JP2013116464A - 有機材料の精製装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】精製対象の有機材料が精製装置外部へ排出されることを防ぐことと、精製装置内部の端部の温度低下を防ぐことにより、精製後の有機材料の収率と純度を向上させることができる有機材料の精製装置を提供する。
【解決手段】内部に有機EL素子用材料が供給される第一内筒体51、及びこの第一内筒体51の外側に配置され、供給された有機EL素子用材料を気化させる加熱ヒータ53を備えた気化器5と、気化器5の第一内筒体51と連通する第二内筒体61、及びこの第二内筒体61の外側に配置され、第二内筒体61の温度を調整する温度調整ヒータ63を備え、気化器5で気化させた気体状の有機材料を第二内筒体61の内壁で捕集する捕集器6と、捕集器6の下流側に接続された真空ポンプ3と、第一内筒体51と第二内筒体61とが連通して形成される内筒体21の両端部に設置され、開口部と閉塞部とを有する遮蔽部25と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機材料の精製装置に関する。
従来、有機材料の精製方法としては、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華などが知られている。電子材料や光学材料として用いられる有機材料は、その純度が性能に大きな影響を与えることがあることから、高純度に精製される。
電子材料の一例としては、近年、研究開発が活発になされている有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という。)に用いられる材料が挙げられる。有機EL素子に用いられる材料(以下、有機EL素子用材料という。)の中に不純物が混入していると、その不純物がキャリア(電子や正孔)のトラップになったり、消光の原因になったりし、有機EL素子の発光強度、発光効率および耐久性が低下する。したがって、不純物を少なくするために、有機EL素子用材料を高純度に精製する必要がある。
有機EL素子用材料を精製するための精製装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載された精製装置は、隔壁とその略中央に設けられた孔を備える連結部材により複数の区間に分けられた内管を備え、各区間の温度を制御可能に構成されている。そして、特許文献1に記載された精製装置では、一番目の区間に精製対象物質が保持されたセルを配置し、装置内を減圧し、キャリアガスを流すとともに、一番目の区間を加熱して、精製対象物質を昇華させる。昇華した精製対象物質のうち不純物は、隔壁および孔により、他の区間に移動することを防止され、精製対象物質は、隔壁の孔を通過して、他の区間に移動することにより、徐々に精製される。
また、特許文献2に記載された精製装置では、昇華した有機材料が流通する内筒体内に、開口部が互いに軸方向で重ならないように配置した複数の整流板が設けられている。有機材料は、曲がりながらこの開口部を流通し、内筒体の内周面および整流板の表裏面に付着する。また、整流板は、下流側の不純物が逆流することを防いでいる。
特表2005−511864号公報 特開2011−50853号公報
しかしながら、特許文献1の隔壁および特許文献2の整流板は、いずれも昇華した有機材料が流通する筒内に設けられて筒内部を区切るとともに、区切られた区間において有機材料を成分ごとに回収できるように設けられたものである。したがって、各区間において回収されなかった有機材料は、最下流の区間から精製装置外へ排出されてしまい、収率が低下するという問題があった。また、特許文献1および特許文献2に記載の精製装置では、各区間の温度の制御は加熱ヒータ等で加熱することにより行われているだけであり、回収筒端部の温度低下を十分に防ぐことができず、有機材料の収率および純度が低下するという問題があった。
本発明の目的は、精製対象の有機材料が精製装置外部へ排出されることを防ぐことと、精製装置内部の端部の温度低下を防ぐことにより、精製後の有機材料の収率と純度を向上させることができる有機材料の精製装置を提供することである。
本発明の有機材料の精製装置は、内部に有機材料が供給される第一筒体、及びこの第一筒体の外側に配置され、供給された有機材料を気化させる加熱ヒータを備えた気化器と、前記気化器の前記第一筒体と連通する第二筒体、及びこの第二筒体の外側に配置され、前記第二筒体の温度を調整する温度調整ヒータを備え、前記気化器で気化させた気体状の有機材料を前記第二筒体の内壁で捕集する捕集器と、前記捕集器の下流側に接続された排気装置と、前記第一筒体と前記第二筒体とが連通して形成される内筒体の両端部に設置され、開口部と閉塞部とを有する遮蔽部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前記第一筒体と前記第二筒体とが連通して形成される内筒体の両端部に開口部と閉塞部とを有する遮蔽部材を設けることで、第一筒体および第二筒体を高真空に保ったまま、精製対象物である有機材料の内筒体外部への流出を抑制することができ、第二筒体の内壁で捕集する有機材料の収率を向上させることができる。
