JP2013199459A - シアノ酢酸の製造方法、シアノ酢酸誘導体の製造方法、ならびに金属含有化合物の製造方法 - Google Patents

シアノ酢酸の製造方法、シアノ酢酸誘導体の製造方法、ならびに金属含有化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定のシアノ酢酸エステルを、酸触媒の共存下で加水分解することによりシアノ酢酸を合成する方法において、シアノ酢酸の加水分解生成物であるマロン酸量を抑制することができるシアノ酢酸の製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを酸触媒の共存下で加水分解し、シアノ酢酸を得るシアノ酢酸の製造方法であって、反応の終点において、生成したシアノ酢酸に対し、下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを0.5〜5モル%含み、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%含み、かつマロン酸の含有量が生成したシアノ酢酸に対し1.0質量%以下であることを特徴とする。
Figure 2013199459

[式中、Rはエチル基またはメチル基を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、所定の化学式からなるシアノ酢酸エステルを、酸触媒の共存下で加水分解することによりシアノ酢酸を合成する方法に関する。さらにこのシアノ酢酸を用いて、シアノ酢酸誘導体、さらには該誘導体を用いて金属含有化合物を合成する方法に関する。
シアノ酢酸及びその誘導体は、従来から接着剤、医薬、農薬などの有機薬品の中間体として知られている。その合成法としては、クロロまたはブロモ酢酸またはそのソーダ塩とシアン化ソーダを反応させる方法(例えば、特許文献1参照)や、シアノアセトアルデヒドアセタール、シアノアセトアルデヒド又はシアノアセトアルデヒド水和物などを、加圧下酸素酸化する方法(例えば、特許文献2参照)、さらにはエチレンシアノヒドリンから微生物を用いることにより、シアノ酢酸を製造する方法(例えば、特許文献3参照)、シアノ酢酸エチルを硝酸共存下加水分解する方法(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
さらに、非特許文献1では、塩酸共存下、シアノ酢酸エチルを加水分解する方法、非特許文献2では、シアノ酢酸メチルを苛性ソーダで加水分解する方法が記載されている。
また、近年、電子写真用トナーに使用する色材の安定性を高めるため、金属含有化合物を添加する例が報告されている(例えば、特許文献5〜8参照)。
特開昭57−35539号公報 特開平7−233135号公報 特開昭62−32891号公報 国際公開第2010/46780号 特開2009−221125号公報 特開2009−222847号公報 特開2010−072286号公報 国際公開第2011/010509号
J.Org.Chem,1994,Vol59,291-296 Can.Journal of Chemistry, 1980,Vol58,1281-1294
しかしながら、これら従来の技術に関しては、以下の問題がある。
特許文献1では、取扱い上、危険なシアン化ソーダを使用しなければならないという操作上の大きな問題があり、特許文献2では、加圧条件という特殊な設備の導入が必要という問題がある。さらに特許文献3では、微生物を扱うという特殊な条件が必要という問題ならびに生産性の問題が生じる。また、特許文献4では、収率が7割程度と低く、更なる改良の余地がある。
非特許文献1では、加水分解の記載はあるものの、収率、純度には言及しておらず、更に、非特許文献2では、発生する塩の除去や副生成物の抑制に課題を残すなど、改良の余地が残されている。
更に、近年では、日本国内でのシアノ酢酸の供給量が少なくなり、安価で高品質なシアノ酢酸を手に入れることが困難になってきている。
特許文献5〜8については、これらに記載の金属含有化合物の多くはシアノ酢酸を出発原料として合成されており、高品質、安定的なシアノ酢酸の供給が必要とされている。しかしながら、先ほどの現状から、高品質なシアノ酢酸自体の安価で安定的な供給は困難になってきており、早急な対策が望まれている。
本発明者らはこれらの課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シアノ酢酸エステルを、一般的で安価な酸触媒の共存下で加水分解することにより、容易にシアノ酢酸を合成出来ることがわかった。しかしながら、新たな課題として、シアノ酢酸合成時に副生するマロン酸の影響で、次工程の化合物の品質及び収率に大きな影響が出ることもわかってきた。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、所定のシアノ酢酸エステルを、酸触媒の共存下で加水分解することによりシアノ酢酸を合成する方法において、シアノ酢酸の加水分解生成物であるマロン酸量を抑制することができるシアノ酢酸の製造方法を提供することにある。更にはこのシアノ酢酸を出発原料としたシアノ酢酸誘導体や、該誘導体を用いた金属含有化合物を経済的に製造することができるシアノ酢酸誘導体の製造方法、ならびに金属含有化合物の製造方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
1.下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを酸触媒の共存下で加水分解し、シアノ酢酸を得るシアノ酢酸の製造方法であって、反応の終点において、生成したシアノ酢酸に対し、下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを0.5〜5モル%含み、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%含み、かつマロン酸の含有量が生成したシアノ酢酸に対し1.0質量%以下であることを特徴とするシアノ酢酸の製造方法。
Figure 2013199459
[式中、Rはエチル基またはメチル基を表す。]
2.前記酸触媒が硫酸、塩酸、酢酸、シアノ酢酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸から選択されることを特徴とする前記1に記載のシアノ酢酸の製造方法。
3.前記酸触媒を、前記反応に供する一般式(1)のシアノ酢酸エステルに対し0.2〜10モル%使用することを特徴とする前記1または前記2に記載のシアノ酢酸の製造方法。
4.前記反応中に生成するアルコールを流去する工程を含むことを特徴とする前記1から前記3のいずれか1項に記載のシアノ酢酸の製造方法。
5.下記一般式(2)で表される化合物と、前記前記1から前記4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたシアノ酢酸とを反応させて、下記一般式(3)で表されるシアノ酢酸誘導体を製造することを特徴とするシアノ酢酸誘導体の製造方法。
Figure 2013199459
[式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表す。]
Figure 2013199459
[式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表す。]
6.前記前記5に記載の方法で得られた一般式(3)で表される化合物を酸塩化物もしくは酸無水物と反応させて下記一般式(4)で表される化合物を製造した後、さらに下記一般式(4)で表される化合物を塩化銅もしくは酢酸銅と反応させて、下記一般式(5)で表される金属含有化合物を製造することを特徴とする金属含有化合物の製造方法。
Figure 2013199459
[式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表し、Rはアルキル基を表す。]
Figure 2013199459
[式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表し、Rはアルキル基を表す。]
7.前記一般式(5)で表される金属含有化合物の製造方法において、前記一般式(3)で表される化合物及び前記一般式(4)で表される化合物を精製することなく、前記一般式(5)の金属含有化合物を製造することを特徴とする前記6に記載の金属含有化合物の製造方法。
本発明のシアノ酢酸の製造方法によれば、反応で副生するマロン酸量を大幅に低減することができるため、このシアノ酢酸から製造されるシアノ酢酸誘導体、金属含有化合物の品質が向上する。
本発明のシアノ酢酸誘導体の製造方法、ならびに金属含有化合物の製造方法によれば、得られるシアノ酢酸誘導体や金属含有化合物の純度、収率ともに大幅に向上し、生産性に優れ、経済性が向上する。
熱可塑性樹脂中に着色微粒子を分散させたトナー粒子の断面を模式的に表した図である。 内部(コア)を外殻樹脂(シェル)で被覆して成るコアシェル構造の着色微粒子の断面を模式的に表した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
≪シアノ酢酸の製造方法≫
シアノ酢酸の製造方法は、下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを酸触媒の共存下で加水分解し、シアノ酢酸を得る方法である。そして、反応の終点において、生成したシアノ酢酸に対し、下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを0.5〜5モル%含み、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%含み、かつマロン酸の含有量が生成したシアノ酢酸に対し1.0質量%以下であることを特徴とするものである。
Figure 2013199459
[式中、Rはエチル基またはメチル基を表す。]
具体的には、本発明のシアノ酢酸の製造方法は、一般式(1)のシアノ酢酸エステルと、溶媒と、酸触媒とを混合して反応させ、酸触媒共存下、シアノ酢酸エステルを加水分解させる加水分解工程を行うものである。この加水分解工程においては、アルコールを流去する工程が含まれる。
[溶媒]
一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルの加水分解に使用する溶媒は水である。ただし、水への溶解性が乏しい場合には、水溶性の溶媒(例えば、アルコール類:メタノール、エタノール、プロパノール等。グリコール類:エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等。エーテル類:エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等。その他:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダソリジノン、スルホラン等が挙げられる。)を用いてもよい。
