JP2013136866A - フェノール系繊維不織布、及び該不織布を用いたフィルター - Google Patents

フェノール系繊維不織布、及び該不織布を用いたフィルター Download PDF

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Abstract

【課題】圧力損失が低いにも関わらず、機械的強度の高いフェノール系繊維不織布を提供すること。
【解決手段】本発明のフェノール系繊維不織布は、単繊維繊度7dtex〜22dtexのフェノール系繊維を不織布加工して得られ、目付400g/m2〜2000g/m2、引張強度30N/cm2以上、嵩密度100kg/m3以下、単位厚み当たりの通気圧損係数0.3mmAq・s/cm2以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール系繊維不織布、及び該不織布を用いたフィルターに関するものである。
フェノール系繊維からなる不織布は、耐熱性、難燃性及び耐薬品性に優れていることから、これらの特性が要求される分野で、長年に亘り利用されている。
近年、当該不織布には、例えばフィルター用途等に使用する際の高性能化の観点から、圧力損失の低減が求められている。この圧力損失の低減を図るため、単繊維繊度が従来に比して高い、すなわち、繊維直径が太いフェノール系繊維が要望されている。
しかしながら、従来の製造方法を用いてフェノール系繊維を高繊度化した場合には、不織布化の際に必要とされる機械的強度(特に破断強度と破断伸度)が不足するという問題があった。これは以下の理由による。
すなわち、フェノール系繊維は、一般的に、熱可塑性のノボラック型フェノール樹脂を溶融紡糸し、その後、酸性触媒下でアルデヒド類と反応させて三次元架橋を行うことにより、熱不融化して製造されている。
ノボラック型フェノール樹脂は、完全非晶質であることに加えて、重合度が低く、粘度の温度依存性が高い。そのため、ノボラック型フェノール樹脂を溶融紡糸して得られる糸条は、周囲の温度の低下に伴って急速に固化する反面、極めて脆い性質を有する。特に架橋反応前の糸条は脆弱である。また、該糸条を、アルデヒド類を用いて硬化(三次元架橋)して熱不融化した繊維は可撓性がなくなり、極めて脆くなる。そして硬化による可撓性の低下は、フェノール系繊維の高繊度化に伴い、一層顕著になる。
このため、これまで高繊度のフェノール系繊維を用いた不織布としては、嵩密度を110kg/m3以上と高めることで機械的強度を高めたものは存在していたが、嵩密度が高いため圧力損失が高いという問題があった(例えば特許文献1参照)。
特開2002−161439号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、圧力損失が低いにも関わらず、機械的強度の高いフェノール系繊維不織布を提供することを課題として掲げた。
上記課題を解決することのできた本発明のフェノール系繊維不織布は、単繊維繊度7dtex〜22dtexのフェノール系繊維を不織布加工して得られ、目付400g/m2〜2000g/m2、引張強度30N/cm2以上、嵩密度100kg/m3以下、単位厚み当たりの通気圧損係数0.3mmAq・s/cm2以下であることを特徴とする。
本発明において、前記フェノール系繊維が、フェノール樹脂に、脂肪酸アミド類および/またはリン酸エステル類を混合した混合物を用いて作製されることは、好ましい実施態様である。
本発明には、上記フェノール系繊維不織布を用いて作製されることを特徴とするフィルターも包含される。
なお、本発明におけるフィルターは、不織布で構成され、気体中を浮遊する固体や液体ミストを捕捉するフィルターや、石炭ボイラーあるいはゴミ焼却場などから排出される高温ダストなどを集塵する耐熱性フィルターなどが挙げられる。
本発明のフェノール系繊維不織布は、不織布を構成するフェノール系繊維の単繊維繊度が高く、また、引張特性に優れるため、圧力損失と機械的強度に優れた不織布を得ることができた。また、本発明の不織布は、フェノール系繊維からなるため、耐熱性、難燃性及び耐薬品性が良好である。
本発明のフェノール系繊維不織布は、単繊維繊度7dtex〜22dtexのフェノール系繊維を不織布加工して得られ、目付400g/m2〜2000g/m2、引張強度30N/cm2以上、嵩密度100kg/m3以下、単位厚み当たりの通気圧損係数0.3mmAq・s/cm2以下であることを特徴とする。以下、本発明のフェノール系繊維不織布について詳細に説明する。
(単繊維繊度)
本発明で用いるフェノール系繊維の単繊維繊度(以下、単に「繊度」と称する場合がある。)は、7dtex以上(好ましくは8dtex以上)である。繊度が7dtex以上のフェノール系繊維を用いることにより、圧力損失を十分に抑えた不織布(フィルター)を得ることができる。繊度の上限は22dtex(好ましくは17dtex)である。繊度が22dtexを超えるフェノール系繊維では不織布加工するのが困難となる場合がある。
(目付)
本発明の不織布は、目付が400g/m2以上(好ましくは450g/m2以上、より好ましくは500g/m2以上)である。目付を400g/m2以上とすることにより、引張強度が30N/cm2以上の不織布を得ることができる。目付の上限は2000g/m2(好ましくは1800g/m2、より好ましくは1600g/m2)である。目付が2000g/m2を超える不織布は作製が困難となるか、あるいは、たとえ当該不織布を作製できたとしても、引張強度の向上効果は頭打ちになる上、柔軟性に欠ける場合がある。
(引張強度)
