JP2013148051A - 竪型両吸込渦巻ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】配管上に直接設置する方法で省スペースを容易に実現できる竪型両吸込渦巻ポンプを提供する。
【解決手段】渦室1の下側に下側吸込室13を設け、その下方に吸込口15を設けるとともに、渦室1の上側に上側吸込室12を設け、渦室1を迂回する位置に下側吸込室13から分岐して上側吸込室12に液体を送り込む迂回通路14を設ける。そして、吸込口15の下端にフランジ17を設ける。また、下側インペラ入口7の直下にベルマウス20を設けて、その周りに案内通路21を形成し、吸い込んだ液体をベルマウス20の周囲両側から迂回通路14へ案内するよう仕切り部22を設ける。そして、仕切り部22の周方向両側の通路上面に、迂回通路14の入口に向けてなだらかに上昇するスロープ23を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、大容量且つ省スペース化可能で船舶用ポンプ等として好適な竪型両吸込渦巻ポンプに関する。
船舶には、例えば、片積み等による船の傾きを防ぐため右舷および左舷に配置したヒーリングタンクの間で水を移動させるヒーリングポンプ、船の安定を保つためのバラスト水を注排水するバラストポンプ、その他、冷却水、飲料水、復水、燃料油、潤滑油等の移送のためのポンプ等、各種用途のポンプが使用される。そして、それら船舶用ポンプは、通常、船内の床に据え付けられる。そして、その床面には、ポンプの周りに、ポンプに接続する配管が設けられ、各種バルブおよびその操作装置が設置される。そのため、ポンプ周りの床面はスペースに余裕のないものとなり、また、配管等も、ポンプ据付位置を迂回させる必要があるなど、自由度の小さいものとなるのが普通である。また、近年は、船舶の積載容積の増加を目的とした機関室面積の縮減や、法的規制による機関室内に設置すべき装置の増加により、機関室等におけるポンプの設置面積を出来るだけ小さくしたいという要望が増えている。
ポンプ設置面積を小さくするために、下方より液体を吸い込んで側方に液体を吐出する竪型片吸込渦巻ポンプ(例えば、特許文献1参照。)を使用し、吸込口を配管の上に直接固定する方法があることは知られている。下方より液体を吸い込んで側方に液体を吐出する竪型片吸込渦巻ポンプは、インペラ入口を吸込口の正面に配置し、吸込口を下にして、吸込側の配管の上に直接固定することが容易である。
特開2000−297777号公報
下方より液体を吸い込んで側方に液体を吐出する竪型片吸込渦巻ポンプは、吸込口を下にして配管の上に直接固定することが容易で、新たな配管等を設ける必要もないため、省スペースを実現できる。しかし、片吸込渦巻ポンプは、通常、500m3/hクラスまでの小容量で使用するものであって、大容量で使用する竪型両吸込渦巻ポンプの場合、配管上に直接固定する方法で省スペースを実現するのは容易ではない。竪型両吸込渦巻ポンプでは、インペラの上下両側にインペラ入口があり、側方から液体を吸い込んで上下両側のインペラ入口へ流れ込ませるようにするのが普通であって、吸込側の配管の上にポンプを設置して省スペースを実現することは容易でない。
本発明は、配管上に直接設置する方法で省スペースを容易に実現できる竪型両吸込渦巻ポンプを提供することを目的とする。
本発明の竪型両吸込渦巻ポンプは、上下両側にインペラ入口を有するインペラを備え、該インペラが略垂直なシャフトを軸に渦室内で回転して液体を吸い込み、側方へ吐出する竪型両吸込渦巻ポンプであって、渦室の下側に、下側インペラ入口に液体を流れ込ませる下側吸込室を設け、該下側吸込室の下方に吸込口を設けるとともに、渦室の上側に、上側インペラ入口に液体を流れ込ませる上側吸込室を設け、渦室を迂回する位置に下側吸込室から分岐して上側吸込室に液体を送り込む迂回通路を設け、吸込口の下端に配管連結用のフランジを設けたものである。
