JP2013119945A - スラストベアリングと密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】レース等の平板の打痕、転動体とレース等平板の摩耗を抑制し、スラストベアリングのより一層の高信頼性化と、高効率の維持を達成することができるスラストベアリングと密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】スラストベアリングのボール168を、同一放射状に2列並列して配置することで、点接触でありながら、振動や落下の衝撃を低減し、シャフトの傾斜による荷重の偏りを防ぎ、ボール168、下レース、上レースの打痕及び摩耗を防ぐこととなり、高効率を維持したまま信頼性を向上できるスラストベアリングと密閉型圧縮機を提供できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転体の軸方向に働く力を受けるスラストベアリングに関するものである。
従来、スラストベアリングには、荷重を支える転動体にボールを用いたスラストボールベアリングがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来のスラストボールベアリングを説明する。
図8は、特許文献1に記載された従来のスラストボールベアリングの外観図を示したものである。
図8おいて、スラストボールベアリング2は、ホルダー部4が環状の形状をなし、周方向に設けた複数の穴部にボール6を転動自在に収納している。ボール6は、円心状に隣り合うボールの転送する軌道が1つになるよう配置されている。
次に、スラストボールベアリングの動作について説明する。
スラストボールベアリング2は、ボール6がスラスト面に点接触の状態で転がる転がり軸受であり、自重などの垂直方向の荷重を支持しながら回転が可能である。レース等の平板を用いたスラストボールベアリングは、一般的に用いられている面接触のスラスト滑り軸受と比べ、ボールとの点接触であるため摩擦が少なく、高効率を実現できる。
また、スラストベアリングとしては、転動体であるボールを、隣り合うボールの転走する軌道が異なるよう配置したスラストボールベアリングがある(例えば、特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来のスラストボールベアリングを説明する。
図9は、特許文献2に記載された従来のスラストボールベアリングの外観図を示したものである。
図9おいて、スラストボールベアリング12は、ホルダー部14が環状の形状をなし、周方向に設けた複数の穴部にボール16を転動自在に収納している。ボール16は、円心状に隣り合うボールの転送する起動が少なくとも2つ以上になるよう配置されている。
次に、スラストボールベアリングの動作について説明する。
スラストボールベアリング12は、ボール16がスラスト面に点接触の状態で転がる転がり軸受であり、自重などの垂直方向の荷重を支持しながら回転が可能である。一般的に用いられている軌道が1つのスラストボールベアリングと比べ、1つの軌道を転がるボールの数が少なくなるため、ボールとレース等の平板との摺動回数が軽減されるため、高効率を実現できる。
一方で、スラストベアリングには、荷重を支える転動体にニードルを用いたスラストニードルベアリングがある(例えば、特許文献3参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来のスラストニードルベアリングを説明する。
図10は、特許文献3に記載された従来のスラストニードルベアリングの外観図を示したものである。
図10において、スラストニードルベアリング22は、ホルダー部24が環状の形状をなし、周方向に設けた複数の穴部にニードル26を転動自在に収納している。ニードル26は、円心状に隣り合うニードルの転送する軌道が一つになるよう配置されている。
次に、スラストニードルベアリングの動作について説明する。
スラストニードルベアリング22は、ニードル26がスラスト面と線接触の状態で転がる転がり軸受であり、荷重を支持しながら回転が可能である。レース等の平板を用いたスラストニードルベアリングは、一般的に用いられている面接触のスラスト滑り軸受と比べ、ニードルとの線接触であるため摩擦が少なく、高効率を実現できる。
特開2005−127305号公報 特表2009−518565号公報 特開昭60−47890号公報
しかしながら、前記従来の構成では、ボール6がレース等の平板と点接触するため、接触点の圧力は非常に高く、落下や振動による衝撃でレース等の平板に打痕が生じ、レース等の平板及びボール6が摩耗してしまうという課題を有している。
また、片持ち軸受の構成では、主軸が軸受けに対し傾斜することが避けられず、点接触で不安定のため、レース等の平板及びボール6にかかる荷重が不均一になり、レース等の平板及びボール6が摩耗してしまうという課題を有している。
