JP2013169883A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

車両の動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013169883A
JP2013169883A JP2012034837A JP2012034837A JP2013169883A JP 2013169883 A JP2013169883 A JP 2013169883A JP 2012034837 A JP2012034837 A JP 2012034837A JP 2012034837 A JP2012034837 A JP 2012034837A JP 2013169883 A JP2013169883 A JP 2013169883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
rotation speed
internal combustion
combustion engine
power transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012034837A
Other languages
English (en)
Inventor
Hayato Sasaki
隼斗 佐々木
Hiroyuki Kamatsuki
裕之 釜付
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2012034837A priority Critical patent/JP2013169883A/ja
Publication of JP2013169883A publication Critical patent/JP2013169883A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

【課題】走行環境に応じた内燃機関の駆動と共にその動力の伝達を実現することにより、高品質なドライバビリティを実現できる車両の動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】エンジン101を搭載して車輪を回転駆動することにより走行する車両の動力伝達装置であって、TCU60と連携してエンジン101と共にクラッチ機構を備える自動変速機10を統括制御するECU110が、エンジンの設定回転速度以上での駆動を確保しつつ車速に応じたクラッチ機構のスベリ制御を調整するための通常制御用と登坂制御用のマップを予め備え、登坂路での発進のために車両の加速不良が発生と判定したときに、設定回転速度が高めに設定されている登坂目標回転数マップに通常目標回転数マップから切り換えて使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の動力伝達装置に関し、詳しくは、走行環境に応じたスムーズな加速を実現するものに関する。
トルクコンバータを介することなく、搭載する内燃機関の駆動力の伝達を自動制御して車輪を回転駆動させることにより走行する車両は、内燃機関が停止しないように自動制御するクラッチ機構を介して動力を伝達するようになっている。
この種の車両の動力伝達装置は、発進時などのように内燃機関の駆動を維持不能な単位時間当たりの回転数(以下では単に回転数あるいは回転速度ともいう)の低速状態から加速する場合には、内燃機関側と車輪側との間の動力伝達経路途中のクラッチ機構の係合部材間を滑らせることにより、内燃機関が停止することのない回転数での駆動を維持しつつ車輪側に動力を伝達して発進加速することを実現している。
このような発進時等における内燃機関の回転速度は、駆動を維持する程度、言い換えると失速しないストール回転数以下にならないようにクラッチ機構が一律に係合部材間のスベリ量を調整するものである。このため、平坦路の場合には、車両を発進加速させて走行する際の良好な走行感覚(所謂、ドライバビリティ)を得ることができるが、平坦路よりも大きな駆動力が必要となる登坂路では、クラッチ機構が内燃機関の駆動を維持しつつ伝達する駆動力が不足して快適な発進加速を得ることができず、ドライバビリティの悪化を避けることができない。
ところで、トルクコンバータを備える車両の動力伝達装置では、内燃機関の回転数を増加させる制御を行なうことが特許文献1において提案されており、これを流用することにより登坂路でのドライバビリティの悪化を回避することが考えられる。
特開2009−275628号公報
しかしながら、この特許文献1に記載の技術を流用するにしても、一律に内燃機関の回転数を上げて駆動を維持(停止を回避)するだけであることから、快適走行を実現するようにクラッチ機構(係合部材の係合)を制御することができず、高品質なドライバビリティを得るのには不十分であった。
