本発明の第1実施形態に係る遊技機の一例について説明する。
(パチンコ機の構成)
図1には、第1実施形態の遊技機の一例としてのパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備(図示省略)に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には、合成樹脂で矩形額縁状に形成された内枠14が配置されており、内枠14の下側となる外枠12の前面下端部には、パチンコ機10の前面下端部を構成する合成樹脂製の下飾り16が取付けられている。
下飾り16の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板18を装着したガラス枠20が配置されており、ガラス枠20は左側端部が軸支されて開閉可能に取付けられている。このガラス枠20の奥側には、着脱交換可能に遊技盤22がセットされており、遊技盤22は、ガラス枠20で閉塞された状態でガラス板18に対向するようになっている。
ガラス枠20の下部には、一体皿24が配置されている。そして、パチンコ機10の正面視で一体皿24の右端部には鍵穴26が設けられている。ここで、鍵穴26にキーを差し込み、左右の内、一方に回すと、ガラス枠20が図示の手前側に開放可能となり、他方に回すと、一体皿24が図示の手前側に開放可能となる。
一体皿24には、遊技球(図示省略)が払い出される上皿部28と、上皿部28で満杯となった遊技球が送り出される下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられており、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球を外部(例えば、いわゆる「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁部32における右端部には、球貸ボタン38と、返却ボタン42が設けられている。また、一体皿24の右側下部には、遊技球(打球)の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル44が取付けられており、左側下部には、灰皿46が収納されている。そして、一体皿24における下皿部30の右側には、スピーカ50が設けられている。
さらに、一体皿24における上皿部28の周縁壁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン52が設けられている。操作ボタン52は、遊技中の操作有効期間中に遊技者が操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
一方、ガラス枠20におけるガラス板18の周囲には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出すアーチ状の上側照明部54が設けられている。そして、上側照明部54の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下側照明部56の上端部と連結されている。この結果、上側照明部54と下側照明部56とで、遊技盤22の周囲を取り囲むように、照明部58が形成されている。
上側照明部54及び下側照明部56は、照明部材(LED等)が取付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように所定の意匠で形成されたレンズカバー62とを含んで構成されている。そして、レンズカバー62は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。
また、ガラス枠20の上方角部には、それぞれ三連表示灯64が設けられており、遊技状態の報知(エラー報知や後述する不正報知等を含む)に用いられるようになっている。さらに、上側照明部54における、ガラス枠20の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に音声を出力するようになっている。
(遊技盤の構成)
図2に示すように、遊技盤22は、一例として、アクリル板で構成されており、このアクリル板の表面(遊技者側の面)である盤面22Aの外周端部付近に、円弧状の外レール72及び内レール74が取付けられている。これらの外レール72及び内レール74によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域Fとされている。
