JP2013059287A - パターン化多孔質材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体吸収性高分子が3次元網目状に凝集され、互いに連通する複数の孔部11cが設けられた板状の多孔質材料11の一面11aに、凹部21が設けられているパターン化多孔質材料1を用いることによって前記課題を解決できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、疾患や事故等の原因で損傷、或いは失われた皮膚、骨や軟骨、靭帯、筋肉、気管、食道、鼻、耳、血管、膵臓、肝臓等の生体組織・臓器を修復、再生する多孔質材料に関する。
より詳細には、これらの生体組織・臓器に分化して組織化する細胞の接着・増殖・分化等の機能を空間的に制御するために、パターン構造を有する多孔質材料及び製造方法に関する。
原料としては、ポリ乳酸やポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリ−ε−カプロラクトン等の生体吸収性合成高分子、コラーゲンやゼラチン、セルロース、ポリアルギン酸、キチン、キトサン、澱粉、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブロネクチン、及びラミニン等の生体吸収性天然高分子が挙げられる。
本発明は、以下の構成を有する。
(2)前記凹部が複数設けられており、平面視形状及び面積が同一であることを特徴とする(1)に記載のパターン化多孔質材料。
(3)前記生体吸収性高分子が架橋されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のパターン化多孔質材料。
(5)前記凹部が断面視半円状とされていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のパターン化多孔質材料。
(8)平面視形状又は/及び面積が前記凹部と異なる別の凹部が前記一面に設けられていることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のパターン化多孔質材料。
(10)前記生体吸収性天然高分子がコラーゲン、ゼラチン、セルロース、ポリアルギン酸、キチン、キトサン、澱粉、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブロネクチン、又はラミニンのいずれかであることを特徴とする(9)に記載のパターン化多孔質材料。
(12)前記凹部に充填された生体吸収性高分子に生理活性物質又は細胞成長因子が添加されていることを特徴とする(11)に記載のパターン化多孔質材料。
(13)前記細胞成長因子が上皮細胞成長因子(EGF)、血管細胞成長因子(VEGF)、神経成長因子(NGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板成長由来因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、骨形成誘導タンパク質(BMP)、血管細胞成長因子又は神経細胞成長因子のいずれか1種以上であることを特徴とする(12)に記載のパターン化多孔質材料。
(15)前記減圧乾燥した生体吸収性高分子を架橋処理する工程と、を有することを特徴とする(14)に記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
(17)前記基板として熱伝導性の高い材料を用いることを特徴とする(14)〜(16)のいずれかに記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
(18)前記液滴の主成分として、水又はt−BuOHを用いることを特徴とする(14)〜(17)のいずれかに記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
(20)インクジェット法、手動による作製方法又は光リソグラフィー法を用いて、液滴の大きさ及び位置を制御して、鋳型基板を作成することを特徴とする(14)〜(19)のいずれかに記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
<パターン化多孔質材料>
本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の一例について説明する。
図1は、本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の一例を示す模式図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線における断面図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態であるパターン化多孔質材料1は、生体吸収性高分子が3次元網目状に凝集され、互いに連通する複数の孔部11cが設けられた板状の多孔質材料11の一面11aに、平面視同一形状及び同一面積の凹部21が複数設けられてパターン化されて概略構成されている。
凹部21の平面視形状は円形に限られるものではなく、四角形状、多角形状又は星形状等でもよい。インクジェット法で平面視円形状の液滴しか吐出できない場合でも、外枠を線状のパターンで形成してから、内部を円形状のパターンで充填することによって、平面視星形状を形成することができる。最近傍の凹部21同士の間隔は同一の長さtとされている。これにより、一定のパターンを限定することができる。長さtは、例えば、0.5mmとする。