本発明によれば、竪型両吸込渦巻ポンプを吸込口を下にして既存の配管等の上に固定することができ、新たな配管等を設ける必要もなく、省スペースを容易に実現できる。
本発明の実施形態の一例に係るポンプの垂直断面図である。 図1のA−A断面で示すポンプケーシングの断面図である。 図1のB−B断面で示すポンプケーシングの断面図である。 図3のC矢視で示すスロープの概念図である。 本発明の実施形態の一例に係るポンプの設置例1の説明図である。 本発明の実施形態の一例に係るポンプの設置例2の説明図である。
以下、図1〜図6に基いて本発明の実施形態を説明する。図1は実施形態の一例に係るポンプの全体構造を示している。また、図2はポンプケーシングの構造を渦室中心の水平断面で示し、図3はポンプケーシングの構造を下側インペラ入口真下の水平断面で示している。また、図4はポンプケーシングにおけるスロープの構造を概念図で示している。そして、図5および図6はポンプ設置態様の例を示している。
図1に示す実施形態のポンプPは竪型両吸込渦巻ポンプであって、渦室1を形成するポンプケーシング2と、該ポンプケーシング2の渦室1に配置される両吸込仕様のインペラ3と、略垂直なインペラ駆動用のシャフト4とで基本部分が構成されている。
インペラ3は、所定の曲率を有する複数枚の案内羽根5を等ピッチで配し、上方に向けて開口する上側インペラ入口6と下方に向けて開口する下側インペラ入口7を設けてなる、いわゆる両吸込の羽根車である。
図2に示すように、渦室1は2重ボリュート構造で、中心部の上下が円形に開口し、側部に、ポンプケーシング2の側方に開口して液体を径方向外側へ送り出す吐出口8が形成されている。
ポンプケーシング2の上部は、中心部が上方へ円形に開口し、その開口した中心部にケーシングカバー9が装着されている。
ケーシングカバー9は、シャフト4を貫通させるボス部10と、ボス部10上端に繋がる逆さ籠状のカバー部11とからなるもので、ポンプケーシング2の上部に上方から嵌め込まれ、カバー部11の内部が、渦室1の上側に、上側インペラ入口6に液体を流れ込ませる上側吸込室12を形成する。
また、ポンプケーシング2には、渦室1の下側に、下側インペラ入口7を下方へ向け全面で開口させて下側インペラ入口7に液体を流れ込ませる下側吸込室13が形成されている。
そして、ポンプケーシング2には、渦室1の側方の、吐出口8と重ならない位置(図示の例では反対側となる位置)に、下側吸込室13から分岐し渦室1を迂回して上側吸込室12に液体を送り込む迂回通路14が形成されている。迂回通路14は、断面積が上側インペラ入口6と略同面積であることが望ましい。また、迂回通路14は、下側吸込室13から分岐し渦室1を迂回して上側吸込室12に液体を送り込むものであればよく、図示のものに限定されない。
また、ポンプケーシング2には、下側吸込室13の下方に、下側吸込室13を下方へ向けて全面開口させる配置で吸込口15が形成されている。
また、ポンプケーシング2には、吐出口8の端部(側端)に吐出側配管連結用のフランジ16が形成され、吸込口15の端部(下端)に、吸込側配管連結用のフランジ17が形成されている。吐出口8端部のフランジ16には吐出側配管の吐出パイプ18が連結され、吸込口15端部のフランジ17には吸込側配管の吸込パイプ19が連結される。
また、ポンプケーシング2には、下側インペラ入口7の直下にベルマウス20が設けられ、ベルマウス20の周りに、迂回通路14の入口につながる略環状で下方に開いた溝状の案内通路21が形成されている。
