の圧力設定値以下になった場合、制御部200は、第1サブ調整弁111の開度を、たとえば、全開にする。これにより、第1サブ蒸気管111Jから第1サブ蒸気室部311へ蒸気が供給され、その蒸気が第1サブ初段ノズル部411によって噴射される。
そして、スケールの更なる堆積によって初段シェル圧力値が更に低下し、その第1の圧力設定値より小さい第2の圧力設定値以下になった場合、制御部200は、第2サブ調整弁112の開度を、たとえば、全開にする。これにより、第2サブ蒸気管112Jから第2サブ蒸気室部311へ蒸気が供給され、その蒸気が第2サブ初段ノズル部412によって噴射される。
[A−6−2]制御部200の詳細
(1)メイン調整弁11の制御
図3は、第1実施形態に係る蒸気タービンにおいて、制御部を示すブロック図である。
(1)メイン調整弁11の制御
図3は、第1実施形態に係る蒸気タービンにおいて、制御部を示すブロック図である。
制御部200は、図3に示すように、偏差演算部141,速度調定率演算部142,負荷設定部151,負荷制限部161,加算部181,および,低値優先回路部191を有し、メイン調整弁11の動作を制御する。
偏差演算部141は、タービンの設定回転数S10と実回転数S11の間の偏差値S12(=S10−S11)を算出する。つまり、予め設定された設定回転数S10と、タービン回転数検出器(図示なし)によって検出された実回転数S11との間において差分処理を行う。そして、偏差演算部141は、その差分処理で得た偏差値S12を出力信号として速度調定率演算部142へ出力する。
速度調定率演算部142は、偏差値S12に速度調定率S21の逆数を積算する。速度調定率S21は、予め設定された値であって、たとえば、5%であり、この場合には、偏差値S12に対して20倍(=1/0.05)する。そして、速度調定率演算部142は、その積算により得た値S22(=S12/S21)を出力信号として加算部181へ出力する。
負荷設定部151は、蒸気タービン1の負荷設定値S32を出力信号として出力する。たとえば、負荷設定部151は、負荷設定増減回路151aからの出力信号S31に基づいて、負荷設定値S32を設定し、その設定した負荷設定値S32を加算部181へ出力する。
負荷制限部161は、負荷制限増減回路161aの出力信号S71に基づいて、負荷制限値S72を出力信号として出力する。
加算部181は、図3に示すように、速度調定率演算部142が出力した値S22と、負荷設定部151が出力した負荷設定値S32とを加算する。そして、その加算した値S61を低値優先回路部191へ出力信号として出力する。
低値優先回路部191は、加算部181が出力した値S61と、負荷制限値S72とにおいて低い方の値を選択する。そして、その選択した低値(S61またはS72)を、メイン弁開度指令S81としてメイン調整弁11へ出力する。
蒸気タービン1においては、負荷制限値S72に基づいて、メイン調整弁11の開度が制御されたときには、負荷制限運転が実施される。これに対して、加算部181が出力した値S61に基づいて、メイン調整弁11の開度が制御されたときには、調速運転が実施される。
(2)第1サブ調整弁111の制御
制御部200は、図3に示すように、第1圧力設定器511、第1加減算器512、第1接点513、および、第1全開バイアス部514を有し、第1サブ調整弁111の動作を制御する。
制御部200は、図3に示すように、第1圧力設定器511、第1加減算器512、第1接点513、および、第1全開バイアス部514を有し、第1サブ調整弁111の動作を制御する。
第1圧力設定器511は、負荷設定部151が出力した負荷設定値S32に基づいて第1の圧力設定値S511を設定し出力する。具体的には、第1圧力設定器511は、負荷設定値S32に関連付けて第1の圧力設定値S511が設定された関数を用いて、負荷設定部151から出力された負荷設定値S32に対応する第1の圧力設定値S511を求めて出力する。
第1加減算器512は、圧力測定部501によって測定された初段シェル圧力値S501と、第1圧力設定器511から出力された第1の圧力設定値S511との間を比較する。そして、第1加減算器512は、その比較結果に基づいて、制御信号S512を第1接点513へ出力する。具体的には、第1加減算器512は、実測された初段シェル圧力値S501が、第1の圧力設定値S511以下である場合に、第1接点513を閉じてオン状態にする制御信号S512を出力する。
第1接点513は、第1加減算器512から出力された制御信号S512に基づいて、開閉動作を行う。
第1全開バイアス部514は、第1サブ調整弁111の開度を全開にさせる第1のサブ弁開度指令S514を出力している。このため、第1接点513が閉じられてオン状態になったときには、第1全開バイアス部514から第1接点513を介して第1サブ調整弁111へ第1のサブ弁開度指令S514が入力され、第1サブ調整弁111の開度が全開になる。一方で、第1接点513が開かれてオフ状態であるときには、第1サブ調整弁111へ第1のサブ弁開度指令S514が入力されず、第1サブ調整弁111の開度が全閉の状態になる。
上記の制御とは別に、制御部200は、タービントリップまたは負荷遮断事象が発生した時には、第1接点513を急速に開けて、第1サブ調整弁111の開度を全閉の状態にする。これにより、蒸気タービン1の回転が上昇することを抑制することができる。
(3)第2サブ調整弁112の制御
制御部200は、図3に示すように、第2圧力設定器521、第2加減算器522、第2接点523、および、第2全開バイアス部524を有し、第2サブ調整弁112の動作を制御する。
制御部200は、図3に示すように、第2圧力設定器521、第2加減算器522、第2接点523、および、第2全開バイアス部524を有し、第2サブ調整弁112の動作を制御する。
第2圧力設定器521は、負荷設定部151が出力した負荷設定値S32に基づいて第2の圧力設定値S521を設定し出力する。具体的には、第2圧力設定器521は、負荷設定値S32に関連付けて第2の圧力設定値S521が設定された関数を用いて、負荷設定部151から出力された負荷設定値S32に対応する第2の圧力設定値S521を求めて出力する。
第2加減算器522は、圧力測定部501によって測定された初段シェル圧力値S501と、第2圧力設定器521から出力された第2の圧力設定値S521との間を比較する。そして、第2加減算器522は、その比較結果に基づいて、制御信号S522を第2接点523へ出力する。具体的には、第2加減算器522は、実測された初段シェル圧力値S501が、第2の圧力設定値S521以下である場合に、第2接点523を閉じてオン状態にする制御信号S522を出力する。
第2接点523は、第2加減算器522から出力された制御信号S522に基づいて、開閉動作を行う。
第2全開バイアス部524は、第2サブ調整弁112の開度を全開にする第2のサブ弁開度指令S524を出力している。このため、第2接点523が閉じられてオン状態になったときには、第2全開バイアス部524から第2接点523を介して第2サブ調整弁112へ第2のサブ弁開度指令S524が入力され、第2サブ調整弁112の開度が全開になる。一方で、第2接点523が開かれてオフ状態であるときには、第2サブ調整弁112へ第2のサブ弁開度指令S524が入力されず、第2サブ調整弁112の開度が全閉の状態になる。
上記の制御とは別に、制御部200は、タービントリップまたは負荷遮断事象が発生した時には、第2接点523を急速に開けて、第2サブ調整弁112の開度を全閉の状態にする。これにより、蒸気タービン1の回転が上昇することを抑制することができる。
(4)第1の圧力設定値S511と第2の圧力設定値S521との関係