本発明の不織布は、引張強度が30N/cm2以上(好ましくは35N/cm2以上、より好ましくは40N/cm2以上)である。引張強度が低い場合、充分な強度が得られず、取扱い性に劣るためである。引張強度の上限は特に限定されるものではないが、繊度が7dtex〜22dtexのフェノール系繊維を用いて、60N/cm2を超える引張強度を有する不織布を作製するのは難しい。
本発明の不織布は、一定の伸度を有する太径のフェノール系繊維により構成されているため、本発明の不織布は所望の引張強度を有している。そのため、従来知られているような高いレベル(例えば、特許文献1が開示する110kg/m3以上)にまで嵩密度を高めなくとも、不織布は所望の機械的強度を発揮することができる。本発明において、フェノール系繊維不織布の嵩密度は、具体的には100kg/m3以下(好ましくは95kg/m3以下、より好ましくは90kg/m3以下)である。嵩密度が100kg/m3を超えると、不織布を構成する繊維間が密になりすぎて、不織布の圧力損失が大きくなるため好ましくない。下限については特に定めないが、70kg/m3以上が好ましい。
(不織布の圧力損失)
本発明の不織布は、高繊度のフェノール系繊維を使用しているため、単位厚みあたりの通気圧損係数を0.3mmAq・s/cm2以下にすることができる。当該不織布を用いることにより、圧力損失の低いフィルターを作製できる。本発明の不織布の単位厚みあたりの圧損係数は、0.25mmAq・s/cm2以下であることが好ましい。単位厚みあたりの圧損係数が0.3mmAq・s/cm2を超えると、通ガス時の抵抗が高く、通気ブロアの動力損が大きくなる場合がある。
(フェノール系繊維不織布の製造方法)
本発明の不織布は、原糸として、繊度7dtex〜22dtexのフェノール系繊維を不織布加工することにより製造できる。以下、本発明の不織布の製造方法について詳細に説明する。
[フェノール系繊維]
本発明で用いるフェノール系繊維としては、フェノール樹脂に、脂肪酸アミド類および/またはリン酸エステル類(以下、これらを単に「配合物」と称する場合がある。)を混合した混合物を紡糸して得られるフェノール系繊維が好適に用いられる。フェノール樹脂に前記配合物を添加することにより、フェノール系繊維を柔らかく仕上げることができるため、フェノール系繊維の伸度を高めることが可能となる。また、前記配合物が添加されたフェノール系繊維を用いて不織布を形成すると、繊維の交絡性を高めることができるため、配合物を添加せずに作製したフェノール系繊維を原料とする不織布に比べ、不織布に所望の引張強度を付与することが可能となる。これにより、不織布に所望の機械的強度を付与することができる。
<フェノール樹脂>
フェノール樹脂としては、酸性触媒の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、塩基性触媒の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂、各種変性フェノール樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
前記フェノール類としては、酸性又は塩基性触媒の存在下でアルデヒド類と反応させて各フェノール樹脂が得られるものであればよく、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、3,5−キシレノール、m−エチルフェノール、m−プロピルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、o−ブチルフェノール、レゾルシノール、ハイドロキノン、カテコール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、メチルハイドロキノン、2−メチルレゾルシノール、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,5−ジメチルレゾルシノール、2−エトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−エチルレゾルシノール、3−エトキシ−4−メトキシフェノール、2−プロペニルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−イソプロポキシフェノール、4−プロポキシフェノール、2−アリルフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール、5−イソプロピル−3−メチルフェノール、4−ブトキシフェノール、4−t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、4−t−ペンチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、3−フェノキシフェノール、4−フェノキシフェノール、4−ヘキシルオキシフェノール、4−ヘキサノイルレゾルシノール、3,5−ジイソプロピルカテコール、4−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘプチルオキシフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、ジ−sec−ブチルフェノール、4−クミルフェノール、ノニルフェノール、2−シクロペンチルフェノール、4−シクロペンチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
