JP2013188987A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2で開示されているスルホナート化合物は、増感剤であって顕色剤ではない。特許文献2で具体的に開示されている化合物は電子受容性基を持っておらず顕色作用のないものである。
さらに、特許文献3には、ビス(フェノールスルホン酸)エステル化合物が開示されているが、該化合物はいずれも記録部画像の保存性は高いものの、融点が高く、低印加エネルギーでの発色感度(すなわち、立ち上がり感度)の低いものである。
[1] 支持体の少なくとも片面上に、無色又は淡色の塩基性ロイコ染料、顕色剤及び増感剤を含有する感熱記録層が積層された感熱記録材料であって、
顕色剤が、下記一般式(1)で表されるフェノールスルホン酸アリールエステルを少なくとも1種以上含有し、
増感剤が、第1増感剤として下記一般式(2)で表されるスルホンアミド系化合物を少なくとも1種以上含有し、さらに、第1増感剤以外の増感剤を少なくとも一種以上含有するものであって、感熱記録層に含有される増感剤全量中の第1増感剤の割合が1重量%以上90重量%以下であること特徴とする感熱記録材料、
[2] 第1増感剤以外の増感剤が、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、ジフェニルスルホン、炭素数10〜21の脂肪酸アミド、β−ベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)及びシュウ酸ジベンジルからなる群より選ばれる少なくとも一種である、上記[1]に記載の感熱記録材料、
[3] 感熱記録層が、さらにヒンダードフェノール系化合物を含有する、上記[1]又は[2]に記載の感熱記録材料、及び
[4] ヒンダードフェノール系化合物が、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物及び下記一般式(5)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の感熱記録材料、
を提供するものである。
さらに本発明によれば、白紙部と記録部画像の保存性をさらに向上させるために、感熱記録層上に保護層を設けた場合であっても、極めて高い立ち上がり感度を得ることが可能である。
一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基又はヒドロキシ基を示し、且つ、R1及びR2は同時に水素原子を示さない。R1及びR2は、同一でも異なっていても良く、同一であることが好ましいが、同時に水素原子を示さない。
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、且つ、R1及びR2は同時に水素原子を示さず;
R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルキル基(好ましくは、メチル基又はエチル基)を示し;
mは、0〜2の整数(好ましくは0又は1)を示し;
nは、0〜2の整数(好ましくは0又は1)を示す
化合物である。
一般式(1A)中、R1a及びR2aは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、且つ、R1a及びR2aが同時に水素原子を示さない。また、R1a及びR2aは、同一でも異なっていても良く、同一であることが好ましいが、同時に水素原子を示さない。
また、maが1である場合、R3aは、ベンゼン環の4位の位置(スルホニル基に対してパラ位)に置換されていることが好ましい。
R3aは、炭素数1〜8のアルキル基(好ましくは、メチル基又はエチル基)を示し;
maは、0〜2の整数(好ましくは0又は1)を示す
化合物である。
感熱記録層には、顕色剤として、上記一般式(1)で表されるフェノールスルホン酸アリールエステル(すなわち、第1顕色剤)に加え、その他の顕色剤(以下、「第2顕色剤」とも称す)を含有することができる。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、特許第3913820号公報記載のビスフェノールスルホン架橋型化合物、特許第4004289号公報記載のビスフェノールスルホン誘導体化合物等
<ビスフェノール系化合物>
4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)等
<ウレア系化合物>
4,4’−ビス(3−(フェノキシカルボニルアミノ)メチルフェニルウレイド)ジフェニルスルホン、特許第4601174号公報に記載されたN−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニル−オキシ−フェニル)ウレア化合物等
<ノボラック型フェノール系化合物>
国際公開第02/098674号パンフレットに記載のフェノール−ホルマリン縮合物等
<その他>
活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、国際公開第02/081229号パンフレットあるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
本発明において、感熱記録層は、無色ないし淡色の塩基性(電子供与性)ロイコ染料を含有する。かかる無色ないし淡色の塩基性(電子供与性)ロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系化合物、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的なロイコ染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕;
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン;
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン;
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン;
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン;
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン;
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;
2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;
2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕;
3,6,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド;
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド;
3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド;
3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド;
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム;
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム;
1,1−ビス−〔2’,2’,2’’,2’’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン;