凹部21の配置はこれに限定されるものはなく、平面視六方最密状に配置してもよく、また、凹部21を隣接配置して、平面視線状としてもよい。これらにより、一定のパターンを限定することができる。
凹部21は断面視半円状とされている。断面視半楕円形状としてもよい。いずれにしても、断面視形状は、水、t−BuOH又は高分子水溶液を凍結させ、作成する鋳型形状によって決定される。平面視形状は円形状又は楕円形状となる。
生体吸収性合成高分子は、ポリ乳酸やポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体又はポリ−ε−カプロラクトン等である。
生体吸収性天然高分子は、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、ポリアルギン酸、キチン、キトサン、澱粉、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブロネクチン、又はラミニン等である。
これらの生体吸収性高分子の一種類、或いは数種類を混ぜて用いることもできる。
これらの生体吸収性高分子は、容易に、板状の多孔質材料11を作成できるとともに、生体組織工学用基板として用いることができる。
本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の製造方法の一例について説明する。
図2、3は、本発明の第1の実施形態であるパターン化多孔質材料の製造方法の一例を示す工程図である。図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B’線における断面図である。
本発明の第1の実施形態であるパターン化多孔質材料の製造方法は、鋳型基板を作成する工程S1と、生体吸収性高分子水溶液を凍結する工程S2と、を有する。
まず、鋳型基板を作成する工程S1において、パターン構造を有する氷の鋳型を予め作製して、多孔質材料における空隙部分を制御する。
具体的には、まず、図2に示すように、基板31の一面に複数の液滴34を凍結配置して鋳型基板41を作成する。また、基板31の外周部に壁状部材33を配置する。
液滴34の配置は、例えば、インクジェット法を用いて、液滴の大きさ及び位置を精密に制御する。この液滴の大きさ及び位置により、最終的に作成するパターン化多孔質材料のパターンが決定される。
このように、あらかじめ多孔質体の第一の溶液を型板に上述の方法と同様にパターン状に塗布して凍結させることにより、支持部となる高分子51の化学組成を制御することができる。
(1)インクジェット法(ディスペンサーロボットで作製する方法)
インクジェット法は、一定量の微量液体を吐出する装置(ディスペンサーロボット)を用いて、液体の滴下パターンを作製する方法である。ディスペンサーロボットにおいて、液体吐出ノズルを備えたヘッド部分は、コンピュータプログラムによってx−y方向の任意の位置に移動させることができ、型板に向かって液体を吐出することができる。
よって任意の滴下パターンを描画することができる。
まず、高分子フィルムを金属板の上に敷く又は金属板を包み、高分子フィルムを金属板の上に載せる。次に、コンピュータプログラムにしたがって、水、或いは高分子溶液のパターンを描画する。次に、水の氷点以下の温度で凍らせることにより、パターン構造を有する氷の鋳型が得る。
氷のパターンを直接描く場合では、氷に接触する環境を窒素やアルゴン等のガスにして、高分子フィルムを載せた金属板を氷点より低い温度まで冷やしながら、描いた水は直ちに凍結させ氷の鋳型パターンを作製する。
高分子フィルムとして、過フッ化アルコキシフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、テフロンフィルム等を用いる
手動で作製する方法は、まず、高分子フィルムを金属板の上に敷く又は金属板を包み、高分子フィルムを金属板の上に載せる。
次に、先が鋭いチップで、前記高分子フィルム上に、水、或いは氷のパターンを描く。
次に、氷点以下の温度で凍らせることにより、パターン構造を有する氷の鋳型を得る。
氷のパターンを直接描く場合では、氷に接触する環境を窒素やアルゴン等のガスにして、高分子フィルムを載せた金属板を氷点より低い温度まで冷やしながら、描いた水は直ちに凍結させ氷の鋳型パターンを作製する。
光リソグラフィー法は、まず、上述の高分子からなるフィルムの表面で光反応性のポリマーを塗布する。
次に、フォトマスクを載せて紫外線を照射する。これにより、フォトマスクの透明の部分に光反応性のポリマーがグラフトされて、紫外線が通らない部分の高分子は洗浄により除かれ、光反応性ポリマーのパターンが形成される。
純水をパターン化表面に撒布すると、水は光反応性ポリマーのパターンに従って、パターン構造が形成される。
これを氷点より低い温度下に置くと、パターン構造を有する氷の鋳型が得られる。光反応性のポリマーとして、光反応性のポリエチレングリコールやポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン等の親水性の光反応性ポリマーがある。
