JP2013143932A - エタノール製造設備及び残さの減量方法 - Google Patents

エタノール製造設備及び残さの減量方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013143932A
JP2013143932A JP2012250407A JP2012250407A JP2013143932A JP 2013143932 A JP2013143932 A JP 2013143932A JP 2012250407 A JP2012250407 A JP 2012250407A JP 2012250407 A JP2012250407 A JP 2012250407A JP 2013143932 A JP2013143932 A JP 2013143932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enzyme reaction
residue
ethanol production
production facility
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012250407A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6002550B2 (ja
Inventor
Natsuki Maekawa
夏希 前川
Yasuhiko Kato
也寸彦 加藤
Masayoshi Yoshida
昌義 吉田
Takafumi Kiuchi
崇文 木内
Praneetrattananon Suthasinee
スタシニー・プラニー・トラッタナノン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel and Sumikin Engineering Co Ltd
Priority to JP2012250407A priority Critical patent/JP6002550B2/ja
Publication of JP2013143932A publication Critical patent/JP2013143932A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6002550B2 publication Critical patent/JP6002550B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

【課題】特殊な酵素を使用することなく排出される残さを減量し、エタノール及び油の収率を向上できるエタノール製造設備及び残さの減量方法を提供する。
【解決手段】バイオマス原料を糖化して糖化液及び残さを含んだ混合物を生成する糖化装置14と、混合物から、糖化液と残さとを分離する第1の分離装置16、18と、糖化液を発酵させ、発酵液を生成する発酵装置20と、発酵液を蒸留する蒸留装置22とを備えたエタノール製造設備10において、第1の分離装置16、18が分離した残さに高分子分解酵素を添加して、酵素反応処理し、酵素反応液を含む酵素反応物を生成する酵素反応処理工程を実行する酵素反応処理装置30と、酵素反応処理装置30が生成した酵素反応物から、酵素反応液を分離する第2の分離装置32とを備え、第2の分離装置32が分離した酵素反応液が、糖化装置14に送出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマス原料からエタノールを製造するエタノール製造設備及び残さの減量方法に関する。
特許文献1には、蒸留残さ固形分の減量方法が記載されている。この蒸留残さ固形分の減量方法は、発酵産物の蒸留過程において生じる蒸留残さ中の固形成分の量を、蒸留中に高分子分解酵素を作用させることによって、予め低減させるものである。
このように、蒸留残さ中の固形分の量を予め減少させておくことによって、蒸留残さをより短い時間で、より効率よく処理することが可能となり、更に、有効成分含量の増加した液体成分の飼料や培地としての有効利用を図ることができる。
また、エタノール製造工程のいずれかの工程に残さ減量化を目的とした酵素を直接投入する場合、前処理量や酵素添加量が増大するのに加え、基質阻害の影響により十分な反応効果が得られない等の問題が生じる。
以上の理由から、蒸留や糖化等のエタノール製造工程のいずれかの工程に、直接、酵素を投入し残さの減量化をすることは非効率である。
国際公開第WO00/43489号
ここで一般に、蒸留工程にて酵素を投入する場合、耐熱性をもつ特殊な酵素を使用する必要がある。なお、発酵工程にて酵素を投入する場合は、酵素反応等も同時に進行するため発酵や微生物生育に影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、エタノール製造における糖化工程後に分離された残さを減量し、エタノール及び油の収率を向上できるエタノール製造設備及び残さの減量方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係るエタノール製造設備は、バイオマス原料を糖化して糖化液及び残さを含んだ混合物を生成する糖化装置と、
前記糖化装置が生成した前記混合物から、前記糖化液と前記残さとを分離する第1の分離装置と、
前記第1の分離装置が分離した前記糖化液を発酵させ、発酵液を生成する発酵装置と、
前記発酵液を蒸留する蒸留装置とを備えたエタノール製造設備において、
被処理物に高分子分解酵素を添加して、酵素反応処理し、酵素反応液を含む酵素反応物を生成する酵素反応処理工程を実行する酵素反応処理装置と、
前記酵素反応処理装置が生成した前記酵素反応物から、前記酵素反応液を分離する第2の分離装置とを備え、
前記第1の分離装置が分離した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出され、
前記第2の分離装置が分離した前記酵素反応液が、添加水として前記糖化装置に送出される。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記第1の分離装置と前記酵素反応処理装置との間に、前記第1の分離装置が分離した前記残さを粉砕する粉砕装置と、
前記粉砕装置が粉砕した前記残さを加熱処理する熱処理装置と、を更に備え、
前記第1の分離装置が分離した前記残さに代えて、前記熱処理装置が加熱処理した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出されてもよい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記第1の分離装置と前記酵素反応処理装置との間に、前記第1の分離装置が分離した前記残さを粉砕する粉砕装置を更に備え、
前記第1の分離装置が分離した前記残さに代えて、前記粉砕装置が粉砕した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出されてもよい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記第1の分離装置と前記酵素反応処理装置との間に、前記第1の分離装置が分離した前記残さを加熱処理する熱処理装置を更に備え、
