JP2013100148A - 鋼板用吊具 - Google Patents

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Abstract

【課題】水平置き状態の鋼板を安全に縦吊り状態に移行させるのに適した吊具を提供することにある。
【解決手段】鋼板Sを縦に吊り上げる際に用いられる吊具において、クレーンで吊り下げられて水平に延在する吊ビーム2と、前記吊ビームに水平移動可能に支持された二つのアーム4と、前記二つのアームを互いに逆方向へ移動させてそれらの間隔を開閉させるアーム移動機構5と、を具え、前記二つのアーム4は、前記鋼板Sの長手方向一端部の両脇に形成された吊部Hとそれぞれ掛合する吊下げ穴4bを有していることを特徴とする鋼板用吊具である。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼板を縦に吊り上げる際に用いられる吊具に関し、特には水平置き状態の鋼板を安全に縦吊り状態に移行させるのに適した吊具に関するものである。
鋼板に焼入等の熱処理を施すためには、鋼板を加熱炉で例えば約900℃まで加熱したのちに、縦型の水槽内に浸漬させて急激に冷却する必要がある。この高温に加熱された鋼板を水槽に入れるために、従来は、鋼板の長手方向一端部の両脇に切欠き部を設けることでその端部の両脇に横方向へ突出する吊部を形成し、チェーン等の耐熱性を持った吊具を水平置き状態の鋼板のその吊部に引っ掛けて天井クレーンで吊上げて、鋼板を縦吊り状態に移行させていた。
特開2007−217175号公報 特開2004−090061号公報 特開2004−017074号公報
しかしながら従来のチェーンによる吊上げ方法では、高温の鋼板の吊部にチェーンを引っ掛けるため、人が鋼板に接近して人力でチェーンを操作せねばならず、火傷する危険があった。また、重量物である鋼板を吊るためのチェーンの重量も100kg以上となる場合があり、これを人力で掛けるには相当な重筋作業を強いられていた。さらに、チェーンで吊上げた鋼板は縦吊り状態に移行させる際に荷振れを生じ易く、チェーンから外れて落下する危険もあった。そして、チェーンの代わりにCフックを用いることとしても、同様の問題が生じる可能性があった。
一方、従来の吊具として、長尺物を吊り上げるための吊具(特許文献1)や、砂型の反転用の吊具(特許文献2)や、連続鋳造用ダミーバーヘッド用の吊具(特許文献3)も知られているが、これらは何れも、水平置き状態の鋼板を安全に縦吊り状態に移行させるには適していなかった。
それゆえ本発明は、水平置き状態の鋼板を安全に縦吊り状態に移行させるのに適した吊具を提供することを目的としている。
本発明は、前記課題を解決するために、鋼板を縦に吊り上げる際に用いられる吊具において、
クレーンのフックで吊り下げられて水平に延在する吊ビームと、
前記吊ビームに水平移動可能に支持された二つのアームと、
前記二つのアームを互いに逆方向へ移動させてそれらの間隔を開閉させるアーム移動機構と、
を具え、
前記二つのアームは、前記鋼板の長手方向一端部の両脇に形成された吊部とそれぞれ掛合する吊下げ穴を有していることを特徴としている。
かかる本発明の鋼板用吊具にあっては、クレーンで吊り下げられて水平に延在する吊ビームに水平移動可能に支持された二つのアームをアーム移動機構で互いに接近する方向へ移動させて、それら二つのアームに設けられた吊下げ穴が水平置き状態の鋼板の長手方向一端部の両脇の吊部を内側から差し込まれてそれらの吊部とそれぞれ掛合するまで、それらのアームの間隔を閉じ、その状態でクレーンにより吊ビームを上昇させると、鋼板の長手方向端部の両脇の吊部が二つのアームの吊下げ穴内で回動しながらその鋼板の長手方向端部が吊り上げられていって鋼板が縦吊り状態に移行し、縦型の水槽内への浸漬による鋼板の熱処理等が可能となる。その際、二つのアームはアーム移動機構で間隔が閉じた状態に維持されるので、鋼板の長手方向端部の両脇の吊部が二つのアームの吊下げ穴内から外れることはない。
そして熱処理等が終了したら、上記と逆の手順で鋼板を水平置き状態に戻した後、二つのアームをアーム移動機構で互いに離間する方向へ移動させて、それらのアームの間隔を開くことで、それら二つのアームに設けた吊下げ穴が水平置き状態の鋼板の長手方向一端部の両脇の吊部から外側へ離脱する。
従って、本発明の鋼板用吊具によれば、アーム移動機構を遠隔操作することで、人が近づくことなく鋼板を吊上げることができるので、作業者が火傷する危険を無くすことができ、さらに、鋼板を起こす際には、アームの吊下げ穴内で鋼板の吊部が回動するので、荷振れが生じることもないため、鋼板が吊具から外れて落下する危険がなく、鋼板を安全に縦吊り状態に移行させることができる。
