JP2013169943A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドウォール部におけるカット故障を抑制させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部、該トレッド部の両側に連なる一対のサイドウォール部および各サイドウォール部に連なるビード部にわたってトロイド状に延在する、少なくとも1プライからなるカーカスを具えてなる空気入りタイヤにおいて、前記サイドウォール部の表面の少なくとも一部に、含油処理がなされた含油処理ゴム層が配設されたことを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特にはサイドウォール部におけるカット故障を抑制させた空気入りタイヤを提案するものである。
従来から、鋭利な突起物等によるサイドウォール部のカット損傷の発生を防止しタイヤの耐久性を向上することを目的に、タイヤのサイドウォール部にリブ状のプロテクターを配設した空気入りタイヤが各種提案されている。例えば特許文献1では、市街地を主に走行する空気入りタイヤについて、タイヤが路面の縁石と接触しサイドウォール部が損傷することを防止するために、サイドウォール部の表面に連続または断続して連なる複数のリブを設けた空気入りタイヤが提案されている。
特開第2004−306873号公報
しかし、上記のようなリブを設けたタイヤでは、タイヤ転動時において、路面の縁石表面などに存在する鋭利な突起物が、逆にタイヤサイドウォール部のリブの凹凸に引っかかりサイドウォール部を損傷する場合があった。したがって、リブの配設によってはサイドウォール部のカット故障を十分に抑制できないことがあり、サイドウォール部の保護のために新たな手法が求められていた。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、サイドウォール部におけるカット故障を抑制させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部、該トレッド部の両側に連なる一対のサイドウォール部および各サイドウォール部に連なるビード部にわたってトロイド状に延在する、少なくとも1プライからなるカーカスを具えてなる空気入りタイヤにおいて、前記サイドウォール部の表面の少なくとも一部に、含油処理がなされた含油処理ゴム層が配設されたことを特徴とする。
このように、本発明の空気入りタイヤにおいて、サイドウォール部の表面の少なくとも一部に、含油処理がなされ潤滑機能を有する含油処理ゴム層が配設されることにより、サイドウォール部の表面の摩擦抵抗を低減することができ、路面の縁石表面などに存在する鋭利な突起物がサイドウォール部の表面に引っかかり難くなり、カット故障を抑制できる。
ここで、前記含油処理ゴム層のタイヤ径方向内端が、ビードベースラインからタイヤ径方向外方に測定し、ビードベースラインからタイヤ断面高さH1の10%〜50%の範囲に位置することが好ましい。
なお、本発明においては格別の断りのない限り、各位置関係等は「タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態」で決定されるものとし、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。さらに、「タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態」とは、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とし、タイヤに負荷を加えていない状態を指す。
また、サイドウォールゴムが、前記サイドウォール部において前記カーカスのタイヤ幅方向外側に配設され、前記含油処理ゴム層のタイヤ径方向外端が、該サイドウォールゴムのタイヤ径方向外端と、前記高さH1の75%とに挟まれる範囲に位置することが好ましい。含油処理ゴム層のタイヤ径方向外端を、サイドウォールゴムのタイヤ径方向外端と、高さH1の75%とに挟まれる範囲に位置させることにより、車両走行時において、トレッド部が路面に対し滑るのを防止しつつ、カット故障を受け易い部分を十分に覆うことができる。
さらに、前記含油処理ゴム層の厚さが、カーカスのタイヤ幅方向外側表面に直交する方向に測定し、カーカスのタイヤ幅方向外側表面からタイヤ外表面までの厚さ(以下、「カーカスからタイヤ表面までの厚さ」とも言う。)の20%〜50%であることが好ましい。含油処理ゴム層の厚さをカーカスからタイヤ表面までの厚さの20%〜50%にすることで、サイドウォール部表面の摩擦抵抗低減効果を向上させつつ、含油させた油がカーカスに浸み込むのを防止しカーカスの強度低下を防ぐことができる。なお、本発明において「含油処理ゴム層の厚さ」は、カーカスからタイヤ表面までの厚さを測定する方向に含油処理ゴム層を測定した厚さを指す。
