JP2013071022A - 洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理体の一面側の洗浄領域に洗浄液を局所的に供給して、被処理体の側面や他面側への洗浄液の回り込みを防止できる洗浄処理装置を提供する。
【解決手段】被処理体であるテンプレートTの転写パターン(洗浄領域)を当該転写パターンが下方に向くように保持機構4により吸着保持する。前記転写パターンを含み、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間を液収容部31により形成し、前記通流空間に液収容部31の底面に形成された第1の開口部31aからリンス液を供給し、前記転写パターンを囲むように液収容部31と転写パターン2外側領域との間に形成された隙間30を介して排液部32に排液する。リンス液は液収容部31内を通流するので、洗浄領域に局所的に供給され、テンプレートTの側面や他面側への洗浄液の回り込みを抑えながら洗浄処理を行うことができる。
【選択図】図1
【解決手段】被処理体であるテンプレートTの転写パターン(洗浄領域)を当該転写パターンが下方に向くように保持機構4により吸着保持する。前記転写パターンを含み、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間を液収容部31により形成し、前記通流空間に液収容部31の底面に形成された第1の開口部31aからリンス液を供給し、前記転写パターンを囲むように液収容部31と転写パターン2外側領域との間に形成された隙間30を介して排液部32に排液する。リンス液は液収容部31内を通流するので、洗浄領域に局所的に供給され、テンプレートTの側面や他面側への洗浄液の回り込みを抑えながら洗浄処理を行うことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、被処理体例えばその一面に転写パターンが形成されたテンプレートに洗浄液を供給して洗浄処理を行う技術に関する。
近年、半導体デバイスの製造工程では、例えば半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に微細なレジストパターンを形成するにあたり、フォトリソグラフィに代わるインプリント法と呼ばれる手法が提案されている。この手法では、特許文献1〜4に記載されているように、転写パターンが形成されたテンプレートを用いて、レジストパターンの形成が行われている。
インプリント法について、図26を参照して簡単に説明すると、先ず、ウエハWに、紫外線(UV)にて硬化する性質を有するレジスト液を塗布してレジスト膜11を形成し、このレジスト膜11の上方側からテンプレート12を押し付け、その下面側の転写パターン13をレジスト膜11に転写する。次いで、テンプレート12を介してレジスト膜11の表面に紫外線を照射し、レジスト膜11を硬化させた後、テンプレート12を上昇させることにより、レジスト膜11に所定のパターンを形成する。ここで、前記転写パターン13の表面には例えばフッ素樹脂からなる離型膜14が形成されており、テンプレート12をレジスト膜11から外すときに、パターンの型崩れやテンプレート12側へのレジスト膜11の付着を防止している。
この離型膜14は、離型剤を転写パターン13の表面に塗布した後加熱して、前記表面に離型剤を結合させ、次いで余剰の離型剤を除去するリンス処理を行うことによって形成されている。前記リンス処理は、例えば特許文献1に記載されるように、リンス液にテンプレート12を浸漬させたり、テンプレート12を回転させながら、当該テンプレート12表面にリンス液を供給することによって行われている。
しかしながら、これらの手法では、テンプレート12の側面や転写パターン13が形成されていない他面側にもリンス液が供給されてしまう。転写パターン13以外の領域にリンス液を供給しても当該リンス液を乾燥させればよいが、仮にリンス液と共に、テンプレート12の側面や他面側に余剰の離型剤が流動してしまうと、その部位に離型膜が形成されるため、これを抑制することが望ましい。離型膜はフッ素樹脂からなり、摩擦係数が小さいことから、例えば搬送アームが保持する領域や、アライメントを行う治具が押える領域に離型膜が形成されると、搬送アームからテンプレート12が脱落したり、アライメント作業を正確に実施できなくなる懸念が生じるからである。このため、転写パターン13の形成領域の近傍領域にリンス液を供給して、局所的に洗浄する手法の開発が要請されている。
本発明は、このような事情の下になされたものであり、一面側に洗浄領域を備えた被処理体に対して、前記洗浄領域を含む領域に局所的に洗浄液を供給することにより、洗浄処理の際に、被処理体の側面や他面側への洗浄液の回り込みを抑えることができる技術を提供することにある。
このため本発明は、非洗浄領域の内側に洗浄領域が形成された被処理体を、前記洗浄領域が下方に向くように保持する保持機構と、
前記保持機構に保持された被処理体の洗浄領域を含み、被処理体の外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間を形成する通流空間形成部と、
前記通流空間に前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
前記通流空間の洗浄液を排液する洗浄液排液部と、を備えることを特徴とする。
前記保持機構に保持された被処理体の洗浄領域を含み、被処理体の外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間を形成する通流空間形成部と、
前記通流空間に前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
前記通流空間の洗浄液を排液する洗浄液排液部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、被処理体の一面側の洗浄領域を含み、被処理体の外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間に前記洗浄液を通流させながら洗浄している。このため、前記洗浄領域を含む領域に洗浄液を局所的に供給することができるので、被処理体の側面や他面側への洗浄液の回り込みを抑えながら前記洗浄領域の洗浄を行うことができる。