水溶性の溶媒を水と混合させる場合は、水に対して1〜100wt%、好ましくは1〜50wt%、更に好ましくは1〜10wt%の範囲である。一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルの加水分解に使用する溶媒量としては、反応に使用するシアノ酢酸エステルに対し、3倍から10倍量であることが好ましく、より好ましくは4倍から8倍量、更に好ましくは4倍から6倍量である。
[酸触媒]
一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルの加水分解に使用する酸触媒としては、無機酸(硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、リン酸、ホウ酸など)、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シアノ酢酸等)から選択される。但し、後にも述べるが、次工程での脱水縮合時のコンタミネーションを回避する意図と、副生成物の抑制の意図から、好ましい触媒としては、硫酸、塩酸、酢酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、シアノ酢酸が挙げられ、更に好ましくはリン酸、p−トルエンスルホン酸、シアノ酢酸であり、特に好ましくはp−トルエンスルホン酸である。
シアノ酢酸エステルの加水分解に使用する好ましい触媒量としては、一般式(1)のシアノ酢酸エステルに対し0.2〜10モル%であり、更に好ましくは0.2〜5モル%であり、特に好ましくは0.2〜1モル%である。
[シアノ酢酸エステル:0.5〜5モル%、アルコール:0.5〜60モル%]
本発明においては、反応の終点において、生成したシアノ酢酸に対し、一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルを0.5〜5モル%含む。また、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%含む。
本発明のシアノ酢酸エステルの加水分解の工程では、酸触媒による加水分解の促進と、更には加水分解で生成したシアノ酢酸の更なる加水分解が起こり、マロン酸が生成することが本発明者らによる検討でわかっている。このシアノ酢酸の更なる加水分解を抑制するためには、基質の加水分解速度の差と、加水分解の平衡を利用することが必須であった。つまり、本発明者らの検討によれば、シアノ酢酸エステルの加水分解初期では、シアノ酢酸エステルの加水分解が優先して進行するが、反応後期になるとシアノ酢酸の加水分解が進行するということである。シアノ酢酸エステルの加水分解は平衡反応であるため、生成するアルコールの系外への流去量をコントロールしつつ、シアノ酢酸エステルを完全に消費しないというバランスを保つことにより、大幅にマロン酸の生成を抑制できるというものである。
よって、反応の終点において、生成したシアノ酢酸に対し、一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルを0.5〜5モル%含むこととする。さらには、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%含むこととする。シアノ酢酸エステルおよびアルコールがこの範囲であれば、マロン酸の生成が大幅に抑制される。
ここで、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%に制御するため、加水分解工程において、アルコールを流去する工程(アルコール流去工程)を行う。
<アルコール流去工程>
一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルの加水分解で生成するアルコールの流去方法としては、クライゼンもしくはディーンシュタルクを用いた流去が好ましい。
当該アルコールの流去方法としては、反応系内の加水分解が、発生するアルコールの流去と共に進行すれば特に制限はない。ただし、前記したように、上記反応の終了時点で、反応系内に生成したシアノ酢酸に対し、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%含むこととする。好ましくは0.5〜40モル%、更に好ましくは0.5〜20モル%である。
このとき、生成するアルコールの流去は連続的でもよいし、断続的、つまり、一定の反応の進行が認められるまではアルコールを流去せず還流下で反応を行い、一定量のアルコールを流去したのち再び還流を行う、もしくはそれの繰り返しを行うような操作でアルコールの流去を行ってもよい。その場合、一回に流去する量としては、総溶媒量の5〜20%が好ましい。このとき、反応中に流去した分だけ系内に水を追加してもよい。
一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルの加水分解に必要とされる反応時間は、反応が円滑に進行すれば特に制限はないが、生成したシアノ酢酸の更なる加水分解を抑制するためにも短いほうが好ましい。具体的には5〜20時間の間が好ましく、更に好ましくは5〜10時間、特に好ましくは5〜7時間である。
本発明において、反応後のシアノ酢酸水溶液は用途によって様々な処理が可能である。例えば、特開昭57−35539号公報に記載のように、減圧下反応液を濃縮し、次工程に使用してもよい。その時、濃縮温度は80℃を超えないことが好ましく、より好ましくは40〜80℃、特に好ましくは40〜60℃である。減圧下濃縮を行う場合、シアノ酢酸の濃縮度は50〜95%までが好ましく、より好ましくは55〜90%である。さらに、高濃度のシアノ酢酸水溶液を冷却すると結晶の析出が起こるため、この結晶をデカンテーション、遠心分離、もしくはろ過により余分な水分を除去した後に次工程に使用することも可能である。
反応中に残存するシアノ酢酸エステルの検出方法としては、イオンクロマトグラフィー、NMR、ガスクロマトグラフィー、HS−GC、質量分析、HPLC、GC−MS、キャピラリー電気泳動、分取GP℃等が挙げられるが、好ましくはガスクロマトグラフィーによりシアノ酢酸エステルとシアノ酢酸の比率をあらかじめ検量線により求めておき、反応液の測定において好ましいシアノ酢酸エステルの残量に到達した時点で反応終点とすることが好ましい。例えば、シアノ酢酸エステルとシアノ酢酸の検量線データに照らし合わせ、シアノ酢酸エチルの含有量が概ね2モル%になった時点を終点とすることができる。
[マロン酸の含有量:1.0質量%以下]
本発明の方法によって得られたシアノ酢酸に含まれるマロン酸量は1.0質量%以下である。好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
マロン酸の分析方法としては、HPLC、キャピラリー電気泳動、質量分析、分取GPC、イオンクロマトグラフィー等が挙げられるが、イオンクロマトグラフィーによる定量を行うのが好ましい。試料の水溶液に対し、基準品のマロン酸の検量線から絶対含量を求め、各試料のマロン酸量を比較することによって、本発明の効果を検証することができる。
≪シアノ酢酸誘導体の製造方法≫
次に、一般式(1)で表わされるシアノ酢酸エステルを加水分解した後の工程として、下記一般式(3)のシアノ酢酸誘導体を合成する方法について述べる。
本発明のシアノ酢酸誘導体の製造方法は、下記一般式(2)で表される化合物と、前記記載の製造方法により製造されたシアノ酢酸とを反応させて、下記一般式(3)で表されるシアノ酢酸誘導体を製造することを特徴とするものである。
[シアノ酢酸誘導体−1(一般式(3)で表されるシアノ酢酸誘導体)]
本発明の方法を用いて得られたシアノ酢酸は、下記一般式(2)のアルコール誘導体と反応させることによって、下記一般式(3)に示すシアノ酢酸誘導体へと変換される。
Figure 2013199459
[式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表す。]
Figure 2013199459
[式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表す。]
は炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表す。
炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基とは、R中の炭素数の合計が9以上で、かつ、Rの中の任意の位置に芳香族炭化水素構造を含有していればよい。芳香族炭化水素構造の例としては、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)であり、例えば、芳香族炭化水素構造がフェニル基の場合、さらに、炭素数が3以上の任意の置換基とともにRを形成することになり、この場合、炭素数合計が1の置換基を3つ以上組み合わせても良く、炭素数合計が1の置換基と炭素数合計が2の置換基をそれぞれ1つ以上組み合わせても良い。R中の炭素数の合計は9以上で40以下であることが好ましく、より好ましくは炭素数合計12以上で40以下であり、さらに好ましくは14以上30以下である。
として好ましくは、下記一般式(2’)で表される基である。
Figure 2013199459
一般式(2’)において、Lは炭素数1〜15までのアルキレン基、−SOO−、−OSO−、−SO−、−CO−、−O−、−S−、−SONH−、−NHSO−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OOC−から選ばれる2価の連結基を単独、またはそれらを複数組み合わせてできる基を表し、*で一般式(3)のRに隣接する酸素原子と結合する。
Lは置換基を有してもよく、置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プ口パルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、複素アリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピ口リジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フエノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ビリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフイニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ビリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ビリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ビリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等)などが挙げられ、これらの基はさらに同様の基で置換されていてもよい。
