JP2013022534A - マイクロ流路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のマイクロ流路基板10は、内部にマイクロ流路11が設けられたマイクロ流路本体15を備え、マイクロ流路11の天井部とマイクロ流路11の内側壁が交わる第1の角部16、およびマイクロ流路11の底部と内側壁が交わる第2の角部17が曲面をなしていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
第1のガラス基板に凹部を形成する技術としては、ウェットエッチング技術などの等方性エッチング技術やドライエッチング技術などの異方性エッチング技術が利用される。
ウェットエッチング技術を用いて、第1のガラス基板に凹部を形成した場合、例えば、図12(a)に示すように、第1のガラス基板1001に形成された凹部1002の内側壁1002aと、第2のガラス基板1003の第1のガラス基板1001と接する面(以下、「一方の面」と言う。)1003aとの交点における交わる角度α11は、ほぼ90度である。
また、ドライエッチング技術を用いて、第1のガラス基板に凹部を形成した場合、例えば、図12(b)に示すように、第1のガラス基板1101に形成された凹部1102の内側壁1102aと、第2のガラス基板1103の第1のガラス基板1101と接する面(以下、「一方の面」と言う。)1103aとの交わる角度α12は、ほぼ90度である。
このとき、マイクロ流路基板内の流体に対して、平坦なガラス基板に印加しても破損しない程度の圧力を印加した場合でも、逆かまぼこ型や長方形の角部に応力が集中するため、角部を起点として、凹部が形成された第1のガラス基板と第2のガラス基板が破壊されたり、接合部において第1のガラス基板と第2のガラス基板が剥離したりすることがあった。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明に係るマイクロ流路基板の第1の実施形態を示す概略断面図である。図2は、本発明のマイクロ流路基板の第1の実施形態を示す概略断面図であり、図1の一部を拡大した図である。
本実施形態のマイクロ流路基板10は、マイクロ流路11となる凹部12が形成された第1のガラス基板13と、凹部12を覆うように、第1のガラス基板13に接合された第2のガラス基板14とを具備してなるマイクロ流路本体15を備えてなるものである。すなわち、マイクロ流路基板10は、内部に、第1のガラス基板13の凹部12と、これを覆う第2のガラス基板14とから構成されるマイクロ流路11が設けられたマイクロ流路本体15を備えてなるものである。
(1)第1の実施形態
図3〜5を参照して、本発明に係るマイクロ流路基板の製造方法の第1の実施形態を説明する。
なお、図3〜5において、図1で示した構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
まず、図3(a)に示すように、第1のガラス基板13として、硼珪酸ガラスからなる基板(以下、「硼珪酸ガラス基板」と言う。)を用意する。
ここで、第1のガラス基板13としては、例えば、厚さ0.5mm〜5mm程度のものが用いられる。
クロム膜23の成膜方法としては、DCマグネトロンスパッタリング技術、電子ビーム(EB)蒸着技術などが用いられる。
フォトレジスト膜24の形成方法としては、スプレーコーティング技術、クロム膜23の一方の面23aにフィルムレジストを直接、貼付する方法などが用いられる。
第1のガラス基板13の一方の面13aに形成された酸化ホウ素含有層22は、第1のガラス基板13の内部よりも酸化ホウ素の濃度が高くなっている。そのため、第1のガラス基板13の一方の面13a側におけるガラスエッチング液によるエッチング速度は、第1のガラス基板13の内部におけるエッチング速度よりも遅くなる。また、酸化ホウ素含有層22は、その一方の面22a側において、より酸化ホウ素の濃度が高くなっている。そのため、酸化ホウ素含有層22は、その一方の面22aに近い程、エッチング速度が遅くなる。したがって、酸化ホウ素含有層22におけるサイドエッチング量も、その一方の面22aに近い程少ない。これにより、第1のガラス基板13に形成された凹部12の内側壁12bは、酸化ホウ素含有層22の一方の面22a側において、凹部12の内側に湾曲する曲面をなす。
フォトレジスト膜24を除去する方法としては、プラズマアッシング技術、熱硫酸やアルカリ性水溶液などのフォトレジストを溶解する液でフォトレジスト膜24を除去する方法、これらの技術を組み合わせた方法などが用いられる。
図6〜8を参照して、本発明に係るマイクロ流路基板の製造方法の第2の実施形態を説明する。
なお、図6〜8において、図1で示した構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
まず、図6(a)に示すように、第1のガラス基板13として、硼珪酸ガラス基板を用意する。
ここで、第1のガラス基板13としては、例えば、厚さ0.5mm〜5mm程度のものが用いられる。
この熱処理工程により、酸素が第1のガラス基板13の一方の面13aから拡散して、第1のガラス基板13の内部に浸透するので、第1のガラス基板13の一方の面13a側における酸化度は、第1のガラス基板13の内部における酸化度よりも高くなる。
クロム膜32の成膜方法としては、DCマグネトロンスパッタリング技術、電子ビーム(EB)蒸着技術などが用いられる。
フォトレジスト膜33の形成方法としては、スプレーコーティング技術、クロム膜32の一方の面32aにフィルムレジストを直接、貼付する方法などが用いられる。
