JP2013052385A - 塗装方法および塗装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸のある面でも斑なく塗装し、塗り際を美しく仕上げる塗装方法と塗装装置を提供すること。
【解決手段】凹凸部の塗装はスプレーガンヘッド11から圧縮空気と液体塗料を混ぜて吹き付け、塗り際の塗装は圧縮空気を止めて前記液体塗料のみを噴射して行うこととした。
これにより、溝や突条などの凹凸がある部分の塗装は、エアスプレーのように、液体塗料を圧縮空気と混ぜて微粒化し霧状態にしてから吹き付けるため、比較的斑なく均一な厚みの塗膜が得られ、その上、塗装境界付近の塗装は、噴射パターンの外郭が明確なエアレススプレーと同様の塗装を行うので塗り際が美しく仕上がる。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗装方法および塗装装置に関し、特に、溝や突起などの凹凸を含む塗装面を斑なく一定の膜厚で仕上げ、かつ、塗装面の周縁の塗り際を美しく仕上げる塗装方法と装置に関するものである。
従来から、溝や突起がある被塗装材の一部を美しく塗装するために、凹凸部分を斑なく塗装しつつ、塗装の周縁(塗り際)が明確となる塗装方法が求められる場合があった。
例えば、鋳鉄管の受口内面を塗装する場合、溝や突条を含む受口内面を均一な厚みの塗膜で被覆し、さらに、受口内面の端(塗装境界)における塗り際を美しく仕上げることが求められる。
鋳鉄管は、主に水道管などに用いられ、図7に示すように、内外径が均一な筒部31と、その一端に設けられ外に膨らむ受口32を備えており、管の内外面には防食のための塗装が施される。
受口32の内面には、配管後に抜け止め機能や止水機能を持たせるために金属リングやゴムパッキンを嵌める溝や突条が形成されている。また、受口32の内面と筒部31の内面との段差をつなぐ奥壁となっている部分35は、胴付部と呼ばれている。
鋳鉄管の受口内面の塗装は、この図に示すように、鋳鉄管3を管軸周りに回転させた状態で、受口32の端からスプレーガン1を差し込み、管内面に臨ませた下向きのスプレーガンヘッド11から円錐形に広がる噴射パターン2で液体塗料を吹き付けて行う。
このように管内面の全周に亘って塗料を吹き付けながら、スプレーガン1を管3の軸方向に移動させて、塗装面を管の軸方向に伸ばし、塗装境界となる胴付部付近まで塗装していく。
ところで、塗料のスプレー方式として、主に、エアレススプレーとエアスプレーの二つの方式が一般的によく知られている。
エアレススプレーは、液体塗料に圧力を加えて塗料のみをノズルから吹き付ける方式である。後述するエアスプレーに比べて塗料の吐出量が多く、吹き付ける塗料の粒子が粗くなるため、狭くて入り組んだ部分の塗装に使用することは難しい。
例えば、鋳鉄管の受口内面塗装のような、溝や突条などの凹凸がある部分の塗装に使用した場合、塗料を吹き付ける向きに沿う面、つまり、吹き付け向きと平行な面(例えば図7の側壁37)では塗着量が少なくなり、塗り漏れ(塗り残し)が発生しやすい。また、塗料の乾きが悪く、溝の側壁37で塗料が垂れたり、溝の底面39に塗り溜まりが出来たりする。
一方、エアスプレーは、液体塗料を圧縮空気と混ぜて霧のように微粒化して吹き付けるため、溝や突起などの凹凸のある部分でも比較的斑なく均一な厚さの塗膜が得られ、乾きも良く、凹凸のある面の塗装には使いやすい。しかし、塗料を霧のように微粒化するため、塗料の噴射パターンの外郭がぼやけて不明確となり、鋳鉄管の受口内面の塗装で使用した場合、筒部31の内面と胴付部35との塗り際を美しく仕上げることができない。
そのため、鋳鉄管の受口内面の塗装方法として、溝や突条などの凹凸のある部分の塗装は、エアスプレーガンを使って行い、胴付部付近の塗装は刷毛塗りを行うものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−183065号公報
