JP2013109661A - 認知症ケア支援方法、認知症情報出力装置、認知症ケア支援システム、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】認知症の患者に関する複数種類の質問がPC1にて表示され、質問夫々に対する回答がPC1に入力され、入力された回答に基づく患者状態情報がサーバ2にて記憶され、更に、複数個の患者状態情報を時系列的に表わす図表(例えば月毎の服薬量を示す棒グラフ)、及び、複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表(例えば複数種類の日常行為について、夫々の可否と情動安定性とを示す3D面グラフ)が生成される。生成された図表はPC1にて表示される。介護者又は医師等は、表示された図表に基づいて、患者の症状及び症状の変化を把握する。
【選択図】図2
Description
特許文献1に記載の認知症検査支援システムは、認知症検査を実施するために必要な情報を、認知症検査を実施する医療従事者(例えば医師)が使用する装置に表示する。このため、医療従事者が、表示された情報に従って認知症検査を実施すれば、正確な検査結果を容易に得ることができる。また、認知症検査支援システムが検査結果を蓄積しておき、蓄積された検査結果を検査実施日時と共に表示すれば、医療従事者が検査結果の経時変化を知ることができる。
以下では、患者の介護者又は医師等、患者の介護及び治療に関わる者を区別せず介護関係者ということがある。
ところが、認知症は進行が比較的遅い病気である。また、その症状は、患者が置かれている環境に大きく左右される。例えば患者が自宅又は介護施設等で過ごしているときに現れる症状が、病院で医師が診断するときには現れないことがある。故に、患者の症状及び症状の変化を正確に把握するためには、患者の普段の様子を記した長期(例えば半年以上又は一年以上等)に亘る介護記録を参照することが望ましい。
以上の結果、介護記録の情報量は膨大なものになる。
故に、介護関係者による患者の症状及び症状の変化の把握を支援するための技術が求められている。
情報記憶手段に記憶すべき患者状態情報は、例えば第1の通信装置から入力されたものである。この場合、第1の通信装置では、受付手段が受け付けた回答を回答出力手段が認知症情報出力装置へ出力する。
第1の生成手段は、情報記憶手段に記憶してある複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する。第2の生成手段は、情報記憶手段に記憶してある複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する。
第1及び/又は第2の生成手段が生成した図表が、図表出力手段によって第2の通信装置へ出力された場合、第2の通信装置では、入力された図表を表示手段が表示するか、又は、入力された図表を記録手段が記録用紙に記録する。
図表化された患者状態情報は、単純に羅列された患者状態情報に比べて、視覚的に理解し易いという利点を有する。
以上の結果、介護関係者は、出力された図表を閲覧することによって、患者状態情報を容易に理解し、理解した患者状態情報に基づいて、患者の症状及び症状の変化を容易且つ正確に把握する。
数値化手段は、情報記憶手段に記憶してある患者状態情報の内、非数値の患者状態情報を所定の手順で数値化する。このため、数値で表わされていない患者状態情報を定量的に取り扱うことができる。
第1の差異演算手段は、数値化手段が数値化した2個の患者状態情報の差の絶対値を求める。第2の差異演算手段は、情報記憶手段に記憶してある患者状態情報の内、数値で表わされている2個の患者状態情報の差の絶対値を求める。
大きな差異を有する患者状態情報同士、又は大幅に変化した患者状態情報等を図表となすべきときには、閾値記憶手段に“0”ではない大きい閾値が記憶される。一方、微細な差異を有する患者状態情報同士、又は僅かでも変化した患者状態情報等も図表となすべきときには、閾値記憶手段に“0”ではない小さい閾値が記憶される。また、全ての患者状態情報を図表となすべきときには、閾値記憶手段に閾値“0”が記憶される。
閾値記憶手段が記憶している閾値を、以下では記憶閾値という。
ここでは、記憶閾値が“0”ではない大きい閾値である場合を例示する。
一方、第1又は第2の差異演算手段が求めた記憶閾値未満である場合、2個の患者状態情報はほとんど変わらないか、全く同じである。このような患者状態情報に基づく患者状態情報は、介護関係者が患者の症状又は症状の変化を把握する場合に有用である可能性が低い。仮に、このような患者状態情報に基づく患者状態情報までもが図表に含まれていると、図表に盛り込まれる情報の量又は種類が過多になり、介護関係者を惑わせる虞がある。
そして、第1の生成手段は、抽出手段が抽出した複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する。第2の生成手段は、抽出手段が抽出した複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する。
図表出力手段は、第1及び/又は第2の生成手段が生成した図表を出力する。
以上の結果、抽出手段が抽出した患者状態情報を含んだ図表、即ち、必要最小限にして十分な患者状態情報を含んだ図表を、介護関係者に提供することができる。
患者状態情報が無秩序に含まれている図表から、患者の症状又は症状の変化を把握することは困難である。
そこで、分類手段は、情報記憶手段に記憶してある患者状態情報を、所定の項目に分類する。分類手段が同一項目に分類した患者状態情報を、以下では同類の患者状態情報という。
同類の患者状態情報は、互いに関連性が高い、と考えられる。故に、同類の患者状態情報は、患者の症状及び症状の変化を把握する際に同時的に参照することが望ましい。また、介護関係者が、同時的に参照した同類の患者状態情報同士を比較することは容易である。
図表出力手段は、第1及び/又は第2の生成手段が生成した図表を出力する。
以上の結果、同類の患者状態情報を含んだ図表、即ち、互いに関連性が高い患者状態情報を含んだ図表を、介護関係者に提供することができる。
選択肢の選択による回答は、テキスト及び/又は数値の入力による回答に比べて、回答者による回答作業を容易にする。従って、回答者の利便性を向上させることができる。
