JP2013170734A - 膨張弁 - Google Patents

膨張弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2013170734A
JP2013170734A JP2012034068A JP2012034068A JP2013170734A JP 2013170734 A JP2013170734 A JP 2013170734A JP 2012034068 A JP2012034068 A JP 2012034068A JP 2012034068 A JP2012034068 A JP 2012034068A JP 2013170734 A JP2013170734 A JP 2013170734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
temperature
inert gas
temperature sensing
low
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012034068A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5724904B2 (ja
Inventor
Hiroshi Oshitani
洋 押谷
Teruyuki Hotta
照之 堀田
Shuichi Mizuno
秀一 水野
Ryu Fukushima
龍 福島
Shigeji Oishi
繁次 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012034068A priority Critical patent/JP5724904B2/ja
Priority to US14/378,010 priority patent/US9726407B2/en
Priority to CN201280070137.3A priority patent/CN104126100B/zh
Priority to DE112012005909.3T priority patent/DE112012005909B4/de
Priority to PCT/JP2012/007781 priority patent/WO2013124936A1/ja
Publication of JP2013170734A publication Critical patent/JP2013170734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5724904B2 publication Critical patent/JP5724904B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B41/00Fluid-circulation arrangements
    • F25B41/30Expansion means; Dispositions thereof
    • F25B41/31Expansion valves
    • F25B41/33Expansion valves with the valve member being actuated by the fluid pressure, e.g. by the pressure of the refrigerant
    • F25B41/335Expansion valves with the valve member being actuated by the fluid pressure, e.g. by the pressure of the refrigerant via diaphragms
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2341/00Details of ejectors not being used as compression device; Details of flow restrictors or expansion valves
    • F25B2341/06Details of flow restrictors or expansion valves
    • F25B2341/068Expansion valves combined with a sensor
    • F25B2341/0683Expansion valves combined with a sensor the sensor is disposed in the suction line and influenced by the temperature or the pressure of the suction gas
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2500/00Problems to be solved
    • F25B2500/01Geometry problems, e.g. for reducing size
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2500/00Problems to be solved
    • F25B2500/15Hunting, i.e. oscillation of controlled refrigeration variables reaching undesirable values

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Temperature-Responsive Valves (AREA)

