JP2013082199A - 積層シート及び発泡積層シート - Google Patents

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Abstract

【課題】基材上に消臭剤含有樹脂層が形成されており、優れた消臭性能及び臭気成分分解性能を有し、且つ耐汚染性の高い積層シート及び発泡積層シートを提供する。
【解決手段】基材1上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層3及び消臭剤含有樹脂層6が順に形成されており、前記消臭剤含有樹脂層は、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、臭気成分を吸着する有機系吸着剤、並びに樹脂成分を含む層である積層シート、並びに、当該積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層シート及び発泡積層シートに関する。前記発泡積層シートは、発泡樹脂層を有しており、発泡壁紙及び各種装飾材等として有用である。また、前記積層シートは、前記発泡積層シートの発泡前の状態であり、いわゆる未発泡原反を意味する。
近年、住宅環境ではエネルギー効率を向上させた高気密性の住宅が増えている。しかしながら、室内の気密性が高くなると、タバコの煙や人間等から発生する臭いが気になるため、消臭機能を有した建築用内装材の開発が求められている。特に、内装部材として最も大きな面積を有する壁材に消臭機能を付与することが有効と考えられている。
例えば、臭気成分を吸着除去するとともに、光触媒により抗菌作用を発揮させる目的で、表面に光触媒、吸着剤及び結合材を含む層を備えた建築材料(例えば、壁紙)が提案されている(特許文献1)。このように表面層に光触媒及び吸着剤を配合させた場合、吸着剤により吸着された臭気成分は、光触媒によって酸化分解することができる。
しかしながら、光触媒は有機物を分解するため、壁紙を構成する光触媒を含む層に、消臭能力の高い有機系吸着剤を同時に使用することができず、また有機樹脂からなる結合材(バインダー)も同時に使用することができない。その結果、光触媒を含む層には、無機系吸着剤及び無機系結合材を使用しなければならず、消臭能力及び耐汚染性が不十分という問題があった。
従って、基材上に消臭剤含有樹脂層が形成された発泡積層シートにおいて、優れた消臭性能及び臭気成分分解性能を有し、かつ耐汚染性の高い発泡積層シート、並びに、当該発泡積層シートの製造に有用な、積層シート(未発泡原反)の開発が望まれている。
特開平9−300515号公報
本発明は、基材上に消臭剤含有樹脂層が形成された発泡積層シートにおいて、優れた消臭性能及び臭気成分分解性能を有し、且つ耐汚染性の高い発泡積層シートを提供することを目的とする。また、当該発泡積層シートの製造に有用な、積層シート(未発泡原反)を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層及び消臭剤含有樹脂層が順に形成されており、前記消臭剤含有樹脂層に、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、臭気成分を吸着する有機系吸着剤、並びに樹脂成分を含有する積層シートによれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層シート及び発泡積層シートに関する。
1.基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層及び消臭剤含有樹脂層が順に形成された積層シートであって、
前記消臭剤含有樹脂層は、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、臭気成分を吸着する有機系吸着剤、並びに樹脂成分を含む層である積層シート。
2.前記無機物が、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、リン酸マグネシウム及び珪酸マグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記項1に記載の積層シート。
3.前記酸化物半導体が、TiO2、CdS、CdSc、WO3、Fe2O3、SrTiO3及びKNbO3よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記項1又は2に記載の積層シート。
4.前記無光触媒が、チタン、セリウム及びジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むリン酸塩である、上記項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
5.前記樹脂成分が、水性樹脂である、上記項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
6.前記有機系吸着剤が、有機無機複合吸着剤である、上記項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
7.前記有機無機複合吸着剤が、アミン化合物を含む、上記項6に記載の積層シート。
8.前記発泡剤含有樹脂層と前記消臭剤含有樹脂層との間に、中間層が形成されている、上記項1〜7のいずれかに記載の積層シート。
9.前記中間層が、臭気成分を吸着する有機系吸着剤を含む、上記項8に記載の積層シート。
10.前記中間層が、更に無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒を含む、上記項9に記載の積層シート。
11.前記基材が、繊維質シートである、上記項1〜10のいずれかに記載の積層シート。
12.上記項1〜11のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
以下、本発明の積層シートについて詳細に説明する。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層及び消臭剤含有樹脂層が順に形成され、前記消臭剤含有樹脂層は、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、臭気成分を吸着する有機系吸着剤、並びに樹脂成分を含む層であることを特徴とする。以下、「臭気成分を吸着する有機系吸着剤」は、単に「有機系吸着剤」と略記する。
上記特徴を有する本発明の積層シートは、発泡剤含有樹脂層上に消臭剤含有樹脂層を備え、前記消臭剤含有樹脂層が、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、有機系吸着剤及び樹脂成分を含むことで、優れた消臭性能及び臭気成分分解性能を有し、かつ高い耐汚染性を有し、また層間の密着性の向上も期待できる。