以下、本発明の一実施の形態について、被処理体であるテンプレートに離型膜を形成する際に、テンプレートを洗浄する洗浄装置に適用した場合を例にして説明する。図1は、本発明の洗浄装置2の一実施の形態を示す縦断面図、図2はその概略斜視図である。先ず、テンプレートTについて、図3及び図4を参照して説明する。このテンプレートTは、例えば石英等の光を透過する材料により、平面形状が四角形状例えば正方形状に構成されている。そして、その一面側中央には、他の領域から突出するようにパターンエリア21が設けられており、このパターンエリア21内に所定の転写パターン22が形成されている。本発明では、転写パターン22を含む、テンプレートTの中央領域が洗浄領域に相当し、この洗浄領域の外側の領域であって、洗浄液が供給されない領域が非洗浄領域に相当する。従って非洗浄領域には、テンプレートTの側面や他面側のみならず、テンプレートTの一面側の外縁よりも内方側であって、洗浄液と接触しない領域も含まれる。
転写パターン22は例えばフォトリソグラフィにより構成され、当該転写パターン22の表面には、背景技術にて記載したように、テンプレートT側へのレジストの付着を防ぎ、転写性の良好なレジスト形状を形成するために、離型膜23が形成されている。テンプレートTは例えば一辺が152mm(6インチ)、パターンエリア21は例えば26mm×33mm、パターンエリア21の高さh1は例えば0.05mmに夫々設定されている。
洗浄装置2は、装置本体3と、テンプレートTの保持機構4と、を備えている。装置本体3は、図2及び図5(図1のA−A’線断面図)に示すように、平面形状が略円形状に構成され、上部本体3Aと下部本体3Bとにより構成されている。この例では、下部本体3Bは、上部本体3Aよりも平面形状が一回り大きくなるように設定されており、上部本体3Aには、その上面の中央部に液収容部31が形成されている。
液収容部31は通流空間形成部をなすものであり、この例では、後述するようにテンプレートTが洗浄位置にあるときに、パターンエリア21を含み、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域に洗浄液を満たして通流させるための通流空間を形成するように凹部状に構成されている。液収容部31の平面形状は例えば円形状に構成され、テンプレートTのパターンエリア21よりも一回り大きくなるように設定されている。液収容部31の大きさの一例を挙げると、直径が例えば50mmである。また、液収容部31には例えば底面部の中央に、前記洗浄位置にあるテンプレートTの転写パターン22に対向するように開口する第1の開口部31aが形成されている。
装置本体3における液収容部31の周囲には、当該液収容部31を囲むように環状の排液部32が設けられている。この排液部32は洗浄液排液部をなすものであり、液収容部31の下方側まで伸びるように形成されている。また、液収容部31と排液部32との間には、下方側に傾斜する傾斜面33が形成されており、液収容部31からオーバーフローしたリンス液が、当該傾斜面33によりガイドされながら、重力により排液部32に排液されるように構成されている。
さらに、装置本体3における排液部32の周囲には、当該排液部32を囲むように環状のガス流路34が形成されている。このガス流路34の上面はガス吐出口35をなしており、こうして排液部32を囲むように環状のガス吐出口35が形成される。このガス吐出口35は、前記洗浄位置にあるテンプレートTの周縁領域の下面に近接するように設けられており、このガス吐出口35から前記テンプレートTの周縁領域(非洗浄領域)に、その周方向に沿ってガスが吹き付けられる。そして、このテンプレートTの周縁領域へのガスの供給により、リンス液が前記周縁領域よりも外方側に回り込むことが防止される。
さらに、装置本体3の内部には、液収容部31にリンス液を供給するための洗浄液供給路36が形成され、この供給路36の一端側は、前記第1の開口部31aに接続されている。また、洗浄液供給路36の他端側は例えば装置本体3の側壁部に開口すると共に、共通路51を介して洗浄液供給管52と、ガス供給管53と、吸引管54とに接続されている。前記洗浄液供給管52は、開閉バルブや流量調整バルブ等を備えた流量調整部52aを介して、リンス液(洗浄液)である例えば純水の供給源52bに接続されている。例えばリンス液の供給源52bには、図示しない送液機構が設けられており、この送液機構としては、窒素ガス等の圧送用ガスを利用する機構や、ポンプ等が用いられる。また、前記ガス供給管53は、開閉バルブや流量調整バルブ等を備えた流量調整部53aを介して、乾燥用ガスである窒素(N2)ガスの供給源53bに接続されている。さらに、吸引管54は、開閉バルブV1を介して第1の吸引機構である吸引ポンプP1に接続されている。
さらにまた、前記排液部32には、例えば装置本体3の側壁部に開口する排液路37が接続されており、この排液路37は開閉バルブV2を備えた排液管55を介して第2の吸引機構である吸引ポンプP2に接続されている。この吸引ポンプP2は、本発明の吸引機構に相当するものである。また、前記ガス流路34の他端側はガス供給管56に接続され、このガス供給管56は、開閉バルブや流量調整バルブ等を備えた流量調整部56aを介して、洗浄液の回り込み防止用のガス例えば窒素ガスの供給源56bに接続されている。このような装置本体3は、例えば下面中央を支持部26により支持されている。
この例では、洗浄液供給路36と、洗浄液供給管52と、洗浄液の供給源52bとにより洗浄液供給部が構成されている。また、ガス吐出口35と、ガス流路34と、ガス供給管56と、回り込み防止用のガスの供給源56bとにより、前記洗浄位置にあるテンプレートTの非洗浄領域に、洗浄液の回り込み防止用のガスを供給するガス供給部が構成されている。なお、乾燥用ガスや回り込み防止用のガスとしては、N2ガス等の不活性ガスの他に、ドライエア等を用いるようにしてもよい。
前記保持機構4は、パターンエリア21が下方に向くようにテンプレートTを吸着保持するように構成されている。この保持機構4は、図2及び図6に示すように、例えば中央部に開口部40が形成された四角形状に構成され、テンプレートTの他面側(パターンエリア21が形成されていない面)において、テンプレートTの周縁側の保持領域24を吸着保持するようになっている。図6は、保持機構4を上方側から見たときの平面図であり、その下面に保持されるテンプレートTを一点鎖線にて示している。前記開口部40は、パターンエリア21と対応する位置に、当該パターンエリア21よりも大きく形成されており、この例ではパターンエリア21に合わせて四角形状に構成されている。ここで、テンプレートTの保持領域24は、外縁から例えば20mm(図1及び図6中h3)内側までの領域である。
