JP2013126069A - 電気機械変換装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサーエレメントの変換特性を損なうことなくセンサーエレメントの駆動バイアス電圧を決定することができる電気機械変換装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電気機械変換装置101は、第1の電極109とこれと間隙107を介して設けられた第2の電極105とを有するセル104を含むセンサーエレメント103を有する。センサーエレメントの他に、第1の電極116とこれと間隙を介して設けられた第2の電極112とを有するセル111を含むプルイン電圧を測定するためのモニターエレメント110を有する。モニターエレメント110のプルイン電圧とセンサーエレメント103を駆動するための駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に両エレメント103、110が形成されている。
【選択図】図1−1
【解決手段】電気機械変換装置101は、第1の電極109とこれと間隙107を介して設けられた第2の電極105とを有するセル104を含むセンサーエレメント103を有する。センサーエレメントの他に、第1の電極116とこれと間隙を介して設けられた第2の電極112とを有するセル111を含むプルイン電圧を測定するためのモニターエレメント110を有する。モニターエレメント110のプルイン電圧とセンサーエレメント103を駆動するための駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に両エレメント103、110が形成されている。
【選択図】図1−1
Description
本発明は、半導体プロセスを用いて作製され得る静電容量型超音波トランスデューサなどの音響波の送信と受信の少なくとも一方を行うことができる静電容量型電気機械変換装置に関する。なお、本明細書において、音響波とは、音波、超音波、光音響波と呼ばれるものを含む。例えば、被検体内部に可視光線や赤外線等の光(電磁波)を照射して被検体内部で発生する音響波や、被検体内部に音響波を送信して被検体内部で反射する反射音響波などを含む。
超音波を用いて生体内部の組織の画像を得るために、特許文献1や非特許文献1に記載のような静電容量方式を用いた超音波トランスデューサ(Capacitive
Micromachined Ultrasonic Transducers:CMUTs)を用いることが提案されている。図7−1の様に、CMUTs901は、超音波信号を受信または送信するエレメント902が二次元方向に配列されている。さらに図7−2の様に、エレメント902は複数のセル903からなる。セルは、例えば、上部電極(後述の第2の電極)904を有するメンブレン905、及びメンブレンの直下に支持部材910とキャビティ906と絶縁膜907を介して配置された下部電極(後述の第1の電極)908が基板909上に作製された構造体である。ここで、エレメント902内のセル間の上部電極同士及び下部電極同士は互いに電気的に接続されている。図7−2では、セル903間の上部電極904同士は配線911によって互いに電気的に接続されており、下部電極908については、エレメント902に一様に形成された一枚の電極を全てのセル903が共有している。一方、エレメント902間においては、上部電極同士及び下部電極同士のうちの少なくとも一方が互いに電気的に絶縁されている。この例では、図7−2には図示されていないが、CMUTs901の全てのエレメント902が、一様に形成された一枚の電極を下部電極908として共有している。
Micromachined Ultrasonic Transducers:CMUTs)を用いることが提案されている。図7−1の様に、CMUTs901は、超音波信号を受信または送信するエレメント902が二次元方向に配列されている。さらに図7−2の様に、エレメント902は複数のセル903からなる。セルは、例えば、上部電極(後述の第2の電極)904を有するメンブレン905、及びメンブレンの直下に支持部材910とキャビティ906と絶縁膜907を介して配置された下部電極(後述の第1の電極)908が基板909上に作製された構造体である。ここで、エレメント902内のセル間の上部電極同士及び下部電極同士は互いに電気的に接続されている。図7−2では、セル903間の上部電極904同士は配線911によって互いに電気的に接続されており、下部電極908については、エレメント902に一様に形成された一枚の電極を全てのセル903が共有している。一方、エレメント902間においては、上部電極同士及び下部電極同士のうちの少なくとも一方が互いに電気的に絶縁されている。この例では、図7−2には図示されていないが、CMUTs901の全てのエレメント902が、一様に形成された一枚の電極を下部電極908として共有している。
CMUTsを用いて超音波信号を受信する方法、即ち超音波信号を電気信号に変換する方法を以下に示す。図8の様に、各エレメントの上部電極1001と下部電極1002との間に、駆動バイアス電圧源1003を用いて駆動バイアス電圧を印加する。ここで、バイアス電圧とは直流電圧のことを指し、駆動バイアス電圧とはCMUTsを駆動するために印加する一定の直流電圧を指す。この状態でCMUTsに超音波信号源1004から超音波信号p(t)が入力されると、上部電極1001と一体のメンブレン1005が振動し、各エレメントの上部電極1001と下部電極1002との間の静電容量が変化する。これにより、各エレメントの上部電極1001から超音波信号に対応した電気信号i(t)を得ることができる。他方、CMUTsを用いて超音波信号を送信する場合は、各エレメントの両電極間に駆動バイアス電圧と超音波信号に対応した電気信号を印加してメンブレン1005を振動させればよい。
従来のCMUTsでは、全てのエレメント間において上部電極と下部電極のいずれか一方の電極が電気的に接続された共通電極となっていることが多い。このとき、他方の電極は信号電流検出回路の入力端子に接続され、仮想的にCMUTs全体の基準電位と等しくなっていることが多い。このような電極構成の場合、全てのエレメントの両電極間には同一の駆動バイアス電圧が印加される。
Zuang.et.al., IEEE Trans. Ultrason. Ferroelectr. Freq. Control, vol.56, No.1, pp.182−192, 2009.