同様に、円心状に隣り合うボールの転送する起動が少なくとも2つ以上になるよう配置されたスラストボールベアリング12でも、ボール16がレース等の平板と点接触するため、接触点の圧力は非常に高く、落下や振動による衝撃でレース等の平板に打痕が生じ、レース等の平板及びボール16が摩耗してしまうという課題を有している。
また、片持ち軸受の構成では、主軸が軸受けに対し傾斜することが避けられず、点接触で不安定のため、レース等の平板及びボール16にかかる荷重が不均一になり、レース等の平板及びボール16が摩耗してしまうという課題を有している。
一方で、スラストニードルベアリング22は線接触であるため、点接触のスラストボールベアリングと比べ面圧は低く、片持ち軸受けの主軸の傾斜に対しても、レース等の平板及びニードル26にかかる荷重も均一に保つことができるが、点接触と比較し接触面積が大きいため摩擦が大きく、効率が悪いという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、レース等の平板の打痕、転動体とレース等平板の摩耗を抑制し、スラストベアリングのより一層の高信頼性化と、高効率の維持を達成することができるスラストベアリングと密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスラストベアリングは、スラストボールベ
アリングのボールを同一放射状に複数列並列し、従来のスラストボールベアリングよりも多くのボールを配置することで、それぞれのボールにかかる落下や振動の荷重を低減し、また、同一放射線状にボールを配置することで、点接触でありながら、片持ち軸受けの主軸の傾斜に対しても、レース等の平板及びボールにかかる荷重を均一に保つことができ、レース等の平板の打痕、ボールとレース等の平板の摩耗を抑制する作用を有する。
本発明のスラストベアリングは、点接触でありながら、レース等の平板の打痕、ボールとレース等の平板の摩耗を防止することが可能で、高効率、高信頼性を実現することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機のスラストベアリングの要部拡大図 同実施の形態における密閉型圧縮機のスラストベアリングの外観図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機のスラストベアリングの要部拡大図 同実施の形態における密閉型圧縮機のスラストベアリングの外観図 同実施の形態における密閉型圧縮機のウェーブワッシャーの外観図 従来のスラストベアリングの外観図 従来の他のスラストベアリングの外観図 従来の他のスラストベアリングの外観図
請求項1に記載の発明は、環状の形状をなし、周方向に設けた複数の穴部にボールを転動自在に収納したホルダー部を備えたスラストベアリングで、前記ボールを、同一放射状に少なくとも2列以上並列することにより、従来のスラストベアリングよりも多くのボールを配置することが可能で、それぞれのボールにかかる落下や振動の荷重を低減し、また、点接触でありながら、片持ち軸受けの主軸の傾斜に対しても、レース等の平板及びボールにかかる荷重を均一に保つことができ、レース等の平板の打痕、ボールとレース等の平板の摩耗を抑制し、高効率、高信頼性を実現することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、後列の前記ボールの硬度を、前列の前記ボールよりも固くすることにより、片持ち軸受けの主軸の傾斜に対して負荷を受けやすい、外側のボール及びレース等の平板の摩耗を抑制し、請求項1に記載の発明の効果に加えて、ボールとレース等の平板の摩耗を効果的に抑制することができ、さらに信頼性向上を達成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、少なくとも2つ以上の、別体のスラストベアリングで構成することにより、別体ではない1つのスラストベアリングは、ボールが多いため組み立てに時間がかかっていたが、1つのスラストベアリングあたりのボールの数が少なくなり、組み立てに必要な時間を短縮でき、高生産性を実現できる。また、径の大きさで使い分けが可能になり、汎用性も高い。
請求項4に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、冷媒を圧縮する圧縮要素と前記圧縮要素を駆動する電動要素とからなる電動圧縮要素を収納し、前記電動圧縮要素は、主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記シリンダブロックに設けられ前記主軸部を軸支する主軸受を備え、前記主軸受のスラスト面の、平板状の下レースと平板状の上レースのと間に請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明のスラストベアリングを配置する