Abstract

【課題】簡素な構成で冷凍サイクルの不安定な作動を適切に抑制可能な膨張弁を提供する。
【解決手段】温度に応じて圧力が変化する感温媒体が封入された封入空間20の内圧と蒸発器6から流出した低圧冷媒の圧力との圧力差に応じて変位するダイヤフラム53bに感温棒52bを連通し、この感温棒52bの内部に封入空間20と連通する筒状空間10を形成する。そして、感温媒体を冷媒と不活性ガスの混合ガスとし、感温棒52bから感温媒体への熱伝達の時定数が所望の時定数範囲内となるように、感温媒体に占める不活性ガスの混合割合が、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比α(=L/D)に応じた割合となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用される膨張弁に関する。
従来、蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用されて、蒸発器から流出した低圧冷媒の過熱度が予め定めた値に近づくように、高圧冷媒を減圧膨張させる膨張弁が知られている。この種の膨張弁は、蒸発器から流出した低圧冷媒の温度および圧力に応じて変位作動するエレメント部を備え、エレメント部によって弁体を変位させることで、高圧冷媒を減圧膨張させる絞り通路の開度を調整している。
より具体的には、エレメント部は、温度に応じて圧力変化する感温媒体が封入された封入空間の内圧と蒸発器から流出した低圧冷媒の圧力との圧力差に応じて変位するダイヤフラム(圧力応動部材)を有している。そして、このダイヤフラムの変位が、蒸発器から流出した低圧冷媒の温度を感温媒体に伝達する感温棒等を介して、弁体に伝えられる。
これにより、封入空間内の感温媒体の圧力を蒸発器から流出した低圧冷媒の温度に応じた圧力とし、封入空間内の内圧と蒸発器から流出した低圧冷媒の圧力との圧力差によってダイヤフラムを変位させている。つまり、蒸発器から流出した低圧冷媒の温度および圧力に応じてダイヤフラムを変位させて弁体を変位させることで、絞り通路の開度を調整している。
この種の膨張弁では、例えば、感温棒からの熱伝達によって感温媒体の圧力・温度が平衡状態となるまでの間の応答時間(時定数)が、他の機能品や冷凍サイクル自身が持つ応答時間に対して短くなると、いわゆるハンチング現象が生じて冷凍サイクルの作動が不安定となってしまう。
そこで、従来の膨張弁では、感温棒内部に封入空間と連通する筒状空間を設け、当該筒状空間の内部に活性炭を封入する構成や、当該筒状空間の内壁に感温棒よりも熱伝達率が低い低熱伝導層を設ける構成を採用している(例えば、特許文献1参照)。これにより、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数を確保して、ハンチング現象の抑制を図っている。
特開2010−133577号公報
しかしながら、従来技術の如く、感温棒内部の筒状空間に活性炭を封入する構成や、感温棒内部の筒状空間の内壁に低熱伝導層を設ける構成とすると、感温棒の内部構造が複雑化して、工数や製造コストの増大により膨張弁の生産性の悪化を招くといった問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、簡素な構成で冷凍サイクルの不安定な作動を抑制可能な膨張弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは以下の検討を行った。まず、本発明者らは、感温媒体として冷媒、および不活性ガスを混合した混合ガスを用いた際に、感温棒(52b)から感温媒体への熱の拡散状態(感温媒体の圧力拡散状態)が変化して、感温媒体の温度・圧力が平衡状態となるまでの応答時間(時定数)が変わることに着眼し、感温媒体中に占める不活性ガスの混合割合を変更することで、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数を調整することを検討した。
本発明者らの検討によると、不活性ガスの混合割合を大きくすると、感温棒から感温媒体への熱の拡散を遅くれ、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数が長くなるとの知見を得た。
ところが、実際には、単に不活性ガスの混合割合だけを調整したとしても、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数を所望の時定数範囲となるように調整することが難しい場合があった。
そこで、本発明者らは、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数の調整が困難となる要因について検討したところ、感温棒内部の筒状空間(10)の形状によって感温棒から感温媒体への熱の拡散状態が変化することがわかった。具体的には、筒状空間における感温棒の軸方向に延びる掘り込み深さに対する軸直交方向の相当直径(等価直径)の比が大きくなると、感温棒から感温媒体への熱の拡散が遅くなり、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数が長くなることがわかった。
本発明は、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数、感温棒内部の筒状空間の形状、および感温媒体中に占める不活性ガスの混合割合に有機的な繋がりがあるとの知見に基づいて案出されたものである。
すなわち、本発明の膨張弁は、高圧冷媒を流通させる高圧冷媒通路(51c)、高圧冷媒通路に設けられて冷媒を減圧膨張させる絞り通路(51h)、および蒸発器(6)から流出した低圧冷媒を流通させる低圧冷媒通路(51f)が形成されたボデー部(51)と、絞り通路の開度を調整する弁体(52a)と、ボデー部の外部に配置されて、温度に応じて圧力が変化する感温媒体が封入された封入空間(20)の内圧と低圧冷媒通路を流通する低圧冷媒の圧力との圧力差に応じて変位する圧力応動部材(53b)を有するエレメント部(53)と、少なくとも一部が低圧冷媒通路に位置するように配置され、圧力応動部材の変位を弁体に伝えると共に、低圧冷媒通路を流通する低圧冷媒の温度を感温媒体に伝える感温棒(52b)と、を備える。
そして、請求項1に記載の発明では、感温棒の内部には、感温棒の軸方向に延びるように形成されて、封入空間と連通する掘り込み形状の筒状空間(10)が形成されており、感温媒体は、冷媒および冷媒と異なる不活性ガスを混合した混合ガスで構成されており、不活性ガスは、感温媒体中に占める不活性ガスの混合割合が、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数が予め定めた時定数範囲内となるように、筒状空間における感温棒の軸方向の掘り込み深さに対する筒状空間における感温棒の軸直交方向の相当直径の比に応じて定めた割合となっていることを特徴としている。
これによれば、感温棒内部の筒状空間に対して、活性炭の封入や、低熱伝導層等を設けることなく、不活性ガスの混合割合を筒状空間の掘り込み深さに対する相当直径の比に応じて定めた割合とすることで、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数を適切に確保することが可能となる。