図4は、第1実施形態に係る蒸気タービンにおいて圧力設定値を示す図である。図4において、横軸は、負荷設定部151が出力した負荷設定値S32を示しており、縦軸は、圧力値Pを示している。図4では、第1の圧力設定値S511および第2の圧力設定値S521について示すと共に、蒸気タービンの運転開始時のように蒸気の流路にスケールの付着が無い初期状態のときに得られる標準圧力値STDについて示している。
図4は、第1実施形態に係る蒸気タービンにおいて圧力設定値を示す図である。図4において、横軸は、負荷設定部151が出力した負荷設定値S32を示しており、縦軸は、圧力値Pを示している。図4では、第1の圧力設定値S511および第2の圧力設定値S521について示すと共に、蒸気タービンの運転開始時のように蒸気の流路にスケールの付着が無い初期状態のときに得られる標準圧力値STDについて示している。
第1の圧力設定値S511は、負荷設定値S32に対して圧力値Pが比例して大きくなるように設定されている。ここでは、第1の圧力設定値S511は、負荷設定値S32に対して圧力値Pが増加する割合が、標準圧力値STDよりも小さくなるように、設定されている。
第2の圧力設定値S521は、第1の圧力設定値S511と同様に、負荷設定値S32に対して圧力値Pが比例して大きくなるように設定されている。第2の圧力設定値S521は、負荷設定値S32に対して圧力値Pが変化する割合が、第1の圧力設定値S511よりも小さくなるように、設定されている。
このため、図4に示すように、たとえば、負荷設定値S32が95%(定格負荷)に設定された場合において、実測された初段シェル圧力値が、初期状態(STD)のときに得られる標準圧力値P95に対して、第1差分値S1以上、低下して、第1の圧力設定値S511以下になったときには、第1サブ調整弁111の開度を全開にする。これにより、第1サブ蒸気管111Jから第1サブ蒸気室部311へ蒸気が供給される。
また、実測された初段シェル圧力値が第1差分値S1より大きい第2差分値S2以上、低下して、第2の圧力設定値S521以下になったときには、第2サブ調整弁112の開度を全開にする。これにより、第2サブ蒸気管112Jから第2サブ蒸気室部312へ蒸気が供給される。
[B]動作
以下より、上記の蒸気タービン1の動作について説明する。
以下より、上記の蒸気タービン1の動作について説明する。
図5は、第1実施形態に係る蒸気タービンにおいて、流量と負荷設定値との関係を示す図である。図5において、横軸は、負荷設定値S32(メイン弁開度指令S81)を示しており、縦軸は、メイン調整弁を流れる蒸気の最大流量に対する流量の割合FLを示している。
具体的には、図5において、線L11a,L11b,L11cは、メイン調整弁11の場合について順次示している。線L111は、第1サブ調整弁111の場合について示しており、線L112は、第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112との両者の場合について示している。線L111と線L112とについては、図示の都合で簡略化して示しているが、線L11aと同様に、線形領域と非線形領域とを含む。つまり、線L111および線L112は、線形領域においては、負荷設定値に対して流量が一定の割合で増加し、非線形領域においては、線形領域よりも高い負荷設定値のときに、負荷設定値に対して流量が増加する割合が負荷設定値に伴って減少する。
また、図5では、負荷設定値S32が95%であるときが、定格負荷(100%負荷)であり、負荷設定値S32が120%まで達すると、メイン調整弁11を流れる流量が最大流量になることを示している。
[B−1]メイン調整弁11の開度調整(運転開始当初)
まず、蒸気タービン1の運転開始当初は、メイン調整弁11(図2参照)について開度を調整する。
まず、蒸気タービン1の運転開始当初は、メイン調整弁11(図2参照)について開度を調整する。
ここでは、蒸気の流路にスケールの付着が無い初期状態である。このため、図5において線L11aに示すように、メイン弁開度指令S81によって95%(定格負荷)の負荷設定値S32で運転を行う場合には、メイン調整弁11では、点Faに対応する流量(95%)の蒸気が流れる。
なお、スケールの付着が無い初期状態では、圧力測定部501で実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)は、図4に示すように、標準圧力値STDであって、第1の圧力設定値S511および第2の圧力設定値S521よりも高い。このため、上述したように、第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112は、全て閉められた状態になる。つまり、メイン調整弁11は、メイン蒸気管11Jからメイン蒸気室部31のみへ蒸気を供給し、メイン初段ノズル部41Mのみから蒸気が噴射される。
上記のように、メイン調整弁11のみを用いて蒸気タービン1の運転を継続した後には、メイン調整弁11を介して蒸気が流れる流路にスケールが堆積する。このため、図5において線L11bに示すように、メイン調整弁11を流れる蒸気の流量が低下する。たとえば、負荷設定値S32が95%(定格負荷)の場合には、メイン調整弁11では、点Faに対応する流量(95%)から、点Fbに対応する流量に低下する。このとき、負荷設定値S32を120%(最大負荷)まで上げて、メイン調整弁11を全開状態にすることによって、点Dbに対応する流量まで上げることができる。
[B−2]第1サブ調整弁111の開度調整(スケールの堆積後)
上記のように、メイン調整弁11を用いて蒸気タービン1の運転を継続した後は、メイン調整弁11に加えて、第1サブ調整弁111(図2参照)を開ける。
上記のように、メイン調整弁11を用いて蒸気タービン1の運転を継続した後は、メイン調整弁11に加えて、第1サブ調整弁111(図2参照)を開ける。
蒸気タービン1の運転継続後は、図5に示すように、120%(最大負荷)に負荷設定値S32を設定した場合であっても、メイン調整弁11を流れる流量(点Db)は、スケールの付着が無い初期状態における流量(点Fa)よりも少ない。このため、圧力測定部501で実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)は、図4に示す標準圧力値STDよりも低くなる。
そして、その実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)が更に下がり、図4に示す第1の圧力設定値S511以下になった場合には、上述したように、第1サブ調整弁111の開度を、たとえば、全開にする。
これにより、図5において線L111に示すように、第1サブ調整弁111の流量が加わる。このため、点Dbに対応する流量から、点Ebに対応する流量へ上がり、初期状態の流量(点Fa)に近づけることができる。
メイン調整弁11の他に第1サブ調整弁111を開くことによって、第1サブ蒸気管111Jから第1サブ蒸気室部311へ蒸気が供給される。そして、その蒸気が第1サブ初段ノズル部411によって噴射される。
なお、第1サブ調整弁111を介した流路は、スケールの付着が無い状態である。このため、線L111が線L11aの場合と同様であるので、第1サブ調整弁111を全開にした後には、メイン調整弁11について、負荷設定値S32が120%(最大負荷)のときの開度から、元の設定値である95%(定格負荷)のときの開度へ戻すことができる。つまり、メイン調整弁11に関して、流量の制御を可能な状態にすることができる。
また、負荷設定値S32が95%(定格負荷)から120%(最大負荷)の間は、非線形領域であって、負荷設定値S32に対して流量が増加する割合が負荷設定値S32の増加に伴って減少する。このため、この範囲において負荷設定値S32を元の設定に戻したとしても、流量に対する影響は小さい。