遊技盤22の遊技領域Fには、釘75(1本のみ図示して残りは図示省略)及び風車76が点在して打ち込まれている。また、遊技領域Fにおけるほぼ中央には開口部83が形成されており、開口部83の周縁部を覆うようにしてセンター役物ユニット80が配置されている。そして、遊技盤22とセンター役物ユニット80との間には、詳細を後述する指示ユニット100(図4参照)が設けられている。
センター役物ユニット80は、各種演出等の映像を表示して遊技盤22の演出が行われる演出部の一例としてのLCD表示部82と、LCD表示部82の周縁に設けられた装飾部84とを有している。LCD表示部82では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合、あるいは、3列の内、先に左右2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの中央の1列が変動中の場合を「リーチ」という。
装飾部84は、LCD表示部82の中央上部に配置され、LCD表示部82に登場するキャラクタに関連した装飾が施された装飾部材86と、装飾部材86の左右に配置され遊技状態に合わせて発光するパトランプ88と、を含んで構成されている。
一方、センター役物ユニット80の下辺部には、ステージ80Sが形成されている。ステージ80Sには、釘等で跳ね返えることで受け入れた遊技球PB、あるいは図示しないワープ路に案内されて受け入れた遊技球PBが送り込まれるようになっている。また、ステージ80Sは、傾斜面や突起部等が形成されており、遊技球PBの移動が当該傾斜面や突起部等により不規則に変化して、最終的に下辺手前から遊技盤22へ戻されるようになっている。
センター役物ユニット80の右側(図示の右側)には、普通図柄抽選の始動機能を持つ通過ゲート92と、通過ゲート92の下側に配置された電動チューリップ93と、電動チューリップ93の下側に配置されたアタッカー94とが設けられている。また、センター役物ユニット80の下部には、特別図柄始動入賞口96が設けられている。
電動チューリップ93は、遊技盤22の裏面側に配設された電チューソレノイド(図示省略)の通電、非通電によって開閉する構成となっており、開放状態で遊技球PBの入賞が可能となる。また、特別図柄始動入賞口96は、常時、上部が開口しており、ステージ80Sから落下した遊技球PBや、複数の釘75で案内された遊技球PBが入賞可能となっている。
アタッカー94は、遊技者が賞球を得るための入賞口であり、アタッカー94の前方には開閉扉95が開閉可能に設けられている。開閉扉95は、ソレノイド(図示省略)の通電により遊技者側(図示の手前側)に移動してアタッカー94を開放し、又はソレノイドへの非通電により直立してアタッカー94を閉塞するようになっている。すなわち、開閉扉95の開放時には、開閉扉95上に落下した遊技球PBが開閉扉95に案内されてアタッカー94へ入賞する。
また、遊技領域Fの中央の最下位置には、入賞せずに流化した遊技球PB(外れ球)を遊技盤22の裏側へ排出するアウト口97が設けられている。さらに、遊技領域Fにおけるセンター役物ユニット80よりも下方左側には、サイド入賞口98が設けられている。
ここで、特別図柄始動入賞口96に遊技球PBが入賞すると、特別図柄抽選が実行され、この特別図柄抽選に当選すると、アタッカー94の開閉扉95が所定のパターンで開閉動作し、これを所定回数(所定ラウンド)繰り返すようになっている(「特別遊技状態」又は「大役処理」等と言う場合がある)。
特別図柄抽選の当選/落選は、主としてLCD表示部82の図柄変動表示演出において遊技者に報知され、この図柄変動パターン演出中、或いは、前記大役処理中の場合は、抽選結果を保留し、順次報知していくようになっている。また、図柄変動表示演出と共に、動物などが擬人化されたキャラクタが表示され、抽選で当選した旨を暗示させることにより、遊技者に期待感を持たせるといった視覚的な演出をすることがあり、その場合は、効果音によって聴覚からも遊技者の興趣を増大させる。
なお、通過ゲート92を遊技球PBが通過することで行われる普通図柄抽選に当選すると、所定の短時間で電動チューリップ93が開放するようになっている。また、特別図柄抽選に当選し、遊技状態がいわゆる確率変動状態となった場合は、普通図柄抽選の時間が短縮され、所定時間当たりの電動チューリップ93の開放回数が増加するようになっている。そして、電動チューリップ93に遊技球PBが入賞したとき、特別図柄始動入賞口96と同様に特別図柄抽選が行われるようになっている。