保持機構4の内部には、例えばテンプレートTの保持領域24と対応する位置に、例えば環状の吸引路41が設けられており、この吸引路41の下面には多数の吸引孔42が形成されている。この吸引路41は、例えば開閉バルブV3を備えたフレキシブルな吸引管57を介して真空排気機構である真空ポンプP3に接続されている。
前記保持機構4は、図7に示すように、移動機構をなす昇降機構58により、テンプレートTの洗浄処理を行う洗浄位置(図1に示す位置)と、この洗浄位置の上方側の受け渡し位置(図7に示す位置)との間で昇降自在に構成されている。前記洗浄位置とは、保持機構4により保持されているテンプレートTの転写パターン22と、液収容部31との間に洗浄液の通流空間を形成する位置であり、受け渡し位置とは、保持機構4と外部の搬送機構6との間でテンプレートTの受け渡しを行う位置である。テンプレートTが前記洗浄位置にあるときには、テンプレートTの一面側の周縁領域の下面とガス吐出口35との距離h4が例えば100μmになるように設定されている。
また、テンプレートTが前記洗浄位置にあるときには、テンプレートTの一面側におけるパターンエリア21の外側の非洗浄領域の下面と液収容部31の上面との距離h5が100μm程度になるように設定される。これにより、液収容部31と洗浄位置にあるテンプレートTとの間には、環状の隙間30が形成されることになる。この隙間30は、洗浄領域を含み、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域を囲むように開口する第2の開口部に相当する。そして、この隙間30を介して、液収容部31からオーバーフローしたリンス液が排液部32に流出するようになっている。
このような洗浄装置は例えば筐体71内に収納されており、外部の搬送機構6によって搬送口72を介してテンプレートが搬入出されるようになっている。ここで、外部の搬送機構6について図8を用いて簡単に説明すると、例えばテンプレートTよりも大きい例えば円弧状のアーム部61を備え、このアーム部61にはその内縁から各々内側に突出する4個の保持部62が設けられている。この保持部62は、夫々テンプレートTの角部を保持するように構成され、こうしてテンプレートTを転写パターン22を下向きにした状態で保持するようになっている。前記アーム部61は、図示しない駆動部により、進退自在、昇降自在及び鉛直軸回りに回転自在に構成されている。
さらに、上述の洗浄装置2は制御部7を備えている。この制御部7は、例えばコンピュータからなり、プログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部を備えていて、前記プログラムには制御部7から洗浄装置2の各部、例えば流量調整部52a,53a,56aや開閉バルブV1〜V3、昇降機構58等に制御信号を送り、所定の洗浄処理例えば保持機構4によるテンプレートTの着脱動作、保持機構4の昇降動作、リンス液の供給や排液、乾燥ガスや回り込み防止用のガスの供給や供給停止等を制御して、所定の処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。このプログラムは、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)等の記憶部に格納されて制御部7にインストールされる。
続いて、本発明の洗浄装置2の作用について説明するが、この洗浄装置2は、テンプレートTに離型膜を形成する際に、テンプレートTを洗浄する処理に用いられるので、テンプレートTに離型膜を形成する処理について、図9を用いて簡単に説明する。先ず、新規のテンプレートTの転写パターン22が形成されている一面に対して、紫外線を照射するUV処理を行う。この新規のテンプレートTとは、未だインプリント処理に用いられていないテンプレートのことである。紫外線を照射することにより、テンプレートTの一面側に付着している有機物が除去され、当該一面側に水酸基(OH基)が露出する。次いで、テンプレートTの一面側に離型膜23の材料である離型剤25を塗布する塗布処理を行う。この離型剤25とは、−Si(OCH3)3等のシランカップリング基に、−CH2、−CF2や−CF3等からなる主鎖が結合したものであり、シランカップリング基がテンプレートT表面のOH基と結合して、フッ素(F)が上層側に存在するフッ素樹脂よりなる離型膜23が形成される。
次いで、加熱処理を行うと、テンプレートT表面のOH基とシランカップリング基との反応が促進され、この反応により生成するメチル基(−CH3)や水等など副生成物が飛ばされる。この後、テンプレートTに洗浄液(リンス液)を供給し、余剰の離型剤25を除去するリンス処理を行うことにより、転写パターン22の表面に離型膜23が形成されたテンプレートTが得られる。本発明の洗浄装置2では、このリンス処理が行われる。
こうして得られたテンプレートTはインプリント装置に搬送され、当該インプリント装置にて、背景技術の欄にて説明したような工程にて、レジストパターンの形成処理が実施される。そして、インプリント装置にて所定のインプリント処理を実施した後は、この使用後のテンプレートTに対して、転写パターン22の表面に結合した離型膜23を除去する洗浄処理が行われる。洗浄されたテンプレートTは、新規テンプレートと同様の手法にて、再び上述の一連の処理を行って離型膜23の形成が行われる。また、洗浄されたテンプレートTに対して、例えば外観検査等の所定の検査を行ってから、離型膜23の形成を行う場合もある。
続いて、本発明の洗浄装置2にて行われるリンス処理について説明する。先ず、図7に示すように、保持機構4を受け渡し位置に上昇しておき、テンプレートTを、外部の搬送機構6により保持機構4の下方側に搬送する。このテンプレートTは、転写パターン22の表面に離型剤25が塗布され、次いで加熱処理が実施されたものであり、前記搬送機構6に転写パターン22が下を向いた状態で保持されている。次いで、保持機構4を下降させて当該保持機構4の下面をテンプレートTの他面側の保持領域24に接触させる。そして、開閉バルブV3を開き真空ポンプP3によって吸引路41を吸引することにより、保持機構4にテンプレートTを吸着保持させる。このときの保持機構4の高さ位置が、テンプレートTの着脱を行う位置に相当する。
