JP2013197169A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエハを薄板化した際のウエハ強度の低下を防ぐことで、ウエハ割れの発生を防ぐ。
【解決手段】ウエハ10の第1主面に、逆阻止型IGBTのおもて面素子構造、耐圧構造部のおもて面素子構造、分離構造部のp型分離領域を形成する。逆阻止型IGBTのおもて面素子構造および耐圧構造部のおもて面素子構造は、ウエハ10の素子形成領域1に形成される。分離構造部のp型分離領域は、素子形成領域1の素子端部側に耐圧構造部を囲むように形成される。つぎに、ウエハ10の第2主面側からウエハ10を薄板化した後、ウエハ10の第2主面にp型分離領域に達する溝3を形成する。このとき、溝3の交点への直線を3とする。つぎに、ウエハ10の第2主面にp型コレクタ層を形成するとともに、溝3の側壁にp型コレクタ層およびp型分離領域に接するp型層を形成することで逆阻止型IGBTが完成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体装置の製造方法に関する。
従来、電力用半導体素子の一つであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)の高速スイッチング特性および電圧駆動特性と、バイポーラトランジスタの低オン電圧特性を有するワンチップのパワー素子である。その応用範囲は、汎用インバータ、ACサーボ、無停電電源(UPS)またはスイッチング電源などの産業分野から、電子レンジ、炊飯器またはストロボなどの民生機器分野へと拡大してきている。
また、AC(交流)/AC変換を行うため、直接リンク形変換回路等のマトリックスコンバータの用途に双方向スイッチング素子を使用することにより、回路の小型化、軽量化、高効率化、高速応答化および低コスト化を図る研究がなされるようになった。そこで、逆耐圧を有するIGBTを逆並列接続することにより前記双方向スイッチング素子を構成するために、逆耐圧を有するIGBT(以下、逆阻止型IGBTとする)が要望されている。このような逆阻止型IGBTの構成について説明する。
図3は、逆阻止型IGBTの構成の要部を示す断面図である。図3には、逆阻止型IGBT100の耐圧構造部110近傍の断面構造を示す。逆阻止型IGBT100は、活性領域104と、耐圧を保持するための耐圧構造部110と、逆耐圧を保持するための分離構造部120と、を備える。耐圧構造部110は活性領域を囲み、分離構造部120は耐圧構造部110を囲む。活性領域において、n型ドリフト領域となる半導体基板101の第1主面(おもて面)にはIGBTのMOSゲート構造やエミッタ電極(不図示)が形成されている。MOSゲート構造とは、選択的に形成されたp型ベース領域103に不図示のn型エミッタ領域が選択的に形成され、更に半導体基板上にゲート絶縁膜105とポリシリコンからなるゲート電極106を含む構造を指す。なお、p型ベース領域103は、ストライプ形や多角形の形状とすることができ、ゲート絶縁膜105とゲート電極106は、図示のプレーナ形の他にトレンチ形としてもよい。
耐圧構造部110において、半導体基板101の第1主面の表面層には、p型フィールドリミッティングリング111およびp型チャネルストッパー112が形成されている。p型チャネルストッパー112は、耐圧構造部110の素子端部側に形成されている。p型フィールドリミッティングリング111およびp型チャネルストッパー112には、それぞれ導電膜113,115が接続されている。各導電膜113,115は層間絶縁膜114によって互いに絶縁されている。
半導体基板101の第2主面(裏面)の表面層には、活性領域104から耐圧構造部110にわたってp型コレクタ層102が形成されている。そして、逆阻止型IGBT100の逆耐圧を保持するためには、半導体基板101の第2主面側に設けられたp型コレクタ層102と、半導体基板101の第1主面側に設けられたp型チャネルストッパー112とが接続されている必要がある。このため、半導体基板101の素子端部の分離構造部120には、p型コレクタ層102とp型チャネルストッパー112とに接するp型分離領域121が形成される。