上記のように、メイン調整弁11と第1サブ調整弁111との両者を用いて蒸気タービン1の運転を継続した後には、その両者を介して蒸気が流れる流路にスケールが堆積する。このため、図5において線L11cに示すように、メイン調整弁11において流量が更に低下する。たとえば、負荷設定値S32が95%(定格負荷)の場合には、メイン調整弁11では、点Fcに対応する流量に低下する。このとき、負荷設定値S32を120%(最大負荷)まで上げてメイン調整弁11を全開状態にすることによって、点Dcに対応する流量まで上げることができる。
[B−3]第2サブ調整弁112の開度調整(スケールの更なる堆積後)
上記のように、メイン調整弁11と第1サブ調整弁111との両者を用いて蒸気タービン1の運転を継続した後は、両者に加えて、第2サブ調整弁112(図2参照)を開ける。
上記のように、メイン調整弁11と第1サブ調整弁111との両者を用いて蒸気タービン1の運転を継続した後は、両者に加えて、第2サブ調整弁112(図2参照)を開ける。
蒸気タービン1の更なる運転継続後は、図5において線L11cに示すように、120%(最大負荷)に負荷設定値S32を設定した場合であっても、メイン調整弁11を流れる流量(点Dc)は、スケールの付着が無い初期状態における流量(点Fa)よりも少ない。このため、圧力測定部501で実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)は、図4に示す標準圧力値STDよりも低くなる。
そして、その実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)が、図4に示す第1の圧力設定値S511よりも更に下がり、第2の圧力設定値S521以下になった場合には、上述したように、第2サブ調整弁112の開度を、たとえば、全開にする。
これにより、図5において線L112に示すように、第1サブ調整弁111と共に、第2サブ調整弁112を流れる蒸気の流量が加わる。このため、点Dcに対応する流量から、点Ecに対応する流量へ上がり、初期状態の流量(点Fa)に近づけることができる。
メイン調整弁11と第1サブ調整弁111との他に、第2サブ調整弁112を開くことによって、第2サブ蒸気管112Jから第2サブ蒸気室部312へ蒸気が供給される。そして、その蒸気が第2サブ初段ノズル部412によって噴射される。
なお、第2サブ調整弁112を介した流路は、スケールの付着が無い状態である。このため、線L112が線L11aの場合と同様であるので、第2サブ調整弁112を全開にした後には、メイン調整弁11について、負荷設定値S32が120%(最大負荷)のときの開度から、元の設定値である95%(定格負荷)のときの開度へ戻すことができる。つまり、メイン調整弁11に関して、流量の制御を可能な状態にすることができる。
上記のように、メイン調整弁11と第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112との全てを用いて蒸気タービン1の運転を継続した後には、その全てを介して蒸気が流れる流路にスケールが堆積する。このような状態で、蒸気タービン1の出力が十分でない場合には、蒸気タービン1を開放し点検を行う。
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気タービン1において、ケーシング2は、蒸気室30がタービン回転軸8の周りを囲うように設けられている。そして、蒸気室30は、そのタービン回転軸8の回転方向において、メイン蒸気室部31と、第1および第2のサブ蒸気室部311,312とに仕切られている。メイン蒸気室部31には、メイン蒸気管11Jが接続され、そのメイン蒸気管11Jに蒸気を流すメイン調整弁11が設けられている。第1および第2のサブ蒸気室部311,312には、第1および第2のサブ蒸気管111J,112Jが接続され、第1および第2のサブ蒸気管111J,112Jに蒸気を流す第1および第2のサブ調整弁111,112が設けられている。第1および第2のサブ蒸気室部311,312は、メイン蒸気室部31に蒸気が供給された後にメイン蒸気室部31と共に蒸気が供給される(図2参照)。
以上のように、本実施形態の蒸気タービン1において、ケーシング2は、蒸気室30がタービン回転軸8の周りを囲うように設けられている。そして、蒸気室30は、そのタービン回転軸8の回転方向において、メイン蒸気室部31と、第1および第2のサブ蒸気室部311,312とに仕切られている。メイン蒸気室部31には、メイン蒸気管11Jが接続され、そのメイン蒸気管11Jに蒸気を流すメイン調整弁11が設けられている。第1および第2のサブ蒸気室部311,312には、第1および第2のサブ蒸気管111J,112Jが接続され、第1および第2のサブ蒸気管111J,112Jに蒸気を流す第1および第2のサブ調整弁111,112が設けられている。第1および第2のサブ蒸気室部311,312は、メイン蒸気室部31に蒸気が供給された後にメイン蒸気室部31と共に蒸気が供給される(図2参照)。
ここで、本実施形態においては、第1および第2のサブ蒸気管111J,112Jは、メイン蒸気管11Jにおいてメイン調整弁11の下流側に位置する部分でメイン蒸気管11Jから分岐している(図2参照)。このため、本実施形態では、メイン調整弁11の開度を制御することによって、メイン蒸気室部31へ流れる蒸気の流量を調整すると同時に、第1および第2のサブ蒸気管111J,112Jから、第1および第2のサブ蒸気室部311,312へ流れる蒸気の流量についても調整できる。
本実施形態においては、圧力測定部501が、初段タービン羽根51の下流側に設置され、初段シェル圧力値S501を測定する。そして、その圧力測定部501によって測定された初段シェル圧力値S501に基づいて、制御部200が、メイン調整弁11と、第1および第2のサブ調整弁111,112との動作を制御する。
ここでは、制御部200は、第1および第2のサブ調整弁111,112を全て閉めた状態でメイン調整弁11の開度を調整することによって、そのメイン蒸気管11Jからメイン蒸気室部31へ蒸気を供給する。その後、蒸気の流路にスケールが堆積し、圧力測定部501が測定した初段シェル圧力値S501が低下した場合には、その初段シェル圧力値S501の低下に対応して、制御部200は、第1および第2のサブ調整弁111,112を順次開ける。
具体的には、制御部200においては、第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112とを順次開けるように、第1圧力設定値S511と第2圧力設定値S521とを、負荷設定値S32に基づいて、第1圧力設定器511と第2圧力設定器521とが設定する。そして、制御部200は、実測された初段シェル圧力値S501が、第1圧力設定値S511以下になったときに、第1サブ調整弁111を全開にする。また、制御部200は、実測された初段シェル圧力値S501が、第1圧力設定値S511より小さい第2圧力設定値S521以下になったときに、第2サブ調整弁112を全開にする。つまり、複数のサブ調整弁111,112について複数の圧力設定器511,512が設定した複数の圧力設定値S511,S521以下に、実測した初段シェル圧力値S501が順次低下したときに、複数のサブ調整弁111,112を順次全開にする。
このように、本実施形態では、実測した初段シェル圧力値S501の低下に応じて、まず、第1サブ調整弁111を開ける。これにより、第1サブ蒸気室部311への蒸気の供給を開始され、第1サブ初段ノズル部411が蒸気を噴射するので、蒸気タービン1の出力を回復できる。その後、さらに初段シェル圧力値S501が低下したときには、第2サブ調整弁112を開ける。これにより、第2サブ蒸気室部311への蒸気の供給を開始し、第2サブ初段ノズル部412が蒸気を噴射するので、蒸気タービン1の出力を、再度、回復できる。