ことにより、シャフトの傾斜に対しても、上レース及び下レースと、ボールにかかる荷重を均一に保つことができ、上レース及び下レースの打痕、ボールと上レース及び下レースの摩耗を抑制し、高効率、高信頼性な密閉型圧縮機を実現することができる。
請求項5に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、冷媒を圧縮する圧縮要素と前記圧縮要素を駆動する電動要素とからなる電動圧縮要素を収納し、前記電動圧縮要素は、主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記シリンダブロックに設けられ前記主軸部を軸支する主軸受を備え、前記主軸受のスラスト面は、バネ性を備えたウェーブワッシャーを備え、平板状の下レースと平板状の上レースとの間に請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明のスラストベアリングを配置することにより、シャフトの傾斜に対しても、上レース及び下レースと、ボールにかかる荷重を均一に保つことができ、上レース及び下レースの打痕、ボールと上レース及び下レースの摩耗を抑制し、さらに落下や衝撃の荷重を緩和するウェーブワッシャーを備えることとなり、請求項4の発明に加え、より高信頼性な密閉型圧縮機を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の運転時のスラストベアリングの要部拡大図、図3は、同実施の形態1における密閉型圧縮機のスラストベアリングの外観図である。
図1および図2において、密閉容器102内底部に潤滑油104を貯留するとともに、圧縮機本体106がサスペンションスプリング108により密閉容器102内で内部懸架されている。また、密閉容器102には、温暖化係数の低い冷媒であるR600a(イソブタン)が充填されている。
圧縮機本体106は、電動要素110と、これによって駆動される圧縮要素112とからなり、密閉容器102には電動要素110に電源を供給するための電源端子113が取り付けられている。
まず、電動要素110について説明する。
電動要素110は、薄板を積層した鉄心に銅製の巻線が巻かれて形成される固定子114と、固定子114の内径側に配置される回転子116と、を備え、固定子114の巻線が電源端子113を経由して圧縮機外の電源(図示せず)と導線により接続されている。
次に圧縮要素112について説明する。
圧縮要素112は電動要素110の上方に配設されている。
圧縮要素112を構成するシャフト118は、主軸部120と、主軸部120と平行な偏心軸部122と、を備えている。また、主軸部120には回転子116が固定されている。
シリンダブロック124は、円筒形の内面を有する主軸受126を備え、主軸受126に主軸部120が回転自在な状態で挿入され、支持されている。そして、圧縮要素112は、偏心軸部122に作用した荷重を偏心軸部122の下側に配置された主軸部120と
主軸受126で支持する片持ち軸受の構成になっている。
また、シャフト118は、主軸部120表面に設けた螺旋状の溝などからなる給油機構128を備えている。
また、シリンダブロック124は、円筒状の穴部であるシリンダ134を備えており、ピストン130がシリンダ134に往復自在に挿入されている。
また、連結手段136は、両端に設けた穴部がそれぞれピストン130に取付けられたピストンピン138と偏心軸部122に嵌挿されることで、偏心軸部122とピストン130と連結している。
シリンダ134端面にはバルブプレート146が取り付けられ、シリンダ134およびピストン130とともに圧縮室148を形成する。さらに、バルブプレート146を覆って蓋をするようにシリンダヘッド150が固定されている。
吸入マフラ152は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、シリンダヘッド150に取り付けられている。
次に、スラストベアリング172の構成について説明する。
主軸受126は、軸心と直角な平面部であるスラスト面160と、スラスト面160よりさらに上方に延長され、主軸部120に対向する内面を有する管状延長部162と、を有している。
そして、スラスト面160には、下レース164、ホルダー部166に保持されたボール168、上レース170が配置され、スラストベアリング172が構成されている。
下レース164、上レース170は、環状で金属製の平板であり、望ましくは熱処理を行ったバネ鋼などで形成され、上下の面が平行で、かつ表面は平滑に仕上げられておりRa0.15以下となっている。
図3に示すように、ホルダー部166は、ポリアミドなどの樹脂材料で形成され、環状の形状をなし、ボール168が、転動自在に、同一放射状に2列並列して収納される複数の穴部を有している。
