JP2013166093A - スケール付着防止方法及びスケール付着防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水系内で発生するスケールの付着防止に極めて有効であり、特にシリカ系及びアルミニウム系のスケールの付着防止効果が高く、熱交換器の安定運転に大きく寄与できるスケール付着防止方法及びスケール付着防止剤を提供する。
【解決手段】ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)と、ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩の少なくとも1種からなる薬剤(2)とを、冷却水系の冷却水に併用することを特徴とするスケール付着防止方法、並びに、前記水酸基含有有機物(1)と前記薬剤(2)とを含むことを特徴とするスケール付着防止剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビル空調、一般工場、石油化学コンビナート等に設置されている熱交換器を備えた冷却水系(冷却水装置)にて発生するスケール付着を防止し、熱交換器の安定運転を効率的に達成することができるスケール付着防止方法及びスケール付着防止剤に関するものである。
冷却水系、ボイラ水系などの水と接触する伝熱面、配管内ではスケール障害が発生する。特に省資源省エネルギーの立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少なくして高濃縮運転を行う場合、溶解する塩類が濃縮されて、伝熱面が腐食しやすくなるとともに、難溶性の塩となってスケール化する。生成したスケールは熱効率の低下、配管の閉塞、水質計測機器のセンサー部への付着による障害等、ボイラや熱交換器の運転に重大な障害を引き起こす。
生成するスケールは種々存在するが、そのうち炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等の非シリカ系スケールの防止のためには、一般にマレイン酸、アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマーが有効である。また、これら非シリカ系スケールの防止のためには、上記のカルボキシ基を有するモノマーとビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニルモノマーとを組み合わせたコモノマー;上記のカルボキシ基を有するモノマーとアクリルアミド等のノニオン性ビニルモノマーとを組み合わせたコポリマー;ヘキサメタリン酸ソーダやトリポリリン酸ソーダ等の無機ポリリン酸類;ヒドロキシエチリデンジホスホン酸やホスホノブタントリカルボン酸等のホスホン酸類等が一般的に使用されている。
また、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のシリカ系スケールの防止のためには、アクリルアミド系ポリマー(特許文献1)、カチオン系ポリマー(特許文献2)、ポリエチレングリコール(特許文献3)等のスケール防止剤が提案されており、スケール種に応じてポリマーが使い分けられている。
特開昭61−107998号公報 特開平7−256266号公報 特開平2−31894号公報
冷却水系において使用される補給水は、通常、工業用水、水道水、地下水等であるため、水中に様々なイオン種が存在する。したがって、特に高濃縮運転を行う場合には、全てのスケール種に効果的に対応できるスケール防止剤が必要であるが、現状ではまだ無い。特に、シリカ系スケールの付着防止に有効なポリマーが無いのが現状である。
例えば、特許文献1のアクリルアミド系ポリマーは、シリカ濃度が低い場合にはスケールの防止効果はあるものの、水質の変動つまりシリカ濃度の変動には効果が十分追随できない。
特許文献2のカチオン系ポリマーは、四級アンモニウム塩であり、カチオン性が非常に強いため、水中のシリカや微生物由来の汚れ(スライム)とゲル状の反応物をつくりやすく、配管内でつまり等のトラブルを起こしやすいという欠点がある。また、このカチオン系ポリマーは、カチオン性であるために配管の金属材料に吸着しやすく、系内でのポリマーの消耗が著しいという欠点もある。
特許文献3のポリエチレングリコールは、シリカ濃度が低い場合にはスケールの付着を抑える効果はあるが、共存イオンの影響を受けやすく効果が安定しない等の問題がある。
また、近年排水の再利用化が進んでおり、排水の凝集処理水を補給水とするケースが増えている。また、湖沼や河川水由来の工業用水を用いる場合は、用水処理として凝集処理が行われることが一般的である。その結果、これらの凝集処理水中に凝集剤由来のアルミニウムが残留する場合がある。これらを補給水として用いた場合に、カルシウムやシリカ以外にアルミニウムも成分として含まれるスケールの付着が起こる。アルミニウム含有スケールの防止のためには、冷却水系循環水の濃縮管理、カルシウム系スケールの防止に有効なカルボキシル基を有するポリマーやホスホン酸の添加、などの対策をとっているが、決め手となる有効な方法がないのが現状である。