更に、本発明の積層シートは、発泡剤含有樹脂層と前記消臭剤含有樹脂層との間に中間層が形成されていてもよく、前記中間層が、有機系吸着剤、並びに無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒を含んでいてもよい。係る構成を備えることで、更に高い消臭性能及び臭気成分分解性能が得られる。
基材
基材としては限定されず、公知の繊維質シート(裏打紙)などが利用できる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜120g/m2程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層
本発明で用いる発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂を含有することが好ましく、1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)の少なくとも1種を含有することが好ましい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
これらのエチレン共重合体は単独又は2種以上を混合して使用できる。これらのエチレン共重合体の中でも特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種が好ましく、これらと他の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体は、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜100g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤及びセル調整剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましくは7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.001〜20質量部程度が好ましく、0.001〜10質量部程度がより好ましい。
また、セル調整剤として、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、EMAAのカルボキシル基と発泡助剤が反応することにより本来の発泡助剤の効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009−197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。電子線照射により樹脂架橋を行うことで、樹脂層の表面強度を向上させたり、発泡特性を調整したりすることができる。発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する方法及び発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すればよい。なお、発泡剤含有樹脂層の厚さは40〜100μm程度が好ましく、発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度が好ましい。
非発泡樹脂層
前記発泡剤含有樹脂層のおもて面には非発泡樹脂層Aを有することが好ましい。非発泡樹脂層Aは、発泡樹脂層を形成する際の発泡工程で発泡剤から生じる発泡ガス等の揮発成分による消臭性能及び臭気成分分解性能の低下を防止する機能を有する。
具体的には、後述する無機物を担持した、若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、並びに有機系吸着剤等の触媒機能及び吸着機能を有する物質(表面)への前記発泡ガスによる悪影響を防止できる。また、非発泡樹脂層Aを有することで、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする(発泡樹脂層を保護する)こともできる。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、エチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、他の(メタ)と記載された部分についても同様である。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、3〜50μm程度が好ましく、3〜20μm程度がより好ましい。
本発明では、更に、発泡剤含有樹脂層の裏面(基材が積層される面)に、基材との接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
非発泡樹脂層B(接着樹脂層)の厚さは限定的ではないが、3〜50μm程度が好ましく、3〜20μm程度がより好ましい。
本発明では、後記製造上の観点からも、基材上に非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成された態様が好ましい。
絵柄模様層
発泡剤含有樹脂層(発泡剤含有樹脂層のおもて面に非発泡樹脂層Aを備える場合は、非発泡樹脂層A)と消臭剤含有樹脂層との間には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類により異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
消臭剤含有樹脂層
本発明の積層シートは、優れた消臭性能及び臭気成分分解性能を備え、かつ耐汚染性を向上させる目的で、発泡剤含有樹脂層(発泡剤含有樹脂層のおもて面に非発泡樹脂層Aを備える場合は、非発泡樹脂層A)の上に、消臭剤含有樹脂層が形成されている。この消臭剤含有樹脂層は、有機ガスによるシックハウス、ペット臭、タバコの煙や人間等から発生する臭い等の生活臭の原因となる臭気成分(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アンモニア等)を、触媒作用により分解することによる消臭機能と、臭気成分を吸着することによる消臭機能を有する。特に吸着作用により捕捉された臭気成分を触媒作用により分解するという機構により、各々の作用の相乗効果によって、極めて効率的に消臭機能を発現するものである。
消臭剤含有樹脂層は、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、有機系吸着剤、並びに樹脂成分を含む層である。