なかでも、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ビスフェノールA、2,3−キシレノール、3,5−キシレノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、o−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、レゾルシノールが好ましく、フェノールが最も好ましい。前記フェノール類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、トリオキサン、フルフラール、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルヘミホルマール、エチルヘミホルマール、プロピルヘミホルマール、サリチルアルデヒド、ブチルヘミホルマール、フェニルヘミホルマール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド等が挙げられる。
なかでも、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドが好ましく、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが特に好ましい。前記アルデヒド類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記酸性触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、酪酸、乳酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸、硼酸、又は塩化亜鉛もしくは酢酸亜鉛などの金属との塩等が挙げられる。前記酸性触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;水酸化アンモニウム;ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン類等が挙げられる。前記塩基性触媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
各種変性フェノール樹脂としては、ノボラック型又はレゾール型フェノール樹脂を、ホウ素変性、ケイ素変性、重金属変性、窒素変性、イオウ変性、油変性、ロジン変性等の公知の技法により変性させたものが挙げられる。
本発明では、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。フェノール樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
<配合物>
本発明において配合物として用いられる脂肪酸アミド類とは、アンモニア又はアミンの窒素原子に結合する水素原子の1以上がアシル基によって置換された構造をもつ非重合体を意味し、該窒素原子に水素原子が2つ結合する第1級アミド、該窒素原子に水素原子が1つ結合する第2級アミド、該窒素原子に水素原子が結合していない第3級アミド、ラクタム、及び1分子中にアミンの窒素原子を2個以上有するものを包含する。したがって、本発明における「脂肪酸アミド類」は、ナイロン−6、ナイロン−6,6に代表される所謂、脂肪族ポリアミドのような重合体とは異なる。なお、「脂肪酸アミド類」は脂肪酸アマイド類とも称される。
第1級アミドとしては、一般式「R1C(=O)NH2」で表される化合物などが挙げられる。
前記式中R1は、置換基を有していてもよい炭化水素基である。ここでいう「置換基を有していてもよい」とは、炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていてもよいことを意味する。R1の炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、その炭素数は5〜31が好ましく、11〜23がより好ましい。ただし、R1の炭化水素基の炭素数は、後述の置換基中の炭素数を含まないものとする。該炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜11が好ましい。
第1級アミドとして具体的には、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、ペラルゴン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチル酸アミド、パルミチル酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド、ベヘン酸アミド、リグノセリン酸アミド等の飽和脂肪酸モノアミド;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の不飽和脂肪酸モノアミドなどが挙げられる。
第2級アミドとしては、一般式「R1C(=O)NHR2」で表される化合物などが挙げられる。
前記式中R1は、上記第1級アミドについての説明におけるR1と同じである。
前記式中R2は、置換基を有していてもよい炭化水素基、又は、−C(=O)R3である。R2における該炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、その炭素数は1〜23が好ましく、1〜17がより好ましい。該炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基等が挙げられる。