前記第1の分離装置が分離した前記残さに代えて、前記熱処理装置が加熱処理した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出されてもよい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記蒸留装置から排出される蒸留廃液が、添加水として前記酵素反応処理装置に送出されることが好ましい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記蒸留装置から排出される蒸留廃液が、添加水として前記糖化装置に更に送出されることが好ましい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記蒸留廃液の一部を嫌気処理して可燃ガスを生成する嫌気処理装置を更に備え、
前記可燃ガスが該エタノール製造設備の熱源として利用されてもよい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記第2の分離装置が、前記酵素反応物から分離した残さを乾燥させる乾燥装置と、
前記乾燥装置によって乾燥された乾燥物を成形し、バイオマス固形燃料を生成する成形装置とを更に備えることができる。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記高分子分解酵素は、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、ヌクレアーゼ、及び細胞壁分解酵素からなる群より選択される1種以上の高分子分解酵素とすることができる。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記高分子分解酵素は、セルラーゼであり、
前記酵素反応処理装置での前記セルラーゼの添加濃度が、前記被処理物の量に対して0.1〜0.5wt%であってもよい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記酵素反応処理装置にて実行される前記酵素反応処理工程では、前記高分子分解酵素が添加された前記被処理物が、45℃〜60℃の温度で、少なくとも12時間攪拌されることが好ましい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記酵素反応処理工程では、前記高分子分解酵素が添加された前記被処理物が、最大で24時間攪拌されることが好ましい。
第1の発明に係るエタノール製造設備において、
前記第1の分離装置は、第1のスクリュープレス及び3相遠心分離機により少なくとも構成され、
前記第2の分離装置は、第2のスクリュープレスにより少なくとも構成されていてもよい。
前記目的に沿う第2の発明に係る残さの減量方法は、バイオマス原料を糖化して糖化液及び残さを含んだ混合物を生成する糖化工程と、
前記糖化工程にて生成された前記混合物から、前記糖化液と前記残さとを分離する第1の分離工程と、
前記第1の分離工程にて分離された前記糖化液を発酵させ、発酵液を生成する発酵工程と、
前記発酵工程にて生成された前記発酵液を蒸留する蒸留工程と、
前記第1の分離工程にて分離された前記残さに高分子分解酵素を添加して、酵素反応処理し、酵素反応液を含む酵素反応物を生成する酵素反応処理工程と、
前記酵素反応処理工程にて生成された前記酵素反応物から、前記酵素反応液を分離する第2の分離工程とを含み、
前記第2の分離工程にて分離された前記酵素反応液が、添加水として前記糖化工程にて利用される。
請求項1〜1113記載のエタノール製造設備においては、酵素反応液が添加水として糖化装置に戻されるので、有価物(エタノール及び油)の収率が向上する。
特に、請求項2記載のエタノール製造設備においては、残さが酵素反応処理装置において酵素反応処理される前に、粒径がより細かくなるように粉砕されるので、残さの表面積が大きくなり、酵素反応処理装置での酵素反応性が向上する。また、残さが酵素反応処理装置において酵素反応処理される前に、加熱処理されるので、酵素反応処理での酵素反応性が向上する。
請求項3記載のエタノール製造設備においては、残さが酵素反応処理装置において酵素反応処理される前に、粒径がより細かくなるように粉砕されるので、残さの表面積が大きくなり、酵素反応処理装置での酵素反応性が向上する。
請求項4記載のエタノール製造設備においては、残さが酵素反応処理装置において酵素反応処理される前に、加熱処理されるので、酵素反応処理での酵素反応性が向上する。
請求項5記載のエタノール製造設備においては、蒸留廃液が酵素反応処理に再利用されるので、上水の使用料が低減される。また、蒸留廃液の排出量が低減される。
請求項6記載のエタノール製造設備においては、蒸留廃液が糖化処理及び酵素反応処理に再利用されるので、上水の使用料が低減される。また、蒸留廃液の排出量が低減される。
請求項7記載のエタノール製造設備においては、蒸留廃液の排出量が低減され、嫌気処理によって得られた可燃ガスを使用して、熱源の一部を自ら賄うことができる。
請求項8記載のエタノール製造設備においては、バイオマス固形燃料を生成することができる。
請求項9記載のエタノール製造設備においては、複数種類の高分子分解酵素を複合して添加した場合には、残さ中の様々な高分子成分を液化又は低分子化できる。
請求項10記載のエタノール製造設備においては、セルラーゼに要する多大なコストを抑制しつつ、エタノール収量を増加させることが可能となる。
請求項14記載の残さの減量方法においては、酵素反応液が添加水として糖化工程にて利用されるので、有価物(エタノール及び油)の収率が向上する。
本発明の第1の実施の形態に係るエタノール製造設備の構成図である。 従来のエタノール製造設備の構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係るエタノール製造設備の構成図である。 本発明の第3の実施の形態に係るエタノール製造設備の構成図である。 本発明の第4の実施の形態に係るエタノール製造設備の構成図である。 本発明の第5の実施の形態に係るエタノール製造設備の構成図である。 本発明の第6の実施の形態に係るエタノール製造設備の構成図である。 本発明の第6の実施の形態に係るエタノール製造設備により生成されたバイオマスペレットの外観を示す写真である。 本発明の第6の実施の形態に係るエタノール製造設備の物質収支を示す説明図である。 本発明の第6の実施の形態に係るエタノール製造設備のエネルギーバランスを示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係るエタノール製造設備10は、食品廃棄物(バイオマス原料の一例)を発酵させてエタノールを製造できる。ここで、食品廃棄物には、家庭から出る生ゴミ(家庭系生ごみ)、食品工場から出る食品系産業廃棄物、流通段階で廃棄される廃食品(廃菓子、コンビニ等から回収された賞味期限切れの食材、レストラン等から排出される食べ残し)、給食や病院等での廃食材、需給調整や生産の段階で糖度を上げる為に除去された果実、穀物、及び野菜などの農業系廃棄物(事業系生ごみ)など、人間が食用又は工業用に生産(栽培を含む)、加工、調理、運搬及び飲食する段階で発生したあらゆる廃棄物が含まれる。食品廃棄物は、バイオマス原料の中でも糖濃度、油濃度が比較的高く、残さ減量化や有価物の収量向上効果が得やすいため、エタノール製造設備10に特に適した原料である。