Lで表される2価の連結基として好ましくはアルキレン基、またはアルキレン基を含む基である。アルキレン基を含む基とは、Lで表される2価の連結基中に任意の位置にアルキレン基を含んでいればよく、具体的にはアルキレン基と、−SOO−、−OSO−、−SO−、−CO−、−O−、−S−、−SONH−、−NHSO−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OOC−から選ばれる2価の連結基を1つ、又は複数組み合わせてできる基の構造中にアルキレン基を含む基のことである。
はアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)を表す。
以下にLで表される2価の連結基の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013199459
Lは*で一般式(3)のRに隣接する酸素原子またはRと結合する。Rはアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)を表す。
およびRは置換基を有してもよく、置換基としては前述のLに置換できる置換基と同義の基をあげることができる。
L、RおよびRに置換する好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基であり、特に好ましい基はアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミド基である。
として好ましくはフェニル基であり、好ましくは置換基を有することであり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミド基を有することであり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基を有することである。
または一般式(2’)としてより好ましくは、下記一般式(2’−2)で表される基である。
Figure 2013199459
一般式(2’−2)において、Lおよび*は一般式(2’)中のLと*と同義の基を表し、Rは炭素数8から30までのアルキル基をあらわし、nは1から3の正数を表す。
は好ましくは、炭素数12から24までのアルキル基であり、より好ましくは炭素数16から24までのアルキル基である。Rは置換基を有してもよく、置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。Rは直鎖のアルキル基が好ましく、炭素ならびに水素原子のみからなる事がより好ましい。nは好ましくは1もしくは2であり、特に好ましくは1である。
一般式(3)で表わされる化合物の合成方法は一般的に言う「エステル化」反応であり、所謂カルボン酸とアルコールの脱水縮合である。一般式(3)で表わされる化合物の合成における、シアノ酢酸に対する一般式(2)で表わされるアルコール誘導体の使用量は0.7当量から1当量であることが好ましく、更に好ましくは0.8当量から1.0当量、特に好ましくは0.9当量から1.0当量である。
本発明の方法により合成したシアノ酢酸と一般式(2)で表わされるアルコール誘導体の脱水縮合で使用する溶媒としては脱水縮合が円滑に進行する溶媒であれば特に制限はないが、水より沸点の高い溶媒が好ましく、炭化水素系の溶媒であることが好ましい。炭化水素系の溶媒としてはトルエン、キシレン、メシチレン、オクタン、ノナン等があげられるが、コスト面、回収の容易さの面からトルエン、キシレンがより好ましい。
一般式(3)で表わされる化合物の合成に使用する溶媒量は、使用する一般式(2)で表わされるアルコール誘導体に対し、2倍量から10倍量が好ましく、更に好ましくは2倍量から5倍量、特に好ましくは2倍量から3倍量である。
一般式(3)で表わされる化合物の合成に使用する触媒としては無機酸(硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、リン酸、ホウ酸等)、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シアノ酢酸等)から選択される。但し、脱水縮合時のコンタミネーションを回避する意図と、副生成物の抑制の意図から、好ましい触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられ、更に好ましくはリン酸、p−トルエンスルホン酸、特に好ましくはp−トルエンスルホン酸である。
一般式(3)で表わされる化合物の合成に使用する触媒量としては、一般式(2)のアルコール誘導体に対し2〜10モル%であり、更に好ましくは2〜5モル%であり、特に好ましくは2〜4モル%である。
(反応プロセス)
一般式(2)のアルコール誘導体とシアノ酢酸の反応では、前工程(加水分解工程)で得られたシアノ酢酸は水溶液のため、濃縮度によっては大量の水を系内に含むことになる。一般的に、カルボン酸のエステル化反応は、反応中に生成した水を系外に留去することで反応が進行する。本反応では前工程同様、シアノ酢酸の加水分解によるマロン酸の生成も無視できない。
本発明者らの検討の結果、前工程および、本工程(一般式(3)のシアノ酢酸誘導体の製造工程)で生成したマロン酸は、シアノ酢酸と同様に一般式(2)で表わされるアルコール誘導体と脱水縮合し下記一般式(3’)で表わされるマロン酸誘導体を形成し、これが本工程ならびに次工程(一般式(4)のシアノ酢酸誘導体の製造工程)以降の収率と純度を低下させる原因となることがわかった。
Figure 2013199459
従って、本反応は、(i)前工程から持ち込んだ水および、(ii)反応中に生成した水を効率よく系外に除去することが反応の進行と副生成物の抑制に効果的である。
本発明において、一般式(3)で表わされる化合物の合成における水の流去方法としては、クライゼンもしくはディーンシュタルク(エステル管)を用いた流去が好ましい。一般式(3)で表わされる化合物の合成における水の流去方法としては、反応系内の脱水縮合が、原料のシアノ酢酸および発生する水の流去と共に進行すれば特に制限はないが、系内に含まれる水の留去時間は上記理由から短い事が好ましく、具体的には反応開始から30分から5時間、更に好ましくは30分から2時間、特に好ましくは30分から1時間である。
また、反応に使用する容器の実情によっては、予め反応開始前にシアノ酢酸に含まれる水を留去しておくことも可能である。例えば、反応容器にシアノ酢酸水溶液と反応溶媒のみを添加しておき、共沸により水を系外に留去する方法である。この場合、水の留去は減圧下行うことが好ましい。その時、温度は80℃を超えないことが好ましく、より好ましくは40℃から80℃、特に好ましくは40℃から60℃である。
一般式(3)で表わされる化合物の合成にあたり、先に合成したシアノ酢酸、一般式(2)で表わされるアルコール誘導体、溶媒、および酸触媒の添加順は特に制限はなく、使用する反応容器の実情に合わせ添加順を入れ替えることも可能である。
一般式(3)で表わされる化合物は、反応後にその用途によって様々な処理が可能である。例えば、非常に高純度が求められる場合、反応液を水で洗浄、もしくはろ過により酸触媒または未反応の原料を除いた後に、有機層を濃縮し、再結晶することもできる。また、場合によりシリカゲルクロマトグラフィーを行うことにより精製することも可能である。
再結晶を行う場合、使用する溶媒としては特に制限はないが、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ヘプタン、エタノール、ブタノール等がコストの面から見ても好ましい溶媒である。その中でもアセトン、酢酸エチル、トルエン、ヘプタンがより好ましい溶媒である。これらの溶媒は、単一で用いてもよいし、混合溶媒として用いてもよい。
本発明において、一般式(3)で表わされる化合物の純度は本発明者らの検討により大幅に向上しているため、生産性の意味も含めると、反応液を水で洗浄、脱水した後は、精製することなく次工程に用いることが好ましい。
≪金属含有化合物の製造方法≫
次に、一般式(4)のシアノ酢酸誘導体を合成する方法について述べる。
本発明の金属含有化合物の製造方法は、前記記載の方法で得られた一般式(3)で表される化合物を酸塩化物もしくは酸無水物と反応させて下記一般式(4)で表される化合物を製造した後、さらに下記一般式(4)で表される化合物を塩化銅もしくは酢酸銅と反応させて、下記一般式(5)で表される金属含有化合物を製造することを特徴とするものである。
[シアノ酢酸誘導体−2(一般式(4)で表されるシアノ酢酸誘導体)]
本発明の方法を用いて得られた一般式(3)で表される化合物は、酸無水物もしくは酸塩化物と反応させることにより一般式(4)に示すシアノ酢酸誘導体へと変換される。まず、一般式(4)について説明する。
Figure 2013199459
一般式(4)において、Rは一般式(3)におけるRと同義である。
一般式(4)において、Rは、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)を表し、これらはさらに置換基を有しても良い。
に置換することのできる置換基としては、一般式(2’)に記載のLに置換できる置換基と同義の基をあげることができる。Rとして好ましくは炭素数1から4のアルキル基であり、直鎖構造のものが好ましく、更に好ましくはメチル基またはエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
一般式(4)で表わされる化合物の合成方法は一般的に言う活性メチレン化合物に対する「アシル化」反応であり、活性メチレン化合物と酸無水物もしくは酸塩化物との反応である。なお、本発明で用いる酸無水物や酸塩化物は特に限定されるものではない。
一般式(4)で表わされる合成においては、塩基を使用することが好ましい。塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、DBU、キノリン等が挙げられる。この中でも好ましくはナトリウムメトキシド、炭酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミンであり、更に好ましくはナトリウムメトキシド、トリエチルアミンである。