従って、簡素な構成で冷凍サイクルの不安定な作動を抑制可能な膨張弁を実現することができる。なお、「相当直径」とは、筒状空間の断面が円形でない場合も含めて、筒状空間の断面積に相当する円を描いた際の直径を意味する。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の膨張弁において、時定数範囲内となる時定数をτ(単位:秒)、掘り込み深さに対する相当直径の比をα、不活性ガスの混合割合をβとしたとき、
τ=K×α
K=70×β+0.85
で示す関係式を満たすように不活性ガスが封入空間に封入されていることを特徴としている。
これによれば、筒状空間における掘り込み深さに対する相当直径の比αに応じて、不活性ガスの混合割合βを変更することで、感温棒から筒状空間内の感温媒体への熱伝達の時定数τを所望の範囲内に適切に調整することができる。
ここで、膨張弁では、感温媒体を封入する封入空間の内圧を増加させるために、感温媒体として冷媒と不活性ガスの混合ガスを用いることがあるが、本発明の如く、感温棒から感温媒体への熱伝達の時定数を適切に確保するために、感温媒体として混合ガスを用いるものとは技術的意義が異なる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る膨張弁の断面図である。 第1実施形態に係るダイヤフラムの変位を説明するための説明図である。 筒状空間における掘り込み深さに対する相当直径の比、および不活性ガスの混合割合の変化に対する感温媒体への熱伝達の時定数の変化の一例を示す特性図である。 エレメント部内部の容積変化に伴う不活性ガスの分圧変化を示す特性図である。 第2実施形態に係る膨張弁の断面図である。 図5のVI−VI断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の膨張弁5は、車両用空調装置の蒸気圧縮式冷凍サイクル1(以下、単に冷凍サイクル1と称する。)に適用されている。なお、図1では、膨張弁5と冷凍サイクル1の各構成機器との接続関係についても模式的に図示している。
本実施形態の冷凍サイクル1は、冷媒としてフロン系冷媒(R134a)を採用しており、高圧冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成している。
まず、冷凍サイクル1の圧縮機2は図示しない車両走行用エンジンから電磁クラッチ等を介して駆動力を得て、冷媒を吸入して圧縮するものである。なお、圧縮機2は、図示しない電動モータから出力される駆動力によって駆動する電動圧縮機で構成されていてもよい。
放熱器3は、圧縮機2から吐出された高圧冷媒と図示しない冷却ファンにより送風される外気(車室外空気)とを熱交換させて、高圧冷媒を放熱させて凝縮させる放熱用熱交換器である。
放熱器3の出口側には、放熱器3から流出した高圧冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、サイクル内の余剰液相冷媒を溜める受液器(レシーバ)4が接続されている。さらに、レシーバ4の液相冷媒出口には、膨張弁5が接続されている。
この膨張弁5は、レシーバ4から流出した高圧冷媒を減圧膨張させるとともに、蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度と圧力とに基づいて、蒸発器6から流出した低圧冷媒の過熱度が予め定めた値に近づくように絞り通路面積(弁開度)を変化させて、蒸発器6の冷媒入口側へ流出させる冷媒流量を調整するものである。なお、膨張弁5の詳細については後述する。
蒸発器6は、膨張弁5にて減圧膨張された低圧冷媒と、図示しない送風機によって送風された空気とを熱交換させ、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。さらに、蒸発器6の出口側は、膨張弁5の内部に形成された低圧冷媒通路51fを介して、圧縮機2の吸入側に接続されている。
次に、膨張弁5の詳細構成について説明する。この膨張弁5は、いわゆる内部均圧式のもので、図1に示すように、ボデー部51、弁体部52およびエレメント部53等を有して構成される。
まず、ボデー部51は、膨張弁5の外殻および膨張弁5内の冷媒通路等を構成するもので、円筒状あるいは角筒状の金属ブロックに穴開け加工等を施して形成されている。ボデー部51には、冷媒流入口・流出口51a、51b、51d、51e、弁室51g、絞り通路51h、連通室51i、取付穴51j等が形成されている。
冷媒流入口・流出口としては、レシーバ4の液相冷媒出口に接続されて高圧液相冷媒を流入させる第1流入口51a、第1流入口51aから流入した冷媒を蒸発器6入口側へ流出させる第1流出口51bが形成されている。従って、本実施形態では、第1流入口51aから第1流出口51bへ至る冷媒通路によって、高圧冷媒通路51cが形成される。
また、他の冷媒流入口・流出口として、蒸発器6から流出した低圧冷媒を流入させる第2流入口51d、第2流入口51dから流入した冷媒を圧縮機2吸入側へ流出させる第2流出口51eが形成されている。従って、本実施形態では、第2流入口51dから第2流出口51eへ至る冷媒通路によって、低圧冷媒通路51fが形成される。
弁室51gは、高圧冷媒通路51cに設けられて、その内部に後述する弁体部52の球状弁52aが収容される空間である。より具体的には、弁室51gは、第1流入口51aに直接連通し、絞り通路51hを介して第1流出口51bに連通している。絞り通路51hは、高圧冷媒通路51cに設けられて、第1流入口51aから弁室51gへ流入した冷媒を、減圧膨張させながら弁室51g側から第1流出口51b側へ導く通路である。
連通室51iは、低圧冷媒通路51fおよびボデー部51上面に形成された取付穴51jに連通するように設けられた空間である。この取付穴51jには、ボデー部51の外部から、後述するエレメント部53が取り付けられている。
弁体部52は、一方の端部に設けられた弁体である球状弁52a、エレメント部53のダイヤフラム53bに溶接、接着等の接合手段によって連結された略円筒状の感温棒52b、および、感温棒52bに同軸上に圧入等の手段よって連結されて、球状弁52aに当接する略円筒状の作動棒52cを有して構成されている。
球状弁52aは、感温棒52bおよび作動棒52cの軸方向に変位することによって、絞り通路51hの冷媒通路面積を調整する弁体である。また、弁室51gには、コイルバネ54が収容されており、このコイルバネ54は、支持部材54aを介して、球状弁52aに対して絞り通路51hを閉弁させる側に付勢する荷重をかけている。さらに、コイルバネ54による荷重は、調整ネジ54bによって調整可能になっている。
感温棒52bは、連通室51i、取付穴51jを貫通するように延びており、その外周面の少なくとも一部が、低圧冷媒通路51fを流通する低圧冷媒に晒されるように配置されている。これにより、感温棒52bは、低圧冷媒通路51fを流通する蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度をエレメント部53側へ伝達することができる。感温棒52bとしては、熱伝導が良好で、強靱な材質にて形成することが好ましく、本実施形態では感温棒52bをステンレスにて形成している。