本発明は上述した事情に鑑み、ビル空調、一般工場、石油化学コンビナート等の熱交換器を備えた冷却水系内で発生するスケールの付着防止に極めて有効であり、特にシリカ系及びアルミニウム系のスケールの付着防止効果が高く、熱交換器の安定運転に大きく寄与できるスケール付着防止方法及びスケール付着防止剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、冷却水系の冷却水に、ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)と、ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩の少なくとも1種からなる薬剤(2)とを併用することにより、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、次の[1]〜[5]を提供するものである。
[1]ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)と、ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩の少なくとも1種からなる薬剤(2)とを、冷却水系の冷却水に併用することを特徴とするスケール付着防止方法。
[2]前記水酸基含有有機物(1)の前記冷却水中における含有量を0.1〜100mg/Lとする[1]に記載のスケール付着防止方法。
[3]前記薬剤(2)の前記冷却水中における含有量を0.1〜200mg/Lとする[1]又は[2]に記載のスケール付着防止方法。
[4]ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)と、ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩の少なくとも1種からなる薬剤(2)とを含むことを特徴とするスケール付着防止剤。
[5]前記水酸基含有有機物(1)と前記薬剤(2)とが一剤化されることなく分離されている[4]に記載のスケール付着防止剤。
本発明によると、ビル空調、一般工場、石油化学コンビナート等に設置されている熱交換器を備えた冷却水系内で発生するスケールの付着防止に極めて有効であり、特にシリカ系及びアルミニウム系のスケールの付着防止効果が高く、熱交換器の安定運転に大きく寄与できるスケール付着防止方法及びスケール付着防止剤を提供することができる。
冷却水系の模式図である。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のスケール付着防止方法は、ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)(以下「成分(1)」ということがある)と、ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩の少なくとも1種からなる薬剤(2)(以下「成分(2)」ということがある)とを、冷却水系の冷却水に併用することを特徴とする。また、本発明のスケール付着防止剤は、成分(1)と、成分(2)とを含むことを特徴とする。
本発明によると、冷却水系内で発生するスケールの付着を良好に防止することができ、特にシリカ系及びアルミニウム系のスケールの付着防止効果が高く、冷却水系の安定運転が可能である。その理由の詳細は不明であるが、ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)中の水酸基が、脂肪族樹脂中の水酸基よりも、アルミニウムの水酸基及びシリカの水酸基と強く作用し、シリカ系及びアルミニウム系のスケールの付着を良好に防止したものと考えられる。また、アニオン性官能基を有する水溶性ポリマー(2)が、カルシウム化合物やマグネシウム化合物等の非シリカ系スケールの付着を良好に防止する。これらの相乗効果により、スケールの付着を良好に防止できるものと考えられる。
<対象装置(冷却水系)>
本発明は、ビル空調、一般工場、石油化学コンビナート等の熱交換器を有する冷却水系に設置されている、冷却水系の熱交換器本体、循環水のピット、冷却塔等の装置及び配管内に付着するスケールを防止するために好適に適用される。
図1は冷却水系の一例を示す模式図である。循環水ピット1内の循環水は、循環ポンプ2によって抜き出され、熱交換器4内で熱交換されて加温された後、循環水ピット1内の上部から散布されることによって冷却される。なお、図1では、循環ポンプ2と熱交換器4との間に非伝熱チューブ3が設置されているが、これは後述する実施例で用いるものであり、通常は設置しないことが好ましい。この循環水ピット1内には、水面の高さを測定するレベルセンサー5と、循環水の導電率を測定する導電率計6が設けられている。