無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体について説明する。
「担持」とは、酸化物半導体の表面に無機物が結着している状態であり、「被覆」とは、酸化物半導体の表面全体に無機物が結着している状態である。そして、酸化物半導体(例:TiO2)が中心部分(コア部)を構成し、その表面に無機物(例:ハイドロキシアパタイト)が存在する。酸化物半導体の触媒活性により臭気成分分解性能を発揮しつつも、表面に無機物を備えることによって、有機系の樹脂バインダーや有機系吸着剤の分解が抑制されている。
前記無機物は、樹脂分解能力がなく安定であり、タンパク質吸着能力に優れるという理由から、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、リン酸マグネシウム及び珪酸マグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。リン酸カルシウムとしては、フッ素燐灰石Ca5(PO4)3F、塩素燐灰石Ca5(PO4)3Cl、水酸燐灰石(ハイドロキシアパタイト)Ca5(PO4)3(OH)、炭酸フッ素燐灰石Ca5(PO4,CO3)3F及び炭酸水酸燐灰石Ca5(PO4,CO3)3(OH)がある。アパタイトとは、燐灰石のことである。
前記酸化物半導体は、触媒活性が高いという理由から、TiO2、CdS、CdSc、WO3、Fe2O3、SrTiO3及びKNbO3よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記酸化物半導体の粒子径は、材料設計上、無機物を担持し易く、或いは無機物で被覆され易いという理由から、5〜500nmが好ましく、10〜400nmがより好ましく、20〜250nmが更に好ましい。
消臭剤含有樹脂層中の、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体の含有量は、消臭剤含有樹脂層と隣接する下層との密着性と、臭気成分分解性能との両立という観点から、後述する樹脂成分100質量部に対して0.1〜80質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
無光触媒について説明する。
無光触媒とは、臭気成分の分解時に光(紫外線、可視光線)を必要としない触媒である。
無光触媒は、高活性であるという理由から、チタン、セリウム及びジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むリン酸塩であることが好ましく、リン酸チタニウム系化合物がより好ましい。リン酸チタニウム系化合物としては、例えば、Ti(OH)(H2PO4)2(OR)、Ti(OH)(PO4)、Ti(OH)2(H2PO4)(OR)、Ti(OH)(HPO4)(OR)、Ti(OH)(HPO4)(H2PO4)、Ti(OH)2(H2PO4)2、Ti(OH)3(H2PO4)又はこれらの縮合体などが使用できる。ここでRは炭素数1〜4のアルキル基である。
無光触媒の粒子径は、インキ安定性と触媒活性が高いという理由から、1〜500nmが好ましく、5〜400nmがより好ましく、10〜250nmが更に好ましい。
消臭剤含有樹脂層中の無光触媒の含有量は、消臭剤含有樹脂層と隣接する下層との密着性と、消臭性能との両立という観点から、後述する樹脂成分100質量部に対して0.1〜80質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
有機系吸着剤について説明する。
有機系吸着剤とは、有機物から構成される、臭気成分を吸着することによる消臭作用を有する吸着剤である。本発明では、有機系吸着剤を使用することにより、化学結合によって臭気成分を吸着できるので、吸着した臭気成分が再放出されるおそれが低い。
有機系吸着剤としては、例えば、植物系又は動物系の油脂等に由来する天然物吸着剤やSO3H、COOH、NH2等の官能基を付与したスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等(イオン交換樹脂)の合成高分子吸着剤が挙げられる。また、本発明では、有機系吸着剤には後述する有機無機複合吸着剤が含まれるものとする。有機系吸着剤は、耐熱性が高く色変化が少ない等の理由からは、有機無機複合吸着剤であることが好ましい。
有機無機複合吸着剤とは、無機物の表面から有機物の官能基がでている吸着剤であり、具体的には、例えば、無機材料に水酸基、アミン類、尿素類、アミド類、イミド類、ヒドラジド類、アゾール類、アジン類等の有機化合物を担持したものが挙げられる。担体として使用できる無機材料としては、耐熱性の点から、二酸化ケイ素、活性炭、セピオライト、雲母等が挙げられる。前記官能基は対象とする臭気成分に応じて選択すればよく、例えばアルデヒド吸着を目的とする場合にはアミン化合物を含む有機無機複合吸着剤を用いることが好ましい。アミン化合物を含む有機無機複合吸着剤を用いることにより、アミン化合物末端のアミノ基がアルデヒドと反応し(CH3CHO+H2N−→CH3CH(OH)NH−<シッフ反応>)、アルデヒドが除去される。
有機無機複合吸着剤の平均粒径は限定的ではないが、1〜12μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。ここで、本明細書における平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した値である。また、有機無機複合吸着剤の比表面積は限定的ではないが、400〜900m2/gが好ましく、500〜900m2/gがより好ましい。ここで、本明細書における比表面積は、BET法により測定した値である。
アミン化合物を含む有機無機複合吸着剤としては、例えば、東亞合成株式会社製の「ケスモンNS−231」が知られている。
消臭剤含有樹脂層中の有機系吸着剤の含有量は、消臭剤含有樹脂層と隣接する下層との密着性と消臭性能との両立という観点から、後述する樹脂成分100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましい。
樹脂成分(造膜性樹脂成分)について説明する。
樹脂成分としては、消臭剤含有樹脂層を形成する造膜性樹脂成分であれば限定されず、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が広く使用できる。
その中でも、発泡積層シート(発泡壁紙)の表面強度(耐スクラッチ性等)、耐汚染性及び絵柄模様層の保護等を目的とする場合には、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂が好適である。
