JP2013183534A - 巻線成形装置および巻線成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一態様は、巻線成形装置80において、Y軸方向についてリード側リード側凹型82と凸型86とを接近させることにより、リード側コイルエンド予定部42をテーパ面114Aとテーパ面114Bに当接させながらリード側凹型82に接近させてリード側コイルエンド予定部42にZ軸方向の段差を成形するクランク成形と、リード側コイルエンド予定部42をY軸方向に凸状に成形する凸成形と、を行う。
【選択図】 図16
Description
まず、最終的に製造されるコイル1の構造について説明する。ここで、図1はコイル1の外観斜視図であり、図2はコイル1の正面図であり、図3はコイル1の上面図である。なお、図1において色付け部分は、後述する開き円弧成形工程にて平角導体10が変形する部分を示したものである。コイル1は、平角導体10からなるものである。ここで、平角導体10は、導電性の高い銅やアルミニウム等の金属を矩形断面のワイヤとして形成したものであり、その周囲はエナメル等の絶縁被覆材で覆われている。そして、この平角導体10に対してエッジワイズ曲げ加工やフラットワイズ曲げ加工を行って、コイル1を製造する。ここで、「エッジワイズ曲げ加工」とは、平角導体10の矩形断面における短辺側の一方の面を内径面とし他方の面を外径面として、当該平角導体10を短辺側方向に曲げて成形することである。また、「フラットワイズ曲げ加工」とは、平角導体10の矩形断面における長辺側の一方の面を内径面とし他方の面を外径面として、当該平角導体10を長辺側方向に曲げて成形することである。
次に、以上のような構造のコイル1の製造方法の全体的な概要について説明する。コイル1の製造方法では、巻線工程、凸クランク成形工程、90°曲げ成形工程、開き円弧成形工程の順に行う。
まず、巻線工程について説明する。巻線工程では、図4と図5に示すような形状の巻線38を成形する。このように成形された巻線38は、図4と図5に示すように、端部12と端部14を除いて、角丸長方形状(オーバル形状)に成形されている。そして、巻線38は、角丸長方形状に成形された部分において、直線形状のスロット内予定部40と、円弧形状のリード側コイルエンド予定部42と、円弧形状の反リード側コイルエンド予定部44とを備える。また、巻線38は、隣り合う平角導体10の間に隙間δを備える。この隙間δは、平角導体10が挿入できる大きさとし、詳しくは、平角導体10の短辺幅分の大きさとする。このように、巻線工程において、最終形状のコイル1に備わる隙間δが成形される。
次に、凸クランク成形工程について説明する。凸クランク成形工程では、巻線38を図6と図7に示すような形状に成形する。このように成形された巻線38は、図6と図7に示すように、リード側コイルエンド予定部42と反リード側コイルエンド予定部44が各々、巻線38の外周方向(図6の上下方向)に突出する凸形状に成形される。なお、図7に示すように、隣り合う平角導体10の間に備わる隙間δを維持している。
次に、90°曲げ成形工程について説明する。90°曲げ成形工程では、巻線38を図8と図9に示すような形状に成形する。このように成形された巻線38は、図8と図9に示すように、リード側コイルエンド予定部42での平角導体10の積層方向と反リード側コイルエンド予定部44での平角導体10の積層方向とが直交するように成形される。そして、リード側コイルエンド予定部42の頂点部46は、平角導体10の積層方向(図8の奥行方向、図9の上下方向)について、巻線38の外周方向(図8の上下方向)の位置が同じ位置に揃っている。
次に、開き円弧成形工程について説明する。開き円弧成形工程は、開き成形工程と円弧成形工程とを同時に行う工程である。開き円弧成形工程では、巻線38の周上における一対のスロット内予定部40の間隔が平角導体10の積層方向について徐々に広くなるように成形する開き成形を行う。すなわち、前記の図3に示すように、コイル1の周上における一対のスロット内配置部16の間隔L1〜L5が平角導体10の積層方向(図3の上方向)に沿って、間隔L1,L2,L3,L4,L5の順に徐々に広くなるように成形される。これにより、スロット内配置部16をステータ60(図14参照)の径方向に放射状に形成されるスロット66(図14参照)内に確実に配置できる。