p型分離領域121は、例えば、半導体基板101の第1主面側から第2主面にまで達する深い拡散によって、半導体基板101の厚さと同じ深さの拡散層として形成することができる。このようにp型分離領域121となる拡散層を形成する場合、耐圧クラスごとのn型ドリフト領域の厚さに応じた深さで拡散層を形成する必要がある。具体的には、p型分離領域121となる拡散層の深さは、600V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて120μm以上とし、1200V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて200μm以上とする必要がある。しかしながら、120μm以上の深さで拡散層を形成するためには、1300℃の温度で100時間以上の熱処理を行う必要があるので実用的ではない。
このような問題を解消するため、図3に示すように、半導体基板101の第2主面側から第1主面に形成された溝130に達する深さで半導体基板101の厚さよりも浅く形成されたp型分離領域121と、溝130の側壁部に形成されたp型層131とによって、p型コレクタ層102とp型チャネルストッパー112とを接続した逆阻止型IGBT100が公知である。このように溝130の側壁部にp型層131が形成されていることにより、逆阻止型IGBT100は、半導体基板101の第1主面側から第2主面にまで達する深い拡散層を備えた逆阻止型IGBTと同程度の逆耐圧を得ることができる。
具体的には、逆阻止型IGBT100は、例えば、次のように作製(製造)される。まず、半導体基板101の第1主面側から第2主面に達しない所定の深さでp型分離領域121を形成する。つぎに、半導体基板101の第1主面にMOSゲート構造やエミッタ電極などのおもて面素子構造および耐圧構造部110のおもて面素子構造を形成する。耐圧構造部110のおもて面素子構造として形成されるp型チャネルストッパー112は、p型分離領域121に接するように形成される。
つぎに、半導体基板101の第2主面側からp型分離領域121に達する溝130を形成する。溝130は、耐圧構造部110を囲むように形成される。そして、半導体基板101の第2主面の表面層にp型コレクタ層102を形成するとともに、溝130の側壁部の表面層に、p型コレクタ層102およびp型分離領域121に接するp型層131を形成する。その後、p型コレクタ層102およびp型層131に接するコレクタ電極(不図示)を形成する。
このような逆阻止型IGBT100は、ウエハの各素子形成領域にそれぞれ形成される。溝130は、ウエハの素子形成領域を囲むダイシングライン上に形成される。そして、溝130の底面の短手方向の幅よりも狭い幅を有するダイシングブレードを用いて溝130に沿ってウエハをダイシングし、ウエハに形成された複数の逆阻止型IGBT100をそれぞれチップ状に切り出す。これにより、逆阻止型IGBT100が完成する。
逆阻止型IGBTの製造方法として、次の方法が提案されている。IGBTのプレーナ型の耐圧構造の外側にポジティブベベル構造を形成する。プレーナ型の耐圧構造で順方向耐圧を出し、ポジティブベベル構造で逆方向耐圧を出す。ベベル面(半導体基板の端面)にp領域を形成することで、逆方向耐圧を有する半導体装置が得られる(例えば、下記特許文献1参照。)。
つぎに、逆阻止型IGBT100が形成されたウエハにおける溝130の配置について説明する。図4は、従来の半導体装置の製造途中のウエハの状態を示す説明図である。図4の上側に、ウエハ200の第2主面に形成された溝130の平面レイアウトを点線で示す。図4の中央および下側に、切断線A−A,B−Bで切断したウエハ200の断面構造を示す。切断線A−Aで切断した断面は、溝130をその短手方向に複数の素子形成領域201を横切るように切断した断面構造である。溝130の幅は100μm〜250μm程度である。切断線B−Bで切断した断面は、溝130をその長手方向に切断した断面構造である。
図4に示すように、ウエハ200の各素子形成領域201に逆阻止型IGBT(不図示)が形成されることにより、ウエハ200の第2主面に格子状に溝130が形成される。溝130は、ウエハ200の外周端部(側面)から所定間隔を隔てた内側に形成される。具体的には、切断線A−Aで切断したウエハ200の断面においては、溝130は、ウエハ200の第2主面に一定の間隔で、溝の幅が100μm〜250μm程度で形成され、ウエハ200の第2主面の外周端部には形成されていない。
一方、切断線B−Bで切断したウエハ200の断面においては、溝130は、ウエハ200の第2主面の外周端部から他方の外周端部にわたって形成され、ウエハ200を横方向(素子の深さ方向に垂直な方向)に貫通する。このため、切断線B−Bで切断したウエハ200の断面において、ウエハ200の厚さは一様に薄くなる。