上記したように、第1および第2のサブ蒸気管111J,112Jは、メイン蒸気管11Jにおいてメイン調整弁11の下流側に位置する部分でメイン蒸気管11Jから分岐している。このため、メイン調整弁11の制御によって、第1サブ蒸気管111Jから第1サブ蒸気室部311へ流れる蒸気の流量と共に、第2サブ蒸気管112Jから第2サブ蒸気室部312へ流れる蒸気の流量についても併せて調整できる。これにより、本実施形態では、第1および第2のサブ調整弁111,112の開度を微調整せずに、全開にすれば良く、複雑な制御が不要である。
本実施形態においては、蒸気タービン1は、地熱井から得られる蒸気を作動流体として用いている。このため、蒸気の流路においてスケールの堆積が多く、蒸気タービン1の出力低下が生じ易いが、上記のように構成しているので、蒸気タービン1を高い効率で運用することができる。
本実施形態においては、タービントリップまたは負荷遮断事象が発生した時には、サブ調整弁111,112を全閉の状態にする。このため、蒸気タービン1の回転が上昇することを抑制することができる。
したがって、本実施形態の蒸気タービン1は、高い効率で運用することができる。
[D]変形例
上記においては、第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112と各開度を制御部200が全開する場合について示したが、これに限らない。第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112との開度を全開でなく、適宜、調整してもよい。
上記においては、第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112と各開度を制御部200が全開する場合について示したが、これに限らない。第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112との開度を全開でなく、適宜、調整してもよい。
上記においては、第1サブ調整弁111および第2サブ調整弁112に関して、油圧式アクチュエータによって弁の開度が調整される場合について示したが、これに限らない。電動式アクチュエータを用いてもよい。そして、第1加減算器512,第2加減算器522から出力された制御信号S512,S522を、第1サブ調整弁111と第2サブ調整弁112とが受けて、が開閉動作を行うように構成してもよい(図3参照)。
上記においては、第1全開バイアス部514,第2全開バイアス部524を設置しているが、これに限らない。第1全開バイアス部514,第2全開バイアス部524に代えて、ランプ信号を出力する回路を設置することによって、弁の開度を、常時、調整可能なように構成しても良い。
上記においては、蒸気室30について、2つのサブ蒸気室部311,312を設ける場合を示したが、これに限らない。1つのサブ蒸気室部を設ける場合の他に、3つ以上のサブ蒸気室部を設けても良い。この場合には、サブ蒸気室部の数に対応して、サブ蒸気管、サブ調整弁を設ければ良い。
<第2実施形態>
[A]構成
図6は、第2実施形態に係る蒸気タービン1bについて、要部を模式的に示す概念図である。図6は、図2と同様に、図1のX1−X2部分の断面の矢視図と共に、機能ブロック図を併せて示している。
[A]構成
図6は、第2実施形態に係る蒸気タービン1bについて、要部を模式的に示す概念図である。図6は、図2と同様に、図1のX1−X2部分の断面の矢視図と共に、機能ブロック図を併せて示している。
本実施形態においては、第1実施形態のような「絞り調速方式」でなく、「ノズル調速方式」を採用している。このため、図6に示すように、第1メイン蒸気室部31Aと第2メイン蒸気室部31Bとの2つにメイン蒸気室部31(図2参照)が仕切られている。そして、これに対応して、第1メイン初段ノズル部41MAと第2メイン初段ノズル部41MBとの2つにメイン初段ノズル部41M(図2参照)が仕切られている。そして、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの2つが、メイン調整弁11(図2参照)として設けられている。また、第1メイン蒸気管11AJと第2メイン蒸気管11BJとの2つが、メイン蒸気管11J(図2参照)として設置されている。その他、第2サブ調整弁111Bと第2サブ蒸気管111BJとの接続関係が、第1実施形態と異なる。
本実施形態は、上記の点、および、関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、この実施形態と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
[A−1]第1メイン蒸気室部31A,第2メイン蒸気室部31Bについて
第1メイン蒸気室部31Aは、図6に示すように、第1メイン蒸気入口管21Aが設けられており、その第1メイン蒸気入口管21Aから蒸気が内部に供給される。第1メイン蒸気室部31Aは、第2メイン蒸気室部31Bよりも蒸気室30において大きな割合を占めるように設けられている。また、第1メイン蒸気室部31Aは、第1サブ蒸気室部311Aよりも蒸気室30において大きな割合を占めるように設けられている。
第1メイン蒸気室部31Aは、図6に示すように、第1メイン蒸気入口管21Aが設けられており、その第1メイン蒸気入口管21Aから蒸気が内部に供給される。第1メイン蒸気室部31Aは、第2メイン蒸気室部31Bよりも蒸気室30において大きな割合を占めるように設けられている。また、第1メイン蒸気室部31Aは、第1サブ蒸気室部311Aよりも蒸気室30において大きな割合を占めるように設けられている。
第2メイン蒸気室部31Bは、図6に示すように、第2メイン蒸気入口管21Bが設けられており、その第2メイン蒸気入口管21Bから蒸気が内部に供給される。第2メイン蒸気室部31Bは、第2サブ蒸気室部311Bよりも蒸気室30において大きな割合を占めるように設けられている。
第1メイン蒸気室部31Aおよび第2メイン蒸気室部31Bは、第1実施形態のメイン蒸気室部31と同様に、運転開始前のようにスケールの付着が流路に無い初期状態において、両者のみに蒸気が供給されたときに、定格負荷での運用が可能なように設計されている。
[A−2]第1メイン初段ノズル部41MA,第2メイン初段ノズル部41MBについて
第1メイン初段ノズル部41MAは、図6に示すように、初段ノズル41のうち、第1メイン蒸気室部31Aに設けられた部分であって、第1メイン蒸気室部31Aに供給された蒸気を噴射する。
第1メイン初段ノズル部41MAは、図6に示すように、初段ノズル41のうち、第1メイン蒸気室部31Aに設けられた部分であって、第1メイン蒸気室部31Aに供給された蒸気を噴射する。
第2メイン初段ノズル部41MBは、図6に示すように、初段ノズル41のうち、第2メイン蒸気室部31Bに設けられた部分であって、第2メイン蒸気室部31Bに供給された蒸気を噴射する。
第1メイン初段ノズル部41MAおよび第2メイン初段ノズル部41MBは、第1実施形態のメイン初段ノズル部41Mと同様に、蒸気の流路にスケールの付着が無い初期状態において両者のみに蒸気が供給されたときに、定格負荷での運用が可能な噴口面積になるように設けられている。
第1メイン初段ノズル部41MAおよび第2メイン初段ノズル部41MBは、第1メイン蒸気室部31Aおよび第2メイン蒸気室部31Bが仕切られた角度に対応するように、各噴口面積が割当てられている。なお、第1メイン初段ノズル部41MAおよび第2メイン初段ノズル部41MBは、「ノズル調速方式」の利点が発揮できるように、各噴口面積を任意に設定可能である。