このような場合、認知症の患者に関する質問に対し、テキスト及び/又は数値を用いた回答がなされる。テキスト及び/又は数値の入力による回答は、選択肢の選択による回答に比べて、回答の自由度を向上させる。従って、認知症の患者に関する多種多様な情報を収集することができる。
しかも、介護関係者の手作業による図表の作成が不要であるため、介護関係者の利便性を向上させることができる。
図2は、本発明の実施の形態に係る認知症情報出力装置としてのサーバ2の構成を示すブロック図である。図2には、サーバ2が備えている制御部21の機能ブロック図が含まれている。
PC1,1,…及びプリンタ3,3,…は、夫々患者の自宅、介護施設、又は病院等に設置されている。これらのユーザは、介護関係者である。介護関係者とは、介護従事者(患者の家族、又は福祉施設若しくは特定保健施設の介護職員等)、又は医療従事者(医師、臨床心理士、又は看護師等)である。介護関係者と患者とは別人である。
PC1は、制御部11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、操作部14、表示部15、及びI/F(インタフェース)部16を備えている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processing Unit )等の制御デバイスを用いてなる。
RAM12は、揮発性の記憶装置を用いてなる。
表示部15は、例えば液晶ディスプレイを用いてなる。
I/F部16は、PC1とネットワークNとを接続するためのものである。
記録部33は、トナー又はインク等を用いて記録用紙に画像を記録するプリンタエンジンを用いてなる。
制御部31は、プリンタ3の制御中枢である。制御部31は、RAM32を作業領域として用いて、プリンタ3の各部を制御し、また、各種処理を実行する。例えば、制御部31は、I/F部34を介して受信した画像データを記録部33に与える。このとき、記録部33は、与えられた画像データに基づく画像を記録用紙に記録する。
記憶部23は、本発明の実施の形態におけるコンピュータプログラムとして機能するコンピュータプログラム2Pが記憶されているプログラム記憶領域と、コンピュータプログラム2Pの実行中に使用される画像データが記憶される記憶領域(不図示)と、各後述する患者データ、回答者データ、質問データ、回答データ、対応策データ、及び閾値データが記憶されるデータ記憶領域とを有する。
コンピュータプログラム2Pが記録媒体に記録されて配布された場合、制御部21は、サーバ2に内蔵又は外付けされている不図示のドライブ部にセットされた記録媒体からコンピュータプログラム2Pを読み取り、読み取ったコンピュータプログラム2Pを、記憶部23に記憶させる。
サーバ2と各プリンタ3とは、I/F部24、ネットワークN、及びI/F部34を介して、通信可能に接続されている。
本明細書では、PC1,1,…及びサーバ2間、並びにサーバ2及びプリンタ3,3,…間におけるデータの入出力を、データの送受信という。
ここで、認知症ケア支援システム4の概略を説明する。
以下では、質問に回答する介護関係者を、回答者ともいう。本実施の形態における回答者は、毎月1回、定期的に認知症ケア支援システム4を利用する。
患者に関する質問には、回答者が回答すべきものと、患者が回答すべきものとがある。回答者による回答は、回答者自身がPC1に入力するが、患者による回答は、回答者がPC1に入力する。
また、患者に関する質問としては、日常生活における患者の様子を知るためのもの、特定の状況における患者の様子を知るためのもの、食事内容、介護内容、及び服薬状況等を問うもの、患者の生体情報を問うもの、並びに認知症検査の一種であるMMSE(Mini Mental State Examination )の点数を問うもの等が挙げられる。
問題行動に関し、問題行動○○がありますか? という質問に対して、回答者は、問題行動○○をする、又は問題行動○○はしない、というように回答する。
以上のような質問に対する回答は、選択肢の選択によるものでもよく、テキスト入力によるものでもよいが、選択肢の選択によるものの方が、回答者の利便性は高い。
介護内容については、実践中の対応策(例えば各後述する食べ物の会話、又はタクティールケア等)の有無及び内容等が問われる。
なお、生体情報を問う質問では、身長、水分摂取量、及び排泄量等が問われてもよい。
また、回答者がPC1に回答を手入力する構成に限定されず、生体情報の測定器又は測定結果を記録した記録媒体等から測定結果(即ち回答)をPC1に入力する構成でもよい。例えば、生体情報のひとつである心電図の波形データは、手入力が困難であるため、心電計から直接的にPC1又はサーバ2へ送信した方がよい。
記憶部23のデータ記憶領域に記憶されるデータには、予め、例えば認知症ケア支援システム4の管理者によって与えられているものと、認知症ケア支援システム4の利用中に、介護関係者によって追加又は修正等されるものとがある。介護関係者が追加又は修正等するデータは、PC1に入力されてサーバ2へ送信される。
患者データは、患者を識別する情報(以下、患者IDという)と、患者の氏名及び性別等、患者に関する基本的な情報とが関連付けられたものである。
回答者データは、回答者を識別する情報(以下、回答者IDという)と、パスワードと、回答者の氏名及び性別等、回答者に関する基本的な情報とが関連付けられたものである。
認知症ケア支援システム4の利用に際しては、少なくとも患者IDと、回答者ID及びパスワードとの入力が求められる。サーバ2において、制御部21は、患者IDを用いて患者を特定し、回答者ID及びパスワードを用いて回答者を認証する。認証手順に関する詳述は省略する。
質問データとは、質問の提示順を示す提示順情報と、質問内容情報と、次に説明する症状識別情報と、各後述する質問種別フラグ群と回答受付情報とが関連付けられたものである。
症状識別情報は、健忘及び失見当識等の中核症状、並びに妄想及び徘徊等の周辺症状夫々を識別するためのものである。
なお、1個の症状識別情報に複数個の質問内容情報が関連付けられている場合、質問内容情報には、優先順位を示す情報が更に関連付けられていることが望ましい。このとき、ヒットした質問内容情報は、優先順位が高い順に使用される。