次に、生体吸収性高分子水溶液を凍結する工程S2で、生体吸収性高分子水溶液35eを流し込み、凍結することにより、氷鋳型と生体吸収性高分子を一緒に凍結させる。凍結した構造物を凍結乾燥することにより、氷鋳型と溶媒を除く。
具体的には、まず、生体吸収性高分子水溶液35eを調製し、0℃以下の低温チャンバー内か冷蔵庫内に数時間置き、溶液の温度を0℃以下にする。
冷却温度は、生体吸収性高分子水溶液35eが凍結しなければよく、望ましい温度は0℃から−10℃である。
冷却時間は生体吸収性高分子水溶液35eが十分冷却されればよく、望ましい冷却時間は1時間〜12時間である。
充填の際、生体吸収性高分子水溶液の融解温度以上、液滴34の融解温度未満の範囲に温度制御しすることが好ましい。これにより、生体吸収性高分子水溶液を細部にも充填でき、液滴34の形状を高精度に転写できる。温度条件が上記範囲でない場合には、転写の精度が不十分となる。
充填後、図3(a)に示すように、流し込んだ生体吸収性高分子水溶液35eの上面を平らにし、その上に上記高分子フィルムで覆ったガラスや金属、高分子の板等を配置し、高分子水溶液35eを外部から遮断する。
なお、第一の凍結物である液滴61が融解しないよう、第二の溶液である高分子水溶液35eを加えて凍結させることに留意する。
図3(b)に示すように、凍結された生体吸収性高分子水溶液35kは、生体吸収性高分子水溶液に含まれる水が針状や柱状等に凍結された水37kの部分と、凍結された生体吸収性高分子11kとからなる。
図3(c)は取り出した凍結された生体吸収性高分子水溶液35kの断面図である。液滴34は凍結された生体吸収性高分子水溶液35kの表面に凍結配置されている。
次に、凍結された生体吸収性高分子水溶液(凍らせた構造物)35kを減圧乾燥する。
減圧乾燥は真空ポンプに接続した真空容器内で、所定の温度で保持して行う。
減圧乾燥により、凍結された水37kと凍結した液滴34が留去され、生体吸収性高分子のみが残り、除去された部分に孔部11cと凹部21を形成する。
以上の工程により、図1に示す本発明の第1の実施形態であるパターン化多孔質材料1が作成される。
具体的には、減圧乾燥した生体吸収性高分子を3次元網目状に架橋処理する。架橋後は、架橋剤を除去、或いはブロッキングすることにより、空隙のパターン構造をもつ生体吸収性高分子の多孔質材料を得る。
細胞外マトリックスを架橋方法としては、細胞外マトリックスを壊さなければ、下記に示す従来公知の方法を使用できる。例えば、(1)放射線による架橋方法、(2)紫外線照射による架橋(光架橋)方法、(3)加熱による架橋(熱架橋)方法、(4)ガス状或いは溶液状の架橋化剤を用いる化学的架橋法がある。
放射線による架橋反応は、多孔質材料にガンマ線や電子線を照射することにより可溶反応を行う。高分子化合物にガンマ線や電子線など高エネルギーの放射線を照射すると分子鎖の一部が反応性の高いラジカルに変化し、これらがお互いに反応することによって、分子鎖同士が架橋する。ただし、放射線照射は、分子鎖の分解を引き起こすこともある。よって、架橋反応の効率を高める一方、高分子鎖の分解反応をできるだけ抑制する条件で照射されることが望ましい。架橋効率を高めるために多孔質材料が膨潤しない程度に湿潤状態で照射することが好ましい。1.0〜10.0Mradで照射することができるが、分解反応を抑制するためには1.0〜2.0Mradの照射線量が特に好ましい。
紫外線照射による架橋方法は、多孔質材料を一定距離に置いて、紫外線を一定時間照射することにより架橋する。
具体的には、紫外線照射による架橋は、高分子水溶液を凍結し、凍結乾燥した後、紫外線照射により架橋処理する。
240nm〜280nmの紫外線で10分間から24時間照射するが、望ましいのは250nm〜260nmの紫外線で30分間から10時間照射する。
熱架橋は高分子水溶液を凍結し、凍結乾燥した後、0.01Torrから1Torrまでの減圧条件下で100℃から140℃までの高温で48時間から96時間加熱することにより行う。
加熱による架橋方法では、減圧下、多孔質材料を加熱して架橋する。
真空度は1×10−4Torr〜50Torr、好ましくは1×10−3〜10Torrとするのがよい。真空度は低くなると、架橋効果は悪くなるし、多孔質材料は変性しやすい。また、温度は5×10〜2×102℃、好ましくは8×10〜1.5×102℃とするのがよい。温度は低くなると、架橋効果は悪くなり、架橋時間も長くなる。一方、温度は高すぎると、多孔質材料は変性してしまう。しかし、真空度と温度は多孔質材料を変性させず、水分を除去できて架橋できればよい。
溶液状の架橋化剤での架橋処理は高分子水溶液を上記の架橋化剤の溶液に30分間から72時間まで浸漬することにより行う。架橋処理温度は4℃から37℃までである。望ましいのは4℃で1時間から48時間、室温で30分間から24時間架橋処理する。
ガス状の架橋化剤を用いる架橋処理は、上記の架橋化剤をガス状にして用いる。
架橋時間は、架橋剤の種類や架橋温度にもよるが、上記の多孔質材料の親水性や生体吸収性を阻害せず、かつ生体移植時にこのものが溶解しないような架橋固定化が行われる範囲に設定するのが望ましい。
好ましい架橋時間は1/6〜12時間程度である。多孔質体の種類やサイズにもよるが、より好ましくは4時間である。
なお、ガス状或いは溶液状の架橋化剤を用いる化学的架橋法では、架橋処理の最終段階で、グリシン水溶液等により架橋化剤を失活させる必要がある。