ウエハに素子構造を形成する方法として、素子領域を確定するリソグラフィー工程において、エッチングマスクとなる絶縁膜を堆積した半導体基板上にフォトレジストを塗布する工程と、有効チップを露光し、かつ、有効チップ外のウエハ周辺部を、有効チップと同じレチクルを用いてダミーとして露光した上で現像し、被エッチング面積がウエハ全体の60%以上となる最小数だけ露光して被エッチング領域とする工程とを備えた方法が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
また、別の方法として、半導体ウエハの有効処理領域内に位置し、半導体集積回路装置を構成する製品チップが形成される製品チップ領域、および、前記半導体ウエハの外周部に位置し、前記製品チップとはならない不完全チップが形成される擬似チップ領域を含む半導体ウエハを処理する半導体集積回路装置の製造方法であって、前記製品チップ領域の絶縁膜に半導体集積回路素子を構成する導電性の素子構成部材が形成される凹部を形成すると同時に、前記周辺チップ領域の絶縁膜に前記凹部のパターン寸法の2倍以上1mm以下の擬似凹部を形成する第1の工程と、前記半導体ウエハの全面に前記凹部および擬似凹部の内面を含む前記絶縁膜の表面に導電膜を堆積し、前記導電膜をCMP法により研磨して前記絶縁膜の表面の前記導電膜を除去することにより前記凹部内面および疑似凹部内面に導電性の素子形成部材を形成する第2の工程と、を含む方法が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
さらに、ウエハに溝を形成する方法として、レジストパターンをマスクとして配線パターンを形成する際に、ウエハ周辺部の無効パターン領域にもレジストパターンを部分的に形成する方法が提案されている(例えば、下記特許文献4参照。)。
特開2001−185727号公報 特許第3285146号公報 特許第3556437号公報 特開2004−207553号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、次のような問題が生じることが新たに判明した。上述した図4の切断線B−Bで切断した断面に示すようにウエハ200の外周端部202に達する溝130を形成した場合、ウエハプロセス処理中やウエハ搬送時、ウエハハンドリング時に、高い頻度でウエハ200に割れが生じた。ウエハ200の割れは、ウエハ200の外周端部202近傍の溝130を基点として生じることが確認された。割れの生じたウエハ200は、その後のウエハプロセスの製造ラインに載せることができない。したがって、ウエハ200の良品率が低下するという問題が生じる。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、半導体ウエハの割れを低減させることのできる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、第1導電型の半導体ウエハの第1主面に、半導体素子のゲート電極からなるMOSゲート構造および第1電極と、前記半導体素子の順耐圧を保持するための耐圧構造部と、前記半導体素子および前記耐圧構造部を囲む第2導電型の第1半導体領域と、を形成する工程を行う。つぎに、前記半導体ウエハの第2主面から前記第1半導体領域に達する溝を形成する工程を行う。つぎに、前記半導体ウエハの第2主面に第2導電型の第2半導体領域を形成するとともに、前記溝の側壁に前記第1半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接する第2導電型の第3半導体領域を形成する工程を行う。つぎに、前記第2半導体領域に電気的に接する第2電極を形成する工程を行う。このとき、前記溝を形成する工程では、前記溝の交点への直線が3つとなるように前記溝を形成する。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記溝を形成する工程では、前記交点がT字状となるように前記溝を形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記溝の断面形状は、台形状または円形状であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記溝を形成する工程では、前記半導体素子および前記耐圧構造部を囲むように前記溝を形成することを特徴とする。
