JP2013019476A - 歯車 - Google Patents

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Abstract

【課題】インボリュート歯形における背反する特性のそれぞれを改善する。
【解決手段】インボリュート歯形においては、基礎円半径を小さくすると噛み合い損失は低減する一方、噛み合い率が悪化する。基礎円半径が異なるインボリュート歯形の微小区間をつなげた歯形、特に、歯車の回転角の連続的な変化に対し、連続的に変化する基礎円半径を用いた歯形30Aを採用する。これにより、噛み合い損失を低減しつつ、噛み合い率をインボリュート歯形に比して改善することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は歯車、特にその歯形曲線に関する。
製作上の容易性、汎用性の高さ等からインボリュート歯形を有する歯車(インボリュート歯車)が広く普及している。インボリュート歯車においては、基礎円半径を小さくする、すなわち圧力角を大きくすることで、噛み合い損失が低減することが知られている。また、基礎円半径を小さくすることで、歯元の歯厚が増加するため、歯の曲げ強度も向上する。一方、基礎円半径を小さくすると、噛み合い長さが減少し、噛み合い率が減少する。噛み合い率の減少により、歯車に起因する振動、騒音が悪化する場合がある。
このように従来のインボリュート歯車においては、噛み合い損失および歯の曲げ強度と、噛み合い率は背反する事象である。下記特許文献1の歯車においては、歯元側と歯末側で異なる圧力角とする技術が記載されている。小歯車の歯元側の圧力角を歯末側より大きくして歯元強度と増すと共に、歯末側の歯たけを長くして、噛み合い率を増加させている。
特開2001−271889号公報
上記特許文献1では、噛み合い率を増加させるために歯たけを長くしている。しかし、歯たけの増加は、歯車の大形化、重量増を招く。
本発明は、噛み合い損失、歯の曲げ強度および噛み合い率等の特性の変更に関し柔軟性を有する歯車を提供することを目的とする。
本発明の歯車は、インボリュート歯形を応用した歯車である。インボリュート歯形においては、歯形を決定する際のパラメータの一つである基礎円半径が固定の値である。これに対し、本発明の歯車においては、基礎円半径が、歯面上の歯形方向における位置に対応して変化する。この変化は、歯面上の位置の歯形方向に沿った連続的な変化に対応して連続的である。言い換えれば、本発明の歯形は、基礎円半径の異なるインボリュート歯形の一部である微小な区間を継ぎ合わせて形成された歯形である。
基礎円半径は、歯形方向の端部、すなわち歯先および歯元で大きく、中央部分で小さくすることができる。これと逆に、歯形方向の端部で小さく中央部で大きくすることもできる。
上記の歯形により、平歯車またははす歯歯車を形成することができる。
さらに、変化する基礎円半径を、歯車の回転角に関して余弦関数または二次関数で表されるものとすることができる。
歯車に要求される特性を高い次元でバランスさせることができる。
インボリュート歯形における基礎円半径の差異の説明図である。 インボリュート歯形において基礎円半径を変えたときの接触点軌跡の違いを示す図である。 基礎円半径の変化の例を示す図である。 接触点とインボリュート歯形の関係を示す図である。 基礎円半径を変化させた歯形の一例を示す図である。 図5に示す歯形の接触点軌跡を示す図である。 基礎円半径を変化させた歯形の他の例を示す図である。 図7に示す歯形の接触点軌跡を示す図である。 図5,7に示す歯形の基礎円半径の変化を示す図である。 図5,7に示す歯形の圧力角の変化を示す図である。 図5,7に示される歯形を有する歯車の特性、特に噛み合い率と噛み合い損失をインボリュート歯形と比較した図である。 パラメータの説明図である。 図5,7に示される歯形を有する歯車の特性、特に歯元曲げ応力をインボリュート歯形と比較した図である。 図5,7に示される歯形の有する歯車の特性、特に接触応力をインボリュート歯形と比較した図である。 図5,7に示す歯形を用いてはす歯歯車を構成したときのねじれ角の変化を示す図である。 図5,7に示される歯形を用いて構成されたはす歯歯車の噛み合い率をインボリュートはす歯歯形と、比較した図である。 