しかしながら、刷毛塗りは、塗装の仕上がりが刷毛の損耗状態にも左右され、同じ刷毛を使用し続けると仕上がり状態に変化が出てくるため、塗装品質の安定性に欠ける。また、スプレー塗装と比べて塗装の斑が出やすいという欠点もある。
本発明は、鋳鉄管の受口内面のような、溝や突起といった凹凸のある部分でも均一な厚みの塗膜が安定して得られ、その上、筒部内面と胴付部との境目のような塗装の境界線を明確にするために塗り際を美しく仕上げることもできる塗装方法およびその装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の塗装方法は、被塗装材の凹凸部を斑なく塗装し、その塗装面周縁の塗り際を明確にする塗装方法であって、凹凸部の塗装はスプレーガンヘッドから圧縮空気と液体塗料を混ぜて吹き付け、塗装面周縁の塗装はスプレーガンヘッドから前記液体塗料のみを噴射して行う構成とした。
これにより、溝や突起などの起伏のある部分の塗装は、エアスプレーのように、液体塗料を圧縮空気と混ぜて微粒化し霧状態にしてから吹き付けるため、比較的斑なく均一な厚みの塗膜が得られ、その上、塗装する面の周縁の塗装は、噴射パターンの外郭が明確なエアレススプレーと同様の塗装を行うので塗り際が美しく仕上がり、さらに、刷毛塗りに比べて塗装品質を安定させることができる。
また、本発明の塗装方法として、前記被塗装材を管とする構成を採ることができる。
これにより、内外面等に凹凸部がある管であっても、その塗装を美しく仕上げることができる。
さらに、本発明の塗装方法として、管内面の凹凸部を斑なく塗装し、その塗装面周縁の塗り際を明確にする塗装方法であって、管の端部からスプレーガンヘッドを挿入し、凹凸部の塗装は前記スプレーガンヘッドから液体塗料を圧縮空気と混ぜて管の内表面に向けて吹き付け、塗装面周縁の塗装はスプレーガンヘッドから前記液体塗料のみを噴射して行う構成を採ることができる。
これにより、凹凸(起伏)部を有する管内面の塗装を安定して美しく仕上げることができる。
また、本発明の塗装方法として、鋳鉄管の受口内面の凹凸部を斑なく塗装し、その塗装面周縁の塗り際を明確にする塗装方法であって、鋳鉄管の受口端部からスプレーガンヘッドを挿入し、凹凸部の塗装はスプレーガンヘッドから液体塗料を圧縮空気と混ぜて受口の内表面に向けて吹き付け、塗装面の周縁となる筒部内面と胴付部との境界の塗装はスプレーガンヘッドから前記液体塗料のみを噴射して行う構成を採ることができる。
これにより、鋳鉄管の受口内面の塗装を安定して美しく仕上げることができる。
さらに、本発明の塗装方法として、凹凸部の塗装と塗装面周縁の塗装を同一のスプレーガンヘッドで行い、塗装面周縁の塗装時に圧縮空気の噴気だけを止める構成を採ることができる。
これにより、スプレーガンの数が少なくて済み、その保守管理が容易になり、その上、塗装設備の小型化を図ることができる。
そして、本発明の塗装装置は、液体塗料と圧縮空気を混ぜて吹き付けるときの噴射パターンを包むようにパターンの外縁に気流を作るスプレーガンヘッドが塗装ランスの先端に取り付けられた塗装装置であって、液体塗料の供給源と圧縮空気の供給源から前記塗装ランスを経て前記スプレーガンヘッドまで、液体塗料の流路と圧縮空気の流路が別々に設けられ、それら各流路の開閉操作をそれぞれ独立して行うことができ、前記塗装ランスがその長手方向に沿って移動する時に、その移動方向とスプレーガンヘッドの位置に基づいて前記開閉操作を行う構成を採ることができる。