さらに、感温棒52bの内部には、感温棒52bの軸方向へ延びるように形成され、後述する封入空間20に連通する掘り込み形状の筒状空間10が形成されている。本実施形態の筒状空間10は、軸方向一端側(封入空間20側)が開口し、軸方向他端側が閉じた有底円筒状の容器を構成する。なお、低圧冷媒通路51fを流通する低圧冷媒の温度の伝達を考慮して、感温棒52bの内周側と外周側との間の肉厚は、5mm以下とすることが望ましい。
本実施形態の筒状空間10は、感温棒52bの軸直交方向において、低圧冷媒通路51fと重合するように形成されている。これにより、封入空間20内よりも外気温の影響を受けにくい筒状空間10内部において、蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度を伝達することができる。
具体的には、感温棒52bの軸方向における低圧冷媒通路51fの下面からボデー部51の取付穴51jまでの範囲を低圧冷媒流路領域としたときに、筒状空間10の底面の位置が低圧冷媒流路領域の範囲となるように、筒状空間10における感温棒52bの軸方向の掘り込み深さL(単位:mm)を設定している。この際、筒状空間10の底面が、低圧冷媒流路領域においてボデー部51の取付穴51jよりも低圧冷媒通路51fの下面側に位置するように、筒状空間10の掘り込み深さLを設定することが望ましい。
また、加工上の制約から、筒状空間10は、掘り込み深さLに対する感温棒52bの軸直交方向の相当直径D(単位:mm)の比αが10以下となる形状とすることが望ましい。本実施形態では、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径D(単位:mm)の比αが0<α<10となるように筒状空間10を構成している。
作動棒52cは、ボデー部51に連通室51i側と弁室51g側とを貫通するように形成された弁体部配置穴51kおよび絞り通路51hを貫通するように配置されている。なお、弁体部配置穴51kと弁体部52の作動棒52cとの隙間は、図示しないO−リング等のシール部材によってシールされており、弁体部52が変位しても弁体部配置穴51kと弁体部52との隙間から冷媒が漏れることはない。
エレメント部53は、取付穴51jにネジ止め等の固定手段によって取り付けられるエレメントハウジング53a、圧力応動部材であるダイヤフラム53b、エレメントハウジング53aとともにダイヤフラム53bの外縁部を狭持してエレメント部53の外殻を形成するエレメントカバー53cによって構成される。
エレメントハウジング53aおよびエレメントカバー53cは、ステンレス(SUS304)等の金属で杯状に形成され、ダイヤフラム53bの外縁部を狭持した状態で、その外周端部同士が溶接、ろう付け等の接合手段によって一体に接合されている。従って、エレメントハウジング53aおよびエレメントカバー53cによって形成されるエレメント部53の内部空間は、ダイヤフラム53bによって2つの空間に区画される。
この2つの空間のうち、エレメントカバー53cとダイヤフラム53bとによって形成される空間は、蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度に応じて圧力変化する感温媒体が封入される封入空間20である。この封入空間20は、ダイヤフラム53bの中心部に形成されてダイヤフラム53bの表裏を貫通する貫通穴を介して、感温棒52bの内部に形成された筒状空間10と連通している。
一方、エレメントハウジング53aとダイヤフラム53bとによって形成される空間は、連通室51iと連通して蒸発器6から流出した低圧冷媒を導入させる導入空間30である。従って、筒状空間10および封入空間20に封入された感温媒体には、感温棒52bを介して、低圧冷媒通路51fを流通する蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度が伝達されるだけでなく、ダイヤフラム53bを介して、導入空間30に導入された蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度も伝達される。
従って、筒状空間10および封入空間20の内圧は、蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度に応じた圧力となる。そして、ダイヤフラム53bは、筒状空間10および封入空間20の内圧と導入空間30へ流入した蒸発器6から流出した低圧冷媒の圧力との差圧に応じて変位する。
例えば、筒状空間10および封入空間20の内圧の低下に伴い、図2(a)に示すようにダイヤフラム53bが上方側へ変位し、筒状空間10および封入空間20の内圧が増大に伴い、図2(b)に示すようにダイヤフラム53bが下方側へ変位する。なお、図2(a)、(b)は、図1のA部分の部分拡大図を示している。
このため、ダイヤフラム53bは弾性に富み、かつ熱伝導が良好で、強靱な材質にて形成することが好ましく、例えば、ステンレス(SUS304)等の金属薄板にて形成される。
また、図1に示すように、エレメントカバー53cには、封入空間20に感温媒体を充填するための充填穴53dが形成されており、この充填穴53dは、感温媒体の充填後に、その先端が封止プラグ53eによって閉塞される。
さらに、本実施形態の封入空間20には、気相状態の冷媒および不活性ガスを混合した混合ガスが感温媒体として封入されている。
本実施形態では、封入空間20に封入する冷媒として、冷凍サイクル1を循環する冷媒と同一組成の冷媒を採用し、不活性ガスとして、膨張弁5の使用温度範囲(例えば、−30℃〜60℃)において、理想気体と同様の温度−圧力特性を示すヘリウムや窒素等を採用している。
本実施形態では、感温棒52bから感温媒体への熱伝達の時定数τ(単位:秒)が所望の時定数範囲となるように、感温媒体中に占める不活性ガスの混合割合βを筒状空間10の形状に応じて定まる割合としている。この不活性ガスの混合割合βについては、図3および図4に示す特性図を用いて説明する。図3は、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比α(=L/d)、および不活性ガスの混合割合β(%)の変化に対する感温媒体への熱伝達の時定数τの変化を示す特性図である。なお、図中に示すプロットは、不活性ガスの混合割合βを0%、5%としたときの実測値を示し、図中の不活性ガスの混合割合β毎に示すラインは、シミュレーション結果に基づくものである。
図3に示すように、時定数τは、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αの増大に比例して長くなる傾向がある。そして、不活性ガスの混合割合βの増大に伴って、掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αに対する時定数τの変化率(傾き)が大きくなる傾向がある。なお、所定の時定数τを確保する場合、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αが小さくなるに伴って、不活性ガスの混合割合βが大きくなる関係(反比例)となっている。
このようなαとβとτとの間の関係は、以下の数式F1、F2で近似することができる。
τ=K×α…(F1)