そこで、本発明は、走行環境に応じた内燃機関の駆動と共にその動力の伝達を実現することにより、高品質なドライバビリティを実現することができる車両の動力伝達装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する車両の動力伝達装置に係る発明の第1の態様は、動力源として内燃機関を搭載して車輪を回転駆動することにより走行する車両の動力伝達装置であって、前記内燃機関側の駆動軸および前記車輪側の入力軸の間における動力伝達経路を構成する係合部材同士の係合状態に応じて該動力伝達経路の締結または解放を実行するクラッチ機構と、前記車両側のアクセル開度に応じた制御処理で回転駆動する前記内燃機関が駆動を維持可能な回転速度以上で前記駆動軸を回転させて動力を前記入力軸に伝達するように前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合状態を制御する伝達制御部と、を備えており、前記伝達制御部は、前記車両の加速不良の発生の有無を判定する加速不良判定部と、前記車両の発進制御時に前記内燃機関が設定回転速度以上で駆動するように前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合状態を前記車輪側の前記入力軸の回転速度に応じて調整する複数の制御マップと、を具備して、前記加速不良判定部が前記車両の加速不良の発生と判定したときに、前記設定回転速度が高めに設定されている前記制御マップに切り換えて使用することを特徴とするものである。
上記課題を解決する車両の動力伝達装置に係る発明の第2の態様は、上記第1の態様の特定事項に加え、前記制御マップとして、走行環境が平坦路の場合にスムーズに発進するために必要な回転速度で前記内燃機関の駆動を維持可能な通常回転速度が設定されている通常制御マップと、走行環境が登坂路の場合にスムーズに発進するために必要な回転速度で前記内燃機関の駆動を維持可能な前記通常回転速度よりも高めの登坂回転速度が設定されている当該登坂勾配に応じた少なくとも1種以上の登坂制御マップと、を準備されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
ものである。
上記課題を解決する車両の動力伝達装置に係る発明の第3の態様は、上記第2の態様の特定事項に加え、前記伝達制御部は、前記登坂制御マップに設定されている前記登坂回転速度でも前記加速不良判定部が前記車両の加速不良の発生と判定する際に、前記内燃機関の回転速度を急上昇させる急勾配用目標回転数を備えて、当該判定時には前記内燃機関の回転速度を前記急勾配用目標回転数に上昇させるとともに、当該急勾配用目標回転数を維持するように前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合状態を調整することを特徴とするものである。
上記課題を解決する車両の動力伝達装置に係る発明の第4の態様は、上記第3の態様の特定事項に加え、前記伝達制御部は、前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合を解除して、前記内燃機関の回転速度を前記急勾配用目標回転数に上昇させることを特徴とするものである。
このように、本発明の一態様によれば、車両が発進する際など、低速状態から加速する場合に加速不良が発生するときには、内燃機関の駆動を維持する回転速度が高めに設定されている制御マップに切り換えて、車輪(入力軸)の回転速度(車速)に応じたクラッチ機構の係合部材同士の係合状態に調整して動力を伝達することができる。したがって、例えば、内燃機関から伝達する駆動力が平坦路では十分でも登坂路では足りない場合には、直ちに大きな駆動力を発生する回転数に上昇させるとともに、車輪の回転速度に応じた係合状態に調整制御されているクラッチ機構の係合部材同士を介して大きな動力を伝達することができる。この結果、走行環境に応じて内燃機関を駆動回転させるとともに、スムーズな加速特性を得られるように動力を伝達することができ、高品質なドライバビリティを提供することができる。
ここで、この制御マップは、平坦路に対応する通常制御マップと、登坂路に対応する登坂制御マップとの2種に限らず、登坂路の勾配に応じた制御マップを準備してもよい。この場合には、より走行環境に応じた動力伝達を実現してドライバビリティを向上させることができる。
また、急勾配時には、内燃機関の目標回転数を設定しておき、その高速回転数を目標に内燃機関の駆動を制御するようにしてもよく、クラッチ機構の係合部材同士の係合を解除することにより内燃機関の駆動を目標回転数に迅速に到達させてその高速回転速度での動力を伝達するようにしてもよい。この場合には、クラッチ機構の係合状態を維持しつつ回転数を上昇させるよりも瞬時に高速回転を実現することができ、急勾配の走行路に迅速に対応してドライバビリティを向上させることができる。