電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのプレポリマーの中でも、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
また、樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂等、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂等の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂も使用できる。これらの熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の中でも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等が好ましい。
樹脂成分としては、消臭剤等と混合してインキ化した際の安定性を考慮すると水性樹脂を用いることが好ましい。水性樹脂としては、例えば、水性のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。
消臭剤含有樹脂層を最表層とする場合には、艶調整のためには、シリカなどの既知フィラーを含有しても良い。また、消臭剤含有樹脂層には、シリコーン樹脂、増粘剤及び消泡剤等の添加剤も加えることで、例えば、積層シート及び発泡積層シートを、壁紙として使用した場合に、滑り性や汚れの拭取り易さを付与することができる。なお、必要に応じて、抗菌剤、抗アレルゲン剤等を添加して機能性を付与してもよい。
消臭剤含有樹脂層中のシリコーン樹脂の含有量は、滑り性や汚れの拭取り易さを付与するという観点からは、前述の樹脂成分100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。
本発明の消臭剤含有樹脂層は、例えば、前記無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、有機系吸着剤、並びに樹脂成分を溶媒に分散させた分散液を、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート、又はハケ塗りなどの方法により、発泡剤含有樹脂層上(又は、非発泡樹脂層A若しくは絵柄模様層上)に塗布し、その後、分散液中の溶媒を除去し得る温度で加熱・乾燥する方法が挙げられるが、該方法に限定されるものではない。乾燥が完了した後、30〜60℃程度の温度で所要時間エージングを行うこともできる。これにより、コーティングした消臭剤含有樹脂層の剥離強度を向上させることができる。
また、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂を用いる場合は、前記分散液を塗布後、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等の電離放射線を照射して硬化させる。この中でも、特に紫外線又は電子線を用いることが好ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーは、100〜1000kV程度が好ましく、100〜300kV程度がより好ましい。電子線の照射量は、20〜150kGy程度が好ましい。
消臭剤含有樹脂層の厚さは限定的ではなく、目的、用途に応じて、塗布量(乾燥重量)に換算して、0.2〜5g/m2程度の範囲で塗布することが好ましい。
中間層
本発明の積層シートは、発泡剤含有樹脂層(発泡剤含有樹脂層のおもて面に非発泡樹脂層Aを備える場合は、非発泡樹脂層A)と消臭剤含有樹脂層との間、絵柄模様層を備える場合は、発泡剤含有樹脂層(発泡剤含有樹脂層のおもて面に非発泡樹脂層Aを備える場合は、非発泡樹脂層A)と絵柄模様層との間、及び絵柄模様層と消臭剤含有樹脂層との間等、各層の間には必要に応じて、中間層が形成されていてもよい。
中間層を設けることで、発泡剤含有樹脂層(発泡樹脂層)及び絵柄模様層を保護することができ、積層シート(発泡積層シート)の表面物性を更に向上させることができる。また各層間の密着性を向上させることができる。また、加熱発泡の際、下層(発泡剤含有樹脂層や非発泡樹脂層A)の表面が融解して上層の消臭剤が下層に取り込まれてしまう(消臭剤の樹脂中への落ち込み)ことがあるが、中間層によりそれを防ぐことができる。
中間層は、樹脂組成物を塗工することにより形成される層であってもよく、製膜された又は溶融成型されたフィルムにより形成される層であってもよい。中間層を形成する樹脂の種類や形成方法を適宜選定することにより、プライマー層及び透明性樹脂層(フィルム層)等、目的に応じた機能を有する層とすることができる。
プライマー層
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の中から、プライマー層の隣接層の種類に応じて接着性の向上などを考慮して適宜選択できる。特にアクリル系樹脂又はウレタン−アクリル系樹脂を用いることで高い密着性を得ることができる。
プライマー層の塗布量は限定的ではないが、0.2〜5.0g/m2程度が好ましく、0.5〜2.0g/m2程度がより好ましい。
透明性樹脂層(フィルム層)
透明性樹脂層は透明である限り着色されていても良い。透明性樹脂層を絵柄模様層のおもて面に形成する場合は、絵柄模様層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
透明性樹脂層は、ポリエチレン及び/又はエチレン共重合体を含有する層であることが好ましい。ポリエチレン及び/又はエチレン共重合体としてはエチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂ケン化物、アイオノマー等が挙げられるが、本発明では、特にエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用することが好ましい。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には3〜30μm程度が好ましく、5〜20μm程度がより好ましい。
透明性樹脂層の表面であって、表面保護層を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
中間層は、前述した消臭性能の向上や目的ガスに応じた材料選定という理由から、前記消臭剤含有樹脂層で説明した有機系吸着剤を含むことが好ましい。中間層中の有機系吸着剤の含有量は、消臭性能の向上や目的ガスに応じた材料選定という観点から、中間層を形成する樹脂成分100質量部に対して0.1〜80質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。
