JP2013045529A - 自動車用の電線およびワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断面積が0.22mm2未満の単芯線からなる導体と、該導体を被覆する絶縁被覆層とからなり、外径は0.9mm未満、質量は2.0g/m未満の自動車用の電線を提供する。好ましくは、前記単芯線とする導体は断面円形とし、かつ、銅を少なくとも95質量%とし、所要の元素を配合し、前記導体の引張強度を450MPa以上、縦弾性係数を110GPa以上としている自動車用の電線。
【選択図】図1
Description
この種のタフピッチ銅の軟質材からなる金属素線101を撚り合わせて形成した導体102は縦弾性係数が小さい。よって、該金属素線101が細径化された細径電線では、直線保形性が低くなり、該電線端末に接続した端子をコネクタに挿入係止する作業時、電線が腰折れ(座屈)して端子の挿入作業が非常に困難となる問題がある。よって、タフピッチ銅の軟質材からなる撚線を導体に用いた電線で、現在汎用されている最細電線は導体断面積が0.22mm2である。
しかしながら、各素線の強度を高めても、これら素線を撚り合わせて導体を形成する場合、該導体断面積を小さくすると、撚り合わせる素線の径が減少するため、導体強度の上昇率は小さい。よって、導体断面積を0.1mm2未満等とすると腰折れが発生しやすく、該電線端末に接続した端子をコネクタに挿入係止する作業が容易に行えない。そのため、小径電線の更なる強度向上が望まれている。
(1)前記元素としては、Sn、Ag、Mg、Ti、Zn、Be、Fe、Ni、Si、P、Cr、Zrから選択された1種を0.1質量%以上かつ5質量%未満で含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金。
(2)前記元素として、Sn、Ag、Mg、Ti、Zn、Be、Fe、Ni、Si、P、Cr、Zrから選択された2種以上を合計で0.1質量%以上かつ5質量%未満で含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金。
(3)酸素を100〜700ppm含み、前記(1)または(2)からなる銅合金。
また、本発明の単芯線とする導体は断面円形とし、汎用されている丸電線とすることが好ましい。なお、丸電線に限定されず、偏平角電線等としてもよい。
導体断面積が0.22mm2以上の電線は金属素線を撚り合わせた撚線の導体を絶縁被覆層で被覆した電線としている自動車用のワイヤハーネスを提供している。
また、導体を単芯線とすることで絶縁被覆層の肉厚も減少でき、結果として、電線外径および電線質量も低減できる。よって、主として信号線として用いる前記細径電線を、より小径化および軽量化できる本発明の単芯線の電線に置き換えることで、ワイヤハーネス全体の外径の肥大抑制及び重量増加を抑制することができる。その結果、ワイヤハーネスに外装する丸チューブ、コルゲートチューブ、さらにプロテクタのサイズを小さくすることができ、ワイヤハーネスが占める配索スペースを小さくできる利点もある。
図1の本発明の自動車用の電線1は、細物電線として区分けされている導体断面積が0.22mm2未満の電線からなり、導体2は単芯線とし、該導体2を絶縁被覆層3で被覆している。
本実施形態では、電線1として、単芯線からなる導体2の断面積を0.08mm2とした電線と、0.05mm2とした電線の2種類の電線を設けている。
(1)前記元素としては、Sn、Ag、Mg、Ti、Zn、Be、Fe、Ni、Si、P、Cr、Zrから選択された1種を1質量%未満で含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金。
(2)前記元素として、Sn、Ag、Mg、Ti、Zn、Be、Fe、Ni、Si、P、Cr、Zrから選択された2種以上を合計で2質量%以上含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金。
(3)酸素を100〜700ppm含み、前記(1)または(2)からなる銅合金。
また、前記導体2の断面積が0.05mm2の単芯線からなる導体2を備えた電線では、その外径を0.65mm、質量を0.7g/mとしている。
このように、下記の表1に示すように、電線径を22〜32%、電線重量を59〜75%低減させることができる。
電線種 外径(mm) 質量(g/m)
導体が銅撚線の最小電線 0.95 2.7
導体が単芯線で0.08mm2 0.74(−22%) 1.1(−59%)
導体が単芯線で0.05mm 2 0.65(−32%) 0.7(−74%)
実施例1:前記(3)の銅合金で導体を形成し、CuにSnを0.3質量%、酸素を300ppm配合した。
実施例2:前記(1)の銅合金で導体を形成し、CuにMgを0.2質量%配合した。
実施例3:前記(2)の銅合金で導体を形成し、CuにNiを3.0質量%、Siを0.65質量%を配合した。
また、導体断面積を0.08mm2、0.05mm2としたいずれの電線も、その端末に端子を圧着し、該端子をコネクタに挿入係止する実験において、電線の腰折れは発生せず、端子をコネクタに挿入できることが確認できた。
実施形態のワイヤハーネス10は自動車のインストルメントパネルの内部に配索するワイヤハーネス(通称、インパネハーネス)である。なお、他のエンジンルーム、車室のフロア、ドア、ルーフ等に配索するワイヤハーネスにも当然に適用される。
表2中、従来例は最小電線として断面積を0.22mm2とした撚線導体の電線を用いたワイヤハーネスである。実施例は従来例の最小電線を断面積を0.08mm2とした単芯線導体の電線に置き換えたワイヤハーネスである。
インパネハーネス電線重量 インパネハーネスの最大外径
従来例 1850g 33.1mm
実施例 1482g(−20%) 27.6mm(−17%)
2 単芯線の導体
3 絶縁被覆層
10 ワイヤハーネス
100 撚線の導体を備えた電線
101 素線
102 撚線の導体
Claims (5)
- 断面積が0.22mm2未満の単芯線からなる導体と、該導体を被覆する絶縁被覆層とからなり、外径は0.9mm未満、質量は2.0g/m未満であることを特徴とする自動車用の電線。
- 前記単芯線とする導体は断面円形とし、かつ、銅を少なくとも95質量%とし、所要の元素を配合し、前記導体の引張強度を450MPa以上、縦弾性係数を110GPa以上としている請求項1に記載の自動車用の電線。
- 前記単芯線の導体断面積を0.01mm2〜0.13mm2としている請求項1または請求項2に記載の自動車用の電線。
- 前記単芯線の導体断面積を0.01mm2〜0.08mm2としている請求項1または請求項2に記載の自動車用の電線。
- 複数本の電線を集束したワイヤハーネスであり、これら集束される電線群のうち導体断面積が0.22mm2未満の電線を請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の単芯線の電線とし、導体断面積が0.22mm2以上の電線は金属素線を撚り合わせた撚線構造の芯線を絶縁被覆層で被覆した電線としている自動車用のワイヤハーネス。
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