一般式(4)で表わされる化合物の合成における塩基の使用量は、一般式(3)で表される化合物に対し、1.0当量から2.0等量であることが好ましく、更に好ましくは1.0等量から1.5当量、特に好ましくは1.0当量から1.2当量である。
本発明において、一般式(4)で表わされる化合物の合成に使用する溶媒としては反応が円滑に進行する溶媒であれば特に制限はないが、非アルコール系の溶媒であることが好ましい。非アルコール系の溶媒としてはトルエン、キシレン、メシチレン、ヘプタン、オクタン、ノナン、酢酸エチル、酢酸プロピル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等があげられるが、コスト面、回収の容易さの面からトルエン、キシレンがより好ましい。
一般式(4)で表わされる化合物の合成に使用する溶媒量は、使用する一般式(3)で表わされる化合物に対し、1倍量から10倍量が好ましく、更に好ましくは1倍量から5倍量、特に好ましくは1倍量から3倍量である。一般式(4)で表わされる化合物の合成には酸無水物もしくは酸塩化物が用いられる。一般式(4)で表わされる化合物の合成に使用する酸無水物もしくは酸塩化物の量は使用する一般式(3)で表わされる化合物に対し、1.0当量から2.0当量が好ましく、更に好ましくは1.0当量から1.5当量、特に好ましくは1.0当量から1.2当量である。
(反応プロセス)
一般式(3)で表される化合物と酸無水物もしくは酸塩化物の反応は、反応が円滑に進行すればそのプロセスとして特に制限はないが、(i)一般式(3)で表される化合物の活性メチレンからプロトン引き抜きによりナトリウム塩を経る方法や(ii)有機強塩基共存下、一般式(3)で表される化合物の活性メチレンの活性を更に高める方法のいずれかの方法が好ましい。
一般式(4)で表わされる化合物の合成における反応温度としては、反応が円滑に進行すれば特に制限はないが、副反応として考え得るO−アシル化等の副反応を抑制するためにも、出来るだけ低温であることが好ましい。具体的には30℃から100℃の間であることが好ましく、より好ましくは30℃から60℃、特に好ましくは30℃から50℃の間である。
一般式(4)で表わされる化合物の合成にあたり、先に合成した一般式(3)で表される化合物、溶媒、塩基、酸無水物もしくは酸塩化物の添加順は特に制限はなく、使用する反応容器の実情に合わせ添加順を入れ替えることも可能であるが、好ましくは酸無水物もしくは酸塩化物を最後に添加することである。一般的にこれらの反応は発熱滅反応であるため、より好ましくは酸無水物もしくは酸塩化物を反応系中に滴下することである。
一般式(4)で表わされる化合物は、反応後にその用途によって様々な処理が可能である。例えば、非常に高純度が求められる場合、反応液を水で洗浄、もしくはろ過により塩または不溶物を除いた後に、有機層を濃縮し、再結晶することもできる。また、場合によりシリカゲルクロマトグラフィーを行うことにより精製することも可能である。
再結晶を行う場合、使用する溶媒としては特に制限はないが、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ヘプタン、エタノール、ブタノール等がコストの面から見ても好ましい溶媒である。その中でもアセトン、酢酸エチル、トルエン、ヘプタンがより好ましい溶媒である。これらの溶媒は、単一で用いてもよいし、混合溶媒として用いてもよい。
本発明において、一般式(4)で表わされる化合物の純度は本発明者らの検討により大幅に向上しているため、生産性の意味も含めると、反応液を水で洗浄、脱水した後は、精製することなく次工程に用いることが好ましい。
[金属含有化合物]
次に、一般式(5)の金属含有化合物を合成する方法について述べる。
まず、一般式(5)で表される化合物について説明する。
一般式(5)において、RおよびRは一般式(4)における記載と同義である。一般式(5)は下記一般式(5a)および一般式(5b)の極限構造式を用いて表すこともできる。本発明において、一般式(5)と一般式(5a)と一般式(5b)は本質的に同一であり、区別されない。なお、共有結合(−で示す)と配位結合(…で示す)の区別も形式的なもので、絶対的な区別を表すものではない。
Figure 2013199459
一般式(5)で表される金属含有化合物は、前述の一般式(4)で表される化合物を合成した後に2価の金属化合物と反応させて得られるものであることが好ましい。これらの金属含有化合物の合成方法は、「キレート化学(5)錯体化学実験法[I](南江堂編)」などに記載の方法に準じて合成することが出来る。
一般式(5)で表される金属含有化合物の合成において、使用される2価の金属化合物としては、塩化銅(II)、酢酸銅(II)、過塩素酸銅等が挙げられる。一般式(5)で表わされる化合物の合成における2価の金属化合物の使用量は、一般式(4)で表される化合物に対し0.5当量から0.7等量であることが好ましく、更に好ましくは0.5等量から0.6当量、特に好ましくは0.5当量から0.55当量である。
一般式(5)で表わされる化合物の合成に使用する溶媒としては反応が円滑に進行する溶媒であれば特に制限はないが、使用する2価の金属化合物の溶解性の観点から、水もしくはアルコール系の溶媒が含まれることが好ましい。アルコール系の溶媒としてはメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等が挙げられる。また、必要に応じて非アルコール系の溶媒も混合して使用することが可能である。非アルコール系の溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘプタン、オクタン、ノナン、酢酸エチル、酢酸プロピル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等があげられる。
一般式(5)で表わされる化合物の合成に使用する溶媒量は使用する一般式(4)で表わされる化合物に対し、1倍量から10倍量が好ましく、更に好ましくは1倍量から5倍量である。
一般式(5)で表わされる合成においては、塩基を使用してもよい。塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、DBU、キノリン等が挙げられる。この中でも好ましくはナトリウムメトキシド、炭酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミンであり、更に好ましくはナトリウムメトキシド、トリエチルアミンであり、特に好ましくはナトリウムメトキシドである。
一般式(5)で表わされる化合物の合成における塩基の使用量は、一般式(4)で表される化合物に対し0.6当量から1.0等量であることが好ましく、更に好ましくは0.8等量から1.0当量、特に好ましくは0.9当量から1.0当量である。
(反応プロセス)
一般式(5)で表される化合物の合成は、反応が円滑に進行すればそのプロセスとして特に制限はないが、(i)一般式(4)で表される化合物の活性メチレンからプロトン引き抜きによりナトリウム塩を経る方法や(ii)有機強塩基共存下、一般式(4)で表される化合物の活性メチレンの活性を更に高める方法のいずれかの方法が好ましい。
本発明において、一般式(5)で表わされる化合物の合成における反応温度としては、反応が円滑に進行すれば特に制限はないが、副反応を抑制するためにも、出来るだけ低温であることが好ましい。具体的には10℃から100℃の間であることが好ましく、より好ましくは30℃から80℃、特に好ましくは40℃から70℃の間である。
一般式(5)で表わされる化合物の合成にあたり、先に合成した一般式(4)で表される化合物、溶媒、塩基、2価の金属化合物の添加順は特に制限はなく、使用する反応容器の実情に合わせ添加順を入れ替えることも可能であるが、好ましくは2価の金属化合物を最後に添加することである。より好ましくは2価の金属化合物を反応系中に滴下することである。一般式(5)で表わされる化合物は、反応後にその用途によって様々な処理が可能である。例えば、非常に高純度が求められる場合、反応液を水で洗浄、もしくはろ過により塩または不溶物を除いた後に、有機層を濃縮し、再結晶することもできる。
再結晶を行う場合、使用する溶媒としては特に制限はないが、アセトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、トルエン、ヘプタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等が好ましい溶媒である。これらの溶媒は、単一で用いてもよいし、混合溶媒として用いてもよい。混合溶媒を用いる場合、その混合比率は、一般式(5)で表される化合物の溶解性や再結晶効率によって自由に選択することが出来る。
一般式(5)で表わされる化合物は前工程の一般式(3)および(4)で表される化合物の純度が大幅に向上したため、前工程(一般式(3)、(4)のシアノ酢酸誘導体の製造工程)での精製を行わずに最終工程(一般式(5)の金属含有化合物の製造工程)のみで、精製、もしくは精製することなく使用することが可能である。一般式(5)で表される金属含有化合物は中心金属に応じて中性の配位子を有してもよく、代表的な配位子としては、HO或はNHが挙げられる。
以下に一般式(5)で表される金属含有化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。表中の*はそれぞれの基の結合位置を示す。
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
<金属含有化合物の用途>
本発明の方法により製造した金属含有化合物は様々な用途に使用可能である。特に銅や銅イオンを系内に必要とする用途(レジスト、銅メッキ)などには金属供給源として使用可能である。その用途の一つとして、電子写真用トナー中に添加して使用する場合を例に挙げる。
本発明の金属含有化合物を電子写真用トナー中に添加して使用する場合には、画像形成の為に少なくとも1種のキレート可能な色素が用いられる。キレート可能な色素とは、本発明の金属含有化合物とキレートすることが可能であればよく、この様な色素として、例えば特開平3−114892号公報、同4−62092号公報、同4−62094号公報、同4−82896号公報、同5−16545号公報、同5−177958号公報、同5−301470号公報に記載の色素が挙げられる。
イエロー色素として好ましくは、下記一般式(6)の色素が挙げられる。
Figure 2013199459
式中、R11及びR12は各々、水素原子又は置換基を表し、R13は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を表し、Zは2個の炭素原子と共に5〜6員の芳香族環を構成するに必要な原子群を表す。