続いて、搬送機構6を退行させてから、図10に示すように保持機構4を下降させ、図1に示す洗浄位置に移動させる。次いで、図11に示すように、開閉バルブV2を開いて吸引ポンプP2により排液部32を吸引すると共に、流量調整部56aを制御してガス流路34内にN2ガスを導入し、ガス吐出口35からテンプレートTの周縁領域に向けてN2ガスを吐出する。ガス吐出口35よりも内方側の排液部32が吸引されていることから、N2ガスの大部分は内方側に向い、排液部32を介して流れていき、N2ガスの一部はガス吐出口35よりも外方側へ向かう。なお、排液部32は吸引ポンプP2により常時吸引するようにしてもよい。
次に、図12に示すように、排液部32を吸引ポンプP2により吸引し、ガス吐出口35からN2ガスを吐出した状態で、流量調整部52aを制御して、洗浄液供給路36を介して液収容部31内にリンス液Rを供給する。リンス液Rの供給源52bからのリンス液Rの送液と排液部32の吸引により、液収容部31ではその底部中央に形成された第1の開口部31aからリンス液Rが供給されて、徐々に液収容部31を満たして行く。そして、液収容部31の容量を越えると、液収容部31とテンプレートTとの間に形成された隙間30(第2の開口部)を介して、排液部32へオーバーフローして行く。この際、排液部32は下方側に伸びるように構成されているので、液収容部31のリンス液Rは、傾斜面33によりガイドされながら、重力により速やかに排液部32へと流出していく。
ここで、テンプレートTが前記洗浄位置にあるときには、テンプレートTから突出するパターンエリア21は液収容部31内に収まるように構成されている。このため、液収容部31にリンス液Rが満たされると、転写パターン22を含むテンプレートTの中央側の洗浄領域がリンス液に接触する。そして、既述のように、リンス液Rは液収容部31から排液部32へ通流していくため、液収容部31では周縁側へ向かう液流れが形成される。こうして、リンス液Rは転写パターン22に接触しながら流動していき、排液部32に排液される。
このとき、転写パターン22の表面には、転写パターン22の表面と結合していない余剰の離型剤25が付着している。つまり、転写パターン22の表面の水酸基と反応して結合するのは離型剤25の一分子層であり、この上に、水酸基と反応しない余剰分の離型剤25が載っている状態にある。このため、リンス液Rが転写パターン22と接触しながら通流していくと、余剰分の離型剤25がリンス液Rの流れに伴って流動し、転写パターン22から剥がされる。そして、剥がれた離型剤25は、リンス液Rと共に排液部32に流出して行き、吸引ポンプP2による吸引によって、装置本体3外部に除去される。
こうして、所定時間リンス液Rを供給して、転写パターン22の洗浄(リンス処理)を行った後、図13に示すように、排液部32を吸引し、ガス吐出口35からN2ガスを吐出した状態で、リンス液Rの供給を停止し、開閉バルブV1を開いて吸引ポンプP1により洗浄液供給路36を吸引する。これにより、液収容部31内のリンス液Rは排液部32を介して排出されると共に、洗浄液供給路36を介して排出され、リンス液R(洗浄液)の流路である洗浄液供給路36、液収容部31及び排液部32からリンス液Rが除去される。
次いで、図14に示すように、排液部32を吸引し、ガス吐出口35からN2ガスを吐出した状態で、開閉バルブV1を閉じて吸引ポンプP1による吸引を停止し、流量調整部53aを制御して乾燥用のN2ガスを洗浄液供給路36に導入する。乾燥用のN2ガスは、排液部32が吸引されていることから、洗浄液供給路36を介して液収容部31に供給され、さらに排液部32を介して排気される。これにより、転写パターン22が乾燥されると共に、リンス液Rの流路内部も乾燥される。
この後、開閉バルブV2、流量調整部56a及び流量調整部53aの開閉バルブを閉じて、排液部32の吸引、ガス吐出口35からのN2ガスの吐出及び乾燥用ガスの導入を停止する。続いて、保持機構4から搬送機構6にリンス処理後のテンプレートTを受け渡す。この動作では、先ず、保持機構4を受け渡し位置まで上昇させ、保持機構4の下方側に搬送機構6を進入させてから、保持機構4を着脱位置まで下降させる。この位置は、搬送機構6の保持部62の上にテンプレートTが載置される位置であり、次いで、開閉バルブV3を閉じて、真空吸着を解除することにより、保持機構4から搬送機構6にテンプレートTを受け渡す。この後、保持機構4を上昇させてから、テンプレートTを保持した搬送機構6を退行させ、搬送機構6により次工程に搬送する。
上述の実施の形態によれば、液収容部31の底面中央の第1の開口部31aから供給されたリンス液は、液収容部31内に溜まり、液収容部31とテンプレートTの非洗浄領域との間に形成された隙間30(第2の開口部)を介して排液部32へと排液されていく。
これにより、転写パターン22付近の洗浄領域のみに局所的に洗浄液が供給されて、転写パターン22上に存在する余剰の離型剤25を洗浄除去することができる一方、テンプレートTの外縁にはリンス液Rが供給されないので、テンプレートTの側面や他面側へのリンス液の回り込みが抑えられる。この際、液収容部31の周囲の排液部32は下方側に伸びるように形成されており、既述のように、液収容部31からオーバーフローしたリンス液Rは、重力により排液部32に向けて確実に流れて行く。このため、リンス液Rが排液部32よりも外側の領域に流出することはない。
さらにまた、転写パターン22を囲む環状のガス吐出口35からテンプレートTの周縁領域に洗浄液の回り込み防止用のN2ガスを供給した状態で、リンス液を液収容部31に供給している。前記ガス吐出口35とテンプレートTの下面との距離は例えば100μmと非常に小さく、ここにN2ガスが供給されることから、テンプレートTの周縁領域には環状のガスカーテンが形成された状態になる。このため、仮にリンス液が飛散したとしても、このガスカーテンによりリンス液の侵入が抑えられるため、テンプレートTの側面や他面側へのリンス液の付着が抑えられる。この例では、排液部32を吸引しながら、N2ガスを供給しているので、既述のように、前記N2ガスの大部分は排液部32側へ流れて行く。従って、N2ガスはテンプレートTの周縁領域から外方側へは流れて行きにくいので、N2ガスの流れに伴って、リンス液がテンプレートTの側面側へ飛散していくおそれもない。
このように、リンス液がテンプレートTの外縁に供給されることがないため、リンス液の流れに伴い、余剰の離型剤25がテンプレートTの側面や他面側まで流動していくことがない。ここで、テンプレートTの表面には水酸基が存在しているので、離型剤25が付着すると、当該水酸基と結合して離型膜23が形成されてしまうが、上述の洗浄装置2によれば、テンプレートTの側面や他面側へ離型剤が付着しないことから、これらの領域への離型膜23の形成が抑えられる。