また、中間層は、更に、前述した分解能力の付与という理由から、前記消臭剤含有樹脂層で説明した、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒を含むことが好ましい。中間層中の無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒の含有量は、分解能力の付与という観点から、中間層を形成する樹脂成分100質量部に対して0.1〜80質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。
≪発泡積層シート≫
本発明の発泡積層シートは、上記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。発泡時の加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
エンボス
本発明の積層シートは、おもて面からエンボス加工されていてもよい。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、消臭剤含有樹脂層のおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
≪発泡積層シートの製造方法≫
発泡積層シートの製造方法としては、例えば、基材上に、発泡剤含有樹脂層及び消臭剤含有樹脂層を順に形成して積層シートとし、次いで熱処理することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層にすることにより製造できる。
発泡剤含有樹脂層のおもて面に非発泡樹脂層Aを有する場合は、基材上に発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層AをTダイ押出し機により同時押出しし、予熱した基材に貼り合わせて積層体を得る。2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出す場合には、2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、基材上に同時積層(成膜)する。基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため基材と接着される。また、予め2種2層を同時成膜した積層体を用意して、それを基材上に載せて、熱ラミネートすることにより基材と接着してもよい。
発泡剤含有樹脂層がその両面に非発泡樹脂層を有する場合(非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B)には、3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイ押出し機を用いて、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出し製膜して積層体を用意して、それを基材上に載せて、熱ラミネートすることにより基材と接着してもよい(非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/基材)。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層を製膜後は、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度及び発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。この電子線照射は、絵柄模様層や表面保護層を形成した後でもよい。
基材上に積層後は、発泡剤含有樹脂層上(非発泡樹脂層Aを同時積層(成膜)する場合は、非発泡樹脂層A上)に、必要に応じて絵柄模様層及び中間層を形成した後、消臭剤含有樹脂コーティング液を塗工することにより、消臭剤含有樹脂層を形成することができる。これらの各層は、印刷及び塗布等のコーティング、押出し製膜等を組み合わせることにより積層することも可能である。印刷及び塗布等のコーティングは常法に従って行える。
次に、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成し、発泡積層シートとする。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
次に、発泡積層シートのおもて面からエンボス加工を施しても良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等の手段により実施することができる。例えば、消臭剤含有樹脂層のおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することによりエンボス模様を賦型できる。
積層シート(発泡積層シート)の形成態様
本発明の積層シート(発泡積層シート)では、例えば、図1〜3に示すように、発泡剤含有樹脂層上に消臭剤含有樹脂層が形成されている。
形成態様1
図1に示すように、基材1上に、発泡剤含有樹脂層3及び消臭剤含有樹脂層6を形成することができる。更に、発泡剤含有樹脂層3がその両面に非発泡樹脂層を有する(基材1側から、非発泡樹脂層B2/発泡剤含有樹脂層3/非発泡樹脂層A4)ことが好ましい。また、絵柄模様層5を形成する態様であってもよい。
形成態様2
図2に示すように、絵柄模様層5と消臭剤含有樹脂層6との間に中間層としてフィルム層7を設けることが好ましい。フィルム層7は、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であることが好ましい。このとき、フィルム層7には、消臭剤含有樹脂層6と同様に、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、並びに有機系吸着剤を含むことが好ましい。フィルム層7を設けることにより、各層間の密着性の向上及び消臭剤の樹脂中への落ち込み防止という効果を得ることができる。更に、フィルム層7が、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、並びに有機系吸着剤を含むことで、消臭性能向上の効果を得ることができる。
形成態様3
図3に示すように、絵柄模様層5と消臭剤含有樹脂層6との間に中間層としてプライマー層8を設けることが好ましい。プライマー層8は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂からなる層であることが好ましい。このとき、プライマー層8には、消臭剤含有樹脂層6と同様に、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、並びに有機系吸着剤を含むことが好ましい。プライマー層8を設けることにより、各層間の密着性を向上させることができる。更に、プライマー層8が、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、並びに有機系吸着剤を含むことで、消臭性能向上という効果を得ることができる。