上記構成において、エレメントのプルイン電圧に偏差が存在する場合がある。このような場合、エレメントの変換特性を変化させずに駆動バイアス電圧を決定可能とすることが望ましい。ここで変換特性とは、一定の超音波信号入力に対してエレメントから出力される電流信号の大きさを指す。エレメントのバイアス電圧がある一定値を超えると、メンブレンがキャビティ底部に一瞬で接触するプルインと呼ばれる現象が発生する。このときのバイアス電圧をプルイン電圧と定義する。プルイン電圧の値は、メンブレンの大きさや厚さ、キャビティの深さなどといったエレメントの構造パラメータに依存する。プルインが発生すると、エレメントの変換特性が変化してしまう。なぜなら、急激な電界強度変化が発生したり、接触によりメンブレンや絶縁層が帯電し駆動バイアス電圧が弱められたりするからである。よって、所望の変換特性を有するCMUTsを得るためには、エレメントの両電極間にプルイン電圧以上のバイアス電圧が印加されない様にすることが望ましい。
一方、エレメントの変換特性は駆動バイアス電圧の増大に対応して増大するので、駆動バイアス電圧は大きい方が望ましいが、上記の理由から駆動バイアス電圧はプルイン電圧未満となるようにしなければならない。よって、最適な駆動バイアス電圧を決定するためにはプルイン電圧を知る必要がある。プルイン電圧を知る方法としては、エレメントの構造パラメータから計算したプルイン電圧の予測値を用いる方法もがある。しかし、製造時の構造パラメータの偏差を考慮すると、プルインを確実に避けるためには、実際に作製されたエレメントのプルイン電圧をもとに駆動バイアス電圧を決定することが望ましい。実際に作製されたエレメントのプルイン電圧を得るには、実際にプルインが発生したときのバイアス電圧を測定する方法が最も確実である。しかし、この方法では、メンブレンがキャビティ底部に接触してプルインが発生するため、エレメントの変換特性が変化し、所望の変換特性を有するCMUTsを得ることが困難である。
上記課題に鑑み、本発明の電気機械変換装置は、第1の電極と該第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むセンサーエレメントを有する。そして、前記センサーエレメントの他に、第1の電極と該第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むプルイン電圧を測定するためのモニターエレメントを有し、前記モニターエレメントのプルイン電圧と前記センサーエレメントを駆動するための駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に前記モニターエレメントと前記センサーエレメントが形成されている。
また、上記課題に鑑み、本発明の電気機械変換装置の製造方法は、第1の電極と該第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むセンサーエレメントを形成する第1の工程と、前記センサーエレメントの他に、第1の電極と該第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むプルイン電圧を測定するためのモニターエレメントを形成する第2の工程と、を有する。そして、前記第1の工程と前記第2の工程において、前記モニターエレメントのプルイン電圧と前記センサーエレメントの駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に前記モニターエレメントと前記センサーエレメントを形成する。
本発明によれば、センサーエレメントを駆動するための駆動バイアス電圧に対してプルイン電圧が所定の関係を有する様に形成されたモニターエレメントを備えるので、センサーエレメントの変換特性を損なうことなくその駆動バイアス電圧を決定することができる。
本発明の特徴は、センサーエレメントの他に、センサーエレメントと基本的に同様な構造を有するプルイン電圧を測定するためのモニターエレメントを設ける。そして、モニターエレメントのプルイン電圧とセンサーエレメントを駆動するための駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に両エレメントを形成することである。この考え方に基づき、本発明の電気機械変換装置及びその製造方法は、上記課題を解決するための手段のところで述べた様な基本的な構成を有する。こうした構成の本発明において、プルイン電圧は駆動バイアス電圧以上であるので、典型的には、モニターエレメントのプルイン電圧がセンサーエレメントのプルイン電圧より小さくなる様に両エレメントが構成される。しかし、モニターエレメントのプルイン電圧とセンサーエレメントの駆動バイアス電圧との関係が分かれば、モニターエレメントのプルイン電圧の測定値からセンサーエレメントの駆動バイアス電圧を演算できる。よって、両エレメントのプルイン電圧の大小関係の設定の仕方は問わない。ただし、モニターエレメントのプルイン電圧がセンサーエレメントのプルイン電圧以上になる様に両エレメントの構造パラメータが設定される場合は、モニターエレメントのプルイン電圧の測定時にセンサーエレメントのプルインが起こらない様に、両エレメントの第1及び第2の電極の少なくとも一方の電極は両エレメント間で電気的に分離しておく必要がある。ここで、構造パラメータとは、メンブレンの厚さ及びヤング率、キャビティ下の絶縁層の厚さ及び比誘電率、キャビティの深さ、電極面積、メンブレンの可動部の面積などのような、エレメントに含まれるセルを構成する部材の寸法や材料定数を指す。
以下、電気機械変換装置及びその製造方法の具体的な実施例を説明する。
(第1の実施例)