ここで、有機材料の収率とは、製品として使用可能な一定の純度を満たす有機材料の回収率をいう。
本発明の有機材料の精製装置において、前記内筒体を内部に収容する外筒体を備え、前記外筒体の両端部に、さらに前記遮蔽部材を備えることが好ましい。
本発明によれば、精製装置内部の両端部の温度低下を抑制しながら、第二筒体の内壁で捕集する有機材料の収率と純度をより向上させることができる。
また、本発明の有機材料の精製装置において、前記遮蔽部材における前記開口部と前記閉塞部との面積比率が、5:95〜50:50であることが好ましい。
本発明によれば、有機材料が前記第二筒体内壁で捕集されずに直接精製装置外部に排出されることを防止することができる。
さらに、本発明の有機材料の精製装置において、前記外筒体の前記遮蔽部材(以下、熱の遮蔽部材という。)の開口部が、前記遮蔽部材の中央部から放射状に複数の貫通孔を形成してなり、前記内筒体の前記遮蔽部材(以下、材料の遮蔽部材という。)の開口部が、円形または円弧と当該円弧の両端を結ぶ直線とで囲まれる形状の貫通孔を形成してなることが好ましい。
本発明によれば、熱の遮蔽部材で精製装置内部の両端部の温度低下を抑制しながら、材料の遮蔽部材で第一筒体および第二筒体の高真空を保ったまま、精製対象である有機材料の精製装置外部への排出を防止し、第二筒体の内壁で捕集する有機材料の収率と純度を向上させることができる。
また、本発明の有機材料の精製装置において、前記遮蔽部材(熱の遮蔽部材および材料の遮蔽部材)は、互いに離間して配置される複数の遮蔽板を備え、前記複数の遮蔽板は、それぞれ前記開口部を備え、前記遮蔽板を直交方向から見て、隣り合う前記遮蔽板同士の前記開口部が重ならないことが好ましい。
本発明によれば、遮蔽板を直交方向から見て、隣接する前記遮蔽板同士の前記開口部が重ならない。そのため、有機材料を含む気流が開口部を通過して、そのまま直進すると隣接する遮蔽板の閉塞部に接触する。そして、離間配置された遮蔽板の間を通過し、当該隣接する遮蔽板の開口部に向かって有機材料を含む気流が蛇行するようになる。このようにして、有機材料を含む気流が排出装置に向かって直進せずに蛇行するので、装置内部から前記排気装置により吸引される有機材料の量が抑制され、収率を向上することができる。
なお、遮蔽板の直交方向とは、遮蔽板の表面に直交する方向であり、すなわち、厚さ方向に等しい。
さらに、本発明の有機材料の精製装置において、前記第一筒体内部には、前記有機材料が供給される原料容器が設置され、前記第一筒体の前記第二筒体と連通する側とは反対側の端部であって前記原料容器よりも上流側に設置される前記遮蔽部材(材料の遮蔽部材)が開口を有しないことが好ましい。
本発明によれば、前記第一筒体の前記第二筒体と連通する側とは反対側の端部であって前記原料容器よりも上流側に、開口を有さない材料の遮蔽部材を設けることで、有機材料が第一筒体の外部に流出するのを防ぐことができるとともに、原料容器よりも上流側に向かう有機材料の流れ方向を変更し、有機材料が下流側へ向かうように促進させることができる。そのため、第二筒体の内壁での有機材料の収率を向上させることができる。
本発明の第一実施形態に係る精製装置の断面概略図。 前記第一実施形態における遮蔽部材(材料の遮蔽部材)の平面図。 前記第一実施形態における遮蔽部材(熱の遮蔽部材)の平面図。 本発明の第二実施形態における遮蔽部材(材料の遮蔽部材)を模式的に表した斜視図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(材料の遮蔽部材)の平面図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(材料の遮蔽部材)を模式的に表した斜視図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(材料の遮蔽部材)を模式的に表した斜視図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(材料の遮蔽部材)を模式的に表した斜視図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(熱の遮蔽部材)の平面図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(熱の遮蔽部材)を模式的に表した断面概略図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(熱の遮蔽部材)の平面図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(熱の遮蔽部材)の平面図。 本発明の変形例に係る遮蔽部材(熱の遮蔽部材)を模式的に表した斜視図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