また、前記含油処理ゴム層がゴム成分として発泡性ゴムを含むことが好ましい。含油処理ゴム層がゴム成分として発泡性ゴムを含むことで、含油処理ゴム層中の油(以下、「潤滑油」とも言う。)の含有量が増加し、カット故障を有効に防止することができる。
さらに、前記含油処理ゴム層中の含油量が、前記含油処理ゴム層中の前記ゴム成分100重量部に対し10重量部〜50重量部であることが好ましい。含油処理ゴム層中の含油量を、前記含油処理ゴム層中のゴム成分100重量部に対し10重量部〜50重量部にすることで、サイドウォール部表面の摩擦抵抗がさらに低減し、カット故障をより効果的に防止することができる。
本発明によれば、サイドウォール部におけるカット故障を抑制させた空気入りタイヤを提供することができる。
(a)は、本発明に従う代表的な空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面をタイヤ半部について示す図である。(b)は、図1(a)に示すタイヤの一部であって、含油処理ゴム層が配設された部分のタイヤ幅方向断面を示す拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1(a)は、本発明に従う空気入りタイヤの一例について、適用リムRに装着し、所定空気圧を適用した無負荷状態におけるタイヤ幅方向断面をタイヤ半部についてのみ示す図である。
図1(a)に示す空気入りタイヤ10は、乗用車用の空気入りラジアルタイヤであって、トレッド部1、トレッド部1の両側に連なる一対のサイドウォール部2(片側のみ図示)および各サイドウォール部2に連なるビード部3(片側のみ図示)を備えている。さらに、空気入りタイヤ10は、各ビード部3内に埋設されたビードコア6(片側のみ図示)の間を、トレッド部1、サイドウォール部2およびビード部3にわたってトロイド状に延在する、有機繊維コードをゴム被覆してなるラジアルカーカス4を有している。なお、図1(a)に示すラジアルカーカス4は1プライからなっているが、本発明の空気入りタイヤ10では、必要に応じて2プライ以上のプライ数に変えることができる。
さらに、トレッド部1のラジアルカーカス4のタイヤ径方向外方には、第一ベルト層51(最内ベルト層)と第二ベルト層52とを順次配設してなるベルト5が配設されている。また、ベルト5のタイヤ径方向外方には、トレッドゴム11が配設されており、トレッドゴム11の表面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝等のトレッド溝12が形成されている。なお、図1(a)では、ベルト5が、合計2層のベルト層からなる場合を示しているが、本発明の空気入りタイヤ10では、ベルト層の層数や配設位置は、必要に応じて任意の層数や配設位置とすることができる。
また、空気入りタイヤ10の少なくともサイドウォール部2に対応する部分、具体的にはトレッド部1のタイヤ幅方向端部からビード部3にわたる領域のラジアルカーカス4のタイヤ幅方向外側にはサイドウォールゴム21が配設されている。
そして、本発明の空気入りタイヤ10では、サイドウォール部2の表面の少なくとも一部に、含油処理がなされた含油処理ゴム層22が配設されている。サイドウォール部2の表面の少なくとも一部に、含油処理がなされ潤滑機能を有する含油処理ゴム層22が配設されることで、サイドウォール部2が縁石などに接触し強く押し付けられること等により、含油処理ゴム層22に含まれる油がサイドウォール部2の表面に滲み出し、サイドウォール部2の摩擦抵抗を低減することができる。そしてサイドウォール部2の摩擦抵抗を低減することにより、路面の縁石表面などに存在する鋭利な突起に対してサイドウォール部2が引っかかり難くなることにより、サイドウォール部2のカット故障を抑制することができる。
ここで、この空気入りタイヤ10では、含油処理ゴム層22のタイヤ径方向内端22bを、ビードベースラインBLからタイヤ径方向外方に測定し、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さH1の10%〜50%の範囲に位置させることが好ましい。
また、この空気入りタイヤ10では、含油処理ゴム層22のタイヤ径方向外端22aを、サイドウォールゴム21のタイヤ径方向外端と、高さH1の75%とに挟まれる範囲に位置させることが好ましい。含油処理ゴム層22のタイヤ径方向外端22aを、サイドウォールゴム21のタイヤ径方向外端よりタイヤ径方向外方に位置させると、車両走行時において、含油処理ゴム層22が路面と接触したり、含油処理ゴム層22から滲み出た油がトレッド部11に伝ったりし、トレッド部11が路面に対して滑る恐れがあるためである。また、含油処理ゴム層22のタイヤ径方向外端22aを、高さH1の75%よりタイヤ径方向内方に位置させると、路面の縁石表面と、含油処理ゴム層22が配設されていないサイドウォール部2とが接触する傾向があり、カット故障を招く恐れがあるためである。なお、図1(a)に図示していないが、サイドウォールゴム21のタイヤ径方向外端は、含油処理ゴム層22のタイヤ径方向外端22aよりタイヤ径方向外方に位置している。