本発明の電気機械変換装置の一例である本実施例のCMUTs101は、図1−1の様に、その主面上のセンサー領域102の内部に二次元方向に配列された複数のセンサーエレメント103を有している。さらに本実施例のCMUTs101は、センサー領域102の周縁部にモニターエレメント110を有する。ここで主面とは、CMUTs101の面のうち、超音波画像等を取得する被検体に対向する面を指す。また、センサー領域102の周縁部とは、センサー領域102の境界線とCMUTs101の外形線とに囲まれた領域を指す。センサーエレメント103は、例えば、上述の従来のCMUTsのエレメントと同様の構造を有している。即ち、図1−2(a)、(b)の様に、上部電極(第2の電極)105を有するメンブレン106と、メンブレン106の直下にキャビティ(間隙)107と絶縁膜108を介して配置された下部電極(第1の電極)109とを有する複数のセル104で構成される。モニターエレメント110は、センサーエレメント103と基本的に同様の構造を有している。即ち、図1−3(a)、(b)の様に、第2の電極112を有するメンブレン113と、メンブレンの直下にキャビティ114と絶縁膜115を介して配置された第1の電極116とを有する複数のセル111で構成される。本実施例で、モニターエレメント110がセンサーエレメント103と異なるのは、そのプルイン電圧がセンサーエレメント103のプルイン電圧よりも小さくなる様に構造パラメータが設定されていることである。つまり、例えば、センサーエレメント103のプルイン電圧に対するモニターエレメント110のプルイン電圧の比率が所定の値(1より小さい値)になる様に構造パラメータが設定されている。モニターエレメント110のプルイン電圧を測定し、その測定値に基づいてセンサーエレメント103の駆動バイアス電圧を決定することができる。以上により、センサーエレメント103をプルインさせることなくその駆動バイアス電圧を決定することができる。この場合、モニターエレメント110のプルイン電圧を測定する際にセンサーエレメント103は設計的にはプルインするはずはないので、センサーエレメントとモニターエレメントの第1及び第2の電極はそれぞれ電気的に繋がっていてもよい。しかし、製造誤差もあり得るので、より安全サイドで考えて確実にセンサーエレメントがプルインしない様にするためには、両エレメント間で第1及び第2の電極の少なくとも一方の電極は電気的に分離されているのが望ましい。
(第1の実施例)
本発明の電気機械変換装置の一例である本実施例のCMUTs101は、図1−1の様に、その主面上のセンサー領域102の内部に二次元方向に配列された複数のセンサーエレメント103を有している。さらに本実施例のCMUTs101は、センサー領域102の周縁部にモニターエレメント110を有する。ここで主面とは、CMUTs101の面のうち、超音波画像等を取得する被検体に対向する面を指す。また、センサー領域102の周縁部とは、センサー領域102の境界線とCMUTs101の外形線とに囲まれた領域を指す。センサーエレメント103は、例えば、上述の従来のCMUTsのエレメントと同様の構造を有している。即ち、図1−2(a)、(b)の様に、上部電極(第2の電極)105を有するメンブレン106と、メンブレン106の直下にキャビティ(間隙)107と絶縁膜108を介して配置された下部電極(第1の電極)109とを有する複数のセル104で構成される。モニターエレメント110は、センサーエレメント103と基本的に同様の構造を有している。即ち、図1−3(a)、(b)の様に、第2の電極112を有するメンブレン113と、メンブレンの直下にキャビティ114と絶縁膜115を介して配置された第1の電極116とを有する複数のセル111で構成される。本実施例で、モニターエレメント110がセンサーエレメント103と異なるのは、そのプルイン電圧がセンサーエレメント103のプルイン電圧よりも小さくなる様に構造パラメータが設定されていることである。つまり、例えば、センサーエレメント103のプルイン電圧に対するモニターエレメント110のプルイン電圧の比率が所定の値(1より小さい値)になる様に構造パラメータが設定されている。モニターエレメント110のプルイン電圧を測定し、その測定値に基づいてセンサーエレメント103の駆動バイアス電圧を決定することができる。以上により、センサーエレメント103をプルインさせることなくその駆動バイアス電圧を決定することができる。この場合、モニターエレメント110のプルイン電圧を測定する際にセンサーエレメント103は設計的にはプルインするはずはないので、センサーエレメントとモニターエレメントの第1及び第2の電極はそれぞれ電気的に繋がっていてもよい。しかし、製造誤差もあり得るので、より安全サイドで考えて確実にセンサーエレメントがプルインしない様にするためには、両エレメント間で第1及び第2の電極の少なくとも一方の電極は電気的に分離されているのが望ましい。
モニターエレメントのプルイン電圧がセンサーエレメントのプルイン電圧よりも小さくなる様にするためには、モニターエレメントの上記構造パラメータを以下の様にして決定すればよい。プルイン電圧Vpと、エレメントの構造パラメータであるメンブレンのばね定数K、第1の電極と第2の電極との間の真空等価距離d、第2の電極の面積Aとの間には近似的に以下の式(1)のような関係がある。ここで、メンブレンのばね定数とは、メンブレンの主面に垂直な方向に印加された外力が該方向へのメンブレンの変位の何倍であるかを表す定数を指す。また、真空等価距離dは、キャビティの深さをdc、絶縁層の厚さをdi、絶縁層の比誘電率をki、メンブレンの厚さをdm、メンブレンの比誘電率をkmとすると式(2)の様に表される。
Vp∝K0.5d1.5A−0.5・・・(1)
