以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」ともいう。)に係る遊技機について、図1〜図38を参照して説明する。
本例では、遊技者が、遊技を行うための遊技価値としてメダルを用いて、遊技を行う遊技機1に適用した例として説明する。なお、遊技価値として、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を採用したり、遊技者に与えられた、もしくは与えられる遊技価値の情報を記憶したカード等の媒体を用いたりして、遊技が行える遊技機にも適用することができる。
<遊技機の外観構成の説明>
まず、図1を参照して、本例における遊技機の外観構成について説明する。本例の遊技機1は、いわゆるパチスロ機に適用した例であり、メダルを用いて遊技を行う遊技機である。
遊技機1は、後述する主制御回路71などを収容する筐体としてのキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられた扉体としてのフロントドア1bとを備えている。フロントドア1bの正面中央には、メインリール表示部5が設けられている。メインリール表示部5の後方であり、キャビネット1aの内部(図示せず)には、3つのメインリール3L,3C,3Rが横一列に設けられている。以下、各メインリール3L,3C,3Rを、それぞれ左メインリール3L、中メインリール3C、右メインリール3Rと言う。
3つのメインリール3L,3C,3Rは、円筒状の構造を有しており、後述するステッピングモータ49L,49C,49R(図3参照)の駆動によって、上下の縦方向に回転及びその停止を行う。また、メインリール3L,3C,3Rの周面には、複数種類の図柄が所定の間隔をあけて連続的に配置されている。
メインリール表示部5の各メインリール3L,3C,3Rに対応する位置には、縦長矩形の開口部(以下、「メイン表示窓」という。)4L,4C,4Rが設けられている。これらメイン表示窓4L,4C,4Rには、ガラスやプラスチックといった無色透明の透過性を有する部材が保護部材として設けられている。そのため、各メインリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作は、各メイン表示窓4L,4C,4Rを透して遊技者側から視認可能となっている。
メインリール3L,3C,3Rの回転が停止したとき、3つのメイン表示窓4L,4C,4R内における上段、中段及び下段の各領域には、対応するメインリール3L,3C,3Rの表面に配置された複数の図柄のうちの1個の図柄が表示される。つまり、各メイン表示窓4L,4C,4Rには、対応するメインリール3L,3C,3Rの表面に配置された複数の図柄のうちの連続する3個の図柄が表示される。
フロントドア1bの正面にあってメインリール表示部5の上方には、サブリール表示部10が設けられている。サブリール表示部10の後方であり、キャビネット1aの内部には、第1サブリールの一具体例を示す3つのサブリール23L,23C,23Rが横一列に設けられている。以下、各サブリール23L,23C,23Rを、それぞれ左サブリール23L、中サブリール23C、右サブリール23Rと言う。
サブリール23L,23C,23Rは、その径が前述のメインリール3L,3C,3Rよりも大きい円筒状の構造を有しており、後述するステッピングモータ149L,149C,149R(図4参照)の駆動によって、上下の縦方向に回転及びその停止を行う。各サブリール23L,23C,23Rの周面には、複数種類の図柄が所定の間隔をあけて連続的に配置されている。本例では、サブリール23L,23C,23Rの表面とメインリール3L,3C,3Rの表面に配置された図柄の数が同一となっている。
サブリール表示部10の各サブリール23L,23C,23Rに対応する位置には、縦長矩形の開口部(以下、「サブ表示窓」という。)24L,24C,24Rが設けられている。サブリール23L,23C,23Rの回転が停止したとき、3つのサブ表示窓24L,24C,24R内における上段、中段及び下段の各領域には、対応するサブリール23L,23C,23Rの表面に配置された複数の図柄のうちの1個の図柄が表示される。つまり、各サブ表示窓24L,24C,24Rには、対応するサブリール23L,23C,23Rの表面に配置された複数の図柄のうちの連続する3個の図柄が表示される。
本実施の形態では、メインリール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しなどの特典の付与を遊技者に対して行うか否かの判定が行われる。これに対して、サブリール23L,23C,23Rにより表示される図柄の組合せについては、上記判定が行われることがない。つまり、サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止といった動作は、特典の付与を遊技者に対して行うか否かを決定する対象とはならない。
サブリール23L,23C,23Rの動作は、メインリール3L,3C,3Rにより特典の付与に係る図柄の組合せが表示されたことやその種別を遊技者に対して分かり易い態様で知らせるなど、主として演出を目的として行われるものである。なお、サブリール23L,23C,23Rの動作は、メインリール3L,3C,3Rの動作に連動して行われる。
サブ表示窓24L,24C,24Rには、ガラスやプラスチックといった無色透明の透過性を有する部材が保護部材として設けられている。この保護部材の裏側(即ち、キャビネット1aの内部側)には、保護部材として採用するガラス等よりも光透過率が低く設定されている合成樹脂性のカラーフィルム(以下、スモークフィルムという)が貼付されている(図示を省略)。
また、各サブリール23L,23C,23Rの内部には、各サブ表示窓24L,24C,24Rの上段、中段及び下段の各領域に対応する位置に、バックランプが設けられている(図示を省略)。このバックランプは、各サブ表示窓24L,24C,24Rの上段、中段及び下段の各領域に位置する各サブリール23L,23C,23Rの周面の一部を、内部から遊技者側である前方に向かって照明することが可能となっている。バックランプとしては、LED(発光ダイオード)やハロゲンランプといった輝度が高い発光素子を光源として採用することが好ましい。
バックランプが消灯されると、各サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の動作は、各サブ表示窓24L,24C,24Rのスモークフィルムによって遊技者側から視認不能となる。一方、バックランプが点灯されると、スモークフィルムを透過する光量が増加するため、各サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の動作は、各サブ表示窓24L,24C,24Rを透して遊技者側から視認可能となる。
本実施の形態では、各サブ表示窓24L,24C,24Rが有する各領域(上段、中段及び下段)及び各サブリール23L,23C,23Rに応じて、該当するバックランプの点灯及び消灯を行う。これにより、各サブリール23L,23C,23Rを部分的に視認不能な状態、或いは部分的に視認可能な状態をつくりだすことが可能となっている。
また、本実施の形態では、サブ表示窓24L,24C,24Rにガラスやプラスチックなどの保護部材を設け、その裏側にスモークフィルムを貼付する構成とした。しかしながら、本発明に係る保護部材としては、無色透明のガラス等よりも光透過率が低く設定されているガラス等(スモークガラス等)により構成してもよい。その場合、保護部材の裏側にスモークフィルムを貼付する必要がなくなる。また、例えば、液晶表示パネルを採用し、電圧の印加を調整することによって、視認可能な状態及び視認不能な状態を制御するようにしてもよい。
サブリール表示部10の上方であって、キャビネット1aの内部には、第2サブリールの一具体例を示す4thリール110が設けられている。4thリール110は、後述するステッピングモータ249(図4参照)の駆動によって、左右の横方向に回転及びその停止を行う。この4thリール110の回転及びその停止といった動作は、サブリール23L,23C,23Rの動作と同様に、主として演出を目的として行われる。
サブリール表示部10の上方であって、4thリール110に対応する位置には、1つの開口部(以下、「4th表示窓」という。)112が形成されている。この4th表示窓112には、ガラス等の無色透明の透過性を有する部材が保護部材として設けられている。そのため、4thリール110の回転及びその停止の動作は、4th表示窓112を透して遊技者側から視認可能となっている。
メインリール表示部5の右側には、メダルを受け入れるためのメダル投入口22が設けられている。メダル投入口22から1枚のメダルを投入すると、1回の内部的な抽籤の結果を得るために投入されるメダルの枚数(以下、投入枚数)として1枚がカウントされる。そして、投入枚数が最大枚数(本実施の形態では3枚又は2枚)に達すると、それ以降にメダル投入口22から投入されたメダルは、予め定められた枚数(本実施の形態では50枚)を上限として、遊技機1内に貯留(クレジット)される。
メインリール表示部5の左側には、遊技機1内に貯留されたメダルの中から、投入枚数を選択する場合に使用される1ベットボタン11及び最大ベットボタン13が設けられている。1ベットボタン11を1回押圧操作すると、投入枚数として「1」が選択され、最大ベットボタン13を1回押圧操作すると、投入枚数として「2」または「3」が選択される。
サブリール表示部10の左側には、7セグメントLEDからなる払出表示部18a及びクレジット表示部18bが設けられている。払出表示部18aは、入賞に係る図柄の組合せが後述する有効ライン8a〜8eに沿って表示されたときに遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という。)を表示する。クレジット表示部18bは、遊技機1内に貯留されている遊技者所有のメダルの枚数(以下、「クレジット枚数」という。)を表示する。
1ベットボタン11の下方には、遊技機1内に預けられているメダルを、正面下部に設けられたメダル払出口15から排出させるための精算ボタン14が設けられている。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受け部16に貯められる。
メインリール3L,3C,3Rの下方には、メインリール3L,3C,3R及びサブリール23L,23C,23Rの回転を開始するためのスタートレバー6が設けられている。また、スタートレバー6の右側には、メインリール3L,3C,3R及びサブリール23L,23C,23Rの回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。
本例では、全てのメインリール3L,3C,3R(サブリール23L,23C,23R)が回転しているときに、各ストップボタン7L,7C,7Rの何れか1つが押圧操作されることを「第1停止操作」という。続いて、メインリール3L,3C,3R(サブリール23L,23C,23R)のうち残り2つが回転しているときに、対応する各ストップボタンの何れか1つが押圧操作されることを「第2停止操作」という。そして、メインリール3L,3C,3R(サブリール23L,23C,23R)のうち残り1つが回転しているときに、対応するストップボタンが押圧操作されることを「第3停止操作」という。また、最初のリールの停止を「第1停止」、2番目のリールの停止を「第2停止」、3番目のリールの停止を「第3停止」という。
フロントドア1bの上部には、LEDからなるランプ101L,101Rが設けられている。また、フロントドア1bの下部には、スピーカ21L,21Rが設けられている。本実施の形態の遊技機1では、サブリール23L,23C,23Rの動作、4thリール110の動作、ランプ101L,101R及び前述したバックランプによる光の出力、スピーカ21L,21Rによる音の出力、或いはこれらの組合せによって演出を行う。
次に、図2を参照して、有効ライン及び演出用ラインについて説明する。図2は、メインリール表示部5及びサブリール表示部10を拡大した図である。
図2に示すように、メイン表示窓4L,4C,4Rには、それぞれが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ結んでなる擬似的なライン(以下、「有効ライン」という。)が形成される。この有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて入賞か否かが判定される。
本実施の形態では、クロスアップ有効ライン8aと、トップ有効ライン8bと、センター有効ライン8cと、ボトム有効ライン8d及びクロスダウン有効ライン8eの5種類の有効ラインが設けられている。例えば、クロスアップ有効ライン8aは、左メイン表示窓4Lの上段、中メイン表示窓4Cの中段及び右メイン表示窓4Rの下段の組合せからなり、トップ有効ライン8bは、各メイン表示窓4L,4C,4Rの上段の組合せからなる。
また、サブ表示窓24L,24C,24Rには、それぞれが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ結んでなる擬似的なライン(以下、「演出用ライン」という。)が形成される。この演出用ラインに沿って表示された図柄の組合せによって、入賞が成立したことやその種別などを遊技者に知らせる演出が行われる。