3は、上記第1級アミドについての説明におけるR1と同様のものが挙げられ、R1とR3とは互いに同じであっても異なっていてもよい。なお、R2が−C(=O)R3である化合物はイミドとも称する。
第2級アミドとして具体的には、ステアリルステアリン酸アミド、オレイルオレイン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミド、オレイルステアリン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド等の置換アミド;メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミドなどが挙げられる。
第3級アミドとしては、一般式「R1C(=O)NR45」で表される化合物などが挙げられる。
前記式中R1は、上記第1級アミドについての説明におけるR1と同じである。
前記式中R4、R5は、それぞれ、上記第2級アミドについての説明におけるR2と同様
のものが挙げられ、R4とR5とは互いに同じであっても異なっていてもよい。
第3級アミドとして具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどが挙げられる。
ラクタムのなかで好適なものとしては、炭素数3〜12のものが挙げられる。具体的には、β−プロピオラクタム、γ−ブチロラクタム(2−ピロリドン)、δ−バレロラクタム(2−ピペリドン)、ε−カプロラクタム、ウンデカラクタム、ドデカラクタム(ラウロ/ラウリロラクタム)などが挙げられる。
1分子中にアミンの窒素原子を2個以上有するものとしては、一般式「R11C(=O)NH−R6−NHC(=O)R12」で表される化合物、一般式「R11NHC(=O)−R7−C(=O)NHR12」で表される化合物が挙げられる。
前記式中R11、R12は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭化水素基であり、上記R1と同様のものが挙げられる。R6、R7は、それぞれ、二価の炭化水素基であり、その炭素数は1〜10が好ましく、1〜8がより好ましい。
1分子中にアミンの窒素原子を2個以上有するものとして、具体的には、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド;N,N−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N−ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。
上記の脂肪酸アミド類のなかでも、原料混合物の取扱い性、安定性又は紡糸性等の点から、第1級アミド、第2級アミドが好ましく、第1級アミドがより好ましく、飽和脂肪酸モノアミド、不飽和脂肪酸モノアミドが特に好ましく、中でもベヘン酸アミドが最も好ましい。
また、脂肪酸アミド類としては、その炭素数が少なすぎるとフェノール系繊維の耐熱性が低下するおそれが有り、炭素数が多すぎるとフェノール系繊維の原料に用いるフェノール樹脂との相溶性が低下するおそれがある。そのため、脂肪酸アミド類は、その炭素数が分子全体で12〜30であるものが好ましく、18〜24であるものがより好ましい。脂肪酸アミド類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明において配合物として用いられるリン酸エステル類の「リン酸」とは、十酸化四リン(P410)が加水分解を受けて生ずる種々のオキソ酸の総称であり、下記化学式で表されるオルトリン酸(a)、ピロリン酸(二リン酸)(b)、三リン酸(c)、四リン酸(d)、メタリン酸(e)等を包含する。
[式中、mは繰り返し数を示す。]
本発明において「リン酸エステル類」とは、リン酸における−OHの一つ以上が下記一般式(1)で表される基に置換されたもの(リン酸エステル)又はその塩を意味する。
[式中、R13はヘテロ原子(炭素と水素以外の原子)を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは平均付加モル数であり、0〜100の数を示す。]
前記式(1)中、R13の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル基の水素原子の一部がアリール基で置換された基、アルケニル基の水素原子の一部がアリール基で置換された基などが挙げられる。
13の炭化水素基がアルキル基又はアルケニル基の場合、R13の炭素数は4〜22であることが好ましく、8〜18であることがより好ましい。
13の炭化水素基がアリール基の場合、R13の炭素数は6〜35であることが好ましく、6〜27であることがより好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。
13の炭化水素基がいずれの場合も、R13の炭素数が上限値を超えると、前記フェノール樹脂との相溶性が低下しやすくなる。R13がアリール基の場合、R13がアルキル基又はアルケニル基の場合に比べて、比較的フェノール樹脂との相溶性が良好となる。
前記式(1)中、AOとしては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。なお、リン原子には、オキシアルキレン基中の酸素原子が結合する。
前記式(1)中、nは0〜50が好ましく、0〜10がより好ましい。
リン酸エステル類としては、特に太径のフェノール系繊維とした際に機械的強度が高まりやすいことから、オルトリン酸における−OHの一つ以上が前記式(1)で表される基に置換されたもの(オルトリン酸エステル)又はその塩が好ましい。