従って、テンプレートTにおける、搬送機構6が保持する領域や、アライメントを行う治具が押える領域に離型膜が形成されることがないので、保持機構4や搬送機構6によるテンプレートTの搬送の際に、テンプレートTの脱落や位置ずれを抑えて、安定して搬送することができる。また、テンプレートTのアライメント作業を正確に実施することができる。
さらに、液収容部31により形成された通流空間では、テンプレートTの転写パターン22との間にリンス液を満たして通流させているので、リンス液は転写パターン22に接触して流動する。このため、微細なパターンの内部までリンス液が十分に行き渡り、余剰の離型剤25を転写パターン22表面から確実に除去することができる。また、排液部32を吸引ポンプP2により吸引しているので、転写パターン22から除去された離型剤25を当該排液部32から速やかに排出することができる。
さらにまた、転写パターン22の近傍領域のみに局所的にリンス液を供給できるので、薬液消費量が少なくて済む。また、リンス液は、洗浄液の流路内を通流しているので、当該洗浄液の流路内を吸引ポンプP1,P2により吸引するという簡易な手法で回収することができる。
さらにまた、この例では、液収容部31の底部中央の第1の開口部31aからリンス液を供給すると共に、転写パターン22を囲む隙間30(第2の開口部)を介して排液部32にリンス液を排液しているので、リンス液が液収容部31の中央から周縁に向けて同心円状に広がるように流れて行く。このため、リンス液は液収容部31に、転写パターン22の面内において一様に満たされていくため、面内均一性の高い洗浄処理を行うことができる。
また、リンス処理後、吸引ポンプP2により吸引することにより、液収容部31から隙間30を介して排液部32に排液しているので、リンス液が液収容部31の周縁に向けて同心円状に広がるように流出し、排液が速やかに行われる。さらに、洗浄液供給路36内も吸引ポンプP1により吸引して、洗浄液の流路内のリンス液を除去してから、当該洗浄液供給路36を介して乾燥用ガスを供給しているので、洗浄液の流路の乾燥と転写パターン22の乾燥とを同時に行うことができる。このように乾燥ガスの通流により、転写パターン22を乾燥しているので、乾燥の際に、リンス液が飛散して、テンプレートTの側面や他面側に付着するといったこともない。
さらにまた、液収容部31に対して接離自在に構成された保持機構4によりテンプレートTを吸着保持し、この保持機構4の高さ位置を制御することにより、液収容部31とテンプレートTとの間に前記洗浄液の通流空間及び、隙間30(第2の開口部)を形成している。このため、前記第2の開口部の大きさの調整を容易に行うことができるので、液収容部31へのリンス液の供給量と、液収容部31から排液部32へのリンス液の排液量とのバランスの調整が容易となる。
以上において、本発明の洗浄装置は、図15に示すように、環状のガス吐出口35の上部に、多数の孔部38aが周方向に互いに間隔を開けて形成された板状体38を設けるようにしてもよい。このような構成では、環状のガス流路34に供給されたガスが、孔部38aを介してテンプレートTの周縁領域に吐出され、孔部38aの数や形状、配置を調整することにより、周方向により均一にガスを吐出することができる。
さらに、本発明の洗浄装置は、図16に示すように、液収容部31内のリンス液に超音波振動を与える超音波発生機構や、リンス液を加熱する加熱機構74を備えるように構成してもよい。例えば超音波発生機構をなす超音波発生素子73や、加熱機構をなすヒータ74は、装置本体3の液収容部31の近傍に内蔵される。図16に示す構成では、超音波発生素子73とヒータ74とを両方備える構成を示したが、いずれか一方を備える構成であってもよい。
このように超音波発生素子73を備える構成では、リンス液に超音波振動が与えられるので、リンス液が細かく振動して転写パターン22に入り込み易くなり、洗浄効果が高められる。また、ヒータ74を備える構成では、リンス液に熱エネルギーが与えられ、より活性化されるため、洗浄効果が高められる。
さらに、本発明の洗浄装置の他の実施の形態について、図17を用いて説明する。この洗浄装置は、インプリント処理後のテンプレートTの洗浄処理に適用されるものであり、保持機構4に保持されたテンプレートTの転写パターン22に紫外線を照射する紫外線照射部81を備えている。
この例では、紫外線照射部81は、転写パターン22の形成領域全体に紫外線を照射すると共に、保持機構4の開口部40に収まる形状に形成されている。また、テンプレートTの他面側近傍に位置する処理位置(図17に示す位置)と、その上方側の位置との間で昇降機構82により昇降自在に構成され、保持機構4と外部の搬送機構6との間でテンプレートTの受け渡しが行われるときには、この受け渡し動作を阻害しないように、紫外線照射部81が上方側に移動するようになっている。その他の構成は、上述の図1の構成と同様である。
前記洗浄処理を行うときには、例えばガス吐出口35からN2ガスを吐出すると共に、排液部32を吸引ポンプP2により吸引する。そして、この状態で、紫外線照射部81を前記処理位置に位置させ、テンプレートTの他面側から転写パターン22に向けて紫外線を照射しながら、洗浄液(リンス液)の供給源52aから純水を液収容部31に供給する。テンプレートTは光を透過する材料により構成されているので、紫外線は転写パターン22の表面に到達し、転写パターン22と離型膜23の結合を切断する。この際、リンス液は液収容部31内を排液部32に向けて通流しているので、この洗浄液の流動により、離型膜23がテンプレートTから剥がれ、転写パターン22から除去される。
この洗浄処理においても、転写パターン22の形成領域に局所的に洗浄液を供給することができ、テンプレートTの側面や他面側への洗浄液の回り込みが抑えられる。このため、テンプレートTの側面や他面側に、テンプレートTから剥がれた離型膜23が再付着するおそれがない。また、洗浄液が局所的に供給されることから、洗浄液の消費量を少なくでき、当該洗浄液の回収を容易に行うことができる。
以上において、本発明の洗浄装置では、保持機構4と液収容部31とは相対的に昇降自在に構成されていればよく、例えば保持機構4は昇降させずに、装置本体31の支持部26に昇降機構を組み込み、装置本体31側を洗浄液の通流空間を形成する位置と、その下方側の位置との間で昇降自在に構成してもよい。この場合、保持機構4によるテンプレートTの着脱は、外部の搬送機構6を保持機構4に対して昇降させることにより行われる。