d=dc+(di/ki)+(dm/km)・・・(2)
Vp∝K0.5d1.5A−0.5・・・(1)
d=dc+(di/ki)+(dm/km)・・・(2)
よって、例えば、モニターエレメントのプルイン電圧Vpmをセンサーエレメントのプルイン電圧Vpsの80%にするには以下の様にモニターエレメントの構造パラメータを決定すればよい。一つ目の例としては、図1−3の様に、キャビティ114の深さや絶縁層115の厚さを調整し、モニターエレメント110の電極間の真空等価距離をセンサーエレメントの電極間の真空等価距離の86.2%にすればよい。二つ目の例としては、図1−4(a)の様に、モニターエレメント117の第2の電極118の面積をセンサーエレメントの第2の電極105の156.3%にしてもよい。三つ目の例としては、モニターエレメント110のメンブレン113のばね定数をセンサーエレメント103のメンブレン106のばね定数の89.4%にしてもよい。メンブレンのばね定数を小さくするには、図1−4(b)の様にモニターエレメント119のメンブレンの振動可能な部分120の面積を大きくするのが最も簡便であるが、メンブレンの厚さを薄くすることによっても可能である。
駆動バイアス電圧を決めるためには、モニターエレメントのプルイン電圧を測定し、典型的には、そのプルイン電圧と予め決めておいた定数との積を駆動バイアス電圧とすればよい。この定数は、駆動バイアス電圧とモニターエレメントのプルイン電圧との比から決定される。特に、モニターエレメントのプルイン電圧が、駆動バイアス電圧に等しくなる様に設計が決定されていた場合、この定数は1となる。即ち、モニターエレメントのプルイン電圧をそのまま駆動バイアス電圧として用いることができる。
モニターエレメントのプルイン電圧を測定する方法は以下の通りである。モニターエレメントの電極間に0から徐々に増大するバイアス電圧を印加しながらプルインが発生するかどうかを観察し、プルインが発生した時点でのバイアス電圧をプルイン電圧とする。モニターエレメントのプルインを判定するためには、バイアス電圧に対するモニターエレメントの特性値の変化を測定すればよい。測定する特性値としては、例えば電極間のインピーダンス特性やメンブレンの変位量があげられる。それぞれの特性値を用いてプルインの発生を判定する方法を以下に示す。周波数に対する電極間のインピーダンス特性は、メンブレンの共振周波数の近傍に、特性が大きく変化する特異点を有する。プルインが発生するとメンブレンの中央部がキャビティ底部に固定されて、メンブレンの共振周波数が高い方に大きく変化する。これに伴い、インピーダンス特性の特異点の位置も周波数の高い方に大きく変化する。よって、インピーダンスアナライザなどを用いてインピーダンス特性の特異点の位置を観察し、インピーダンス特性の特異点が高い方に大きく変化したらプルインが発生したと判定すればよい。また、メンブレンの変位は、プルインが発生した瞬間に電極間の真空等価距離の約3分の1の大きさからキャビティの深さと同じ大きさまで大きく変化する。よって、光干渉計などを用いてメンブレンの変位を観察し、メンブレンの変位が大きく変化したらプルインが発生したと判断すればよい。
以上の様なプルイン電圧の測定と駆動バイアス電圧の演算を行うためには、プルイン電圧測定手段と駆動制御手段を備えればよい。プルイン電圧測定手段は、上記の如くモニターエレメントのプルイン電圧を測定する。駆動制御手段は、プルイン電圧測定手段によって得られたモニターエレメントのプルイン電圧を演算処理することで駆動バイアス電圧を決定し、使用時に該電圧でセンサーエレメントを駆動する。また、上記電気機械変換装置は、次の第1の工程と第2の工程を有する製造方法で作製することができる。第1の工程では、第1の電極と該第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むセンサーエレメントを形成する。第2の工程では、前記センサーエレメントの他に、第1の電極と該第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むプルイン電圧を測定するためのモニターエレメントを形成する。そして、第1の工程と第2の工程において、モニターエレメントのプルイン電圧とセンサーエレメントの駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に両エレメントを形成する。さらに、モニターエレメントのプルイン電圧を測定する第3の工程と、この工程で測定されたモニターエレメントのプルイン電圧を演算処理してセンサーエレメントを駆動するための駆動バイアス電圧を決定する第4の工程を有してもよい。装置の製造時に、モニターエレメントのプルイン電圧を測定し、測定されたプルイン電圧を演算処理することで決定された電圧値に駆動制御手段の駆動バイアス電圧を固定的に設定してもよい。この場合、装置製造後に、モニターエレメントを装置から切り離してもよい。或いは、製造後も、モニターエレメントのプルイン電圧を測定しそのプルイン電圧を演算処理して得られる電圧値に駆動制御手段の駆動バイアス電圧を設定し直せる様に装置を構成してもよい。モニターエレメントは、図1−1で示す様に、センサーエレメントが形成される基板と同一の基板において、センサーエレメントが形成されたセンサー領域の周縁部に配置することができる。こうした配置は、製造し易さ、両エレメントの構造パラメータの切り分け設定のし易さ、モニターエレメントのプルイン電圧の測定のし易さ等の点で優れるが、モニターエレメントはセンサー領域の周縁部に必ずしも配置される必要はない。センサーエレメントのプルインを起こすことなくモニターエレメントのプルイン電圧を測定できれば、例えば、センサー領域に配置されるエレメントの一部(例えば縁部の一部)のエレメントをモニターエレメントとして構成することもできる。