さらに、この空気入りタイヤ10では、含油処理ゴム層22の厚さd2を、ラジアルカーカス4からタイヤ表面までの厚さd1の20%〜50%にすることが好ましい。含油処理ゴム層22の厚さd2をラジアルカーカス4からタイヤ表面までの厚さd1の20%〜50%にすることで、サイドウォール部2の表面の摩擦抵抗低減効果がさらに向上するからである。なお、含油処理ゴム層22の厚さd2を、ラジアルカーカス4からタイヤ表面までの厚さd1の20%未満にすると、サイドウォール部2に存在する含油処理ゴム層22由来の油が少なくなり、摩擦抵抗低減効果が不十分になる傾向がある。また、含油処理ゴム層22の厚さd2を、ラジアルカーカス4からタイヤ表面までの厚さd1の50%超にすると、カーカス4が有機繊維コードからなる場合、含油処理ゴム22内の油がカーカス4内の有機繊維に浸み込む恐れがあり、油が有機繊維に浸み込むとカーカス4の強度が低下する傾向がある。
また、含油処理ゴム層22がゴム成分として発泡性ゴムを含むことが好ましい。含油処理ゴム層22にゴム成分として発泡性ゴムを存在させることで、ゴム成分の油の保持量が増加し、含油処理ゴム層22中の油の含有量を増すことができるからである。また、含油処理ゴム層22中の油の含有量の増加により、含油処理ゴム層22のサイドウォール部2への配設量を低減でき、または含油処理ゴム層22の厚さを薄くすることもできる。なお、「含油処理ゴム層22がゴム成分として発泡性ゴムを含む」とは、含油処理ゴム層22のゴム成分に発泡性ゴムを混合してもよく、また含油処理ゴム層22のゴム成分を発泡性ゴムとしてもよい。
ここで、本発明の空気入りタイヤ10において、含油処理ゴム層22に用いる含油処理ゴムは、油(潤滑油)とゴム成分とを処理することにより得られる。使用するゴム成分としては、特に制限されるものではないが、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、シリコーンゴム、およびフッ素ゴム等、もしくはこれらゴム成分の組合せ、またはこれらとその他のゴムとの組合せを用いることができる。また、使用するゴム成分としては、耐候性の観点から天然ゴムまたはブタジエンゴムを含むことが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤ10において、使用する油(潤滑油)としては、特に制限されるものではないが、例えばジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、テトラ−2−エチルヘキシルピロメリテート等のエステル油、ヘキサデシルジフェニルエーテル、オクタデシルジフェニルエーテル等のアルキルポリフェニルエーテル油、エイコシルナフタレンその他のアルキルナフタレン油、鉱油、ポリα−オレフィン油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル油などのフッ素油等、もしくはこれら油の組合せ、またはこれらとその他の油との組合せを用いることができる。なお、効率よく含油処理して含油量を多くするとともに、含油処理によるサイドウォール部2の摩擦抵抗低減効果を向上させるためには、ゴム成分と潤滑油との組合せの選択が重要である。ゴム成分と潤滑油との組合せは、基本的な化学構造が類似した組合せ、または溶解性パラメーター(SP値)が近い組み合わせが好ましい。
さらに、本発明の空気入りタイヤ10において、発泡性ゴムに用いる発泡剤としては、特に制限されるものではないが、例えば二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウムや重炭酸ナトリウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トリエンスルホニルセミカルバジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等が挙げられ、加硫温度等に応じてこれらを適宜選択して用いることができる。また、発泡助剤を用いることができ、特に制限されるものではないが、例えば尿素が挙げられる。
なお、本発明の空気入りタイヤ10において、含油処理ゴム層22のゴム成分には、特に制限されるものではないが、例えばカーボンブラック、シリカ等の充填剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、シランカップリング剤、または分散剤等を含有させることができる。
続いて、本発明の空気入りタイヤ10に用いられる含油処理ゴム層22のゴム成分に対する含油処理について説明する。含油処理は、特に制限されるものではないが、例えばゴム成分を油(潤滑油)中に浸漬して行う。含油処理の際の温度および時間等の浸漬条件は、目的とする含油量により決められるが、浸漬温度については、ゴム成分の劣化を考慮に入れて80〜120℃位の範囲とするのが好ましい。80℃未満では温度不足で不十分な含油量になる傾向または含油処理に長時間を要する傾向があり、120℃超ではゴム成分の劣化が生じる恐れがある。