案内通路21は、吸込口15から下側吸込室13に流れ込んだ液体をベルマウス20の周りに集めてベルマウス20の周囲両側から迂回通路14へ案内するもので、ベルマウス20を挟んで迂回通路14の入口とは反対側の周方向略中央に、通路上面の最下点となる仕切り部22が設けられ、図3および図4に示すように、仕切り部22の周方向両側で、通路上面が迂回通路14の入口に向けてなだらかに上昇するスロープ23を形成している。スロープ23は、迂回通路14の入口まで達していることが望ましい。
また、案内通路21は、迂回通路14に向けて集まる液体を流れやすくするよう、通路外壁24が迂回通路14の入口に向けて徐々に外側に膨らみ、通路幅が迂回通路14の入口に向けて徐々に広がっている。
シャフト4は、ケーシングカバー9を貫通して略垂直に配置され、下端にインペラ3が連結されている。そして、シャフト4の上端に、カップリング25を介してポンプ駆動用のモータ26が連結される。また、ケーシングカバー9のボス部10には、シャフト4周りの水密をとるためのシール27が装着されている。
この実施形態のポンプPは、インペラ3の回転による遠心力で吸込口15から液体を吸い込み、吐出口8から液体を吐出する。その際、吸込口15から吸い込まれた液体は、下側吸込室13からベルマウス20を通って下側インペラ入口7に流れ込み、また、下側吸込室13を横切って迂回通路14に流れ込み、ベルマウス20の周囲から仕切り部22両側のスロープ23に沿って迂回通路14に流れ込んで、上側吸込室12に送り込まれ、上側インペラ入口6に流れ込む。こうして下側インペラ入口7と上側インペラ入口6とに略均等に液体が流れ込む。
この実施形態のポンプPは、図5に示すように、吸込側の配管パイプ30に真上に向けてT字分岐31を設け、そのT字分岐31に吸込パイプ19を介してポンプPを固定する方法で設置することができる(設置例1)。
また、この実施形態のポンプPは、図6に示すように、液体Lが入ったタンク40の上面に穴41を開け、ポンプPに吸込パイプ19を連結し、吸込パイプ19を穴41から入れて固定する方法で設置することもできる(設置例2)。
この実施形態のポンプPは、その他様々な設置態様が可能である。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な実施態様が可能である。
本発明のポンプは、ヒーリングポンプ、バラストポンプ、冷却水、飲料水、復水、燃料油、潤滑油等の移送のためのポンプ等、各種用途の船舶用ポンプとして好適で、竪型両吸込渦巻ポンプでありながら、吸込口を下にして既存の配管等の上に固定することができ、設置面積を小さくし、配管等を少なくすることができ、省スペースを実現できる。また、船舶用以外の他の用途のポンプにも適用可能である。
P ポンプ
1 渦室
2 ポンプケーシング
3 インペラ
4 シャフト
6 上側インペラ入口
7 下側インペラ入口
8 吐出口
9 ケーシングカバー
12 上側吸込室
13 下側吸込室
14 迂回通路
15 吸込口
17 フランジ
19 吸込パイプ
20 ベルマウス
21 案内通路
22 仕切り部
23 スロープ
24 通路外壁
30 配管パイプ
31 T字分岐
40 タンク
41 穴

Claims (1)

  1. 上下両側にインペラ入口を有するインペラを備え、該インペラが略垂直なシャフトを軸に渦室内で回転して液体を吸い込み、側方へ吐出する竪型両吸込渦巻ポンプであって、
    前記渦室の下側に、前記下側インペラ入口に液体を流れ込ませる下側吸込室を設け、該下側吸込室の下方に吸込口を設けるとともに、前記渦室の上側に、前記上側インペラ入口に液体を流れ込ませる上側吸込室を設け、前記渦室を迂回する位置に前記下側吸込室から分岐して前記上側吸込室に液体を送り込む迂回通路を設け、前記吸込口の下端に配管連結用のフランジを設けたことを特徴とする竪型両吸込渦巻ポンプ。
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