(1)精製装置の構成
図1には、第一実施形態に係る有機材料の精製装置1の断面概略図が示されている。
精製装置1は、有機材料を精製する装置本体2と、装置本体2内部を減圧する排気装置としての真空ポンプ3とを備える。以下、有機材料としての有機EL素子用材料を精製する場合を例に挙げて説明する。
(1−1)装置本体
装置本体2は、円筒状の内筒体21と、この内筒体21の外側に配置されて内筒体21を内部に収容する円筒状の外筒体22とを備え、外筒体22の両端が蓋部23,24で閉塞された二重管構造であり、内部に遮蔽部25を備える。
装置本体2には、内筒体21および外筒体22の一方側において気化器5が設けられ、内筒体21および外筒体22の他方側において捕集器6が設けられており、気化器5と捕集器6とは、装置本体2の水平方向に連続して設けられている。また、図1に示すように、装置本体2の捕集器6側の端部には、真空ポンプ3が接続されている。この真空ポンプ3には、バルブ3aを介して配管部材が設けられ、配管部材は、装置本体2の内部と連通するように蓋部24に接続されている。そのため、真空ポンプ3は装置本体2の背部を排気可能である。本実施形態では、装置本体2内の圧力を、10−1Pa以下にする。装置本体2と真空ポンプ3との間に、トラップ装置(図示せず)を介在させておくことが好ましい。
このような装置本体2では、有機EL素子用材料は、気化器5内部で気化し、気化した気体状の有機EL素子用材料は、真空ポンプ3の吸引により捕集器6の内部に流れ込み、捕集器6で固化されて捕集される。このように、精製される有機EL素子用材料は、気化器5側から捕集器6側へ流れる。以下、有機EL素子用材料の流れ方向に即して、装置本体2の気化器5が配置されている一方側を上流側、装置本体2の捕集器6が配置されている他方側を下流側と称する場合がある。
装置本体2の材質は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましい。これは、精製時の条件(温度や圧力等)の下で有機EL素子用材料が分解したり、重合などの変性を起こしたりしてしまうことを防止するためである。本実施形態では、装置本体2は、石英ガラスで構成される。
(1−1−1)気化器
気化器5は、装置本体2の上流側に配置される。気化器5は、内筒体21の上流側を構成する第一筒体としての第一内筒体51と、外筒体22の上流側を構成し、第一内筒体51の外側に配置される第一外筒体52と、第一外筒体52の外側に配置される加熱ヒータ53と、第一内筒体51内部に配置される原料容器としての収容部54と、を備える。
第一内筒体51および第一外筒体52は、それぞれ円筒状に形成されている。
加熱ヒータ53は、赤外線ヒータ等により構成され、第一外筒体52の外側に環状に配置される。
収容部54は、第一内筒体51の円筒内部の断面略中央部に配置されている。収容部54の形状はどのような形状であってもよく、例えば、半円筒あるいは四角形板状の底面と、この底面の周縁から面外方向に起立する側面とを備えた皿状に形成され、粉末状など固体の有機EL素子用材料を収容している。
第一内筒体51、第一外筒体52及び収容部54の材質は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましく、本実施形態では、石英ガラスで構成される。
(1−1−2)捕集器
捕集器6は、装置本体2の下流側に配置される。捕集器6は、内筒体21の下流側を構成する第二筒体としての第二内筒体61と、外筒体22の下流側を構成し、第二内筒体61の外側に配置される第二外筒体62と、第二外筒体62の外側に配置される温度調整ヒータ63と、を備える。
第二内筒体61および第二外筒体62は、それぞれ円筒状に形成されている。
第二内筒体61は、本実施形態では、円筒状の捕集筒体が3つ、具体的には、上流側から順に第一捕集筒体61A、第二捕集筒体61Bおよび第三捕集筒体61Cが分割可能に連結されて構成される。そして、第一捕集筒体61Aが第一内筒体51と接続される。第一捕集筒体61Aの内部が、第一捕集室R1とされ、第二捕集筒体61Bの内部が、第二捕集室R2とされ、第三捕集筒体61Cの内部が、第三捕集室R3とされ、捕集室R1,R2,R3は、下流側に向かって水平方向に連続して形成され、互いに連通している。各捕集室R1,R2,R3は、気化器5で気化した気体状の有機EL素子用材料を凝縮させ、固化または液化した有機EL素子用材料として捕集する。
温度調整ヒータ63は、赤外線ヒータ等により構成され、第二外筒体62の外側に環状に配置される。温度調整ヒータ63は、各捕集室R1,R2,R3の内部の温度を独立して調整できる。
第二内筒体61及び第二外筒体62の材質は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましく、本実施形態では、石英ガラスで構成される。
