JP2013128034A - 熱対策シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この熱対策シートAは、35μm厚の電解銅からなる銅箔であるベースシート層100Aと、このベースシート層100Aの一面に塗布された50μm〜1000μm厚の断熱塗料層200Aとを有しており、前記断熱塗料層200Aは、微小中空粒子を含んでいる。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献1に記載された熱対策シートの断熱層には、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリプロピレン(PP)が用いられている。PETもPPも、参考文献「プラスチック材料の各動特性の試験法と評価方法、安田武夫著、vol.51.No.12、P.128」によると、その熱伝導率はともに0.24W・m-1・K-1である。
なお、特許文献1においては、PETの熱伝導率を0.15W・m-1・K-1、PPの熱伝導率を0.12W・m-1・K-1、と記載しているが、測定方法により数値が変わるため、上記参考文献の数値とするのが妥当である。
なお、本明細書における図面は作図の都合上、各層の厚さは正確ではない。
主剤としては、液状の樹脂塗料(45重量部)に、断熱材として微小中空粒子(25重量部)を加えるとともに溶剤を加えたものを用いる。
なお、微小中空粒子としては、今回はプラスチックバルーンを用いたが、ガラス製のバルーンやセラミック製のバルーンでもよい。
厚さ寸法が100μmの単体の断熱塗料と、厚さ寸法が100μmのPP(ポリプロピレン)板をサンプルとしてそれぞれの断熱性能を以下の条件で比較した。
セラミック板の上に10mm×10mmの大きさの面状発熱体(40V40W)を載置し、さらに面状発熱体の上に熱伝導テープを載せ、その上に30mm×30mmの大きさの各サンプルを載せた。
各サンプルの面状発熱体の真上部分の上から熱電対を用いて温度測定を行った。測定は、面状発熱体の上に各サンプルを載せてから3分経過時点、30分経過時点に行った。
なお、その時点の面状発熱体自体の温度は、59.6℃であった。
すなわち、これは、同じ厚さ寸法であるならば、断熱層としてPPを使用するより本実施例に係る断熱塗料を塗布することで構成される断熱塗料層200Aを用いた方が断熱性能が高いことを意味する。
まず、セラミック板の上に10mm×10mmの大きさの面状発熱体(40V40W)を載置し、この面状発熱体の上に50mm×50mmの大きさの各サンプルを載せた。
各サンプルの上から熱電対を用いて温度測定を行った。
面状発熱体の真上がa地点、サンプルの角部(面状発熱体から最も離れた位置)をb地点とし、両地点の温度を測定した。
また、測定は、面状発熱体の上に各サンプルを載せてからa地点、b地点の温度が安定した時点で計測した。おおむね5分程であった。なお、その時点の面状発熱体自体の温度は、50〜60℃であった。
サンプル1:銅箔、粗面側に面状発熱体
サンプル2:銅箔、光沢面側に面状発熱体
サンプル3:銅箔+光沢面側に400μm厚の断熱塗料層200A、断熱塗料層側に面状 発熱体
サンプル4:銅箔+光沢面側に400μm厚の断熱塗料層200A、銅箔側に面状発熱体サンプル5:銅箔+粗面側に400μm厚の断熱塗料層200A、断熱塗料層側に面状発 熱体
サンプル6:銅箔+粗面側に400μm厚の断熱塗料層200A、銅箔側に面状発熱体
また、a地点、b地点の温度が安定する時間、面状発熱体に載置してから5分経過後に温度を測定した。さらに、1回目の面状発熱体の温度は約55〜62℃、2回目の面状発熱体の温度は約53〜56℃、3回目の面状発熱体の温度は約57〜60℃であった。
サンプル1及び2は、銅箔のみであるので、これは銅箔のもつ優れた熱伝導性による熱拡散の効果であると考えられる。ただし、このサンプル1及び2は、サンプル3乃至6よりもa地点の温度が高い傾向がある。これは、サンプル1及び2には、断熱塗料層200Aが形成されていないので、サンプル3乃至6より熱の抜けが多いためであると考えられる。
そのため、銅箔側に熱源があった場合にも、熱対策の効果がある。また、銅箔側の粗面に塗った場合も同様である。
すなわち、熱対策シートAのいずれを上面にするかを選択することで、使用される場所の条件に対応することが可能となる。