本実施の形態では、クロスアップ演出ライン28a、トップ演出ライン28b、センター演出ライン28c、ボトム演出ライン28d及びクロスダウン演出ライン28eの5種類の演出用ラインが設けられている。例えば、トップ演出ライン28bは、各サブ表示窓24L,24C,24Rの上段の組合せからなる。
<主制御回路の説明>
次に、図3を参照して、遊技機1の動作を制御する主制御回路71と、副制御回路72とを含む回路構成例について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム(図20〜図28参照)、後述する内部抽籤テーブル等の各種テーブル(図5〜図12参照)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。RAM33には、後述する内部当籤役格納領域等の各種格納領域(図13及び図14参照)が設けられ、種々のデータが記憶される。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生される基準クロックパルスに基づいて、後述する割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出(サンプリング)する。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、表示部(払出表示部18a及びクレジット表示部18b)、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。また、マイクロコンピュータ30の各出カポートには、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
表示部駆動回路48は、払出表示部18a及びクレジット表示部18bによる各種情報(払出枚数及びクレジット数)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能なメダル払出装置として機能するホッパー40の駆動を制御し、メダルの排出を制御する。
モータ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御し、メインリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の制御を行う。本実施の形態では、ステッピングモータ49L,49C,49Rの回転を所定の減速比をもってメインリール3L,3C,3Rに伝達するギア(図示せず)が設けられている。これにより、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して所定回数(例えば16回)のパルスの出力が行われると、メインリール3L,3C,3Rが、その表面に配された図柄1個分だけ回転されるようになっている。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されている。これらスイッチ類等は、前述したアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号をマイクロコンピュータ30に入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1−ベットスイッチ11S、最大ベットスイッチ13S、精算スイッチ14S、メダルセンサ22S、メインリール位置検出回路50及び払出完了信号回路51がマイクロコンピュータ30の各入力ポートに接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L,7C,7Rが押圧されたことを検出する。1−ベットスイッチ11Sは、1ベットボタン11が押圧されたことを検出し、最大ベットスイッチ13Sは、最大ベットボタン13が押圧されたことを検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が押圧されたことを検出する。
メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルがセレクタ(図示せず)を通過することを検出する。セレクタは、材質や形状などが適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22から投入された適正なメダルを、大量のメダルを貯留可能な収容部を備えるホッパー40へ案内する通路を形成している。本実施の形態では、メダル投入口22にメダルが投入されること及び各ベットボタン11,13が押圧されたことを含めて「投入操作」という。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sによって計数されたホッパー40から排出されたメダルの枚数が払出枚数に達したか否かを検出する。メインリール位置検出回路50は、各メインリール3L,3C,3Rの回転を検出するセンサ(例えば、発光部と受光部からなる光センサ)からのパルス信号を受けて各メインリール3L,3C,3Rが1回転したことを示すリールインデックスを検出する。
メインリール3L、3C、3Rは、ステッピングモータ49L,49C,49Rに駆動パルスが所定の回数(例えば、336回)出力されることにより1回転するように構成されている。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、パルスカウンタが図柄1つ分の回転に必要な駆動パルスの数を計数する毎に、RAM33に設けられたメインリール用図柄カウンタが1ずつ加算される。メインリール用図柄カウンタは、各メインリール3L,3C,3Rに対応して設けられており、その値は、リール位置検出回路50がリールインデックスを検出する度にクリアされる。
本実施の形態では、メインリール用図柄カウンタの値によって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを検知し、リールインデックスが検出される位置を基準としてリールの回転方向における各図柄の位置を検出する。なお、後述する滑り駒数は、各ストップボタン7L,7C,7Rが押圧されてから更新される図柄カウンタの値によって管理される。また、図柄カウンタは、サブリール23L,23C,23R及び4thリール110についても同様に設けられている。
<副制御回路の説明>
次に、図4を参照して、副制御回路72の回路構成について説明する。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から副制御回路72への一方向に通信が行われる構成となっている。副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出の内容の決定や実行などの各種処理を行う。副制御回路72には、その動作が制御される主要なアクチュエータとして、サブリール23L,23C,23R、4thリール110、スピーカ21L,21R及びランプ101L,101R(バックランプも含む)が接続されている。
副制御回路72は、サブCPU81、制御ROM82及びSDRAM83を主たる構成要素としている。サブCPU81は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、制御ROM82内に記憶された制御用プログラム等に従い、サブリール23L,23C,23Rの動作と4thリール110の動作、音の出力及び光の出力を制御する。SDRAM83は、サブCPU81が制御用プログラムを実行する場合に、一時的に情報を記憶するための記憶手段として構成される。また、SDRAM83には、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
制御ROM82は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。プログラム記憶領域は、サブCPU制御用プログラムを記憶する。このサブCPU制御用プログラムには、後述するコマンド入力処理(図30参照)、演出内容決定処理(図31参照)などが含まれている。
データ記憶領域には、テーブル記憶領域、演出データ記憶領域、リールデータ記憶領域、ランプデータ記臆領域、サウンドデータ記憶領域などが含まれている。テーブル記憶領域は、各種テーブルを記憶し、演出データ記憶領域は、複数種類の演出データを記憶する。リールデータ記憶領域は、サブリールデータや4thリールデータを記憶する。また、ランプデータ記臆領域は、光の点灯パターン等を定めたランプデータを記憶し、サウンドデータ記憶領域は、BGMや効果音といったサウンドデータを記憶する。
また、副制御回路72には、スピーカ21L,21Rによる音の出力を制御するためのデジタルシグナルプロセッサ(以下、「DSP」という。)90、オーディオRAM91、A/D変換器88及びアンプ89が設けられている。
DSP90は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力される信号(コマンド)に応じて、指定されたサウンドデータの出力を行う。DSP90が行うタスクに必要なデータは、オーディオRAM91に展開される。A/D変換器88は、サウンドデータをデジタルからアナログへ変換する。サウンドデータがアナログに変換されると、そのサウンドデータに対応した音が増幅器であるアンプ89を介してスピーカ21L,21Rにより出力される。
サブCPU81には、ランプ101L,101R(バックランプも含む)と、サブリール用モータ駆動回路139と、サブリール位置検出回路150と、4thリール用モータ駆動回路239と、4thリール位置検出回路250が接続されている。サブCPU81は、ランプデータ記憶領域に記憶された光の点灯パターン等に基づいて、ランプ101L,101Rによる光の出力を制御する。
サブリール用モータ駆動回路139及び4thリール用モータ駆動回路239は、主制御回路71におけるモータ駆動回路39が有する機能と同様の機能を有する。サブリール用モータ駆動回路139は、ステッピングモータ149L,149C,149Rに対してその駆動を制御するパルスを出力し、サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の制御を行う。4thリール用モータ駆動回路239は、ステッピングモータ249に対してその駆動を制御するパルスを出力し、4thリール110の回転及びその停止の制御を行う。
また、サブリール位置検出回路150及び4thリール位置検出回路250は、主制御回路71におけるリール位置検出回路50が有する機能と同様の機能を有する。サブリール位置検出回路150は、各サブリール23L,23C,23Rが1回転したことを検出する。4thリール位置検出回路250は、4thリール110が1回転したことを検出する。
また、副制御回路72のSDRAM83には、各サブリール23L,23C,23R及び4thリール110のそれぞれに対応する図柄カウンタが設けられている。つまり、各サブリール23L,23C,23R及び4thリールの回転方向における図柄の位置は、各図柄カウンタの値によって特定されるようになっている。
<各テーブル構成の説明>
次に、本例の遊技機1で使用する各テーブル及び各格納領域の構成例について、図5〜図19を参照して説明する。まず、図5を参照して、メインリール用図柄配置テーブルについて説明する。
メインリール用図柄配置テーブルは、主制御回路71のROM32に格納されている。このメインリール用図柄配置テーブルは、各メインリール3L,3C,3Rの表面(外周面)に配置された図柄と、各メインリール3L,3C,3Rの各図柄位置「0」〜「20」との対応関係を規定している。図柄位置は、メインリール3L、3C、3Rの表面上における図柄の位置を識別するための情報である。
各メインリール3L、3C、3Rの表面には、「赤7」、「白7」、「BAR」、「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」、「羽」、「雲」の何れかの図柄が配置され、合計21個の図柄で構成される図柄列が設けられている。各メインリール3L、3C、3Rは、図柄列が図5の矢印A方向に移動するように回転する。
メインリール用図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに各メイン表示窓4L,4C,4R内の中段に表示される図柄が配置された位置を図柄位置「0」としている。そして、各図柄の位置に対して、メインリール3L、3C、3Rの回転方向に配置される順に、図柄位置「0」〜「20」を割り当てている。したがって、メインリール用図柄カウンタとメインリール用図柄配置テーブルとを参照することにより、そのときに各メイン表示窓4L,4C,4Rの中段に表示されている図柄の種別が特定可能となっている。
次に、図6を参照して、メインCPU31が内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルを示す情報及び抽籤回数を示す情報を規定している。本例では、遊技状態として、一般遊技状態、RB遊技状態、及びBB遊技状態が設けられている。なお、本例では、遊技状態としてBB遊技状態を設けているが、BB遊技状態とRB遊技状態とが等価であるので、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示していない。