図5,7に示される歯形を用いて構成されたはす歯歯車の特性、特に噛み合い率と噛み合い損失をインボリュートはす歯歯車と比較した図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1、図2は、基礎円半径の異なるインボリュート歯形10A,10Bに関する説明図である。図1において、半径が大きい場合(Rb1)の歯形10A、基礎円12Aおよび接触点軌跡14Aが実線で示され、半径が小さい場合(Rb1' )の歯形10B、基礎円12B、接触点軌跡14Bが破線で表されている。インボリュート歯車においては、接触点軌跡14A,14Bは直線である。基礎円半径Rb1と、圧力角αの関係は、歯数をz1 、モジュールをmとすると、次式で表される。
b1=(z1mcosα)/2
図2は、基礎円半径を変化させたときの、噛み合い長さの変化の様子を示す図である。図2において、第1歯車の歯先の軌跡が符号161 で、相手側である第2歯車の歯先の軌跡が符号162 で示されている。基礎円半径が大きい場合には、歯形10Aが図中符号10A-1で示す位置から、接触点がピッチ点Pとなる符号10A-0で示す位置を通過して、符号10A-2の位置に達するまで噛み合いが継続し、この間の接触点軌跡14Aの長さが噛み合い長さLとなる。基礎円半径が小さい場合には、歯形10Bが図中符号10B-1で示す位置から、接触点がピッチ点Pとなる符号10B-0で示す位置を通過して、符号10B-2の位置に達するまで噛み合いが継続し、この間の接触点軌跡14Bの長さが噛み合い長さL’となる。図から理解できるように、インボリュート歯形においては、基礎円半径が小さくなると、噛み合い長さが短くなることが分かる。噛み合い長さが短くなると、正面噛み合い率は小さくなり、歯車の噛み合い周期に伴う振動、騒音が悪化する場合がある。
一方、基礎円半径を小さくすると、歯元の歯厚は大きくなるので、歯元の曲げ剛性は高くなる。また、インボリュート歯車において、滑り率は、接触点軌跡14A,14B上の、ピッチ点Pから歯先161 ,162 までの距離が大きくなると、大きくなる。したがって、基礎円半径が大きい場合の方が、滑り率が大きく、このため、滑りによる損失も大きくなる。
このように、インボリュート歯形においては、基礎円半径を小さくすると、歯元の曲げ剛性、滑り率は改善される一方で、正面噛み合い率が悪化する。本実施形態の歯車においては、基礎円半径を固定値とせず、変化させることで、歯元の曲げ剛性、滑り率、正面噛み合い率等を高い次元でバランスさせることが可能となる。
表1に、本実施形態の歯車の比較対象とする一般的なインボリュート歯車の諸元を示す。以下においては、この歯車を基準として本実施形態の歯車の特性ついて検討し、この歯車を基準歯車と記して説明する。まず、平歯車(ねじれ角が0)について検討し、次にはす歯歯車、特にその重なり噛み合い率について検討する。
Figure 2013019476
図3は、基礎円半径の変化の様子を示す図である。実線18は、表1の歯車I(基準歯車)の基礎円半径Rb10を示している。破線20は、実線18に比して小さくした基礎円半径Rb11(固定値)を示している。この小さい基礎円半径を有するインボリュート歯車を以降、小基礎円歯車と記す。鎖線22が本実施形態の歯車の基礎円半径を示す。本実施形態の歯車は、歯車の回転角θ1に関して、基礎円半径Rb1が変化する。基礎円半径は、回転角の連続的な変化に対して連続的に変化するものである。さらに、基礎円半径の変化が滑らかに変化するものとすることができる。基礎円半径を、例えば、次の式(1)のように余弦関数により定めるようにできる。
Figure 2013019476
式(1)において、Rb10は基準歯車の基礎円半径である。Δは基礎円半径の変化率であり、Δ=(Rb10−Rb11)/Rb10で表される。θ1hは歯先接触時の回転角である。相手側の歯車の基礎円半径は、次の式(2)で定める。
Figure 2013019476