そして、スラスト面160の上に、下レース164、ボール168、上レース170の順に互いに接した状態で積み重なっている。ボール168は、後列のボールの硬度を、前列のボールの硬度よりも高くしてある。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電源端子113より電動要素110に通電されると、固定子114に発生する磁界により回転子116はシャフト118とともに回転する。主軸部120の回転に伴う偏心軸部122の偏心回転は、連結手段136により変換され、ピストン130をシリンダ134内で往復運動させる。そして、圧縮室148が容積変化することで、密閉容器102内の冷媒を圧縮室148内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
この圧縮動作に伴う吸入行程において、密閉容器102内の冷媒は、吸入マフラ152を介して圧縮室148内に間欠的に吸入され、圧縮室148内で圧縮された後、高温高圧
の冷媒は吐出配管などを経由して密閉容器102からの冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
また、シャフト118下端は潤滑油104に浸漬しており、シャフト118が回転することにより、潤滑油104は給油機構128により圧縮要素112各部に供給され、摺動部の潤滑を行う。
次に、スラストベアリング172の動作、作用について説明する。
スラストベアリング172は、同じ大きさのボール168を、下レース164と上レース170の間に同一放射状に2列並列して配置され、それぞれを点接触の状態で転がるようにすることで、摩擦を非常に小さくするものであり、摺動損失の低減により圧縮機の効率が向上できる。落下や振動でスラストベアリング172に荷重がかかると、ボール168と、下レース164と、上レース170が応力を受けるが、従来のスラストベアリングよりも多くのボール168を備えているため、それぞれのボール168にかかる応力を低減することができ、下レース164と上レース170の打痕、下レース164と上レース170とボール168の摩耗を防ぐことができる。
また、シャフト118は片持ち軸受けのため、圧縮荷重により主軸受126に対し傾斜してしまい、ボール168と下レース164と上レース170の接触が不均一になるが、従来のスラストベアリングよりも多くのボール168を備えており、かつ同一放射軸上にボール168が並列しているため、従来の1点支持から2点支持の状態になり、点接触でありながら、ボール168と、下レース164と、上レース170にかかる荷重を均一に保つことができ、下レース164と、上レース170と、ボール168の摩耗を防ぐことができる。
さらに、2列配列しているボール168の後列は、前述のシャフト118の傾斜の影響で、前列のボール168より大きな荷重を受ける傾向にあるが、後列のボール168の硬度を、前列のボール168よりも固くすることで、効果的に下レース164と、上レース170と、ボール168の摩耗を防ぐことができる。
従って本実施の形態によれば、スラストベアリング172に、同じ大きさのボール168を、下レース164と上レース170の間に同一放射状に2列並列して配置することで、振動や落下の衝撃を分散し、点接触で摺動損失が少なく、片持ち軸受けのシャフトの傾斜に対しても、摩耗しにくい状況で摺動でき、効率が高く低騒音で信頼性の高い、密閉型圧縮機を実現できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図である。図5は、同実施の形態2における密閉型圧縮機の運転時のスラストベアリングの要部拡大図、図6は、密閉型圧縮機のスラストベアリングの外観図、図7は、密閉型圧縮機のウェーブワッシャーの外観図である。
図4および図5において、密閉容器202内底部に潤滑油204を貯留するとともに、圧縮機本体206がサスペンションスプリング208により密閉容器202内で内部懸架されている。また、密閉容器202には、温暖化係数の低い冷媒であるR600a(イソブタン)が充填されている。
圧縮機本体206は、電動要素210と、これによって駆動される圧縮要素212と、からなり、密閉容器202には電動要素210に電源を供給するための電源端子213が
取り付けられている。
まず、電動要素210について説明する。
電動要素210は、薄板を積層した鉄心に銅製の巻線が巻かれて形成される固定子214と、固定子214の内径側に配置される回転子216と、を備え、固定子214の巻線が電源端子213を経由して圧縮機外の電源(図示せず)と導線により接続されている。
次に圧縮要素212について説明する。
圧縮要素212は電動要素210の上方に配設されている。
圧縮要素212を構成するシャフト218は、主軸部220と、主軸部220と平行な偏心軸部222と、を備えている。シャフト218は軟窒化が施されており、主軸部220の表面には窒化物層が形成されている。また、主軸部220には回転子216が固定されている。