(1−1−3)遮蔽部
遮蔽部25は、内筒体21の端部であって、第一内筒体51に設置される上流遮蔽部材26(材料の遮蔽部材)と、第二内筒体61に設置される下流遮蔽部材27(材料の遮蔽部材)と、外筒体22の端部に設置される端部遮蔽部材28(熱の遮蔽部材)と、を備える。
遮蔽部25は、有機EL素子用材料の第二内筒体の内壁の捕集量を増加し、内筒体21および外筒体22内部の端部温度の低下を抑制する。
上流遮蔽部材26は、第一内筒体51において、収容部54の上流側の端部かつ、収容部54に近接させて設けられ、収容部54から気化して、上流側に向かう有機EL素子用材料の気流の方向を変更し、有機EL素子用材料が下流側に向かうように促進させる。
上流遮蔽部材26は、その直径が第一内筒体51の内径と略同じ寸法に形成された円盤状の上流遮蔽板261からなる。これにより、上流遮蔽部材26が設置された際に、上流遮蔽板261の側面と第一内筒体51の側面との隙間を小さくすることができる。上流遮蔽部材26には、開口部と閉塞部との面積比率が、5:95〜50:50になるように開口部を設けてもよいし、開口部を全く設けなくてもよい。特に開口部を全く設けないことが好ましい。開口を全く設けない場合、有機EL素子用材料が第一内筒体51の外部に流出することをより防ぐことができ、有機EL素子用材料の第二内筒体61の内壁での収率を向上させることができる。
下流遮蔽部材27は、第二内筒体61において、第一内筒体51と連通する側とは反対側の端部に設置され、第二内筒体61内からの有機EL素子用材料の流出を抑制する。
図2には、下流遮蔽部材27の平面図が示されている。下流遮蔽部材27は、その直径が、第二内筒体61の内径と略同じ寸法に形成された円盤状の下流遮蔽板271Dからなる。下流遮蔽板271Dには、開口部としての円形の貫通孔272Dが形成されている。貫通孔272Dは、下流遮蔽板271Dの中心部に中心を有する円形である。
なお、下流遮蔽部材27においては、上述の通り、貫通孔272Dが開口部であり、貫通孔272D以外の部分が閉塞部となる。このように下流遮蔽部材27を設ければ、閉塞部により、材料の流れを制限して第二内筒体61内部からの有機EL素子用材料の流出を抑制できるとともに、開口部を通じて、第二内筒体61内部の真空度を保ったまま、有機EL素子用材料の軽質不純物を含む気流を吸引することができる。
下流遮蔽部材27においては、開口部の面積、すなわち貫通孔272Dの面積と閉塞部の面積の比が5:95〜50:50であることが好ましい。そのなかでも、30:70〜50:50であることが特に好ましい。このように開口部を形成することにより、第二内筒体61内壁で有機EL素子用材料が捕集されずに直接精製装置1外部へ排出されることを抑制し、より効果的に第二内筒体61内部の真空度を保ったまま、有機EL素子用材料の軽質不純物を吸引して、下流に排気することができる。
端部遮蔽部材28は、外筒体22において蓋部23,24より内側の端部に設置され、外筒体22内部の熱を遮蔽することにより、外筒体22内部の端部の温度低下を抑制し、精製対象物の有機EL素子用材料の精製装置1外部への排出を防止して、第二筒体の内壁で捕集する有機EL素子用材料の収率と純度をより向上させることができる。
図3には、端部遮蔽部材28の平面図が示されている。端部遮蔽部材28は、その直径が外筒体22の内径と略同じ寸法に形成された円盤状の端部遮蔽板281からなる。端部遮蔽板281には、開口部としての複数の貫通孔282が形成されている。複数の貫通孔282は端部遮蔽板の中央部から放射状に複数形成されている。
なお、端部遮蔽部材28においては貫通孔282が開口部であり、貫通孔282以外の部分が閉塞部となる。そして、端部遮蔽部材28において、開口部、すなわち複数の貫通孔282の合計面積と閉塞部の面積との面積比が5:95〜50:50である。
このように外筒体22の内側に端部遮蔽部材28を設けることにより、外筒体22の端部の温度低下を抑制でき、ひいては内筒体21の温度低下を抑制することができる。したがって、各捕集室R1,R2,R3を所定の温度に保つことができる。
上流遮蔽部材26、下流遮蔽部材27、端部遮蔽部材28の材質は、有機EL素子用材料に対して不活性な材質で構成されることが好ましい。第一実施形態では、端部遮蔽部材28はステンレスで、上流遮蔽部材26および下流遮蔽部材27は石英で構成されている。
本実施形態においては、遮蔽部25を上記のように設けることにより、外筒体22および内筒体21の内部温度の低下を抑制する。特に、捕集室R1,R2,R3の温度低下を抑制し、各捕集室R1,R2,R3を所定の温度に保つことにより、原料から目的の有機EL素子用材料を捕集することができる。すなわち、各捕集室R1,R2,R3において捕集する有機EL素子用材料の収率と純度を高く保つことができる。ここで、本発明において、有機EL素子用材料の収率とは、一定以上の純度を満たす有機EL素子用材料の回収率を言う。上記の通り、本実施形態においては、各捕集室R1,R2,R3において、純度の高い有機EL素子用材料を捕集することができるので、有機EL素子用材料の収率を向上することができる。一方、捕集室R1,R2,R3の温度が所定の温度と大きく異なる場合には、純度の低い有機EL素子用材料が捕集され、収率が低下することがある。