なお、バイオマス原料には、サトウキビの搾りかすのような、糖分やデンプンを含んだ残さや、糖分を含んだ植物(パームプランテーションから発生する廃棄物等)も含まれる。
エタノール製造設備10は、図1に示すように、選別装置12と、糖化装置14と、スクリュープレス16と、3相遠心分離機18と、発酵装置20と、蒸留装置22とを備えている。
選別装置12は、食品廃棄物を破砕すると共に選別し、夾雑物(例えば、繊維分、プラスチック、紙、袋、割り箸、金属及び甲殻類など)の一部を取り除くことができる。
糖化装置14は、糖化液と、低分子化されていない残さ又は液化物質を含む残さと、を含んだ混合物を生成できる。糖化装置14には水が加えられる。
糖化液は、選別装置12が選別した食品廃棄物にグルコアミラーゼなどの酵素が添加された後、例えば約60℃に保持され、食品廃棄物中のデンプンがブドウ糖に変化(糖化)することによって生成される。
スクリュープレス(第1のスクリュープレス)16は、糖化装置14が生成した混合物から、糖化液と残さAとなる夾雑物とを分離できる。
なお、スクリュープレス16に代えて、振動篩いやフィルタープレス等の固液分離機とすることもできる。
3相遠心分離機18は、糖化液を油分、水溶液分(糖液)、及び固形分(残さB)の3相に分離できる。
3相遠心分離機18及びスクリュープレス16は、第1の分離装置の一例を構成する。
発酵装置20は、3相遠心分離機18が分離した糖化液に酵母を添加し、例えば連続発酵によりエタノール発酵液を生成できる。
蒸留装置22は、発酵装置20にて生成されたエタノール発酵液のエタノールを蒸留できる。蒸留装置22により、エタノール及び蒸留廃液が生成される。蒸留廃液の一部は、後述する酵素反応処理装置30にて行われる酵素反応処理の添加水として再利用される。
エタノール製造設備10は、また、酵素反応処理装置30と、スクリュープレス(第2の分離装置の一例)32とを備えている。
酵素反応処理装置30は、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18がそれぞれ分離した残さA及び残さBを被処理物とし、この被処理物に水又は蒸留廃液と高分子分解酵素とを添加して酵素反応処理する酵素反応処理工程を実行できる。酵素反応処理工程によって、残さが液化又は低分子化され、酵素反応液を含む酵素反応物が生成される。
酵素反応処理は、バッチ反応処理又は連続反応処理のいずれの方式でもよい。ただし、連続反応処理の場合は、定期的に反応槽の底部に蓄積する雑物を廃棄する必要がある。
スクリュープレス(第2のスクリュープレス)32は、酵素反応処理装置30が生成した酵素反応物から、酵素反応液を分離できる。分離された酵素反応液は、添加水として糖化装置14に送出される。
なお、スクリュープレス32に代えて、フィルタープレス等の固液分離機とすることもできる。
エタノール製造設備10は、更に、嫌気処理装置34を備えることができる。
嫌気処理装置34は、添加水として再利用されない蒸留廃液の残りを嫌気処理して可燃ガスを生成できる。嫌気処理方法は、蒸留廃液の組成がマッチし、高濃度有機物条件であっても高速な処理が可能なため、上向流嫌気性汚泥床(UASB:Upflow Anaerobic Sludge Blanket)法が好ましい。上向流嫌気性汚泥床法とは、自己造粒型嫌気性微生物群を用いて、排水中の有機物をメタンガスと二酸化炭素に高速に分解する方法である。上向流嫌気性汚泥床法は、高濃度有機性排水への処理に適した方法であり、生成された可燃ガスは、エタノール製造設備10の熱源として利用することが可能である。
従って、蒸留廃液の有機物負荷が低減されると共に、エタノール製造設備10は、熱源の一部を自ら賄うことができる。
なお、蒸留廃液は、上向流嫌気性汚泥床法による嫌気処理に加えて、下水や排水の規制値に合わせ、活性汚泥法による処理や脱窒槽を用いた処理を組み合わせてもよい。
次に、エタノール製造設備10による残さの減量方法について説明する。
まず、選別装置12に食品廃棄物が投入され、夾雑物の一部が取り除かれる。夾雑物の一部が取り除かれた食品廃棄物は、糖化装置14にて糖化される(糖化工程)。糖化装置14から供給された混合物に依然含まれる固形分は、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18により、それぞれ残さA及び残さBとして取り除かれる(第1の分離工程)。
なお、糖化装置14により糖化された糖化液は、発酵装置20にて発酵され(発酵工程)、発酵した発酵液のアルコールが蒸留装置22にて蒸留される(蒸留工程)。
スクリュープレス16及び3相遠心分離機18により取り除かれた残さA及び残さBは、酵素反応処理装置30にて、酵素反応処理される。この酵素反応処理の工程(酵素反応処理工程)では、残さA及び残さBに高分子分解酵素、及び液(水又は蒸留廃液)が添加され、例えば45℃〜60℃の温度で、少なくとも12時間攪拌される。なお、反応温度は、使用する酵素の最適温度に合わせてもよい。攪拌時間は、最大で24時間とすることができる。残さA及び残さBと液(水又は蒸留廃液)との割合は、1対1.0〜4.0が最適である。
ここで、高分子分解酵素は、例えば、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、ヌクレアーゼ、及び細胞壁分解酵素からなる群より選択される1種以上の高分子分解酵素(例えば、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、ヌクレアーゼ、及び細胞壁分解酵素のうち、少なくとも1種類の高分子分解酵素)である。高分子分解酵素の添加濃度は、任意であるが、供給される残さ(被処理物)の量に対して0.1〜10.0wt%が好ましく、経済性の観点から0.1〜0.5wt%が更に好ましい。ただし、高分子分解酵素の添加濃度が、0.1〜0.3wt%であってもよい。複数種類の高分子分解酵素を複合して添加した場合には、残さ中の様々な高分子成分を液化又は低分子化できる。
ここで、高分子分解酵素として、セルラーゼを選択した場合の添加量について説明する。
食品廃棄物の繊維分や、バイオマス原料中に一部混入した紙等の不純物の糖化反応について、その主成分はセルロース分である。
しかし、セルロースは結晶が緻密で糖化が困難であるため、セルロースをグルコース(糖)まで糖化するためには、多量のセルラーゼが必要となる。その量は、原料当たり、3〜10wt%程度となり、製造されるエタノールの価値に比較して添加するセルラーゼのコストの方が高くなり、経済性の上で問題である。