次に、以上のように製造されたコイル1を使用したステータ60の製造方法について説明する。ここで、図10はステータコア62に配置するために追加工した後のコイル1の正面図であり、図11はステータコア62に配置するために追加工した後のコイル1の上面図である。また、図12はコイル籠64において隣り合う2本のコイル1A,1Bを抜き出して示した正面図であり、図13はコイル籠64において隣り合う2本のコイル1A,1Bを抜き出して示した上面図である。そして、図14はコイル籠64の一部がステータコア62に挿入される様子を表した斜視図であり、図15はステータ60の斜視図である。
次に、前記の凸クランク成形工程において使用する巻線成形装置80と、その巻線成形方法について、詳しく説明する。まず、巻線成形装置80の構成について説明する。
下方向)の肉厚を徐々に増加させるように設けられている。なお、平面112Aは、テーパ面114Aよりもリード側凹型82側に設けられている。
以上のような本実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。本実施例の巻線成形装置80は、凸クランク成形工程において、Y軸方向についてリード側凹型82とリード側凸型86とを接近させる。これにより、リード側コイルエンド予定部42を第1ブレード84Aのテーパ面114Aと第2ブレード84Bのテーパ面114Bに当接させながらリード側凹型82に接近させて、リード側コイルエンド予定部42にZ軸方向の段差(すなわち、レーンチェンジ部24)を成形するクランク成形を行う。また、リード側コイルエンド予定部42をY軸方向に凸状に成形する凸成形を行う。そして、反リード側コイルエンド予定部44に対しても、同様にクランク成形と凸成形を行う。このように、リード側コイルエンド予定部42や反リード側コイルエンド予定部44に対して、巻線成形装置80は、クランク成形と凸成形を一括して行うことができる。そのため、巻線38の成形に要する工程数を減らして巻線38の成形コストを低減させることができる。
なお、上記の各工程は順序を変更してもよい。例えば、変形例として、巻線工程、90°曲げ成形工程、凸クランク成形工程、円弧開き成形工程の順に行う例も考えられる。また、その他の変形例として、巻線工程、90°曲げ成形工程、円弧開き成形工程、凸クランク成形工程の順に行う例も考えられる。
2 コイル
10 平角導体
16 スロット内配置部
18 リード側コイルエンド配置部
20 反リード側コイルエンド配置部
22 折り曲げ部
24 レーンチェンジ部
26 第1縁部
28 第2縁部
30 R形状部
32 レーンチェンジ部
34 第1縁部
36 第2縁部
38 巻線
40 スロット内予定部
42 リード側コイルエンド予定部
44 反リード側コイルエンド予定部
46 (リード側コイルエンド予定部の)頂点部
48 (反リード側コイルエンド予定部の)頂点部
50 R形状予定部
52 (リード側コイルエンド予定部の)凸部
54 (反リード側コイルエンド予定部の)凸部
60 ステータ
62 ステータコア
64 コイル籠
66 スロット
68 渡し部
70 リード部
72 渡し部
74 接合部
76 端面
80 巻線成形装置
82 リード側凹型
84 ブレード
84A 第1ブレード
84B 第2ブレード
86 リード側凸型
88 側面ガイド
90 反リード側凹型
92 内側ブレード
92A 第1ブレード
92B 第2ブレード
96 反リード側凸型
108A,108B,108C 面
110A,110B,110C 面
112A,112B 平面
114A,114B テーパ面
120A,120B,120C 面取り部
134A,134B,134C 面
136A,136B,136C 面
138A,138B 平面
140A,140B テーパ面
144A,144B,144C 面取り部
δ 隙間
Claims (7)
- ステータコアのスロットの内部に配置される部分に相当するスロット内予定部と前記スロットから突出する部分に相当するコイルエンド予定部を備える巻線に対し成形を行う巻線成形装置において、
互いに直交するX軸とY軸とZ軸を定義するときに、
前記Y軸方向について前記コイルエンド予定部に対し前記巻線の外側に配置される凹型と、
前記Y軸方向について前記コイルエンド予定部に対し前記巻線の内側に配置される凸型と、
前記凹型から前記凸型側に突出した状態で前記凹型に保持される板状の第1ブレードと、
前記凹型から前記凸型側に突出した状態で前記凹型に保持され、前記第1ブレードに対して前記Z軸方向の一方側に位置ずれした状態で前記X軸方向に配置される板状の第2ブレードと、を有し、
前記第1ブレードは前記Z軸方向の一方側の面に前記凹型側に向かうにつれて前記第1ブレードの前記Z軸方向の肉厚を徐々に増加させる第1テーパ面を備え、