一方、遊技盤22の裏面側(遊技者と対面する側を表面とする)におけるセンター役物ユニット80の下部には、複数の球通路が形成された球案内パネル(図示省略)が取付けられている。球案内パネルは、センター役物ユニット80の下部に集中している入賞口(特別図柄始動入賞口96やサイド入賞口98)に、複数の球通路がそれぞれ対応するように取付けられている。
(制御系の構成)
次に、図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
図3に示すように、パチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。また、主制御部150からは、盤用外部端子170を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当り信号、図柄確定回数信号)が送信される。
図2及び図3に示すように、主制御部150には、入力系として、通過ゲート92を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ182、特別図柄始動入賞口96への入賞球を検出する特図始動口センサ184、特別遊技状態の際に開放するアタッカー94への入賞球を検出するアタッカーセンサ186、サイド入賞口98への入賞球を検出する一般入賞センサ188が接続されている。
また、主制御部150には、出力系として、遊技情報を上側照明部54及び下側照明部56に設けたランプの点灯状態で報知するガイドランプユニット172、電動チューリップ93を開閉する電チューソレノイド174、アタッカー94の開閉扉95を開閉するためのアタッカーソレノイド176が接続されている。
演出制御部152には、入力系として、操作ボタン52が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子178、スピーカ50及びスピーカ60(60L、60C、60R)が接続されている。さらに、演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部82が接続されている。
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置166が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者による発射ハンドル44(図1参照)の操作により発射装置166を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、発射ハンドル44の操作量に応じた発射力を制御する。さらに、払出制御部154では、枠用外部端子168を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
演出制御部152には、出力系として、図柄制御部156を介して電飾制御部158が設けられている。電飾制御部158では、後述する可動体108A〜108D(図5参照)に設けられたランプ119(図7参照)の発光制御が行われるようになっている。なお、ランプ119の発光は、パチンコ機10の遊技仕様に基づいて設定される。
(要部構成)
次に、パチンコ機10に設けられた指示ユニット100について説明する。
図4に示すように、指示ユニット100は、LCD表示部82の左右及び上方(周囲)を囲んで配置され、センター役物ユニット80の周囲に設けられている。また、図5に示すように、指示ユニット100は、パチンコ機10(図1参照)の正面視で左側に配置される左側指示ユニット102と、右側に配置される右側指示ユニット104とで構成されている。
左側指示ユニット102は、センター役物ユニット80(図2参照)に合わせて装飾が施された装飾部材103を有している。そして、装飾部材103には、第1指示部106A及び第2指示部106Bが設けられている。第1指示部106Aは、LCD表示部82の左斜め上方に配置されており、第2指示部106Bは、LCD表示部82の左側に配置されている。
一方、右側指示ユニット104は、センター役物ユニット80(図2参照)に合わせて装飾が施された装飾部材105を有している。そして、装飾部材105には、第3指示部106C及び第4指示部106Dが設けられている。第3指示部106Cは、LCD表示部82の右斜め上方に配置されており、第4指示部106Dは、LCD表示部82の右側に配置されている。
図6(A)、(B)に示すように、第1指示部106Aは、遊技盤22(図2参照)上を指し示す指示部材の一例としての可動体108Aと、可動体108Aを回転駆動して指し示す位置を変更する変更手段の一例としての駆動部110Aとを含んで構成されている。また、第2指示部106Bは、指示部材の一例としての可動体108Bと、可動体108Bを回転駆動して指し示す位置を変更する変更手段の一例としての駆動部110Bとを含んで構成されている。