K=70×β+0.85…(F2)
なお、数式F2におけるβは、パーセントでなく絶対値としている。
本実施形態では、時定数τ、および筒状空間10の掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αを設定した際に、上述の数式F1、F2を満たすように不活性ガスを封入空間20に封入している。
ここで、感温棒52bから感温媒体への熱伝達の時定数τが、冷凍サイクル1等が持つ時定数に対して短くなると、いわゆるハンチング現象が生じて冷凍サイクル1の作動が不安定となってしまう。一方、時定数τが長くなりすぎると、他の機能品や冷凍サイクル1の作動に対する即応性が損なわれてしまう。
このため、本実施形態では、時定数τを50秒以上かつ150秒以下の範囲内となるように、不活性ガスの混合割合βを設定している。なお、時定数τの下限値(=50秒)は、ハンチング現象の抑制を図るため設定値であり、上限値(=150秒)は、膨張弁5の即応性を確保するための設定値である。
従って、本実施形態では、不活性ガスの混合割合βが、時定数τの時定数範囲を50秒≦τ150秒とし、筒状空間10の掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αを0<α<10とした際に、上述の数式F1、F2を満たす割合となっている。
ところで、筒状空間10および封入空間20の内圧と導入空間30へ流入した蒸発器6から流出した低圧冷媒の圧力との差圧が生ずると、ダイヤフラム53bは、図2に示すように変位するが、この際、感温媒体が封入された封入空間20の内容積も変化することとなる。
具体的には、ダイヤフラム53bの上方側への変位量が最大となった際、感温媒体が封入された封入空間20の内容積が縮小して最小容積となり、ダイヤフラム53bの下方側への変位量が最小となった際、感温媒体が封入された封入空間20の内容積が拡大して最大容積となる。
感温媒体を構成する不活性ガスは、理想気体と同様の特性(容積と圧力が反比例の関係)を示すことから、封入空間20の内容積の変動にすると、不活性ガスの分圧変化が生じ、ダイヤフラム53bの変位量が変化してしまう。このような感温媒体の分圧変化は、本来の感温棒52bにおける蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度検知性能等に影響を及ぼすことから、なるべく変化を小さくすることが望ましい。
図4は、エレメント部53内部の封入空間20の容積変化に伴う不活性ガスの分圧変化を示す特性図である。図4に示すように、本発明者らの実験によれば、不活性ガスの混合割合βが大きくなるほど、封入空間20の内容積の変動による不活性ガスの分圧変化が大きくなることがわかっている。
そこで、本実施形態では、ダイヤフラム53bの変位に伴って、封入空間20の内容積が縮小した際の不活性ガスの分圧と、封入空間20の内容積が拡大した際の不活性ガスの分圧ΔPとの差圧(分圧変化)が、予め設定された基準圧力差以下の範囲となるように不活性ガスの混合割合βを設定している。
具体的には、本実施形態では、図4に示すように、封入空間20の内容積の変動が生じた際に、通常使用域内で不活性ガスの分圧変化が50kPa(感温媒体の温度偏差が5℃相当)以下の範囲(本実施形態では、0%から30%の範囲)となるように、封入空間20に不活性ガスを封入している。
なお、前述の数式F1、F2を満たす不活性ガスの混合割合βが、基準圧力差以下の範囲を超えるような場合、不活性ガスの分圧変化の増大を抑制するために、基準圧力差以下の範囲における上限値(本実施形態では30%)を不活性ガスの混合割合βとすればよい。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。圧縮機2が車両エンジンの駆動力により回転駆動されると、圧縮機2から吐出された高温高圧冷媒は、放熱器3に流入し、冷却ファンにより送風された外気と熱交換して、放熱して凝縮する。放熱器3から流出した冷媒はレシーバ4にて気液分離される。
レシーバ4から流出した高圧液相冷媒は、膨張弁5の第1流入口51aから弁室51gへ流入し、絞り通路51hにて減圧膨張される。この際、絞り通路51hの冷媒通路面積は、後述するように、蒸発器6から流出した低圧冷媒の過熱度が予め定めた値に近づくように調整されている。
絞り通路51hにて減圧膨張された低圧冷媒は、第1流出口51bから流出して蒸発器6へ流入する。蒸発器6へ流入した冷媒は、送風機によって送風された空気から吸熱して蒸発する。さらに、蒸発器6から流出した冷媒は、第2流入口51dから膨張弁5へ流入する。
ここで、第2流入口51dから連通室51iへ流入した蒸発器6から流出した低圧冷媒の過熱度が上昇すると、筒状空間10および封入空間20に封入された感温媒体の圧力が上昇して、筒状空間10および封入空間20の内圧から導入空間30の圧力を差し引いた差圧が大きくなる。これにより、ダイヤフラム53bは、弁体部52が絞り通路51hを開弁させる方向へ変位する(図2(b)参照)。
逆に、蒸発器6から流出した低圧冷媒の過熱度が低下すると、封入空間20に封入された感温媒体の圧力が低下して、筒状空間10および封入空間20の内圧から導入空間30の圧力を差し引いた差圧が小さくなる。これにより、ダイヤフラム53bは、弁体部52が絞り通路51hを閉弁させる方向へ変位する(図2(a)参照)。
このように蒸発器6から流出した低圧冷媒の過熱度に応じてエレメント部53(具体的には、ダイヤフラム53b)が弁体部52を変位させることによって、蒸発器6から流出した低圧冷媒の過熱度が予め定めた値に近づくように絞り通路51hの通路面積が調整される。なお、調整ネジ54bによって、コイルバネ54から弁体部52にかかる荷重を調整することで、弁体部52の開弁圧を変更して、予め定めた過熱度の値を変更することもできる。
第2流出口51eから流出した冷媒は、圧縮機2に吸入されて再び圧縮される。一方、送風機によって送風された空気は、蒸発器6にて冷却され、さらに、蒸発器6の空気流れ下流側に配置された図示しない加熱手段(例えば、温水ヒータコア等)によって目標温度まで温調されて、空調対象空間である車室内へ吹き出される。
以上説明した本実施形態の膨張弁5では、感温棒52bから感温媒体への熱伝達の時定数τが予め定めた時定数範囲内(50≦τ≦150)となるように、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比α(0<α<10)に応じて不活性ガスの混合割合βを設定している。
これによれば、感温棒52b内部の筒状空間10に対して、活性炭の封入や、低熱伝導層等を設けることなく、不活性ガスの混合割合βを筒状空間10の掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αに応じて定めた割合とすることで、感温棒52bから感温媒体への熱伝達の時定数τを適切に確保することが可能となる。従って、簡素な構成で冷凍サイクル1の不安定な作動を抑制可能な膨張弁5を実現することができる。