さらに本発明では、図18に示すように、装置本体3自体にテンプレートTを載置するようにしてもよい。この例では、装置本体3の側壁部39の上端にテンプレートTの一面側の周縁領域を保持させており、前記側壁部39が保持機構に相当する。また、装置本体3は、側壁部39と外部の搬送機構6との間でテンプレートTの受け渡しを行うために、例えば側壁部39が保持部62の内側に収まるように構成されている。
さらに、本発明の洗浄装置の通流空間形成部は必ずしも洗浄液を収容する凹部を備える必要はなく、例えば図19に示すように、テンプレートTと僅かな隙間を介して対向する面状体を備えるように通流空間形成部83を構成してもよい。この通流空間形成部83の中央には第1の開口部83aが形成され、通流空間形成部83とテンプレートTとの間の隙間は、通流空間形成部83上に洗浄液が供給されたときに、転写パターン22との間に洗浄液を満たして通流させることができる大きさに設定されている。通流空間形成部83には転写パターン22の外側の非洗浄領域と対向する位置において、洗浄液排液部84をなす凹部が下方側に伸びるように形成されている。この構成では、通流空間形成部83とテンプレートTとの間の隙間が第2の開口部83bをなし、この場合も第2の開口部83bと洗浄液排液部84とが接続され、第2の開口部83から洗浄液排液部84に洗浄液が排液される場合に含まれる。
前記第1の開口部83aは、例えば流量調整部85a及び送液ポンプPを備えた洗浄液供給路85を介して洗浄液(リンス液)の供給源85bに接続されている。この例では、送液ポンプP、洗浄液供給路85及び洗浄液の供給源85bが洗浄液供給部に相当する。また、洗浄液排液部84は、開閉バルブV4を備えた吸引路86を介して吸引ポンプP4に接続されている。
この構成では、リンス液の供給源85bから送液ポンプPにより第1の開口部83aを介して通流空間形成部83上に洗浄液を供給すると、この洗浄液は、通流空間形成部83と転写パターン22との間の隙間を通流していく。この際、送液ポンプPによって圧送されたリンス液は通流空間形成部83上を転写パターン22と接触しながら、広がるように流れて行き、第2の開口部83bを介して洗浄液排液部84に排液される。こうして、転写パターン22表面は、リンス液が接触しながら流動していくことによって洗浄される。
また、洗浄液排液部84は、テンプレートTの外縁よりも内方側に形成されているため、通流空間形成部83により、保持機構4に保持されたテンプレートTの洗浄領域を含み、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間が形成されることになる。この際、洗浄液排液部84は、吸引ポンプP2により、常時吸引されていてもよいし、洗浄液が有る程度溜まってから吸引してもよい。このような洗浄装置においても、通流空間形成部83上の洗浄液は第2の開口部83bから洗浄液排液部84に流れて行くので、洗浄液が第1の開口部83aと第2の開口部83bとの間に局所的に供給され、テンプレートTの側面や他面側への洗浄液の回り込みが防止される。
また、本発明の洗浄装置では、図20に示すように、第2の開口部を通流空間形成部に設けるようにしてもよい。この例の通流空間形成部87は、その内部に洗浄液を収容できるように、転写パターン22を囲む凹部状に構成されると共に、通流空間形成部87の上端とテンプレートTの転写パターン22の外側領域の下面とを接触させるように構成されている。そして、例えば通流空間形成部87の底面中央に第1の開口部87aが形成されると共に、通流空間形成部87の側壁部に周方向に間隔を開けて複数個の第2の開口部87bが形成されている。この場合にも、テンプレートTの転写パターン22を含み、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域を囲むように開口する第2の開口部に相当する。
そして、前記第2の開口部87bは、例えば流量調整部88a及び送液ポンプPを備えた洗浄液供給路88を介して洗浄液(リンス液)の供給源88bに夫々接続されている。この例では、送液ポンプP、洗浄液供給路88及び洗浄液(リンス液)の供給源88bが洗浄液供給部に相当する。また、第1の開口部87aは、洗浄液排液部をなす排液路89により、開閉バルブV5を介して吸引ポンプP5に接続されている。
この構成では、例えば開閉バルブV5を閉じた状態で、リンス液の供給源88bから送液ポンプPにより第2の開口部87bを介して通流空間形成部87上に洗浄液を供給すると、この洗浄液は、通流空間形成部87上に貯留していき、当該通流空間形成部87を満たして、転写パターン22に接触する。この後、例えば開閉バルブV5を開いて、吸引ポンプPにより排液路89を吸引し、吸引ポンプP5による洗浄液の排液と、送液ポンプPによる洗浄液の供給とのバランスをとることによって、洗浄液を転写パターン22と接触させた状態で、第2の開口部87bから第1の開口部87aヘ向けて通流させる。こうして、洗浄液は転写パターン22表面と接触しながら流動していくので、前記転写パターン22が洗浄される。このような洗浄装置においても、洗浄液は第2の開口部87bと第1の開口部87aとの間の通流空間形成部87により囲まれた領域に局所的に供給されるので、テンプレートTの側面や他面側への洗浄液の回り込みが防止される。
さらに、本発明の洗浄装置では、図21に示すように、保持機構に保持されたテンプレートTの転写パターン22を含み、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間を形成する通流空間形成部800と、この通流空間に前記リンス液を供給する洗浄液供給部801と、この通流空間の洗浄液を排液する洗浄液排液部802、を備える構成であればよい。この際、図示のように、洗浄液供給部801と通流空間を接続する第1の開口部803と、洗浄液排液部802と通流空間を接続する第2の開口部804の一方を、転写パターン22と対向するように開口させ、他方を転写パターン22を囲むように開口させる必要はない。以上において図19〜図21では、保持機構の図示を省略している。
以上において、本発明では、通流空間形成部により形成された通流空間内での洗浄液の通流は、吸引機構による排液部の吸引と、ポンプ等の送液機構による洗浄液供給源からの送液とを組み合わせて行ってもよい。また、吸引機構による排液部の吸引又は、洗浄液供給源からの送液とのいずれか一方により行うようにしてもよい。