前記第2ブレードは前記Z軸方向の他方側の面に前記凹型側に向かうにつれて前記第2ブレードの前記Z軸方向の肉厚を徐々に増加させる第2テーパ面を備えており、
前記Y軸方向について前記凹型と前記凸型とを接近させることにより、前記コイルエンド予定部を前記第1テーパ面と前記第2テーパ面に当接させながら前記凹型に接近させて前記コイルエンド予定部に前記Z軸方向の段差を成形するクランク成形と、前記コイルエンド予定部を前記Y軸方向に凸状に成形する凸成形と、を行うこと、
を特徴とする巻線成形装置。 - 請求項1の巻線成形装置において、
前記第1ブレードは、前記Z軸方向の一方側の面にて前記第1テーパ面よりも前記凹型側の位置にXY軸面に沿って設けられる第1平面を備え、
前記第2ブレードは、前記Z軸方向の他方側の面にて前記第2テーパ面よりも前記凹型側の位置にXY軸面に沿って設けられる第2平面を備えており、
前記クランク成形を行った後に前記コイルエンド予定部を前記第1平面と前記第2平面に当接させながら前記凸成形を行うこと、
を特徴とする巻線成形装置。 - 請求項1または2の巻線成形装置において、
前記巻線は、導体が周状に巻かれつつ隣り合う前記導体の間に前記導体の幅の大きさの隙間を備えるように積層して成形されており、
前記第1ブレードと前記第2ブレードは、各々、前記Z軸方向について前記導体の幅の大きさの隙間を空けながら複数設けられていること、
を特徴とする巻線成形装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1つの巻線成形装置において、
前記第1ブレードと前記第2ブレードは、前記凸型が配置される側の先端に面取り部を備え、
前記面取り部は、前記凹型における前記X軸方向の中央部側から端部側に向かうにつれて前記凸型が配置される側へ突出するように設けられていること、
を特徴とする巻線成形装置。 - 請求項3または4の巻線成形装置において、
前記巻線は、周上に一対の前記スロット内予定部と当該一対の前記スロット内予定部を挟んで一対の前記コイルエンド予定部とを備えており、
前記一対の前記コイルエンド予定部のうちの一方の前記コイルエンド予定部に対して前記クランク成形と前記凸成形を行った後に、前記一対の前記コイルエンド予定部のうちの他方の前記コイルエンド予定部に対して前記クランク成形と前記凸成形を行うこと、
を特徴とする巻線成形装置。 - 請求項5の巻線成形装置において、
前記一方の前記コイルエンド予定部に対して前記クランク成形と前記凸成形を行う前記凹型と前記凸型をそれぞれ第1凹型と第1凸型とし、
前記他方の前記コイルエンド予定部に対して前記クランク成形と前記凸成形を行う前記凹型と前記凸型をそれぞれ第2凹型と第2凸型とするときに、
前記一対の前記コイルエンド予定部に対して前記クランク成形と前記凸成形を行った後、
前記第1凸型を固定した状態で前記第1凹型を前記一方の前記コイルエンド予定部から退避させ、
次に、前記第1凸型を固定した状態で前記第2凹型と前記第2凸型を前記他方の前記コイルエンド予定部から退避させること、
を特徴とする巻線成形装置。 - ステータコアのスロットの内部に配置される部分に相当するスロット内予定部と前記スロットから突出する部分に相当するコイルエンド予定部を備える巻線に対し成形を行う巻線成形方法において、
互いに直交するX軸とY軸とZ軸を定義するときに、
前記Y軸方向について前記コイルエンド予定部に対し前記巻線の外側に配置される凹型と、
前記Y軸方向について前記コイルエンド予定部に対し前記巻線の内側に配置される凸型と、
前記凹型から前記凸型側に突出した状態で前記凹型に保持される板状の第1ブレードと、
前記凹型から前記凸型側に突出した状態で前記凹型に保持され、前記第1ブレードに対して前記Z軸方向の一方側に位置ずれした状態で前記X軸方向に配置される板状の第2ブレードと、を使用し、
前記第1ブレードは前記Z軸方向の一方側の面に前記凹型側に向かうにつれて前記第1ブレードの前記Z軸方向の肉厚を徐々に増加させる第1テーパ面を備え、
前記第2ブレードは前記Z軸方向の他方側の面に前記凹型側に向かうにつれて前記第2ブレードの前記Z軸方向の肉厚を徐々に増加させる第2テーパ面を備えており、
前記Y軸方向について前記凹型と前記凸型とを接近させることにより、前記コイルエンド予定部を前記第1テーパ面と前記第2テーパ面に当接させながら前記凹型に接近させて前記コイルエンド予定部に前記Z軸方向の段差を成形するクランク成形と、前記コイルエンド予定部を前記Y軸方向に凸状に成形する凸成形と、を行うこと、
を特徴とする巻線成形方法。
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