ここで、可動体108A、可動体108Bと、後述する可動体108C、可動体108D(図8(A)、(B)参照)とは、同じ部材で組み立てられて同様の構成となっている。このため、以後の説明において、可動体108A、108B、108C、108Dを区別する必要がある場合は、可動体108Aの部材の符号の後に英字A、可動体108Bの部材の符号の後に英字B、可動体108Cの部材の符号の後に英字C、可動体108Dの部材の符号の後に英字Dを付与して区別する。
可動体108Aは、可動体ギア115Aが裏側に取付けられた円柱状の回転部116Aと、回転部116Aの中央(回転中心)から半径方向に延出された延出部117Aと、延出部117Aの回転部116Aとは反対側に形成され、遊技盤22(図2参照)上の位置を指し示す指示部118Aとを含んで構成され、外形が矢印形状(矢印部材)となっている。
可動体ギア115Aは、装飾部材103(図5参照)の裏側に設けられたシャフト(図示省略)を回転軸として、装飾部材103の裏側で回転可能に支持されている。そして、回転部116Aは、装飾部材103の表側に配置されると共に、可動体ギア115Aと同軸配置となるように同じシャフトの先端に嵌合されている。これにより、可動体108Aは、回転可能とされ、指示部118Aが指し示す位置を変更可能となっている。
延出部117Aは、後述する1つの弧S(図11(B)参照)の一部を形成するように湾曲した形状となっている。また、指示部118Aは、略三角形状に形成されており、先端側(延出部117Aとは反対側)の鋭角部分が遊技盤22(図2参照)上の位置を指し示すようになっている。
図7に示すように、可動体108Aの延出部117A内は、中空とされ、発光部の一例としての複数のランプ119が設けられている。ランプ119は、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により発光するようになっている。また、延出部117A及び指示部118Aの表面には、ランプ119の光の進行方向に貫通された複数の窓部122が、指示部118Aの鋭角部分に向かって間隔をあけて並んで形成されている。そして、複数の窓部122のそれぞれには、ランプ119から出射された光が透過可能となる樹脂部材123が嵌め込まれている。なお、図7では、回転部116Aの図示を省略している。
図6(B)に示すように、駆動部110Aは、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により回転駆動される可動体モータ124と、可動体モータ124の動作により回転する可動体モータギア126と、可動体モータギア126及び可動体ギア115Aと噛合して回転力を可動体ギア115Aに伝達するアイドルギア128とを含んで構成されている。そして、駆動部110Aは、LCD表示部82(図2参照)における演出状態の変化に合わせて、可動体108Aの指示部118Aが指し示す位置を変更するようになっている。
なお、本実施形態における演出状態の変化とは、一例として、遊技者が、特別図柄始動入賞口96(図2参照)を狙って遊技球PBを打ち込んでいる通常遊技状態と、特別図柄抽選に当選してアタッカー94(図2参照)を狙って遊技球PBを打ち込んでいる大役状態(以後、大当り状態という)との変化がある。そして、大当り状態は、当該大当り状態が終了した後に遊技者への付加的な特典として与えられる確率変動モード及び時短モードからなる特典遊技状態を含んでいる。
確率変動モードとは、大当り状態が終了し、通常遊技状態に復帰した後の抽選の確率を高確率とするモードであり、大当り確率が上がった分、次の大当りまでの遊技期間が短縮されることになる。また、時短モードとは、大当り状態が終了し、通常遊技状態に復帰した後、抽選の結果を遊技者に報知するための図柄の変動時間を短縮するモードであり、抽選時間が短縮される分、単位時間当たりの抽選回数が増えることになる。本実施形態では、確率変動モード及び時短モードにおいて、電動チューリップ93(図2参照)が所定時間で複数回開放されるようになっており、電動チューリップ93への遊技球PBの入賞時に大当りか否かの抽選が行われる。
ここで、駆動部110Aが動作されることによって、通常遊技状態では、指示部118AがLCD表示部82(図2参照)と重なると共にLCD表示部82を指し示す位置に配置され、大当り状態及び特典遊技状態では、指示部118Aが遊技盤22(図2参照)の右斜め上方を指し示す位置に配置される。