[A−3]第1メイン調整弁11A,第2メイン調整弁11Bについて
第1メイン調整弁11Aは、蒸気加減弁であって、図6に示すように、第1メイン蒸気管11AJに設置されている。第1メイン調整弁11Aは、主蒸気止め弁10の下流側に設置されており、第1メイン蒸気管11AJにおいて、蒸気発生源100から主蒸気止め弁10を介して第1メイン蒸気入口管21Aへ流れる蒸気の流量を調整する。
第1メイン調整弁11Aは、蒸気加減弁であって、図6に示すように、第1メイン蒸気管11AJに設置されている。第1メイン調整弁11Aは、主蒸気止め弁10の下流側に設置されており、第1メイン蒸気管11AJにおいて、蒸気発生源100から主蒸気止め弁10を介して第1メイン蒸気入口管21Aへ流れる蒸気の流量を調整する。
第2メイン調整弁11Bは、蒸気加減弁であって、図6に示すように、第2メイン蒸気管11BJに設置されている。第2メイン調整弁11Bは、主蒸気止め弁10の下流側に設置されており、第2メイン蒸気管11BJにおいて、蒸気発生源100から主蒸気止め弁10を介して第2メイン蒸気入口管21Bへ流れる蒸気の流量を調整する。
[A−4]第1メイン蒸気管11AJ,第2メイン蒸気管11BJについて
第1メイン蒸気管11AJは、図6に示すように、主蒸気止め弁10と第1メイン蒸気入口管21Aとの間を接続しており、蒸気発生源100から主蒸気止め弁10を介して第1メイン蒸気入口管21Aへ蒸気を供給する。
第1メイン蒸気管11AJは、図6に示すように、主蒸気止め弁10と第1メイン蒸気入口管21Aとの間を接続しており、蒸気発生源100から主蒸気止め弁10を介して第1メイン蒸気入口管21Aへ蒸気を供給する。
第2メイン蒸気管11BJは、図6に示すように、主蒸気止め弁10と第2メイン蒸気入口管21Bとの間を接続しており、蒸気発生源100から主蒸気止め弁10を介して第2メイン蒸気入口管21Bへ蒸気を供給する。
第1メイン蒸気管11AJ,第2メイン蒸気管11BJは、図6に示すように、主蒸気止め弁10の下流側において、互いに分岐されている。
[A−5]第1サブ調整弁111A,第2サブ調整弁111Bについて
第1サブ調整弁111Aは、蒸気加減弁であって、図6に示すように、第1サブ蒸気管111AJに設置されている。第1サブ調整弁111Aは、第1サブ蒸気管111AJにおいて、第1メイン調整弁11Aを介して、第1メイン蒸気管11AJから第1サブ蒸気入口管211Aに流れる蒸気の流量を調整する。つまり、第1サブ蒸気管111AJから第1サブ蒸気入口管211Aを介して、第1サブ蒸気室部311Aへ流れる蒸気の流量を調整する。
第1サブ調整弁111Aは、蒸気加減弁であって、図6に示すように、第1サブ蒸気管111AJに設置されている。第1サブ調整弁111Aは、第1サブ蒸気管111AJにおいて、第1メイン調整弁11Aを介して、第1メイン蒸気管11AJから第1サブ蒸気入口管211Aに流れる蒸気の流量を調整する。つまり、第1サブ蒸気管111AJから第1サブ蒸気入口管211Aを介して、第1サブ蒸気室部311Aへ流れる蒸気の流量を調整する。
第1サブ調整弁111Aは、第1メイン調整弁11Aよりも最大流量が小さく、たとえば、第1メイン調整弁11Aに対して、たとえば、10〜20%の最大流量である。
第2サブ調整弁111Bは、蒸気加減弁であって、図6に示すように、第2サブ蒸気管111BJに設置されている。第2サブ調整弁111Bは、第2サブ蒸気管111BJにおいて、第2メイン調整弁11Bを介して第2メイン蒸気管11BJから第2サブ蒸気入口管211Bに流れる蒸気の流量を調整する。つまり、第2サブ蒸気管111BJから第2サブ蒸気入口管211Bを介して、第2サブ蒸気室部311Bへ流れる蒸気の流量を調整する。
第2サブ調整弁111Bは、第2メイン調整弁11Bよりも最大流量が小さく、たとえば、第2メイン調整弁11Bに対して、たとえば、10〜20%の最大流量である。
[A−6]第1サブ蒸気管111AJ,第2サブ蒸気管111BJについて
第1サブ蒸気管111AJは、図6に示すように、第1メイン蒸気管11AJにおいて、第1メイン調整弁11Aの下流で分岐されている。第1サブ蒸気管111AJは、第1メイン蒸気管11AJと第1サブ蒸気入口管211Aとの間を接続しており、第1メイン蒸気管11AJから第1サブ蒸気入口管211Aへ蒸気が流れる。
第1サブ蒸気管111AJは、図6に示すように、第1メイン蒸気管11AJにおいて、第1メイン調整弁11Aの下流で分岐されている。第1サブ蒸気管111AJは、第1メイン蒸気管11AJと第1サブ蒸気入口管211Aとの間を接続しており、第1メイン蒸気管11AJから第1サブ蒸気入口管211Aへ蒸気が流れる。
第2サブ蒸気管111BJは、図6に示すように、第2メイン蒸気管11BJにおいて、第2メイン調整弁11Bの下流で分岐されている。第2サブ蒸気管111BJは、第2メイン蒸気管11BJと第2サブ蒸気入口管211Bとの間を接続しており、第2メイン蒸気管11BJから第2サブ蒸気入口管211Bへ蒸気が流れる。
[A−7]制御部200について
制御部200は、図6に示すように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bと第1サブ調整弁111Aと第2サブ調整弁111Bに、弁開度指令S81A,S81B,S514,S524を出力し、各部の動作を制御する。
制御部200は、図6に示すように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bと第1サブ調整弁111Aと第2サブ調整弁111Bに、弁開度指令S81A,S81B,S514,S524を出力し、各部の動作を制御する。
具体的には、制御部200は、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの各開度を制御する。これによって、制御部200は、第1メイン蒸気管11AJと第2メイン蒸気管11BJとのそれぞれから、第1メイン蒸気室部31Aと第2メイン蒸気室部31Bとのそれぞれへ流れる蒸気の流量を調整する。これと共に、第1サブ蒸気管111AJが第1メイン調整弁11Aの下流側において第1メイン蒸気管11AJから分岐しているので、制御部200は、第1サブ蒸気管111AJから第1サブ蒸気室部311Aへ流れる蒸気の流量についても調整できる。同様に、第2サブ蒸気管111BJが第2メイン調整弁11Bの下流側において第2メイン蒸気管11BJから分岐しているので、制御部200は、第2サブ蒸気管111BJから第2サブ蒸気室部311Bへ流れる蒸気の流量についても調整できる。
この他に、制御部200は、第1サブ調整弁111Aの開度を制御することによって、第1サブ蒸気管111AJから第1サブ蒸気室部311Aへ流れる蒸気の流量を調整する。そして、制御部200は、第2サブ調整弁111Bの開度を制御することによって、第2サブ蒸気管111BJから第2サブ蒸気室部311Bへ流れる蒸気の流量を調整する。
本実施形態では、蒸気タービン1bの運転開始の際には、制御部200は、第1サブ調整弁111Aと第2サブ調整弁111Bとを閉めた状態で、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの開度を調整する。これにより、第1メイン蒸気管11AJから第1メイン蒸気室部31Aへ蒸気を供給し、第1メイン初段ノズル部41MAから蒸気が噴射される。これと共に、第2メイン蒸気管11BJから第2メイン蒸気室部31Bへ蒸気を供給し、第2メイン初段ノズル部41MBから蒸気が噴射される。詳細については後述するが、ここでは、ノズル調速方式が採用されており、制御部200は、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの開度が、負荷設定値S32に応じて、順次、全開になるように制御する。