1,1−ビス−〔2’,2’,2’’,2’’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン;
1,1−ビス−〔2’,2’,2’’,2’’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン;
ビス−〔2,2,2’,2’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明において、感熱記録層は、下記一般式(2)で表されるスルホンアミド系化合物を少なくとも1種以上含有する。
一般式(2)において、Riは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はアリールオキシ基を示す。
である化合物である。
本発明の感熱記録材料において、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、白紙部と記録部画像の保存性向上等のため、感熱記録層は安定剤を含有させることができる。かかる安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、4,4’−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等、あるいはベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤が挙げられるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの安定剤は、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも特に好ましくは、ヒンダードフェノール系化合物である。
本発明で使用するヒンダードフェノール系化合物は、一分子中に、通常1個以上、15個以下、好ましくは2個以上、6個以下のフェノール基を有し、分子量が通常200以上、2000以下、好ましくは250以上、1800以下、より好ましくは300以上、1500以下の化合物である。
本発明において、その他の成分として上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲でバインダー、架橋剤、顔料、滑剤、その他の助剤なども感熱記録層に使用できる。また、バインダー、架橋剤、顔料、滑剤、その他の助剤などは、感熱記録層のみならず保護層等をはじめとする必要に応じて設けられた各塗工層にも使用することができる。
本発明で使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂等を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
本発明で使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
本発明で使用する顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機又は有機充填剤などが挙げられる。
本発明で使用する滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、分散剤、消泡剤、蛍光染料等の各種助剤を用いることができる。
支持体としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。形状としては、例えば、シート状、ロール状、平板状などが挙げられる。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、大きさとしては、目的とする感熱記録材料の用途等に応じて適宜選択することができる。材料としては、例えば、プラスチックフィルム、合成紙、上質紙、古紙パルプ、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、剥離紙などが挙げられる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
本発明の感熱記録材料においては、感熱記録層上に、保護層を設けることが可能である。一般的に、感熱記録層上に保護層を設けて白紙部と記録部画像の保存性(耐熱性、耐可塑剤性等)を良好とすると、保護層中で印加エネルギーが低減するため、保護層を設けないよりも低印加エネルギーでの発色感度(すなわち、立ち上がり感度)が特に劣る。しかしながら、本発明の感熱記録材料においては、感熱記録層上に保護層を設けても立ち上がり感度は良好である。
保護層に使用する各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではない。
例示化合物(a3)の合成
4−アセトキシベンゼンスルホニルクロライド84gと2,6−ジメチルフェノール36g及びトルエン400mlを1000ml四つ口フラスコに入れ撹拌下、トリエチルアミン45gを滴下し25℃で3時間反応を行った。反応終了後、反応液に10%酢酸水溶液を加え、抽出操作を行った。pHが中性付近になるまで有機層を数回水洗した後、有機層からトルエンを減圧留去した。残渣にメタノール100ml及び炭酸カリウム16gを加えたあと、還流下、1時間撹拌し、脱アセチル化反応を行った。反応終了後、反応液に10%酢酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出操作を行った。水洗、乾燥(無水硫酸ナトリウムを使用)した後に、酢酸エチルを留去し、残渣を再結晶法により精製して目的とする例示化合物(a3)の白色結晶を得た。HPLC分析の結果、得られた例示化合物(a3)の純度は98面積%であった。
カラム :SHISEIDO社製CAPCELL PAK C18
粒径 :3μm
内径×長さ :内径4.6mm×長さ75mm
溶離液 :アセトニトリル:0.05vol%リン酸水溶液=60:40(容積比)
流速 :0.8ml/min
波長 :254nm
注入量 :1μL
カラム温度 :40℃
分析時間 :15min
サンプル濃度:約10ppm
<融点>
149℃
尚、融点は、JIS K 0064に準拠して測定を行った値である。
<IRスペクトル(ATR)>
3432,1601,1588,1473,1437,1437,1347,1284,1218,1080,873,757,681,537 cm−1
<1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3)>
δ2.11 (6H, s), 5.76(1H, OH, brd), 6.96 (2H, d, J = 15.9 Hz), 7.02-7.09 (3H, m), 7.85 (2H, d, J=15.9 Hz)
<分子量>
276.8(M−1)
感熱記録体の各塗工層に用いた塗液を以下のように調製した。尚、以下の説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
焼成カオリン(BASF社製、商品名:アンシレックス90)90.0部
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分50%) 10.0部
水 50.0部
上記組成よりなる混合物を混合攪拌してアンダー層塗液を調製した。
下記のA液〜D液を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。なお、ここでの平均粒子径は体積基準分布での体積平均径であり、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した。
4’−ヒドロキシベンゼンスルホン酸2,6ジメチルフェニル(例示化合物a3)
6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