(1−2)有機EL素子用材料
精製対象である有機EL素子用材料は、有機EL素子に用いられる材料であって特に限定されない。中でも、本発明の精製装置で精製することが有用な公知の材料としては、例えば、N,N’−ジ−(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)が挙げられる。
(2)精製装置による精製方法
次に、精製装置1を用いて有機EL素子用材料を精製する方法を説明する。
まず、収容部54に粉末状の有機EL素子用材料を収容する。
次に蓋部23,24を取り付けて、気化器5および捕集器6内部を密閉する。
次いで、装置本体2内部を真空ポンプ3にて10−1Pa以下に減圧する。
減圧後、加熱ヒータ53にて第一内筒体51を加熱し、温度調整ヒータ63にて第二内筒体61を加熱する。具体的には、加熱ヒータ53は、粉末状の有機EL素子用材料が気化する温度(気化温度)まで第一内筒体51を加熱し、当該温度に保持する。温度調整ヒータ63は、第一捕集室R1、第二捕集室R2及び第三捕集室R3を独立に所定温度に加熱する。本実施形態では、精製対象となる有機EL素子用材料が凝縮する温度(凝縮温度)に対して、第一捕集室R1をより高く加熱保持し、第二捕集室R2を同温度に加熱保持し、第三捕集室R3を第二捕集室R2よりやや低く加熱保持する。
収容部54に収容された液体状の有機EL素子用材料は、収容部54が気化温度まで加熱保持されると気化する。気体状の有機EL素子用材料は、捕集器6側へ移動し、各捕集室R1,R2,R3に対応する第二内筒体61の内表面にて固化または液化させて捕集する。
本実施形態では、各捕集室R1,R2,R3が、精製対象となる有機EL素子用材料の凝縮温度に対して上述のような関係で加熱保持されている。そのため、当該凝縮温度に対して同等の温度に加熱保持された第二捕集室R2にて、精製対象となる有機EL素子用材料が高い純度で捕集される。第一捕集室R1および第三捕集室R3では、原料に含まれていた不純物成分が有機EL素子用材料とともに捕集されることがある。
(3)第一実施形態の効果
第一実施形態に係る精製装置1及び精製装置1を用いた精製方法によれば、次のような効果を奏する。
〔1〕精製装置1では、第二内筒体61の第一内筒体51と連通する側とは反対側の端部に貫通孔272Dを有する下流遮蔽部材27を設けたので、第二内筒体61の内壁で捕集する有機EL素子用材料の収率を向上させることができる。
〔2〕下流遮蔽部材27における貫通孔272Dの面積と貫通孔272D以外の部分の面積との比を5:95〜50:50とした。また、貫通孔272Dを下流遮蔽板271Dの中央部に円形に設けた。これにより、第二内筒体61の内壁で有機EL素子用材料が捕集されずに直接精製装置1外部に排出されるのを抑制しながら、内筒体21の真空度を保ち、有機EL素子用材料の軽質不純物を排気することができる。
〔3〕収容部54よりも上流側に上流遮蔽部材26を設けたので、第一内筒体51内部から有機EL素子用材料が内筒体21の外部に流出するのを防ぐことができるとともに、有機EL素子用材料が収容部54よりも上流側に向かうことを抑制し、有機EL素子用材料が下流側へ向かうように促進させることができる。そのため、有機EL素子用材料の収率を向上させることができる。
〔4〕さらに、上流遮蔽部材26には、開口を設けなかったので、有機EL素子用材料が第一内筒体51の外部に流出することをより防ぐことができ、有機EL素子用材料の第二内筒体61の内壁での収率をより向上させることができる。
〔5〕端部遮蔽部材28を、外筒体22において蓋部23,24より内側の端部にそれぞれ設置したので、外筒体22内部、ひいては、内筒体21内部の温度低下を抑制することができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る有機EL素子用材料の精製装置1について図面を用いて説明する。第二実施形態では、下流遮蔽部材27の代わりに、下流遮蔽部材30Aが設けられている点で第一実施形態と異なる。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略又は簡略する。
図4に下流遮蔽部材30Aを模式的に表した斜視図を示す。図4に示すように下流遮蔽部材30Aは、3つの下流遮蔽板301A,301B,301Cを備えている。下流遮蔽部材30Aにおいて、下流遮蔽板301A,301Cとして中心部に貫通孔274Dを有する下流遮蔽板271Dを用い、下流遮蔽板301Bを貫通孔を備えない円盤状とし、直径を下流遮蔽板271Dよりも小さい下流遮蔽板271Eとする。そして、下流遮蔽板271D,271E,271Dをこの順で配置する。この場合、図4に矢印で示すように、下流遮蔽部材30Aを流れる気流は下流遮蔽板271Eにぶつかって、下流遮蔽板271Eを迂回するように蛇行して、通過していく。下流遮蔽部材30Aにおいて、貫通孔274Dが開口部であり、下流遮蔽板271Dの貫通孔274D以外の部分と下流遮蔽板271Eとが閉塞部である。