本発明の積層シートは、基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層及び消臭剤含有樹脂層が順に形成された積層シートにおいて、前記消臭剤含有樹脂層に、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、有機系吸着剤、並びに樹脂成分を含有させることにより、優れた消臭性能及び臭気成分分解性能を有し、且つ耐汚染性の向上させることができる。
形成態様1の積層シートの断面図である。 形成態様2の積層シートの断面図である。 形成態様3の積層シートの断面図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
消臭性能を有する発泡積層シート(壁紙)を以下に記載する方法で作製した。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み15μm/100μm/10μmになるように押出し製膜した。基材としては、裏打紙「WK−FKKD(興人(株)製)、坪量:60g/m2」を用意し、これを90℃に加熱した後、上記3層を積層し、これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/基材からなる積層体を得た。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は140℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は120℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも120℃とした。次に、積層体の表面強度を向上させる目的で、非発泡樹脂層A側から電子線(200kV,50kGy)を照射して発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層A及びBを架橋させた。
図1(形成態様1)に示すように、上記積層体の非発泡樹脂層Aの上にグラビア印刷により、水性インキ(大日精化工業(株)製、商品名:ハイドリック)を用いて布目模様(絵柄模様層)を印刷した。次いで、最表層として、消臭剤含有樹脂層(消臭剤含有コーティング液)を乾燥後の質量が1g/m2となるように印刷して設け、積層シートを得た。
次に、前記積層シートを発泡炉で加熱(230℃で35秒)し、発泡剤含有樹脂層を発泡させた。次いで、発泡体の表側にエンボス版を用いてエンボス加工を施して、布目模様を形成し、発泡積層シート(発泡壁紙)を得た。
各樹脂層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層A及びBは、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA樹脂)「エバテートCV5053(VA含有量:20質量%、MFR=70)、住友化学(株)製」により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA樹脂)「エバテートCV5053(VA含有量:20質量%、MFR=70)、住友化学(株)製」100質量部、発泡剤「ADCA#3、永和化成製」4質量部、充填剤(炭酸カルシウム)「ホワイトンH、白石工業製」30質量部、顔料(二酸化チタン)「タイピュアR−108、デュポン製」20質量部、発泡助剤「アデカスタブOF−101、(株)ADEKA製」1質量部及び架橋剤「オプスターJUA−702、JSR(株)製」1質量部により形成した。
消臭剤含有樹脂層(消臭剤含有コーティング液)は、有機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)「ケスモンNS−231、東亞合成(株)製」70質量部、無機物で被覆された酸化物半導体(アパタイト(リン酸カルシウム)被覆酸化チタン「F4T−20AF、(株)ナノウェイヴ製」)30質量部、シリコーン樹脂「KP−361、信越シリコーン製」20質量部及び樹脂成分(水性アクリル樹脂)100質量部を含むインキにより形成した。
実施例2
消臭剤含有コーティング液に、シリコーン樹脂を含まずに消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例3
消臭剤含有コーティング液に、無機物で被覆された酸化物半導体に替えて、無光触媒(リン酸チタニウム系化合物「エコキメラ、(株)YOOコーポレーション製」)を用いた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例4
消臭剤含有コーティング液に、シリコーン樹脂を含まずに消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、実施例3と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例5
図2(形成態様2)に示すように、絵柄模様層と消臭剤含有樹脂層との間にフィルム層(エチレン−ビニルアルコール共重合体EVOH)を設けた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。フィルム層には、(株)クラレ製、商品名「エバールフィルム HF−ME」(フィルム厚み:12μm、エチレン含有量44mol%)を用いた。
実施例6
消臭剤含有コーティング液に含まれる有機系吸着剤として、有機吸着剤(天然吸着剤)「ハイカットB−50T、高松油脂(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例7
消臭剤含有コーティング液に、シリコーン樹脂を含まずに消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、実施例6と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例8
図3(形成態様3)に示すように、絵柄模様層と消臭剤含有樹脂層との間にプライマー層を設けた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。プライマー層には、水性ポリウレタン樹脂「TAP162、荒川化学工業(株)製」100質量部に、有機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)「ケスモンNS−231、東亞合成(株)製」40質量部を添加したものを用いた。