(第2の実施例)
本実施例のCMUTs201は、図2の様に、センサー領域202の周縁部の複数の箇所に分散して、センサーエレメント203のプルイン電圧の分布傾向に応じて適切に配置されたモニターエレメント204を有する。ここで、センサーエレメント203のプルイン電圧の分布傾向は、図2(b)の様に、極大値や極小値を持たない単調な分布傾向であることが予め分かっているとする。駆動バイアス電圧を決定するには、モニターエレメント204の各々のプルイン電圧を同時に測定し、例えば、それらの最小値をセンサーエレメント203の駆動バイアス電圧とすればよい。モニターエレメント204の各々のプルイン電圧を同時に測定できない場合は、バイアス電圧を微小量変化させる毎に全てのモニターエレメント204の特性値を測定すればよい。本実施例では、全てのモニターエレメント204のプルイン電圧はセンサーエレメント203のプルイン電圧よりも小さくなる様に構成されている。よって、モニターエレメント204のプルイン電圧の最小値はセンサーエレメント203のプルイン電圧の最小値よりも必ず小さくなる。以上により、CMUTs上のエレメント間のプルイン電圧に偏差が存在する場合にもセンサーエレメント203をプルインさせずにその駆動バイアス電圧を決定することができる。
本実施例のCMUTs201は、図2の様に、センサー領域202の周縁部の複数の箇所に分散して、センサーエレメント203のプルイン電圧の分布傾向に応じて適切に配置されたモニターエレメント204を有する。ここで、センサーエレメント203のプルイン電圧の分布傾向は、図2(b)の様に、極大値や極小値を持たない単調な分布傾向であることが予め分かっているとする。駆動バイアス電圧を決定するには、モニターエレメント204の各々のプルイン電圧を同時に測定し、例えば、それらの最小値をセンサーエレメント203の駆動バイアス電圧とすればよい。モニターエレメント204の各々のプルイン電圧を同時に測定できない場合は、バイアス電圧を微小量変化させる毎に全てのモニターエレメント204の特性値を測定すればよい。本実施例では、全てのモニターエレメント204のプルイン電圧はセンサーエレメント203のプルイン電圧よりも小さくなる様に構成されている。よって、モニターエレメント204のプルイン電圧の最小値はセンサーエレメント203のプルイン電圧の最小値よりも必ず小さくなる。以上により、CMUTs上のエレメント間のプルイン電圧に偏差が存在する場合にもセンサーエレメント203をプルインさせずにその駆動バイアス電圧を決定することができる。
上記の効果が得られる理由を以下に説明する。例えば、図3(a)に示される様に、CMUTsの絶縁層の厚さが点Aから点Bに向かって単調に減少する分布を有している場合を考える。上記式(1)より、絶縁層が薄くなるとプルイン電圧は減少する。よって、センサーエレメント203のプルイン電圧は図3(b)の様に点Aから点Bに向かう方向に沿って単調に減少する分布を有し、点Cのセンサーエレメント203のプルイン電圧が最小となる。よって、点Cのセンサーエレメント203の近傍にモニターエレメント204を配置すれば、そのプルイン電圧は全てのセンサーエレメント203のプルイン電圧の最小値よりも小さいことが設計的に保証される。
さらに、センサーエレメント203のプルイン電圧が図4(a)〜(c)のような分布を有する場合についても、点D、点E、点Fのセンサーエレメント203の近傍にモニターエレメント204を配置すれば同様の保証が得られる。今、図2の点C、点D、点E、点Fのセンサーエレメント203の近傍にモニターエレメント204を配置する場合を考える。この場合、例えば、それらのプルイン電圧の最小値を駆動バイアス電圧とすれば、この駆動バイアス電圧は、絶縁層の厚さの分布の方向に関わらずセンサーエレメントのプルイン電圧の最小値よりも小さいことが保証される。また、上記の説明において絶縁層をメンブレンと読み替えても同様の結論が示される。
以上の様な分布が、設計的には意図しないとしても起こることについて説明する。つまり、上記のような構造パラメータの分布傾向を有するCMUTsが実際に結果的に作製されることが起こる。一般的にこれらの偏差は、成膜時の膜厚やエッチング時のエッチング量の偏差に依存する。そして、往々にして成膜装置やエッチング装置は、膜厚やエッチング量について、チャンバの中央から端に向かって単調な分布を示すものである。よって、CMUTsを作製する基板を上記の装置内の適当な場所に配置することで、エレメントにおける構造パラメータが上記の如き単調な分布を示すようなCMUTsが作製されることになる。本実施例は、こうした成膜装置やエッチング装置の特性が、製造される電気機械変換装置の欠点として顕在化しない様に、該電気機械変換装置の設計を工夫したものである。
(第3の実施例)
本実施例のCMUTs301は、図5の様に、センサー領域302の周縁部に、モニターエレメント303が複数個隣接して配置されたモニターエレメント群304を有する。本実施例によれば、例えば、偶発的な異常によりモニターエレメント303の一つが正常に動作しなかった場合でも、モニターエレメント群304の他のモニターエレメント303のプルイン電圧を測定することでこの事態による支障を回避できる。以上により、モニターエレメント303に偶発的な異常が発生した場合にも、センサーエレメントの駆動バイアス電圧を決定できる可能性を高めることができる。その他の点は第1の実施例と同様である。
