JP2013091565A - 剥離工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】刃先を微小に潰した円弧状薄刃をホルダーに固定し、例えばホルダーの握り部分を粘着テープなどに平行の姿勢などとすることで刃先が剥離紙に接する角度を引っ掛け角度に設定し、刃先を剥離紙の端から5mm程度の位置にあてて、微速で移動することで剥離紙の端を滑らせて座屈させ、粘着テープから剥離紙を剥がす。
【選択図】図5
Description
一方、基材が弱い粘着テープ、薄い粘着テープ、両面が粘着面となっている両面テープ、重ね貼りの粘着強度が高い必要のある粘着テープ、型抜きした粘着シートなどは、剥離紙または剥離フィルムを粘着面に重ねたものが一般的である。剥離フィルムを保護フィルムという場合もある。
以後この書類では、剥離紙と剥離フィルムと保護フィルムなどを総称して剥離紙と記載する。粘着テープと粘着フィルムなどを総称して粘着テープと記載する。
B65H37/00*3F108JA00の中の関連テーマで権利化された代表的な特許と実用新案文献が特許文献1〜4である。
これらに共通していることは、剥離紙は切断しないで巻き取るなどし、粘着テープを被貼付物に転写する装置ということである。このことは、粘着テープと剥離紙を一緒に切断して貼り付けると、剥離紙の取り外しが面倒であるということに他ならない。
連続したテープではなく、独立した粘着フィルムを貼り付ける装置は、特許文献5にその例がある。この場合は、「保護フィルムに強粘着の剥離テープを貼着して、保護フィルムを粘着フィルムからめくりとる保護フィルム剥離機構」を設けている。ここでも、剥離紙の取り外しが面倒であるということが顕著となる。
一般家庭、事務所、小規模企業や部署、工事現場などにおいては、粘着テープは手作業で張られる場合がほとんどである。この場合、粘着テープと剥離紙は一緒に鋏などで切断し、手で貼り付けた後に、剥離紙を手作業で取り除く。剥離紙を一緒に貼り付けるのは、粘着テープ同士の誤粘着の防止、周辺への誤粘着の防止、汚れの防止、皺の防止など、作業を容易にするために必用なことである。配管現場でダクトへ粘着アルミテープを巻きつける場合も、剥離紙は端を剥いて、巻きつけながら順次剥がして行くのが普通である。
このような場合の道具として、特許文献6〜8の考案が公開されている。
特許文献6の方法では、粘着テープと剥離紙の間にヘラを刺しこみ、浮いた剥離紙をペーパーグリップで保持する。粘着テープと剥離紙の間にヘラを刺しこむことが難しいのであり、ペーパーグリップで保持する点を強調した考案に他ならず、剥離にはあまり適切な道具ではない。
特許文献7は剥離紙のみにスリットを入れる道具で、スリット部から剥がすのは比較的容易という発想のものであるが、貼り付ける前にスリット入れ作業が必要で面倒であり、また、剥離紙が1枚の両面テープは裏の粘着面が露出しているために、用具に差し込むことが出来ないので、普通の両面テープには使用できない。
特許文献7は剥離紙の分離に使用できるが、針であるために微小にしか刺すことが出来ず、引掛けが小さくて分離力が弱いので、テープの端から略2mm以内に刺さなければ有効でない。使用方法によっては粘着テープやひどい場合は被貼付物に穴や引っかき傷をあけることもある。
最近は剥離紙を固めのフィルムとした両面テープも売り出されている。剥離紙の曲げ剛性を高めて、粘着テープとの分離をし易くするためと思われるが、粘着テープが薄くて被貼付物が固い平面の場合は従来のものと大差はなく、爪やカッターでほじくる必用があり、前記の問題点は解消してはいない。
ゴム吸盤で吸い付ける方法は全く効果が無かった。
強い粘着材で貼り付けて剥こうとしたが全く効果が無かった。
最近売り出されている吸着シートも全く効果が無かった。
手動ピストンで圧縮空気を送ってみたが、色々な試みをしても効果はなかった。
手動ピストンで吸引を試みたが全く効果が無かった。
特殊な形状の切刃をホルダーの端に装着した工具で、粘着テープの端から5mm,位の許容範囲の中で剥離紙側から切り込ませ、回転と移動の動作をすることで、剥離紙のみに刃部を深く食い込ませ、切刃のないスクイ面で持ち上げることにより、剥離紙のみを粘着テープから剥がすことを特徴とする。
図1で形状と動作を説明する。試みた切刃10は厚さ0.5mm長さ5mm前後の小さなもので、半径10mm程度の円弧状の刃11を持っている。円弧の端から50度前後のスクイ角のスクイ面12があり、このスクイ面には切刃はない。スクイ面の長さは略3mmである。この円弧の端を切っ先13と称する。切っ先13はホルダー15のほぼ中心に位置し、刃部の円弧の中心14はホルダー15のほぼ中心に位置している。ホルダー15は長さ100mm程度あれば良い。