基礎円半径が変化する場合の歯形形状および接触点軌跡の算出は、例えば日本機械学会論文集C編、62巻603号、pp.235-240で紹介された接線極座標によるインボリュート歯車の計算式が利用できる。図4に接線極座標系を示す歯車1,2のそれぞれの回転軸線をz1軸、z2軸とし、歯車の回転方向に右ねじを回した時にねじが進む向きをそれぞれz1軸、z2軸の正の向きと定める。図4においては、z1軸は紙面の奧向きが正、z2軸は紙面の手前向きが正となる。以下、歯車1に関する座標系、変数に付いては「 1」を添え、歯車2に付いては「 2」添える。z1軸、z2軸のそれぞれに直交する共通の軸をv1軸、v2軸とする。 v1軸、v2軸の向きは、z1軸からz2軸に向かう向きを正とする。 z1軸とv1軸のそれぞれに直交し、v1軸をz1軸に向けて回転させたとき右ねじの進む方向を正とするu1軸を定める。v2軸をz2軸に向けて回転させたときの右ねじの進む方向を正とするu2軸を定める。歯車1の歯形は、次式で表される。
Figure 2013019476
式(3),(4)おいて、基礎円半径Rb1をθ1,ξ1の任意の関数で表すと、基礎円半径が変化する歯形形状およびその歯形を有する接触点軌跡が得られる。歯形形状は、θ1=0としてξ1を変化させると、ピッチ点にて接触する歯形を計算することができる。ここで、ξ1=0の点はピッチ点と交わる歯形上の点である。接触点軌跡は、ξ1=0としてθ1を変化させると計算できる。平歯車であれば、歯形はz1軸に関して一定であるので、歯幅中央断面(z10=0)において、歯形を計算すればよく、基礎円筒ねじれ角ψb1は、ψb1=0である。θ1=0とおくことにより、歯車1がピッチ点で接触した状態を示す。上記式(3),(4)において、z10=θ1=ψb1=0とすると、次式を得る。
Figure 2013019476
次に、基礎円半径をθ1、ξ1の余弦関数として表す。歯形を計算する場合には、ξ1の関数として表した基礎円半径Rb11)を使用する。
Figure 2013019476
式(5)を式(3)’、(4)’に代入して、ξ1を(−θ1h,θ1h)の範囲で変化させれば、歯形形状を座標(u1,v1)で表現できる。
図4において、実線で表されている歯形は、歯先Phおよび歯元Ptにおけるインボリュート歯形である。つまり、図3のθ1=−θ1h,θ1hにおける基礎円半径Rb11のインボリュート歯形を示す。破線で表されている歯形は、ピッチ点P0(θ1=θ10)におけるインボリュート歯形、鎖線で表されている歯形は、ピッチ点と歯先の間の任意の点Pi(θ1=θ1i)におけるインボリュート歯形を示す。歯車1の回転に伴い基礎円半径が連続的に変化し、各接触点をつなぐと接触点軌跡が得られる。また、各回転角における歯形をつなげると基礎円半径が変化している歯形形状を得る。
図5は、基礎円半径が変化する平歯車の歯形の一例を示す図である。式(1)または式(5)において、Δ=0.1としたときの歯形30Aが示されている。図に示されるようにピッチ点Pより歯元側では凸形状、歯先側では凹形状となっている。
図6は、接触点軌跡を示す図である。本実施形態の歯形30Aの場合の接触点軌跡32A、基準歯車の歯形による接触点軌跡32Sが示されている。噛み合い開始時の歯面の位置が符号30A-1で示され、噛み合い終了時の歯面の位置が歯形30A-2で示される。接触点がピッチ点P0となったときの歯面の位置が歯形30A-0で示される。また、符号341,342で示す円弧が歯先の軌跡であり、符号36で示す円弧がピッチ円である。
歯面上の任意の点は、噛み合い開始から終了までの噛み合い期間中に1回相手側の歯車と接触する。つまり、歯面上の任意の点が接触点となるのは、噛み合い期間中に1回であり、そのときの回転角θ1は特定される。つまり、歯面上の任意の点と、この点が接触点となるときの歯車の回転角は、一対一の関係にある。また、基礎円半径Rb1は、上述のように回転角θ1に対して連続的に変化するよう定められている。そして、歯面上の点が、歯形に沿ってその位置を連続的に変化させるとき、その点の位置に対応する基礎円半径は連続的に変化する。
図6において、歯面上の任意の点CNが接触点となったときの歯面の位置が符号30A-Nで示されている。このときの回転角θ1Nは、歯面30A-N上のピッチ点を点PNとすると、弧P0PNが中心を見込む角となる。点CNが歯面上を移動すると、点CNを接触点とするための歯面30A-Nも移動し、回転角θ1Nも変化する。基礎円半径Rb1もあらかじめ定められた関係、例えば式(1)に従って変化する。点CNの位置が歯形に沿って連続的に変化するとき、接触点軌跡32Aが連続的であるから、回転角θ1Nも連続的に変化する。回転角に対し、基礎円半径が連続的に変化するように定めているので、結局、点CNの位置が歯形に沿って連続的に変化すると、これに対応する基礎円半径も連続的に変化する。