本実施例のCMUTs301は、図5の様に、センサー領域302の周縁部に、モニターエレメント303が複数個隣接して配置されたモニターエレメント群304を有する。本実施例によれば、例えば、偶発的な異常によりモニターエレメント303の一つが正常に動作しなかった場合でも、モニターエレメント群304の他のモニターエレメント303のプルイン電圧を測定することでこの事態による支障を回避できる。以上により、モニターエレメント303に偶発的な異常が発生した場合にも、センサーエレメントの駆動バイアス電圧を決定できる可能性を高めることができる。その他の点は第1の実施例と同様である。
(第4の実施例)
本実施例のCMUTs401は、図6(a)の様に、センサー領域402の周縁部に、複数のモニターエレメント403で構成されたモニターエレメント群404を有している。以下、便宜上、モニターエレメント403の各々にG、H、I、Jと名前をつけて説明する。モニターエレメント403の各々のプルイン電圧は互いに異なっており、また全てのモニターエレメント403のプルイン電圧は駆動バイアス電圧以上であり、かつセンサーエレメント405のプルイン電圧よりも小さくなる様に構成されている。例えば、モニターエレメントG〜Jのプルイン電圧Vpg、Vph、Vpi、Vpjは駆動バイアス電圧Vdb及びセンサーエレメント405のプルイン電圧Vpに対して式(3)のような関係となる様に構成されている。
Vdb=Vpg<Vph<Vpi<Vpj<Vp・・・(3)
また、モニターエレメントG〜Jのプルイン電圧から駆動バイアス電圧を決定するための係数αg〜αjは式(4)〜(7)の様に決められる様に設計されている。
αg=Vpg/Vdb=1・・・(4)
αh=Vph/Vdb・・・(5)
αi=Vpi/Vdb・・・(6)
αj=Vpj/Vdb・・・(7)
本実施例のCMUTs401は、図6(a)の様に、センサー領域402の周縁部に、複数のモニターエレメント403で構成されたモニターエレメント群404を有している。以下、便宜上、モニターエレメント403の各々にG、H、I、Jと名前をつけて説明する。モニターエレメント403の各々のプルイン電圧は互いに異なっており、また全てのモニターエレメント403のプルイン電圧は駆動バイアス電圧以上であり、かつセンサーエレメント405のプルイン電圧よりも小さくなる様に構成されている。例えば、モニターエレメントG〜Jのプルイン電圧Vpg、Vph、Vpi、Vpjは駆動バイアス電圧Vdb及びセンサーエレメント405のプルイン電圧Vpに対して式(3)のような関係となる様に構成されている。
Vdb=Vpg<Vph<Vpi<Vpj<Vp・・・(3)
また、モニターエレメントG〜Jのプルイン電圧から駆動バイアス電圧を決定するための係数αg〜αjは式(4)〜(7)の様に決められる様に設計されている。
αg=Vpg/Vdb=1・・・(4)
αh=Vph/Vdb・・・(5)
αi=Vpi/Vdb・・・(6)
αj=Vpj/Vdb・・・(7)
上記のモニターエレメント群404を用いてセンサーエレメント405のプルイン電圧の経時変化を測定する方法の例を図6(b)を用いて説明する。モニターエレメントG〜Jの各々について、CMUTs401の使用時間に応じたプルイン電圧の測定時刻を決めておく。例えば、モニターエレメントG〜Jに対してそれぞれ使用時間0、th、ti、tjとする。ただし、0<th<ti<tjである。ここで、使用時間とは、CMUTs401を駆動した時間、即ちCMUTs401に駆動バイアス電圧を印加した時間を累積した値を指す。モニターエレメントのプルイン電圧を測定する順番をプルイン電圧の小さい順に決定した理由は、モニターエレメントのプルイン電圧を測定する際に、他のモニターエレメントでプルインが発生しない様にするためである。プルイン電圧を測定する前に他のモニターエレメントでプルインが発生すると、帯電などによる残留電界が発生し、他のモニターエレメントの正しいプルイン電圧を測定することが困難となる。
初めてCMUTs401を使用する前に、駆動制御器407はモニターエレメントGのプルイン電圧を測定するようプルイン電圧測定器406に指令信号を送信する。プルイン電圧測定器406はモニターエレメントGのプルイン電圧を測定し、その測定値を駆動制御器407に送信する。駆動制御器407はその測定値を駆動バイアス電圧としてCMUTs401を駆動する。その後、計時器408を用いて使用時間を測定しながらCMUTs401を駆動し、使用時間がthに達したら駆動制御器407は一旦CMUTs401の駆動を停止する。この際、光や音声などの伝達器410を用いて使用者409にCMUTs401の使用を止めるよう伝える様にしてもよい。その後、駆動制御器407は上記と同様にしてモニターエレメントHのプルイン電圧の測定値を得て、その測定値と式(5)の係数αhとの積をとった値を駆動バイアス電圧として更新し、再びCMUTs401を駆動する。使用時刻ti、tjにおいても、駆動制御器407は上記と同様にして駆動バイアス電圧を更新しCMUTsを駆動する。以上により、プルイン電圧の経時変化による変換特性の変化を既定の時刻毎に補正することができる。
以上の様に、本実施例の電気機械変換装置は、モニターエレメント群に所属する複数のモニターエレメントはプルイン電圧が互いに異なり、次の計時手段とプルイン電圧測定手段と駆動制御手段を備える。計時手段は、複数のモニターエレメントの夫々のプルイン電圧を測定する時刻を測定する。プルイン電圧測定手段、計時手段で測定された夫々の所定の時刻に複数のモニターエレメントのプルイン電圧を夫々測定する。駆動制御手段は、プルイン電圧測定手段によって得られた夫々のプルイン電圧を演算処理することによって駆動バイアス電圧を決定し該駆動バイアス電圧でセンサーエレメントを夫々駆動する。
(第5の実施例)