遊技状態は、内部抽籤処理(図23及び図24参照)において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否か等により区別される状態である。滑り駒数は、押されたストップボタン7L,7C,7Rに対応するメインリール3L,3C,3R及びサブリール23L,23C,23Rの回転が停止するまでに、これらリールが回転する量を図柄の数で示したものである。本例において、メインリール3L,3C,3Rの最大の滑り駒数及びサブリール23L,23C,23Rの最大の滑り駒数は、4駒である。抽籤回数は、メインCPU31がサンプリング回路37により抽出された一の乱数値から後述の抽籤値を減算する最大の回数である。
次に、図7を参照して、メインCPU31が内部当籤役と対応付けられたデータポインタを決定するときに用いる内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に対応して、抽籤値の情報とデータポインタの情報とを規定している。当籤番号は、サンプリング回路37により抽出された一の乱数値に基づいて行われる抽籤に係る複数の種類の結果の各々をメインCPU31が識別するために設けられた番号である。本例では、予め定められた複数の種類の内部当籤役を、入賞に係る内部当籤役及び再遊技に係る内部当籤役と、ボーナスゲームに係る内部当籤役とに区分し、夫々の区分に対応して小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを設けている。
サンプリング回路37により抽出された一の乱数値は、所定の領域に格納され、この領域に格納された値が当籤番号毎に設けられた抽籤値で順次減算される。そして、減算の結果が負の値となった場合には、減算して負の値となったときの抽籤値に対応する当籤番号が当籤番号として決定される。なお、乱数値の数(本例では、「65536」)で各抽籤値を除することで、各当籤番号に当籤する確率(いわゆる当籤確率)を算出することができる。
本例では、内部抽籤テーブルとして、図7(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルと、図7(b)に示すRB遊技状態用内部抽籤テーブルを設けている。このように、内部抽籤テーブルは、基本的に、遊技状態に対応して設けられている。なお、内部抽籤テーブルは、当籤の期待値を調整するための値である設定値等に応じて設けてもよいが、図7に示す内部抽籤テーブルの例以外の図示は省略する。
次に、図8を参照して、メインCPU31がデータポインタに基づいて内部当籤役を決定するときに用いる内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、データポインタに対応して、当たり要求フラグ(内部当籤役)を規定している。当たり要求フラグは、基本的に、各ビットに固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータである。当たり要求フラグは、予め定められた領域である後述の内部当籤役格納領域に格納される。本例では、内部当籤役決定テーブルとして、図8(a)に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルと、図8(b)に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルとが設けられている。
本例の遊技機1では、内部当籤役として、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」、「特殊役(雲)」、「リプレイ」、「チェリー+スイカ+ベル+特殊役」、「BB1」、「BB2」及び「ハズレ」が設けられている。本例において、「スイカ」は、所定の内部当籤役を示し、「BB1」及び「BB2」は、ボーナスゲームの作動に係る特別の内部当籤役を示す。さらに、「リプレイ」は再遊技の作動に係る内部当籤役を示す。
なお、本例では、小役・リプレイ用データポインタ「6」は、RB遊技状態の場合にのみ抽籤されるものとしているが、これに限定されるものではなく、一般遊技状態でも抽籤されることとしてもよい。
次に、図9を参照して、メインCPU31が表示役を特定するとき、及びメインCPU31が表示役に対応する払出枚数を決定するときに用いる図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルは、図柄の組合せに対応して、入賞作動フラグ、及び払出枚数を示すデータを規定している。また、図柄組合せテーブルには、投入枚数に応じて払出枚数が規定されている。入賞作動フラグは、基本的に、各ビットに固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータである。入賞作動フラグは、有効ライン8a〜8e(図2参照)に沿って表示される図柄の組合せを、メインCPU31が識別するために設けられている。
ここで、有効ライン8a〜8eに沿って表示された各図柄の組合せに対応する入賞作動フラグの論理和を、以下「表示役」という。以下では、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」及び「特殊役」を「小役」と総称し、「小役」が、表示役として表示されることを「入賞」と呼ぶ。また、「リプレイ」、「BB1」及び「BB2」が表示役として表示されることを「作動」又は「成立」と呼ぶ。
例えば、有効ラインに沿って「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが表示されると、図柄組合せテーブルに基づいて、入賞作動フラグとして「00000100」が決定され、ベルが表示役になる。そして、投入枚数が2である場合は、15枚のメダルが払出され、投入枚数が3である場合は、10枚のメダルが払出される。
このように、予め定められた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、基本的に、メダルが払出される。ただし、「BB1」或いは「BB2」に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、メダルが払出されることなく、ビッグボーナスゲームの作動が開始する。言い換えるならば、表示役がBB1或いはBB2になると、遊技状態が一般遊技状態からBB遊技状態(RB遊技状態と等価である)となる。また、「リプレイ」に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、投入操作を行うことなく開始操作を行うことができる状態、いわゆる再遊技となる。
以上のことから、図柄組合せテーブルには、基本的に、メダルの払出し、ボーナスゲームの作動の開始、再遊技等の遊技者に付与される利益が対応付けられた情報が規定されている。
次に、図10を参照して、ボーナスゲームの作動を開始するときにメインCPU31が参照するボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、ボーナスゲームの作動の開始に係る各種カウンタ等をメインCPU31が初期化するときに用いられる。ボーナス作動時テーブルは、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態フラグの情報と、ボーナス終了枚数カウンタに格納される数値の情報と、遊技可能回数カウンタに格納される数値の情報と、入賞可能回数カウンタに格納される数値の情報と、を規定している。
遊技状態フラグは、作動している遊技状態をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。ボーナス終了枚数カウンタは、一のボーナスゲームにおいて払出されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。遊技可能回数カウンタは、一のレギュラーボーナスゲームにおいて行うことが可能な残りのゲームの回数、いわゆる遊技可能回数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。入賞可能回数カウンタは、一のレギュラーボーナスゲームにおいて入賞に係る図柄の組合せが表示されることが可能な残りのゲームの回数、いわゆる入賞可能回数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。
次に、図11を参照して、メインCPU31がデータポインタに基づいてメインリール用停止テーブル群を決定するときに用いられるメインリール用停止テーブル群決定テーブルについて説明する。
メインリール用停止テーブル群決定テーブルは、データポインタ、持越役格納領域に格納された値及び遊技状態に対応して、メインリール用停止テーブル群を規定している。各メインリール用停止テーブル群は、後述するリール停止制御処理(図25参照)でメインCPU31が滑り駒数決定データを決定するときに用いる複数の停止テーブルから構成されている。
例えば、持越役格納領域に格納された値が「0」(持越役がない場合)の一般遊技状態において、データポインタが「2」(内部当籤役が「スイカ」)であると、メインCPU31は、使用するメインリール用停止テーブル群として、「メインリール用停止テーブル群3」を決定する。そして、メインCPU31は、押されたストップボタン7L,7C,7Rに基づいて、「メインリール用停止テーブル群3」の中から使用する停止テーブルを選択する。
次に、図12を参照して、メインCPU31が滑り駒数決定データを決定するときに用いる停止テーブルについて説明する。
停止テーブルは、メインリール3L,3C,3R毎に、停止開始位置を示す図柄位置データに対応して滑り駒数決定データの情報を規定している。滑り駒数決定データは、メインCPU31が予め定められた複数の滑り駒数(0駒〜4駒)のうちから適切な滑り駒数を決定するために設けられた情報である。
図12は、「メインリール用停止テーブル群3」のスイカ用停止テーブル(第1停止用)の左メインリール3Lに対応する部分のみを示している。例えば、回転する左メインリール3Lの図柄位置「3」の図柄がメイン表示窓4Lの中段に表示されているときに、ストップボタン7Lに対して第1停止操作を行ったとする。この場合、滑り駒数決定データとして「4」が決定される。つまり、左メインリール3Lの図柄位置「6」,「7」,「8」の図柄である「雲」、「雲」、「羽」がメイン表示窓4L内に停止して表示される。
次に、図13を参照して、内部当籤役格納領域(表示役格納領域)、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域の例について説明する。
図13(a)は、当たり要求フラグを示すデータが格納される内部当籤役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理(図23及び図24参照)において内部当籤役として「ベル」が決定された場合には、内部当籤役格納領域のビット2に「1」が格納される。即ち、内部当籤役格納領域に「00000100」が格納される。なお、表示役に係るデータが格納される表示役格納領域については図示を省絡するが、この表示役格納領域は、内部当籤役格納領域と同様の構造を有している。
図13(b)は、持越役に係るデータが格納される持越役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役として「BB1」が決定された場合には、持越役格納領域のビット6に「1」が格納される。即ち、持越役格納領域に「01000000」が格納される。ここで、持越役は、後述する内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。なお、持越役がある場合を以下「フラグ間」といい、持越役がない場合を以下「非フラグ間」という。
図13(c)は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。図13(c)に示す内容の欄には、遊技状態フラグ格納領域の各ビットに対応する遊技状態フラグの内容が示されている。例えば、遊技状態フラグ格納領域に格納される値が「00000010」であるときには、BB2遊技状態フラグがオンであることを示す。なお、BB2遊技状態フラグがオンであることは、BB2遊技状態が作動していることを示す。
なお、本例では、BB2遊技状態(BB1遊技状態も同様)が作動していれば、RB遊技状態であるため、遊技状態フラグ格納領域は、ビット0とビット1に「1」が格納される。即ち、遊技状態フラグ格納領域が「00000011」となる。一方、遊技状態フラグ格納領域のBB1遊技状態フラグ及びBB2遊技状態フラグに対応するビット1,2に「0」が格納され、RB遊技状態フラグに対応するビット0に「0」が格納されている場合は、一般遊技状態であることを示している。
次に、図14を参照して、有効ストップボタン格納領域、作動ストップボタン格納領域の例について説明する。
図14(a)は、押す操作が有効なストップボタン7L,7C,7R、いわゆる有効ストップボタンを示すデータが格納される有効ストップボタン格納領域を示す。例えば、左ストップボタン7Lが未だ押されていないストップボタン、つまり、有効ストップボタンである場合には、有効ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。メインCPU31は、有効ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン7L,7C,7Rを識別する。