上述した発明によれば、ウエハに形成された半導体素子および耐圧構造部を囲む溝を当該ウエハに形成する際に、溝の長手方向の端部がウエハの外周端部に達しないように当該溝を形成する。このため、ウエハプロセス処理中やウエハ搬送時、ウエハハンドリング時に、ウエハ10に割れが生じることを低減することができる。
本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、半導体ウエハの割れを低減させることができるという効果を奏する。
図1は、実施例にかかる半導体装置の製造途中のウエハの状態を示す平面図である。 図2は、実施例にかかるウエハ外周端部の端部形状について模式的に示す断面図である。 図3は、逆阻止型IGBTの構成の要部を示す断面図である。 図4は、従来の半導体装置の製造途中のウエハの状態を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施例にかかる半導体装置の製造途中のウエハ10の状態を示す平面図である。
図1に示すように、ウエハ10の各素子形成領域1には、それぞれ半導体装置の素子構造(不図示)が形成される。ウエハ10に形成される半導体装置は、例えば、逆耐圧を有するIGBT(逆阻止型IGBT)である(図3参照)。逆阻止型IGBTは、オン状態のときに電流が流れる活性領域と、順耐圧を保持するための耐圧構造部と、逆耐圧を保持するための分離構造部と、を備える。すなわち、活性領域、耐圧構造部および分離構造部は、各素子形成領域1内に形成される。
各素子形成領域1の活性領域において、n型ドリフト領域となるn型のウエハ10の第1主面(おもて面)には、ベース領域、エミッタ領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極からなるMOSゲート構造およびエミッタ電極(第1電極)など、例えばIGBTのおもて面素子構造が形成される。
耐圧構造部は、活性領域を囲むように形成される。各素子形成領域1の耐圧構造部において、ウエハ10の第1主面の表面層には、p型フィールドリミッティングリングおよびp型チャネルストッパーなどの耐圧構造部のおもて面素子構造が形成される。p型チャネルストッパーは、p型フィールドリミッティングリングと離れて、耐圧構造部の素子端部側に形成される。p型フィールドリミッティングリングおよびp型チャネルストッパーには、それぞれ導電膜が接続される。各導電膜は、層間絶縁膜によって互いに絶縁される。
分離構造部は、各素子形成領域1の素子端部側に耐圧構造部を囲むように形成される。各素子形成領域1の分離構造部において、ウエハ10の第1主面の表面層には、ウエハ10の第2主面に達しない所定の深さで逆阻止型IGBTの逆耐圧を保持するためp型分離領域(第1半導体領域)が形成される。p型分離領域は、例えばイオン注入および熱処理による拡散によって形成される。また、p型分離領域は、p型チャネルストッパーに接するように形成される。
そして、ウエハ10は、上述したように第1主面側に逆阻止型IGBTのおもて面素子構造、耐圧構造部のおもて面素子構造および分離構造部が形成された後、第2主面(裏面)側から薄板化される。薄板化されたウエハ10の第2主面には、p型分離領域に達する溝3が形成される。溝3は、ウエハ10の第2主面の外周端部(側面)2に達しないように形成される。すなわち、溝3は、ウエハの横方向(素子の深さ方向に垂直な方向)に貫通しないように形成される。また、溝3は、活性領域および耐圧構造部を囲むように、例えばウエハ10の素子形成領域1を囲むダイシングライン上に形成される。
具体的には、溝3は、ウエハ10の第2主面に形成したレジストマスクをマスクとして、例えばウェットエッチングやドライエッチングによって形成される。また、溝3は、ウエハ10の外周端部2から内側に所定の幅で当該ウエハ10を残すように、ウエハ10の外周端部よりも内側に形成される。すなわち、溝3は、溝3の長手方向の端部がウエハ10の外周端部2に達しないように形成される。そして、溝3における交点は直線が3つとなるT字状に形成される。このように溝3を形成することにより、製造途中でウエハ10の割れを低減することができる。
なお、溝3が十文字の交点でなく、T字状の交点となっているが、レーザーダイシング技術により、溝3の断面中央をダイシング中心として加工することで、容易にチップ化することができ、またダイシング時にウエハ10が予期せぬ場所で割れることがない。