特に、本実施形態では、時定数範囲内となる時定数τ、筒状空間10の掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αを設定した際に、不活性ガスの混合割合βが数式F1、F2で示す関係式を満たす割合となるように不活性ガスを封入空間20に封入している。このため、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αに応じて、不活性ガスの混合割合βを変更することで、感温棒52bから筒状空間10内の感温媒体への熱伝達の時定数τを所望の時定数範囲内に適切に調整することができる。
また、本実施形態では、時定数τの範囲を50秒以上かつ150秒以下としているので、膨張弁5におけるハンチング現象を抑制すると共に、膨張弁5における即応性を確保することができる。
さらに、本実施形態では、ダイヤフラム53bの変位に伴って封入空間20の内容積が変化した際に生ずる不活性ガスの分圧変化が、予め設定された基準圧力差以下の範囲となるように、封入空間20に不活性ガスを封入している。これにより、封入空間20の内容積の変動した際に生ずる不活性ガスの分圧変化を抑制し、感温棒52bにおける蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度検知性能を適切に確保することができる。
さらにまた、本実施形態では、筒状空間10の掘り込み深さLを、筒状空間10の底面の位置が低圧冷媒流路領域の範囲となるように設定しているため、封入空間20内よりも外気温の影響を受けにくい筒状空間10内において、蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度を感温媒体に伝達することができる。これにより、感温棒52bにおける蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度検知性能を適切に確保することができる。
また、本実施形態の膨張弁5は、活性炭等の吸着剤を用いず、冷媒と不活性ガスの混合ガスを封入空間20に封入する方式(ガスチャージ方式)であるため、膨張弁5の使用温度範囲において、MOP(maximum operating pressure)特性を持たせることができる。なお、MOP特性は、密閉空間の作動流体が加熱ガスとなることにより、温度の上昇に対して封入空間20の圧力上昇が緩やかとなり、高負荷時における圧縮機2の動力を低減できる特性である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態では、図5、図6で示すように、上述の第1実施形態に対して、感温棒52b内部の掘り込み形状の筒状空間10を環状に形成する例を説明する。なお、図5および図6では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。
本実施形態の筒状空間10は、感温棒52bの軸中心位置に感温棒52bの軸方向に延びる内軸棒10aを残した円環形状となっている。内軸棒10aの断面および感温棒52bの内外壁面は、図6に示すように、と同心円形状となっている。なお、内軸棒10aは、感温棒52bの内部が円環形状となるように加工した際に残る部位であり、材質等は感温棒52bと同様となっている。
本実施形態では、感温棒52bの内壁側の直径をd1とし、内軸棒10aの直径をd2としたとき、以下の数式F3〜F5にて定義される水力直径(=De)を筒状空間10の軸直交方向における相当直径Deとしている。
De=(4×Af)/Lfw…(F3)
Lfw=π×d1+π×d2…(F4)
Af=(π×d1)/4+(π×d2)/4…(F5)
但し、Lfwが流路濡れ長さ、Afが流路断面積を示している。
ここで、本実施形態の膨張弁5は、感温棒52bから感温媒体への熱伝達の時定数τが筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Deの比α(=L/De)の増大に比例して長くなり、さらに、不活性ガスの混合割合βの増大に伴って、掘り込み深さLに対する相当直径Deの比αに対する時定数τの変化率(傾き)が大きくなる傾向がある。
このため、本実施形態では、第1実施形態と同様に、不活性ガスの混合割合βが、時定数τおよび掘り込み深さLに対する相当直径Deの比αを設定した際に、上述の数式F1、F2で示す関係式を満たす割合となるように、封入空間20に不活性ガスを封入している。
本実施形態の構成によっても、筒状空間10の掘り込み深さLに対する相当直径Deの比αに応じて不活性ガスの混合割合βを設定することで、感温棒52bから筒状空間10内の感温媒体への熱伝達の時定数τを確保することができ、第1実施形態の膨張弁5と同様の作用効果を得ることができる。
加えて、本実施形態の膨張弁5では、筒状空間10を円環形状としていることから、筒状空間10内部に存在する感温媒体を、低圧冷媒通路51fに近づけることが可能となり、封入空間20内よりも外気温の影響を受けにくい筒状空間10内において、蒸発器6から流出した低圧冷媒の温度を感温媒体に伝達することができる。
さらに、筒状空間10内部の内軸棒10aを設ける構成とすれば、内軸棒10a自体の熱容量(熱マス)によって筒状空間10内部の熱容量が増加するため、感温媒体への熱伝達の時定数τを確保することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、時定数範囲内となる時定数τ、筒状空間10の掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αを設定した際に、不活性ガスの混合割合が数式F1、F2で示す関係式を満たす割合となるように不活性ガスを封入空間20に封入する例を説明したが、これに限定されない。
例えば、図3に示す時定数τ、筒状空間10の掘り込み深さLに対する相当直径Dの比α、および不活性ガスの混合割合βの関係を規定した特性マップを用意し、時定数τ、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αを設定した際に、不活性ガスの混合割合βが特性マップから導出される割合となるように、不活性ガスを封入空間20に封入するようにしてもよい。
(2)上述の各実施形態では、冷媒としてR134aを採用する例を説明したが、これに限らず、一般的な冷凍サイクル1に採用される冷媒である、R1234yfや、R152a、R600aといった冷媒を採用してもよい。
(3)上述の各実施形態で説明したように、時定数τの範囲を50秒以上かつ150秒以下とすることが望ましいが、これに限らず、他の範囲としてもよい。
(4)上述の各実施形態で説明したように、筒状空間10における掘り込み深さLに対する相当直径Dの比αを0<α<10とすることが望ましいが、α<10としてもよい。
(5)上述の各実施形態で説明したように、不活性ガスの混合割合βが、ダイヤフラム53bの変位に伴って封入空間20の内容積が変化した際の不活性ガスの分圧変化が基準圧力差以下の範囲とすることが望ましいが、これに限定されず、数式F1、F2等を用いて不活性ガスの混合割合βを設定するようにしてもよい。
(6)上述の各実施形態で説明した膨張弁5は、車両用空調装置の冷凍サイクル1以外にも、据置型の空調装置や冷蔵装置の冷凍サイクル1に適用することができる。
6 蒸発器
10 筒状空間
20 封入空間
51 ボデー部
51c 高圧冷媒通路
51h 絞り通路
51f 低圧冷媒通路
52b 感温棒
53 エレメント部
53b ダイヤフラム