11及びR12は置換基であることが好ましく、置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。該R11及びR12が置換基を表す場合、より好ましくは、アルキル基又はアリール基又は複素アリール基である。これらはさらに置換基を有していても良く、該置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。
13は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を表し、例としては、一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。
Zと2個の炭素原子と共に形成される5〜6員の芳香族環の例としては、上述した一般式(2’)のLに置換できる置換基の中の、アリール基、複素アリール基と同義の基をあげることができ、これらはさらに置換基を有していても良く、該置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。
一般式(6)で表される色素は、例えば下記一般式(A)で表される化合物をChemical Reviews,Vol.75,241(1975)に記載の方法に準じてジアゾ化し、下記一般式(B)で表される化合物との公知のカップリング反応に従って製造することができる。
Figure 2013199459
式中、R11、R12、R13及びZは、それぞれ前記一般式(6)のR11、R12、R13及びZと同義である。
以下に一般式(6)で表されるイエロー色素の代表的具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
マゼンタ色素として好ましくは、下記一般式(7)で表される色素が挙げられる。
Figure 2013199459
式中、R21は水素原子、ハロゲン原子又は置換基を表し、R22は、置換されてもよいアリール基または複素アリール基を表す。Xはメチン基又は窒素原子を表す。
23としては下記一般式(8)又は(9)が挙げられる。
Figure 2013199459
式中、X′は炭素原子又は窒素原子を表し、Yは含窒素芳香族複素環を形成する原子群を表す。Wはアリール基または複素アリール基を形成する原子群を表し、R24はアルキル基を表す。
21は置換基であることが好ましく、置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。該R21が置換基を表す場合、より好ましくは、アルキル基、アリール基または複素アリール基である。これらはさらに置換基を有していても良く、該置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。
22は、置換されてもよいアリール基または複素アリール基を表し、例としては、上述した一般式(2’)のLに置換できる置換基の中の、アリール基、複素アリール基と同義の基をあげることができ、これらはさらに置換基を有していても良く、該置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。
Yは含窒素芳香族複素環を形成する原子群を表し、例としては、上述した一般式(2’)のLに置換できる置換基の中の複素アリール基の中の該当する基をあげることができる。
Wはアリール基または複素アリール基を形成する原子群を表し、形成されたアリール基または複素アリール基の例としては、上述した一般式(2’)のLに置換できる置換基の中の、アリール基、複素アリール基と同義の基をあげることができる。
一般式(7)で表される色素は、従来公知の方法に準じて合成することが出来る。例えば、一般式(7)中のアゾメチン色素は特開昭63−113077号公報、特開平3−275767号公報、同4−89287号公報に記載の酸化カップリング方法に準じて合成することが出来る。
以下に一般式(7)で表されるマゼンタ色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
シアン色素として好ましくは、下記一般式(10)の色素が挙げられる。
Figure 2013199459
式中、R31及びR32は各々、置換又は無置換のアルキル基を表し、R33は置換基を表す。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の時、複数のR33は同じでも異なってもよい。R34、R35及びR36は何れもアルキル基を表すが、R34、R35及びR36は同一であっても、異なってもよい。ただし、R35及びR36は炭素数3〜8のアルキル基である。
33で表わされる置換基としては一般式(2’)のLに置換できる置換基と同義の基を挙げることができる。
一般式(10)で表される色素は、従来公知の方法に準じて合成することが出来る。例えば特開2000−255171号公報、同2001−334755号公報、同2002−234266号公報等に記載の酸化カップリング方法に準じて合成することが出来る。
以下に一般式(10)で表されるシアン色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
Figure 2013199459
本発明の方法で得られた一般式(5)で表される金属含有化合物は、前記一般式(6)、(7)又は(10)で表される色素と下記一般式(11)、(12)又は(13)で表される金属キレート色素を形成することができる。
Figure 2013199459
一般式(11)〜(13)において、R11、R12、R13、R21、R22、R23、R31、R32、R33、R34、35及びR36は、それぞれ前述の一般式(6)、(7)及び(10)に記載の置換基と同義である。また、R及びRは、それぞれ前述の一般式(5)に記載の置換基と同義であり、M2+は2価の銅イオンを表す。
これらのキレート色素は、電子写真用トナー以外にも様々な用途で用いることが出来る。トナー用としては、特開平10−265690号公報、特開2000−345059号公報、WO2011/010509A1等に記載の方法に準じて用いることが出来るが、本発明の色素の使用用途や使用方法はこれらに限定されるものではない。
以下に、本発明に記載の一般式(5)で表わされる化合物を使用した電子写真用トナーについて説明する。
(染料分散方法)
本発明の電子写真用トナーは染料分散液を結着樹脂中に直接分散、或いは着色微粒子分散液を混合し、更に後述する所望の添加剤を使用し、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化分散造粒法、カプセル化法等その他の公知の方法により製造することができる。これらの製造方法の中で、画像の高画質化に伴うトナーの小粒径化を考慮すると、製造コスト及び製造安定性の観点から乳化重合の方が好ましい。乳化重合法は、乳化重合によって製造された熱可塑性樹脂エマルジョンを、他の染料固体分散物等、トナー粒子成分の分散液と混合し、pH調整により生成した粒子表面の反発力と電解質添加による凝集力のバランスを取りながら緩慢凝集させ、粒径・粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に加熱撹拌することで微粒子間の融着・形状制御を行うことによりトナー粒子を製造する。
染料分散液を直接分散する場合は通常用いられるビーズ分散機、高速攪拌分散機、媒体型攪拌機などを用いて分散することも可能であるが、以下の着色微粒子分散物と同様の方法により作製することができる。即ち、染料を有機溶剤中に溶解(あるいは分散)し、水中で乳化分散後、有機溶剤を除去することにより得ることもできる。
(着色微粒子)
本発明の電子写真用トナーの1つの形態として、熱可塑性樹脂中に少なくとも着色微粒子を分散することができる。該着色微粒子は少なくとも一般式(5)で表される金属錯体化合物を含有することを特徴としており、後述の液中乾燥法などの分散方法を使用することで着色微粒子の分散粒径を制御可能である。また、該熱可塑性樹脂とは異なる組成の樹脂又は高沸点溶剤を更に含有してなることも好ましく、上述の染料を用いたトナーとして一般に知られているトナー結着樹脂中に染料を直接分散、もしくは、溶解させる代わりに、着色微粒子(染料を単に分散させただけのものも含む)を熱可塑性樹脂中に分散させることができる。
着色微粒子中の色素は樹脂中に分子レベルで溶解するため、トナー中において光を遮断する隠蔽性粒子などの成分を無くすことが可能となり、それぞれのトナーの単色における透明性が向上し、更には重ね合わせ色における透明性も向上すると考えられる。図1は熱可塑性樹脂2中に着色微粒子3を分散させた本発明の電子写真用トナー粒子1の断面を模式的に示している。また好ましい形態の一例としては、図2で示す様に着色微粒子3が外殻樹脂(シェル)7で被覆されていてもよく、この場合、着色微粒子3の内部(コア)6を構成する樹脂4と熱可塑性樹脂(結着樹脂)2の組み合わせに制限がなく、材料の自由度が大きく、またカラートナー4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に関して外殻樹脂(シェル)7のみが同一であれば、同様の製造条件で製造可能となるため、コスト面での利点も大きい。また、着色剤である染料(油溶性染料)5の着色微粒子外への移行(着色微粒子表面への露出)が起こらないため、一般的に染料を使用したトナーにおいて問題視される、熱定着時の染料の昇華やオイル汚染が生じる心配がない。
(着色微粒子の作製方法)
次いで、本発明に係る好ましい形態の1つである着色微粒子の作製方法の1例について説明する。
本発明に係る着色微粒子は、例えば、色素(又は色素及び樹脂、高沸点有機溶媒、添加剤など)を有機溶剤中に溶解(あるいは分散)し、水中で乳化分散後、有機溶剤を除去すること(液中乾燥法と言う)により得ることができ、更に樹脂を添加し外殻樹脂(シェル)で被覆する場合は、該着色微粒子に重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し、活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させることによってコアシェル構造を有する着色微粒子を得ることができる。あるいは、例えば、乳化重合により予め樹脂微粒子の水性分散体を形成し、この樹脂微粒子水性分散体に染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、あとから樹脂微粒子中に染料を含浸した後、該着色微粒子をコアとして、シェルを形成する等の方法等、種々の方法により得ることができる。
シェルは有機樹脂からなることが好ましく、シェルを形成する方法としては有機溶剤に溶解した樹脂を徐々に滴下し、析出と同時に樹脂を該着色微粒子コア表面に吸着させる方法などもあるが、本発明においては色素と樹脂を含有したコアとなる着色微粒子を形成した後、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させシェルを形成する方法が好ましい。