本発明に係る車両の動力伝達装置の第1実施形態を示す図であり、その基本構成の概略全体構成を示す概念ブロックである。 その自動変速機の構成を示す概念平面図である。 その要部構成を示す概念図である。 その動力伝達制御を説明するフローチャートである。 その動力伝達制御を説明するタイミングチャートである。 本発明に係る車両の動力伝達装置の第2実施形態を示す図であり、その動力伝達制御を説明するフローチャートである。 その動力伝達制御を説明するタイミングチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図5は本発明に係る車両の動力伝達装置の第1実施形態を示す図である。
図1において、車両は、内燃機関であるエンジン(動力源)101と、車載されているアクセルペダル111やブレーキペダル112の操作情報やエンジン101の駆動出力軸の回転速度を検出する速度センサ115からのセンサ情報などに基づいてそのエンジン101の駆動を制御するエンジン制御モジュール(ECM)110と、エンジン101の駆動軸に連結されてそのエンジン101の発生する動力を走行に適した回転駆動に変換して不図示のディファレンシャル・ギヤ(差動歯車装置)に伝達することにより車両の駆動輪を転動駆動させる自動変速機10と、を備えている。
自動変速機10は、図2に示すように、エンジン101の駆動出力軸に連結されて伝達する回転駆動力を入力される回転入力軸11と、上記のディファレンシャル・ギヤの駆動入力軸を連結されて伝達する回転駆動力を出力する回転出力軸12と、これらの間に介在して回転駆動力を所望の回転速度に変速して伝達する変速機構本体20と、この変速機構本体20の動力伝達経路への締結または解放を実行するクラッチ機構31、32と、を備えており、エンジン101の駆動出力軸(回転入力軸11)の回転駆動力を所望の回転速度にする変速制御を機械的に実行してディファレンシャル・ギヤの駆動入力軸(回転出力軸12)に受け渡すようになっている。
変速機構本体20は、1速から6速の変速段21〜26と共に後退の変速段27を、低速の変速群20Aと、高速および後退の変速群20Bとの2系統に振り分けて、それぞれに対応する回転出力軸12A、12Bに伝達出力する所謂、デュアルクラッチ・トランスミッションとして構築されており、走行に必要な駆動力と共に回転速度でエンジン101の動力を伝達して車両の駆動輪を回転駆動させている。
なお、この自動変速機10は、クラッチ機構31、32のいずれか一方を締結状態にして変速群20A、20Bの一方を伝達経路に組み入れたときには、他方が動力の伝達経路から外れて非締結状態の中立状態に移行することにより動力の伝達効率に影響を与えないようになっている。このクラッチ機構31、32は、回転入力軸11に共通に一方の摺接係合部材31a、32aが連結されているとともに、それぞれの他方の摺接係合部材31b、32bには、変速群20A、20Bの変速ギヤ21〜27がシンクロ機構35〜38を介して連結・解放可能に配置されており、動力を伝達可能に連結された変速ギヤ21〜27からはドリブンギヤ41〜45を介して回転出力軸12A、12Bにその動力が伝達される。このうちのリバースギヤ(変速ギヤ)27を介する動力は、変速ギヤ21から一体回転する伝達ギヤ46、47を介在させることにより逆回転する動力が回転出力軸12Aに伝達される。
また、クラッチ機構31、32は、図3に示すように、車両各部で利用する油圧ラインが接続されているラインソレノイド51と、このラインソレノイド51から油圧分岐路52を介する油圧経路57に配置された低速変速群20A用のクラッチソレノイド53と、その油圧分岐路52を介する別の油圧経路58に配置された高速・後退変速群20B用のクラッチソレノイド54と、クラッチソレノイド53、54の下流側の油圧を実測(検知)する油圧センサ55、56と、を備えている。TCU60は、ラインソレノイド51には特性マップに基づいて電流供給して駆動するとともに、クラッチソレノイド53、54には油圧センサ55、56の油圧実測値に基づいて供給電流を増減することにより摺接係合部材31a、31b、32a、32bの摺接程度(係合状態)を調整して駆動制御するようになっている。なお、ラインソレノイド51の下流側に油圧センサを配置してもよいが、特性マップに代替えすることにより省略してコストダウンを図っている。
図1に戻って、自動変速機10は、クラッチ機構31、32やシンクロ機構35〜38などを搭載するシフト・クラッチアクチュエータ50の駆動動作がトランスミッション制御ユニット(以下では単にTCUともいう)60により統括制御されるようになっている。TCU60は、ECM110と同様に、シフトレバー105の操作情報に応じて、自動変速機10の各部の回転速度を検出する速度センサ61からのセンサ情報に基づいてシフト・クラッチアクチュエータ50を制御するようになっており、クラッチ機構31、32の摺接係合部材31a、31b、32a、32bの係合状態を調整制御してシンクロ機構35〜38が適正に稼働するようにシフト・クラッチアクチュエータ50全体を統括制御する。なお、TCU60とECM110は、CAN(Controller Area Network)通信により互いに各種情報をやりとりするようになっており、自動変速機10とエンジン101とを連携動作させるようになっている。