質問種別フラグ群には、質問内容の種類(例えば介護内容を問うものなのか服薬状況を問うものなのか等)を示す質問種別フラグ、特定の患者に特有の症状に関する質問であるか否かを示す質問種別フラグ、並びに、患者のみ又は介護関係者のみが答えるべき質問なのか、介護関係者及び患者の両者が答えるべき質問なのかをを示す質問種別フラグ等が含まれている。特定の患者に特有の症状に関する質問であることを示す質問種別フラグが関連付けられている質問内容情報には、更に、当該患者の患者IDが関連付けられている。
回答受付情報とは、質問に対する回答を受け付けるために必要な情報である。
例えば選択肢を選択することによって回答する形式の質問の場合、回答受付情報には、選択肢の内容を示す選択肢内容情報と、各選択肢が過去に選択された選択回数SSと、後述する回答入力画面(図6〜図8参照)に記載すべき選択肢の上限個数SU及び下限個数SD(SU,SDは2≦SD<SUの自然数)と、所定選択回数SF(SFは自然数)と、選択肢以外の回答のテキスト入力を受け付けるか否かを示すフラグとが含まれている。
上限個数SU及び下限個数SDの具体的な数値は特に制限されるものではないが、3〜6の範囲で設定されることが好ましい。
しかしながら、選択肢の選択回数の多寡とは無関係に、常に一定の選択肢が回答入力画面に記載される場合には、回答受付情報に、上限個数SU、下限個数SD、及び所定選択回数SFが含まれている必要はない。
なお、選択肢の選択は、ラジオボタン又はチェックボタンの選択操作によるものに限定されず、例えばプルダウンメニューにおける選択操作によるものであってもよい。
質問データに予め含まれている選択肢の選択回数SSの初期値は“0”である。質問データに追加された選択肢の選択回数SSの初期値は“1”である。以後、選択回数SSは、選択肢が選択される都度、1ずつカウントアップされる。
また、追加された選択肢の選択回数SSの初期値は、所定選択回数SFに等しい値でもよい。この場合、追加された選択肢が、回答入力画面に記載される確率が高くなる。このようにする理由は、追加された選択肢は、選択肢を追加した回答者以外の回答者も選択する可能性が高いと考えられるからである。
更に、追加された選択肢と、選択肢を追加した回答者の回答者IDとを関連付けておけば、選択肢を追加した回答者が閲覧する回答入力画面にのみ、追加された選択肢を記載するように構成することが可能である。
回答データとは、患者IDと、患者状態情報と、患者状態情報の基になった回答を回答者がPC1に入力した回答日時と、後述する分類項目情報とが関連付けられたものである。回答日時は、回答者が回答を入力した場合にPC1の図示しない時計部が計時した日時を制御部11が自動的に取得し、取得した日時を回答日時として患者状態情報に関連付ける。なお、回答日時は、回答者がPC1に手入力してもよい。
分類項目情報は、患者状態情報が分類された項目を示すものである。記憶部23に記憶してある患者状態情報は、制御部21によって適宜の項目に分類され、更に、分類結果を示す分類項目情報と関連付けられる。
記憶部23は、本発明の実施の形態における情報記憶手段として機能する。
対応策データとは、症状識別情報と、後述する対応策情報と、一般的な対応策情報であるのか特定の患者のみに適用すべき対応策情報であるのかを示す対応策フラグとが関連付けられたものである。特定の患者のみに適用すべきことを示す対応策フラグが関連付けられている対応策情報には、更に、患者IDが関連付けられている。症状識別情報には、選択肢内容情報が別途関連付けられている。
ここで、対応策情報について説明する。
対応策情報には、例えば、中核症状又は周辺症状の要因を解決するための対応策を介護関係者に提示するための対応策メッセージが含まれている。対応策情報は、医師が編集したものである。
対応策データに症状識別情報が含まれている理由は、患者に現れている中核症状若しくは周辺症状、又は、認知症の進行度に応じて、異なる対応策を講じなければならない場合があるからである。
故に、対応策データは、症状識別情報を用いて対応策情報を検索すれば、症状識別情報が示す症状、又はこの症状が表わす認知症の進行度に応じた適切な対応策情報がヒットするように構成されている。
例えば、「今朝、食事をしたことすら忘れている」という患者の言動は、中核症状「健忘」の現れである可能性が高い。このため、「今朝、食事をしたことすら忘れている」という選択肢内容情報と、健忘を示す症状識別情報とを関連付けておけば、「今朝、食事をしたことすら忘れている」という選択肢が選択された場合に、健忘を示す症状識別情報を用いて、対応策情報を検索することができる。
閾値データとは、患者状態情報の種類を識別する種類識別情報と、閾値とが関連付けられたものである。閾値は“0”以上の実数値である。
閾値を用いる理由を説明するために、例えば、患者状態情報として患者の体重を例示し、複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表として、定期的に測定した体重の測定結果を、時系列的に表わす図表を考える。毎月1回測定した体重の経時変化(以下、経月変化という)を表わすグラフを生成する場合、生成すべきグラフの縦軸は患者の体重、横軸は測定月を示す。
そこで、患者の体重が大きく増減した月を抽出してグラフ化すれば、たとえ3年分、4年分であっても、図表に盛り込まれる情報量は制限される。
記憶部23は、本発明の実施の形態における閾値記憶手段として機能する。
なお、同じ患者状態情報「体重」であっても、経月変化のグラフを生成する際には閾値「2kg」が用いられ、経年変化のグラフを作成する場合には閾値「5kg」が用いられるよう、1個の患者状態情報に複数種類のグラフに係る閾値が関連付けられる構成でもよい。
図3及び図4は、PC1で実行される支援アプリ使用処理の手順を示すフローチャートであり、図5は、PC1とサーバ2との間で実行される通信処理の手順を示すフローチャートである。図5は、図3及び図4、並びに図17〜図19の抜粋であり、各後述するS17で1回だけYESと判定され、また、S37でNOと判定された後、S39でYESと判定された場合を示している。
認知症ケア支援システム4を利用する回答者は、例えば支援アプリに対応するアイコンを操作することによって、支援アプリ起動指示をPC1に入力する。