実施例9
プライマー層に、更に、無機物で被覆された酸化物半導体(アパタイト(リン酸カルシウム)被覆酸化チタン)20質量部を添加したしたものを用いた以外は、実施例8と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例10
消臭剤含有コーティング液に含まれる樹脂成分として、水性アクリル樹脂に替えて、電離放射線硬化型樹脂(2官能ウレタンアクリレートオリゴマー:重量平均分子量720)を用い、消臭剤含有コーティング液を塗工後に電子線(165kV、30kGy)を照射することにより消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例11
消臭剤含有コーティング液に、シリコーン樹脂を含まずに消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、実施例10と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例12
プライマー層を形成する樹脂として水性ウレタン−アクリル樹脂を用いた以外は、実施例8と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例13
プライマー層を形成する樹脂として水性アクリル樹脂を用いた以外は、実施例8と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例14
プライマー層の消臭剤添加量を10質量部にした以外は、実施例13と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例15
プライマー層の消臭剤添加量を50質量部にした以外は、実施例14と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例16
消臭剤含有樹脂層中の、無機物で被覆された酸化物半導体(アパタイト(リン酸カルシウム)被覆酸化チタン)を無光触媒(リン酸チタニウム系化合物「エコキメラ、(株)YOOコーポレーション製」)に変更した以外は、実施例15と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例17
消臭剤含有樹脂層(消臭剤含有コーティング液)は、有機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)「ケスモンNS−231、東亞合成(株)製」20質量部、無機物で被覆された酸化物半導体(アパタイト(リン酸カルシウム)被覆酸化チタン「F4T−20AF、(株)ナノウェイヴ製」)50質量部、シリコーン樹脂「KP−361、信越シリコーン製」20質量部及び樹脂成分(水性アクリル樹脂)100質量部を含むインキにより形成した以外は、実施例15と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例18
非発泡樹脂層B及び発泡剤含有樹脂層を以下の樹脂又は樹脂組成物で形成すると共に、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの各層の厚みを順に8μm/75μm/8μmとした以外は、実施例15と同様にして発泡積層シートを得た。
(a)非発泡樹脂層Bの形成に用いた樹脂:
・低密度ポリエチレン「ペトロセン202、東ソー(株)製」
(b)発泡剤含有樹脂層の形成に用いた樹脂組成物:
・低密度ポリエチレン「ペトロセン202、東ソー(株)製」50質量部
・超低密度ポリエチレン「LUMITAC54−1、東ソー(株)製」50質量部
・発泡剤「ユニフォームウルトラAZ3050、大塚化学(株)製」4質量部
・充填剤(軽質炭酸カルシウム)「Brilliant−15、平均粒径0.15μm、白石工業(株)製」40質量部
・顔料(二酸化チタン)「タイピュアR−108、デュポン製」30質量部
・発泡助剤「アデカスタブOF−101、(株)ADEKA製」5質量部
・架橋剤「オプスターJUA−702、JSR(株)製」
実施例19
非発泡樹脂層Aを形成する樹脂を低密度ポリエチレン「ペトロセン202、東ソー(株)製」とした以外は実施例18と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例1
消臭剤含有コーティング液に含まれる吸着剤として、有機無機複合吸着剤に替えて、ゼオライト「HSZ800シリーズ890HOAタイプ、東ソー(株)製」を用いた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例2
消臭剤含有コーティング液に、シリコーン樹脂を含まずに消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、比較例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例3
消臭剤含有コーティング液に含まれる触媒として、無機物で被覆された酸化物半導体に替えて、可視光型光触媒「MPT−623、石原産業(株)製」を用いた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例4
消臭剤含有コーティング液に、シリコーン樹脂を含まずに消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、比較例3と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例5
消臭剤含有コーティング液として、酸化チタン光触媒コーティング剤「TC−S4115(無機バインダー入)、不揮発成分5質量%、酸化チタンの粒子径:100nm、住友化学(株)製」に、有機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)「ケスモンNS−231、東亞合成(株)製」を前記不揮発成分100質量部あたり70質量部、及びシリコーン樹脂「KP−361、信越シリコーン製」を前記不揮発成分100質量部あたり20質量部添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例6
消臭剤含有コーティング液に、シリコーン樹脂を含まずに消臭剤含有樹脂層を形成した以外は、比較例5と同様にして発泡積層シートを得た。
<評価試験>
(1)アセトアルデヒド消臭性能試験