そこで、本実施の形態においては、セルラーゼの添加量を原料の0.1〜0.5wt%に抑えることで、酵素コストを抑えながら、繊維分を低分子化することに主眼を置いている。すなわち、繊維分を低分子化することで、スクリュープレス32や3相遠心分離機18により分離される液分の比率を増大させ、もともと固形分に付着する形で含まれていた糖分や炭水化物を、液中に回収することが可能となる。その結果、セルラーゼに要する多大なコストを抑制しつつ、エタノール収量を増加させることが可能となる。
酵素反応処理工程により生成された酵素反応液を含む酵素反応物は、スクリュープレス32に送出され、酵素反応液及び残さとが分離して排出される(第2の分離工程)。
酵素反応液は、添加水として糖化装置14に送出され、糖化工程にて利用される。
このように、酵素反応処理工程によって、残さA及び残さBの中の主成分である蛋白質、繊維分、固形油分が液化又は低分子化され、その大部分が、スクリュープレス32にて酵素反応液として取り出されるので、排出される残さが減量される。
ここで、残さA及び残さBの中の主成分のうち、繊維分は、セルラーゼ等により低分子化され、一部は単糖に分解される。この単糖を含む酵素反応液は、糖化装置14を経由して発酵装置20に供給されるので、最終的に単糖はエタノールに変換される。
残さA及び残さBの中の主成分のうち、蛋白質や固形油分は、それぞれプロテアーゼやリパーゼ等により低分子化され、アミノ酸や油として可溶化し、酵素反応液となる。この低分子化した油分については、3相遠心分離機18を用いて回収できる。
また、従来廃棄されていた残さA及び残さBが酵素反応処理された結果液化し、その後、スクリュープレス32にて酵素反応液として分離される。
従来廃棄されていた残さAには、付着水分が例えば50%(付着水分を含む総重量に対する重量比)以上あり、その水分には水溶性である糖分や、油分が付着している。残さBについても、付着水分が例えば70%(付着水分を含む総重量に対する重量比)以上あり、残さA同様、糖分や油分が付着している。
ここで、従来付着していた糖分や油分についても、前述の残さA及び残さBの酵素反応処理及びスクリュープレス32での分離によって、酵素反応液側に移行することになる。
すなわち、従来付着していた糖分や油分が、その後の工程でエタノールや油分として回収されることも、本実施の形態の効果の一つとなる。
このように、残さA及び残さBから生成された糖分及び油分を含む酵素反応液が、添加水として糖化装置14に戻されるので、結果として有価物(エタノール及び油)の収率が向上する。
なお、エタノール及び油のうち、一方だけを回収してもよい。
具体的な原料組成や各装置の構成によって相違するが、図2に示す従来のエタノール製造設備5でのシミュレーションによれば、一例として、原料としての食品廃棄物12t/日に対し、残さA及び残さBが、それぞれ1.5t/日排出され、合計3.0t/日の残さ(エタノール製造設備5が排出する残さ)が、蒸留廃液とともに溶融炉などの併設設備に送られて廃棄処理される。また、エタノールは0.4t/日製造され、油は0.4t/日回収される。
一方、本実施の形態に係るエタノール製造設備10でのシミュレーションによれば、一例として、図1に示すように、原料としての食品廃棄物12t/日に対し、スクリュープレス32から残さ(エタノール製造設備10が排出する残さ)が0.6t/日排出され、廃棄処理される。エタノールは0.5t/日製造され、油は0.8t/日回収される。
すなわち、従来のエタノール製造設備5と比較して、本実施の形態に係るエタノール製造設備10は、排出される残さが減量され、エタノール及び油の収率が向上する。
ところで、従来のようにエタノール製造工程のいずれかの工程(例えば糖化工程)にて、高分子分解酵素を投入する場合、酵素反応処理の前処理として、エタノール製造設備に投入された食品廃棄物自体を粉砕処理又は加熱処理する必要がある。また、前処理された食品廃棄物を減量化するために、多量の高分子分解酵素を添加する必要がある。
一方、本実施の形態に係るエタノール製造設備10によれば、酵素反応処理の前処理として加熱処理又は粉砕処理する対象は、エタノール製造工程から単離され、エタノール製造設備に投入された食品廃棄物よりも減量された残さA及び残さBである。
従って、本実施の形態に係るエタノール製造設備10によれば、酵素反応処理のための前処理量が低減されると共に、添加する高分子分解酵素の量も低減されるので、従来のエタノール製造設備と比べると、効率的に残さを減量できる。
また、従来のエタノール製造設備の糖化装置における糖化液の糖濃度は、例えば8〜10%である。
一方、本実施の形態に係るエタノール製造設備10の酵素反応処理装置30における酵素反応液の糖濃度は、例えば1〜3%である。
ここで、高分子分解酵素であるセルラーゼは、液糖濃度が3%を超えると反応阻害が発生し、反応が抑制される。
従って、本実施の形態に係るエタノール製造設備10においては、従来のエタノール製造設備と比べると、セルラーゼが効率的に作用する。従って、エタノール製造設備10においては、セルラーゼの添加量を減らしながら糖分を効率的に回収することができる。
<第2の実施の形態>
続いて、本発明の第2の実施の形態に係るエタノール製造設備200について説明する。第1の実施の形態に係るエタノール製造設備10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
エタノール製造設備200は、図3に示すように、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18と酵素反応処理装置30との間に、粉砕装置210を備えている。
この粉砕装置210は、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18がそれぞれ分離した残さA及び残さBを粉砕することができる。粉砕装置210は、例えば、ミキサーである。
このように、残さが被処理物として酵素反応処理装置30において酵素反応処理される前に、残さの粒径がより細かくなるように粉砕されるので、残さの表面積が大きくなり、酵素反応処理装置30での酵素反応性が向上する。
次に、模擬ごみ残さの酵素反応処理の実験例を示し、エタノール製造設備200について更に説明する。なお、模擬ごみ残さとは、摸擬ごみをミキサーにて粉砕し、半分量の水を添加後、グルコアミラーゼ0.03%(摸擬ごみ重量に対して)を加え、50℃、12時間にて攪拌反応させた溶液を手動にて固液分離した残さ分である。摸擬ごみの組成は、果物55%、野菜23.5%、肉・魚19%である。
本実施例では、摸擬ごみから作成した残さを原料とし、残さの酵素反応処理による液化実験を実施した。具体的には、模擬ごみ残さと水とをそれぞれ1対1.5の割合にて混合し、高分子分解酵素0.1%(摸擬ごみ残さの重量に対して)を添加し、50℃で12時間、攪拌しながら酵素反応処理した。酵素反応処理後の反応液は網穴が約1mmφのネットで手動にて、固体である残さと液体に分離した。
なお、使用した高分子分解酵素はノボザイム社製Ctech(複合セルラーゼ)である。
その結果、酵素反応処理前後における固液比の割合の変化は、表1に示すようになった。
また、酵素反応処理前後におけるSS濃度の変化は、表2に示すようになった。