循環水ピット1内の循環水の一部をブロー配管7から連続的に又は断続的にブローすると共に、補給水槽13から補給水ポンプ10を用いて冷却水を連続的に又は断続的に補給することにより、前記のレベルセンサー5及び導電率計6の測定値が所定範囲内になるように調整される。また、第1の槽11及び第2の槽12から薬注ポンプ8,9を介して循環水ピット1内に、成分(1)及び成分(2)、並びに必要に応じて他の薬剤が注入される。なお、第1の槽11に成分(1)を貯蔵するとともに第2の槽に成分(2)を貯蔵してもよく、更に第1の槽11及び第2の槽12の少なくとも1つに他の薬剤を混合させて貯蔵してもよい。また、第1の槽11に成分(1)及び成分(2)の混合物を貯蔵するとともに第2の槽12に他の薬剤を貯蔵してもよい。なお、薬剤の種類だけ槽を用意し、薬剤ごとに別々の槽で貯蔵してもよい。
<対象となるスケール>
本発明は、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウムなどのカルシウムやマグネシウム系スケール;リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛などの亜鉛を成分とするスケール;重合シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどのシリカ系スケール;水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムなどのアルミを成分とするスケールに好適に適用される。このように、一般に冷却水系で問題となるスケール種全般が対象であることが本発明の特徴であり、特にアルミニウム含有スケール及びシリカ含有スケールに対して有効であることが、従来技術と大きく異なる特徴である。
<成分(1)>
成分(1)としては、ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)の1種以上からなる水酸基含有有機物が用いられる。
上記ビニルフェノール誘導体としては、例えば、フェニル基が、脂肪族アルキル基、芳香族アルキル基、複素環、ハロゲン等の何らかの官能基で化学修飾されたビニルフェノールが挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜10である。ハロゲン化ビニルフェノールとしては、臭素化ビニルフェノール、塩素化ビニルフェノール等が挙げられる。
上記のポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の重量平均分子量は、スケール付着防止効果を向上させる観点から、好ましくは500〜10万であり、より好ましくは1000〜20000である。
<ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩>
ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩としては、ヘキサメタリン酸ソーダやトリポリリン酸ソーダ等の無機ポリリン酸類、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸やホスホノブタントリカルボン酸等のホスホン酸など、一般的に使用されているものが使用できるが、これらに限定されるものではない。
<添加方法>
成分(1)及び成分(2)は、予め混合してから冷却水系の循環水及び/又は補給水に添加してもよく、混合することなく別々に循環水及び/又は補給水に添加してもよい。例えば、
添加方法(1):成分(1)及び成分(2)を別々のタンクに準備し、別々に冷却水の循環水及び/又は補給水に添加する、
添加方法(2):成分(1)及び成分(2)を別々のタンクに準備し、添加時にこれらを混合してから冷却水の循環水及び/又は補給水に添加する、
添加方法(3):成分(1)及び成分(2)を同じタンク内で混合し混合物としておき、添加時に当該混合物を冷却水の循環水及び/又は補給水に添加する、
等の添加方法を適用することができる。
添加方法(1)及び添加方法(2)のように、成分(1)及び成分(2)を別々に添加する場合、冷却水の性状に応じて、成分(1)と成分(2)の冷却水中における含有比率を任意に調整することができる。
添加方法(2)のように、成分(1)及び成分(2)を同じタンク内で混合し混合物としておく場合、タンクの個数を少なくすることができる。
なお、成分(1)及び/又は成分(2)は、必要に応じて水にて希釈して濃度調整を行って用いてよい。また、必要に応じて、他の水処理薬品と混合して用いてもよい。
<添加濃度>
成分(1)は、冷却水系の循環水中における濃度が、好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは1〜80mg/L、更に好ましくは5〜50mg/L、より更に好ましくは10〜30mg/Lとなるように添加する。0.1mg/L以上であるとスケール付着防止効果に優れ、100mg/L以下であると経済的である。
成分(2)は、冷却水系の循環水中における濃度が、好ましくは0.1〜200mg/L、より好ましくは1〜100mg/L、更に好ましくは2〜50mg/L、より更に好ましくは3〜15mg/L、より更に好ましくは3〜10mg/Lとなるように添加する。0.1mg/L以上であるとスケール付着防止効果に優れ、200mg/L以下であると経済的である。