このように、有機EL素子用材料を含む気流が下流遮蔽部材30Aを直進せずに、蛇行しながら通過していけば、下流遮蔽部材30A中を通過する有機EL素子用材料の量が制限される。したがって、有機EL素子用材料が内筒体21の内壁と接触する確率が高くなるため、収率を向上させることができる。
また、このように複数枚の下流遮蔽板301A,301B,301Cで下流遮蔽部材30Aを構成することにより、内筒体21内部の温度低下をより効果的に抑制することができる。
以上の第二実施形態によれば、上記第一実施形態の効果〔1〕〜〔5〕に加えて、以下の効果を奏することができる。
〔6〕下流遮蔽部材30Aを複数枚の下流遮蔽板301A,301B,301Cで構成したので、有機EL素子用材料が内筒体21の内壁と接触する確率が高くなり、収率を向上させることができるとともに、内筒体21内部の端部の温度低下をより効果的に抑制することができる。
したがって、捕集器での温度低下を抑えられ、回収される昇華物の純度を高められるので、内壁で回収する有機EL素子用材料の収率を向上させることができる。
<実施形態の変形>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形等をも含む。
本発明の装置本体の形状としては、特に限定されるものではない。
例えば、下流遮蔽板271Dにおける貫通孔272Dの形状、数、大きさは、図2に示したものに限らない。貫通孔272Dの形状は、四角形やその他の多角形など、任意の形状としてもよい。また、図5に示すように、貫通孔272Dを円弧とその端部を結ぶ直線で囲まれる貫通孔272Cを有する下流遮蔽板271Cとしてもよい。
さらに、図6に示すように、第二実施形態における下流遮蔽板301A,301B,301Cの代わりに、複数枚の下流遮蔽板271Cを用いて下流遮蔽部材30Bを設けてもよい。この場合、下流遮蔽板271Cの位相をずらして配置し、隣り合う下流遮蔽板271Cの貫通孔272Cが下流遮蔽板271Cの厚さ方向から見て重ならないように設ける。このように下流遮蔽板271Cを設けることで、有機EL素子用材料を含む気流が下流遮蔽部30Bを蛇行しながら通過する。
また、図7に示すように、上記第二実施形態の下流遮蔽部材30Aは、円形状の板の円弧の一部を切り落とすことにより形成した下流遮蔽板271Fにより開口部を設けた下流遮蔽部材30Cとしてもよい。
また、下流遮蔽部材30Aは図8に示すような構成としてもよい。
図8に示す下流遮蔽部材30Eは、下流遮蔽板301A,301B,301Cとして、下流遮蔽板271K,271L,271Mをこの順に配置したものである。下流遮蔽板271Kの貫通孔272K、下流遮蔽板271Lの貫通孔272L、下流遮蔽板271Mの貫通孔272Mは、開口面積が異なる扇形であり、下流遮蔽板271K,271L,271Mの厚み方向から見て、これらの貫通孔272K,272L,272Mが重ならないよう、位相をずらして設けられている。
また、上記第二実施形態においては、3枚の下流遮蔽板301A,301B,301Cで構成するものとしたが、下流遮蔽板は2枚でもよいし、4枚以上としてもよい。
さらに、第一実施形態における下流遮蔽板271Dに代えて、下流遮蔽板271C,271F,271K,271L,271Mを単独で用いてもよい。
また、上記実施形態において、1枚の端部遮蔽板281で構成した端部遮蔽部材28を設ける代わりに、3枚の端部遮蔽板281で構成した端部遮蔽部材30を設けてもよい。図9に端部遮蔽部材30の平面図を示す。端部遮蔽部材30は、3枚の端部遮蔽板311A,311B,311Cから構成され、それぞれの端部遮蔽板311A,311B,311Cは、中心部から放射状に設けられた複数の貫通孔312A,312B,312Cを有する。3枚の端部遮蔽板311A,311B,311Cは、いずれも端部遮蔽板281と同じであり、貫通孔312A,312B,312Cは、貫通孔282と同じである。そして、端部遮蔽部材30は、これらの端部遮蔽板311A,311B,311Cを所定間隔離間させるとともに、2枚目の端部遮蔽板311Bの位相をずらして配置したものである。なお、端部遮蔽部材30においては、貫通孔312A,312B,312Cが開口部であり、貫通孔312A,312B,312C以外の部分が閉塞部となる。
このように複数枚の端部遮蔽板311A,311B,311Cで端部遮蔽部材30を構成することにより、内筒体21内部の温度低下をより効果的に抑制することができる。