支援アプリ起動指示が入力された場合(S11でYES)、制御部11は、次に説明するID入力画面(不図示)を表示部15に表示させる(S12)。
ID入力画面にて所要の情報を入力し終えた回答者は、ID入力画面に含まれている操作ボタンを操作することによって、ID送信指示をPC1に入力する。
ID送信指示が入力された場合(S13でYES)、制御部11は、ID入力画面にて入力された患者ID及び回答者ID等をサーバ2へ送信すると共に、回答入力画面の画像データをサーバ2に要求する(S14)。以下では、回答入力画面の画像データをサーバ2に要求したPC1を、単にPC1という。
制御部11は、回答入力画面の画像データを受信したか否かを判定し(S15)、まだ受信していない場合は(S15でNO)、S15の処理を再度実行する。
回答入力画面の画像データを受信した場合(S15でYES)、制御部11は、受信した画像データに基づいて、回答入力画面を表示部15に表示させる(S16)。このとき、表示部15には、次の図6に示すような回答入力画面が表示される。
回答者は、PC1の表示部15に表示されている回答入力画面41を閲覧しながら、回答入力画面に記載されている質問に対する回答をPC1に入力する。
回答者名「回答次郎」の回答者は、患者名「患者太郎」の患者に対し、回答入力画面41に記載されている質問を口述する。
このとき、回答者は、質問に対する患者の回答を、回答入力画面41に入力する。また、回答者は、質問に対する回答時の患者の情動及び言動を観察し、観察結果を回答入力画面41に入力する。
回答入力画面41には、選択肢を選択するためのラジオボタン及びチェックボタンと、テキストを入力するためのテキストボックスと、中止ボタン401と、次へボタン402とが含まれている。
回答者は、該当する選択肢を選択し、また、選択肢以外の回答を任意にテキスト入力する。
回答を中止する場合、回答者は中止ボタン401を操作する。
更に、回答入力画面41の右半分には、患者の回答時に、回答者が、弱い怒り及び強い拒絶感という情動を表わしたことが入力されている。また、患者の回答時に、患者の回答を否定し、患者を指導するという言動を行なったことが入力されている。
図7は、図6に示す回答入力画面41が選択肢の選択回数に応じて変化した場合の一例を示す模式図である。
図6に示す回答入力画面41と図7に示すに示す回答入力画面41とを比べれば、患者が徘徊したか否かを回答するための患者側の選択肢、及び回答者側の選択肢、並びに、患者の情動を選択する選択肢は同一であるが、患者の言動、並びに回答者の情動及び言動を選択する選択肢は異なっていることがわかる。
一方、患者の情動及び言動、並びに回答者の情動及び言動を選択する選択肢は、選択肢の選択回数SSの多寡に応じて、同一又は異なるものが回答入力画面に記載される。
このために、図3に示すように、S16の処理を終了した制御部11は、次へボタン402が操作されたか否かを判定し(S17)、操作された場合は(S17でYES)、現在表示されている回答入力画面にて入力された回答の内容を示す回答内容情報、及び回答日時をサーバ2へ送信すると共に、次の回答入力画面の画像データを要求する(S18)。次いで、制御部11は、処理をS15へ移す。
回答者名「回答次郎」の回答者は、回答入力画面42に記載されている質問に応じて、患者名「患者太郎」の患者の血圧、体重、及び体温等を測定し、測定月日と測定結果とを回答入力画面42に入力する。
回答入力画面42には、数値を選択するための図示しないプルダウンメニューと、数値を入力するためのテキストボックスと、中止ボタン401と、完了ボタン403とが含まれている。
回答を中止する場合、回答者は中止ボタン401を操作する。
回答入力画面42に記載されている質問に対する回答の入力が終了すると、回答者は、完了ボタン403を操作する。この結果、表示部15には、後述する種類入力画面(不図示)が表示される。
このために、図3に示すように、次へボタン402が操作されていない場合(S17でNO)、制御部11は、完了ボタン403が操作されたか否かを判定する(S19)。
S20の処理終了後、制御部11は、図4に示すように、種類入力画面の画像データを受信したか否かを判定し(S31)、まだ受信していない場合は(S31でNO)、S31の処理を再度実行する。
ここで、種類入力画面について説明する。
種類入力画面は、回答者が、次に説明する図表種類情報をPC1に入力するための画面である。
なお、種類入力画面にて、図表種類情報以外に、閾値、又は図表の出力先を受け付ける構成でもよい。
図4に示すS32の処理終了後、制御部11は、種類送信指示が入力されたか否かを判定し(S33)、まだ入力されていない場合は(S33でNO)、S33の処理を再度実行する。
種類送信指示が入力された場合(S33でYES)、制御部11は、種類入力画面にて入力された図表種類情報をサーバ2へ送信すると共に、後述する図表出力画面の画像データをサーバ2に要求する(S34)。
次いで、制御部11は、図表出力画面の画像データを受信したか否かを判定し(S35)、まだ受信していない場合は(S35でNO)、S35の処理を再度実行する。
図表出力画面の画像データを受信した場合(S35でYES)、制御部11は、受信した画像データに基づいて、図表出力画面を表示部15に表示させる(S36)。
図表の閲覧を終了した回答者は、認知症ケア支援システム4の利用を終了すべく、図表出力画面の利用終了ボタンを操作する。
また、回答者は、他の図表の閲覧を所望する場合、図表出力画面の情報受付部にて図表種類情報を入力する。
情報受付部にて図表種類情報が入力されていない場合(S37でNO)、制御部11は、利用終了ボタンが操作されたか否かを判定し(S39)、操作されていない場合は(S39でNO)、処理をS37へ戻す。
なお、図表出力画面の情報受付部は、図表種類情報以外に、閾値、又は図表の出力先を受け付ける構成でもよい。
ところで、中止ボタン401が操作された場合、PC1には、回答中止指示が入力される。回答中止指示が入力された場合、制御部11は、実行中の処理に割り込んで、支援アプリ使用処理を強制終了してから、処理をS11へリターンする。