上記添加濃度は目安であり、水質よって好適な添加濃度は変化するため上記範囲に限定されるものではないが、例えば下記の水質のときに上記濃度範囲が好ましく適用される。
<本発明の適用に有効な水質>
特に限定されるものではないが、例えば冷却水の循環水では、シリカ濃度はSiO2として50mg/L以上、カルシウム濃度はカルシウム硬度で100mg/L以上、アルミニウム濃度はAlとして0.5mg/L以上で、本発明の効果が好適に発揮される。また、冷却水系の腐食や故障の防止等の観点から、循環水において、シリカ濃度はSiO2として500mg/L以下、カルシウム濃度はカルシウム硬度で1000mg/L以下、アルミニウム濃度はAlとして50mg/L以下であることが好ましい。
よって、上記シリカ濃度は、好ましくは50〜500mg/L、より好ましくは60〜300mg/L、更に好ましくは80〜250mg/Lである。上記カルシウム硬度は、好ましくは100〜1000mg/L、より好ましくは120〜500mg/L、更に好ましくは120〜400mg/Lである。上記アルミニウム濃度は、好ましくは0.5〜50mg/L、より好ましくは0.5〜20mg/L、更に好ましくは0.5〜10mg/Lである。
<成分(1)及び成分(2)の剤型>
成分(1)及び成分(2)ともに、水溶液の剤型が好ましいが、粉末やペレット状の固体でもよい。固体の場合は使用直前に溶解タンクにて溶解して水溶液状にして使用するのが好ましい。
成分(1)及び成分(2)は、各々独立した剤型でもよく、成分(1)及び成分(2)を混合して一剤化した剤型でもよい。各々独立した剤型の場合、循環水中の各成分の濃度を独立して調整することができる。一剤化した剤型の場合、保管スペースが小さくて済み、混合する手間を省くこともできる。
一剤化する場合には、アルミニウム系及びシリカ系のスケールの付着と、従来のカルシウム系、マグネシウム系及びリン酸系のスケールの付着とをバランスよく防止する観点から、成分(1)と成分(2)の混合比〔(1)/(2)〕は、好ましくは1/10〜10/1、より好ましくは1/5〜5/1、更に好ましくは1/2〜4/1である。
<他の薬剤との併用>
成分(1)及び成分(2)とともに、必要に応じて、防食剤、スライムコントロール剤、消泡剤などを併用することができる。
防食剤としては、亜鉛塩、モリブデン酸塩、クロム酸塩、亜硝酸塩などの無機塩;メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールなのどの有機防食剤;アミン類や界面活性剤などの被膜形成型材料などが挙げられる。なお、成分(2)の1種であるリン酸及びホスホン酸等のリン化合物はスケール防止作用とともに鉄や鋼材質の熱交換部の腐食防止の役割も果たす。
スライムコントロール剤としては、塩素、次亜塩素酸ソーダ、塩素化イソシアヌル酸、1.3−ジブロモ−5.5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5.5−ジメチルヒダントインなどの塩素系、その他2.2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2.2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、ビス−1.4−ブロモアセトキシ−2−ブテン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4.5−ジクロロ−1.2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−2.4.6−トリフルオロイソフタロニトリル、ヘキサブロモジメチルスルホン、3.3.4.4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1.1−ジオキシド、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1.3−ジオール、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、グルタールアルデヒドなどが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系(ジメチルポリシロキサンなど)、鉱物油(スピンドル油、ケロシンなど)、金属石鹸(炭素数12〜22、たとえばステアリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム)などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、重量平均分子量は、商品の製造会社が測定した値である。
<実施例1〜11及び比較例1〜13>
《評価試験装置》
評価試験装置として、図1に示す装置を用いた。
この装置の保有水量は100Lであり、熱交換器4の伝熱面積は0.25m2である。熱交換器4の材質はSUS304であり、外径19mmのチューブを用いた。また、非伝熱チューブの材質はSUS304であり、外径19mmのチューブを用いた。