一方、図6(A)に示すように、可動体108Bは、可動体108Aと同様の構成となっており、可動体ギア115Bが裏側に取付けられた回転部116Bと、延出部117Bと、指示部118Bとを含んで構成され、外形が矢印形状(矢印部材)となっている。また、可動体108Bは、装飾部材103(図5参照)に回転可能に設けられており、指示部118Bが指し示す位置を変更可能となっている。さらに、可動体108Bの延出部117B内には、ランプ119(図7参照)が設けられ、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により発光するようになっている。
図6(B)に示すように、駆動部110Bは、可動体モータ124と、可動体モータギア126と、可動体モータギア126及び可動体ギア115Bと噛合して回転力を可動体ギア115Bに伝達するアイドルギア132とを含んで構成されている。そして、駆動部110Bは、LCD表示部82(図2参照)における演出状態の変化に合わせて、可動体108Bの指示部118Bが指し示す位置を変更するようになっている。一例として、駆動部110Bが動作されることによって、通常遊技状態では、指示部118BがLCD表示部82を指し示す位置に配置され、大当り状態及び特典遊技状態では、指示部118Bが遊技盤22(図2参照)の上方を指し示す位置に配置される。
可動体108Bには、指示部118A、118Bが指し示している位置を検出するための検出用部材134が取付けられている。検出用部材134は、略環状の部材であり、一部が半径方向外側に突出して突出部134Aを形成している。そして、パチンコ機10(図1参照)内で可動体108Bが回転したときに突出部134Aが移動する移動経路(軌跡)上には、突出部134Aの通過を検出する可動体位置検出センサ130が設けられている。
図9(A)に示すように、可動体位置検出センサ130は、光を出射する出射部131と、出射部131から出射された光を受光する受光部133とが対向配置されており、受光部133で光を検出しているときはOFF信号を出力し、光が遮断されたときにON信号を出力する。そして、可動体位置検出センサ130から出力されたOFF信号、ON信号は、電飾制御部158(図3参照)に入力され、電飾制御部158において、可動体108A、108Bの停止位置(指示部118A、118Bが指し示す位置)が検出されるようになっている。これは、駆動部110Aと駆動部110Bで可動体モータ124が共通の駆動源となっており、可動体108Aの位置が判明すれば、自動的に可動体108Bの位置も判明するためである。
なお、可動体位置検出センサ130で検出される可動体108A、108Bの停止位置とは、通常遊技状態において、可動体108A、108BがLCD表示部82(図2参照)を指し示す位置(初期位置)である。また、可動体108A、108Bの移動後の停止位置(移動位置)は、可動体モータ124の初期位置からの駆動量に基づいて検出されるようになっている。
一方、図8(A)、(B)に示すように、第3指示部106Cは、遊技盤22(図2参照)上を指し示す指示部材の一例としての可動体108Cと、可動体108Cを回転駆動して指し示す位置を変更する変更手段の一例としての駆動部110Cとを含んで構成されている。また、第4指示部106Dは、指示部材の一例としての可動体108Dと、可動体108Dを回転駆動して指し示す位置を変更する変更手段の一例としての駆動部110Dとを含んで構成されている。そして、前述したように、可動体108C、可動体108Dと、可動体108A、可動体108B(図6(A)、(B)参照)とは、同様の構成となっている。
可動体108Cは、可動体ギア115Cが裏側に取付けられた円柱状の回転部116Cと、回転部116Cの中央(回転中心)から半径方向に延出された延出部117Cと、延出部117Cの回転部116Cとは反対側に形成され、遊技盤22(図2参照)上の位置を指し示す指示部118Cとを含んで構成され、外形が矢印形状(矢印部材)となっている。
可動体ギア115Cは、装飾部材105(図5参照)の裏側に設けられたシャフト(図示省略)を回転軸として、装飾部材105の裏側で回転可能に支持されている。そして、回転部116Cは、装飾部材105の表側に配置されると共に、可動体ギア115Cと同軸配置となるように同じシャフトの先端に嵌合されている。これにより、可動体108Cは、回転可能とされ、指示部118Cが指し示す位置を変更可能となっている。