ウエハ10の外周端部2から内側に残される部分の幅、すなわち、ウエハ10の外周端部2からウエハ10の外周端部2に最も近い溝3の側壁上端までの距離(以下、溝・ウエハ外周端部間の最短距離とする)は、1200V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて5mm以上であり、1700V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて7mm以上であるのが好ましい。溝・ウエハ外周端部間の最短距離を大きくしすぎた場合、1枚のウエハ10から切り出されるチップ枚数が減少してコストが増大するため、逆阻止型IGBTの構成や耐圧クラスに合わせて溝・ウエハ外周端部間の最短距離を適宜変更するのが好ましい。例えば、外周端部の距離を大きくとり、ウエハあたりのチップ取れ数を97個から69個まで減少させれば、溝の交点が十文字であってもウエハ強度が増し、割れ不良がなくなるが、チップ取れ数が減ってしまう。これに対し、チップ取れ数が97個の場合に、溝の交点が十文字だと20%の割れ不良が発生したが、チップ取れ数を97個とした溝のT字状の実施例では割れ不良が発生しなかった。
薄板化後のウエハ10の厚さは、1200V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて例えば190μm程度であり、1700V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて例えば270μm程度であってもよい。溝3の深さは、1200V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて85μm以下であり、1700V耐圧クラスの逆阻止型IGBTにおいて175μm以下であってもよい。溝3の形成方法については後述する。溝3が形成されたウエハ10の断面形状については後述する。
また、ウエハ10の第2主面の表面層には、溝3を形成するためのレジストマスクが除去された後に、活性領域から耐圧構造部にわたって逆阻止型IGBTのp型コレクタ層(第2半導体領域:不図示)が形成される。そして、溝3の側壁部の表面層には、p型コレクタ層およびp型分離領域に接するp型層(第3半導体領域)が形成される。すなわち、ウエハ10の第1主面側から所定の深さで形成されたp型分離領域と、溝3の側壁部に形成されたp型層とによって、p型コレクタ層とp型チャネルストッパーとが接続される。p型層は、例えばp型コレクタ層と同時に形成される。
さらに、ウエハ10の第2主面側には、p型コレクタ層およびp型層に接するコレクタ電極(第2電極)が形成される。コレクタ電極は、例えば、化学気相成長法やスパッタリング法などの物理気相成長法によって形成される。このようにして、図1の平面図に点線で示すように、ウエハ10の第2主面に、ウエハ10の外周端部2に達しないようにT字状に溝3が形成される。その後、ウエハ10は、溝3の底面の短手方向の幅の中心でレーザーダイシングを用いてダイシングされチップ状に切断される。これにより、ウエハ10の各素子形成領域1に形成された逆阻止型IGBTが個々のチップに切断され、逆阻止型IGBTが完成する。
つぎに、例えばウェットエッチングによって溝3の形成方法について説明する。まず、逆阻止型IGBTのおもて面素子構造(耐圧構造部のおもて面素子構造および分離構造部のp型分離領域も含む)が形成されたウエハ10の第1主面を保護レジストによって保護する。そして、保護レジストの表面にテープを貼り付ける。逆阻止型IGBTのおもて面素子構造、耐圧構造部のおもて面素子構造および分離構造部のp型分離領域は、例えば従来と同様の方法で形成されてもよい。つぎに、ウエハ10のテープが貼り付けられた第1主面側を下にして、ウエハ10を例えばステージに固定する。
つぎに、例えば研削またはエッチングによって、ウエハ10の第2主面側からウエハ10を均一に除去してウエハ10を薄板化する。ウエハ10の第1主面に保護レジストが形成される際にウエハ10の第1主面から側面および第2主面にまたがって保護レジストが形成されるが、ウエハ10の裏面に形成された保護レジストは、ウエハ10の第2主面側からウエハ10が薄板化されることによって除去される。ウエハ10を薄板化した後、ウエハ10の第1主面からテープを剥離する。