図14(b)は、今回押されたストップボタン7L,7C,7R、いわゆる作動ストップボタンを示すデータが格納される作動ストップボタン格納領域を示す。例えば、左ストップボタン7Lが今回押されたストップボタン、つまり、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン7L,7C,7Rを識別する。
次に、図15を参照して、サブリール用図柄配置テーブルについて説明する。
サブリール用図柄配置テーブルは、副制御回路72の制御ROM82に格納されている。このサブリール用図柄配置テーブルは、各サブリール23L,23C,23Rの表面(外周面)に配置された図柄と、各サブリール23L,23C,23Rの各図柄位置「0」〜「20」との対応関係を規定している。この図柄位置は、各サブリール23L、23C、23Rの表面上における図柄の位置を識別するための情報である。
各サブリール23L、23C、23Rの表面には、「赤7」、「白7」、「BAR」、「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」、「上矢印(↑)」、「縦線(|)」、「プラス(+)」及び「6」の何れかの図柄が配置され、合計21個の図柄で構成される図柄列が設けられている。各サブリール23L、23C、23Rは、図柄列が図15の矢印A方向に移動するように回転する。
サブリール用図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに各サブ表示窓24L,24C,24R内の中段に表示される図柄が配置された位置を図柄位置「0」としている。そして、各図柄の位置に対して、サブリール23L、23C、23Rの回転方向に配置される順に、図柄位置「0」〜「20」を割り当てている。したがって、サブリール用図柄カウンタとサブリール用図柄配置テーブルとを参照することにより、そのときに各サブ表示窓24L,24C,24Rの中段に表示されている図柄の種別が特定可能となっている。
各サブリール23L,23C,23Rの図柄列は、各メインリール3L,3C,3Rの図柄列と略同一に構成されている。サブリール23L,23C,23Rがメインリール3L,3C,3Rと異なる部分は、左サブリール23Lの図柄位置「6」,「7」,「8」と、中サブリール23Cの図柄位置「7」と、右サブリール23Rの図柄位置「10」に配置されている図柄のみである。
本例では、左サブリール3Lの図柄位置「6」,「7」,「8」に配置されている「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」の図柄を、4thリール110(第2サブリール)による演出の開始を示唆する特定の図柄としている。つまり、「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」の図柄がサブ表示窓24L内に停止して表示されることにより、これらの図柄が4thリール110を指し示す大きな矢印を表し、4thリール110による演出の開始を示唆する。
サブリール23L,23C,23Rに係る滑り駒数決定データは、メインリール3L,3C,3Rに係る滑り駒数決定データを決定するときに用いる停止テーブルと同じものを用いて決定される。したがって、左メインリール3Lの図柄位置「6」,「7」,「8」の図柄がメイン表示窓4L内に停止して表示されると、左サブリール23Lの図柄位置「6」,「7」,「8」の図柄がサブ表示窓24L内に停止して表示される。つまり、メイン表示窓4L内に「雲」、「雲」、「羽」の図柄が停止する場合、サブ表示窓24L内には、「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」の図柄が停止される。
次に、図16を参照して、図柄組合せ対応表について説明する。
図柄組合せ対応表は、副制御回路72の制御ROM82に格納されている。この図柄組合せ対応表は、メインリール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せと、サブリール23L、23C、23Rにより表示される図柄の組合せと、表示役との対応関係を規定している。本例において、メインリール3L,3C,23Rにより表示される図柄の組合せと、サブリール23L、23C、23Rにより表示される図柄の組合せとが1対1で対応している。
例えば、メインリール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが「雲−雲−雲」(特殊役)である場合、サブリール23L、23C、23Rにより表示される図柄の組合せは、「縦線(|)−プラス(+)−6」となる。
次に、図17を参照して、サブCPU81がデータポインタに基づいてサブ停止テーブル群を決定するときに用いられるサブリール用停止テーブル群決定テーブルについて説明する。
サブリール用停止テーブル群決定テーブルは、後述するサブリール用停止テーブル群決定処理(図33参照)において用いられる。このサブリール用停止テーブル群決定テーブルは、データポインタ、持越役格納領域に格納された値及び遊技状態に対応して、サブリール用停止テーブル群を規定している。各サブリール用停止テーブル群は、サブリール23L,23C,23Rを停止させる場合の滑り駒数決定データを決定するときに用いる複数の停止テーブルから構成されている。本例では、サブリール用停止テーブル群とメインリール用停止テーブル群は、共通の停止テーブルによって構成される。
次に、図18を参照して、4thリール用図柄配置テーブルについて説明する。
4thリール用図柄配置テーブルは、副制御回路72の制御ROM82に格納されている。この4thリール用図柄配置テーブルは、4thリール110の表面(外周面)に配置された図柄と、これらの図柄位置「0」〜「5」との対応関係を規定している。この図柄位置は、4thリール110の表面上における図柄の位置を識別するための情報である。
4thリール110の表面には、図柄位置「0」〜「5」に対して「ブランク」、「?」、「星」、「×」、「7」、「チャンス」がそれぞれ配置されている。これら6つの図柄のうちの何れかが、4th表示窓112(図1参照)に表示されるようになっている。4thリール用図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに4th表示窓112内に表示される図柄が配置された位置を図柄位置「0」としている。これにより、4thリール用図柄カウンタと4thリール用図柄配置テーブルとを参照することにより、4th表示窓112に表示されている図柄の種別が特定可能となっている。
次に、図19を参照して、4thリール演出決定テーブルについて説明する。
4thリール演出決定テーブルは、内部当籤役に対応して、4thリールによる演出とその演出が決定される確率を規定している。なお、図19に示す4thリール演出決定テーブルにおいて、内部当籤役として「スイカ」または「スイカ+BB2」が決定された場合の演出のみを示し、「ブランク」、「?」、「星」を用いたその他の演出は、図示を省略する。例えば、内部当籤役として「スイカ+BB2」が決定された場合に「演出C」が決定される確率は、16/128(約13%)となる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図20〜図28に示すフローチャートを参照して、主制御回路71の動作について説明する。
まず、図20に示すフローチャートを参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。初期化処理として、メインCPU31は、RAM33が正常であるか否かのチェックや入出力ポートの初期化等を行う。初期化処理が終了すると、メインCPU31は、後述するボーナス作動監視処理(図21参照)を行う(ステップS2)。なお、メインCPU31は、ボーナス作動監視処理を行う前に、指定格納領域の情報を消去する。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域、作動ストップボタン格納領域、及び有効ストップボタン格納領域に格納されているデータをクリアする。
次に、メインCPU31は、後述するメダル受付・スタートチェック処理(図22参照)を行う(ステップS3)。メダル受付・スタートチェック処理後に、メインCPU31は、乱数値を抽出し、抽出した乱数値をRAM33の乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。具体的には、メインCPU31は、乱数発生器36とサンプリング回路37によって、「0」〜「65535」の範囲から乱数値を抽出し、抽出した乱数値をRAM33の乱数値格納領域に記憶する。メインCPU31が抽出した乱数値は、後述する内部抽籤処理(図23及び図24参照)において使用される。
次に、メインCPU31は、内部抽籤処理(図23及び図24参照)を行う(ステップS5)。内部抽籤処理において、メインCPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図6参照)、内部抽籤テーブル(図7参照)及び内部当籤役決定テーブル(図8参照)を参照して内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、メインリール用停止テーブル群決定テーブル(図11参照)を参照し、遊技状態及びステップS7の処理で決定された内部当籤役に基づいて、メインリール用停止テーブル群を決定する(ステップS6)。
次に、メインCPU31は、スタートコマンドをRAM33内に設けられた通信データ格納領域にセットする(ステップS7)。スタートコマンドには、遊技状態及び内部当籤役等の情報が含まれている。これにより、副制御回路72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
次に、メインCPU31は、前回のリールの回転開始から4.1秒経過したかどうかを判別する(ステップS8)。4.1秒経過していなければ、メインCPU31は、待ち時間として4.1秒を消化するため動作を停止する(ステップS9)。4.1秒経過していれば、メインCPU31は、ステップS10の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS10)。この処理において、メインCPU31は、ストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれに対応する、有効ストップボタン格納領域のビット0〜2に「1」を格納する。有効ストップボタン格納領域のビット0〜2に「1」が格納されることで、3個のストップボタン7L,7C,7Rの押圧操作が有効になる。そして、スタートレバー6が操作されると、メインCPU31は、モータ駆動回路39を介してメインリール3L,3C,3Rを回転させる。
次に、メインCPU31は、メインリール3L,3C,3Rの回転の定速待ちを行う(ステップS11)。メインリール3L,3C,3Rの回転が定速(予め設定された回転速度)に達すると、メインCPU31は、モータ駆動回路39を介してステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御し、メインリール3L,3C,3Rの回転速度を定速に維持する。
次に、メインCPU31は、後述するリール停止制御処理(図25参照)を行う(ステップS12)。リール停止制御処理において、メインCPU31は、遊技者の停止操作によりストップスイッチ7Sから出力された停止信号などに基づいて、メインリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
次に、メインCPU31は、図柄組合せテーブル(図9参照)を参照し、メイン表示窓4L,4C,4Rの有効ライン8a〜8eに沿って表示された図柄の組合せに基づいて表示役とメダルの払出枚数を決定する(ステップS13)。この処理において、メインCPU31は、有効ライン8a〜8eに沿って表示された図柄のコードナンバと図柄組み合わせテーブルとに基づいて表示役を判別する。また、メインCPU31は、表示役格納領域を更新するとともに、表示役に対応する払出枚数の情報を更新する。
具体的には、メインCPU31は、決定された内部当籤役に対応する図柄の組合せが有効ラインカウンタに対応する有効ラインに沿って表示されるか否かを判別する。その後、有効ラインカウンタを「1」減算する処理を行い、これを有効ラインカウンタが「0」になるまで繰り返す。有効ラインカウンタには、メダル受付・スタートチェック処理(図22参照)により「5」が格納されるので、メインCPU31は、5本の有効ライン8a〜8e(図2参照)のそれぞれについて表示役とメダルの払出枚数を決定する。
また、表示役に「リプレイ」が決定された場合には、メインCPU31は、自動投入カウンタに、再遊技可能なメダル枚数(一般遊技状態では「3」)を格納する。「リプレイ」が表示役である場合、自動投入カウンタは、次回のゲームで自動的に投入するメダルの枚数を計数する。
表示役と払出枚数が決定されると、メインCPU31は、表示役コマンドをRAM33内に設けられた通信データ格納領域にセットする(ステップS14)。表示役コマンドは、決定された表示役とメダルの払出枚数の情報を含んでいる。