特にグリシンが好適である。その濃度は、0.05〜1.0mol/Lで、好ましくは0.05〜.0.1mol/Lある。
以上の工程により、図1に示す本発明の第1の実施形態であるパターン化多孔質材料1が作成される。
<パターン化多孔質材料>
本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の別の一例について説明する。
図4は、本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の別の一例を示す模式図である。図4(a)は平面図であり、図4(b)は図1(a)のC−C’線における断面図である。
更に、平面視形状又は/及び面積が互いに異なる凹部を3種以上一面11aに設けてもよい。
<パターン化多孔質材料>
本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の更に別の一例について説明する。
図5は、本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の更に別の一例を示す模式図である。図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)のD−D’線における断面図である。
異なる生体吸収性高分子を用いた場合には、生体吸収性高分子51自体が凹部と同様に細胞の選択成長領域とされる。
同一の生体吸収性高分子を用いた場合でも、生理活性物質又は細胞成長因子を添加することにより、細胞の選択成長領域にできる。
細胞成長因子としては、血管細胞成長因子又は神経細胞成長因子を挙げることができる。
本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の製造方法の更に別の一例について説明する。
図6、7は、本発明の実施形態であるパターン化多孔質材料の製造方法の更に別の一例を示す工程図である。図6(a)は平面図であり、図6(b)は図6(a)のE−E’線における断面図である。
本発明の第3の実施形態であるパターン化多孔質材料の製造方法は、液滴34の代わりに、細胞成長因子55を添加した生体吸収性高分子水溶液からなる液滴61を用いた他は本発明の第1の実施形態であるパターン化多孔質材料の製造方法と同様の構成とされており、鋳型基板を作成する工程S1と、生体吸収性高分子水溶液を凍結する工程S2と、を有する。
まず、図6に示すように、基板31の一面に複数の液滴61を凍結配置して鋳型基板42を作成する。液滴61内では、凍結された生体吸収性高分子51kの他に、水分38kも凍結されている。
まず、生体吸収性高分子水溶液35eを調製する。
次に、凍結配置された複数の液滴61を覆うように、冷却した生体吸収性高分子水溶液35eを充填する。基板31の外周部に壁状部材33が配置されている。充填後、図7(a)に示すように、上部にガラスを配置し、生体吸収性高分子水溶液35eを外部から遮断する。
図7(b)に示すように、凍結された生体吸収性高分子水溶液35kは、生体吸収性高分子水溶液に含まれる水が針状や柱状等に凍結された水37kの部分と、凍結された生体吸収性高分子11kとからなる。
次に、凍結された生体吸収性高分子水溶液35kを取り出す。
図7(c)は取り出した凍結した高分子水溶液35kの断面図である。液滴61は生体吸収性高分子水溶液35kの表面に凍結配置されている。
次に、凍結された生体吸収性高分子水溶液35kを減圧乾燥する。
減圧乾燥は真空ポンプに接続した真空容器内で、所定の温度で保持して行う。
減圧乾燥により、凍結された生体吸収性高分子水溶液35k中の凍結された水37kと凍結した液滴61中の凍結された水38kが除去され、除去された部分に孔部11cと孔部51cを形成する。凹部21には、凝集された生体吸収性高分子51が充填されている。生体吸収性高分子51内には、細胞成長因子55が添加されている。
以上の工程により、図5に示す本発明の第3の実施形態であるパターン化多孔質材料3が作成される。
具体的には、減圧乾燥した生体吸収性高分子を3次元網目状に架橋処理する。このとき、液滴61部分の生体吸収性高分子51も架橋される。
以上の工程により、図5に示す本発明の第3の実施形態であるパターン化多孔質材料3が作成される。
次に、氷微粒子のパターンを形成させたテフロンシートを−30℃で5時間後置いた。これを−1℃の低温チャンバーに移動し、100mm×60mmの長方形にくり抜いた1.0mm厚のシリコーンゴム板のモールドを重ねた。
このモールドに、1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH=3.0)を3mL加えた。これを−80℃で24時間凍結した後、減圧下(0.01Torr)で24時間凍結乾燥し、多孔質構造を形成させた。
さらに、0.1Mのグリシン水溶液で未反応アルデヒド基のブロッキング処理を24時間行った後、純水で20回洗浄した。
これを−80℃で4時間凍結し、24時間凍結乾燥することにより、パターン化コラーゲンスポンジ1を作製した。