第1のガラス基板13の一方の面13aに形成されたシリコン酸化膜31は、第1のガラス基板13の内部よりも酸化度が高くなっている。そのため、第1のガラス基板13の一方の面13a側におけるガラスエッチング液によるエッチング速度は、第1のガラス基板13の内部におけるエッチング速度よりも遅くなる。また、シリコン酸化膜31は、その一方の面31a側において、より酸化度が高くなっている。そのため、シリコン酸化膜31は、その一方の面31aに近い程、エッチング速度が遅くなる。これにより、第1のガラス基板13に形成された凹部12の内側壁12bは、シリコン酸化膜31の一方の面31a側において、凹部12の内側に湾曲する曲面をなす。
フォトレジスト膜33を除去する方法としては、プラズマアッシング技術、熱硫酸やアルカリ性水溶液などのフォトレジストを溶解する液でフォトレジスト膜33を除去する方法、これらの技術を組み合わせた方法などが用いられる。
図9〜11を参照して、本発明に係るマイクロ流路基板の製造方法の第3の実施形態を説明する。
なお、図9〜11において、図1で示した構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
まず、図9(a)に示すように、第1のガラス基板13として、ソーダライムガラスからなる基板(以下、「ソーダライムガラス基板」と言う。)を用意する。
ここで、第1のガラス基板13としては、例えば、厚さ0.5mm〜5mm程度のものが用いられる。
シリコン酸化膜41の成膜方法としては、CVD技術、スパッタリング技術などが用いられる。
クロム膜43の成膜方法としては、DCマグネトロンスパッタリング技術、電子ビーム(EB)蒸着技術などが用いられる。
フォトレジスト膜44の形成方法としては、スプレーコーティング技術、クロム膜43の一方の面43aにフィルムレジストを直接、貼付する方法などが用いられる。
第1のガラス基板13の一方の面13aに形成されたナトリウム含有シリコン酸化膜42は、第1のガラス基板13の内部よりもナトリウム濃度が低くなっている。また、ナトリウム含有シリコン酸化膜42にナトリウムを供給したため、第1のガラス基板13の一方の面13a側におけるナトリウム濃度は、第1のガラス基板13の内部におけるナトリウム濃度よりも低くなっている。そのため、第1のガラス基板13の一方の面13a側におけるガラスエッチング液によるエッチング速度は、第1のガラス基板13の内部におけるエッチング速度よりも遅くなる。また、ナトリウム含有シリコン酸化膜42は、その一方の面42a側において、よりナトリウム濃度が低くなっている。そのため、ナトリウム含有シリコン酸化膜42は、その一方の面42aに近い程、エッチング速度が遅くなる。これにより、第1のガラス基板13に形成された凹部12の内側壁12bは、ナトリウム含有シリコン酸化膜42の一方の面42a側において、凹部12の内側に湾曲する曲面をなす。
フォトレジスト膜44を除去する方法としては、プラズマアッシング技術、熱硫酸やアルカリ性水溶液などのフォトレジストを溶解する液でフォトレジスト膜44を除去する方法、これらの技術を組み合わせた方法などが用いられる。
Claims (6)
- 内部にマイクロ流路が設けられたマイクロ流路本体を備えたマイクロ流路基板であって、
前記マイクロ流路の天井部と前記マイクロ流路の内側壁が交わる第1の角部、および前記マイクロ流路の底部と前記内側壁が交わる第2の角部が曲面をなしていることを特徴とするマイクロ流路基板。 - 前記マイクロ流路本体は、前記マイクロ流路となる凹部が形成された第1のガラス基板と、前記凹部を覆うように、前記第1のガラス基板に接合された第2のガラス基板とを備えてなり、
前記第1のガラス基板に形成された凹部の内側壁と、前記第2のガラス基板の前記第1のガラス基板と接する面とが交わる第1の角部、および前記凹部の底部と前記内側壁が交わる第2の角部が曲面をなしていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路基板。 - マイクロ流路となる凹部が形成された第1のガラス基板と、前記凹部を覆うように、前記第1のガラス基板に接合された第2のガラス基板とを備えてなり、前記第1のガラス基板に形成された凹部の内側壁と、前記第2のガラス基板の前記第1のガラス基板と接する面とが交わる第1の角部、および前記凹部の底部と前記内側壁が交わる第2の角部が曲面をなしているマイクロ流路基板の製造方法であって、
前記第1のガラス基板に、等方性エッチング技術を用いて凹部を形成する工程Aと、
前記第2のガラス基板に、前記凹部を覆うように、前記第1のガラス基板を接合する工程Bと、を備えたことを特徴とするマイクロ流路基板の製造方法。 - 前記工程Aよりも前に、
前記第1のガラス基板として、硼珪酸ガラスからなる基板を用い、該硼珪酸ガラスからなる基板の表面にホウ素をイオン注入する工程Cと、
前記ホウ素がイオン注入された第1のガラス基板を熱処理してホウ素を酸化ホウ素にする工程Dと、を備えたことを特徴とする請求項3に記載のマイクロ流路基板の製造方法。 - 前記工程Aよりも前に、
前記第1のガラス基板として、硼珪酸ガラスからなる基板を用い、該硼珪酸ガラスからなる基板を熱処理する工程Eを備えたことを特徴とする請求項3に記載のマイクロ流路基板の製造方法。 - 前記工程Aよりも前に、
前記第1のガラス基板として、ナトリウムを含有するガラス基板を用い、該ガラス基板の表面に、シリコン酸化膜を形成する工程Fと、
前記シリコン酸化膜が形成された第1のガラス基板を熱処理する工程Gと、を備えたことを特徴とする請求項3に記載のマイクロ流路基板の製造方法。
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