さらに、本発明の洗浄装置では、必ずしもテンプレートTの非洗浄領域に、洗浄領域を囲むように、洗浄液の回り込み防止用のガスを供給するガス供給部を備える必要はない。また、ガス供給部を設ける代わりに、排液部の周囲に、当該排液部を取り囲むように、第2の洗浄液供給部を設けるようにしてもよい。この場合、テンプレートTの側面へ洗浄液が流れ込まないように、第2の洗浄液供給部の外側の側壁にシール部材を設けて、テンプレートTの外縁よりも内方側の領域のみに洗浄液を接触させるように構成することが好ましい。
さらに、本発明の洗浄装置では、通流空間形成部により形成された通流空間内に洗浄液を通流させて洗浄処理を行っているが、この洗浄処理には、通流空間に洗浄液を満たして、洗浄液を通流させずに被処理体の洗浄領域と洗浄液とを接触させた後、所定時間経過後に、洗浄液供給源からの洗浄液の送液及び/又は排液部の吸引を行って、洗浄液を通流させる場合も含まれる。
次に、本発明の洗浄装置を備えたインプリントシステムの全体構成について、図22及び図23を用いて簡単に説明する。このインプリントシステムは、テンプレートTに離型膜23を形成する処理を実施するテンプレート処理部と、ウエハWにレジストパターンを形成するインプリント処理を実施するインプリント処理部とを備えている。この例では、第1のテンプレート搬入出部S1と、テンプレート処理部S2と、第2のテンプレート搬入出部S3と、インプリント処理部S4と、ウエハ搬入出部S5と、が一列に配列されているように構成されている。
第1のテンプレート搬入出部S1では、複数枚のテンプレートTを収納するカセット91から、受け渡しアームA1がテンプレートTを取り出して、テンプレート処理部S2に受け渡し、テンプレート処理部S2から受け渡しアームA1が処理済みのテンプレートTを受け取るように構成されている。
テンプレート処理部S2は、各種の処理ユニットが多段に設けられた複数個例えば6個の棚ユニットU1〜U6と、これら棚ユニットU1〜U6の各部に対してテンプレートTを搬送する搬送機構A2と、を備えている。テンプレート搬入出部S1に隣接する棚ユニットU1は、受け渡しアームA1によりテンプレートTが搬送される受け渡し部(TRS)を備えている。また、棚ユニットU2,U3には、上述の塗布処理を実施する塗布装置(COT)と、上述のリンス処理を実施する本発明の洗浄装置2、棚ユニットU4には、上述のUV処理を実施するUV照射装置(UV)と、上述の加熱処理を実施する加熱装置(BAKE)と、テンプレートの温度調整を行う温調装置(CPL)、棚ユニットU5には、上述の洗浄処理を実施する洗浄装置2Aと、検査装置と、が夫々組み込まれている。さらに、第2のテンプレート搬入出部S3に隣接する棚ユニットU6は、反転装置92と受け渡し部とを備えている。前記搬送機構A2は、既述の外部の搬送機構6に相当するものであり、テンプレートTを保持するアーム部61が進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在に構成されている。
第2のテンプレート搬入出部S3は、棚ユニットU6の各部から、受け渡しアームA3がテンプレートTを受け取り、インプリント処理部S4に搬送するように構成されている。また、テンプレートTを保管するバッファ93や、テンプレートTのアライメント装置94が設けられている。
インプリント処理部S4では、例えば受け渡しアームA3との間でテンプレートの受け渡しを行うテンプレート受け渡し部95と、インプリント処理を実施するインプリント装置96と、後述するウエハ搬入出部S5との間でウエハWの受け渡しを行うウエハ受け渡し部97と、テンプレート受け渡し部95とインプリント装置96との間でテンプレートTを搬送するテンプレート用搬送機構A4と、ウエハ受け渡し部97とインプリント装置96との間でウエハWを搬送するウエハ用搬送機構A5と、を備えている。図示の便宜上、テンプレート用搬送機構A4とウエハ用搬送機構A5とを並べて描いているが、実際には、互いに干渉せずに各インプリント装置96に対してテンプレートTとウエハWを夫々搬送できるように配置され、例えばこれら搬送機構A4,A5は、夫々進退自在、昇降自在、鉛直軸周りに回転自在に構成されている。
また、ウエハ搬入出部S5は、複数枚のウエハWを収納するカセット98から、受け渡しアームA6がウエハWを取り出して、インプリント処理部S4のウエハ用受け渡し部97に受け渡し、インプリント処理部S4から受け渡しアームA6が処理済みのウエハWを受け取るように構成されている。
このようなインプリントシステムでは、テンプレート処理部S2に搬送されたテンプレートTは、転写パターン22が上を向いた状態で、搬送機構A2により、UV装置→塗布装置→加熱装置に順次搬送され、既述のUV処理と塗布処理と加熱処理が実施される。次いで、テンプレートTは搬送機構A2により反転装置92に搬送され、ここで転写パターン22が下を向くようにテンプレートTが反転される。反転装置92は、例えば図24に示すように、突出ピン100を備えた受け渡し機構101と、反転機構102とを備えている。受け渡し機構101は、搬送機構A2と反転機構102との間でテンプレートTの受け渡しを行うものであり、搬送機構A2により転写パターン22が上を向いた状態でテンプレートTが突出ピン100上に受け渡される。この突出ピン100は、例えばテンプレートTの周縁領域を保持するように構成されている。
反転機構102は、テンプレートTの互いに対向する側部を支持する一対の支持部103,103を備えており、これら支持部103,103は、図示しないテーパ溝にテンプレートの側部を挿入することによりテンプレートTを支持するように構成されている。また、支持部103,103は、接離機構104により、テンプレートTを支持する支持位置と、この支持位置の外方側の位置との間で、相互に接近、離隔できるように構成されている。接離機構104の基端側は回転機構105に接続され、前記支持部103,103が水平軸回りに回転できるように構成されている。
このような反転装置92では、突出ピン100上のテンプレートTの両側部を支持部103,103により支持し、突出ピン100を下降させた後、回転機構105により、転写パターン22が下を向くように回転させる。そして、突出ピン100を上昇させ、当該突出ピン100にテンプレートTを保持させてから、支持部103,103を離隔させる。こうして、転写パターン22が下を向くように反転され、突出ピン100上に保持されているテンプレートTを搬送機構A1より受け取り、洗浄装置2に搬送して、上述のリンス処理を実施する。