そして、回答者は、理解した患者状態情報に基づいて、患者の症状の内容及び程度、並びに症状の変化の内容及び程度を判断する。
更に、回答者は、判断結果に基づき、また、理解した対応策情報を参考にして、患者の症状及び症状の変化に応じた適切な対応策を講じる。
ただし、第1の通信装置として機能するPC1と第2の通信装置として機能するPC1とは別個であってもよい。この場合、回答入力画面が表示されるPC1と、図表出力画面が表示されるPC1とは異なる。
また、PC1に替えて、PDA(携帯情報端末)、スマートフォン、又は携帯電話機等を用いて第1又は第2の通信装置を構成してもよい。
更に、操作部14及び表示部15は、タッチパネルを用いて構成されてもよい。このタッチパネルは、特に、第1又は第2の通信装置が携帯性を有する場合には、3インチ〜15インチのサイズであることが望ましい。何故ならば、このサイズのタッチパネルは、介護関係者による回答入力画面及び図表出力画面等の閲覧、並びに、所要の情報又は指示等の入力が容易であり、しかも、携帯に適するからである。
また、PC1に替えて、スキャナ又はデジタル複合機等を用いて第1の通信装置を構成してもよい。この場合、回答者は、回答用紙に文字又は記号等を手書きで記入することによって、質問に回答する。スキャナ又はデジタル複合機等は、手書きで記入された回答を画像として読み取り、更に、文字認識することによって、回答の内容を示す回答内容情報を、サーバ2へ送信する。
この場合、S34の処理の結果として、サーバ2からプリンタ3へ、図表出力画面の画像データが送信される。このとき、プリンタ3では、受信した画像データに基づき、図表出力画面に相当する画像が記録用紙に記録される。
プリンタ3は、本発明の実施の形態における第2の通信装置として機能する。
。記録部33は、本発明の実施の形態における記録手段として機能する。
なお、プリンタ3に替えて、ファクシミリ又はデジタル複合機等を用いて第2の通信装置を構成してもよい。
また、プリンタ3がネットワークNではなくPC1に直結しており、プリンタ3への画像データの送信は、PC1を介して行なう構成でもよい。
この結果、回答者が入力した新たな質問は、他の回答者が認知症ケア支援システム4を利用した場合に、又は、新たな質問を入力した回答者が再び認知症ケア支援システム4を利用した場合に、回答入力画面に記載される。
図表出力画面には、複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表、及び/又は、複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表が含まれる。前者は、本発明の実施の形態における第1の生成手段が生成する図表であり、後者は、本発明の実施の形態における第2の生成手段が生成する図表である。以下では、前者を第1の図表といい、後者を第2の図表という。
まず、第1の図表について説明する。第1の図表は、例えば、横軸が時間、縦軸が数量の折線グラフ、横軸が階級、縦軸が度数のヒストグラム、又は、項目名が五十音順に並べられたテーブル若しくは棒グラフ等である。
図9に示すグラフは、服薬状況の経月変化を示す積み上げ棒グラフである。横軸は2011年8月から2012年7月までの12ヶ月を示し、縦軸は服薬量[mg]を示している。積み上げ棒グラフの各部は、薬品の種類及び服薬のタイミングに応じて色分けされており、各部の縦長さは服薬量に比例する。また、積み上げ棒グラフの左側に記載されている数字は、服薬量を示している。
図9に示すグラフを見れば、8月及び9月には、患者は朝食後(図中「朝」)、昼食後(図中「昼」)、及び夕食後(図中「夕」)夫々に薬1を5mgずつ、合計15mg服用したが、10月には夕食後の薬1が10mgに増え、11月には更に朝食後及び昼食後夫々にも薬1が10mgずつ、合計30mg服用されていることがわかる。
ここから、8月及び9月には、服薬量が増減するような患者の症状変化はなかったが、10月及び11月には、服薬量が増加するような患者の症状変化が起きたことが推測できる。
ここから、12月には薬品の種類が変更されるような症状変化が起き、5月には服薬のタイミングが変更されるような症状変化が起きたことが推測できる。
ところが、11月及び12月の服薬量は30mgで一定であり、1月以降の服薬量15mgで一定である。このため、介護関係者が、薬品の種類又は服薬のタイミングの変更を見落とすかもしれない。
図10に示すグラフも、図9のそれと同様、服薬状況の経月変化を示す積み上げ棒グラフである。しかしながら、図10に示すグラフは、12ヶ月分の服薬状況の内、7か月分が抜粋されたものである。このために、図10に示すグラフを生成する際に、“0”より大きい閾値が用いられている。
薬品の種類及び服薬のタイミング夫々に関しては、所定の手順で数値化されてから、減算結果の絶対値が求められる。
図10に示すグラフを視認すれば、服薬状況が変化した月(即ち、介護関係者が注目すべき月)が容易にわかる。故に、介護関係者は、服用量の増減のみならず、薬品の種類及び服薬のタイミングの変更にも容易に気づくことができる。
故に、最高血圧、最低血圧、体重、及び体温夫々の折れ線グラフは同一のグラフに記載すればよい。
かといって、このグラフに服薬量の折れ線グラフも記載されていると、生体情報の経月変化を調べたい介護関係者の利便性を損なう。
なお、一の患者状態情報は、複数の項目に分類されてもよい。
図12に示すテーブルの1列目から12列目までは2011年8月から2012年7月までの12ヶ月を示す。また、1行目は日常生活における患者の様子を示し、2行目は介護内容を示し、3行目は食事内容を示し、4行目はMMSEの点数を示している。
日常生活における患者の様子、介護内容、食事内容、及びMMSEの点数という4種類の患者状態情報は、「年間表に記載すべき患者状態情報」という項目に分類された患者状態情報である。
回答者は、日常生活における患者の様子を問う質問に対して、10月に「問題行動○○をする」と回答し、6月に「問題行動○○はしない」と回答した。また、回答者は、1月に「日常行為△△ができない」及び「全介助が必要」と回答し、4月に「毎日××をする」と回答した。
故に、図12に示すテーブルの1行目においては、10月、1月、4月、及び6月を示す列に、回答者が回答した内容が記載されている。