本発明の塗装方法や塗装装置によれば、鋳鉄管の受口内面のような、溝や突条といった凹凸のある部分でも均一な厚みの塗膜が安定して得られ、その上、塗り際を美しく仕上げて、筒部内面と胴付部との境目のような塗装の境界線を明確にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る塗装を鋳鉄管の受口内面に行っている図で、(a)は正面視の縦断面図、(b)はA矢視の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るスプレーガンヘッドの説明図で、(a)は正面図、(b)は側面視の部分切り欠き断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る塗装状態の説明図であり、(a)は塗料の噴射パターンの形状図、(b)は鋳鉄管の受口内面の塗装仕上がり状態を示す図である。 ノズルチップの説明図であり、(a)はテールレスチップの正面図、(b)は同テールレスチップの側面断面図、(c)は他のノズルチップの正面図である。 比較例の説明図であり、(a)は比較例1の塗装方法を示し、(b)は比較例2、(c)は比較例3の塗装方法を示している。 第2の実施形態に係る塗装を鋳鉄管の受口内面に行っている図である。 従来の受口内面塗装方法の図である。
以下、本発明の実施形態について、各図面に沿って説明を行う。既述の背景技術と共通するものについては同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る塗装を鋳鉄管(直管)の受口内面に行っている状態を表した図である。
(a)に図示する通り、塗装ランス12の一端を直角に曲げるように、受口内面に臨む向きにスプレーガンヘッド11が取り付けられている。塗装ランス12の他端は、ランス移動装置(図示なし)に接続されており、ランスはその長手方向が管の軸方向とほぼ平行になるように、片持ち支持されている。受口32の端部から外に飛び出している塗装ランス12には、圧縮空気を流す配管と液体塗料を流す配管が別々に内包されている。各配管は、圧縮空気と液体塗料の供給源(図示なし)まで伸びている。また、各配管の途中には、電磁弁(図示なし)が設けられ、液体塗料や圧縮空気の流路の開閉を別々に操作することができる。ここで、液体塗料は、例えば、溶剤系の二液性エポキシ樹脂塗料が使用される。
塗装ランス12は、ランス移動装置によって管3の軸方向に沿って動き、塗装時にはスプレーガン1を受口端部から管に挿入して、先端のスプレーガンヘッド11が受口内面の胴付部35付近にくるまで前進し、塗装が完了したらスプレーガンヘッド11が管3の外に出るまで後退する。
鋳鉄管3は、筒部31で円柱形のローラーRに回転可能に支持されている。電動機(図示せず)を使ってそのローラーRを回すと、鋳鉄管3はローラーに従動して管軸周りに回転する。
筒部31の内面には、粉体樹脂塗装が施されている。
受口内面の塗装は、鋳鉄管3を回転させた状態で、塗装ランス12を軸移動させてスプレーガンヘッド11を受口内部に挿入し、スプレーガンヘッド11から管の内面に向けて塗料を吹き付けて行う。
受口内面の塗装範囲Cは、スプレー塗装方法の違いによって、受口32の端面から奥の胴付部35の手前にかけて溝や突条などの凹凸部分を含む範囲C1と、そこからさらに奥の胴付部35に至る範囲C2とに分けられる。
C1では、塗装はスプレーガンヘッド11の先から液体塗料と圧縮空気を噴射するとともに混合させて、塗料を霧のように微粒化した状態で行われる。
液体塗料と空気を混合して霧のように微粒化して吹き付けるため、溝や突条の側壁37にも塗着し、また、スプレーガンヘッド11の先から噴き出す圧縮空気が、空気と混ぜて微粒化した塗料全体を包むエアカーテンのように作用するから、塗料が塗装範囲を越えて飛散することをある程度抑制し、塗着効率も良く、その上、気流によって塗料の乾燥が促進され、溝や突条の側壁37の塗料が垂れたり、溝の底面39に塗料が溜まったりしない。
ここで、圧縮空気の供給圧力は、0.05〜0.3MPaの範囲で管理されている。0.05MPa未満では、液体塗料の霧化が不十分となり、0.3MPaより高圧になると、塗料の飛散が多くなり、斑ができるなど、仕上がりが悪くなる。
一方、C2では、圧縮空気の噴出を止めて、スプレーガンヘッド11の先から液体塗料のみを微粒化して噴射し、塗装が行われる。