水 1.5部
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製、商品名:ODB−2)
6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
水 1.5部
パラトルエンスルホンアミド 1.8部
ジフェニルスルホン 4.2部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
水 1.5部
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(大阪新薬社製、商品名:OS−930)
6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
水 1.5部
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(ロイコ染料分散液) 18.0部
C液(増感剤分散液) 36.0部
D液(ヒンダードフェノール系化合物分散液) 1.8部
シリカ(水澤化学社製、商品名:P537 25%分散液) 17.5部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 25.0部
支持体である上質紙(坪量47g/m2の基紙)の片面にアンダー層塗液をマイヤーバーで塗工量が乾燥重量で10g/m2になるように塗工及び乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)し、アンダー塗工紙を得た。このアンダー塗工紙のアンダー層上に感熱記録層塗液1を塗工量が乾燥重量で3.5g/m2となるように塗工及び乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)した。得られたシートをスーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して感熱記録材料を得た。
実施例1のC液(増感剤分散液)中のパラトルエンスルホンアミドの量を3.0部、ジフェニルスルホンの量を3.0部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例2のC液(増感剤分散液)中のジフェニルスルホンを1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製、商品名:KS−232)に変更した以外は実施例2と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例3のC液(増感剤分散液)中のパラトルエンスルホンアミドの量を3.6部、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンの量を2.4部に変更した以外は実施例3と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例1のC液(増感剤分散液)中のパラトルエンスルホンアミド1.8部及びジフェニルスルホン4.2部の計6.0部を、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン6.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を作製した。
比較例1のC液(増感剤分散液)中の1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンをパラトルエンスルホンアミドに変更した以外は、比較例1と同様にして、感熱記録材料を作製した。
比較例1のC液(増感剤分散液)中の1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンをジフェニルスルホンに変更し、D液を0部に変更した以外は比較例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例3のA液(顕色剤分散液)中の例示化合物(a3)を4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(日本曹達社製、商品名:D−8)に変更した以外は比較例3と同様にして感熱記録材料を作製した。
大倉電機社製の感熱プリンタ(TH−PMD)を使用して、感熱記録材料に印加エネルギー0.255mJ/dotで市松模様を印字し、記録部画像の濃度をマクベス濃度計(Gretag Macbeth社製、RD-914、アンバーフィルター使用)で測定した。結果を表1に示す。
大倉電機社製の感熱プリンタ(TH−PMD)を使用して、感熱記録材料に印加エネルギー0.35mJ/dotで市松模様を印字し、白紙部及び記録部画像の濃度をマクベス濃度計(Gretag Macbeth社製、RD-914、アンバーフィルター使用)で測定した。結果を表1に示す。
大倉電機社製の感熱プリンタ(TH−PMD)を使用して、感熱記録材料に印加エネルギー0.35mJ/dotで市松模様を印字し、表裏にダイアラップ(三菱樹脂社製)を接触させ23℃で2時間放置する試験を行った後、記録部画像の濃度をマクベス濃度計(Gretag Macbeth社製、RD-914、アンバーフィルター使用)で測定し、下記の式にて残存率を算出した。結果を表2に示す。
残存率(%)=(試験後の記録部画像濃度)/(試験前の記録部画像濃度)×100(%)
大倉電機社製の感熱プリンタ(TH−PMD)を使用して、感熱記録材料に印加エネルギー0.35mJ/dotで市松模様を印字し、60℃において24時間放置する試験を行った後、記録部画像の濃度をマクベス濃度計(Gretag Macbeth社製、RD-914、アンバーフィルター使用)で測定し、下記の式にて残存率を算出した。残存率の結果を表2に示す。
残存率(%)=(試験後の記録部画像濃度)/(試験前の記録部画像濃度)×100(%)
大倉電機社製の感熱プリンタ(TH−PMD)を使用して、感熱記録材料に印加エネルギー0.35mJ/dotで市松模様を印字し、20℃の水中に24時間放置した後、記録部画像の濃度をマクベス濃度計(Gretag Macbeth社製、RD-914、アンバーフィルター使用)で測定し、下記の式にて残存率を算出した。結果を表2に示す。
残存率(%)=(試験後の記録部画像濃度)/(試験前の記録部画像濃度)×100(%)
Claims (4)
- 支持体の少なくとも片面上に、無色又は淡色の塩基性ロイコ染料、顕色剤及び増感剤を含有する感熱記録層が積層された感熱記録材料であって、
顕色剤が、下記一般式(1)で表されるフェノールスルホン酸アリールエステルを少なくとも1種以上含有し、
増感剤が、第1増感剤として下記一般式(2)で表されるスルホンアミド系化合物を少なくとも1種以上含有し、さらに、第1増感剤以外の増感剤を少なくとも一種以上含有するものであって、感熱記録層に含有される増感剤全量中の第1増感剤の割合が1重量%以上90重量%以下であること特徴とする感熱記録材料。
- 第1増感剤以外の増感剤が、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、ジフェニルスルホン、炭素数10〜21の脂肪酸アミド、β−ベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)及びシュウ酸ジベンジルからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の感熱記録材料。
- 感熱記録層が、さらにヒンダードフェノール系化合物を含有する、請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
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