リンス処理後のテンプレートTは、転写パターン22が下を向いた状態で、棚ユニットU6の受け渡し部に搬送され、第2のテンプレート搬入出部S3を介して、インプリント処理部S4に搬送され、テンプレート搬送機構A4によりインプリント装置96へ搬入される。一方、ウエハWはウエハ搬入出部S5からインプリント処理部S4に搬送され、ウエハ搬送機構A5によりインプリント装置96へ搬入される。こうして、インプリント装置96内では、既述のインプリント処理が実施される。インプリント処理後のウエハWは、ウエハ受け渡し部97を介して受け渡しアームA6により、例えばウエハ搬入出部S5の元のキャリア98に戻される。
一方、インプリント処理に使用された使用済みのテンプレートTは、転写パターン22が下を向いた状態で、テンプレート受け渡し部95を介して受け渡しアームA3により、テンプレート処理部S2に戻される。そして、搬送機構A2により、棚ユニットU5の洗浄装置2Aに搬送され、転写パターン22に結合している離型膜23を除去する洗浄処理が実施される。
こうして、離型膜23が除去されたテンプレートTは、例えば反転装置92にて反転された後、検査装置に搬送されて所定の検査が実施され、受け渡しアームA1により第1のテンプレート搬入出部S1に戻される。また、反転装置92にて反転された後、そのまま第1のテンプレート搬入出部S1に戻される。そして、新たに離型膜23を形成する処理が実施される。
本発明のリンス処理を実施する洗浄装置2、洗浄処理を実施する洗浄装置2A及びインプリント装置96では、いずれも、転写パターン22を下向きにした状態で処理を行うので、リンス処理→インプリント処理→洗浄処理の間でテンプレートTを反転させる必要が無く、テンプレートTの搬送を速やかに行うことができる。
また、本発明では、紫外線照射部を備えた洗浄装置2Aにおいて、転写パターン22に結合していない余剰の離型剤を除去するリンス処理と、転写パターン22に結合した離型膜を除去する洗浄処理とを実施するようにしてもよい。この場合、リンス処理の際には、紫外線照射部から紫外線の照射を行わずに、リンス液の通流によって処理が行われる。
以上において、本発明の被処理体としては、テンプレートの他に、シリコン基板、マスク基板やガラス基板等であってもよく、洗浄液としては、純水の他、シンナー等を用いることもできる。
T テンプレート
W 半導体ウエハ
2 洗浄装置
21 パターンエリア
22 転写パターン
23 離型膜
25 離型剤
3 装置本体
31 液収容部
32 排液部
34 ガス流路
35 ガス吐出口
4 保持機構
41 吸引路
7 制御部
W 半導体ウエハ
2 洗浄装置
21 パターンエリア
22 転写パターン
23 離型膜
25 離型剤
3 装置本体
31 液収容部
32 排液部
34 ガス流路
35 ガス吐出口
4 保持機構
41 吸引路
7 制御部
Claims (12)
- 非洗浄領域の内側に洗浄領域が形成された被処理体を、前記洗浄領域が下方に向くように保持する保持機構と、
前記保持機構に保持された被処理体の洗浄領域を含み、被処理体の外縁よりも内方側の領域との間に洗浄液を満たして通流させるための通流空間を形成する通流空間形成部と、
前記通流空間に前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
前記通流空間の洗浄液を排液する洗浄液排液部と、を備えることを特徴とする洗浄装置。 - 前記通流空間形成部に設けられ、前記洗浄領域に対向するように開口する第1の開口部と、
前記通流空間形成部と前記被処理体の非洗浄領域の下面との間または前記通流空間形成部に設けられ、前記洗浄領域を含み、被処理体の外縁よりも内方側の領域を囲むように開口する第2の開口部と、を備え、
前記洗浄液供給部は、前記第1の開口部及び第2の開口部の一方に接続され、
前記洗浄液排液部は、前記第1の開口部及び第2の開口部の他方に接続されることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。 - 前記洗浄液排液部内の洗浄液を吸引する吸引機構を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄装置。
- 前記保持機構は被処理体を吸着保持するように構成され、
前記保持機構を前記通流空間形成部に対して、前記通流空間を形成する位置と、前記被処理体の受け渡しを行う位置との間で相対的に移動させるための移動機構を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の洗浄装置。 - 前記保持機構に保持された被処理体の非洗浄領域に、前記洗浄領域を囲むように、洗浄液の回り込み防止用のガスを供給するガス供給部を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の洗浄装置。
- 前記通流空間に乾燥用のガスを供給する乾燥用ガス供給部を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の洗浄装置。
- 前記保持機構に保持された被処理体の洗浄領域に紫外線を照射する紫外線照射部を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の洗浄装置。
- 前記通流空間の洗浄液に超音波振動を与える超音波発生機構を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の洗浄装置。
- 前記洗浄液を加熱する加熱機構を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の洗浄装置。
- 前記被処理体は、一面側に転写パターンが形成され、この転写パターンの表面に離型剤が塗布されたテンプレートであり、
前記洗浄処理は、洗浄領域である前記転写パターンを洗浄する処理であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載の洗浄装置。 - 前記洗浄処理は、前記転写パターン表面に結合していない余剰の離型剤を除去する処理であることを特徴とする請求項10記載の洗浄装置。
- 前記洗浄処理は、前記転写パターン表面に結合した離型剤を除去する処理であることを特徴とする請求項10記載の洗浄装置。
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WO2022137588A1 (ja) * | 2020-12-25 | 2022-06-30 | 淀川メデック株式会社 | 電子デバイス積層体の洗浄テーブル、洗浄装置及び洗浄方法 |
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