表1及び表2に示した実験結果から分かるように、酵素反応処理により固体量及びSS量は減少した。特に表1に示した実験結果より、例えば、残さ1tを前述の手順にて酵素反応処理することで、固体分を液化又は低分子化し、残さを0.55tに減量できることが分かる(表3参照)。
<第3の実施の形態>
続いて、本発明の第3の実施の形態に係るエタノール製造設備300について説明する。第1の実施の形態に係るエタノール製造設備10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
エタノール製造設備300は、図4に示すように、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18と酵素反応処理装置30との間に、熱処理装置310を備えている。
この熱処理装置310は、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18がそれぞれ分離した残さA及び残さBに、蒸留廃液又は水を添加して加熱処理することができる。加熱条件は、コストや処理時間を考慮すると、温度70〜100℃、処理時間0.9〜1.1時間とすることが好ましい。
このように、残さが被処理物として酵素反応処理装置30において酵素反応処理される前に、加熱処理されることで、酵素反応処理での酵素反応性が向上する。
<第4の実施の形態>
続いて、本発明の第4の実施の形態に係るエタノール製造設備400について説明する。第1の実施の形態に係るエタノール製造設備10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
エタノール製造設備400は、図5に示すように、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18と酵素反応処理装置30との間に、粉砕装置210及び熱処理装置310を備えている。
粉砕装置210は、スクリュープレス16及び3相遠心分離機18がそれぞれ分離した残さA及び残さBを粉砕することができる。粉砕装置210は、例えば、ミキサーである。熱処理装置310は、粉砕装置210によって粉砕された残さに、蒸留廃液又は水を添加して加熱処理することができる。加熱条件は、コストや処理時間を考慮すると、温度70〜100℃、処理時間0.9〜1.1時間とすることが好ましい。
このように、残さが被処理物として酵素反応処理装置30において酵素反応処理される前に、前処理として残さの粒径がより細かくなるように粉砕されるので、残さの表面積が大きくなり、酵素反応処理での酵素反応性が向上する。また、粉砕された残さを加熱処理することで、酵素反応処理装置30での酵素反応性が更に向上する。
次に、模擬ごみ残さの酵素反応処理の実験例を示し、エタノール製造設備400について更に説明する。
本実施例では、予め熱処理した摸擬ごみ残さの酵素反応処理による液化実験を実施した。具体的には、模擬ごみ残さと水とをそれぞれ1対1.5の割合にて混合し、100℃、1時間にて加熱処理した。放冷後、高分子分解酵素0.1%(摸擬ごみ残さの重量に対して)を添加し、50℃で12時間、攪拌しながら酵素反応処理した。
なお、使用した高分子分解酵素はノボザイム社製Ctech(複合セルラーゼ)である。
その結果、酵素反応処理前後における固液比の割合の変化は、表4に示すようになった。
また、酵素反応処理前後におけるSS濃度の変化は、表5に示すようになった。
表4及び表5に示した実験結果から分かるように、熱処理なし(第2の実施の形態にて示した実施例1)の場合に比較して、反応後の固体割合がより少なくなった。すなわち、酵素反応処理の前処理として、加熱処理することにより、酵素反応性を向上させることができる。
<第5の実施の形態>
続いて、本発明の第5の実施の形態に係るエタノール製造設備500について説明する。第1の実施の形態に係るエタノール製造設備10と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
エタノール製造設備500の蒸留装置22から出た蒸留廃液の一部は、図6に示すように、糖化処理の添加水として、糖化装置14に戻される。
このように、蒸留廃液が糖化処理に再利用されるので、上水の使用料が低減される。また、蒸留廃液の排出量が低減される。
本実施の形態に係るエタノール製造設備においては、粉砕装置210及び熱処理装置310を設けずに、残さA及び残さB(被処理物)が、酵素反応処理装置30にて、直接酵素反応処理されてもよい。ちなみに、その際の物質収支は、図1に示した物質収支と概ね一致する。
また、粉砕装置210及び熱処理装置310のうち、いずれか一方のみを設けることも可能である。
<第6の実施の形態>
続いて、本発明の第6の実施の形態に係るエタノール製造設備600について説明する。第5の実施の形態に係るエタノール製造設備500と同一の構成要素については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
エタノール製造装置600は、図7に示すように、乾燥装置610及び成形装置620を備え、スクリュープレス32にて分離された残さからバイオマスペレット(バイオマス固形燃料)を生成できる。
乾燥装置610は、スクリュープレス32が酵素反応物から分離した残さを乾燥し、乾燥物を生成できる。
成形装置620は、乾燥装置610によって生成された乾燥物を成形し、図8に示すバイオマスペレットを生成できる。
ここで、乾燥装置610によって生成されるバイオマスペレットは、例えば表6に示すように、灰分が1.8%と極めて低く、発熱量が19.3MJ/Kgwetもあり、良質である。
バイオマス原料中のデンプン(炭水化物)分は、糖化装置14にてグルコースまで糖化され、残さA及び残さBの中に残存している繊維分やたんぱく質、脂質が酵素反応処理装置30にて酵素と反応し、一部が酵素反応液として液化する。酵素反応液中の糖分や油分は、エタノールや油として回収される。また、酵素反応することで酵素反応物の固形分が微細化し、成形性が向上する。例えば、この固形分を、乾燥後の含水率が10%程度になるまで乾燥するだけで、容易に成形することが可能となる。なお、酵素反応処理を経ない場合の残さA及び残さBは、乾燥するだけでなく、成形性を向上させるために粉砕することが必要となる。粉砕については、動力が必要となるため、粉砕のための設備コスト、ランニングコスト、及び管理コストが大きくなる。
乾燥装置610によって生成された乾燥物は、比重が0.2g/ccであるが、バイオマスペレットの比重は、1.15g/ccである。つまり、乾燥物を成形してバイオマスペレットにすることにより、比重を5倍程大きくできる。その結果、輸送性が向上し、高カロリーのバイオマスペレットを、例えば発電施設の熱源として利用できる。
次に、残さ低減の実験例を示し、エタノール製造設備600について更に説明する。
エタノール製造設備600を稼動させ、残さ低減の効果を確認するための実験を行った。
本実験では、酵素反応処理装置30における再糖化前の残さは原料に対して概ね20〜25%程度の発生量であった。この残さに酵素を加えて再糖化した。
実験結果を表7に示す。表7において、初期残さは、残さA及び残さBの合計値であり、再糖化後残さは、スクリュープレス32により分離された残さのことである。