シリンダブロック224は、円筒形の内面を有する主軸受226を備え、主軸受226に主軸部220が回転自在な状態で挿入され、支持されている。そして、圧縮要素212は、偏心軸部222に作用した荷重を偏心軸部222の下側に配置された主軸部220と主軸受226で支持する片持ち軸受の構成になっている。
また、シャフト218は主軸部220表面に設けた螺旋状の溝などからなる給油機構228を備えている。
また、シリンダブロック224は、円筒状の穴部であるシリンダ234を備えており、ピストン230がシリンダ234に往復自在に挿入されている。
また、連結手段236は、両端に設けた穴部がそれぞれピストン230に取付けられたピストンピン238と偏心軸部222に嵌挿されることで、偏心軸部222とピストン230と連結している。
シリンダ234端面にはバルブプレート246が取り付けられ、シリンダ234およびピストン230とともに圧縮室248を形成する。さらに、バルブプレート246を覆って蓋をするようにシリンダヘッド250が固定されている。
吸入マフラ252は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、シリンダヘッド250に取り付けられている。
次に、スラストベアリング272の構成について説明する。
主軸受226は、軸心と直角な平面部であるスラスト面260と、スラスト面260よりさらに上方に延長され、主軸部220に対向する内面を有する管状延長部262と、を有している。
そして、スラスト面260には、ウェーブワッシャー274、下レース264、ホルダー部266に保持されたボール268、上レース270が配置され、スラストベアリング272が構成されている。
下レース264、上レース270は環状で金属製の平板であり、望ましくは熱処理を行
ったバネ鋼などで形成され、上下の面が平行で、かつ表面は平滑に仕上げられておりRa0.15以下となっている。
図6に示すように、ホルダー部266は、ポリアミドなどの樹脂材料で形成され、環状の形状をなし、ボール268が、転動自在に、同一放射軸状に2列並列して収納される複数の穴部を有しており、前列と後列が、別体のスラストベアリングで構成されている。
図7に示すように、ウェーブワッシャー274は、バネ用鋼の薄い平板を成型して成型される環状のウェーブワッシャーであり、環状の金属板に下側突起274a,274bと、上側突起274c,274dを設けたものである。これらの突起は同じ半径の曲面で形成され、下側突起274a,274bの頂点を結ぶ線と、上側突起274c,274dの頂点を結ぶ線とが直角になるように配置されている。
そして、スラスト面260の上に、ウェーブワッシャー274、下レース264、ボール268、上レース270の順に互いに接した状態で積み重なっている。ボール268は、後列のボールの硬度を、前列のボールの硬度よりも高くしてある。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電源端子213より電動要素210に通電されると、固定子214に発生する磁界により回転子216はシャフト218とともに回転する。主軸部220の回転に伴う偏心軸部222の偏心回転は、連結手段236により変換され、ピストン230をシリンダ234内で往復運動させる。そして、圧縮室248が容積変化することで、密閉容器202内の冷媒を圧縮室248内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
この圧縮動作に伴う吸入行程において、密閉容器202内の冷媒は、吸入マフラ252を介して圧縮室248内に間欠的に吸入され、圧縮室248内で圧縮された後、高温高圧の冷媒は吐出配管などを経由して密閉容器202からの冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
また、シャフト218下端は潤滑油204に浸漬しており、シャフト218が回転することにより、潤滑油204は給油機構228により圧縮要素212各部に供給され、摺動部の潤滑を行う。
次に、スラストベアリング272の動作、作用について説明する。
スラストベアリング272は、同じ大きさのボール268を、下レース264と上レース270の間に同一放射状に2列並列して配置され、それぞれを点接触の状態で転がるようにすることで、摩擦を非常に小さくするものであり、摺動損失の低減により圧縮機の効率が向上できる。スラストベアリング272に荷重がかかると、ウェーブワッシャー274が荷重を受け、ボール268、下レース264、上レース270に応力がかかることを防ぐ。加えて、従来のスラストベアリングよりも多くのボール268を備えているため、それぞれのボール268にかかる応力を低減することができ、下レース264と上レース270の打痕、下レース264と上レース270とボール268の摩耗を防ぐことができる。
