JP2013160053A - ガスタービン運転制御装置及び方法並びにプログラム、ガスタービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】予め決められたスケジュールに基づいて、サイリスタ出力値を決定する第1出力値決定部20と、ガスタービンの起動開始からの経過時間に応じて推定されるガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差と、起動開始からの経過時間と、誤差を抑制するための第1補正値とを対応づけた対応情報を有し、対応情報に基づいて、取得した誤差と経過時間から第1補正値を決定し、誤差に基づいて第1補正値を補正した第2補正値を決定する補正値決定部21と、第2補正値により、サイリスタ出力値を補正し、補正後のサイリスタ出力値を出力する第2出力値決定部22を具備する。
【選択図】図2
Description
本発明は、サイリスタを使用して、発電機をガスタービン起動用電動機として用い、サイリスタ出力値のスケジュールに基づいてガスタービンを起動するガスタービン運転制御装置において、予め決められた前記スケジュールに基づいて、前記サイリスタ出力値を決定する第1出力値決定手段と、前記ガスタービンの起動開始からの経過時間に応じて推定される前記ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差と、起動開始からの経過時間と、前記誤差を抑制するための第1補正値とを対応づけた対応情報を有し、該対応情報に基づいて、取得した前記誤差と前記経過時間から前記第1補正値を決定し、前記誤差に基づいて前記第1補正値を補正した第2補正値を決定する補正値決定手段と、前記第2補正値により、前記サイリスタ出力値を補正し、補正後の前記サイリスタ出力値を出力する第2出力値決定手段とを具備するガスタービン運転制御装置を提供する。
このように、ガスタービンが経年により特性変化し、ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差が大きくなり、第1補正値で補いきれない誤差が生じた場合であっても、誤差を加味して第1補正値を補正した第2補正値によって補正したサイリスタ出力値で制御することで、ガスタービンを目標起動時間で正確に起動できるようになる。
ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差が小さくならない場合には、誤差を積分することにより誤差を零に収束させるので、より正確にガスタービンを目標起動時間で起動できるようになる。
このように、ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差が零でない時間が所定期間継続した場合には、対応情報自体を変更して補正することにより、より正確にガスタービンを目標起動時間で起動できるようになる。
ガスタービンの回転数目標値を大気温度に応じて調整し、ガスタービン起動中における実投入比率を一定に制御することにより、失火やNOx(窒素酸化物)排出量増大などの不適切な事象を未然に防止することができる。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態について、図1を用いて説明する。なお、本実施形態においては、ガスタービン運転制御装置を一軸型のコンバインドサイクル発電システムに適用する例について説明するが、本発明は、一軸型だけでなくガスタービンと蒸気タービンとを別軸に接続する多軸型コンバインドサイクル発電システムにも適用できる。
コンバインドサイクル発電システム100は、ガスタービン3に燃焼ガスを供給する燃焼器11、燃焼器11へ燃料を供給する燃料流路に設けられた流量調整弁4、ガスタービン3の運転を制御するガスタービン運転制御装置10、圧縮機1、復水器7、復水ポンプ8、排熱回収ボイラ9、及び蒸気加減弁12を備えている。なお、圧縮機1へ空気等を供給する配管には、空気等の作動流体の流量を調整するための圧縮機入口案内翼の角度を制御する圧縮機入口案内翼調整弁(IGV調整弁)2が備えられている。また、ガスタービン3、蒸気タービン6、及び発電機5は一軸に配置されている。
復水器7は、蒸気タービン6から供給された蒸気を凝縮し復水にさせる。この復水は、復水ポンプにより流路を流れ、排熱回収ボイラ9に供給される。この復水は、排熱回収ボイラ9内にて蒸気を発生させる際に必要とされる。
具体的には、補正値決定部21は、ガスタービンの起動開始からの経過時間と、経過時間に応じて推定されるガスタービンの回転数目標値とが対応づけられた目標値マップMtを有しており、起動開始からの経過時間に応じて、目標値マップMtから回転数目標値を読み出し、取得したガスタービンの回転数計測値との誤差を算出する。
第2出力値決定部22は、補正後の補正値C´により、サイリスタ出力値Soutを補正し、補正後のサイリスタ出力値Sout´を出力する。
コンバインドサイクル発電システム100の運転が開始されると、時刻t1において、スケジュールマップMsに基づいて、運転(起動)開始からの経過時間(例えば、t1)に応じたサイリスタ出力値Soutが読み出される。
算出された第2補正値C´によって、サイリスタ出力値Soutを補正し、補正後のサイリスタ出力値Sout´をサイリスタの制御量としてサイリスタに出力される。
これにより、ガスタービンが経年により特性変化することにより誤差が大きくなり、対応情報Aで設定されている補正値Cで補いきれない誤差が生じた場合であっても、回転数目標値と回転数計測値との誤差に基づいて、サイリスタ出力値Soutの第1補正値Cが補正されるので、ガスタービンを目標起動時間で正確に起動できるようになる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るガスタービン運転制御装置について、図3を用いて説明する。本実施形態のガスタービン運転制御装置が第1の実施形態と異なる点は、ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差に基づいて、対応情報Aを変更する点である。以下、本実施形態のコンバインドサイクル発電システムについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