延出部117Cは、後述する1つの弧S(図11(B)参照)の一部を形成するように湾曲した形状となっている。また、指示部118Cは、略三角形状に形成されており、先端側(延出部117Cとは反対側)の鋭角部分が遊技盤22(図2参照)上の位置を指し示すようになっている。さらに、延出部117C内には、ランプ119(図7参照)が設けられ、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により発光するようになっている。
図8(B)に示すように、駆動部110Cは、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により回転駆動される可動体モータ144と、可動体モータ144の動作により回転する可動体モータギア145と、可動体モータギア145及び可動体ギア115Cと噛合して回転力を可動体ギア115Cに伝達するアイドルギア146とを含んで構成されている。そして、駆動部110Cは、LCD表示部82(図2参照)における演出状態の変化に合わせて、可動体108Cの指示部118Cが指し示す位置を変更するようになっている。
駆動部110Cが動作されることによって、通常遊技状態では、指示部118CがLCD表示部82(図2参照)を指し示す位置に配置され、大当り状態及び特典遊技状態では、指示部118Cが遊技盤22(図2参照)の右斜め下方を指し示す位置に配置される。
一方、図8(A)に示すように、可動体108Dは、可動体108C(及び可動体108A、108B(図6(A)参照))と同様の構成となっており、可動体ギア115Dが裏側に取付けられた回転部116Dと、延出部117Dと、指示部118Dとを含んで構成され、外形が矢印形状(矢印部材)となっている。また、可動体108Dは、装飾部材105(図5参照)に回転可能に設けられており、指示部118Dが指し示す位置を変更可能となっている。さらに、可動体108Dの延出部117D内には、ランプ119(図7参照)が設けられ、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により発光するようになっている。
図8(B)に示すように、駆動部110Dは、可動体モータ144と、可動体モータギア145と、可動体モータギア145及び可動体ギア115Dと噛合して回転力を可動体ギア115Dに伝達するアイドルギア147とを含んで構成されている。そして、駆動部110Dは、LCD表示部82(図2参照)における演出状態の変化に合わせて、可動体108Dの指示部118Dが指し示す位置を変更するようになっている。一例として、駆動部110Dが動作されることによって、通常遊技状態では、指示部118DがLCD表示部82と重なると共にLCD表示部82を指し示す位置に配置され、大当り状態及び特典遊技状態では、指示部118Dが遊技盤22(図2参照)の下方(電動チューリップ93及びアタッカー94(図2参照))を指し示す位置に配置される。
可動体108Dには、指示部118C、118Dが指し示している位置を検出するための検出用部材135が取付けられている。検出用部材135は、略環状の部材であり、一部が半径方向外側に突出して突出部135Aを形成している。そして、パチンコ機10(図1参照)内で可動体108Dが回転したときに突出部135Aが移動する移動経路(軌跡)上には、突出部135Aの通過を検出する可動体位置検出センサ140が設けられている。
図9(B)に示すように、可動体位置検出センサ140は、光を出射する出射部148と、出射部148から出射された光を受光する受光部149とが対向配置されており、受光部149で光を検出しているときはOFF信号を出力し、光が遮断されたときにON信号を出力する。なお、可動体位置検出センサ140から出力されたOFF信号、ON信号は、電飾制御部158(図3参照)に入力され、電飾制御部158において、可動体108C、108Dの停止位置(指示部118C、118Dが指し示す位置)が検出されるようになっている。これは、駆動部110Cと駆動部110Dで可動体モータ144が共通の駆動源となっており、可動体108Cの位置が判明すれば、自動的に可動体108Dの位置も判明するためである。
なお、可動体位置検出センサ140で検出される可動体108C、108Dの停止位置とは、通常遊技状態において、可動体108C、108DがLCD表示部82(図2参照)を指し示す位置(初期位置)である。また、可動体108C、108Dの移動後の停止位置(移動位置)は、可動体モータ144の初期位置からの駆動量に基づいて検出されるようになっている。