次に、メインCPU31は、決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払出すメダル払出処理を行う(ステップS15)。メダル払出処理において、メインCPU31は、クレジットモードであれば、払出枚数に基づいてRAM33にセットされたクレジットカウンタを更新する。クレジットカウンタが更新されると、クレジット表示部18bにクレジットカウンタの値が表示される。また、メインCPU31は、払出モードであれば、ホッパー駆動回路41によりホッパー40を駆動制御してメダルを払い出す。
また、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタが「1」以上である場合には、ボーナス終了枚数カウンタの値から、ステップS13の処理で決定されたメダルの払出枚数を減算する。
次に、メインCPU31は、ボーナスゲームが作動中か否かを判別する(ステップS16)。つまり、メインCPU31は、RB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。ボーナスゲームが作動中(RB遊技状態フラグがオン)であると判別したとき、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理(図26参照)を行い(ステップS17)、ステップS18の処理に移行する。
一方、ボーナスゲームが作動中ではない(RB遊技状態フラグがオフである)と判断した場合、又はボーナス終了チェック処理が終了した場合に、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理(図27参照)を行う(ステップS18)。ボーナス作動チェック処理が終了すると、メインCPU31は、処理を再びステップS2に戻す。
このように、メインCPU31は、ステップS2〜S18までの処理を一単位遊技における処理として実行する。ステップS18までの処理が終了すると、次回の単位遊技における処理を実行するため、ステップS2の処理に移行する。
次に、図21に示すフローチャートを参照して、メインCPU31の制御により行われるボーナス作動監視処理について説明する。ボーナス作動監視処理は、BB遊技状態中にRB遊技状態を継続させるための処理である。
初めに、メインCPU31は、BB遊技状態フラグ(図13(c)参照)はオンであるか否かを判別する(ステップS31)。つまり、メインCPU31は、BB1遊技状態フラグ或いはBB2遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。メインCPU31は、BB遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、ボーナス作動監視処理を終了し、処理をメインフロー(図20参照)に移す。
一方、メインCPU31は、BB遊技状態フラグはオンであると判別したとき、RB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS32)。メインCPU31は、RB遊技状態フラグはオンであると判別したとき、ボーナス作動監視処理を終了し、処理をメインフローに移す。
一方、メインCPU31は、RB遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、ボーナス作動時テーブル(図10参照)に基づいてRB作動時処理を行う(ステップS33)。具体的には、メインCPU31は、遊技可能回数カウンタと入賞可能回数カウンタに、それぞれ「8」をセットするとともに、RB遊技状態フラグをオンにする。その後、メインCPU31は、ボーナス作動監視処理を終了し、処理をメインフローに移す。
次に、図22に示すフローチャートを参照して、メインCPU31の制御により行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。メダル受付・スタートチェック処理は、遊技者が行うメダルの投入操作と、遊技の開始操作を検出する処理である。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値は「0」であるか否かを判別する(ステップS41)。メインCPU31は、自動投入カウンタの値は「0」ではないと判別したときには、ステップS43の処理に移行する。ここで、自動投入カウンタは、前回の単位遊技において「リプレイ」が成立したか否かを識別するためのデータである。「リプレイ」が成立したときには、再遊技可能な枚数分のメダルが自動で投入されることとなる。一方、メインCPU31は、自動投入カウンタの値は「0」であると判別したときには、メダルの通過を許可して(ステップS42)、ステップS45の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、自動投入カウンタの値は「0」ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写して(ステップS43)、自動投入カウンタをクリアする(ステップS44)。ここで、投入枚数カウンタは、遊技価値(例えば、メダル)を計数するためのデータである。
ステップS42の処理でメダルの通過を許可したとき、又は、ステップS44の処理で自動投入カウンタをクリアしたとき、メインCPU31は、メダル投入枚数カウンタの最大値に「3」をセットする(ステップS45)。
次に、メインCPU31は、RB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS46)。メインCPU31は、RB遊技状態フラグはオンでないと判別したときには、ステップS48の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、RB遊技状態フラグはオンであると判別したときには、メダル投入枚数カウンタの最大値を「2」に変更する(ステップS47)。本例においては、一般遊技状態におけるメダルの投入枚数は「3」枚、RB遊技状態におけるメダルの投入枚数は「2」枚と定められている。そのため、メインCPU31は、ステップS45、S47の処理によって、遊技状態に応じたメダル投入枚数の最大値をセットする。
ステップS46の処理においてRB遊技状態フラグはオンでないと判別したとき、ステップS47の処理において投入枚数カウンタの最大値を「2」に変更したとき、後述のステップS55の処理において投入枚数カウンタの値は最大値ではないと判別したとき、又は、後述のステップS56の処理においてスタートスイッチ6Sはオンではないと判別したとき、メインCPU31は、メダルが通過したか否かを判別する(ステップS48)。
メインCPU31は、メダルが通過しなかったと判別したときには、ステップS54の処理に移行する。一方、メインCPU31は、メダルが通過したと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値であるか否かを判別する(ステップS49)。
ステップS49の処理において投入枚数カウンタは最大値であると判別したとき、メインCPU31は、クレジットカウンタの値に「1」を加算し(ステップS53)、ステップS54の処理に移行する。ここで、クレジットカウンタは、クレジットされたメダルの枚数を計数するためのデータである。
一方、メインCPU31は、投入枚数カウンタは最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタの値に「1」を加算する(ステップS50)。
次に、メインCPU31は、有効ラインカウンタに「5」を格納する(ステップS51)。有効ラインカウンタは、有効ラインの数を特定するためのデータであり、有効ラインカウンタに基づいて表示役の検索が行われる。
次に、メインCPU31は、メダル投入コマンドをRAM33内に設けられた通信データ格納領域にセットし(ステップS52)、ステップS54の処理に移行する。メダル投入コマンドには、メダルの投入枚数の情報等が含まれる。
ステップS48の処理においてメダルが通過しなかったと判別したとき、ステップS52の処理においてメダル投入コマンドをセットしたとき、又はステップS53の処理においてクレジットカウンタを「1」加算したとき、メインCPU31は、ベットスイッチのチェックを行う(ステップS54)。具体的には、メインCPU31は、ベットスイッチ11,13のうち、オンとされたベットスイッチを特定する。そして、投入枚数カウンタと、クレジットカウンタ及び投入枚数カウンタの最大値とに基づいて、投入枚数カウンタに加算する値を算出して投入枚数カウンタを更新する。
なお、メインCPU31は、ステップS48の処理でメダルが通過しなかったと判別した場合であって、いずれかのベットスイッチがオンとされているときには、有効ラインカウンタに「5」をセットする。また、オンとされたベットスイッチの種別に基づいて投入枚数カウンタの値を更新するとともに、投入枚数カウンタの値を示す情報を含むメダル投入コマンドをRAM33内に設けられた通信データ格納領域にセットする。
次に、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値は最大値であるか否かを判別する(ステップS55)。メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が最大値ではないと判別したときには、ステップS48の処理に移行する。一方、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が最大値であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS56)。
メインCPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS48の処理に移行する。一方、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、これ以上のメダルの通過を禁止して(ステップS57)、メダル受付・スタートチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図20参照)に移す。
次に、図23及び図24に示すフローチャートを参照して、メインCPU31の制御により行われる内部抽籤処理について説明する。内部抽籤処理は、遊技状態等に依存した内部当籤役を決定する処理である。
最初に、メインCPU31は、遊技状態フラグを取得し、内部抽籤テーブル決定テーブル(図6参照)に基づいて、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS61)。即ち、一般遊技状態であれば抽籤回数を「9」に設定し、RB遊技状態であれば抽籤回数を「1」に設定する。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域(図13(b)参照)が、「00000000」であるか否かを判別する(ステップS62)。すなわち、メインCPU31は、遊技機1がBB持越状態(BB1持越状態或いはBB2持越状態)であるか否かを判別する。通常、一般遊技状態において、「BB」(BB1或いはBB2)が内部当籤する確率は低く、「BB」が成立する確率も低い。このため、内部当籤した「BB」が1回の遊技で失効することを防ぐため、「BB」を複数ゲームにわたって持越役として持ち越せる持越役格納領域が設けられている。持越役格納領域に格納された持越役は、「BB」が成立するとき、つまり、ビッグボーナスゲームの作動が開始されるまでクリアされない。
メインCPU31は、持越役格納領域が、「00000000」であると判別したとき、すなわち、BB持越状態ではないと判別したときには、ステップS64の処理に移行する。
メインCPU31は、持越役格納領域が「00000000」ではない、すなわち、BB持越状態であると判別したときには、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの抽籤回数から「2」を減算する(ステップS63)。ここで一般遊技状態用内部抽籤テーブルの抽籤回数から「2」を減算するのは、持越役格納領域にBB1或いはBB2の識別子が格納されている場合、再度「BB1」或いは「BB2」の抽籤をしないからである。つまり、BB持越状態のとき、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの抽籤回数は、当籤番号1〜7までの7回となる。
ステップS63の処理で一般遊技状態用内部抽籤テーブルの抽籤回数から「2」を減算した後、又は、ステップS62の処理で持越役格納領域が、「00000000」であると判別したとき、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、乱数データとしてセットする(ステップS64)。
次に、メインCPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットし、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得する(ステップS65)。続いて、メインCPU31は、乱数データから抽籤値を減算する(ステップS66)。
次に、メインCPU31は、乱数データから抽籤値を減算した結果、桁かりが行われたか否かを判別する(ステップS67)。言い換えるならば、ステップS66の演算の結果が負であるか否かを判別する。桁かりが行われたと判別したとき、メインCPU31は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得し(ステップS71)、ステップS72の処理に移行する。