圧縮空気を止めて液体塗料のみを噴射するから、エアレススプレーと同様に、塗料の噴射パターン2の外郭が明確になるため、筒部31の内面と胴付部35との境目に噴射パターンの外郭がかかる位置でスプレーガンヘッド11の軸方向移動(前進)を止めれば、筒部31の内面と胴付部35との境目の塗り際(塗装境界)が美しく仕上がる。
液体塗料や圧縮空気の噴出開始や停止は、液体塗料や圧縮空気の流路を電磁弁等で開閉することで行われる。この開閉動作は、塗装ランスの移動方向とスプレーガンヘッドの位置をリミットスイッチ等で読み取ることで、上述のC1とC2との塗装方法の変更や塗り際での塗装完了のタイミングを計って行われる。
塗装動作を詳しく説明すると、まず、管の外で待機しているスプレーガンヘッド11を受口内に挿入するために、スプレーガン1が管の軸方向に沿って移動(前進)する。受口32の端部に噴射パターンがかかる位置まで進んだ時に、液体塗料と圧縮空気の噴射を開始して、液体塗料と空気を混合して霧のように微粒化して受口内面に吹き付けていく。筒部31の内面と胴付部35との境目に噴射パターンの外郭がかかる手前までスプレーガン1を前進させ、C1の往路塗装を行う。
続いて、圧縮空気を止めて液体塗料のみを噴射し、筒部31の内面と胴付部35との境目の塗り際(塗装境界)を仕上げる(C2の塗装)。塗り際を塗装し終わったら、スプレーガン1は管の軸方向に沿って後退する。後退開始と同時に、液体塗料の噴射を止め、塗料の乾燥促進のために圧縮空気だけを約0.5秒間だけ噴出させる。その後、液体塗料も噴射させ、スプレーガン1が軸方向移動(後退)しながら、液体塗料と空気を混合して受口内面に吹き付け、C1の復路塗装を行う。
受口32の端部に噴射パターンがかかる位置までスプレーガン1が後退して、受口端部の塗装が済めば、液体塗料と圧縮空気の噴射を止める。そのまま、スプレーガンヘッド11が鋳鉄管の外に退避するまで、スプレーガン1は後退する。
なお、塗装中は、受口32の端から外に流れ出るように鋳鉄管3の中に風を流している(図1(a)参照)。この送風により、塗料が胴付部35を越えて筒部31の内面に侵入することを防いでいる。その風速は、2〜11m/秒の範囲で管理されている。2m/秒未満では、塗装時に塗料が胴付部35を越えて奥まで飛散しやすくなり、11m/秒を越えると、塗料の噴射パターンが変形し、塗り漏れが発生しやすくなる。
図2は、第1の実施形態で使用されるスプレーガンヘッドの説明図である。
(a)や(b)に示すように、スプレーガンヘッド11の内部でも圧縮空気と液体塗料の流路は分かれていて、液体塗料がヘッドの軸心寄り(中心側)の流路を通るのに対し、圧縮空気はその外側に設けられた流路を通る。
液体塗料は、ノズルチップ110の吐出口111から微粒化されて吹き出し、噴射流をつくる。
圧縮空気は、ノズルチップ先端の前方に開口した噴気口112から液体塗料の噴射流に向けて吹き出し、塗料の微粒化をさらに促進させて霧のような微粒子に変え、液体塗料の噴射流を塗料と空気の混ざった微粒子の噴射パターン2にする。
また、圧縮空気は、塗料と空気が混ざった噴射パターン2の外縁全体を包むエアカーテンのように円錐状の気流22を作り、噴射パターン2の拡散を規制するようにも働く。
圧縮空気の吹き出しを止めると、液体塗料のみがノズルチップ110の吐出口111から噴射される。
図3(a)は、本実施形態のスプレーガンヘッド11を使って圧縮空気の有無による噴射パターンの形状の違いを確認した図であり、スプレーガンヘッド11を固定して平坦な塗装面に向けて塗料を短時間だけ吹き付けた時の様子を表している。
図の左側に示すように、圧縮空気を止めた状態(エアOFF状態)では、塗膜周縁21の膜厚も一定しており、周縁21がほぼ垂直に立ち上がった状態で、明確になっている。
ここで、αは、塗料の噴射パターンの拡散角度を示している。
右側の圧縮空気を流した状態(エアON状態)では、塗膜の周縁付近の膜厚が外側に漸次減少し、塗膜周縁21の立ち上がりは傾いて、なだらかな勾配をつくっている。