そして、ECM110は、アクセルペダル111の踏み込み量に応じたアクセル開度に基づいてエンジン101の回転駆動を制御するようになっており、停車時にはクラッチ機構31、32が解放状態に移行して動力伝達経路を空転させつつエンジン101をアイドリング回転数で駆動させて停止させない程度の稼働状態を維持するようになっている。
このECM110は、エンジン101にノッキング等を発生させて失速停止(stall)させてしまうことのない条件として、エンジン101の回転速度(回転入力軸11の単位時間当たりの回転数)と車速(回転出力軸12の単位時間当たりの回転数)とを対応させているストール回転数マップ(制御マップ)が不図示のメモリ内に予め設定されている。ECM110は、発進時や低速からの加速時には、このストール回転数マップを参照しつつシフト・クラッチアクチュエータ50のクラッチ機構31、32への供給油圧をTCU60と連携して調整することにより、摺接係合部材31a、31b、32a、32b間の係合状態を、言い換えると、その摺接係合部材31a、31b、32a、32b間のスベリ程度を制御(スリップ制御)するようになっている。
これにより、エンジン101は、停止することなく回転駆動を維持しつつ駆動輪の転動を開始させて車速を上昇させることができる。また、ECM110がその車速や回転数に応じてクラッチ機構31、32によるスベリ制御を調整することにより、エンジン101の駆動力の伝達効率を向上させつつスムーズな発進を実現しており、異常なエンジン101の回転数の上昇を抑えるとともに燃費を向上させている。このような効果的な回転駆動を実現するための下限値としてストール回転数が設定されており、ECM110は、発進時などにはエンジン101側の回転入力軸11(エンジンの駆動軸でもよい)と駆動輪側の回転出力軸12(ディファレンシャル・ギヤの入力軸でもよい)の回転速度を常時比較して、TCU60による変速段制御を実行する。すなわち、ECM110が伝達制御部を構成している。
また、ECM110は、上記のストール回転数マップとして、平坦路を走行する際の通常目標回転数マップ(通常制御マップ)と、登坂路を上り方向に走行する際の登坂目標回転数マップ(登坂制御マップ)と、が予めメモリ内に設定されており、発進時などには、エンジン101側の回転入力軸11と駆動輪側の回転出力軸12の回転速度(回転数)の比較結果に応じて通常目標回転数マップと登坂目標回転数マップとを適宜切り換えてスリップ制御(クラッチ制御)を実行する。
具体的に、ECM110は、図4のフローチャートと図5のタイミングチャートに示すように、ドライバがアクセルペダル111を一定量踏み込むことにより発進(アイドリング回転数程度の低速時の含む)してから加速開始する際には、まずは、通常目標回転数マップを参照対象として(ステップS101)、そのアクセルペダル111の踏み込み量に応じたアクセル開度に基づいてエンジン101の回転数を上昇させるとともに、シフト・クラッチアクチュエータ50(TCU60)が自動変速機10の変速制御と共にクラッチ機構31、32への油圧制御を実行して摺接係合部材31a、31b、32a、32b間のスベリ程度を調整するクラッチ制御を実行する(ステップS102)。
このとき、平坦路の場合には、通常目標回転数マップにおけるエンジン101の目標回転数Neと車速(回転出力軸12の回転数)とが対応するようにクラッチ制御を実行することにより、エンジン回転数Neに対してクラッチ回転数Ncが追い付くクラッチ制御がなされる。登坂路の場合には、エンジン101の回転数Neが通常目標ストール回転数Ns1に達してもそのエンジン101がストールしないように車速に応じたクラッチ制御を実行することによりそのクラッチ回転数Ncは追い付かない。
このため、ECM110は、発進後に、車両の加速度aの実加速度と、平坦路における基準加速度との差分(加速度差)に基づいて登坂路か否か(加速不良の発生か否か)を判定するようになっており(ステップS103)、その車両の加速度差Δαが登坂判定値Δα1よりも小さく、登坂路でないと判断された場合には、そのままステップS106に進んで、後述するクラッチ制御の終了か否かの判断をする。すなわち、ECM110が加速不良判定部を構成している。
一方、ステップS103において、車両の実加速度aの平坦路の基準加速度との加速度差Δαが登坂判定値Δα1以上で、登坂路と判定された場合には、参照するストール回転数マップを、平坦路走行用の通常目標回転数マップから登坂走行用の登坂目標回転数マップに切り換えて(ステップS104)、エンジン101の回転数Neを登坂用目標ストール回転数Ns2に上昇させるとともに、シフト・クラッチアクチュエータ50(TCU60)が自動変速機10の変速制御と共にクラッチ機構31、32への油圧制御を実行して摺接係合部材31a、31b、32a、32b間のスベリ程度を調整するクラッチ制御を実行する(ステップS105)。