また、本発明の空気入りタイヤ10において、さらに、含油処理ゴム層22中の含油量を、含油処理ゴム層中のゴム成分100重量部に対し10重量部〜50重量部にすることが好ましい。含油処理ゴム層22中の含油量を、前記含油処理ゴム層中のゴム成分100重量部に対し10重量部〜50重量部にすることで、サイドウォール部2表面の摩擦抵抗がさらに低減し、また摩擦抵抗低減効果が持続し、カット故障をより効果的に抑制することができる。なお含油処理ゴム層22中の含油量を、含油処理ゴム層中のゴム成分100重量部に対し10重量部未満にすると、サイドウォール部2表面の摩擦抵抗低減効果が不十分になる傾向がある。一方、含油処理ゴム層22中の含油量を、含油処理ゴム層中のゴム成分100重量部に対し50重量部超にすると、含油処理が長時間化する傾向があり、または潤滑油が含油処理ゴム層22からにじみ出る恐れがある。
なお、図1(a)においては、本発明に従う空気入りタイヤのサイドウォール部の一例をタイヤ半部について示しているが、他のタイヤ半部についても同様の構造とするのが好ましい。ただし、一方のタイヤ半部のみを発明に従う構造とすることもでき、特に、タイヤの車への装着方向が指定されまたは特定できる場合には、タイヤの車への装着時において車の外側に位置することとなるタイヤ半部のみに対して、本発明に従うサイドウォール部の構造を適用することができる。
また、図1(a)においては、本発明に従う空気入りタイヤのサイドウォール部の周辺部にカット故障防止用のリブを配設していない実施形態を示しているが、必要に応じてリブを設けることは可能である。図1(a)に示されるリブを配設していない空気入りタイヤ10では、リブが配設されていないのでタイヤ重量を増すことなく、サイドウォール部のカット故障を抑制することができる。ただし、必要に応じて、本発明に従う空気入りタイヤ10に対しリブを設けることもできる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の空気入りタイヤは、上記一例に限定されることは無く、本発明の空気入りタイヤには、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではない。
(実施例1〜5)
表1に示す諸元で、図1(a)に示すような構成を有する空気入りタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を試作し、下記の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
含油処理ゴム層を配設していないこと以外は、実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作し、実施例1と同様の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
含油処理ゴム層を配設せず、サイドウォール部にカット故障防止用のリブを配設した以外は、実施例1と同様にして空気入りタイヤを試作し、実施例1と同様の方法で性能を評価した。結果を表1に示す。
〈タイヤ重量〉
実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれのタイヤ重量を測定した。そして、比較例1のタイヤ重量を100として、指数評価した。結果を表1に示す。数値が低いほどタイヤ重量が軽いことを示す。
〈耐外傷性1〉
鋭利な突起に対する耐外傷性を評価した。具体的には実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれのタイヤについて、適用リムに組み付け車に装着した。車を走行させ、角鋼材(110mm×110mm×1000mm)に対し進入速度10km/h、進入角度25度で衝突させた場合に、サイドウォール部に生じたカット損傷による空気漏れが発生する内圧(kPa)を測定した。結果を表1に示す。空気漏れが発生する内圧が高いほどカット損傷に対する耐外傷性が良好であることを示す。
〈耐外傷性2〉
車を走行させながらサイドウォール部を縁石に接触させ、摩擦に対する耐外傷性を評価した。具体的には実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれのタイヤについて、適用リムに組み付け、タイヤ内圧を所定内圧にして車に装着した。車を走行させ、縁石(高さ13cmで、表面が荒く凹凸のある花崗岩)にほぼ平行に進入し、サイドウォール部の表面が深さ2mm以上、かつ面積2cm-以上の表面損傷が発生する速度(km/h)を測定した。結果を表1に示す。表面損傷が発生する速度(km/h)が大きいほど摩擦に対する耐外傷性が良好であることを示す。
〈低内圧耐久性〉