テフロンシートを金属型板の上に載せ、−5℃で冷却した後、28ゲージのシリンジを備えたディスペンサーロボットを用いてフロン表面に向かって5℃の純水を滴下することにより、テフロンシートの表面に氷微粒子を作製した。ノズルの吐出先端とテフロンシートの表面との距離を2.0mmとした。次に、氷微粒子のパターンを形成させたテフロンシートを−30℃で5時間後置いた。これを−1℃の低温チャンバーに移動し、100mm×60mmの長方形にくり抜いた1.0mm厚のシリコーンゴム板のモールドを重ねた。このモールドに、1.0wt%のブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液(pH=3.0)を3mL加えた。これを−80℃で24時間凍結した後、減圧下(0.01Torr)で24時間凍結乾燥し、多孔質構造を形成させた。
Claims (20)
- 生体吸収性高分子が3次元網目状に凝集され、互いに連通する複数の孔部が設けられた板状の多孔質材料の一面に凹部が設けられていることを特徴とするパターン化多孔質材料。
- 前記凹部が複数設けられており、平面視形状及び面積が同一であることを特徴とする請求項1に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記生体吸収性高分子が架橋されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパターン化多孔質材料。
- 最近傍の凹部同士の間隔が同一とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記凹部が断面視半円状とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記凹部が平面視格子状又は平面視六方最密状に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記凹部が隣接配置されており、平面視線状とされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料。
- 平面視形状又は/及び面積が前記凹部と異なる別の凹部が前記一面に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記生体吸収性高分子が生体吸収性合成高分子又は生体吸収性天然高分子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記生体吸収性天然高分子がコラーゲン、ゼラチン、セルロース、ポリアルギン酸、キチン、キトサン、澱粉、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブロネクチン、又はラミニンのいずれかであることを特徴とする請求項9に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記凹部に生体吸収性高分子が充填されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記凹部に充填された生体吸収性高分子に生理活性物質又は細胞成長因子が添加されていることを特徴とする請求項11に記載のパターン化多孔質材料。
- 前記細胞成長因子が上皮細胞成長因子(EGF)、血管細胞成長因子(VEGF)、神経成長因子(NGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板成長由来因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、骨形成誘導タンパク質(BMP)、血管細胞成長因子又は神経細胞成長因子のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項12に記載のパターン化多孔質材料。
- 基板の一面に複数の液滴を凍結配置して、鋳型基板を作成する工程と、
前記基板の外周部に壁状部材を配置し、凍結配置された複数の液滴を覆うように生体吸収性高分子水溶液を充填してから、前記生体吸収性高分子水溶液を凍結する工程と、
凍結した生体吸収性高分子水溶液を取り出し、減圧乾燥する工程と、を有することを特徴とするパターン化多孔質材料の製造方法。 - 前記減圧乾燥した生体吸収性高分子を架橋処理する工程と、を有することを特徴とする請求項14に記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
- 前記生体吸収性高分子水溶液の融解温度以上、前記液滴の融解温度未満の範囲に温度制御して、生体吸収性高分子水溶液を充填することを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
- 前記基板として熱伝導性の高い材料を用いることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
- 前記液滴の主成分として、水又はt−BuOHを用いることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
- 前記基板の一面に前記液滴の主成分と逆の親和性を有する層を形成することを特徴とする請求項18に記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
- インクジェット法、手動による作製方法又は光リソグラフィー法を用いて、液滴の大きさ及び位置を制御して、鋳型基板を作成することを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載のパターン化多孔質材料の製造方法。
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