また、図10に示すように端部遮蔽部材30は、端部遮蔽板311A,311B,311Cに直交する方向(厚さ方向)から見て、端部遮蔽板311A,311B,311Cのうち、隣り合う端部遮蔽板の貫通孔312A,312B,312Cが重ならないように設けられている。すなわち、貫通孔312Aと貫通孔312B,貫通孔312Bと貫通孔312Cが重ならないように設けられている。
このように貫通孔312A,312B,312Cを形成すると、図10に矢印で示すように、有機EL素子用材料を含む気流は、貫通孔312Aを通過して、端部遮蔽板311Bに接触して曲がり、貫通孔312Bを通過する。そして、端部遮蔽板311Cに接触して、再び曲がり、貫通孔312Cを通過する。このように、有機EL素子用材料を含む気流が端部遮蔽部材30を直進せずに、貫通孔312A,312B,312Cを順に蛇行しながら通過する際に端部遮蔽板311A,311B,311Cの閉塞部に衝突し、熱が、下流に逃げにくくなる。したがって、内筒体21内部の温度が下がることを抑制できるとともに、有機EL素子用材料と内壁とが接触する確率が高くなるため、内壁で回収する有機EL素子用材料の収率を向上させることができる。
また、端部遮蔽板281における貫通孔282の形状、数、大きさは、図3に示したものに限らない。図11に示すように中心部から徐々に大きな直径を有する円形状の貫通孔282Aを有する端部遮蔽板281Aとしてもよい。また、図12に示すように貫通孔282Bを遮蔽板の外周縁側に配置し、貫通孔282Bの一部を大きさの異なるものとした端部遮蔽板281Bとしてもよい。
また、端部遮蔽部材30を、図13に示す端部遮蔽部材30Dとしてもよい。図13に示す端部遮蔽部材30Dは、端部遮蔽板311A,311B,311Cとして、端部遮蔽板281G,281H,281Jをこの順に配置したものである。端部遮蔽板281Gの貫通孔282G、端部遮蔽板281Hの貫通孔282H、端部遮蔽板281Jの貫通孔282Jは、この順に直径の大きくなる円形であり、端部遮蔽板281G,281H,281Jの厚み方向から見て、これらの貫通孔282G,282H,282Jが重ならないよう、位相をずらして設けられている。
上記実施形態では、内筒体21および外筒体22が、円筒状の場合を例に挙げて説明したが、例えば、箱状、筒状、タンク型、立方体型等の任意の形状が挙げられる。また、内筒体21および外筒体22の断面形状としては円形、四角形、半円形等の形状を挙げることができる。また、その断面形状は、一定であってもよく、また、部分的に断面形状が異なっていても良い。また、内筒体21と外筒体22とが同じ断面形状でなくても良い。
上記実施形態では、有機EL素子用材料に対して不活性な材質として、主に石英ガラスを挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステンレス、タンタル、タングステン、モリブデン、チタン、ジルコニア、カーボン、アルミナ、窒化ボロン、窒化ケイ素、テフロン(登録商標)が挙げられる。
また、装置本体の材質は、全体が有機EL素子用材料に対して不活性な材質である場合に限定されない。有機EL素子用材料が接触する部位について当該不活性な材質で構成し、それ以外の部位については、その他の材質で構成することもできる。
気化器5及び捕集器6を加熱するための加熱手段や加熱方法は、上記実施形態で説明したものに限定されない。加熱方法としては、抵抗加熱法(金属系、非金属系等)、光加熱法(赤外線加熱法、アーク輻射加熱、レーザー輻射加熱等)、誘導加熱法、プラズマ加熱法、アーク加熱法、フレーム加熱法等を挙げることができる。例えば、誘導加熱法で加熱する場合には、気化器及び捕集器の材質をステンレス等の電磁誘導により発熱する材質で構成する。
上記実施形態では、捕集器6の第二内筒体61が3つの捕集室R1、R2,R3に分かれている例を挙げて説明したが、これに限定されない。装置本体の大きさにもよるが、捕集室の数を増やし、より多段階の温度設定で捕集することで、より高純度の有機EL素子用材料を得易い。
捕集器6の各捕集室R1、R2,R3に対する加熱温度の設定は、上記実施形態で説明したものに限定されない。例えば、精製対象となる有機EL素子用材料の凝縮温度に対して、第一捕集室R1をより低く加熱保持し、第二捕集室R2を同温度に加熱保持し、第三捕集室R3をより高く加熱保持するようにしても良い。
上記実施形態では、収容部54に粉末状の有機EL素子用材料を収容し、これを気化させて精製したが、収容部54に液体状の有機EL素子用材料を収容し、これを気化させて精製してもよい。
本発明の精製装置1にて精製される有機材料は、有機EL素子用材料に限定されない。また、本発明の精製装置1にて精製された有機材料を、繰り返し精製して、さらに純度を高めても良い。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
(精製装置)
下流遮蔽部材のみを設置した精製装置を使用した。捕集器を5つに区分し、ポイントS1からS5でサンプリングを行った。なお、ポイントS1〜S5は、捕集器6の上流側からS1、S2、S3、S4、S5の順に位置する。精製装置の内筒体は石英製、下流遮蔽部材はステンレス製である。