一方、判断ステップS67の処理において、桁かりが行われていないと判別したとき、メインCPU31は、抽籤回数を「1」減算する(ステップS68)。このとき、ステップS66の処理で乱数データから抽籤値を減算した結果が新たな乱数データとしてセットされる。続いて、メインCPU31は、抽籤回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS69)。
判断ステップS69の処理において、抽籤回数が「0」ではないと判断したとき、メインCPU31は、処理を再びステップS65に移す。つまり、メインCPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットし、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得する。一方、判断ステップS69の処理において、抽籤回数が「0」であると判断したとき、メインCPU31は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタとしてそれぞれ「0」をセットする(ステップS70)。
ステップS70の処理でデータポインタとして「0」をセットしたとき、又は、ステップS71の処理でデータポインタを取得したとき、メインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図8(a)参照)を参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する(ステップS72)。続いて、メインCPU31は、取得した内部当籤役(当たり要求フラグ)を、対応する内部当籤役格納領域に格納する(ステップS73)。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域が、「00000000」であるか否かを判別する(ステップS74)。持越役格納領域が「00000000」ではないと判別したとき、メインCPU31は、ステップS77の処理に移行する。
一方、持越役格納領域が、「00000000」であると判別したとき、メインCPU31は、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図8(b)参照)を参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する(ステップS75)。続いて、メインCPU31は、取得した内部当籤役(当たり要求フラグ)を持越役格納領域に格納する(ステップS76)。
ステップS76の処理で取得した当たり要求フラグを持越役格納領域に格納したとき、又は、判断ステップS75の処理において、持越役格納領域が「00000000」ではないと判別したとき、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータを取得し、このデータと内部当籤役格納領域に格納されているデータとの論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS77)。その後、メインCPU31は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図20参照)に移す。
次に、図25に示すフローチャートを参照して、メインCPU31の制御により行われるリール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理は、内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてメインリール3L、3C、3Rの回転を停止させる処理である。
初めに、メインCPU31は、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押圧操作されたか否かを判別する(ステップS81)。メインCPU31は、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押圧操作されていないと判別したときには、再び処理をステップS81に移し、停止ボタンの押圧操作を待つ。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンストップボタン7L,7C,7Rが押圧操作されたと判別したときには、押圧操作が行われたストップボタンである作動ストップボタンの押圧操作を無効にする(ステップS82)。つまり、メインCPU31は、押圧操作が行われたストップボタンに対応する有効ストップボタン格納領域(図14(a)参照)の値を「0」にし、押圧操作が行われたストップボタンに対応する作動ストップボタン格納領域(図14(b)参照)の値を「1」にする。
次に、メインCPU31は、決定されているメインリール用停止テーブル群(図20のステップS6参照)から作動ストップボタンに基づいた停止テーブルを選択し、メインリール用図柄カウンタに応じた滑り駒数決定データを格納する(ステップS83)。滑り駒数決定データは、RAM33に格納される。
次に、メインCPU31は、チェック回数として「5」をセットする(ステップS84)。これは、各メインリール3L、3C、3Rの滑り駒数の最大数を「4」としたためである。つまり、チェック回数として「5」をセットすることにより、滑り駒数「0」〜「4」に対するチェックが行われることになる。
次に、メインCPU31は、メインリール用図柄カウンタに対応する図柄位置からチェック回数の範囲内において、より優先順位の高い図柄位置を検索する(ステップS85)。例えば、一般遊技状態において内部当籤役として「BB1」が決定されており、左メインリール3L及び中メインリール3Cの回転が停止した結果、ボトム有効ライン8d(図2参照)に沿って「赤7」の図柄が表示されたとする。そして、回転中の右メインリール3Rの停止開始位置が図柄位置「16」(図5参照)であったとする。このとき、右メインリール3Rの図柄位置「16」〜「20」の範囲(本例では、最大の滑り駒数を「4」に設定しているため)のうち、「赤7」の図柄をボトム有効ライン8dに沿って表示することが可能な図柄位置「19」が最も優先順位の高い図柄位置として決定される。
次に、メインCPU31は、格納された滑り駒数決定データと検索した優先順位の高い図柄位置の結果も基づいて滑り駒数を決定する(ステップS86)。これにより、停止開始位置に滑り駒数として決定された値を加算した値に対応する図柄位置の図柄が、各メイン表示窓4L,4C,4Rの中段に表示されるように各メインリール3L,3C,3Rの回転が停止される。
次に、メインCPU31は、停止制御位置待ち処理を行う(ステップS87)。具体的には、メインCPU31は、決定した滑り駒数により定まる停止制御位置に基づいて、後述する割り込み処理(図28参照)のリール制御処理が行われるまで、リール停止制御処理を停止する。なお、メインCPU31は、割り込み処理のリール制御処理により該当するリールが停止されると、リール停止制御処理を再開させる。
次に、メインCPU31は、リール停止コマンドをRAM33内に設けられた通信データ格納領域にセットする(ステップS88)。リール停止コマンドには、停止されたリールの種別を示すデータ、図柄カウンタの値に応じた停止制御位置の情報などが含まれる。
次に、メインCPU31は、押圧操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(ステップS89)。すなわち、メインCPU31は、有効ストップボタン格納領域のビット0〜2の何れかが「1」であるか否かを判別する。押圧操作が有効なストップボタンがあると判別したとき、メインCPU31は、処理を再びステップS81に移して、リール停止制御処理を繰り返す。一方、全てのメインリール3L、3C、3Rの回転が停止し、押圧操作が有効なストップボタンがないと判別したとき、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了し、処理をメインフロー(図20参照)に移す。
次に、図26に示すフローチャートを参照して、メインCPU31の制御により行われるボーナス終了チェック処理について説明する。ボーナス終了チェック処理は、ボーナスゲームの終了条件を満たした場合にボーナスゲームを終了するためのチェックを行う処理である。
初めに、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値は「0」であるか否かを判別する(ステップS101)。本例において、ボーナス作動開始時には、ボーナス作動チェック処理(図27参照)によって、ボーナス終了枚数カウンタの値に「400(BB1)」又は「345(BB2)」がセットされる。そして、入賞するたびに、ボーナス終了枚数カウンタの値から払出枚数が減じられ、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」(マイナスの値は、「0」とみなす。)となったとき、ボーナスが終了する。
判断ステップS101の処理において、ボーナス終了枚数カウンタの値は「0」ではないと判別したとき、メインCPU31は、ステップS104の処理に移行する。一方、判断ステップS101の処理において、ボーナス終了枚数カウンタの値は「0」であると判別したとき、メインCPU31は、BB終了時処理を行う(ステップS102)。具体的には、メインCPU31は、オンとなっているBB作動中フラグをオフにするとともに、RB作動中フラグがオンとなっている場合には、RB作動中フラグをオフにする。
次に、メインCPU31は、ボーナス終了コマンドをRAM33内に設けられた通信データ格納領域にセットし(ステップS103)、処理をメインフロー(図20参照)に移す。ボーナス終了コマンドには、ボーナスゲームが終了したことを示す情報などが含まれる。
判断ステップS101の処理において、ボーナス終了枚数カウンタの値は「0」ではないと判別したとき、メインCPU31は、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値から「1」を減算する(ステップS104)。続いて、メインCPU31は、減算した入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値は「0」であるか否かを判別する(ステップS105)。
入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値は「0」ではないと判別したとき、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフローに移す。一方、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値は「0」であると判別したとき、メインCPU31は、RB終了時処理を行う(ステップS106)。具体的には、メインCPU31は、RB作動中フラグをオフにするなどの処理を行う。メインCPU31は、RB終了時処理を行うとボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフローに移す。
次に、図27に示すフローチャートを参照して、メインCPU31の制御により行われるボーナス作動チェック処理について説明する。ボーナス作動チェック処理は、決定された表示役の種別等に基づいてボーナスゲーム等を作動させるためのチェックを行う処理である。
初めに、メインCPU31は、表示役が「BB1」又は「BB2」であるか否かを判別する(ステップS121)。すなわち、メインCPU31は、有効ラインに沿って「赤7−赤7−赤7」或いは「赤7−赤7−白7」の図柄が揃ったか否かを判別する。表示役は「BB1」又は「BB2」ではないと判別したとき、メインCPU31は、ステップS124の処理に移行する。
判断ステップS121の処理において、表示役が「BB1」又は「BB2」であると判別したとき、メインCPU31は、ボーナス作動時テーブル(図10を参照)に基づいて、表示されたボーナスに応じたボーナス作動時処理を行う(ステップS122)。具体的には、メインCPU31は、ボーナス作動時テーブルに基づいて、ボーナス終了枚数カウンタに「400(BB1)」又は「345(BB2)」をセットし、遊技状態フラグ格納領域(図13(c)参照)のBB作動中フラグをオンにする。
次に、メインCPU31は、ボーナス開始コマンドをRAM33内に設けられた通信データ格納領域にセットし(ステップS123)、処理をメインフロー(図20参照)に移す。ボーナス開始コマンドには、ボーナスゲームが開始したことを示す情報などが含まれる。
判断ステップS121の処理において、表示役は「BB1」又は「BB2」ではないと判別したとき、メインCPU31は、表示役が「リプレイ」であるか否かを判別する(ステップS124)。表示役は「リプレイ」ではないと判別したとき、メインCPU31は、処理をメインフローに移す。一方、表示役が「リプレイ」であると判別したとき、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写し(ステップS125)、処理をメインフローに移す。これにより、投入枚数と同じ枚数のメダルが付与され、自動的に投入される。