つぎに、フォトリソグラフィーによって、ウエハ10の第2主面に、溝3の形成領域が開口するレジストマスクを形成する。レジストマスクの開口部は、ウエハ10の第2主面に塗布されたレジストの、ウエハ10の外周端部2から少なくとも溝・ウエハ外周端部間の最短距離分だけウエハ10の内側までの領域に対応する部分には形成されない。つぎに、ウエハ10全体をアルカリ溶液に浸漬してウェットエッチングを行い、レジストマスクの開口部に露出するウエハ10を除去する。これにより、ウエハ10の第2主面に溝3が形成される。溝3は、ウエハ10の第1主面に形成されたp分離領域に達する深さとなるように形成される。
溝3を形成するためのレジストマスクは、溝3のパターンをレジストに露光および現像することによって形成されてもよい。具体的には、ステッパーを用いてウエハ10の第2主面に塗布された例えばレジストを露光する。このとき、ウエハ10の第2主面に塗布されたレジストの、ウエハ10の外周端部2から少なくとも溝・ウエハ外周端部間の最短距離分だけウエハ10の内側までの領域に対応する部分に溝3のパターンを露光しないように露光条件を設定する。
つぎに、溝3が形成されたウエハ10の断面形状について説明する。図1のウエハ10の平面図に示すように、溝3は、ウエハ10の外周端部2に達しないようにT字状の平面レイアウトで配置される。このため、ウエハ10の外周端部における厚さは、ウエハ10の中央部の溝3が形成されている部分に比べて厚くなる。図1のウエハ10の実施例では、溝3の側壁は、ウエハ10の第1主面に対して垂直であるが、ウエハ10の第1主面に対して斜度を有するようにしてもよい。
つぎに、ウエハ10に形成される溝3の断面形状の異なる実施例について説明する。溝3は、溝3の開口部の幅が溝3の底面の幅よりも広い台形状の断面形状を有する。また、溝3の側壁に(110)面が露出するように溝3を形成するのが好ましい。その理由は、溝3の側壁を平坦な面にすることができるので、溝3の側壁に形成されるp型層の拡散深さを均一にすることができるからである。このような台形状の断面形状を有する溝3は、例えばウェットエッチングによって形成される。
具体的には、溝3は、レジストマスク11をマスクとして、異方性エッチングによってp型分離領域4に達する深さで形成される。異方性エッチングによって溝3の底面の延長線と溝3の側壁とのなす角θが鋭角になり、台形状の断面形状を有する溝3が形成される。
また、溝3の断面形状は、略矩形状としてもよい(不図示)。略矩形状の断面形状を有する溝3は、例えばドライエッチングによって形成される。具体的には、溝3は、レジストマスクをマスクとして、等方性エッチングによってp型分離領域に達する深さで形成される。異方性エッチングによって溝3を形成することによって、溝3の底面の延長線と溝3の側壁とのなす角θが略90°程度となり、略矩形状の断面形状を有する溝3が形成される。
以上、説明したように、実施例にかかる半導体装置の製造方法によれば、ウエハ10の素子形成領域1の分離構造部に溝3を形成する際に、溝3の長手方向の端部がウエハ10の外周端部に達しない溝の交点がT字状に当該溝3を形成する。このため、ウエハプロセス処理中やウエハ搬送時、ウエハハンドリング時に、ウエハ10に割れが生じること低減することができる。したがって、ウエハ10の第1主面側から第2主面にまで達する深い拡散層を備えた逆阻止型IGBTと比べて、ウエハ10の良品率を向上することができる。
また、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法によれば、ウエハ10の第1主面に形成したp型分離領域とp型コレクタ層とをp型層によって電気的に接続した逆阻止型IGBTの製造方法に適用することができる。このため、p型分離領域を形成するための1300℃の温度で100時間以上の熱処理を行うことなく、ウエハ10の第1主面側から第2主面にまで達する深い拡散層を備えた逆阻止型IGBTと同程度の逆耐圧を有する逆阻止型IGBTを良品率よく製造することができる。
つぎに、耐圧クラスが低いほどウエハ10の割れ発生率が低くなることについて検証した。図2は、実施例にかかるウエハ外周端部の端部形状について模式的に示す断面図である。実施例にしたがい、ウエハ10の第1主面側に逆阻止型IGBTのおもて面素子構造などを形成する処理から、ウエハ10の第2主面側にp型コレクタ領域およびp型層を形成するまでの処理を行った。そして、ウエハ10の第1主面のおもて面素子構造を保護する保護レジスト、およびウエハ10の第2主面に溝を形成するためのレジストマスクを除去した後の、ウエハ10の外周端部2の端部形状を観察した。