ホルダー15を親指と残りの2〜4本の指ではさむ。この時、切っ先13を親指側とする。親指の方向にホルダー15を10度〜20度程度傾けて、剥離紙16の端から略5mm以内の位置に切っ先13を切り込む。
対向する指で親指を中心にホルダー15を軽く回転するようにすくうと、親指は反力で逆側に移動するが、この時切っ先13には剥離紙16に入り込むような力と、円弧状の切刃11が剥離紙16を切断する動作と切っ先13が上昇する動作が生じ、切っ先13のスクイ面12が剥離紙16を持ち上げながら、切っ先13は剥離紙16の裏に深く挿入される。
この時点で剥離紙16は粘着テープ17から浮き上がった状態となっている。そのままホルダー15を持ち上げると、剥離紙16はスクイ面12にすくわれたままで完全に剥離される。
両面テープの被貼付物が薄紙のような場合や、配管のシールに使用するアルミテープのような場合は、剥離力に負けて被貼付物やテープ本体が座屈を起こす場合がある。このような時は、被貼付物やテープ本体を軽く屈曲させて腰を作り、その腰のついた部分で同様の動作を行うと、剥離紙のみが剥離できる。
一つは、粘着テープや場合によっては被貼付物に切り傷をつける。
一つは、使い方にコツが必用である。
一つは、稀に切っ先で剥離紙が破れてしくじる場合がある。
発明者の意図する、使いやすさ・確実さ・意匠的に展開できる簡単な構造、という目標からすると、この方法は前2つの目標で不満足と結論付けた。
また、被貼付物に貼り付ける前の粘着テープ、例えば配管のシールに使うアルミテープなどの剥離紙の端を簡便に剥がす工具を提供することである。
図2は、本発明に使用する刃20の説明図である。厚さが略0.5mm、半径が略40mmの円弧状の刃で、刃面27は略10度の鋭い角度25を有する、刃先26は剃刀のような切刃の先端を微小に潰したものである。
図5のように、この刃20を略30度の角度で剥離紙16に接する。この角度を守りやすくするホルダーの形状例を図3に示す。図3のホルダー30では握り部分を粘着テープ17に略平行に把持する。刃20を剥離紙16と平行に移動すると、極薄の刃先26には剥離紙に食い込むような力が働く。極薄の刃先26は剥離紙に微小な凹みを作り、刃先26は凹みにひっかかる状態となる。そのままゆっくりと移動すると、剥離紙16の端52は粘着テープ17上を滑り、剥離紙16には刃20の直前に座屈部分53ができて盛り上がる。
盛り上がった剥離紙16を把持して持ち上げれば、剥離紙16を粘着テープ17から完全に剥がすことができる。
剥離紙16の座屈部分53は指62と刃20の間にはさまっており、指62を沿わせたまま刃20を持ち上げることで剥離紙16全体を剥がすことができて便利であるので、この方法は固い被貼付物などの場合にも適用すると良い。
刃をテープに載せて微動する動作だけで剥離紙を剥がすことができる。
ホルダーなどを刃の適正姿勢が分かる形状とすると、剥離紙を引っ掛ける刃の角度を略一定とすることが出来て、作用が確実である。
剥離紙の表面だけを引っ掛けるので、粘着テープと被貼付物に損傷を与えない。
作用させる位置も、テープの端から略5mm以内というラフな範囲であり、気遣いも少ない。
簡単な構造なので、色々な向きで使うことが出来る。
簡単な構造であり、刃先の近くに覗き穴を設けると、手隠れとなる部分はほとんど無い。
円弧状の刃なので、刃をあてる時に厳密な姿勢を必要としないので使いやすい。
円弧状の刃なので、刃の角が剥離紙を破ることがない。
円弧状の刃なので、剥離紙の一部に応力が滑らかに集中し、小さな力で剥離させることができる。
極めて鋭い角度の刃は先端が微小に潰してあるので、安全である。
極めて鋭い角度の刃は先端が微小に潰してあるので、寿命が長い。
薄紙に貼り付けた両面粘着テープや単独のアルミテープのように本体が座屈を起こしやすい場合でも、指を添えるだけで被貼付物本体や粘着テープ本体の座屈を防いで、剥離紙のみを剥ぐことができる。
小型の道具に出来るので、保管や携帯に便利である。
工事現場でも携帯し、手袋をつけたままでも使用することができる。
この剥離原理は機械装置にも応用できる。
刃の研ぎ側27を下にして、刃20をホルダー30にM3のナベ小ねじ33で固定した。図5のようにホルダー30の握り32を粘着テープ17と略平行に置くと、下の刃面27と剥離紙16の角度は略30度となる。
刃の移動速度は5mm/秒程度である。粘着材は非常に粘性の高い液体のようなものであるので、移動速度を小さくすると粘性抵抗も小さくなる。粘性抵抗が小さいと粘着テープにかかる力は小さくなり、粘着テープ17は被貼付物54に張り付いて不動のままで、剥離紙16のみを滑らせることができる。
剥離紙16の座屈で浮いた部分53は簡単に把持できるので、把持して持ち上げることで剥離紙16を粘着テープ17から完全に剥がすことができる。