また、回転角θ1と基礎円半径Rb1の関係が定められているから、任意の回転角におけるインボリュート歯形を特定することができる。そして、この回転角における接触点は、前記インボリュート歯形上の点である。
基礎円半径Rb1の変化を、例えば次の式(6)により定めることができる。
Figure 2013019476
式(6)は、上記の式(1)の余弦関数の位相をπだけずらしたものである。図7は、式(6)においてΔ=0.1としたときの歯形30Bを示した図である。図示されるようにピッチ点Pより歯元側では凹形状、歯先側では凸形状となっており、これは、図5に示される歯形30Aとは凹凸の関係が逆である。
図8は、接触点軌跡を示す図である。本実施形態の歯形30Bの場合の接触点軌跡32B、基準歯車の歯形による接触点軌跡32Sが示されている。噛み合い開始時の歯面の位置が符号30B-1で示され、噛み合い終了時の歯面の位置が歯形30B-2で示される。接触点がピッチ点P0 となったときの歯面の位置が歯形30B-0で示される。符号341,342で示す円弧は、図6と同様の歯先の軌跡である。
図9は、歯形30Bの基礎円半径の変化の様子を示す図である。実線18、破線20、曲線22は、図3と同様に、基準歯車の基礎円半径Rb10、小基礎円歯車の基礎円半径Rb11、歯形30Aの基礎円半径を示している。曲線23が、歯形30Bの基礎円半径である。図10は、歯形30A,30Bの圧力角の変化の様子を示す図である。実線40が基準歯車の圧力角、破線42が小基礎円歯車の圧力角、曲線44が波形30Aの圧力角、曲線46が波形30Bの圧力角を示す。
図5および図7に示す歯形30A,30Bの特性について、基準歯車、小基礎円歯車と対比して検討する。
図11は、噛み合い率と噛み合い損失の関係を示す図である。噛み合い損失および正面噛み合い率は、次に示す式(7)および式(8)により算出できる。
Figure 2013019476
μは摩擦係数、Pは荷重、Vは滑り速度、Tは伝達トルク、Rb は基礎円半径、ω1 ,ω2 は歯車の角速度、Dは接触線長さ、αt は正面圧力角を表す。接触線長さDは、ピッチ点から接触点までの距離を表し、図6で説明すれば、ピッチ点P0と接触点CNを結ぶ線分の長さに相当する。
図11において、各歯車の特性(噛み合い率、噛み合い損失)が基準歯車に対する比で示されている。前述のように、インボリュート歯形においては、噛み合い損失を低減するとこれに対応して、噛み合い率も低下する。図5に示す歯形30Aの場合、インボリュート歯車を採用する場合に比して、噛み合い率の低下を抑えることができる。図6に示すように、歯形30Aにおいては、歯先の接触点がピッチ点に近づき、すべり速度が低下して、噛み合い損失が低減される。歯先における基礎円半径Rb1は、図3に示すように小基礎円歯車と等しいことから、歯形30Aの歯先の接触点は小基礎円歯車と同じ位置となり、噛み合い損失はほぼ等しくなる。一方、接触点軌跡の長さ(噛み合い長さ)は、軌跡が直線である小基礎円歯車よりも軌跡が曲線となる歯形30Aの方が長くなり、この効果によって噛み合い率が改善される。歯形30Bの場合、噛み合い損失は小基礎円歯車と同等であるが、噛み合い率は改善されず、かえって悪化している。これは、式(8)に示されるように、法線ピッチが圧力角の関数となることから、歯形30Bにおいては、接触点軌跡の長さの増加よりも法線ピッチの増加の影響が大きいためである。
次に、歯元曲げ強度について検討する。曲げ応力σb は次の式(9)で算出される。
Figure 2013019476
式中の各パラメータは図12に示される。図12(a)には基準歯車が、(b)には小基礎円歯車、図5,7に記載された歯形30A,30Bの歯車が示されている。sf は危険断面歯厚であり、相手側歯車の歯先が接触する位置における歯厚、sは歯先歯厚、Pn は歯先荷重、λは歯先荷重の向き、hは歯先荷重の延長線が歯厚中心線に交わる点の危険断面からの高さ、bは歯幅である。