回答者は、介護内容を問う質問に対して、1月から5月まで毎月、食べ物の会話を行なっている、と回答した。また、回答者は、11月から6月まで、タクティールケアを行なっている、と回答した。
故に、図12に示すテーブルの2行目においては、食べ物の会話を行なっていることを意味する横バーが1月から5月まで記載されており、タクティールケアを行なっていることを意味する横バーが11月から6月まで記載されている。
回答者は、食事量を問う質問に対して、10月のみ食事量は多い、と回答し、他の月には食事量は普通である、と回答した。また、食事の硬さを問う質問に対して、10月のみ食事は軟らかい、と回答し、他の月には、食事の硬さは普通である、と回答した。
故に、図12に示すテーブルの3行目においては、10月を示す列に、食事量が多いことを示す「多」という文字と、食事が軟らかいことを示す「軟」という文字とが記載されている。食事量が普通であること、及び食事の硬さが普通であることは、特筆すべき情報ではないため、これらは省略されている。
患者は、12月及び7月にMMSEを受けた。また、MMSEの検査結果である点数は、90及び70であった。このため、回答者は、MMSEの点数を問う質問に、12月及び7月に、90及び70と回答した。
故に、図12に示すテーブルの5行目においては、12月を示す列と7月を示す列とに、点数90と70とが記載されている。
食べ物の会話は、患者が食事に関する問題行動(例えば食べ物を投げる、食べ過ぎる、食べこぼしが多い、食事をしたがらない、又は何度も食事を要求する等)を起こしている場合の対応策のひとつである。
例えば、食べ物を投げる患者は、それが食べ物かどうかわからない(失認)、又は、食べ方がわからない(失行)せいで、そのような問題行動を起こしている可能性がある。従って、介護関係者が食べ物の説明をしたり、食べ方を見せたり、美味しいねと笑顔で一緒に食べたりすることが有効である、とされている。
タクティールケアは、患者の身体に優しく触れたり撫でたりするマッサージ(タッチケア)の一種である。タクティールケアには、肉体的な疲労、及び精神的なストレスを軽減し、患者に安心感をもたらすという効用がある。
従って、図12に示すテーブルを見れば、タクティールケアを行なっている期間には、患者に、不安という周辺症状が現れている、ということが推測できる。
ここから、患者の問題行動○○と患者の不安感とに強い関連性があり、患者の不安感をタクティールケアによって軽減すれば、問題行動○○がなくなる、ということが推測できる。
以上のような、図11及び図12夫々に示す図表は、本発明の実施の形態における分類手段が同一項目に分類した複数種類の患者状態情報夫々を所定順に表わす図表、に相当する。
図13及び図14夫々に示すグラフは、複数種類の日常行為について、各日常行為の可否と患者の情動安定性とが関連付けられた3D面グラフである。図13及び図14に示す2つの3D面グラフは、別個の図表出力画面に含まれていてもよいが、同一の図表出力画面に含まれている方がよい。何故ならば、介護関係者が2つの3D面グラフ夫々に記載されている患者状態情報を比較し易いからである。
まず、患者の介護を担当していた介護者の氏名が問われる。介護者の氏名は、3D面グラフの外部に添え書きされる。図13の場合、介護者としてA氏の氏名が、図14の場合、介護者としてB氏の氏名が、夫々添え書きされている。
回答者は、A氏が介護を担当しているならば、患者の情動安定性は、食事ができる場合“1”、食事ができない場合“−3”、と回答する。一方、回答者は、B氏が介護を担当しているならば、患者の情動安定性は、食事ができる場合“1”、食事ができない場合“0”、と回答する。
介護者は、排泄、入浴、睡眠、及び更衣夫々についても、食事の場合と同様に回答する。
また、情動安定性を問う質問は、日常行為の際に患者が現した情動を観察した結果を問うものに限定されない。これは、例えば、回答者が患者に、日常行為が可能か否かを質問し、患者が回答した際に現した情動を観察した結果を問うものでもよい。
図13及び図14夫々に示す3D面グラフは、5種類の日常行為をX軸に取り、日常行為ができるかできないかをY軸に取り、情動安定性をZ軸に取ったものである。
図13に示す3D面グラフを見れば、日常行為ができない場合、患者の情動が非常に不安定であることがわかる。一方、図14に示す3D面グラフを見れば、日常行為ができない場合であっても、患者の情動が不安定になることはない、とわかる。
認知症が進行すると、患者ができなくなる日常行為が増える。しかしながら、患者に対する介護者の接し方次第で、日常行為ができなくても、情動は安定に保たれる、と考えられている。つまり、図14に示す3D面グラフは、理想に近い状態である。従って、図13に示す3D面グラフを視認した介護関係者は、次回以降、図14に示す3D面グラフが出力されるように、対応策を講じればよい。
図15に示す3D面グラフを見れば、患者が何かを認知できない場合、及び患者の感覚が働かない場合に、特に情動が不安定になることがわかる。
図16に示す3D面グラフを見れば、患者が、自分に健忘、失見当識、及び失認が現れている、と自認した場合に、患者の情動がやや不安定になることがわかる。
図13〜図16夫々に示す図表は、本発明の実施の形態における分類手段が同一項目に分類した複数種類の患者状態情報夫々と、情報記憶手段に記憶してある他の患者状態情報とを関連付けて表わす図表、に相当する。
図17〜図19は、図表出力処理の手順を示すフローチャートである。
図17に示すように、制御部21は、ID入力画面にて入力された患者ID及び回答者ID等を受信すると共に、PC1から回答入力画面の画像データを要求されたか否かを判定し(S51)、まだ要求されていない場合、制御部21は、S51の処理を再び実行する。
S52における制御部21は、例えば、S51で受信した患者IDを用いて患者データを検索することによって、患者を特定し、受信した患者IDに関連付けられている患者の氏名が記載された回答入力画面の画像データを生成する。
次に、制御部21は、回答内容情報及び回答日時を受信すると共に、PC1から次の回答入力画面の画像データを要求されたか否かを判定する(S54)。
次いで、制御部21は、次の回答入力画面の画像データを生成する(S56)。