オルトリン酸エステルとして、具体的には、下記一般式で表されるオルトリン酸のモノエステル(f)、ジエステル(g)、トリエステル(h)が挙げられる。なかでも、オルトリン酸のモノエステル、ジエステルが好ましい。
[式中、R13、AO、nはそれぞれ前記と同じである。ジエステルとトリエステルにおいて、複数存在する−(AO)nOR13は互いに同一でも異なっていてもよい。]
リン酸エステルの塩としては、リン酸エステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。リン酸エステル類は、単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
[フェノール系繊維を作製する工程]
本発明で用いるフェノール系繊維は、上記方法で得られたフェノール樹脂と、上記の配合物とを混合する原料混合工程と、前記原料混合工程で得られた原料混合物を紡糸して糸条を得る紡糸工程とを経て作製することができる。
<原料混合工程>
フェノール樹脂と配合物とを溶融混合し、後述の紡糸工程で最も一般的な紡糸方法である溶融紡糸を行う場合、フェノール樹脂としては、ノボラック型又はレゾール型フェノール樹脂のいずれも使用可能である。しかし、レゾール型は、ノボラック型に比べて熱安定性に劣り、溶融時の加熱で容易に重合が進んでしまうために溶融紡糸装置内での固化が避けられず、連続的に安定に紡糸するのが難しい。したがって、工業的に製造する場合の工程の容易さ、汎用性を勘案してノボラック型フェノール樹脂を選択することが特に好ましい。
原料混合工程において、フェノール樹脂と配合物とを混合する際、フェノール樹脂の使用量は、得られる原料混合物中のフェノール樹脂の割合が55質量%〜99.9質量%となる量であることが好ましく、70質量%〜99質量%となる量であることがより好ましく、85質量%〜95質量%となる量であることが特に好ましい。
配合物の使用量は、得られる原料混合物中の配合物の割合(配合物を複数種使用する場合には、配合物を合計した量の割合)が、0.1質量%〜45質量%となる量であることが好ましく、1質量%〜30質量%となる量であることがより好ましく、5質量%〜15質量%となる量であることが特に好ましい。配合物の割合が好ましい下限値以上であれば、フェノール系繊維を太径化した際の機械的強度向上の効果が得られやすい。一方、配合物の割合が好ましい上限値以下であれば、フェノール系繊維が有する耐熱性、難燃性及び耐薬品性等の特性を保持しやすい。
具体的に、脂肪酸アミド類の使用量は、例えば、得られる原料混合物中の脂肪酸アミド類の割合が0.1質量%〜45質量%となる量であることが好ましく、1質量%〜30質量%となる量であることがより好ましく、3質量%〜10質量%となる量であることが特に好ましい。
リン酸エステル類の使用量は、例えば、得られる原料混合物中のリン酸エステル類の割合が0.1質量%〜45質量%となる量であることが好ましく、1質量%〜30質量%となる量であることがより好ましく、5質量%〜20質量%となる量であることが特に好ましい。
フェノール樹脂と配合物とを混合する方法としては、両者を溶融混合する方法、溶媒を用いて両者を溶解混合する方法等が挙げられる。なかでも、工程の煩雑さ、環境への負荷、経済性の点から、両者を溶融混合する方法が好ましい。かかる溶融混合として、両者を加熱混練する方法が挙げられる。
フェノール樹脂と配合物との加熱混練には、公知の混練装置を用いて行うことができ、混練装置としては、押出機型混練機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、高速二軸連続ミキサー等が挙げられる。
加熱混練の温度は、原料の性状等により適宜選択すればよく、200℃以下が好ましく、140℃〜180℃がより好ましい。加熱混練の温度を好ましい上限値以下にすることで、高温に原料を曝すことによる熱変性、劣化を抑制しやすい。加熱混練の温度を好ましい下限値以上にすることで、効率良く両者を混合することが可能となる。
フェノール樹脂と配合物とを溶媒を用いて溶解混合する方法では、両者を溶解し得る溶媒に両者を溶解混合した後、該溶媒を蒸発除去することにより原料混合物が得られる。
両者を溶解し得る溶媒としては、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、含窒素系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤等から選択される一種又は二種以上を混合した溶剤が挙げられる。
フェノール樹脂と配合物との溶解混合は、溶媒を撹拌しながら、フェノール樹脂と配合物を徐々に加えていくことが好ましい。その際、フェノール樹脂又は配合物が溶媒に溶けにくいようであれば加熱することが有効である。また、加圧することで、常圧での溶媒の沸点以上に加温することが可能となってさらに有効である。但し、高温に原料を曝すことで熱変性、劣化を及ぼすおそれがあることから、加熱は原料が完全溶解するまで限定的に行うことが好ましい。
溶媒に溶解させるフェノール樹脂と配合物の濃度については、特に限定されるものではなく、原料の性状、後の紡糸工程における紡糸方法を考慮して適宜設定すればよい。また、蒸発除去される溶媒の回収に多大な時間とエネルギーを要する点から、フェノール樹脂と配合物の濃度は、それぞれの溶解度を考慮し、でき得る限り高濃度に設定することが好ましい。
フェノール樹脂と配合物とを混合する方法としては、前記の溶融混合、溶解混合以外の方法でもよい。たとえば、後の紡糸工程における紡糸方法として乾式紡糸、湿式紡糸又は乾・湿式紡糸の方法を用いる場合には、フェノール樹脂と配合物の両者を溶解し得る溶媒に両者を溶解混合した原料混合物溶液を調製してもよい。該原料混合物溶液は、直接、紡糸用原液として用いることができる。