ここで、pass1は、原料を選別装置12に入れて、糖化、発酵、蒸留すると共に、残さA及び残さBを酵素反応処理装置30で再糖化し、スクリュープレス32により、残さと酵素反応液に分離するまでの一連の工程を経た場合の実験結果を集計したものである。
pass2は、新たな原料を選別装置12に入れて、夾雑物を取り除いたものを糖化装置14で糖化する際に、pass1で発生した酵素反応液を糖化装置14に戻して(再利用して)糖化し、発酵、蒸留後、残さA及び残さBを酵素反応処理装置30で再糖化し、スクリュープレス32により残さと酵素反応液に分離するまでの一連の工程を経た場合の実験結果を集計したものである。
表7から明らかなように、残さを粉砕した場合では、原料に対して残さ量は5.3%(削減率74.5%)、粉砕なしの場合では7.2%(66.9%)と、大幅に削減することができた。また、得られたろ液をプロセス中の一次糖化槽の添加水として循環利用(再利用)した場合(pass2)においても、pass1に比べると残さ削減率は65%以上とほぼ同等であり、従来外部排出していた残さを効果的に低減できていることが分かる。一方でエタノールは、pass1の収率を100として、粉砕ありで117、粉砕なしで112となり、残さ中からエタノールを回収できていることが分かる。
この残さ低減の実験例の結果を元に、残さ低減に関するモデル化を行った。物質収支及びエネルギーバランスの結果をそれぞれ図9及び図10に示す。本プロセスでは、生成したろ液(蒸留廃液及び酵素反応液)を一次糖化(糖化装置14での糖化)や残さ糖化(酵素反応処理装置30での糖化)の添加水として循環利用(再利用)しているため、前述のpass2の物質収支結果から計算した残さA及び残さBの酵素反応処理装置30での液化率を用いて、この操作を繰り返し行った場合の物質収支を計算した結果を示す。なお、以下の説明は、残さを粉砕しない場合の実験データに基づく計算結果である。
図9に示すように、本プロセスによって残さ量は3.2tから1.0tへと、およそ1/3程度を低減できることが分かった。また、エタノールは486Lから566Lへと16%程度の収率向上が見られた。
また、図10に示すように、残さとして外部排出される熱量は半減した。
循環利用されない蒸留廃液中の有機成分は、UASB法(嫌気性汚泥床法)によって、液中に含まれるエネルギーが有効に回収できることを確認しており、そのエネルギーを糖化や蒸留塔のエタノール発酵に必要なエネルギーとして賄うことができる。
このように、本実験例によれば、残さの量は、1/3以下に低減されると共に、エタノール収率が10%以上向上する。また、残さをペレット化加工することで、ハンドリング性に優れたバイオマスペレットを生成できる。
蒸留廃液についても嫌気性発酵処理することにより、エネルギーとして利用できる。
なお、本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。例えば、前述のそれぞれ実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
5:エタノール製造設備、10:エタノール製造設備、12:選別装置、14:糖化装置、16:スクリュープレス、18:3相遠心分離機、20:発酵装置、22:蒸留装置、30:酵素反応処理装置、32:スクリュープレス、34:嫌気処理装置、200:エタノール製造設備、210:粉砕装置、300:エタノール製造設備、310:熱処理装置、400:エタノール製造設備、500:エタノール製造設備、600:エタノール製造設備、610:乾燥装置、620:成形装置

Claims (14)

  1. バイオマス原料を糖化して糖化液及び残さを含んだ混合物を生成する糖化装置と、
    前記糖化装置が生成した前記混合物から、前記糖化液と前記残さとを分離する第1の分離装置と、
    前記第1の分離装置が分離した前記糖化液を発酵させ、発酵液を生成する発酵装置と、
    前記発酵液を蒸留する蒸留装置とを備えたエタノール製造設備において、
    被処理物に高分子分解酵素を添加して、酵素反応処理し、酵素反応液を含む酵素反応物を生成する酵素反応処理工程を実行する酵素反応処理装置と、
    前記酵素反応処理装置が生成した前記酵素反応物から、前記酵素反応液を分離する第2の分離装置とを備え、
    前記第1の分離装置が分離した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出され、
    前記第2の分離装置が分離した前記酵素反応液が、添加水として前記糖化装置に送出されることを特徴とするエタノール製造設備。
  2. 請求項1記載のエタノール製造設備において、
    前記第1の分離装置と前記酵素反応処理装置との間に、前記第1の分離装置が分離した前記残さを粉砕する粉砕装置と、
    前記粉砕装置が粉砕した前記残さを加熱処理する熱処理装置と、を更に備え、
    前記第1の分離装置が分離した前記残さに代えて、前記熱処理装置が加熱処理した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出されることを特徴とするエタノール製造設備。
  3. 請求項1記載のエタノール製造設備において、
    前記第1の分離装置と前記酵素反応処理装置との間に、前記第1の分離装置が分離した前記残さを粉砕する粉砕装置を更に備え、
    前記第1の分離装置が分離した前記残さに代えて、前記粉砕装置が粉砕した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出されることを特徴とするエタノール製造設備。
  4. 請求項1記載のエタノール製造設備において、
    前記第1の分離装置と前記酵素反応処理装置との間に、前記第1の分離装置が分離した前記残さを加熱処理する熱処理装置を更に備え、
    前記第1の分離装置が分離した前記残さに代えて、前記熱処理装置が加熱処理した前記残さが、前記被処理物として前記酵素反応処理装置に送出されることを特徴とするエタノール製造設備。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエタノール製造設備において、
    前記蒸留装置から排出される蒸留廃液が、添加水として前記酵素反応処理装置に送出されることを特徴とするエタノール製造設備。
  6. 請求項5記載のエタノール製造設備において、
    前記蒸留装置から排出される蒸留廃液が、添加水として前記糖化装置に更に送出されることを特徴とするエタノール製造設備。
  7. 請求項5又は6記載のエタノール製造設備において、
    前記蒸留廃液の一部を嫌気処理して可燃ガスを生成する嫌気処理装置を更に備え、
    前記可燃ガスが該エタノール製造設備の熱源として利用されることを特徴とするエタノール製造設備。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のエタノール製造設備において、
    前記第2の分離装置が、前記酵素反応物から分離した残さを乾燥させる乾燥装置と、