なお、本発明においては、前記吊下げ穴の形状は円形であると好ましい。アームの吊下げ穴を四角にすると、鋼板が厚い場合等では鋼板を引き起こす際に吊部が回動することで吊下げ穴の角部に引っ掛かり、円滑に回動せず引き起こせない場合が発生する。しかしながらアームの吊下げ穴を円形にすれば、鋼板が厚い場合等でも吊下げ穴内で吊部が円滑に回動するため、鋼板の引き起こしが容易に行える上に、吊下げ穴の周囲のアーム寸法を均等に極小化することができるので、鋼板の長手方向端部の両脇に吊部を形成するための切欠き部を小さくし得て、切欠き部による材料損失を少なくすることができる。
また、本発明においては、前記吊下げ穴内にはラジアルベアリングが設けられていると好ましい。アームの吊下げ穴内にラジアルベアリングが設けられていれば、鋼板が厚い場合等でも吊下げ穴内で吊部がラジアルベアリングにより常に円滑に回動するため、鋼板の引き起こしをより容易に行うことができ、しかも吊部の回動による吊下げ穴の内周面の磨耗や変形等も防止することができる。
(a),(b)は、本発明の鋼板用吊具の一実施形態を示す平面図および正面図である。 上記実施形態の鋼板用吊具を示す側面図である。 上記実施形態の鋼板用吊具のアームの吊下げ穴の周辺部を拡大して示す断面図である。 上記実施形態の鋼板用吊具で鋼板を吊り上げて縦吊り状態に移行させた状態を示す説明図である。
図1(a),(b)は、本発明の鋼板用吊具の一実施形態を示す平面図および正面図であり、図2は、上記実施形態の鋼板用吊具を示す側面図であり、図中符号1は、図示しない天井クレーンのフックを示す。
この実施形態の鋼板用吊具は、上記天井クレーンの二つのフック1で吊り下げられて水平に延在する吊ビーム2と、その吊ビーム2の中央部に吊ビーム2と直交して水平に延在するように固定支持されたガイドビーム3と、そのガイドビーム3にそれに沿って水平移動可能に支持された二つのアーム4と、それら二つのアーム4を互いに逆方向へ移動させてそれらの間隔を開閉させるアーム移動機構5とを具えている。
ここで、吊ビーム2はその上面に、天井クレーンの二つのフック1とそれぞれ掛合する二つのフックピン2aを、それぞれ吊ビーム2の延在方向へ移動可能に有している。これにより、てこ棒2bをフックピン2aに掛合させて人手で水平に揺動させることでフックピン2aを移動させて、二つのフックピン2aの間隔を適宜に調整することができる。
ガイドビーム3はその両側部に、各々コ字状の二本のガイドレール3aを有しており、一方、二つのアーム4は主として厚板で形成されるとともに、各々その上端部に、ガイドビーム3を間に挟んで両側に二個ずつ車輪4aを設けられている。これらの車輪4aがガイドレール3a内に嵌まり合うことにより、二つのアーム4はそれぞれガイドビーム3に支持され、またこれらの車輪4aがガイドレール3a内を走行することにより、二つのアーム4はそれぞれガイドビーム3に沿って、図中実線で示す外側位置と図中仮想線で示す内側位置との間で水平移動することができる。
アーム移動機構5は、二つのアーム4の上端面にそれぞれ二本ずつガイドビーム3に沿って設けられたラック5aと、二つのアーム4のそれぞれの二本のラック5aに噛合する二つのピニオン5bを両端部に持つ二本の駆動軸5cと、それらの駆動軸5cをそれぞれチェーン駆動する二台の減速機付き電動機5dとを有している。二台の電動機5dがそれぞれ駆動軸5cをチェーン駆動して両端部のピニオン5bを回転させ、それらのピニオン5bがガイドビーム3に沿ってラック5aを移動させることにより、二つのアーム4はガイドレール3aの案内下で互いに逆方向へ移動する。
二つのアーム4はそれぞれ、その下部に円形の吊下げ穴4bを有しており、図3は、その吊下げ穴4bの周辺部を拡大して示す断面図である。図示のようにこの吊下げ穴4bは、上記厚板に形成された貫通穴4cの内側に上記厚板を挟持するように互いに固定された高強度の二本のリング4dによって画成されており、この吊下げ穴4bは、図2にも示すように、鋼板Sの長手方向一端部(図では上端部)の両脇にコ字状の切欠き部Cを設けることで形成された吊部Hと掛合することができる内径を有している。また、高強度の二本のリング4dは、鋼板Sの引き起こしの際に、吊部Hの回動による吊下げ穴4bの内周面の磨耗や変形等を防止する役割を果たす。