また、フェノール樹脂の合成反応を阻害せず、かつ、該合成反応中の温度で原料が劣化しない範囲で、フェノール樹脂の合成反応の途中に配合物を配合して、両者を混合することも有効である。
原料混合工程では、原料混合物を得るのにいずれの方法を用いた場合であっても、必要に応じて公知の添加剤、可塑剤、相溶化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、浸透剤、増粘剤、防黴剤、染料、顔料、充填剤などを用いてもよい。
特に、フェノール樹脂と脂肪酸アミド類とを溶融混合する場合であって、脂肪酸アミド類の溶融粘度がフェノール樹脂のそれに比べて極端に異なる場合は、相溶化剤を使用することが好ましい。これにより、紡糸時に分離を生じることを防止できる。
<紡糸工程>
紡糸工程では、前記原料混合工程で得られた原料混合物を紡糸して糸条を得る。
紡糸の方法としては、原料混合物の性状等の点から公知の方法を適宜選択することができ、湿式紡糸、乾式紡糸、乾・湿式紡糸、溶融紡糸、ゲル紡糸、液晶紡糸などの方法が挙げられる。なかでも、装置の簡便さ、経済的に有利なことから、溶融紡糸が好ましい。紡糸の方法として溶融紡糸を用いる場合、一般的な溶融紡糸装置が使用できる。
溶融紡糸装置の溶融装置としては、グリッドメルター式、単軸押出し機方式、二軸押出し機方式、タンデム押出し機方式などを使用できる。溶融した原料混合物の酸化を防止するために、溶融紡糸装置内の窒素置換を行ってもよく、又はベントを具備した押出し機を使用して、微量の残留溶媒もしくはモノマー類を除去する操作を行ってもよい。
溶融紡糸の際、温度条件は、120℃〜200℃が好ましく、140℃〜170℃がより好ましい。温度条件を好ましい下限値以上とすることで、効率良く紡糸することができる。温度条件を好ましい上限値以下とすることで、熱変性、劣化を抑制しやすく、かつ、フェノール樹脂と配合物とが分離しにくくなる。
紡糸口金としては、通常のものが使用可能であり、孔径は0.05mm以上1mm以下が好ましく、0.07mm以上0.5mm以下がより好ましく、キャピラリー部のL/D(長さ/直径)は0.5以上、10以下が好ましく、1以上、5以下がより好ましい。孔径とL/Dをそれぞれ前記の好ましい範囲とすることで、安定して紡糸することができる。
特別な繊維の製造方法の場合(たとえば並列型複合繊維、芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維の場合など)には、サイドバイサイド型もしくはシースコア型、又は第三成分のポリマーを組み合わせるコンジュゲート口金を使用することもできる。
紡糸速度は、15m/分以上、3000m/分以下が好ましく、30m/分以上、2000m/分以下がより好ましく、50m/分以上、1600m/分以下がさらに好ましい。紡糸速度を好ましい下限値以上とすることで、効率良く紡糸できる。紡糸速度を好ましい上限値以下とすることで、紡糸時の糸切れの発生を抑制できる。
<硬化工程>
フェノール系繊維を作製する工程には、前記紡糸工程で得られた糸条を硬化する硬化工程が含まれることが好ましい。硬化工程で該糸条を硬化することにより、主にフェノール樹脂部分が架橋されるので、太径化されたフェノール系繊維の機械的強度が高まる。
原料のフェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂を用いた場合、前記紡糸工程で得られた糸条を硬化する方法としては、ステープル状もしくはトウ状に加工した糸条を反応容器内の処理液に浸漬させてバッチ式で硬化処理する方法、ボビン状もしくはかせ状に加工したものを処理液と接触させて硬化処理する方法、又はトウ状に加工したものを連続的に処理液と接触させて硬化処理する方法などが挙げられる。
上記処理液は、触媒とアルデヒド類からなる。
触媒としては、フェノール樹脂を製造する際に用い得るものとして例示した酸性触媒や塩基性触媒が挙げられる。また、アルデヒド類としては、フェノール樹脂を製造する際に用い得るものとして例示したアルデヒド類が挙げられる。
硬化は、液相にて、60℃以上110℃以下の温度で3時間以上30時間以下、加熱して行うことが好ましい。また、本発明においては、気相下で加熱することにより硬化してもよい。
本発明では、該加熱の後、水洗乾燥し、窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の不活性ガス中、100℃〜300℃の温度で加熱することによりさらに硬化させる等、公知の後硬化処理を行うことができる。この後硬化処理によって、糸条中のフェノール樹脂部分の架橋がより進行して、充分な強度を備えたフェノール系繊維を得ることができる。
一方、原料のフェノール樹脂としてレゾール型フェノール樹脂を用いた場合、湿熱法又は乾熱法で加熱処理を行うことにより糸条を硬化することができる。
加熱処理条件として、温度は100℃〜220℃が好ましく、120℃〜180℃がより好ましく、処理時間は5分間〜120分間が好ましく、20分間〜60分間がより好ましい。
本発明で用いるフェノール系繊維は、引張弾性率が370kgf/mm2〜450kgf/mm2(より好ましくは380kgf/mm2〜430kgf/mm2)で、かつ伸度が8%〜30%(より好ましくは10%〜25%)であることが好ましい。当該範囲の引張弾性率、及び伸度を有するフェノール系繊維を用いることにより、その単繊維繊度を7dtex以上にしても不織布加工を容易に行うことができる。