この他にも色素を界面活性剤などを用いて水中でビーズ分散機、高速攪拌分散機、媒体型攪拌機などを用いて分散させて形成してもよい。
(通常の界面活性剤)
本発明に係る好ましい形態の1つである着色微粒子調製時の乳化に際しては、必要に応じて通常のアニオン系乳化剤(界面活性剤)、及び/またはノニオン系乳化剤(界面活性剤)を用いることができる。
上記通常のノニオン系乳化剤として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどを挙げることができる。
また上記通常のアニオン系乳化剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル類、ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、及びその誘導体類などを挙げることができる。
(染料)
本発明で用いられる染料について説明する。
本発明は、一般に知られている染料を用いることができ、本発明においては色素が油溶性染料であることが好ましい。油溶性染料は通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であるが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。
以下に限定されるものではないが、例えば、オリエント化学工業株式会社製のValifastYellow4120、ValifastYellow3150、ValifastYellow3108、ValifastYellow2310N、ValifastYellow1101、ValifastRed3320、ValifastRed 3304、ValifastRed1306、ValifastBlue2610、ValifastBlue2606、ValifastBlue1603、OilYellowGG−S、OilYellow3G、OilYellow129、OilYellow107、OilYellow105、OilScarlet308、OilRedRR、OilRed OG、OilRed5B、OilPink312、OilBlueBOS、OilBlue613、OilBlue2N、OilBlackBY、OilBlackBS、OilBlack860、OilBlack 5970、OilBlack5906、OilBlack5905、日本化薬株式会社製のKayasetYellowSF−G、KayasetYellowK−CL、KayasetYellowGN、KayasetYellowA−G、KayasetYellow2G、KayasetRedSF−4G、KayasetRedK−BL、KayasetRedA−BR、KayasetMagenta312、KayasetBlueK−FL、有本化学工業株式会社製のFSYellow1015、FSMagenta1404、FSCyan1522、FSBlue1504、C.I.SolventYellow88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.SolventRed84:1、C.I.SolventRed84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.SolventBlue70、67、44、40、35、11、02、01、C.I.SolventBlack43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.SolventViolet3、C.I.SolventGreen3及び7、PlastYellowDY352、PlastRed8375、三井化学社製MSYellwHD−180、MS RedG、MSMagentaHM−1450H、MSBlueHM−1384、住友化学社製ESRed3001、ESRed3002、ESRed3003、TSRed305、ESYellow1001、ESYellow1002、TSYellow118、ESOrange2001、ESBlue6001、TSTurqBlue618、Bayer社製MACROLEXYellow6G、CeresBlueGNNEOPANYellowO75、CeresBlueGN、MACROLEXRedVioletR等が挙げられる。
油溶性染料として分散染料を用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
その他、油溶性染料として特に好ましいものとしては、フェノール、ナフトール類、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾールなどの環状メチレン化合物、開鎖メチレン化合物などのカプラーから誘導されるアゾメチン色素、インドアニリン色素なども好ましく用いられる。
そのような色素として好ましくは、例えば特開平3−114892号公報、同4−62092号公報、同4−62094号公報、同4−82896号公報、同5−16545号公報、同5−177958号公報、同5−301470号公報に記載の色素が挙げられる。
(粒径)
本発明における好ましい形態の1つである着色微粒子は体積平均粒子径が10nm〜1μmの範囲であることが好ましく、体積平均粒子径が10nm未満になると単位体積あたりの表面積が非常に大きくなるため、染料を着色微粒子のポリマー中に封入する効果が小さくなり、更に着色微粒子の安定性が悪くなり易く、保存安定性が劣化し易い。一方、1μmを越えるほど大きな粒子では、微粒子作製時に沈降が起き易く、停滞安定性が劣化する。また、トナーとした場合、光沢感の劣化、著しい透明感の劣化が起こる。従って着色微粒子の平均粒子径は10〜1μmであることが好ましく、10〜500nmがより好ましく、更に好ましくは10〜100nmである。
体積平均粒子径は動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などを用いて求めることが可能であるが、本発明では、マルバーン社製ゼータサイザーを用いて動的光散乱法で求めるのが好ましい。
(染料含有量)
本発明に係る着色微粒子は染料の含有量が10〜70質量%の範囲が好ましく、染料が10〜70質量%含有されることで、十分な濃度が得られ、樹脂による色材の保護能が発現し、また微粒子分散体としての保存安定性にも優れるため、凝集等による粒径増大を防止することができる。
(金属含有化合物含有量)
一般式(5)で表される金属含有化合物は単独で用いても2種を併用しても良いが、着色剤に対して0.8〜3倍モルである事が好ましく、更に好ましくは1〜2倍モルであり、併用する色素にもよるが、0.8倍モル以上では耐光性が著しく向上し、また、3倍モル以下とすることにより着色微粒子の分散安定性が向上し、トナー化の際に有利となる。
(トナー)
本発明の電子写真用トナーにおいては上記の熱可塑性樹脂及び着色微粒子の他、公知の荷電制御剤、オフセット防止剤等を使用することができる。荷電制御剤としては特に限定されるものではない。カラートナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物等が好適に用いられる。上記サリチル酸金属錯体としては、例えば、特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報等に記載のものが、カリックスアレーン系化合物としては、例えば、特開平2−201378号公報等に記載のものが、有機ホウ素化合物としては、例えば、特開平2−221967号公報に記載のものが、有機ホウ素化合物としては、例えば、特開平3−1162号公報に記載のものが使用可能である。このような荷電制御剤を用いる場合、熱可塑性樹脂(結着樹脂)100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部使用することが望ましい。
オフセット防止剤としても特に制限されることはなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックス等が使用可能である。このようなワックスの添加量は、熱可塑性樹脂(結着樹脂)100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部が望ましい。これは添加量が0.5質量部より少ないと添加による効果が不十分となり、30質量部より多くなると透光性や色再現性が低下するためである。
また、色素の保存性を向上させるために画像安定化剤として例えば特開平8−29934公報の10〜13頁に記載及び引用されている化合物を添加してもよく、市販されているフェノール系、アミン系、硫黄系、リン系の化合物なども挙げられる。同様の目的で紫外線吸収剤として例えば有機系紫外線吸収剤や無機系紫外線吸収剤を添加してもよい。有機系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、フェニルサルシレート、4−t−ブチルフェニルサルシレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾエート等のヒドロキシベンゾエート系化合物等を挙げられる。無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等を挙げることが出来るが、有機系紫外線吸収剤の方が好ましく、紫外線吸収剤としては、50%透過率での波長が350〜420nmが好ましく、より好ましくは360nm〜400nmであり、350nmより低波長では、紫外線遮断能が弱く、420nmより高波長では着色が強くなり好ましくない。添加量については特に制限はないが、色素に対して10〜200質量%の範囲が好ましく、50〜150質量%がより好ましい。
(結着樹脂)
本発明の電子写真用トナーに含有される結着樹脂としては、好ましい形態の1つである着色微粒子又は銅錯体化合物微粒子との密着性が高くなる熱可塑性樹脂が好ましく、特に溶剤可溶性のものが好ましい。更に、ポリマーの前駆体が溶剤可溶性であれば3次元構造を形成する硬化性樹脂も使用可能である。熱可塑性樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられているものが特に制限なく用いられるが、例えば、スチレン系の樹脂やアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用いられるが、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を高めるため、透明性が高く、溶融特性が低粘度でシャープメルト性の高い樹脂が要求される。このような特性を有する結着樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が適している。