上記実施例で説明した電気機械変換装置は、音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波を電気機械変換装置で受信し、出力される電気信号を用い、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報や音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報を取得することができる。図9(a)は、光音響効果を利用した本実施例の被検体情報取得装置を示したものである。光源2010から発生したパルス光は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学部材2012を介して、被検体2014に照射される。被検体2014の内部にある光吸収体2016は、パルス光のエネルギーを吸収し、音響波である光音響波2018を発生する。電気機械変換装置2020とそれを収納する筺体2022とを備えるプローブ(探触子)は、光音響波2018を受信して電気信号に変換し、信号処理部2024に出力する。信号処理部2024は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2026へ出力する。データ処理部2026は、入力された信号を用いて被検体情報(光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報)を画像データとして取得する。なお、ここでは、信号処理部2024とデータ処理部2026を含めて、処理部という。表示部2028は、データ処理部2026から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。
上記実施例で説明した電気機械変換装置は、音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波を電気機械変換装置で受信し、出力される電気信号を用い、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報や音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報を取得することができる。図9(a)は、光音響効果を利用した本実施例の被検体情報取得装置を示したものである。光源2010から発生したパルス光は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学部材2012を介して、被検体2014に照射される。被検体2014の内部にある光吸収体2016は、パルス光のエネルギーを吸収し、音響波である光音響波2018を発生する。電気機械変換装置2020とそれを収納する筺体2022とを備えるプローブ(探触子)は、光音響波2018を受信して電気信号に変換し、信号処理部2024に出力する。信号処理部2024は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2026へ出力する。データ処理部2026は、入力された信号を用いて被検体情報(光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報)を画像データとして取得する。なお、ここでは、信号処理部2024とデータ処理部2026を含めて、処理部という。表示部2028は、データ処理部2026から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。
図9(b)は、音響波の反射を利用した超音波エコー診断装置等の被検体情報取得装置を示したものである。電気機械変換装置2120とそれを収納する筺体2122とを有するプローブから被検体2114へ送信された音響波は、反射体2116により反射される。プローブは、反射された音響波2118(反射波)を受信して電気信号に変換し、信号処理部2124に出力する。信号処理部2124は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2126へ出力する。データ処理部2126は、入力された信号を用いて被検体情報(音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報)を画像データとして取得する。なお、ここでは、信号処理部2124とデータ処理部2126を含めて、処理部という。表示部2128は、データ処理部2126から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。なお、プローブは、機械的に走査するものであっても、医師や技師等のユーザが被検体に対して移動させるもの(ハンドヘルド型)であってもよい。また、図9(b)の様に反射波を用いる装置の場合、音響波を送信するプローブは受信するプローブと別に設けても良い。
101・・・CMUTs(電気機械変換装置)、102・・・センサー領域、103・・・センサーエレメント、104、111・・・セル、105、112・・・第2の電極、106、113・・・メンブレン、107、114・・・キャビティ(間隙)、109、116・・・第1の電極、110・・・モニターエレメント
Claims (12)
- 第1の電極と前記第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むセンサーエレメントが配置された電気機械変換装置であって、
前記センサーエレメントの他に、第1の電極と前記第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むプルイン電圧を測定するためのモニターエレメントを有しており、