そして、S56における制御部21は、選び出した質問内容情報と、質問種別フラグ群及び回答受付情報等に基づいて、回答入力画面の画像データを生成する。
次の回答入力画面の画像データを要求されていない場合(S54でNO)、制御部21は、回答内容情報及び回答日時を受信すると共に、PC1から種類入力画面の画像データを要求されたか否かを判定し(S58)、まだ要求されていない場合(S58でNO)、S54の処理を再び実行する。
S71における制御部21は、図表種類情報の入力を促すためのメッセージが記載され、図表種類情報を入力するためのラジオボタン、チェックボタン、及びテキストボックス等が設けられた種類入力画面の画像データを生成する。
S71の処理終了後、制御部21は、生成した種類入力画面の画像データをPC1へ送信する(S72)。
図表出力画面の画像データを要求された場合(S73でYES)、制御部21は、S73で受信した図表種類情報に基づいて、図表出力画面に含むべき図表に関する諸情報を特定する(S74)。
閾値が“0”より大きい場合(S75でNO)、制御部21は、S74で特定した患者状態情報が数値で表わされているか否かを判定し(S76)、患者状態情報が非数値である場合(S76でNO)、患者状態情報を所定の手順で数値化する(S77)。
S78における制御部21は、例えば数値化された薬品の種類、数値化された服薬のタイミング、及び数値で表わされている服薬量夫々について、前月と当月との差の絶対値を算出する。このとき、S79における制御部21は、前月が存在しない患者状態情報は、無条件で抽出する。例えば、図10に示すグラフの場合、8月分の患者状態情報は必ず抽出される。
一方、図18に示すように、S74で特定した患者状態情報に関連付けられている閾値が“0”である場合(S75でYES)、制御部21は、図19に示すように、S74で特定した患者状態情報が記載されている図表を生成する(S92)。
S93における制御部21は、S91又はS92で生成した図表が記載され、更に、情報受付部及び利用終了ボタンが設けられた図表出力画面の画像データを生成する。この図表出力画面には、対応策メッセージが含まれていてもよい。
S93の処理終了後、制御部21は、生成した図表出力画面の画像データをPC1へ送信する(S94)。
他の図表出力画面の画像データをまだ要求されていない場合(S95でNO)、制御部21は、利用終了情報を受信したか否かを判定し(S96)、まだ受信していない場合(S96でNO)、処理をS95へ戻す。
利用終了情報を受信した場合(S96でYES)、制御部11は、図表出力処理を一旦終了してから、処理をS51へリターンする。
S60の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における分類手段として機能する。
S77の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における数値化手段として機能する。
S78の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における第1の差異演算手段又は第2の差異演算手段として機能する。
S79の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における抽出手段として機能する。
S93の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における図表出力手段として機能する。
なお、本発明の実施の形態における認知症情報出力装置は、PCを用いて構成されてもよい。この場合、回答者は認知症情報出力装置としてのPCに回答を入力する。また、このPCが備える表示部に、生成された図表を含む図表出力画面が表示される。この場合、PCとサーバとが通信することなく、本発明の実施の形態における認知症ケア支援方法を実現することができる。
図表化された患者状態情報を参照すれば、介護関係者は、長期に亘る介護記録を参照するよりも容易に、患者の普段の様子を知ることができる。このため、介護関係者は、患者の症状の内容及び程度、並びに症状の変化の内容及び程度を正確に判断することができる。そして、介護関係者は、判断結果に基づき、患者の症状及び症状の変化に応じた適切な対応策を講じることができる。
例えば患者データには、患者の氏名、年齢、住所、家族構成、及び生活状況等の基本的な情報、患者が受けた認知症診断用検査及び検査結果、医師の診断結果、並びに、患者の病歴及び服薬歴の情報等が含まれていることが望ましい。
患者の認知症の進行度に対応する中核症状が複数ある場合には、まず、最も重い中核症状を見分ける典型的な質問が行なわれ、この質問に対する回答から最も重い中核症状が判定され、判定結果に基づいて、最も重い中核症状に関する質問が行なわれる構成でもよい。
患者の回答が間違っている場合、制御部21は、間違った回答に関する患者状態情報を優先的に図表化してもよい。
また、本発明の効果がある限りにおいて、PC1又は認知症ケア支援システム4等に、実施の形態に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
11 制御部(受付手段,回答出力手段)
15 表示部(表示手段)
2 サーバ(認知症情報出力装置)
21 制御部(第1及び第2の生成手段,図表出力手段,数値化手段,第1及び第2の差異演算手段,抽出手段,分類手段)
23 記憶部(情報記憶手段,閾値記憶手段)
2P コンピュータプログラム
3 プリンタ(第2の通信装置)
33 記録部(記録手段)
4 認知症ケア支援システム
Claims (10)
- 認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置にて、前記患者の介護及び治療を支援する認知症ケア支援方法であって、
前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶し、
記憶した複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表、及び/又は、記憶した複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成し、