(有機EL素子用材料の精製)
この有機EL素子用材料を収容部に入れ、加熱ヒータおよび温度調整ヒータを加熱し、有機EL素子用材料を精製した。
[比較例1]
実施例1において、下流遮蔽部材を設けず、実施例1と同様にして、有機EL素子用材料の精製を行った。
実施例1および比較例1で精製された有機EL素子用材料を各ポイントS1〜S5ごとにサンプリングし、収量および純度を各ポイントS1〜S5ごとに測定した。
実施例1においては、各ポイントS1〜S5のすべてで製品として使用可能な一定の純度以上の有機EL素子用材料を回収できた。
これに対し、比較例1では、ポイントS4およびS5における有機EL素子用材料の純度が製品として使用可能な一定の純度を下回り、ポイントS4およびS5で回収された有機EL素子用材料は、目的の純度に至らなかった。
製品として使用可能な一定の純度以上の有機EL素子用材料の合計収率については、実施例1の方が比較例1よりも7%多くなった。
比較例1において、ポイントS4およびS5で回収された有機EL素子用材料の純度が低かったのは、下流遮蔽部材が設けられていないため、ポイントS4およびS5の箇所の内筒内部の温度低下が生じ、精製対象の有機EL材料よりも、昇華温度が低い不純物も捕集されたためと考えられる。なお、ポイントS4およびS5の実施例1と比較例1の温度差はポイントS4では20℃、ポイントS5では50℃となった。
本発明は、有機EL素子用材料などの有機材料の精製に利用できる。
1…精製装置
3…真空ポンプ(排気装置)
5…気化器
6…捕集器
25…遮蔽部
26…上流遮蔽部材
27,30A,30B…下流遮蔽部材
28,30…端部遮蔽部材
51…第一内筒体(第一筒体)
53…加熱ヒータ
54…収容部(原料容器)
61…第二内筒体(第二筒体)
63…温度調整ヒータ
261…上流遮蔽板
271C,271D,271E,271F,271G,271K,271L,271M,301A,301B,301C…下流遮蔽板
272C,272D,272K,272L,272M,282,282A,282B,282G,282H,282J,302A,302B,302C,312A,312B,312C…貫通孔(開口部)

Claims (6)

  1. 内部に有機材料が供給される第一筒体、及びこの第一筒体の外側に配置され、供給された有機材料を気化させる加熱ヒータを備えた気化器と、
    前記気化器の前記第一筒体と連通する第二筒体、及びこの第二筒体の外側に配置され、前記第二筒体の温度を調整する温度調整ヒータを備え、前記気化器で気化させた気体状の有機材料を前記第二筒体の内壁で捕集する捕集器と、
    前記捕集器の下流側に接続された排気装置と、
    前記第一筒体と前記第二筒体とが連通して形成される内筒体の両端部に設置され、開口部と閉塞部とを有する遮蔽部材と、を備える
    ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  2. 請求項1に記載の有機材料の精製装置において、
    前記内筒体を内部に収容する外筒体を備え、
    前記外筒体の両端部に、さらに前記遮蔽部材を備える
    ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の有機材料の精製装置において、
    前記遮蔽部材における前記開口部と前記閉塞部との面積比率が、5:95〜50:50である
    ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の有機材料の精製装置において、
    前記外筒体の前記遮蔽部材の開口部が、前記遮蔽部材の中央部から放射状に複数の貫通孔を形成してなり、
    前記内筒体の前記遮蔽部材の開口部が、円形または円弧と当該円弧の両端を結ぶ直線とで囲まれる形状の貫通孔を形成してなる
    ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機材料の精製装置において、
    前記遮蔽部材は、互いに離間して配置される複数の遮蔽板を備え、
    前記複数の遮蔽板は、それぞれ前記開口部を備え、
    前記遮蔽板を直交方向から見て、隣り合う前記遮蔽板同士の前記開口部が重ならない
    ことを特徴とする有機材料の精製装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機材料の精製装置において、
    前記第一筒体内部には、前記有機材料が供給される原料容器が設置され、
    前記内筒体において、前記第一筒体の前記第二筒体と連通する側とは反対側の端部であって前記原料容器よりも上流側に、設置される前記遮蔽部材が、開口を有しない
    ことを特徴とする有機材料の精製装置。
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