前記モニターエレメントのプルイン電圧と前記センサーエレメントを駆動するための駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に前記モニターエレメントと前記センサーエレメントが形成されていることを特徴とする電気機械変換装置。 - 前記モニターエレメントが、前記センサーエレメントが配置されたセンサー領域の周縁部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気機械変換装置。
- 前記モニターエレメントが、前記センサー領域の周縁部の複数の箇所に分散して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電気機械変換装置。
- 前記モニターエレメントのプルイン電圧が前記センサーエレメントのプルイン電圧より小さくなる様に前記モニターエレメントと前記センサーエレメントが形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電気機械変換装置。
- 前記モニターエレメントのプルイン電圧が前記センサーエレメントの駆動バイアス電圧と等しくなる様に前記モニターエレメントと前記センサーエレメントが形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電気機械変換装置。
- 前記モニターエレメントのプルイン電圧を測定するプルイン電圧測定手段と、
前記プルイン電圧測定手段によって得られた前記モニターエレメントのプルイン電圧を演算処理することによって駆動バイアス電圧を決定し該駆動バイアス電圧で前記センサーエレメントを駆動する駆動制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気機械変換装置。 - 前記モニターエレメントが複数個隣接して配置されたモニターエレメント群を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気機械変換装置。
- 前記モニターエレメント群に所属する複数の前記モニターエレメントはプルイン電圧が互いに異なり、
複数の前記モニターエレメントの夫々のプルイン電圧を測定する時刻を測定する計時手段と、前記計時手段で測定された夫々の所定の時刻に複数の前記モニターエレメントのプルイン電圧を夫々測定するプルイン電圧測定手段と、前記プルイン電圧測定手段によって得られた夫々のプルイン電圧を演算処理することによって駆動バイアス電圧を決定し該駆動バイアス電圧で前記センサーエレメントを夫々駆動する駆動制御手段と、
を有することを特徴とする請求項7に記載の電気機械変換装置。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の電気機械変換装置と、該電気機械変換装置が出力する電気信号を用いて被検体情報を取得する処理部と、を有し、
該電気機械変換装置は、該被検体からの音響波を受信し、該電気信号を出力することを特徴とする被検体情報取得装置。 - 電気機械変換装置の製造方法であって、
第1の電極と前記第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むセンサーエレメントを形成する第1の工程と、
前記センサーエレメントの他に、、第1の電極と前記第1の電極と間隙を介して対向して設けられた第2の電極とを有するセルを少なくとも1つ含むプルイン電圧を測定するためのモニターエレメントを形成する第2の工程と、
を有し、
前記第1の工程と前記第2の工程において、前記モニターエレメントのプルイン電圧と前記センサーエレメントの駆動バイアス電圧とが所定の関係を有する様に前記モニターエレメントと前記センサーエレメントを形成することを特徴とする電気機械変換装置の製造方法。 - 前記モニターエレメントのプルイン電圧を測定する第3の工程と、
前記プルイン電圧測定工程で測定された前記モニターエレメントのプルイン電圧を演算処理することによって前記センサーエレメントを駆動するための駆動バイアス電圧を決定する第4の工程と、
をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の電気機械変換装置の製造方法。 - 前記モニターエレメントは、前記センサーエレメントが形成される基板と同一の基板において、前記センサーエレメントが形成されたセンサー領域の周縁部に配置されることを特徴とする電気機械変換装置の製造方法。
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JP2011273177A JP2013126069A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 電気機械変換装置、及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015041949A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-03-02 | キヤノン株式会社 | 静電容量型トランスデューサおよびその製造方法 |
JP2016202327A (ja) * | 2015-04-16 | 2016-12-08 | キヤノン株式会社 | 探触子及び情報取得装置 |
JP2018140061A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 株式会社日立製作所 | 超音波撮像装置 |
-
2011
- 2011-12-14 JP JP2011273177A patent/JP2013126069A/ja active Pending
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