この後に、ECM110は、クラッチ回転数Ncがエンジン回転数Neに追い付く(スベリ制御終了)、あるいは、車両の実加速度aの平坦路における基準加速度との加速度差Δαが登坂判定値Δα1よりも小さくなって十分に加速走行状態に移行するなどして、クラッチ制御を終了してもドライバビリティ(走行操作性)を損なうことないか確認して(ステップS106)、問題ないことが確認された場合には、クラッチ制御の終了と判断してこの処理を終了する。
一方、ステップS106において、車両の実加速度aの平坦路における基準加速度との加速度差Δαが登坂判定値Δα1よりもまだ大きくクラッチ制御を終了するとドライバビリティを損なう可能性が高いと判断された場合には、ステップS104で参照ストール回転数マップが平坦路走行用の通常目標回転数マップから登坂走行用の登坂目標回転数マップに切り換え済みか否か確認して(ステップS107)、切り換え済みの場合にはそのままステップS106に戻って、エンジン101の回転数Neを登坂用目標ストール回転数Ns2に上昇させつつクラッチ機構31、32のスベリ制御等のクラッチ制御を継続する。
また、ステップS107において、ステップS104で参照ストール回転数マップが平坦路走行用の通常目標回転数マップから登坂走行用の登坂目標回転数マップに切り換え済みでないことが確認された場合には、平坦路走行から登坂路走行に変化している場合もあることから、ステップS103に戻って、登坂路か否かの判断から繰り返すようになっている。
したがって、車両が登坂路で発進などする際には(駆動力が足りない場合には)、平坦路用の通常目標回転数マップと同様のドライバビリティに優れる走行フィーリングが得られる登坂走行用の登坂目標回転数マップに切り換えて、クラッチ制御を実行することができ、エンジン101を失速させることなく、快適走行可能なトルクを発生させて登坂路を走行することができる。
このように本実施形態においては、エンジン101の回転数(駆動力)が平坦路では十分でも登坂路では足りない場合、通常目標回転数マップから登坂目標回転数マップに直ちに切り換えて十分な走行トルク(駆動力)を得られるようにエンジン101を駆動させるとともに、クラッチ機構31、32のスベリ制御を実行することができ、駆動輪をストレスのない走行速度で回転させることができる。したがって、走行環境に応じてエンジン101を駆動させつつ適正なクラッチ制御を実現して、スムーズな加速特性で登坂路を走行することができ、高品質なドライバビリティを提供することができる。
次に、図6および図7は本発明に係る車両の動力伝達装置の第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されていることから、図面を流用して同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
図1において、ECM110は、上述実施形態と同様に、エンジン101の駆動をアクセルペダル111やブレーキペダル112の操作情報と共に速度センサ115からのセンサ情報などに基づいて統括制御するとともに、TCU60(シフト・クラッチアクチュエータ50)と連携して自動変速機10の変速機構本体20(変速群20A、20B)と共にクラッチ機構31、32などの駆動を制御するようになっている。
このECM110は、通常目標回転数マップと登坂目標回転数マップをストール回転数マップとして予めメモリ内に設定されているのに加えて、エンジン101の目標回転速度として、急勾配制御用エンジン回転数(急勾配用目標回転数)Netが設定されている。ECM110は、ストール回転数マップを通常目標回転数マップから登坂目標回転数マップに切り換えても加速不良を解消することができない場合に、クラッチ機構31、32の締結を解除して、エンジン101の回転数を急勾配制御用エンジン回転数Netに上昇させた後に、そのクラッチ機構31、32のスベリ制御等のクラッチ制御を実行するようになっている。
これにより、車速が基準加速度に到達するようにストール回転数マップに基づいてエンジン101を目標回転数で駆動させつつスベリ制御を実行するだけでは、その目標走行の実行が難しいほど急勾配である場合でも、一旦、エンジン101の駆動輪側への動力の伝達経路を切った上で高速回転させた後に、再度、動力を伝達するようにスベリ制御(クラッチ制御)を開始することができ、かなりの急勾配の登坂路のような走行環境でも、快適なドライバビリティを実現することができる。