フェノール系繊維の繊維長は、35mm以上(より好ましくは50mm以上)であることが好ましく、130mm以下(より好ましくは100mm以下、さらに好ましくは80mm以下)であることが好ましい。繊維長が35mm未満では、繊維間を十分に絡めることができず、得られる不織布の引張強度が低くなる場合がある。また、繊維長が130mmを超える場合には、例えばニードルパンチ時の繊維切断や損傷が激しくなり、やはり引張強度が低くなる場合がある。
フェノール系繊維のクリンプの有無は特に限定されない。繊維の交絡性を高めるために、フェノール系繊維はクリンプを有していてもよい。一方で、配合物を含むフェノール系繊維は、太径であっても繊維自体は柔らかく、交絡性に優れるため、本発明では、捲縮のないフェノール系繊維を使用することができる。
[不織布加工]
フェノール系繊維を不織布加工する方法としては、加工時の繊維切れ等を防止することができ、かつ繊維間を十分に絡めることができれば、特に限定されず、例えばニードルパンチ法やウォーターパンチ法が挙げられる。繊維径の変化に応じて針密度、針深度を調整して、得られる不織布の密度を調整できる点からニードルパンチ法が好ましい。
不織布加工をニードルパンチ法で行う場合には、針密度を370本/inch2以上(より好ましくは450本/inch2以上)、針深度を5mm以上(より好ましくは7mm以上)、30mm以下(より好ましくは20mm以下)とすることが好ましい。針密度を370本/inch2以上とすることにより、繊維間の絡みが増加して、それに伴って不織布の嵩密度が増加する。なお、針密度が高過ぎると繊維切れが発生して、得られる不織布の嵩密度や引張強度がかえって低下する場合がある。このため、針密度の上限は700本/inch2とするのが好ましい。また、針深度が5mm未満の場合には、不織布が嵩高になる場合がある。針深度が30mmを超える場合には、針折れが起き易くなる。また、不織布に縞が多くなる傾向がある。
本発明に係るフェノール系繊維不織布を用いて、例えば、気体中を浮遊する固体を捕捉するダストフィルター;気体中に浮遊する水分や油分等の液体ミストを捕捉するミストフィルター;石炭ボイラーあるいはゴミ焼却場などから排出される高温ダストなどを集塵する耐熱性フィルター;酸、アルカリ、その他、通常のフィルターの外観や物性に変化を与え得る化学薬品を含む液やガスの濾過等に使用可能な耐薬品性フィルター;などの各種フィルターを作製することができる。本発明のフェノール系繊維不織布を使用することにより、機械的強度に優れ且つ圧力損失の小さなフィルターが得られるため、フィルターを長期に亘って使用することが可能となる。
以下、実施例および比較例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、前記及び後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更して実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
先ず、製造例や実施例等で作製した「フェノール系繊維」の繊度、引張弾性率、伸度、不織布の目付、引張強度、嵩密度、圧力損失(圧損)係数の測定方法について、以下説明する。
(フェノール系繊維の繊度)
DC11Bデニールコンピューター(サーチ(株)社製)を用いて測定した。
(フェノール系繊維の引張弾性率)
RTG−1210テンシロン万能試験機((株)エー・アンド・ディ社製)を用いて、JIS L1015に準拠して測定した。
(フェノール系繊維の伸度)
RTG−1210テンシロン万能試験機((株)エー・アンド・ディ社製)を用いて、JIS L1015に準拠して測定した。
(不織布の目付)
単位面積あたりの質量を測定して単位g/m2で求めた。なお、質量は100℃での絶乾状態で測定した。
(不織布の引張強度)
不織布の幅方向、及び長さ方向から、それぞれ5つの試験片(幅25mm、長さ100mm)を切り取り、インストロン型引張試験機(例えば、(株)東洋ボールドウィン製「STM−T−200BP」)で試験片の両端をチャックでつかみ、チャックの間隔を50mm、引張速度を20mm/分(伸長率40%/分)として破断強度を測定し、当該値を試験片の断面積(幅×厚み)で除することにより算出した(単位N/cm2)。なお、厚みは、面積4cm2の円盤を用いて、不織布にかかる荷重を9gf/cm2にして測定した。幅方向に切り取った試験片の引張強度の平均値、及び長さ方向に切り取った試験片の引張強度の平均値のうち、小さい値を、本発明の不織布の引張強度とした。
(不織布の嵩密度)
嵩密度は目付を厚みで割り、単位kg/m3で求めた。なお、厚みは、面積4cm2の円盤を用いて、不織布にかかる荷重を9gf/cm2にして測定した。
(不織布の圧損係数)
不織布を直径72mmの真円に切り抜き、通気圧損測定治具にセットし、測定面である直径50.5mmの真円と、直径72mmの真円の不織布との間を、0.1MPaの圧縮空気で押さえつけ、風速30cm/秒の空気を流した際の圧力損失を測定し、当該値を風速と厚みで除することにより求めた(単位mmAq・s/cm2)。なお、当該測定は、温度25℃、湿度50%で行った。厚みは、嵩密度を測定する際に用いた方法と同様で測定した。
(製造例1 フェノール系繊維1の製造)
フェノール1000質量部と37質量%ホルマリン733質量部とシュウ酸5質量部を、還流冷却器を備えた反応容器に仕込み、40分間で常温から100℃に昇温させ、さらに100℃で4時間反応させた後、200℃まで加熱して脱水濃縮した後、冷却してノボラック型フェノール樹脂を得た。