図13は、各歯車の歯元曲げ応力σb を示す図である。この図においても、各歯車の特性(歯元曲げ応力)は、基準歯車に対する比として表されている。小基礎円歯車、歯形30Aの歯車、歯形30Bの歯車いずれも、基準歯車に対して基礎円半径を小さくしているために歯元の歯厚が増加し、歯元曲げ応力が改善されている。
次に、ヘルツ接触応力について検討する。ヘルツ応力は次の式(10)により算出される。
Figure 2013019476
式中、PU は単位歯幅当たりの荷重、Eはヤング率、Rは相対曲率半径である。図14は、各歯車のヘルツ応力の歯形上平均値を示す図である。この図においても、各歯車の特性(ヘルツ応力)は、基準歯車に対する比として表されている。歯形30Bの歯車において、歯面同士の接触が凹面と凸面との接触となるため、相対曲率半径Rが大きくなり、歯面強度を向上することができる。
以上は、平歯車の検討であるが、はす歯歯車においては、特に重なり噛み合い率を考慮して噛み合い率の検討を行う必要がある。基礎円半径(および正面圧力角αt)が変化する本実施形態の歯車においては、歯車の回転角に関して、ねじれ角が変化し、重なり噛み合い率がインボリュート歯車の場合とは異なってくる。ねじれ角β(θ1)は、次の式(11)で表される。
Figure 2013019476
ψb1は基礎円筒上のねじれ角であり一定値としている。図15に回転角θ1とねじれ角βの関係を示す。図15に示されるように従来の歯車の場合、ねじれ角βは一定であるが、本実施形態の歯形30A,30Bでは変化する。噛み合い率は、次の式(12)で算出される。歯形30Aでは、図15に示すように、ねじれ角が基準歯車より増加するために、重なり噛み合い率が増加する。歯形30Bでは、ねじれ角が減少するために重なり噛み合い率は低下する。
Figure 2013019476
図16は、各歯車の噛み合い率を比較した図である。歯形30Aにおいては、基準歯車とほぼ同等の噛み合い率を達成している。はす歯歯車において、図17は、噛み合い損失と噛み合い率の関係を示す図である。歯形30Aの歯車においては、基準歯車に対し、噛み合い損失を低減しつつ、噛み合い率を同等とすることが可能になる。
以上のように、基礎円半径を変化させた歯形を採用することにより、従来のインボリュート歯車に対して、背反していた特性をバランス良く改善することができる。例えば、上述の歯形30Aを採用すれば、噛み合い率を維持したまま、噛み合い損失を低減することが可能となる。また、歯形30Bを採用すれば、噛み合い損失およびヘルツ接触応力の両者を改善することができる。
基礎円半径を定める関数は、上述した余弦関数に限らず、連続かつ滑らかな関数であればよい。例えば二次関数であってよい。二次関数の場合、上述の余弦関数と同様、回転角θ1 =0(ピッチ点)において極大または極小となるようにしてよい。また、上述の余弦関数は、回転角θ1 =0(ピッチ点)に関して対称な関数であったが、余弦関数、二次関数とも非対称であってもよい。
30A,30B 歯形、32A,32B,32S 接触点軌跡、341 ,342 歯先線。

Claims (7)

  1. 異なる基礎円半径を有するインボリュート歯形を歯形方向に繋いで形成した歯形を有する歯車であって、基礎円半径は歯形方向に沿って連続的に変化する、歯車。
  2. 請求項1に記載の歯車であって、基礎円半径が、歯形方向の端部で大きく、中央部で小さい、歯車。
  3. 請求項1に記載の歯車であって、基礎円半径が、歯形方向の端部で小さく、中央部で大きい、歯車。
  4. 前記歯車が平歯車である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車。
  5. 前記歯車がはす歯歯車である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車。
  6. 請求項4または5に記載の歯車であって、基礎円半径が、歯車の回転角に関して余弦関数で表される、歯車。
  7. 請求項4または5に記載の歯車であって、基礎円半径が、歯車の回転角に関して二次関数で表される、歯車。
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