具体的には、ウエハ10に上記p型コレクタ領域およびp型層を形成するまでの処理を行い、耐圧クラス1200Vの逆阻止型IGBTが形成されたウエハ10(以下、第1ウエハとする)と、耐圧クラス1700Vの逆阻止型IGBTが形成されたウエハ10(以下、第2ウエハとする)とを準備した。第1ウエハの薄板化後の厚さを190μmとした。第2ウエハの薄板化後の厚さを270μmとした。このような第1,2ウエハの外周端部2の端部形状を観察した。
図2(a),2(b)に、それぞれ第1,2ウエハの外周端部2の端部形状を示す。図2(a),2(b)においては図示を省略するが、第1,2ウエハには素子構造や溝が形成されている。図2(a),2(b)に示すように、第1ウエハの外周端部2の端部形状は、第2ウエハの外周端部2の端部形状に比べて鋭角になることが確認された。このように、第1ウエハの厚さは第2ウエハよりも薄い。かつ、第1ウエハの外周端部2の端部形状は、第2ウエハの端部形状に比べて鋭角になっている。このため、例えば、ウエハをウエハキャリアに収納する際にウエハキャリア内の仕切り部にウエハ端部が接触したとしても、第1ウエハは、第2ウエハよりも容易に変形し、ウエハキャリア内の仕切り部との接触による摩擦が第2ウエハの場合よりも少ない。これにより、第1ウエハは、第2ウエハよりも割れ発生率が低くなると推測される。
また、第1ウエハのような耐圧クラス1700V未満の逆阻止型IGBTが形成されたウエハの厚さは、その耐圧クラスに応じて、耐圧クラス1700Vの逆阻止型IGBTが形成された第2ウエハよりも薄くなる。このため、第1ウエハのような耐圧クラス1700V未満の逆阻止型IGBTが形成されたウエハの外周端部2は、そのウエハの厚さに応じて、耐圧クラス1700Vの逆阻止型IGBTが形成された第2ウエハの外周端部2よりも端部形状が鋭角になる。したがって、耐圧クラス1700V未満の逆阻止型IGBTが形成されたウエハは、耐圧クラス1700Vの逆阻止型IGBTが形成された第2ウエハよりも割れ発生率が低くなることが検証された。
以上において本発明では、逆阻止型IGBTを例に説明しているが、上述した実施の形態に限らず、素子端部に溝を備える半導体装置に適用することが可能である。
以上のように、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、汎用インバータ、ACサーボ、無停電電源またはスイッチング電源などの産業分野から、電子レンジ、炊飯器またはストロボなどの民生機器分野において使用されるパワー半導体装置を製造するのに有用である。
1 素子形成領域
2 ウエハの外周端部
3 溝
10 ウエハ

Claims (4)

  1. 第1導電型の半導体ウエハの第1主面に、半導体素子のゲート電極からなるMOSゲート構造および第1電極と、前記半導体素子の耐圧を保持するための耐圧構造部と、前記半導体素子および前記耐圧構造部を囲む第2導電型の第1半導体領域と、を形成する工程と、
    前記半導体ウエハの第2主面から前記第1半導体領域に達する溝を形成する工程と、
    前記半導体ウエハの第2主面に第2導電型の第2半導体領域を形成するとともに、前記溝の側壁に前記第1半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接する第2導電型の第3半導体領域を形成する工程と、
    前記第2半導体領域に電気的に接する第2電極を形成する工程と、
    を含み、
    前記溝を形成する工程では、前記溝の交点への直線が3つとなるように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記溝を形成する工程では、前記交点がT字状となるように前記溝を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記溝の断面形状は、台形状または円形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記溝を形成する工程では、前記半導体素子および前記耐圧構造部を囲むように前記溝を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
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