また、結着樹脂としては数平均分子量(Mn)が3000〜6000、好ましくは3500〜5500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点が50〜70℃、好ましくは55〜70℃及び軟化温度が90〜110℃、好ましくは90〜105℃である樹脂を使用することが望ましい。
結着樹脂の数平均分子量が3000より小さいとフルカラーのベタ画像を折り曲げた際に画像部が剥離して画像欠損が発生し(折り曲げ定着性が悪化し)、6000より大きいと定着時の熱溶融性が低下して定着強度が低下する。また、Mw/Mnが2より小さいと高温オフセットが発生しやすくなり、6より大きいと定着時のシャープメルト特性が低下して、トナーの透光性ならびにフルカラー画像形成時の混色性が低下してしまう。また、ガラス転移点が50℃より低いとトナーの耐熱性が不十分となって、保管時にトナーの凝集が発生しやすくなり、70℃より高いと溶融しにくくなって定着性が低下するとともにフルカラー画像形成時の混色性が低下する。また、軟化温度が90℃より低いと高温オフセットが生じやすくなり、110℃より高いと定着強度、透光性、混色性及びフルカラー画像の光沢性が低下する。
本発明の電子写真用トナーは上記した熱可塑性樹脂(結着樹脂)、着色微粒子及びその他の所望の添加剤を使用し(微粒子については数種混合でも、一種類毎の微粒子を混合しても良く)、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化分散造粒法、カプセル化法等その他の公知の方法により製造することができる。これらの製造方法の中で、画像の高画質化に伴うトナーの小粒径化を考慮すると、製造コスト及び製造安定性の観点から乳化重合法が好ましい。
乳化重合法は、乳化重合によって製造された熱可塑性樹脂エマルジョンを他の着色微粒子等、トナー粒子成分の分散液と混合し、pH調整により生成した粒子表面の反発力と電解質添加による凝集力のバランスを取りながら緩慢凝集させ、粒径・粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に加熱撹拌することで微粒子間の融着・形状制御を行うことによりトナー粒子を製造する。本発明の電子写真用トナー粒子は、体積平均粒径を4〜10μm、好ましくは6〜9μmに調整することが画像の高精細再現性の観点から好ましい。
本発明の電子写真用トナーにおいては、トナーの流動性付与やクリーニング性向上等の観点から後処理剤を添加・混合して使用することができ、特に限定されるものではない。このような後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子やアルミナ微粒子、チタニア微粒子等の無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、またチタン酸ストロンチウムやチタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子等を使用することができ、単独あるいは異種の添加剤を併用して使用することが可能である。これらの微粒子は、耐環境安定性や耐熱保管性の観点からシランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で表面処理して用いることが望ましく、添加量はトナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部用いることが望ましい。
本発明の電子写真用トナーは、キャリアと混合して用いる2成分現像用トナーとして、また、キャリアを使用しない1成分現像用トナーとして使用可能である。
本発明の電子写真用トナーと組み合わせて使用するキャリアとしては、従来より、2成分現像用のキャリアとして公知のものを使用することができ、例えば、鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散してなるバインダー型キャリア等を使用することができる。これらのキャリアの中で、樹脂コートキャリアの被覆樹脂としては、特に制限はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル樹脂、シリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)、フッ素系樹脂、またはポリエステル系樹脂を用いた樹脂コートキャリアを使用することがトナースペント等の観点から好ましく、特にオルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したキャリアが、耐久性、耐環境安定性及び耐スペント性の観点から好ましい。上記ビニル系単量体としては、イソシアネートと反応性を有する水酸基等の置換基を有する単量体を使用する必要がある。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することが出来、例えば、スチレン/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することが出来る。また、キャリアの体積平均粒径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが高画質の確保とキャリアかぶり防止の観点から好ましい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
(画像形成方法)
次に、本発明の電子写真用トナーを用いる画像形成方法について説明する。
本発明において、画像形成の方式については特に限定されるものではない。例えば、感光体上に複数の画像を形成し、一括で転写する方式、感光体に形成された画像を転写ベルトなどに逐次転写する方式など、特に限定されないが、より好ましくは感光体上の複数の画像を形成し、一括で転写する方式である。
この方式は感光体に対して均一帯電させ第一の画像に応じた露光を与え、その後第一回目の現像を行い、感光体上に第一のトナー像を形成させる。次いで、その第一の画像が形成された感光体を均一帯電し第二の画像に応じた露光を与え、第二回目の現像を行い、感光体上に第二のトナー像を形成させる。更に第一及び第二の画像が形成された感光体を均一帯電し、第三の画像に応じた露光を与え、第三回目の現像を行い、感光体上に第三のトナー像を形成させる。更に第一、第二及び第三の画像が形成された感光体を均一帯電し、第四の画像に応じた露光を与え、第四回目の現像を行い、感光体上に第四のトナー像を形成させる。
例えば、第一回目をイエロー、第二回目をマゼンタ、第三回目をシアン、第四回目を黒トナーで現像することで、フルカラートナー画像を感光体上に形成するものである。その後、感光体上に形成された画像を紙等の画像支持体に一括して転写を行い、更に画像支持体に定着し、画像を形成する。
本方式では感光体上に形成された画像を一括して紙等に転写し、画像を形成する方式であるため、いわゆる中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写の回数が1回ですみ、画像品質を高くすることができる。
この場合、感光体に現像する方式としては複数の現像が必要であることから、非接触現像が好ましい。また、現像に際しては交番電界を印加する方式も好ましい方式である。
また前記した如く、現像方式としては像形成体上に重ね合わせカラー画像を形成し、一括転写する方式については非接触現像方式が好ましい。
また、高速化のためには、各色に対応した複数の感光体と現像装置を設け、複数の感光体上に形成された各色に対応した画像を順次中間転写体上に重ねて転写し、紙等の画像支持体に一括転写してフルカラー画像を得る方式が用いられる。この場合、現像方式として接触現像方式が採用でき、現像剤としては1成分現像剤、2成分現像剤のどちらも採用可能である。この方式はタンデム方式とも呼ばれ、1回の露光でモノクロ画像もフルカラー画像も同じ速度で画像形成が行えるため高速機で採用されている。
本発明に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式を挙げることができる。特に、接触加熱方式の代表的なものとして、熱ロール定着方式及び固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
(画像)
本発明の電子写真用トナーを使用して現像・転写・定着を行う画像形成において、その転写から定着の状態は、転写材の上に転写された本発明の電子写真用トナーが、定着後においてもその着色微粒子が崩壊せず、トナー粒子中に分散された状態で紙の表面に付着した状態である。
本発明においては、上記のように着色微粒子をトナー粒子中に分散させることにより、トナー粒子が高濃度の染料を含むにもかかわらず、染料がトナー粒子の表面に遊離しない(移行しない)ため、従来のように染料をそのまま熱可塑性樹脂(トナー結着樹脂)中に分散、もしくは、溶解して得られた染料がトナー粒子表面に露出しているトナーの問題点である、1)帯電量が低い、2)高温高湿下及び低温低湿下での帯電量の差が大きい(環境依存性)、3)着色剤の種類例えばフルカラー画像記録のようにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各顔料を用いる場合の各色トナーについて帯電量がばらつく、などを払拭することができる。また、転写材への熱定着の際、着色剤である染料の着色微粒子外への移行(着色微粒子表面への露出)が起こらないため、一般的な染料を使用したトナーにおいて問題となる熱定着時の染料の昇華やオイル汚染が生じることはない。
以上のとおり、所定の化学式からなるシアノ酢酸エステルを、酸触媒の共存下で加水分解することによりシアノ酢酸を合成する本発明の製造方法により、従来の課題は解決された。すなわち、酸触媒の種類および量、反応の終点におけるシアノ酢酸エステルの残存量および、反応時に生成するアルコール残存率量の組み合わせにより、反応で副生するマロン酸量を大幅に低減することが出来た。さらに、この方法により合成したシアノ酢酸を出発原料としたシアノ酢酸誘導体ならびに該誘導体を用いた金属含有化合物は、純度、収率ともに大幅に向上し、生産適性に優れた経済的な合成方法を見出すことが出来た。
以下に本発明の実施例にて説明するが、これらの態様に限定されるものではない。
[実施例1]
<シアノ酢酸の合成>
フラスコにシアノ酢酸エチル20g(0.1768モル)および純水100mlを加え、p-トルエンスルホン酸1水和物1.7g(5モル%)を添加した後、4時間還流させた。その後、ディーンシュタルクにより反応系内のエタノールおよび水を留去させながら合計6時間反応を行った。反応終了後、減圧下60〜70℃で水を濃縮し、60%のシアノ酢酸水溶液を得た。