その後、蒸気タービン1bの運転の継続に伴って蒸気の流路にスケールが堆積し、圧力測定部501によって測定される初段シェル圧力値が低下した後には、第1実施形態の場合と同様に、第1サブ調整弁111Aと第2サブ調整弁111Bとの開度を、順次、全開にする。
図7は、第2実施形態に係る蒸気タービンにおいて、制御部を示すブロック図である。
制御部200は、図7に示すように、第1弁開度関数部191Aと、第2弁開度関数部191Bとを有する。
第1弁開度関数部191Aおよび第2弁開度関数部191Bは、図7に示すように、低値優先回路部191から出力されたメイン弁開度指令S81が入力される。そして、第1弁開度関数部191Aは、そのメイン弁開度指令S81に基づいて、第1メイン弁開度指令S81Aを求めて出力する。また、第2弁開度関数部191Bは、そのメイン弁開度指令S81に基づいて、第2メイン弁開度指令S81Bを求めて出力する。
ここでは、第1メイン弁開度指令S81Aおよび第2メイン弁開度指令S81Bは、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの各開度が、メイン弁開度指令S81に応じて、順次、全開になるように求められ出力される。
具体的には、第1弁開度関数部191Aは、メイン弁開度指令S81に応じて、第1メイン調整弁11Aの開度Wがゼロの状態から全開Waになるように、第1メイン弁開度指令S81Aを出力する。そして、第2弁開度関数部191Bは、第1メイン調整弁11Aが開けられた後であって、第1メイン調整弁11Aが全開Waになる直前に、第2メイン調整弁11Bの開度Wがゼロの状態から全開Waになるように、第2メイン弁開度指令S81Bを出力する。
[B]動作
以下より、上記の蒸気タービン1bの動作について説明する。
以下より、上記の蒸気タービン1bの動作について説明する。
図8は、第2実施形態に係る蒸気タービンにおいて、流量と負荷設定値との関係を示す図である。図8では、図5と同様に、横軸は、負荷設定値S32(メイン弁開度指令S81(S81A+S81B))を示しており、縦軸は、メイン調整弁を流れる蒸気の最大流量に対する流量の割合FLを示している。
具体的には、図8において、線L11a,L11b,L11cは、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者を流れる流量について順次示している。線L111は、第1サブ調整弁111Aを流れる流量について示しており、線L112は、第1サブ調整弁111Aと第2サブ調整弁111Bとの両者を流れる流量について示している。線L111と線L112とについては、図示の都合で簡略化して示しているが、線L11aと同様に、線形領域と非線形領域とを含む。破線L11Aa,L11Baは、線L11aにおいて、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bを流れる流量について示している。なお、線L11b,L11cにおいては、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bを流れる流量が、破線L11Aa,L11Baと同様に示されるが、図示を省略している。
また、図8では、図5と同様に、負荷設定値S32が95%であるときが、定格負荷(100%負荷)であり、負荷設定値S32が120%まで達すると、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bを流れる流量が最大流量になることを示している。
[B−1]第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの開度調整(運転開始当初)
まず、蒸気タービン1bの運転開始当初は、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者について開度を調整する。
まず、蒸気タービン1bの運転開始当初は、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者について開度を調整する。
図8において線L11aに示すように、負荷設定値S32に従って、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとを通る蒸気の全体の流量の割合FLは、増加する。
具体的には、破線L11Aaに示すように、第1メイン弁開度指令S81Aに基づいて、第1メイン調整弁11Aの開度がゼロの状態から全開になる。そして、破線L11Aaに示すように、第1メイン調整弁11Aが全開になる直前に、第2メイン弁開度指令S81Bに基づいて、第2メイン調整弁11Bの開度がゼロの状態から全開になる。
ここでは、蒸気の流路にスケールの付着が無い初期状態であるので、図8において線L11aに示すように、たとえば、負荷設定値S32が95%(定格負荷)の場合には、第1メイン調整弁11Aおよび第2メイン調整弁11Bによって、点Faに対応する流量(95%)の蒸気が流れる。
上記のように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者のみを用いて蒸気タービン1bの運転を継続した後には、第1実施形態の場合と同様に、その両者を介して蒸気が流れる流路にスケールが堆積する。このため、図8において線L11bに示すように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者を流れる蒸気の流量が低下する。たとえば、負荷設定値S32が95%(定格負荷)の場合には、点Faに対応する流量(95%)から、点Fbに対応する流量に低下する。このとき、負荷設定値S32を120%(最大負荷)まで上げて、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとを全開状態にすることによって、点Dbに対応する流量まで上げることができる。
[B−2]第1サブ調整弁111Aの開度調整(スケールの堆積後)
上記のように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとを用いて蒸気タービン1bの運転を継続した後は、両者に加えて、第1サブ調整弁111Aを開ける。
上記のように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとを用いて蒸気タービン1bの運転を継続した後は、両者に加えて、第1サブ調整弁111Aを開ける。
蒸気タービン1bの運転継続後は、図8に示すように、120%(最大負荷)に負荷設定値S32を設定した場合であっても、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者を流れる流量(点Db)は、スケールの付着が無い初期状態における流量(点Fa)よりも少ない。このため、圧力測定部501で実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)は、図4に示す標準圧力値STDよりも低くなる。
そして、その実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)が更に下がり、図4に示す第1の圧力設定値S511以下になった場合には、上述したように、第1サブ調整弁111Aの開度を、たとえば、全開にする。