前記実施例及び比較例で得られた発泡積層シートのサンプル(10cm×10cm)をを、内容量5リットル(L)のテドラーバック内に挿入した。テドラーバック内に、1Lの合成空気〔(窒素:酸素)容積比:4/1、50%RH〕をテドラーバック内に送り込み、アセトアルデヒド濃度が60ppmとなるようにアセトアルデヒドをテドラーバック内に送り込み、アセトアルデヒド消臭性能試験ガスとした。
試験ガス投入直後(0時間)及び暗所に24時間保管後のアセトアルデヒド濃度を測定した。また、試験ガス投入直後(0時間)及び2.0mW/cm2のブラックライト(BL)を24時間照射後のアセトアルデヒド濃度を測定した。アセトアルデヒド濃度はテドラーバック内の検知管により測定した。
(2)耐汚染試験
前記実施例及び比較例で得られた発泡積層シートのサンプル上に乗せたガーゼに、汚染物質としてコーヒー及び醤油を、各々滴下し、24時間後に水を用いて拭取った。
更に、前記実施例及び比較例で得られた発泡積層シートのサンプルに、水性サインペンの線を直に書き、24時間後に中性洗剤を用いて拭取った。
目視評価にて、拭取り可能であれば「○」、拭き残りがみられる場合は「△」、拭取り不可の場合は「×」とした。
(3)EM(エンボス)適性試験
前記実施例及び比較例で得られた発泡積層シートのサンプルに対して、220℃の加熱炉に60秒間入れた後、型押しして型押し形状の転移具合(エンボス性)を目視にて判断する。形状が転移している場合は「○」、凹凸形状が甘い場合は「△」、凹凸形状が転移しないあるいはクラックが生じ表面保護膜が形状を維持できない場合は「×」とした。
Figure 2013082199
考察
アセトアルデヒド消臭性能試験について考察する。
比較例1及び2は、吸着剤としてゼオライトを用いたものであり、アルデヒド濃度が十分に低下せず、良好な消臭性能を示さなかった。比較例3〜6では、吸着剤に有機系吸着剤を用いることで暗所にて高い消臭性能を示した。しかし、触媒として光触媒を用いたために、ブラックライト照射下では光触媒による有機系吸着剤の有機成分の分解が生じ、消臭性能が低下した。
一方、実施例1〜5及び8〜19は、吸着剤として有機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)を用いたものであり、良好なアルデヒド濃度の低下が認められ、高い消臭性能を示した。実施例8、9及び12〜19は、中間層にも有機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)を添加したものであり、良好なアルデヒド濃度の低下が認められ、高い消臭性能を示した。特に実施例8、9、12、13、15、16、18及び19は中間層、表面保護層に含まれる消臭剤添加量の総量が実施例14及び17よりも高いために暗所にて最も高い性能を示した。実施例6及び7は、有機系吸着剤の中でも天然物系の有機吸着剤を用いたものであり、良好なアルデヒド濃度の低下が認められ、高い消臭性能を示した。また、実施例1〜19は、ブラックライト照射雰囲気でも、暗所雰囲気と同等の性能、或いは触媒の活性化により暗所よりも高い性能を示した。この様に、実施例1〜19では、有機系吸着剤がアセトアルデヒドを効率良く吸着することで消臭性能を発揮し、その後に無機物を担持した、若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒が吸着したアセトアルデヒドを効率良く分解しているもの(臭気成分分解性能)と考えられる。
耐汚染試験について考察する。
比較例5及び6は、光触媒による有機樹脂分解を抑制するために、無機バインダー用いたものであり、汚染物質吸着が生じ汚染性が悪くなった。
一方、実施例1〜19は良好な耐汚染性を示した。実施例10及び11は、樹脂成分として電子線硬化樹脂を使用したものであり、非常に良好な耐汚染性を示した。熱硬化性樹脂(水性アクリル樹脂)を用いた実施例1〜9及び12〜19では、シリコーン樹脂の添加により水性サインペンのはじきが全てで向上し、耐汚染性が向上した。
EM(エンボス)適性試験について考察する。
比較例5及び6は、無機バインダーを用いたものであり、エンボスによりクラック発生したために耐汚染性が低下した。
1.基材
2.非発泡樹脂層B
3.発泡剤含有樹脂層
4.非発泡樹脂層A
5.絵柄模様層
6.消臭剤含有樹脂層
7.フィルム層
8.プライマー層

Claims (12)

  1. 基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層及び消臭剤含有樹脂層が順に形成された積層シートであって、
    前記消臭剤含有樹脂層は、無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒、臭気成分を吸着する有機系吸着剤、並びに樹脂成分を含む層である積層シート。
  2. 前記無機物が、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、リン酸マグネシウム及び珪酸マグネシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記酸化物半導体が、TiO2、CdS、CdSc、WO3、Fe2O3、SrTiO3及びKNbO3よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 前記無光触媒が、チタン、セリウム及びジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むリン酸塩である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
  5. 前記樹脂成分が、水性樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
  6. 前記有機系吸着剤が、有機無機複合吸着剤である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
  7. 前記有機無機複合吸着剤が、アミン化合物を含む、請求項6に記載の積層シート。
  8. 前記発泡剤含有樹脂層と前記消臭剤含有樹脂層との間に、中間層が形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の積層シート。
  9. 前記中間層が、臭気成分を吸着する有機系吸着剤を含む、請求項8に記載の積層シート。
  10. 前記中間層が、更に無機物を担持した若しくは無機物で被覆された酸化物半導体及び/又は無光触媒を含む、請求項9に記載の積層シート。
  11. 前記基材が、繊維質シートである、請求項1〜10のいずれかに記載の積層シート。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
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