    前記乾燥装置によって乾燥された乾燥物を成形し、バイオマス固形燃料を生成する成形装置とを更に備えることを特徴とするエタノール製造設備。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエタノール製造設備において、
    前記高分子分解酵素は、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、ヌクレアーゼ、及び細胞壁分解酵素からなる群より選択される1種以上の高分子分解酵素であることを特徴とするエタノール製造設備。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエタノール製造設備において、
    前記高分子分解酵素は、セルラーゼであり、
    前記酵素反応処理装置での前記セルラーゼの添加濃度が、前記被処理物の量に対して0.1〜0.5wt%であることを特徴とするエタノール製造設備。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のエタノール製造設備において、
    前記酵素反応処理装置にて実行される前記酵素反応処理工程では、前記高分子分解酵素が添加された前記被処理物が、45℃〜60℃の温度で、少なくとも12時間攪拌されることを特徴とするエタノール製造設備。
  12. 請求項11記載のエタノール製造設備において、
    前記酵素反応処理工程では、前記高分子分解酵素が添加された前記被処理物が、最大で24時間攪拌されることを特徴とするエタノール製造設備。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のエタノール製造設備において、
    前記第1の分離装置は、第1のスクリュープレス及び3相遠心分離機により少なくとも構成され、
    前記第2の分離装置は、第2のスクリュープレスにより少なくとも構成されることを特徴とするエタノール製造設備。
  14. バイオマス原料を糖化して糖化液及び残さを含んだ混合物を生成する糖化工程と、
    前記糖化工程にて生成された前記混合物から、前記糖化液と前記残さとを分離する第1の分離工程と、
    前記第1の分離工程にて分離された前記糖化液を発酵させ、発酵液を生成する発酵工程と、
    前記発酵工程にて生成された前記発酵液を蒸留する蒸留工程と、
    前記第1の分離工程にて分離された前記残さに高分子分解酵素を添加して、酵素反応処理し、酵素反応液を含む酵素反応物を生成する酵素反応処理工程と、
    前記酵素反応処理工程にて生成された前記酵素反応物から、前記酵素反応液を分離する第2の分離工程とを含み、
    前記第2の分離工程にて分離された前記酵素反応液が、添加水として前記糖化工程にて利用されることを特徴とする残さの減量方法。
JP2012250407A 2011-12-15 2012-11-14 エタノール製造設備及び残さの減量方法 Active JP6002550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012250407A JP6002550B2 (ja) 2011-12-15 2012-11-14 エタノール製造設備及び残さの減量方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011274759 2011-12-15
JP2011274759 2011-12-15
JP2012250407A JP6002550B2 (ja) 2011-12-15 2012-11-14 エタノール製造設備及び残さの減量方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013143932A true JP2013143932A (ja) 2013-07-25
JP6002550B2 JP6002550B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=49040186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012250407A Active JP6002550B2 (ja) 2011-12-15 2012-11-14 エタノール製造設備及び残さの減量方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6002550B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104588403A (zh) * 2013-11-01 2015-05-06 徐小芹 一种垃圾分选回收方法
JP2016010777A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 積水化学工業株式会社 嫌気性処理方法及び装置
CN105436196A (zh) * 2015-12-29 2016-03-30 重庆市环卫控股(集团)有限公司 餐厨垃圾全物料除油系统及除油方法
US10844444B2 (en) 2015-03-24 2020-11-24 Toray Industries, Inc. Method of producing sugar solution

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001514526A (ja) * 1997-03-18 2001-09-11 2ベー・アクチェンゲゼルシャフト 植物バイオマスの利用方法及びこの方法の実施のためのスクリュープレス
JP2009106932A (ja) * 2007-10-12 2009-05-21 Nippon Steel Engineering Co Ltd エタノール及び油の回収・製造方法
JP2010240611A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Nippon Steel Engineering Co Ltd 有用発酵物の製造方法
JP2011019483A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Jgc Corp 糖化液製造方法及び糖化反応装置
JP2011041493A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Oji Paper Co Ltd 木質系バイオマスからのエタノール製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001514526A (ja) * 1997-03-18 2001-09-11 2ベー・アクチェンゲゼルシャフト 植物バイオマスの利用方法及びこの方法の実施のためのスクリュープレス
JP2009106932A (ja) * 2007-10-12 2009-05-21 Nippon Steel Engineering Co Ltd エタノール及び油の回収・製造方法
JP2010240611A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Nippon Steel Engineering Co Ltd 有用発酵物の製造方法