また、シャフト218は片持ち軸受けのため、圧縮荷重により主軸受226に対し傾斜してしまい、ボール268と下レース264と上レース270の接触が不均一になるが、従来のスラストベアリングよりも多くのボール268を備えており、かつ同一放射軸上にボール268が並列しているため、従来の1点支持から2点支持の状態になり、点接触で
ありながら、ボール268と、下レース264と、上レース270にかかる荷重を均一に保つことができ、下レース264と、上レース270と、ボール268の摩耗を防ぐことができる。
さらに、2列配列しているボール268の後列は、前述のシャフト218の傾斜の影響で、前列のボール268より大きな荷重を受ける傾向にあるが、後列のボール268の硬度を、前列のボール268よりも固くすることで、効果的に下レース264と、上レース270と、ボール268の摩耗を防ぐことができる。
加えて、スラストベアリング272の前列と後列を別体としているため、別体ではない1つのスラストベアリングは、ボールが多いため組み立てに時間がかかっていたが、1つのスラストベアリングあたりのボールの数が少なくなり、組み立てに必要な時間を短縮できる。また、径の大きさで使い分けが可能である。
従って本実施の形態によれば、スラストベアリング272に、同じ大きさのボール268を、下レース264と上レース270の間に同一放射状に2列並列して配置することで、振動や落下の衝撃を分散し、点接触で摺動損失が少なく、片持ち軸受けのシャフトの傾斜に対しても、摩耗しにくい状況で摺動でき、別体にしたことで組み立て時間の短縮、径の大きさで使い分けも可能になり、効率が高く、低騒音で信頼性が高く、生産性の高い密閉型圧縮機を実現できる。
以上のように、本発明にかかるスラストベアリングは、同一放射状にボールを並列させることで、性能の維持と信頼性の向上ができるので、家庭用電気冷蔵庫や、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の圧縮機等に広く適用できる。
102,202 密閉容器
104,204 潤滑油
110,210 電動要素
112,212 圧縮要素
114,214 固定子
116,216 回転子
118,218 シャフト
120,220 主軸部
122,222 偏心軸部
124,224 シリンダブロック
126,226 主軸受
130,230 ピストン
136,236 連結手段
148,248 圧縮室
160,260 スラスト面
162, 262 管状延長部
164, 264 下レース
166,266 ホルダー部
168,268 ボール
170,270 上レース
172,272 スラストベアリング
274 ウェーブワッシャー
274a,274b 下側突起
274c,274d 上側突起

Claims (5)

  1. 環状の形状をなし、周方向に設けた複数の穴部にボールを転動自在に収納したホルダー部を備え、前記ボールを、同一放射状に少なくとも2列以上並列したスラストベアリング。
  2. 後列の前記ボールの硬度が、前列の前記ボールよりも固い請求項1に記載のスラストベアリング。
  3. 少なくとも2つ以上の、別体のスラストベアリングで構成した請求項1または2に記載のスラストベアリング。
  4. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、冷媒を圧縮する圧縮要素と前記圧縮要素を駆動する電動要素とからなる電動圧縮要素を収納し、前記電動圧縮要素は、主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記シリンダブロックに設けられ前記主軸部を軸支する主軸受を備え、前記主軸受のスラスト面の、平板状の下レースと平板状の上レースとの間に配置される請求項1から3のいずれか一項に記載のスラストベアリングを備えた密閉型圧縮機。
  5. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、冷媒を圧縮する圧縮要素と前記圧縮要素を駆動する電動要素とからなる電動圧縮要素を収納し、前記電動圧縮要素は、主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記シリンダブロックに設けられ前記主軸部を軸支する主軸受を備え、前記主軸受のスラスト面は、バネ性を備えたウェーブワシャーを備え、平板状の下レースと平板状の上レースとの間に配置される請求項1から3のいずれか一項に記載のスラストベアリングを備えた密閉型圧縮機。
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CN109185150A (zh) * 2018-11-07 2019-01-11 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 泵体组件及旋转压缩机

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