図11(B)に示すように、指示ユニット100の配置の一例として、可動体108A、108B、108C、108Dの回転中心(位置)をOA、OB、OC、ODとしたとき、回転中心OA、OB、OC、ODは、1つの弧S上に配置されている。そして、駆動部110A、110B(図6(B)参照)と、駆動部110C、110D(図8(B)参照)とが動作されたとき、指示部118A、118B、118C、118Dが弧S上に位置されるようになっている。なお、弧Sは、一例として、長軸方向が遊技盤22の上下方向に対してやや右側へ傾いた配置となっている楕円上の一部となっている。
また、駆動部110A、110B、110C、110Dは、指示部118A、118B、118C、118Dが通常遊技時に指し示す位置を、次に指し示す位置(大当り時及び特典遊技状態時に指し示す位置)へ変更する前、例えば、大当りとなる可能性が非常に高いリーチ演出がLCD表示部82で行われているときに、図11(A)に示すように、可動体108A、108B、108C、108Dを矢印+R方向及び矢印−R方向に揺動(往復動)させるようになっている。
なお、矢印+R方向は、遊技盤22を正面視して、可動体108A、108B、108C、108Dが反時計回りに回転する方向であり、矢印−R方向は、遊技盤22を正面視して、可動体108A、108B、108C、108Dが時計回りに回転する方向となっている。
図10に示すように、ホールの島設備(図示省略)に取付けられた状態(立設された状態)の遊技盤22を正面視して、右方向を矢印X方向、上方向を矢印Y方向、遊技者から遊技盤22に向かう方向(奥行き方向)を矢印Z方向としたとき、遊技盤22よりも矢印Z方向側(奥側)には、遊技盤22の裏面を覆うようにして、本体カバー部材23が取付けられている。
本体カバー部材23は、X−Z断面が矢印Z方向に凸形状で且つ遊技盤22側が開放された形状となっており、内側中央に形成された凹部23AにはLCD表示部82が固定されている。また、本体カバー部材23は、矢印Z方向外側で且つLCD表示部82の裏側に制御ボックス25が取付けられている。そして、制御ボックス25内には、主制御部150を含む各制御部の基板等(図3参照)が設けられている。
一方、本体カバー部材23におけるLCD表示部82よりも前側(矢印Z方向とは反対側)には、前述の装飾部材103、105がネジ等の締結部材(図示省略)により取付けられている。そして、駆動部110A、110Bは、装飾部材103と本体カバー部材23との間の空間に配置されており、駆動部110C、110Dは、装飾部材105と本体カバー部材23との間の空間に配置されている。また、可動体108A、108Bは、装飾部材103と遊技盤22との間の空間に配置されており、可動体108C、108Dは、装飾部材105と遊技盤22との間の空間に配置されている。
ここで、遊技盤22を矢印Z方向に正面視したとき、装飾部材103の右側面M1(二点鎖線で図示)と装飾部材105の左側面M2(二点鎖線で図示)との間隔である幅Wに相当する範囲が、遊技者が視認可能となるLCD表示部82の視認可能領域となる。そして、通常遊技状態において、可動体108Aと可動体108Dが、この視認可能領域と重なるように配置されるようになっている。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図11(A)に示すように、パチンコ機10では、大当り確率が低い通常遊技状態において、特別図柄始動入賞口96(図2参照)に遊技球PBが入賞することで特別図柄抽選を行う。そして、特別図柄抽選の当選/落選が、主としてLCD表示部82の図柄変動表示演出において遊技者に報知される。
ここで、可動体108A、108B、108C、108Dは、駆動部110A、110B、110C、110D(図6(A)及び図8(A)参照)によって回転駆動されておらず、指示部118A、118B、118C、118Dは、LCD表示部82を指し示している。これにより、遊技者は、指示部118A、118B、118C、118Dが指し示す遊技盤22のLCD表示部82に視点を移す(LCD表示部82を注視する)ことになる。
また、パチンコ機10では、可動体108A、108Dの指示部118A、118Dが、遊技盤22の正面視でLCD表示部82と重なっている。このため、指示部118A、118Dが、LCD表示部82の特定の位置(一例として左隅及び右端)を指し示すことになるので、遊技者にLCD表示部82の特定の位置を注目させることができる。特に、この特定の位置で図柄やキャラクタの動きを変化させることで、遊技者は、より多くの期待感、興趣を得ることができる。