JP2011019483A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Jgc Corp 糖化液製造方法及び糖化反応装置
JP2011041493A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Oji Paper Co Ltd 木質系バイオマスからのエタノール製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104588403A (zh) * 2013-11-01 2015-05-06 徐小芹 一种垃圾分选回收方法
JP2016010777A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 積水化学工業株式会社 嫌気性処理方法及び装置
US10844444B2 (en) 2015-03-24 2020-11-24 Toray Industries, Inc. Method of producing sugar solution
CN105436196A (zh) * 2015-12-29 2016-03-30 重庆市环卫控股(集团)有限公司 餐厨垃圾全物料除油系统及除油方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6002550B2 (ja) 2016-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cerda et al. Innovative production of bioproducts from organic waste through solid-state fermentation
Singh et al. Production of bioethanol from food waste: Status and perspectives
Xu et al. Anaerobic digestion of food waste–Challenges and opportunities
Pellera et al. Effect of substrate to inoculum ratio and inoculum type on the biochemical methane potential of solid agroindustrial waste
KR101315807B1 (ko) 미생물제재를 이용한 무방류시스템에 의한 유기성폐기물 처리방법 및 고형연료(퇴비)생산방법과 그 장치
KR101024447B1 (ko) 미생물제재를 이용한 유기성 폐기물의 고형연료 제조방법
Tang et al. Ethanol production from kitchen waste using the flocculating yeast Saccharomyces cerevisiae strain KF-7
Haldar et al. Understanding the management of household food waste and its engineering for sustainable valorization-A state-of-the-art review
Yadegary et al. Citric acid production from sugarcane bagasse through solid state fermentation method using Aspergillus niger mold and optimization of citric acid production by Taguchi method
López-Gómez et al. Valorisation of solid biowastes: The lactic acid alternative
WO2013185777A4 (en) Methods of processing municipal solid waste (msw) using concurrent enzymatic hydrolysis and microbial fermentation.
CN102268310A (zh) 一种利用餐厨垃圾制备生物质燃料的方法
JP6002550B2 (ja) エタノール製造設備及び残さの減量方法
Gallert et al. Solid and liquid residues as raw materials for biotechnology
Narasimmalu et al. Food processing industry waste and circular economy
Suhartini et al. Food waste to bioenergy: current status and role in future circular economies in Indonesia
WO2009150455A2 (en) Method and apparatus for converting biowaste into useful commercial products
Jomnonkhaow et al. Valorization of spent coffee grounds through integrated bioprocess of fermentable sugars, volatile fatty acids, yeast-based single-cell protein and biofuels production
Kumari et al. Conversion of food waste into energy and value-added products: a review
CN104920788B (zh) 一种利用家蝇蝇蛆高效生物转化餐厨剩余物的方法
Singh et al. Use of fermentation technology on vegetable residues for value added product development: A concept of zero waste utilization
WO2015176281A1 (zh) 一种资源化、无害化、减量化的餐厨废弃物处理工艺
Rose et al. Food industry waste: potential pollutants and their bioremediation strategies
JP2018008203A (ja) 湿式メタン発酵設備
Yan et al. Conversion of paper and food-rich municipal solid waste streams to ethanol through bioprocessing

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6002550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250