次に、図28に示すフローチャートを参照して、メインCPU31の制御により行われる割込処理について説明する。メインCPU31の制御による割込処理は、所定の周期(例えば、1.1173ミリ秒)毎に発生する処理である。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS131)。次に、メインCPU31は、入カポートチェック処理を行う(ステップS132)。具体的には、メインCPU31は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。
次に、メインCPU31は、入力状態コマンドの設定処理を行う(ステップS133)。入力状態コマンドは、スタートレバー6、ストップボタン7L,7C,7Rの入力状態を副制御回路72に報知するコマンドである。つまり、メインCPU31は、スタートレバー6、ストップボタン7L,7C,7Rの入力のチェックを行なって、入力状態コマンドを制御RAM33の通信データ格納領域にセットする。
次に、メインCPU31は、通信データ送信処理を行う(ステップS134)。具体的に、メインCPU31は、制御RAM66内の通信データ格納領域にセットされた各種コマンドを副制御回路72に送信する。
副制御回路72では、ステップS134において送信されるコマンドに基づいて、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたこと、及びその種別を特定することが可能となる。したがって、副制御回路72では、送信されたコマンドに基づいて、該当するサブリール23L,23C,23Rの回転を停止することが可能となる。つまり、本例では、副制御回路72において管理されるサブリール23L,23C,23Rについても、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングに基づいてその回転を停止することが可能となる。
次に、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS135)。具体的には、メインリール3L,3C,3Rの回転開始が要求された場合であれば、各メインリール3L,3C,3Rの回転が開始され、その後、一定の速度での回転が行われる。また、停止制御位置が決定された場合であれば、該当するメインリール3L,3C,3Rのメインリール用図柄カウンタが停止制御位置と同一の値に更新されるのを待って、その回転の減速及び停止が行われる。
次に、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS136)。具体的には、メインCPU31は、払出表示部18aへの払出枚数の表示や、クレジット表示部18bへのクレジット枚数の表示などの処理を行う。次に、メインCPU31は、タイマの管理処理を行う(ステップS137)。この処理では、各種タイマの更新が行われる。そして、メインCPU31は、レジスタの復帰(ステップS138)を行い、割込処理を終了する。
<副制御回路の動作説明>
次に、図29〜図35に示すフローチャートを参照して、副制御回路72の動作について説明する。
まず、図29に示すフローチャートを参照して、サブCPU81により行われる割り込み制御処理について説明する。
遊技機1に電源が投入されると、サブCPU81は、初期化処理を行う(ステップS201)。具体的には、SDRAM83における所定領域の初期化処理などを行う。次に、サブCPU81は、後述するコマンド入力処理(図30参照)を行う(ステップ202)。コマンド入力処理では、未処理であるコマンドの実行処理が行われる。
次に、サブCPU81は、後述する演出内容決定処理(図31参照)を行う(ステップS203)。演出内容決定処理では、各種コマンドに対応した演出データをセットし、その演出データの実行処理が行われる。次に、サブCPU81は、コマンド出力処理を行い(ステップS204)、処理をステップS202に移す。コマンド出力処理では、スピーカ21L,21Rから演出音を出力したり、ランプ101L,101Rを発光させたりする。
次に、図30に示すフローチャートを参照して、サブCPU81の制御により行われるコマンド入力処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、未処理のコマンドがあるか否かを判別する(ステップS211)。未処理のコマンドはないと判別したとき、サブCPU81は、コマンド入力処理を終了し、処理を割り込み制御処理(図29参照)に移す。
判断ステップS211の処理において、未処理のコマンドがあると判別したとき、サブCPU81は、未処理のコマンドの種別に応じた実行処理を行い(ステップS212)、実行処理を行ったコマンドを処理済みに設定する(ステップS213)。その後、サブCPU81は、コマンド入力処理を終了し、処理を割り込み制御処理に移す。
次に、図31に示すフローチャートを参照して、サブCPU81の制御により行われる演出内容決定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS221)。スタートコマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、ステップS225の処理に移行する。
一方、スタートコマンドを受信したと判別したとき、サブCPU81は、後述する演出抽籤処理(図32参照)を行う(ステップS222)。演出抽籤処理では、遊技状態に対応した演出データがセットされる。
次に、サブCPU81は、後述するサブリール用停止テーブル群決定処理(図33参照)を行う(ステップS223)。サブリール用停止テーブル群決定処理では、遊技状態に対応した停止テーブル群が選択される。次に、サブCPU81は、後述するサブリール回転開始処理(図34参照)を行い(ステップS224)、ステップS238の処理に移行する。
判断ステップS221の処理において、スタートコマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、リール停止コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS225)。リール停止コマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、ステップS230の処理に移行する。
一方、リール停止コマンドを受信したと判別したとき、サブCPU81は、後述するリール停止コマンド受信時処理(図35参照)を行う(ステップS226)。リール停止コマンド受信時処理では、作動ストップボタンに基づいてサブリール23L,23C,23Rの停止制御が行われる。
次に、サブCPU81は、作動ストップボタンの種別等に応じて演出データをセットする(ステップS227)。次に、サブCPU81は、停止制御されたサブリールが左サブリール23Lであり、且つ停止予定位置は図柄位置「7」であるか否かを判別する(ステップS228)。ここで、停止予定位置とは、サブ表示窓24Lの中段に停止する図柄の位置のことである。
本例では、「スイカ」或いは「スイカ+BB2」が内部当籤役として決定され、スイカ用停止テーブル(図11参照)を参照して左サブリール23Lの停止制御を行う場合に、左サブリール23Lの図柄位置「7」が停止予定位置となる可能性がある。例えば、スイカ用停止テーブル(第1停止用)を参照して滑り駒数決定データが決定されるとする。その場合、回転する左サブリール23Lの図柄位置「3」〜「7」にそれぞれ対応する図柄がサブ表示窓24Lの中段に表示されているときに、左メインリール3Lに対して停止操作を行えば、の図柄位置「7」が停止予定位置となる。
判断ステップS228の処理において、停止制御されたサブリールが左サブリール23Lではない、或いは、停止制御されたサブリールが左サブリール23Lであるが、停止予定位置は図柄位置「7」ではないと判別したとき、サブCPU81は、ステップS238の処理に移行する。
一方、停止制御されたサブリールが左サブリール23Lであり、且つ停止予定位置は図柄位置「7」であると判別したとき、サブCPU81は、4thリール演出決定テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて演出データを決定し、その演出データをセットする(ステップS229)。その後、サブCPU81は、ステップS238の処理に移行する。
一方、停止制御されたサブリールが左サブリール23Lであり、且つ停止予定位置は図柄位置「7」であると判別したとき、サブCPU81は、4thリール演出決定テーブルを参照して、内部当籤役に基づいて演出データを決定し、その演出データをセットする(ステップS229)。その後、サブCPU81は、ステップS238の処理に移行する。
判断ステップS225の処理において、リール停止コマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、表示コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS230)。表示コマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、ステップS232の処理に移行する。
一方、表示コマンドを受信したと判別したとき、サブCPU81は、表示役等の種別に応じて演出データをセットする(ステップS231)。その後、サブCPU81は、ステップS238の処理に移行する。
判断ステップS230の処理において、表示コマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS232)。ボーナス開始コマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、ステップS235の処理に移行する。一方、ボーナス開始コマンドを受信したと判別したとき、サブCPU81は、ボーナス開始用演出データをセットする(ステップS233)。
次に、サブCPU81は、RB遊技状態(サブ)を、副制御回路72が保持する遊技・作動状態情報(サブ)にセットし(ステップS234)、ステップS238の処理に移行する。遊技・作動状態情報(サブ)は、サブCPU81が参照する遊技状態や作動中フラグの情報を格納する領域である。また、RB遊技状態(サブ)は、サブCPU81で管理される遊技状態であり、メインCPU31で管理されるRB遊技状態と同一の状態である。
判断ステップS232の処理において、ボーナス開始コマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、ボーナス終了コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS235)。ボーナス終了コマンドを受信していないと判別したとき、サブCPU81は、ステップS238の処理に移行する。一方、ボーナス終了コマンドを受信したと判別したとき、サブCPU81は、ボーナス終了時用演出データをセットする(ステップS236)。
次に、サブCPU81は、一般遊技状態(サブ)を、副制御回路72が保持する遊技・作動状態情報(サブ)にセットする(ステップS237)。一般遊技状態(サブ)は、サブCPU81で管理される遊技状態であり、メインCPU31で管理される一般遊技状態と同一の状態である。
次に、サブCPU81は、ステップS222、S227、S229、S231、S233、S236の処理において、セットされた演出データに基づいて演出実行処理を行う(ステップS238)。演出実行処理は、演出識別子に応じたLED・サウンドデータを制御ROM82から読み出す処理である。演出実行処理が終了すると、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了させ、割り込み制御処理(図29参照)に処理を戻す。
次に、図32に示すフローチャートを参照して、サブCPU81の制御により行われる演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、RB遊技状態(サブ)であるか否かを判別する(ステップS251)。RB遊技状態(サブ)であると判別したとき、サブCPU81は、RB遊技状態用演出決定テーブルを参照し、内部当籤役に基づいてRB作動中用演出データを決定し、セットする(ステップS252)。RB遊技状態用演出決定テーブルは、内部当籤役に対応してRB遊技状態で用いられる演出データを規定している。このRB遊技状態用演出決定テーブルは、制御ROM82に格納されている。
その後、サブCPU81は、演出抽籤処理を終了させ、演出内容決定処理(図31参照)に処理を戻す。
判断ステップS251の処理において、RB遊技状態(サブ)ではないと判別したとき、サブCPU81は、一般遊技状態用演出決定テーブルを参照し、内部当籤役に基づいて一般遊技状態用演出データを決定し、セットする(ステップS253)。一般遊技状態用演出決定テーブルは、内部当籤役に対応して一般遊技状態で用いられる演出データを規定している。この一般遊技状態用演出決定テーブルは、制御ROM82に格納されている。
その後、サブCPU81は、演出抽籤処理を終了させ、演出内容決定処理に処理を戻す。
次に、図33に示すフローチャートを参照して、サブCPU81の制御により行われるサブリール用停止テーブル群決定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、RB遊技状態(サブ)であるか否かを判別する(ステップS261)。RB遊技状態(サブ)であると判別したとき、サブCPU81は、サブリール用停止テーブル群決定テーブルを参照し、内部当籤役に基づいてサブリール用停止テーブル群を決定する(ステップS262)。RB遊技状態(サブ)である場合、本例では、サブリール用停止テーブル群13が決定される(図17参照)。その後、サブCPU81は、サブリール用停止テーブル群決定処理を終了させ、演出内容決定処理(図31参照)に処理を戻す。