薄い両面テープでも厚みのある両面テープでも上手く作用した。
上質紙のメモ用紙に薄い両面テープを貼ったものでも、指を添えることで、剥離紙を上手く剥がすことができた。
刃先は略円弧と記したが、円弧に限るものではなく、滑らかであれば、楕円などの他の曲線でも差し支えない。このような刃のカーブをこの書類では「円弧状」と表現する。
刃先の円弧の半径は略40mmと記したが、この径に限るものではない。大きい半径でも可であるが、同じ刃巾で比較すると、剥離紙に接する時のローテーション方向の許容角度が小さくなる。刃巾が6mmで半径13mmの刃も試したが、巾が狭くて半径が小さくなると剥離紙に刺さりやすくなる。
実施例1に記載したのは、刃先の角度を略7度で試作したものであるが、略5度、略10度、略17度なども試作した。何れの角度でも機能するが、7度から10度程度が使い良い。刃先の薄さが有効であるので、あまり大きな角度は好ましくはない。
刃20は片刃で説明したが、両刃としても差し支えない。
刃先下面と粘着テープの角度を略30度と記したが、30度に限るものではない。角度が小さすぎると食い込みが悪くなり上から押すことが必要になり、スリップして剥離紙を削ることもある。大きすぎると食い込み力が大きくなり使い難い。30度前後、20〜40度あたりが好ましい。このような角度を本書類では「引っ掛け角度」と表現する。
鋭利な刃先を作ってからヤスリで刃先を潰したと記したが、このような作成方法に限るものではない。回転砥石でのフォーミング段階で所定の刃先厚さを残すように研磨しても良い。このような状態を本書類では「切刃を微小に潰す」と表現する。
切刃を微小に潰すのは全体である必用はない。剥離紙に最初に接する部分の周辺以外は切刃のままでも差し支えない。
テープの端から略5mmと記したが、テープの種類によってはさらに大きな寸法をとることもできる。
刃の移動速度の目安を数値で記したが、適正最高速はテープの種類や被貼付物の種類により変化するものであり、ここの数値に限るものではない。
剥離紙が座屈すると記したが、剥離紙が微小の場合は座屈しないで全体が剥がれることもある。
ホルダーは「く」の字型の押し使いとして説明したが、この形に限るものではない。「レ」の字形で引き使いとしても良いし、握り部分を垂直にするような形状もある。単純に棒状のホルダーとしても慣れれば使用できる。握り部分を姿勢の目安としなくても、図4のように、刃の上端を所定角度に曲げるなど、姿勢を示すケージとなる部位41が付属していても良い。刃に図4のような部位をつけると、刃を裏返しに取り付けるミスも避けられる。なお、このような目安とする部位は刃につけるだけには限らない。
ホルダーは一体のものとして説明したが、屈曲部から折り曲げられるようにすると、収納や携帯に便利であり、刃の保護にもなる。
ホルダーは固い材料で作成したが、バネ性のある材料としても良いし、バネ機構を組み込んでも良い。
刃をホルダーにネジ止めしたが、他の固定方法でも差し支えない。
実施例1は手動工具として説明したが、この方法は機械装置の一部としても使用できる。
刃先と1mm程度の間隙を持つグリップ部材を刃先近傍に取り付けると、剥離紙の座屈部分が刃とグリップの間に挟まれ、剥離紙をグリップしたまま持ち上げることもできる。
機能ユニットとして機械装置に組み込むことにより、剥離紙を予め除去した粘着テープを転写する方法以外にも装置設計の自由度が広まり、独立した粘着シートを貼り付けてから剥がす装置に於いても、より安価なエコな方法として採用することができる。
11 刃
12 スクイ面
13 切っ先
14 刃部の円弧の中心
15 ホルダー
16 剥離紙
17 粘着テープ
18 作業台
20 刃
21 巾
22 刃先
23 穴
24 溝
25 刃先角度
26 刃先
27 刃面
30 ホルダー
31 端面
32 握り
33 ねじ
41 ゲージ部位
51 テープの端
52 剥離紙の端
53 座屈部分
54 被貼付物
61 アルミテープ
62 人差し指
Claims (3)
- 鋭い刃先角度を持った円弧状の刃の少なくとも一部の切刃を微小に潰し、刃先を剥離紙の端近傍に引っ掛け角度に接し、切刃の方向に刃を微速で移動することで剥離紙の少なくとも一部を滑らせる、粘着テープなどの剥離紙の剥離方法。
- 刃の少なくとも一部の切刃を微小に潰した鋭い刃先角度を持った円弧状の刃をホルダーに取り付けた粘着テープなどの剥離紙の剥離工具。
- 刃の少なくとも一部の切刃を微小に潰した鋭い刃先角度を持った円弧状の刃をホルダーに取り付け、刃が剥離紙と引っ掛け角度となる姿勢を示す目安となる部位を持つ、粘着テープなどの剥離紙の剥離工具。
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