室内ドラム試験機を用いて、実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれのタイヤに負荷を加えた状態で回転させ、タイヤ故障が発生するまでの距離を測定し評価した。実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれのタイヤを適用リムに組み付け、タイヤ内圧を100kPaにし、荷重615kgを負荷させ、60km/hで走行させた。走行させたタイヤに故障が発生するまでの距離を測定した。比較例1のタイヤについての低内圧耐久性を100として、指数評価した結果を表1に示す。数値が大きいほど、低内圧耐久性が良いことを示す。
Figure 2013169943
*1 サイドウォール部の表面の少なくとも一部に含油処理ゴム層が配設されている場合を○とする。
*2 サイドウォール部表面上の含油処理ゴム層の配設範囲であり、タイヤのタイヤ径内端からタイヤ径方向外方に測定し、タイヤ断面高さH1に対する百分率で位置範囲を示す。
*3 含油処理ゴム層が発泡性ゴムを含む場合は○とする。
表1より、実施例1〜5の空気入りタイヤは、含油処理ゴム層を有していない比較例1〜2と比較すると、鋭利な突起に対する耐外傷性が上昇していることがわかる。
また、実施例1〜5の空気入りタイヤは、含油処理ゴム層を有していない比較例1と比較すると、摩擦に対する耐外傷性が上昇していることがわかる。
さらに、実施例3および5の空気入りタイヤは、実施例2と比較すると、含油処理ゴム層の厚さを20%〜50%の範囲内にしていので、さらに鋭利な突起に対する耐外傷性および摩擦に対する耐外傷性の点で良好であることがわかる。
さらに、実施例1〜3および5の空気入りタイヤは、実施例4と比較すると、含油処理ゴム層の厚さを50%以下にしているので、カーカスプライの強度低下が無く、低内圧耐久性が維持されていることがわかる。
また、実施例5の空気入りタイヤは、比較例1〜2および実施例1〜4と比較すると、含油処理ゴム層が発泡性ゴムを有しており、含油処理ゴム層の厚さを薄くしても含油量を確保するので、鋭利な突起に対する耐外傷性および摩擦に対する耐外傷性の点で良好であることがわかる。さらに、実施例5の空気入りタイヤは、発泡性ゴムを有しているので、タイヤ重量が低減していることが分かる。
本発明によれば、サイドウォール部におけるカット故障を抑制させた空気入りタイヤを提供することができる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ラジアルカーカス(カーカス)
5 ベルト
6 ビードコア
10 空気入りタイヤ
11 トレッドゴム
12 トレッド溝
21 サイドウォールゴム
22 含油処理ゴム層
22a 含油処理ゴム層のタイヤ径方向外端
22b 含油処理ゴム層のタイヤ径方向内端
51 第一ベルト層
52 第二ベルト層
d1 カーカスからタイヤ表面までの厚さ
d2 含油処理ゴム層の厚さ
BL ビードベースライン
H1 ビードベースラインからタイヤ断面高さ
R 適用リム

Claims (6)

  1. トレッド部、該トレッド部の両側に連なる一対のサイドウォール部および各サイドウォール部に連なるビード部にわたってトロイド状に延在する、少なくとも1プライからなるカーカスを具えてなる空気入りタイヤにおいて、
    前記サイドウォール部の表面の少なくとも一部に、含油処理がなされた含油処理ゴム層が配設されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記含油処理ゴム層のタイヤ径方向内端が、ビードベースラインからタイヤ径方向外方に測定し、ビードベースラインからタイヤ断面高さH1の10%〜50%の範囲に位置する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記空気入りタイヤが、前記サイドウォール部において前記カーカスのタイヤ幅方向外側にサイドウォールゴムを具えており、
    前記含油処理ゴム層のタイヤ径方向外端が、該サイドウォールゴムのタイヤ径方向外端と、前記高さH1の75%とに挟まれる範囲に位置する、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記含油処理ゴム層の厚さが、カーカスのタイヤ幅方向外側表面に直交する方向に測定し、カーカスのタイヤ幅方向外側表面からタイヤ外表面までの厚さの20%〜50%である、請求項1ないし3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記含油処理ゴム層がゴム成分として発泡性ゴムを含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記含油処理ゴム層中の含油量が、前記含油処理ゴム層中の前記ゴム成分100重量部に対し10重量部〜50重量部である、請求項1ないし5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。





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