この実施形態の鋼板用吊具で鋼板Sを吊り上げる際には、先ず、天井クレーンでこの吊具を移動させて、水平に置かれている高温に加熱された鋼板Sの長手方向一端部の両脇の吊部Hの両外側に二つのアーム4を近づけて位置させる。次に、アーム移動機構5を例えば無線で遠隔操作して、二つのアーム4を互いの接近方向である閉方向に移動させてアーム4の円形の吊下げ穴4b内に内側から鋼板Sの吊部Hを挿入する。吊部Hがアーム4の吊下げ穴4b内に収まったら、天井クレーンで吊具ごと鋼板Sを吊上げてゆく。
これにより、鋼板Sの長手方向端部の両脇の吊部Hが二つのアーム4の吊下げ穴4b内で回動しながらその鋼板Sの長手方向端部が吊り上げられていって鋼板Sが縦吊り状態に移行してゆく。鋼板Sが垂直な縦吊り状態になったら、図4に示すように、天井クレーンでこの吊具ごと鋼板Sを吊上げて水槽T上に移動させ、次いで天井クレーンでこの吊具ごと鋼板Sを下降させ、鋼板Sを水槽T内に浸漬させて焼入処理を行なう。その際、二つのアーム4はアーム移動機構5の内部の摩擦あるいはそこに付加されたブレーキ機構により間隔が閉じた状態に維持されるので、鋼板Sの長手方向端部の両脇の吊部Hが二つのアーム4の吊下げ穴4b内から外れることはない。
そして焼入処理の終了後は、上記と逆の手順で鋼板Sを水平置き状態に戻した後、二つのアーム4をアーム移動機構5で互いに離間する方向へ移動させて、それらのアーム4の間隔を開くことで、それら二つのアーム4に設けた吊下げ穴4bが水平置き状態の鋼板Sの長手方向一端部の両脇の吊部Hから外側へ離脱する。以上で一連の動作が完了する。
従って、本実施形態の鋼板用吊具によれば、アーム移動機構5を遠隔操作することで、人が近づくことなく鋼板Sを吊上げることができるので、作業者が火傷する危険を無くすことができ、さらに、鋼板Sを起こす際には、アーム4の吊下げ穴4b内で鋼板Sの吊部Hが回動するので、荷振れが生じることもないため、鋼板Sが吊具から外れて落下する危険がなく、鋼板Sを安全に縦吊り状態に移行させることができる。
しかも、本実施形態の鋼板用吊具によれば、吊下げ穴4bの形状は円形であるので、鋼板Sが、図2中三点差線で示すように薄い場合だけでなく、図2中二点差線で示すように厚い場合等でも、吊下げ穴4b内で吊部Hが円滑に回動するため、鋼板Sの引き起こしが容易に行える上に、吊下げ穴4bの周囲のアーム寸法を均等に極小化することができるので、鋼板Sの長手方向端部の両脇に吊部Hを形成するための切欠き部Cを小さくし得て、切欠き部Cによる材料損失を少なくすることができる。
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、吊下げ穴4b内にはリング4dに代えてあるいは加えてラジアルベアリングを設けてもよく、このようにすれば、鋼板が厚い場合等でも吊下げ穴内で吊部がラジアルベアリングにより常に円滑に回動するため、鋼板の引き起こしをより容易に行うことができ、しかも吊部の回動に伴ってベアリングのインナーレースが回動するので、吊下げ穴の内周面の磨耗や変形等も防止することができる。
かくして本発明の鋼板用吊具によれば、アーム移動機構を遠隔操作することで、人が近づくことなく鋼板を吊上げることができるので、作業者が火傷する危険を無くすことができ、さらに、鋼板を起こす際には、アームの吊下げ穴内で鋼板の吊部が回動するので、荷振れが生じることもないため、鋼板が吊具から外れて落下する危険がなく、鋼板を安全に縦吊り状態に移行させることができる。
1 フック
2 吊ビーム
2a フックピン
2b てこ棒
3 ガイドビーム
3a ガイドレール
4 アーム
4a 車輪
4b 吊下げ穴
4c 貫通穴
4d リング
5 アーム移動機構
5a ラック
5b ピニオン
5c 駆動軸
5d 電動機
C 切欠き部
H 吊部
S 鋼板
T 水槽

Claims (3)

  1. 鋼板を縦に吊り上げる際に用いられる吊具において、
    クレーンで吊り下げられて水平に延在する吊ビームと、
    前記吊ビームに水平移動可能に支持された二つのアームと、
    前記二つのアームを互いに逆方向へ移動させてそれらの間隔を開閉させるアーム移動機構と、
    を具え、
    前記二つのアームは、前記鋼板の長手方向一端部の両脇に形成された吊部とそれぞれ掛合する吊下げ穴を有していることを特徴とする鋼板用吊具。
  2. 前記吊下げ穴の形状は円形であることを特徴とする、請求項1記載の鋼板用吊具。
  3. 前記吊下げ穴内にはラジアルベアリングが設けられていることを特徴とする、請求項2記載の鋼板用吊具。
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