具体的に、ECM110は、図6のフローチャートと図7のタイミングチャートに示すように、上述第1実施形態と同様に、まずは、ドライバのアクセルペダル111の踏み込み量(アクセル開度)に応じて発進加速を開始する際に、通常目標回転数マップを参照しつつエンジン101の目標回転数Neと車速とが対応するようにクラッチ制御を実行する(ステップS101、S102)。
このECM110は、この後に、車両の実加速度aの基準加速度との加速度差Δαが登坂判定値Δα1以上であるために、走行環境が登坂路(加速不良)である判断して(ステップS103)、参照するストール回転数マップを登坂走行用の登坂目標回転数マップに切り換えてクラッチ制御の実行を開始した後にも(ステップS104、S105)、このクラッチ制御を終了することができない場合に(ステップS106、S107)、続けて、動力伝達の遮断(クラッチ機構31、32の解放)と共にエンジン101の目標回転速度を急勾配制御用エンジン回転数Netに上昇させる急勾配制御を開始する。
詳細には、ECM110は、エンジン101の目標回転速度を急勾配制御用エンジン回転数Netに上昇させる急勾配制御では、登坂路か否かの判断と同様に、車両の実加速度aの基準加速度との加速度差Δαが登坂判定値Δα1よりも大きな急勾配判定値Δα2以上である場合に急勾配の登坂路と判定する(ステップS201)。なお、急勾配の登坂路と判定できない場合には、ステップS106に戻って同様の処理を繰り返す。
この急勾配登坂路の判定後には、ECM110は、エンジン101の目標回転数として、予め準備されている急勾配用エンジン回転数Netを設定するとともに(ステップS202)、クラッチ機構31、32への油圧供給を一時停止して摺接係合部材31a、31b、32a、32bの係合状態を開放し(エンジン101を負荷から解放し)、エンジン101の回転数を急上昇させる(ステップS203)。ECM110は、このエンジン101の回転数がその目標エンジン回転数Netに到達したことを確認した後に(ステップS204)、シフト・クラッチアクチュエータ50(TCU60)が自動変速機10の変速制御と共にクラッチ機構31、32への油圧制御を実行して摺接係合部材31a、31b、32a、32b間のスベリ程度を調整するクラッチ制御を実行する(ステップS205)。
次いで、ECM110は、エンジン回転数Neとクラッチ回転数Ncとが一致するなどして、このクラッチ制御を終了してもドライバビリティを損なうなどの問題ないことを確認した後にこの処理を終了する(ステップS206)。
これにより、エンジン101は、目標エンジン回転数Netを維持しようとしつつクラッチ制御によりスベリ制御等を実行して動力の伝達を再開するので、そのエンジン回転数Neが極端に低下してしまうことなく、クラッチ回転数Ncを追い付かせるように調整制御することができる。
したがって、平坦路用の通常目標回転数マップと登坂走行用の登坂目標回転数マップに加えて、急勾配の登坂路でもエンジン101を失速させることなく、車両をスムーズに発進加速させることができ、快適走行可能なトルクを発生させて急勾配の登坂路の走行を継続することができる。
このように本実施形態においては、上述の実施形態による作用効果に加えて、特に急勾配の登坂路にも対応するようにエンジン101を駆動させつつ適正なクラッチ制御により十分な走行トルク(駆動力)を伝達して快適に発進加速して走行することができる。したがって、スムーズな加速特性で登坂路を走行することができ、高品質なドライバビリティを提供することができる。
ここで、本実施形態では、急勾配の登坂路のときに、エンジン101の目標回転数として急勾配用エンジン回転数Netを設定する場合を一例として説明するが、これに限るものではなく、急勾配の登坂路用のストール回転数マップを準備して切り換えるようにしてもよく、この場合にも、クラッチ機構31、32の解放を合わせて実行するのも好適である。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
10 自動変速機
11 回転入力軸
12、12A、12B 回転出力軸
20 変速機構本体
20A 低速変速群
20B 高速・後退変速群
21〜27 変速ギヤ
31、32 クラッチ機構
31a、31b、32a、32b 摺接係合部材
35〜38 シンクロ機構
41〜45 ドリブンギヤ
46 伝達ギヤ
50 シフト・クラッチアクチュエータ
51 ラインソレノイド
52 油圧分岐路
53、54 クラッチソレノイド
55 油圧センサ
57、58 油圧経路
61 速度センサ
101 エンジン
105 シフトレバー
111 アクセルペダル
112 ブレーキペダル
115 速度センサ

Claims (4)

  1. 動力源として内燃機関を搭載して車輪を回転駆動することにより走行する車両の動力伝達装置であって、