これにより、図8において線L111に示すように、第1実施形態の場合と同様に、第1サブ調整弁111Aを流れる蒸気の流量が加わる。このため、点Dbに対応する流量から、点Ebに対応する流量へ上がり、初期状態の流量(点Fa)に近づけることができる。
上記のように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bと第1サブ調整弁111Aとを用いて蒸気タービン1bの運転を継続した後には、それぞれを介して蒸気が流れる流路にスケールが堆積する。このため、図8において線L11cに示すように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとにおいて、流量が更に低下する。たとえば、負荷設定値S32が95%(定格負荷)の場合には、点Fcに対応する流量に低下する。このとき、負荷設定値S32を120%(最大負荷)まで上げて第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとを全開状態にすることによって、点Dcに対応する流量まで上げることができる。
[B−3]第2サブ調整弁111Bの開度調整(スケールの更なる堆積後)
上記のように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bと第1サブ調整弁111Aとを用いて蒸気タービン1bの運転を継続した後は、それらに加えて、第2サブ調整弁111Bを開ける。
上記のように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bと第1サブ調整弁111Aとを用いて蒸気タービン1bの運転を継続した後は、それらに加えて、第2サブ調整弁111Bを開ける。
蒸気タービン1bの更なる運転継続後は、図8において線L11c示すように、120%(最大負荷)に負荷設定値S32を設定した場合であっても、流量(点Dc)は、スケールの付着が無い初期状態における流量(点Fa)よりも少ない。このため、圧力測定部501で実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)は、図4に示す標準圧力値STDよりも低くなる。
そして、その実測される初段シェル圧力値S501(図3参照)が図4に示す第1の圧力設定値S511よりも更に下がり、第2の圧力設定値S512以下になった場合には、上述したように、第2サブ調整弁111Bの開度を、たとえば、全開にする。
これにより、図8において線L112に示すように、第1実施形態の場合と同様に、第1サブ調整弁111Aと共に、第2サブ調整弁111Bを流れる蒸気の流量が加わる。このため、点Dcに対応する流量から、点Ecに対応する流量へ上がり、初期状態の流量(点Fa)に近づけることができる。
上記のように、第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bと第1サブ調整弁111Aと第2サブ調整弁111Bとの全てを用いて蒸気タービン1bの運転を継続した後には、それぞれを介して蒸気が流れる流路にスケールが堆積する。このような状態で、蒸気タービン1bの出力が十分でない場合には、蒸気タービン1bを開放し点検を行う。
[C]まとめ
以上のように、本実施形態においては、第1および第2のサブ蒸気管111AJ,111BJは、第1および第2のメイン蒸気管11AJ,11BJにおいて第1および第2のメイン調整弁11A,11Bの下流側に位置する部分で分岐している(図6参照)。
以上のように、本実施形態においては、第1および第2のサブ蒸気管111AJ,111BJは、第1および第2のメイン蒸気管11AJ,11BJにおいて第1および第2のメイン調整弁11A,11Bの下流側に位置する部分で分岐している(図6参照)。
このため、本実施形態では、第1メイン調整弁11Aの開度を制御することによって、第1メイン蒸気室部31Aへ流れる蒸気の流量を調整すると同時に、第1サブ蒸気管111AJから、第1サブ蒸気室部311Aへ流れる蒸気の流量についても調整できる。同様に、第2メイン調整弁11Bの開度を制御することによって、第2メイン蒸気室部31Bへ流れる蒸気の流量を調整すると同時に、第2サブ蒸気管111BJから第2サブ蒸気室部311Bへ流れる蒸気の流量についても調整できる。
本実施形態では、制御部200は、第1および第2のサブ調整弁111A,111Bを全て閉めた状態で、ノズル調速方式により第1および第2のメイン調整弁11A,11Bの開度を調整することによって、第1および第2のメイン蒸気室部31A,31Bへ蒸気を供給する。その後、制御部200は、圧力測定部501が測定した初段シェル圧力値S501の低下に対応して、第1および第2のサブ調整弁111A,111Bを順次開ける。このため、蒸気タービン1bの出力を容易に回復できる。
したがって、本実施形態の蒸気タービン1bは、高い効率で運用することができる。
[D]変形例
上記においては、1つの主蒸気止め弁10の下流において分岐された第1メイン蒸気管11AJに第1メイン調整弁11Aを設け、第2メイン蒸気管11BJに第2メイン調整弁11Bを設けた場合について説明したが、これに限らない。蒸気発生源100の下流において分岐するように第1メイン蒸気管11AJと第2メイン蒸気管11BJと両者を設けると共に、その両者の下流側に主蒸気止め弁10を設け、各主蒸気止め弁10の下流に第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者を設けてもよい。つまり、複数の主蒸気止め弁を、メイン蒸気管に設けても良い。
上記においては、1つの主蒸気止め弁10の下流において分岐された第1メイン蒸気管11AJに第1メイン調整弁11Aを設け、第2メイン蒸気管11BJに第2メイン調整弁11Bを設けた場合について説明したが、これに限らない。蒸気発生源100の下流において分岐するように第1メイン蒸気管11AJと第2メイン蒸気管11BJと両者を設けると共に、その両者の下流側に主蒸気止め弁10を設け、各主蒸気止め弁10の下流に第1メイン調整弁11Aと第2メイン調整弁11Bとの両者を設けてもよい。つまり、複数の主蒸気止め弁を、メイン蒸気管に設けても良い。
上記においては、1つのメイン蒸気室に対して、1つのサブ蒸気室部を設ける場合について示したが、これに限らない。第1実施形態の場合と同様に、1つのメイン蒸気室部に対して、複数のサブ蒸気室部を設けても良い。この場合には、サブ蒸気室部の数に対応して、サブ蒸気管、サブ調整弁を設ければ良い。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
たとえば、「絞り調速方式」、「ノズル調速方式」以外の場合に上述した実施形態の構成を適用してもよい。
上記においては、制御部が、メイン調整弁とサブ調整弁との動作を制御する場合について示したが、これに限らない。制御部を用いずに、操作者がサブ調整弁を上記のように操作してもよい。具体的には、初段シェル圧力値に応じて、操作者がサブ調整弁の開閉操作を行う。操作者は、手動式駆動機構の他、空気圧式、油圧式、電動式などの種々の駆動機構を操作することによって、上記の開閉操作を行うことができる。更に、地熱タービンにおいては、遠隔運転を行う場合があり、操作者は、初段シェル圧力値の情報に応じて、遠隔地から遠隔操作を行い、空気圧式、油圧式、電動式などの種々の駆動機構について開閉操作を行うことができる。