Claims (5)

  1. 蒸気圧縮式冷凍サイクル(1)に適用されて、高圧冷媒を減圧膨張させると共に、減圧膨張された低圧冷媒を蒸発器(6)の冷媒入口側へ流出させる膨張弁であって、
    前記高圧冷媒を流通させる高圧冷媒通路(51c)、前記高圧冷媒通路に設けられて冷媒を減圧膨張させる絞り通路(51h)、および前記蒸発器から流出した低圧冷媒を流通させる低圧冷媒通路(51f)が形成されたボデー部(51)と、
    前記絞り通路の開度を調整する弁体(52a)と、
    前記ボデー部の外部に配置されて、温度に応じて圧力が変化する感温媒体が封入された封入空間(20)の内圧と前記低圧冷媒通路を流通する低圧冷媒の圧力との圧力差に応じて変位する圧力応動部材(53b)を有するエレメント部(53)と、
    少なくとも一部が前記低圧冷媒通路に位置するように配置され、前記圧力応動部材の変位を前記弁体に伝えると共に、前記低圧冷媒通路を流通する冷媒の温度を前記感温媒体に伝える感温棒(52b)と、を備え、
    前記感温棒の内部には、前記感温棒の軸方向に延びるように形成されて、前記封入空間と連通する掘り込み形状の筒状空間(10)が形成されており、
    前記感温媒体は、冷媒および冷媒と異なる不活性ガスを混合した混合ガスで構成されており、
    前記不活性ガスは、前記感温媒体中に占める前記不活性ガスの混合割合が、前記感温棒から前記感温媒体への熱伝達の時定数が予め定めた時定数範囲内となるように、前記筒状空間における前記感温棒の軸方向の掘り込み深さに対する前記筒状空間における前記感温棒の軸直交方向の相当直径の比に応じて定めた割合となっていることを特徴とする膨張弁。
  2. 前記時定数範囲内となる時定数をτ(単位:秒)、前記掘り込み深さに対する前記相当直径の比をα、前記不活性ガスの混合割合をβとしたとき、
    τ=K×α
    K=70×β+0.85
    で示す関係式を満たすように前記不活性ガスが前記封入空間に封入されていることを特徴とする請求項1に記載の膨張弁。
  3. 前記時定数範囲は、50≦τ≦150であることを特徴とする請求項2に記載の膨張弁。
  4. 前記掘り込み深さに対する前記相当直径の比は、0<α<10であることを特徴とする請求項2または3に記載の膨張弁。
  5. 前記不活性ガスの混合割合は、前記圧力応動部材の変位に伴って前記封入空間の内容積が変化した際の前記不活性ガスの分圧変化が予め設定された基準圧力差以下となる範囲となっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の膨張弁。
JP2012034068A 2012-02-20 2012-02-20 膨張弁 Active JP5724904B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034068A JP5724904B2 (ja) 2012-02-20 2012-02-20 膨張弁
US14/378,010 US9726407B2 (en) 2012-02-20 2012-12-05 Expansion valve for a refrigeration cycle
CN201280070137.3A CN104126100B (zh) 2012-02-20 2012-12-05 膨胀阀
DE112012005909.3T DE112012005909B4 (de) 2012-02-20 2012-12-05 Expansionsventil
PCT/JP2012/007781 WO2013124936A1 (ja) 2012-02-20 2012-12-05 膨張弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034068A JP5724904B2 (ja) 2012-02-20 2012-02-20 膨張弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013170734A true JP2013170734A (ja) 2013-09-02
JP5724904B2 JP5724904B2 (ja) 2015-05-27