また、塗装面における平面視では塗膜が長い楕円形状となっている。管の受口内面の塗装を行うときは、この楕円形状の長径が管の軸方向に合うように、スプレーガンヘッド11の取り付け向きを調節する。
このスプレーガンのノズルチップ110は、いわゆるテールの発生を抑える構造となっており、テールレスチップと呼ばれている。そのため、本実施形態のスプレーガン11を使用すれば、テールの発生を抑えて、より均一な膜厚で斑なく塗装を仕上げることができる。
図3(b)は、本実施形態により塗装した受口内面の仕上がり状態を示す説明図である。
受口内面のうち、端面側のC1の範囲は、圧縮空気と液体塗料を混ぜて吹き付ける範囲であり、筒部側のC2は圧縮空気を止めて液体塗料のみを吹き付ける範囲である。C1、C2ともに一定の厚み(約100μm)で塗膜が付けられる。溝33や突条34の表面も一定の膜厚で塗装され、胴付部35における塗り際も美しく仕上がっており、筒部31の粉体樹脂層36表面への塗料の飛散もない。
本実施形態においては、ノズルチップ110は、図2(a)や図4(a)に示すように、正面視で吐出口が四角形状に見えるテールレスチップを使用した。ノズルチップは、このようなテールレスチップの他に、図4(c)に示すように、正面視で吐出口が長楕円形状(ネコの目形状)に見えるものを使用することもできる。
ノズルチップの吐出口形状や噴射パターンの拡散角度αを変えて実験を行い、最適なノズルチップを確認した。実験結果を表1にまとめる。
ノズルチップは、正面視で吐出口が長楕円形状(ネコの目形状)に見えるものを使用した場合に比べて、正面視で吐出口が四角形状に見えるものを使用したほうが、ノズルでの塗料詰まりが起こりにくく、その上、塗装仕上がりに螺旋縞模様が生じず、美しく仕上がった。
噴射パターンの拡散角度αは、40度や60度のものを使用した場合、溝や突条の側壁の塗料膜厚が薄くなったが、80度や110度のものを使用した場合は、溝や突条の側壁でも塗料の膜厚を確保でき、その上、塗装仕上がりに螺旋模様が生じず、美しく仕上がった。
図5は、比較例の説明図であり、(a)は、比較例1の塗装方法を示し、直角に曲げた塗装ランス12の先端にエアレススプレーガン1bを取り付け、塗料の噴射向きを管の径方向に合わせて下向きにして受口内面を塗装するものである。
(b)は、2基のエアレススプレーガンを用い、一方は鋭角に折り返した塗装ランス12の先端に取り付け、塗料の噴射向きを、管の径方向から塗装ランス12の後方(根本側)へ傾け、他方は鈍角に折り曲げた塗装ランス12’の先端に取り付け、塗料の噴射向きを塗装ランス12’の前方(先端側)に傾けて塗装するものである。
(c)は、エアスプレーガン1aの向きを管の径方向に合わせて受口内面に向けて、周知の使用方法、つまり液体塗料と圧縮空気の吹き出しと停止を同時に行う使用方法で、塗装するものである。
比較例1〜3に関するその他の塗装条件、例えば管の回転やスプレーガンの軸移動などは、既述の背景技術や第1の実施形態と同様である。
比較例1〜3の受口内面塗装結果を表2にまとめる。
表2に示すように、比較例1では、胴付部35の塗り際は美しく仕上がったが、溝の側壁37に塗り漏れ(塗り残し)が発生し、溝の底面39には塗り溜まりが生じた。(図5(a)の破線部と太線部を参照)
比較例2では、胴付部35の塗り際は美しく仕上がったが、溝の底面39に塗り溜まりが発生した。(図5(b)の太線部を参照)
比較例3では、塗料の乾きが良く、溝や突条など凹凸部の塗装は美しく仕上がったが、胴付部35の塗り際を明確に仕上がることが出来ず、胴付部35を越えて奥の筒部31の内面まで塗料の飛散が生じた。(図5(c)の太線部を参照)
図6は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
第1の実施形態では、1基のスプレーガンを使って、液体塗料を圧縮空気と混ぜて吹き付けたり、圧縮空気を止めて液体塗料のみを噴射したりしたが、この図のように、2基のスプレーガンを並列に配置し、一方をエアスプレーガン1a、他方をエアレススプレーガン1bとすることができる。