《使用したポリマー、工業用水、及び併用薬剤》
成分(1)及び成分(1)を代用するポリマーとして、表1に示すポリマー1〜6を用いた。
成分(2)として、表2に示す薬剤P−1〜P−3を用いた。
冷却水として、表3に示す水質の工業用水を用いた。なお、表3中、酸消費量とは、試料1LについてpH4.8に中和するのに要する酸の量を、炭酸カルシウムの量に換算して、試料1Lについてのmg数で表したものである。濁度とは、JIS K 0101の9.2に基づき測定した透過光濁度(濁度標準液としてカオリン標準液)で表される値である。
Figure 2013166093
Figure 2013166093
Figure 2013166093
《評価試験操作(試験装置の運転)》
前述の工業用水を補給水とし、評価試験装置内の循環水の濃縮倍数が表4に示す倍率(5倍又は7倍)になるように循環水のカルシウム硬度を定期的に測定し、ブロー水量(循環水の系外排出)をコントロールしながら30日間運転を行った。濃縮5倍となるようにコントロールした場合、カルシウム硬度の変動は186〜248mg/Lであり、濃縮7倍となるようにコントロールした場合、カルシウム硬度の変動は268〜330mg/Lであった。この間、循環水の熱交換器入口温度は30℃、出口温度は40℃に保った。また、循環水の熱交換器チューブ及び非伝熱チューブを通過する流速は0.5m/sとした。
更に、循環水中に、表4に示すポリマー及び併用薬剤を次のとおりに添加した。
ポリマーは、固形分濃度として循環水中で15mg/Lになるように連続添加した。アニオン性官能基を有する水溶性ポリマーを併用する場合は、薬剤P−1〜P−3を、循環水中に固形分濃度として5mg/Lになるように添加した。
また、スライムコントロール処理として、次亜塩素酸ソーダを、循環水中の濃度が0.5〜1.0mg/L as Cl2になるように薬注ポンプを用いて添加した。
30日間の試験終了後、熱交換器チューブ、非伝熱チューブを乾燥した後、付着したスケールを削り落として105℃で乾燥し、乾燥後の重量を測定してスケールの付着量とした。その後、スケールを600℃で灰化し、スケール中の金属化合物を酸化物にした。炭化したスケール中のAl23を酸で溶解し、溶解液中のAlについてイオンクロマトグラフィーにて成分分析を行うことにより、炭化スケール中におけるAl23の含有量を換算した。また、酸によって溶解しなかった酸不溶解分の重量を測定することにより、炭化スケール中における酸不溶解分の含有量を求めた。更に、この溶解液からAl23換算量を差し引いたものを「その他」とした。これらの結果を表4に示す。
実施例1においては、酸不溶解分をフッ酸で分解し、イオンクロマトグラフィーにてSiの分析を行い、SiO2に換算したところ、酸不溶解分の98質量%がSiO2であった。この実施例1におけるSiO2の評価結果と、総ての実施例及び比較例において同一の工業用水及び装置を用いていることから、実施例1及び他の総ての実施例及び比較例において、酸不溶解分のほぼ全量がSiO2であるとして扱って問題ないことが確認された。
なお、イオンクロマトグラフィーとしては、DIONEX社製の装置「商品名:IC−20型」を用いた。
Figure 2013166093
《評価結果》
表4に示すとおり、本発明によると、スケール付着量の低減が可能であることが明らかになった。また本発明によると、灰化したスケールの成分中におけるシリカ等からなる酸不溶成分及びアルミナの割合が小さくなり、このことから、シリカ成分及びアルミ成分の付着が防止できることが明らかになった。
1 循環水ピット
3 非伝熱チューブ
4 熱交換器
5 レベルセンサー
6 導電率計
7 ブロー配管
11 第1の槽
12 第2の槽
13 補給水槽

Claims (5)

  1. ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)と、ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩の少なくとも1種からなる薬剤(2)とを、冷却水系の冷却水に併用することを特徴とするスケール付着防止方法。
  2. 前記水酸基含有有機物(1)の前記冷却水中における含有量を0.1〜100mg/Lとする請求項1に記載のスケール付着防止方法。
  3. 前記薬剤(2)の前記冷却水中における含有量を0.1〜200mg/Lとする請求項1又は2に記載のスケール付着防止方法。
  4. ポリビニルフェノール及びビニルフェノール誘導体をモノマー成分とする重合体の1種以上からなる水酸基含有有機物(1)と、ホスホン酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩の少なくとも1種からなる薬剤(2)とを含むことを特徴とするスケール付着防止剤。
  5. 前記水酸基含有有機物(1)と前記薬剤(2)とが一剤化されることなく分離されている請求項4に記載のスケール付着防止剤。
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