判断ステップS261の処理において、RB遊技状態(サブ)ではないと判別したとき、サブCPU81は、サブリール用停止テーブル群決定テーブルを参照し、内部当籤役に基づいてサブリール用停止テーブル群を決定する(ステップS263)。RB遊技状態(サブ)である場合、本例では、サブリール用停止テーブル群1〜12の何れかが決定される(図17参照)。その後、サブCPU81は、サブリール用停止テーブル群決定処理を終了させ、演出内容決定処理に処理を戻す。
次に、図34に示すフローチャートを参照して、サブCPU81の制御により行われるサブリール回転開始処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、前回のリールの回転開始から4.1秒経過したかどうかを判別する(ステップS271)。4.1秒経過していなければ、待ち時間として4.1秒を消化するため動作を停止する(ステップS272)。4.1秒経過していれば、ステップS273の処理に移行する。
次に、サブCPU81は、サブリール23L,23C,23Rの回転開始を要求する(ステップS273)。その後、サブCPU81は、サブリール回転開始処理を終了させ、演出内容決定処理(図31参照)に処理を戻す。サブリール23L,23C,23Rの回転開始を要求すると、演出内容決定処理(図31参照)のステップS236で行われる演出実行処理によってサブリール23L,23C,23Rの回転が開始される。
次に、図35に示すフローチャートを参照して、サブCPU81の制御により行われるリール停止コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、作動ストップボタンの種別及び順序を保持する(ステップS281)。つまり、サブCPU81は、作動ストップボタンの種別及び順序をSDRAM83に記憶する。
次に、サブCPU81は、サブリール用停止テーブル群決定処理(図33参照)において決定されたサブリール用停止テーブル群を参照し、作動ストップボタンに基づいて停止テーブルを決定する(ステップS282)。続いて、サブCPU81は、決定された停止テーブルを参照し、現在の図柄位置に基づいてサブリール23L,23C,23Rの停止制御を実行する(ステップS283)。
このとき、決定された停止テーブルは、メインCPU31の制御により行われるリール停止制御処理において決定された停止テーブルと同じものである。そのため、サブ表示窓24L内に停止するサブリール23L,23C,23Rの図柄位置は、メイン表示窓4L内に停止するメインリール3L,3C,3Rの図柄位置と同じになる。
サブリール23L,23C,23Rの停止制御を実行すると、サブCPU81は、サブリール回転開始処理を終了させ、演出内容決定処理(図31参照)に処理を戻す。
次に、図36〜図38を参照して、4thリール110による具体的な演出の内容について説明する。
スタートレバー6の操作が行われると、メインリール3L,3C,3R及びサブリール23L,23C,23Rの回転が開始される。このとき、決定された内部当籤役が「スイカ+BB2」であったとする(図7(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号が「3」であった場合)。また、4th表示窓112には、今回のゲームの前に行われた演出により、4thリール110の「ブランク」の図柄が表示されていたとする。
図36は、左メインリール3Lに対する第1停止操作が行われた場合であって、4thリール110による演出の開始を示唆する特定の図柄がサブ表示窓24Lに停止表示されなかった状態を示す説明図である。
内部当籤役として「スイカ+BB2」が決定されている場合に、左メインリール3Lに対して第1停止操作が行われると、図12に示すスイカ用停止テーブル(第1停止用)を参照して滑り駒数決定データが決定される。例えば、左メインリール3Lの図柄位置「16」の図柄がメイン表示窓4Lの中段に表示されているときに、左メインリール3Lに対して停止操作が行われると、滑り駒数決定データとして「0」が決定される。
その場合、図36に示すように、左メインリール3Lの図柄位置「15」,「16」,「17」の図柄である「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」がメイン表示窓4L内に停止して表示される。また、左サブリール23Lの図柄位置「15」,「16」,「17」の図柄である「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」がサブ表示窓24L内に停止して表示される。このように、4thリール110による演出の開始を示唆する特定の図柄である「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」をサブ表示窓24L内に停止させることができなかった場合は、4thリール110による演出が実行されない。
図37は、左メインリール3Lに対する第1停止操作が行われた場合であって、4thリール110による演出の開始を示唆する特定の図柄がサブ表示窓24Lに停止表示された状態を示す説明図である。
上述したように、内部当籤役として「スイカ+BB2」が決定されている場合に、左メインリール3Lに対して第1停止操作が行われると、図12に示すスイカ用停止テーブル(第1停止用)を参照して滑り駒数決定データが決定される。例えば、左メインリール3Lの図柄位置「3」の図柄がメイン表示窓4Lの中段に表示されているときに、左メインリール3Lに対して停止操作が行われると、滑り駒数決定データとして「4」が決定される。
その場合、図37に示すように、左メインリール3Lの図柄位置「6」,「7」,「8」の図柄である「雲」、「雲」、「羽」がメイン表示窓4L内に停止して表示される。また、左サブリール23Lの図柄位置「6」,「7」,「8」の図柄である「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」がサブ表示窓24L内に停止して表示される。
このように、4thリール110による演出の開始を示唆する特定の図柄である「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」をサブ表示窓24L内に停止させることができた場合は、4thリール110による演出が実行される。4thリール110による演出が実行されると、4thリール110の回転が開始される。
特定の図柄である「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」がサブ表示窓24L内に停止して表示されることにより、遊技者は、4thリール110による演出が開始されることを知ることができる。その結果、遊技者は、4thリール110を見れば、演出を確認することができ、その演出による特典を享受することできる。
図38は、4thリール110による演出が行われた状態の一例を示す説明図である。
4thリール110による演出において、演出Dの演出データが実行されると、4thリール110は、右回転して「チャンス」の図柄が4th表示窓112内に表示されるように停止する。これにより、遊技者は、内部当籤役として「スイカ+BB2」が当籤していた確率が高いと予想することができる。なぜなら、内部当籤役として「スイカ+BB2」が当籤している場合には、50%(64/128)の確率で、4thリール110が右回転して「チャンス」の図柄が4th表示窓112内に表示されるからである。
例えば、演出Eの演出データが実行され、4thリール110が左回転して「7」の図柄が4th表示窓112内に表示されるように停止すると、遊技者は、内部当籤役として「スイカ+BB2」が当籤していたことを確認することができる。なぜなら、内部当籤役として「スイカ+BB2」が当籤していたときにのみ、4thリール110が左回転して「7」の図柄が4th表示窓112内に表示されるからである。
以上、添付図面に基づいて、本発明の一実施の形態に係る遊技機1の構成と動作の説明を行った。
本実施の形態に係る遊技機1によれば、決定された内部当籤役と、停止操作の検出と、複数のメインリール3L,3C,3Rの停止制御とに基づいて、複数のサブリール(第1サブリール)23L,23C,23Rの図柄の変動が停止される。このとき、左サブリール23Lの特定の図柄(「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」)がサブ表示窓24Lに停止して表示されると、4thリール(第2サブリール)110による演出が行われる。
左サブリール23Lの特定の図柄(「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」)は、4thリール110を指し示す矢印となっており、4thリール110による演出の開始を示唆する。そのため、遊技者は、サブリール23L,23C,23Rに視線を向けておけば4thリール110による演出が行われることを知ることができる。これにより、遊技者は、4thリール110を見るタイミングを容易に判断することができ、サブリール23L,23C,23Rと4thリール110が設けられていても、視線を目まぐるしく変化させる必要がない。その結果、遊技中の遊技者の負担を軽減することができる。
また、4thリール110による演出を享受したくない場合は、左サブリール23Lの特定の図柄(「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」)がサブ表示窓24Lに停止しないよう停止操作を行えばよい。これにより、4thリール110による演出が実行されないようにすることができ、遊技者は、4thリール110に対して視線を向ける必要がなくなる。つまり、遊技者は、目押しをすることにより、4thリール110による演出の有無を選択することができる。
本実施の形態に係る遊技機1によれば、内部当籤役として「スイカ」と「スイカ+BB2」がそれぞれ当籤するように設定されている。そして、4thリール110には、決定された内部当籤役が「スイカ」のみであったことを報知する「×」の図柄と、決定された内部当籤役が「スイカ+BB2」であったことを報知する「7」の図柄とを有している。
そのため、4thリール110による演出を行うことで、内部当籤役として「スイカ」のみが当籤したのか、「スイカ+BB2」が当籤したのかを遊技者に報知することができる。
本実施の形態に係る遊技機1によれば、決定された内部当籤役に「スイカ」が含まれている場合に、左サブリール23Lの特定の図柄(「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」)をサブ表示窓24Lに停止させることが可能になる。そのため、内部当籤役として「スイカ」及び「スイカ+BB2」が当籤した場合にだけ4thリール110による演出を実行させることができる。
なお、上述した実施の形態にかかる遊技機1では、4thリール110(第2サブリール)による演出の開始を示唆する特定の図柄として、「縦線(|)」、「縦線(|)」、「上矢印(↑)」を適用した例について説明した。しかしながら、本発明に係る特定の図柄としては、例えば、その他の図を適用することができることは勿論、例えば、「4thリールに注目!」や「4thリールの演出が開始されます!」というような文字(メッセージ)を適用することができる。
上述した実施の形態にかかる遊技機1では、左サブリール23Lに特定の図柄を設ける構成としたが、本発明に係る特定の図柄としては、中サブリール23Cや右サブリール23Rに設ける構成としてもよい。また、本発明に係る特定の図柄としては、サブリール23L,23C,23Rのうちの2以上のサブリールに設ける構成としてもよい。その場合、4thリール110による演出が実行される条件としては、2以上のサブリールに設けられた特定の図柄が全てサブ表示窓に表示されることとしてもよく、何れか1つのサブリールの特定の図柄がサブ表示窓に表示されることとしてもよい。
上述した実施の形態にかかる遊技機1では、遊技者の停止操作によって左サブリール23Lの特定の図柄がサブ表示窓24Lに表示されるように構成した。しかしながら、本発明に係る特定の図柄は、内部当籤役として「スイカ」或いは「スイカ+BB2」が当籤した場合に、遊技者の停止操作に関係なくサブ表示窓24Lに表示される構成としてもよい。その場合、遊技者が4thリール110による演出の有無を選択することができなくなるが、遊技者にとって有利な情報を見逃すことを防止することができる。
上述した実施の形態にかかる遊技機1では、ボーナスゲームの開始に係る特別の内部当籤役として「BB1」及び「BB2」を適用したが、本発明に係る特別の内部当籤役は、「BB1」及び「BB2」に限定されない。本発明に係る特別の内部当籤役としては、1種類であってもよく、また、3種類以上であってもよい。
また、上述した実施の形態にかかる遊技機1では、所定の内部当籤役として「スイカ」を適用したが、本発明に係る所定の内部当籤役は、「スイカ」に限定されない。そして、本発明に係る所定の内部当籤役としては、2種類以上としてもよい。
以上、本発明の一実施の形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。