    前記内燃機関側の駆動軸および前記車輪側の入力軸の間における動力伝達経路を構成する係合部材同士の係合状態に応じて該動力伝達経路の締結または解放を実行するクラッチ機構と、前記車両側のアクセル開度に応じた制御処理で回転駆動する前記内燃機関が駆動を維持可能な回転速度以上で前記駆動軸を回転させて動力を前記入力軸に伝達するように前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合状態を制御する伝達制御部と、を備えており、
    前記伝達制御部は、
    前記車両の加速不良の発生の有無を判定する加速不良判定部と、
    前記車両の発進制御時に前記内燃機関が設定回転速度以上で駆動するように前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合状態を前記車輪側の前記入力軸の回転速度に応じて調整する複数の制御マップと、
    を具備して、
    前記加速不良判定部が前記車両の加速不良の発生と判定したときに、前記設定回転速度が高めに設定されている前記制御マップに切り換えて使用することを特徴とする車両の動力伝達装置。
  2. 前記制御マップとして、
    走行環境が平坦路の場合にスムーズに発進するために必要な回転速度で前記内燃機関の駆動を維持可能な通常回転速度が設定されている通常制御マップと、
    走行環境が登坂路の場合にスムーズに発進するために必要な回転速度で前記内燃機関の駆動を維持可能な前記通常回転速度よりも高めの登坂回転速度が設定されている当該登坂勾配に応じた少なくとも1種以上の登坂制御マップと、
    を準備されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
  3. 前記伝達制御部は、
    前記登坂制御マップに設定されている前記登坂回転速度でも前記加速不良判定部が前記車両の加速不良の発生と判定する際に、前記内燃機関の回転速度を急上昇させる急勾配用目標回転数を備えて、
    当該判定時には前記内燃機関の回転速度を前記急勾配用目標回転数に上昇させるとともに、当該急勾配用目標回転数を維持するように前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合状態を調整することを特徴とする請求項2に記載の車両の動力伝達装置。
  4. 前記伝達制御部は、
    前記クラッチ機構の前記係合部材同士の係合を解除して、前記内燃機関の回転速度を前記急勾配用目標回転数に上昇させることを特徴とする請求項3に記載の車両の動力伝達装置。
JP2012034837A 2012-02-21 2012-02-21 車両の動力伝達装置 Pending JP2013169883A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034837A JP2013169883A (ja) 2012-02-21 2012-02-21 車両の動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034837A JP2013169883A (ja) 2012-02-21 2012-02-21 車両の動力伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013169883A true JP2013169883A (ja) 2013-09-02

Family

ID=49264112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012034837A Pending JP2013169883A (ja) 2012-02-21 2012-02-21 車両の動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013169883A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104019222A (zh) * 2014-06-12 2014-09-03 盛瑞传动股份有限公司 一种自动变速器控制系统
KR20160073310A (ko) 2014-12-16 2016-06-24 봇슈 가부시키가이샤 엔진 회전 제어 방법 및 하이브리드 차량
KR20170116574A (ko) 2016-04-11 2017-10-19 봇슈 가부시키가이샤 차량의 제어 시스템 및 제어 방법
JP2018132170A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
CN113911116A (zh) * 2021-10-30 2022-01-11 重庆长安汽车股份有限公司 一种车辆爬坡起步低速跟车和稳坡控制方法、系统及存储介质
JP2022079498A (ja) * 2018-02-16 2022-05-26 スズキ株式会社 車両の制御装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104019222A (zh) * 2014-06-12 2014-09-03 盛瑞传动股份有限公司 一种自动变速器控制系统