生成した図表を出力することを特徴とする認知症ケア支援方法。 - 認知症の患者の症状又は症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置であって、
複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶する情報記憶手段と、
該情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する第1の生成手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する第2の生成手段と、
前記第1及び/又は前記第2の生成手段が生成した図表を出力する図表出力手段と
を備えることを特徴とする認知症情報出力装置。 - 前記情報記憶手段は、前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶するようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の認知症情報出力装置。
- 前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、非数値の前記患者状態情報を所定の手順で数値化する数値化手段と、
該数値化手段が数値化した2個の前記患者状態情報の差の絶対値を求める第1の差異演算手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、数値で表わされている2個の前記患者状態情報の差の絶対値を求める第2の差異演算手段と、
“0”以上の閾値を記憶する閾値記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、前記第1又は前記第2の差異演算手段が求めた絶対値が、前記閾値記憶手段に記憶してある閾値以上である前記患者状態情報を抽出する抽出手段と
を更に備え、
前記第1又は前記第2の生成手段は、前記抽出手段が抽出した前記患者状態情報を表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする請求項2又は3に記載の認知症情報出力装置。 - 前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報を所定の項目に分類する分類手段
を更に備え、
前記第1の生成手段は、前記分類手段が同一項目に分類した複数種類の前記患者状態情報夫々を所定順に表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする請求項2から4の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。 - 前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報を所定の項目に分類する分類手段
を更に備え、
前記第2の生成手段は、前記分類手段が同一項目に分類した複数種類の前記患者状態情報夫々と、前記情報記憶手段に記憶してある他の前記患者状態情報とを関連付けて表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする請求項2又は4の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。 - 前記患者状態情報は、複数の選択肢を含む質問に対する回答に基づくものであり、選択された選択肢が示す情報を用いてなることを特徴とする請求項2から6の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。
- 前記患者状態情報は、テキスト及び/又は数値を用いてなることを特徴とする請求項2から7の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。
- 認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置と、
該認知症情報出力装置と通信可能な第1及び第2の通信装置と
を備え、前記患者の介護及び治療を支援するための認知症ケア支援システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答を受け付ける受付手段と、
受け付けた回答を前記認知症情報出力装置へ出力する回答出力手段と
を有し、
前記認知症情報出力装置は、
入力された回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶する情報記憶手段と、
該情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する第1の生成手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する第2の生成手段と、
前記第1及び/又は前記第2の生成手段が生成した図表を前記第2の通信装置へ出力する図表出力手段と
を有し、
前記第2の通信装置は、
入力された図表を表示する表示手段、又は、入力された図表を記録用紙に記録する記録手段
を有することを特徴とする認知症ケア支援システム。 - 認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる複数個及び/又は複数種類の患者状態情報を記憶する情報記憶手段を備えるコンピュータに、前記患者状態情報を出力させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、前記情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成させる第1の生成ステップと、
コンピュータに、前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成させる第2の生成ステップと、
コンピュータに、前記第1及び/又は前記第2の生成ステップで生成された図表を出力させる図表出力ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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