Family

ID=49005160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012034068A Active JP5724904B2 (ja) 2012-02-20 2012-02-20 膨張弁

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9726407B2 (ja)
JP (1) JP5724904B2 (ja)
CN (1) CN104126100B (ja)
DE (1) DE112012005909B4 (ja)
WO (1) WO2013124936A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020143855A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 株式会社不二工機 膨張弁

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017151362A1 (en) * 2016-02-29 2017-09-08 Ember Technologies, Inc. Liquid container and module for adjusting temperature of liquid in container
CN110397758B (zh) * 2018-04-24 2022-03-08 盾安汽车热管理科技有限公司 一种膨胀阀及补气增焓系统
CN111253912B (zh) * 2020-03-20 2021-02-26 珠海格力电器股份有限公司 一种替换r290的环保混合制冷剂
US11879676B2 (en) 2021-07-30 2024-01-23 Danfoss A/S Thermal expansion valve for a heat exchanger and heat exchanger with a thermal expansion valve
US20230034594A1 (en) * 2021-07-30 2023-02-02 Danfoss A/S Thermal expansion valve for a residential refrigeration application

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201212A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Fuji Koki Corp 温度膨張弁
JP2010031998A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Denso Corp 膨張弁
JP2010133577A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Denso Corp 膨張弁
JP2010230249A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Denso Corp 温度式膨張弁および温度式膨張弁の製造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2100972T3 (es) * 1991-05-14 1997-07-01 T G K Co Ltd Valvula de expansion.
JP3321713B2 (ja) 1991-10-17 2002-09-09 イートン コーポレーション 熱応答形膨張弁
JP3219841B2 (ja) 1992-05-15 2001-10-15 株式会社不二工機 温度膨脹弁の製造方法
JPH09159324A (ja) 1995-12-14 1997-06-20 Fuji Koki:Kk 膨張弁
JP3785229B2 (ja) 1996-09-12 2006-06-14 株式会社不二工機 膨張弁
JP2001033123A (ja) 1999-07-19 2001-02-09 Fuji Koki Corp 温度膨張弁
JP4118740B2 (ja) 2002-07-11 2008-07-16 株式会社テージーケー 膨張弁
GB0427420D0 (en) * 2004-12-15 2005-01-19 Kohler Mira Ltd Improvements in or relating to thermostatic mixing valves
JP2007327672A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Tgk Co Ltd 膨張弁
JP2008020141A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Denso Corp 圧力制御弁
DE102009056281A1 (de) * 2008-12-02 2010-09-16 Denso Corporation, Kariya-City Expansionsventil und Verfahren zu dessen Herstellung
ATE553839T1 (de) * 2009-08-12 2012-05-15 Fluitec Invest Ag Statische mischvorrichtung für fliessfähige stoffe
JP2012034068A (ja) 2010-07-29 2012-02-16 Panasonic Corp 遠隔制御装置
KR101572574B1 (ko) * 2010-08-12 2015-12-01 한온시스템 주식회사 팽창밸브 및 이를 구비한 차량용 공조장치

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201212A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Fuji Koki Corp 温度膨張弁
JP2010031998A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Denso Corp 膨張弁
JP2010133577A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Denso Corp 膨張弁
JP2010230249A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Denso Corp 温度式膨張弁および温度式膨張弁の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020143855A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 株式会社不二工機 膨張弁
JP7246075B2 (ja) 2019-03-07 2023-03-27 株式会社不二工機 膨張弁

Also Published As

Publication number Publication date
JP5724904B2 (ja) 2015-05-27
US20150013368A1 (en) 2015-01-15
DE112012005909T5 (de) 2014-10-30
US9726407B2 (en) 2017-08-08
WO2013124936A1 (ja) 2013-08-29
DE112012005909B4 (de) 2021-11-04
CN104126100A (zh) 2014-10-29
CN104126100B (zh) 2016-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5724904B2 (ja) 膨張弁
JP3882299B2 (ja) 電磁弁一体型膨張弁
JP2006266660A (ja) 膨張装置
CN105531550B (zh) 膨胀阀
JP2006220407A (ja) 冷凍サイクル用膨張弁
JP2009264685A (ja) 膨張弁
JP5141489B2 (ja) 温度式膨張弁
JP6447906B2 (ja) 膨張弁
WO2017145619A1 (ja) 膨張弁および冷凍サイクル
JP2008164239A (ja) 圧力制御弁
JP2007278616A (ja) 膨張装置
JP2010032159A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2007033021A (ja) 温度差圧感知弁
JP2009063233A (ja) 冷凍サイクルの制御方法
JP6828532B2 (ja) 温度式膨張弁
US20130299143A1 (en) Internal heat exchanger
JP2007046808A (ja) 膨張装置
JP4676166B2 (ja) 冷凍サイクルの安全弁装置
JP5369262B2 (ja) 可変容量圧縮機用制御弁
JP2008196774A (ja) 圧力制御弁
JP2007315727A (ja) 膨張弁
JP3920059B2 (ja) 膨張弁
JP2001241812A (ja) 膨張弁
JP3987983B2 (ja) 温度式膨張弁
JP2002310539A (ja) 膨張弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150316

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5724904

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250