かかる実験は、セラミック板の上に10mm×10mmの大きさの面状発熱体(40V40W)を載置し、この面状発熱体の上に50mm×50mmの大きさの各サンプルを載せた。各サンプルの上から熱電対を用いて温度測定を行った。
面状発熱体の真上がa地点、サンプルの角部(面状発熱体から最も離れた位置)をb地点とし、両地点の温度を測定した。
また、測定は、面状発熱体の上に各サンプルを載せてからa地点、b地点の温度が安定した時点で計測した。おおむね5分程度であった。なお、その時点の面状発熱体自体の温度は、約60℃であった。
サンプル1:100μm厚のグラファイトシート
サンプル2:100μm厚のグラファイトシートに500μm厚の断熱塗料層200Aを 塗布した熱対策シートA、グラファイトシート側に面状発熱体
サンプル3:8μm厚のアルミニウム箔、光沢面側に面状発熱体
サンプル4:8μm厚のアルミニウム箔の粗面側に400μm厚の断熱塗料層200Aを 塗布した熱対策シートA、アルミニウム箔側に面状発熱体
サンプル5:180μm厚のPETシート
サンプル6:180μm厚のPETシートに400μm厚の断熱塗料層200Aを塗布し た熱対策シート、PET側に面状発熱体
また、a地点、b地点の温度が安定する時間、面状発熱体に載置してから5分経過後に温度を測定した。
この図2に示す熱対策シートBは、ベースシート層100Bに接着層300Bを積層して、ベースシート層100Bを断熱塗料層200Bと接着層300Bとで挟み込んだ構成になっている。
このように、接着層300Bを積層すると、電子機器の内部で熱対策シートBを電子部品等に直接に張り付けることで固定し、使用することができる。
なお、接着層300Bの代わりに、粘着するだけの粘着層とすることも可能である。
この熱対策シートCは、断熱塗料層200Cをベースシート層100Cと表面シート層400Cとで挟み込んだ構成になっている。
同時に、ある程度の柔軟性を有する表面シート層400Cを積層することで、断熱塗料層200Cの耐衝撃性を向上させることができる。
さらに、断熱塗料層200Cを構成する断熱塗料は現時点では白色のみであるため、表面シート層400Cを白色以外に着色することで、各種の色の熱対策シートCを提供することができるが、表面シート層400Cは白色であってもよい。
金属製シートとしては、ベースシート層100Cと同様に35μmの銅箔以外に、30μm〜150μmの銅箔、他の金属の薄箔を使用することができる。
また、樹脂製シートとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネートなど、熱可塑性樹脂やフェノール樹脂、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂を載せることで構成する。
また、トップコートとしては、例えばシリコーンエポキシ変性アクリルウレタン系樹脂をベース樹脂とした主剤に硬化剤を加えて塗布する塗料であるが、ベース樹脂はこれに限るものではなく、シリコーン変性アクリルウレタン系樹脂や他の樹脂を使用してもよい。
なお、断熱塗料を塗布してから約5〜15分後に表面シート層400Cを積層することで、断熱塗料が完全に乾燥しきらないうちに積層した表面シート層400Cを断熱塗料層200Cに対して積層することができる。
200A 断熱塗料層
A 熱対策シート
Claims (5)
- ベースシート層と、このベースシート層の一面に塗布された断熱塗料層とを有することを特徴とする熱対策シート。
- 前記断熱塗料層に金属製シート、樹脂製シート又はトップコートの表面層を積層したことを特徴とする請求項1記載の熱対策シート。
- 前記ベースシート層の断熱塗料層が形成されていない他面に接着層又は粘着層を積層したことを特徴とする請求項1又は2記載の熱対策シート。
- 前記ベースシート層は、銅箔であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱対策シート。
- 前記断熱塗料層は、微小中空粒子を含んでいることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の熱対策シート。
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