上記ノボラック型フェノール樹脂475kgとベヘン酸アミド25kgとを、二軸混練機(高速二軸連続ミキサー)に投入して、150℃で混練(溶融混合)を行い、室温まで冷却して、淡黄色透明なブロック状物を得た。なお、ベヘン酸アミドは日本精化社製のベヘン酸アミド(BNT−22H)を用いた。
次に、このブロック状物を粗粉砕し、溶融紡糸装置(グリッドメルター式)を用いて200℃で溶融し、該溶融により得られた溶融物を、170℃に保たれた孔径0.1mm、L/D=3、ホール数10個の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら紡糸速度75m/分で紡糸(溶融紡糸)して糸条を得た。
得られた糸条を、長さ70mmにカットして容器に入れ、塩酸14質量%かつホルムアルデヒド8質量%の水溶液に常温で30分間浸漬した後、2時間で98℃まで昇温し、さらに98℃で2時間保持することにより硬化を行った。
次いで、得られた硬化物を、前記容器から取出して十分に水洗した後、3質量%アンモニア水溶液で60℃、30分間の中和を行った。その後、再度十分に水洗し、90℃、30分間乾燥することにより、単繊維繊度11dtex、繊維長70mm、繊維クリンプなしのフェノール系繊維1を得た。
得られたフェノール系繊維1の引張弾性率は395kgf/mm2、伸度は12%であった。
(製造例2 フェノール系繊維2の製造)
紡糸口金の孔径を0.07mmに変更し、吐出量を減少させた以外は製造例1と同様にして、単繊維繊度7.7dtex、繊維長70mm、繊維クリンプなしのフェノール系繊維2を得た。
得られたフェノール系繊維2の引張弾性率は390kgf/mm2、伸度は25%であった。
(製造例3 フェノール系繊維3の製造)
製造例1において、ノボラック型フェノール樹脂の混合量を450kgとし、ベヘン酸アミド25kgに代えて、下記式で表されるリン酸エステル50kgとした以外は製造例1と同様にして、単繊維繊度11dtex、繊維長70mm、繊維クリンプなしのフェノール系繊維3を得た。リン酸エステルは、「フォスファノール(登録商標)SM−172」(東邦化学工業社製;下記式(1A)のモノエステルと下記式(1B)のジエステルとの質量比が1A/1B=1/1の混合物)を用いた。
得られたフェノール系繊維3の引張弾性率は427kgf/mm2、伸度は10%であった。
(製造例4 フェノール系繊維4の製造)
製造例1において、ノボラック型フェノール樹脂475kgとベヘン酸アミド25kgに代えて、ノボラック型フェノール樹脂500kgを用いた以外は製造例1と同様にして、単繊維繊度11dtex、繊維長70mm、繊維クリンプなしのフェノール系繊維4を得た。
得られたフェノール系繊維4の引張弾性率は469kgf/mm2、伸度は4%であった。
(実施例1)
製造例1で製造したフェノール系繊維1を使用し、ニードルパンチ機により、針密度500本/inch2、針深度12mm(裏)、7mm(表)の条件で裏表処理を行い、乾燥目付540g/m2、嵩密度82.4kg/m3の不織布を得た。得られた不織布の特性を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、製造例1で製造したフェノール系繊維1に代えて、製造例2で製造したフェノール系繊維2を使用した以外は実施例1と同様にし、乾燥目付535g/m2、嵩密度80.3kg/m3の不織布を得た。得られた不織布の特性を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で用いたフェノール系繊維1に代えて、製造例3で得たフェノール系繊維3を用いた以外は実施例1と同様にして、乾燥目付550g/m2、嵩密度81.8kg/m3の不織布を得た。得られた不織布の特性を表1に示す。
(比較例1)
単繊維繊度5.6dtex、繊維長70mm、繊維クリンプなしのフェノール系繊維(群栄化学工業(株)社製、カイノール(登録商標)KF−0570)を使用し、ニードルパンチ機により、針密度500本/inch2、針深度12mm(裏)、7mm(表)の条件で裏表処理を行い、乾燥目付575g/m2、嵩密度83.7kg/m3の不織布を得た。得られた不織布の特性を表1に示す。
(比較例2)
製造例4で製造したフェノール系繊維4を使用し、ニードルパンチ機により、針密度650本/inch2、針深度15mm(裏)、10mm(表)の条件で裏表処理を行い、乾燥目付585g/m2、嵩密度110.0kg/m3の不織布を得た。得られた不織布の特性を表1に示す。
(比較例3)
製造例4で製造したフェノール系繊維4を使用し、ニードルパンチ機により、実施例1と同じ嵩密度の不織布を得る目的で、実施例1と同じ条件である針密度500本/inch2、針深度12mm(裏)、7mm(表)の条件で裏表処理を行い、不織布化を試みたが、不織布化不可であった。

Claims (3)

  1. 単繊維繊度7dtex〜22dtexのフェノール系繊維を不織布加工して得られ、目付400g/m2〜2000g/m2、引張強度30N/cm2以上、嵩密度100kg/m3以下、単位厚み当たりの通気圧損係数0.3mmAq・s/cm2以下であることを特徴とするフェノール系繊維不織布。
  2. 前記フェノール系繊維が、フェノール樹脂に、脂肪酸アミド類および/またはリン酸エステル類を混合した混合物を用いて作製される請求項1に記載のフェノール系繊維不織布。
  3. 請求項1または2に記載のフェノール系繊維不織布を用いて作製されることを特徴とするフィルター。
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