凹凸部(溝や突条)を含む塗装範囲C1では、エアレススプレーを止めてエアスプレーガン1aのみを使って液体塗料を圧縮空気と混ぜて吹き付けて塗装し、その奥の胴付部付近(C2)では、エアスプレーからの液体塗料の噴射と圧縮空気の噴気を止めて、エアレススプレーガン1bのみを使って液体塗料を噴射して塗装を行う。
このようにすれば、第1の実施形態と同様に、凹凸部分で均一な厚みの塗膜を得て、かつ、筒部31の内面と胴付部35との塗装境界の塗り際を美しく仕上げることができる。
なお、各実施形態では、被塗装材として、筒部の内面に粉体樹脂塗装が施されている鋳鉄管を例示したが、粉体樹脂塗装の代わりに筒部の内面に他の樹脂やセメントモルタルをライニングした管でもよい。また、鋳鉄管に限らず、凹凸部分で均一な厚みの塗膜を得て、かつ、塗装境界の塗り際を美しく仕上げる必要がある被塗装材であれば、本発明を適用し得る。
1 スプレーガン
1a エアスプレーガン
1b エアレススプレーガン
11 スプレーガンヘッド
110 ノズルチップ(テールレスチップ)
110’ ノズルチップ
111 吐出口(四角形状)
111’ 吐出口(長楕円形状)
112 噴気口
12 塗装ランス
13 塗料配管
14 圧縮空気配管
15 混合装置
2 噴射パターン
21 周縁
22 気流
3 鋳鉄管(被塗装材)
31 筒部
32 受口
33 溝
34 突条
35 胴付部
36 粉体樹脂層
37 側壁
38 塗装境界
39 底面
C 塗装範囲
R ローラー

Claims (6)

  1. 被塗装材の凹凸部を斑なく塗装し、その塗装面周縁の塗り際を明確にする塗装方法であって、凹凸部の塗装はスプレーガンヘッドから圧縮空気と液体塗料を混ぜて吹き付け、塗装面周縁の塗装はスプレーガンヘッドから前記液体塗料のみを噴射して行うことを特徴とする塗装方法。
  2. 前記被塗装材を管とすることを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
  3. 管内面の凹凸部を斑なく塗装し、その塗装面周縁の塗り際を明確にする塗装方法であって、管の端部からスプレーガンヘッドを挿入し、凹凸部の塗装は前記スプレーガンヘッドから液体塗料を圧縮空気と混ぜて管の内表面に向けて吹き付け、塗装面周縁の塗装はスプレーガンヘッドから前記液体塗料のみを噴射して行うことを特徴とする塗装方法。
  4. 鋳鉄管の受口内面の凹凸部を斑なく塗装し、その塗装面周縁の塗り際を明確にする塗装方法であって、鋳鉄管の受口端部からスプレーガンヘッドを挿入し、凹凸部の塗装はスプレーガンヘッドから液体塗料を圧縮空気と混ぜて受口の内表面に向けて吹き付け、塗装面の周縁となる筒部内面と胴付部との境界の塗装はスプレーガンヘッドから前記液体塗料のみを噴射して行うことを特徴とする塗装方法。
  5. 前記凹凸部の塗装と塗装面周縁の塗装を同一のスプレーガンヘッドで行い、凹凸部の塗装時はスプレーガンヘッドから圧縮空気と液体塗料を混ぜて吹き付け、塗装面周縁の塗装時は圧縮空気の噴気だけを止めて前記液体塗料のみを噴射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗装方法。
  6. 液体塗料と圧縮空気を混ぜて吹き付けるときの噴射パターンを包むようにパターンの外縁に気流を作るスプレーガンヘッドが塗装ランスの先端に取り付けられた塗装装置であって、液体塗料の供給源と圧縮空気の供給源から前記塗装ランスを経て前記スプレーガンヘッドまで、液体塗料の流路と圧縮空気の流路が別々に設けられ、それら各流路の開閉操作をそれぞれ独立して行うことができ、前記塗装ランスがその長手方向に沿って移動する時に、その移動方向とスプレーガンヘッドの位置に基づいて前記開閉操作を行うことを特徴とする塗装装置。
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