(分析および評価)
反応の追跡は、ガスクロマトグラフィーにより行った(GLサイエンス社:GC390)。今回、シアノ酢酸エチルとシアノ酢酸の検量線データに照らし合わせ、シアノ酢酸エチルの含有量が概ね2モル%になった時点を終点とした。その時の含有エタノール量も同様にガスクロマトグラフィーにより定量を行った。試料のマロン酸含有量は、イオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス(株)製 イオンクロマトグラフDX−500)により、市販の基準品の検量線から定量を行った。
[実施例2〜13]
実施例1と同様の操作で、酸触媒およびその量、反応終点におけるエタノール量を種々変えた。
[比較例1〜5]
実施例1と同様の操作で反応を行ったが、反応の終点をシアノ酢酸がほぼ検出できなくなるレベルまで反応を継続した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2013199459
以上の結果から、本発明の方法により合成したシアノ酢酸は、副生成物であるマロン酸量が大幅に減少していることがわかる。なお、実施例8と同様の反応の終点において、シアノ酢酸エステルの残存量が4.8モル%(エタノール残存量12.8%、反応時間5.5時間)、0.7モル%(エタノール残存量8.2%、反応時間8時間)であった水準において、反応系内に含まれるマロン酸量はそれぞれ0.49質量%、0.65質量%であった。
なお、残存するエタノール量が60.8モル%のとき、シアノ酢酸エチルの残量は6.7モル%であった。シアノ酢酸エチルの残量が増えた場合、後工程のシアノ酢酸誘導体の不純物が増加する原因となり、実際の生産には好ましくない。
[比較例6(WO2011/010509A1に記載の方法)]
<シアノ酢酸誘導体、金属含有化合物の合成>
以下の方法により、シアノ酢酸誘導体である化合物B、C、および金属含有化合物である例示化合物5を合成した。
Figure 2013199459
化合物Bの合成(第2工程)
500mlの3つ口フラスコに化合物Aを90g、シアノ酢酸を21.5g、pートルエンスルホン酸−水和物を1.31g、トルエン300mlを加えてエステル管(ディーンシュタルク)を用いて脱水しながら2h加熱・還流し、溶媒を減圧留去後にアセトンを500ml加えて再結晶することにより化合物Bを94.4g(89.5%)得た。なお、反応の追跡を高速液体クロマトグラフを用い行った際、副生成物である一般式(3’)に相当する化合物(ここではDD4Mと称す)は単純面積比で0.65%観測された。
Figure 2013199459
化合物Cの合成(第3工程)
100mlの3つ口フラスコに化合物Bを5g、トルエン25ml、トリエチルアミン3.3g、塩化カルシウム2.42gを加えて80℃まで加熱、撹持した。内温が80℃に達した後に、アセチルクロライド2.1gを1hかけて滴下した。滴下終了後、冷却し、希塩酸で分液後に純水でpHを中性にして溶媒を留去した。トルエン50ml、酢酸エチル50mlを加えて、再結晶することで化合物Cを4.3g(78.8%)得た(1H−NMR、CDCI3δ=0.88(t、3H)、δ=1.20−1.28(m、28H)、δ=1.42(m、2H)、δ=1.76(m、2H)、δ=2.13(8、3H)、δ=3.01(t、2H)、δ=3.93(t、2H)、δ=4.48(t、2H)、δ=6.87(d、2H)、δ=7.19(d、2H)、δ=14.17(s、1H))。
例示化合物5の合成(第4工程)
200mlの3つ口フラスコに化合物Cを2g、アセトンを80ml加えて内温が55℃になるまで加熱、撹持した。その後MeOH/水=5/1の溶媒5mlに酢酸銅1水和物を0.55g溶解し、30分かけて滴下した。滴下終了後、析出している固体をろ過することで例示化合物5を1.4g(65.9%)得た(融点:146〜147℃)。結果を表2に示す。比較例6において、第2工程から第4工程までのトータル収率は46.5%であった。
[比較例7]
比較例1で作成したシアノ酢酸を用いて、比較例6と同様の操作で例示化合物5の合成を行った。但し、比較例6の再結晶操作を行わずに、全行程ランニングで合成を行った。結果を表2に示す。なお、表2中の各工程の数字は高速液体クロマトグラフの検量線を基にした反応率を示している。第2工程において、副生成物のDD4Mは4.4%観察され、第2工程から第4工程までのトータル収率は78.8%であった。
[実施例14]
実施例8で作成したシアノ酢酸を用いて、比較例6と同様の操作で例示化合物5の合成を行った。但し、比較例7と同様に再結晶操作を行わずに、全行程ランニングで合成を行った。なお、表2中の各工程の数字は高速液体クロマトグラフの検量線を基にした反応率を示している。第2工程において、副生成物のDD4Mは1.6%観察され、第2工程から第4工程までのトータル収率は82.9%であった。
[実施例15]
実施例8で作成したシアノ酢酸を用いて、比較例6と同様の操作で例示化合物5の合成を行った。但し、比較例7、実施例14と同様に再結晶操作を行わずに、全行程ランニングで合成を行った。なお、実施例14との相違点は下記である。
(第3工程)
反応には塩化カルシウムを用いず、トリエチルアミンを化合物Bに対して3倍モル用い、塩化アセチルの代わりに無水酢酸を化合物Bに対して1.1倍モル用いて反応温度40〜50℃で8時間反応を行った。
(第4工程)
反応溶媒をトルエン―メタノール混合溶媒とし、酢酸銅の代わりに塩化銅1水和物を化合物Cに対し0.55倍モル用い、ナトリウムメトキシドを化合物Cに対し0.95倍モル用いた。結果を表2に示す。なお、表2中の各工程の数字は高速液体クロマトグラフの検量線を基にした反応率を示している。第2工程において、副生成物のDD4Mは1.6%観察され、トータル収率は94.0%であった。
[比較例8]
比較例5で作成したシアノ酢酸を用い、実施例15と同様の操作で第2工程から第4工程まで反応を行った。結果を表2に示す。なお、表2中の各工程の数字は高速液体クロマトグラフの検量線を基にした反応率を示している。第2工程において、副生成物のDD4Mは5.8%観察され、トータル収率は86.6%であった。
Figure 2013199459
実施例14、15、比較例6〜8の結果から、本発明の方法で製造したシアノ酢酸を用いた場合、後工程のシアノ酢酸誘導体及び金属含有化合物の製造工程における副生成物の量が激減し、前工程ランニングにおける収率も大幅に向上することがわかる。
[実施例16〜22]
実施例15と同様の方法を用いて、例示化合物8、11、15、17、22、24、27を合成した。
これらの結果を表3に示す。なお、ここで言う純度とは、例示化合物を合成、乾燥後、試料の銅の定量をICPによって行った結果と理論値(N―5)の平均値である。
すなわち、
純度(%)= (ICPによる銅の定量結果)/(化合物の銅含量の理論値)×100 (5回測定の平均値)
比較例6〜8の結果も合わせて表3に示す。
Figure 2013199459
また、実施例15の方法において、第4工程の後処理に再加熱、水洗濃縮、トルエン−メタノールによる再結晶を施すと、トータル収率は92.7%と若干低下するが、純度は99.95%まで向上する。
以上の結果から、本発明の方法により合成したシアノ酢酸を用いたシアノ酢酸誘導体および、金属含有化合物の合成において、副反応を十分抑制でき、各工程における精製を必要せずに最終生成物を得ることができ、全体収率も大幅に向上することで、経済的に十分有利な合成法を見出すことができた。
1 トナー粒子
2 熱可塑性樹脂
3 着色微粒子
4 樹脂
5 油溶性染料
6 内部(コア)
7 外殻樹脂(シェル)

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを酸触媒の共存下で加水分解し、シアノ酢酸を得るシアノ酢酸の製造方法であって、
    反応の終点において、生成したシアノ酢酸に対し、下記一般式(1)のシアノ酢酸エステルを0.5〜5モル%含み、反応時に生成するアルコールを0.5〜60モル%含み、かつマロン酸の含有量が生成したシアノ酢酸に対し1.0質量%以下であることを特徴とするシアノ酢酸の製造方法。
    Figure 2013199459
    [式中、Rはエチル基またはメチル基を表す。]
  2. 前記酸触媒が硫酸、塩酸、酢酸、シアノ酢酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸から選択されることを特徴とする請求項1に記載のシアノ酢酸の製造方法。
  3. 前記酸触媒を、前記反応に供する一般式(1)のシアノ酢酸エステルに対し0.2〜10モル%使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシアノ酢酸の製造方法。
  4. 前記反応中に生成するアルコールを流去する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシアノ酢酸の製造方法。
  5. 下記一般式(2)で表される化合物と、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたシアノ酢酸とを反応させて、下記一般式(3)で表されるシアノ酢酸誘導体を製造することを特徴とするシアノ酢酸誘導体の製造方法。
    Figure 2013199459
    [式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表す。]
    Figure 2013199459
    [式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表す。]
  6. 前記請求項5に記載の方法で得られた一般式(3)で表される化合物を酸塩化物もしくは酸無水物と反応させて下記一般式(4)で表される化合物を製造した後、さらに下記一般式(4)で表される化合物を塩化銅もしくは酢酸銅と反応させて、下記一般式(5)で表される金属含有化合物を製造することを特徴とする金属含有化合物の製造方法。
    Figure 2013199459
    [式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表し、Rはアルキル基を表す。]
    Figure 2013199459
    [式中、Rは炭素数が9以上でかつ芳香族炭化水素構造を含有する基を表し、Rはアルキル基を表す。]
  7. 前記一般式(5)で表される金属含有化合物の製造方法において、前記一般式(3)で表される化合物及び前記一般式(4)で表される化合物を精製することなく、前記一般式(5)の金属含有化合物を製造することを特徴とする請求項6に記載の金属含有化合物の製造方法。
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