1,1b…蒸気タービン、2…ケーシング、3…タービンロータ、4…ノズル、5…タービン羽根、8…タービン回転軸、9…発電機、11,11A,11B…メイン調整弁、11J,11AJ,11BJ…メイン蒸気管、21,21A,21B…メイン蒸気入口管、33…仕切り板、30…蒸気室、31,31A,31B…メイン蒸気室部、41…初段ノズル、41M,41MA,41MB…メイン初段ノズル部、51…初段タービン羽根、100…蒸気発生源、111,111A,111B,112…サブ調整弁、111J,111AJ,111BJ,112J…サブ蒸気管、141…偏差演算部、142…速度調定率演算部、151…負荷設定部、151a…負荷設定増減回路、161…負荷制限部、161a…負荷制限増減回路、181…加算部、191…低値優先回路部、191A…弁開度関数部、191B…弁開度関数部、200…制御部、211,211A,211B,212…サブ蒸気入口管、311,311A,311B,312…サブ蒸気室部、411,411A,411B,412…サブ初段ノズル部、501…圧力測定部、511,521…圧力設定器
Claims (13)
- 複数段のタービン羽根がタービン回転軸に沿って並んでいるタービンロータと、
前記複数段のタービン羽根のそれぞれに蒸気を噴射する複数段のノズルと、
前記タービンロータおよび前記複数段のノズルを内部に収容しており、前記複数段のノズルのうち一端側に位置する初段ノズルを介して、前記複数段のタービン羽根のうち一端側に位置する初段タービン羽根に蒸気室から蒸気を供給するケーシングと、
前記蒸気室へ供給する前記蒸気の流量を調整する調整弁と、
前記調整弁から前記蒸気室へ前記蒸気が流れる蒸気管と、
を備え、
前記ケーシングにおいて、前記蒸気室は、前記タービン回転軸の周りを囲うように設けられており、前記タービン回転軸の回転方向において、メイン蒸気室部と、前記メイン蒸気室部に前記蒸気が供給された後に前記メイン蒸気室部と共に前記蒸気が供給されるサブ蒸気室部と、に仕切られており、
前記蒸気管は、前記メイン蒸気室部に接続されたメイン蒸気管と、前記サブ蒸気室部に接続されたサブ蒸気管と、を有し、
前記調整弁は、前記メイン蒸気管に前記蒸気を流すメイン調整弁と、前記サブ蒸気管に前記蒸気を流すサブ調整弁と、を有し、
前記サブ蒸気管が、前記メイン蒸気管において前記メイン調整弁の下流側に位置する部分で前記メイン蒸気管から分岐していることを特徴とする、
蒸気タービン。 - 前記サブ蒸気室部と前記サブ蒸気管と前記サブ調整弁は、複数設けられており、
前記複数のサブ蒸気管が、前記メイン蒸気管において前記メイン調整弁の下流側に位置する部分で前記メイン蒸気管から分岐していることを特徴とする、
請求項1に記載の蒸気タービン。 - 前記メイン蒸気室部と前記メイン蒸気管と前記メイン調整弁が、複数設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の蒸気タービン。 - 前記サブ蒸気管は、複数設けられており、
当該複数のサブ蒸気管は、前記複数のメイン蒸気管において、前記複数のメイン調整弁の下流側に位置する部分で前記複数のメイン蒸気管から分岐していることを特徴とする、
請求項3に記載の蒸気タービン。 - 前記初段タービン羽根の下流側に設置され、初段シェル圧力値を測定する圧力測定部と、
前記圧力測定部によって測定された初段シェル圧力値に基づいて、前記メイン調整弁と前記複数のサブ調整弁との動作を制御する制御部と
を更に備え、
前記制御部は、前記複数のサブ調整弁を全て閉めた状態で前記メイン調整弁の開度を調整することによって、前記メイン蒸気管から前記メイン蒸気室部へ前記蒸気を供給した後、前記圧力測定部が測定した前記初段シェル圧力値の低下に応じて前記複数のサブ調整弁を順次開けることを特徴とする、
請求項2に記載の蒸気タービン。 - 前記初段タービン羽根の下流側に設置され、初段シェル圧力値を測定する圧力測定部と、
前記圧力測定部によって測定された初段シェル圧力値に基づいて、前記複数のメイン調整弁と前記複数のサブ調整弁との動作を制御する制御部と
を更に備え、
前記制御部は、
前記複数のサブ調整弁を全て閉めた状態で前記複数のメイン調整弁の開度を調整することによって、前記複数のメイン蒸気管から前記メイン蒸気室部へ前記蒸気を供給した後、
前記圧力測定部が測定した前記初段シェル圧力値の低下に応じて前記複数のサブ調整弁を順次開けることを特徴とする、
請求項4に記載の蒸気タービン。 - 前記制御部は、
前記複数のサブ調整弁を順次開ける圧力設定値を負荷設定値に基づいて設定する圧力設定器
を有し、
当該制御部は、前記圧力測定部によって測定された初段シェル圧力値が、前記複数のサブ調整弁について前記圧力設定器が設定した圧力設定値以下になったときに、当該複数のサブ調整弁を順次全開にするように、前記複数のサブ調整弁の動作を制御することを特徴とする、
請求項5または6に記載の蒸気タービン。 - 前記制御部は、
前記タービンロータの設定回転数と実回転数との間の偏差値に速度調定率の逆数を積算した値を出力する速度調定率演算部と、
前記速度調定率演算部が出力した値に負荷設定値を加算した値と、負荷制限値とのうちの低値を、前記メイン調整弁の動作を制御するメイン弁開度指令として出力する低値優先回路部と、
を有し、
当該制御部は、前記メイン弁開度指令に基づいて、ノズル調速方式で前記複数のメイン調整弁が順次全開になるように、前記複数のメイン調整弁の動作を制御することを特徴とする、
請求項6に記載の蒸気タービン。 - 前記制御部は、前記圧力測定部が測定した前記初段シェル圧力値の低下に対応して前記サブ調整弁を開けるときには、当該サブ調整弁を全開にすることを特徴とする、
請求項5から8のいずれか一項に記載の蒸気タービン。 - 前記制御部は、タービントリップまたは負荷遮断事象が発生した時には、前記サブ調整弁を全閉の状態にすることを特徴とする、
請求項5から9のいずれか一項に記載の蒸気タービン。 - 地熱井から得られる蒸気を作動流体として用いることを特徴とする、
請求項1から10のいずれか一項に記載の蒸気タービン。 - 前記調整弁は、蒸気加減弁であることを特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載の蒸気タービン。 - 蒸気タービンを制御する制御部を備える蒸気タービン制御装置であって、
前記蒸気タービンは、
複数段のタービン羽根がタービン回転軸に沿って並んでいるタービンロータと、
前記複数段のタービン羽根のそれぞれに蒸気を噴射する複数段のノズルと、
前記タービンロータおよび前記ノズルを内部に収容しており、前記複数段のノズルのうち一端側に位置する初段ノズルを介して、前記複数段のタービン羽根のうち一端側に位置する初段タービン羽根に蒸気室から蒸気を供給するケーシングと、
前記蒸気室へ供給する前記蒸気の流量を調整する調整弁と、
前記調整弁から前記蒸気室へ前記蒸気が流れる蒸気管と
前記初段タービン羽根の下流側の部分に設置され、初段シェル圧力値を測定する圧力測定部と、
を備え、
前記ケーシングにおいて、前記蒸気室は、前記タービン回転軸の周りを囲うように設けられており、前記タービン回転軸の回転方向において、メイン蒸気室部と、前記メイン蒸気室部に前記蒸気が供給された後に前記メイン蒸気室部と共に前記蒸気が供給されるサブ蒸気室部と、に仕切られており、
前記蒸気管は、前記メイン蒸気室部に接続されたメイン蒸気管と、前記サブ蒸気室部に接続されたサブ蒸気管と、を有し、
前記調整弁は、前記メイン蒸気管に前記蒸気を流すメイン調整弁と、前記サブ蒸気管に前記蒸気を流すサブ調整弁と、を有し、
前記サブ蒸気管が、前記メイン蒸気管において前記メイン調整弁の下流側に位置する部分で前記メイン蒸気管から分岐しており、
前記制御部は、前記サブ調整弁を全て閉めた状態で前記メイン調整弁の開度を調整することによって、前記メイン蒸気管から前記メイン蒸気室部へ前記蒸気を供給した後、
前記圧力測定部が測定した前記初段シェル圧力値が圧力設定値以下になったとき、前記サブ調整弁を開けることを特徴とする、
蒸気タービン制御装置。
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