対応情報の変更は、例えば、図4に示されるように、対応情報Aを行列で示されるマップパラメータとする場合には、対応情報Aと同じ大きさであり、全て同じ値(例えば、要素が全て1)となる行列に補正係数ηを乗算し、その結果を現在の対応情報Aに加算し、新たな対応情報A´を生成する。
次に、本発明の第3の実施形態に係るガスタービン運転制御装置について、図5を用いて説明する。本実施形態のガスタービン運転制御装置が第1の実施形態、第2の実施形態と異なる点は、目標値マップMtを大気温度に応じて変更する点である。以下、本実施形態のコンバインドサイクル発電システムについて、第1の実施形態、第2の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
このように、ガスタービンの回転数目標値を大気温度に応じて調整し、ガスタービン起動中における実投入比率を一定に制御することにより、失火やNOx(窒素酸化物)排出量増大などの不適切な事象を未然に防止することができる。
例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせることにより、それぞれが単独で用いられる場合と比較して、さらに正確にガスタービンが目標起動時間で起動できるようになる。このように、本発明は、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせることにより、単に組み合わせることによる構成の相違だけでなく、それによる相乗効果が得られる。
10 ガスタービン運転制御装置
20 第1出力値決定部(第1出力値決定手段)
21 補正値決定部(補正値決定手段)
22 第2出力値決定部(第2出力値決定手段)
100 コンバインドサイクル発電システム
Claims (7)
- サイリスタを使用して、発電機をガスタービン起動用電動機として用い、サイリスタ出力値のスケジュールに基づいてガスタービンを起動するガスタービン運転制御装置において、
予め決められた前記スケジュールに基づいて、前記サイリスタ出力値を決定する第1出力値決定手段と、
前記ガスタービンの起動開始からの経過時間に応じて推定される前記ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差と、起動開始からの経過時間と、前記誤差を抑制するための第1補正値とを対応づけた対応情報を有し、該対応情報に基づいて、取得した前記誤差と前記経過時間から前記第1補正値を決定し、前記誤差に基づいて前記第1補正値を補正した第2補正値を決定する補正値決定手段と、
前記第2補正値により、前記サイリスタ出力値を補正し、補正後の前記サイリスタ出力値を出力する第2出力値決定手段と
を具備するガスタービン運転制御装置。 - 前記補正値決定手段は、前記回転数目標値と前記回転数計測値との前記誤差が零に近づかない場合には、前記誤差を積分した値を、前記第1補正値に加算し、前記第2補正値を決定する請求項1に記載のガスタービン運転制御装置。
- 前記補正値決定手段は、前記回転数目標値と前記回転数計測値との前記誤差が零でない時間が所定期間継続した場合には、前記誤差に補正係数を乗算した値に基づいて、前記対応情報を変更する請求項1または請求項2に記載のガスタービン運転制御装置。
- 前記補正値決定手段は、起動開始からの経過時間に応じて推定される前記ガスタービンの前記回転数目標値を大気温度に応じて調整し、前記ガスタービンの起動中における燃料と空気の実投入比率を一定に制御する請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスタービン運転制御装置を備えたガスタービン。
- サイリスタを使用して、発電機をガスタービン起動用電動機として用い、サイリスタ出力値のスケジュールに基づいてガスタービンを起動するガスタービン運転制御方法において、
予め決められた前記スケジュールに基づいて、前記サイリスタ出力値を決定する第1過程と、
前記ガスタービンの起動開始からの経過時間に応じて推定される前記ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差と、起動開始からの経過時間と、前記誤差を抑制するための第1補正値とを対応づけた対応情報を有し、該対応情報に基づいて、取得した前記誤差と前記経過時間から前記第1補正値を決定し、前記誤差に基づいて前記第1補正値を補正した第2補正値を決定する第2過程と、
前記第2補正値により、前記サイリスタ出力値を補正し、補正後の前記サイリスタ出力値を出力する第3過程と
を有するガスタービン運転制御方法。 - サイリスタを使用して、発電機をガスタービン起動用電動機として用い、サイリスタ出力値のスケジュールに基づいてガスタービンを起動するガスタービン運転制御プログラムにおいて、
予め決められた前記スケジュールに基づいて、前記サイリスタ出力値を決定する第1処理と、
前記ガスタービンの起動開始からの経過時間に応じて推定される前記ガスタービンの回転数目標値と回転数計測値との誤差と、起動開始からの経過時間と、前記誤差を抑制するための第1補正値とを対応づけた対応情報を有し、該対応情報に基づいて、取得した前記誤差と前記経過時間から前記第1補正値を決定し、前記誤差に基づいて前記第1補正値を補正した第2補正値を決定する第2処理と、
前記第2補正値により、前記サイリスタ出力値を補正し、補正後の前記サイリスタ出力値を出力する第3処理と
をコンピュータに実行させるためのガスタービン運転制御プログラム。
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