KR20160073310A (ko) 2014-12-16 2016-06-24 봇슈 가부시키가이샤 엔진 회전 제어 방법 및 하이브리드 차량
KR20170116574A (ko) 2016-04-11 2017-10-19 봇슈 가부시키가이샤 차량의 제어 시스템 및 제어 방법
CN107291488A (zh) * 2016-04-11 2017-10-24 博世株式会社 车辆的控制系统和控制方法
CN107291488B (zh) * 2016-04-11 2021-12-21 博世株式会社 车辆的控制系统和控制方法
JP2018132170A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP2022079498A (ja) * 2018-02-16 2022-05-26 スズキ株式会社 車両の制御装置
JP7272483B2 (ja) 2018-02-16 2023-05-12 スズキ株式会社 車両の制御装置
CN113911116A (zh) * 2021-10-30 2022-01-11 重庆长安汽车股份有限公司 一种车辆爬坡起步低速跟车和稳坡控制方法、系统及存储介质
CN113911116B (zh) * 2021-10-30 2023-08-22 重庆长安汽车股份有限公司 一种车辆爬坡起步低速跟车和稳坡控制方法、系统及存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8171824B2 (en) Vehicular power transmission control apparatus
US8874289B2 (en) Vehicular power transmission control apparatus
JP2013169883A (ja) 車両の動力伝達装置
JP2014058286A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US8210985B2 (en) Vehicular power transmission control apparatus
US8725336B2 (en) Power transmission control device for vehicle
US20070149356A1 (en) Control device and control method for automatic transmission
WO2013008858A1 (ja) 車両の動力伝達制御装置
US20140083247A1 (en) Manual transmission
JP5307602B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP5340790B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP2013023000A (ja) 手動変速機
WO2012069165A1 (en) Method of controlling a double clutch in a vehicle transmission, and clutch control system for controlling a double clutch
JP2013022999A (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP5462057B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP2010260373A (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP2008223857A (ja) 車両用動力伝達装置
JP5379554B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP5322749B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP5307614B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP5367445B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP5990023B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
KR102216067B1 (ko) 하이브리드 모터 차량의 반자동 기어박스를 제어하는 방법 및 장치
JP2007232046A (ja) 自動車の制御装置及び制御方法
JP2013036474A (ja) 動力伝達装置の制御装置