続いて、内部的には特別図柄抽選の当選/落選の結果が出ているが、LCD表示部82において、大当りとなる可能性が非常に高いリーチ演出が行われているものとする。このとき、駆動部110A、110B、110C、110D(図6(A)及び図8(A)参照)が動作され、図11(A)に示すように、LCD表示部82での図柄演出に合わせて、可動体108A、108B、108C、108Dが矢印+R方向及び矢印−R方向に複数回、揺動(往復動)する。
この動作を見た遊技者は、現在の遊技状態(通常遊技状態)が継続される、いわゆるガセ演出なのか、あるいは、現在の遊技状態が終了して他の遊技状態(大当り状態)へ移行する大当り演出なのかが分からなくなる。これにより、遊技者に不安と期待が混在する緊張感を与えたり、大当り状態や確率変動状態を彷彿させる期待感をあおることができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
続いて、LCD表示部82において図柄が揃い、あるいは、大当りの文字が表示されるなどして、当選結果(大当り)が遊技者に報知されたとき、駆動部110A、110B、110C、110D(図6(A)及び図8(A)参照)が動作され、可動体108A、108B、108C、108Dが矢印+R方向へ回転移動する。これにより、図11(B)に示すように、指示部118A、118B、118C、118Dが弧S上に位置し、指示部118A、118B、118C、118Dの指し示す方向が、アタッカー94に向かう一方向(遊技盤22の右狙いの方向)に揃えられる。そして、遊技者は、指示部118A、118B、118C、118Dが指し示す遊技盤22上のアタッカー94に視点を移すと共に、右打ちして賞球を獲得することになる。
続いて、大当り状態が終了し、前述の特典遊技状態となったとき、指示部118A、118B、118C、118Dの指し示す方向が、電動チューリップ93に向かう一方向(遊技盤22の右狙いの方向)に揃えられる。そして、遊技者は、指示部118A、118B、118C、118Dが指し示す遊技盤22上の電動チューリップ93に視点を移すと共に、継続して右打ちし、賞球を獲得すると共に遊技を継続することになる。なお、アタッカー94を指し示す方向、電動チューリップ93を指し示す方向は、電動チューリップ93及びアタッカー94の配置によるため、同じ方向、異なる方向のいずれでもよい。本実施形態では、一例として、アタッカー94を指し示す方向と電動チューリップ93を指し示す方向がほぼ同じ角度の方向であるため、図11(B)のみで示している。
また、他の例として、内部的には確率変動モードでありながらLCD表示部82の表示が通常遊技状態のままとなる、いわゆる潜伏確変状態を有するパチンコ機10において、潜伏確変状態に突入(当選)したときに、可動体108A、108B、108C、108Dを揺動させ、その揺れ幅の大きさで遊技者の期待感をあおってもよい。さらに、指示部118A、118B、118C、118Dが指し示す方向を通常遊技状態とは異なる方向として、遊技者の期待感をあおってもよい。
このように、パチンコ機10は、複数の可動体108A、108B、108C、108Dで遊技盤22上の1つの位置(アタッカー94)を指し示すので、遊技盤22の注目させたい位置を遊技者に明確に示すことができる。また、本実施形態のように、可動体108A、108B、108C、108Dが指し示す位置が電動チューリップ93又はアタッカー94(賞球口)となっている場合は、複数の可動体108A、108B、108C、108Dによって表現される1つの仮想の弧Sが、遊技球PBの流れるべき軌跡を表すことになるので、遊技者が、電動チューリップ93又はアタッカー94を狙いやすくなる。
また、パチンコ機10は、駆動部110A、110B、110C、110D(図6(A)及び図8(A)参照)が、指示部118A、118B、118C、118Dの指し示す位置を変更することで、遊技者に注目させたい位置の切り換えが行われるので、遊技者に注目させたい遊技盤22上の複数の位置を簡単な構成(可動体108A、108B、108C、108Dを回転する構成のみ)で切り換えて示すことができる。
さらに、パチンコ機10は、可動体108A、108B、108C、108Dの外形が矢印形状となっているので、指示部118A、118B、118C、118Dだけでなく、可動体108A、108B、108C、108D全体で位置を示すことになる。これにより、遊技者に注目させたい位置を明確に指し示すことができる。
加えて、パチンコ機10は、可動体108A、108B、108C、108Dが内部にランプ119を有しており、ランプ119が発光することで可動体108A、108B、108C、108Dがそれぞれ発光するので、遊技者に注目させたい位置を、外形だけでなく、さらに光を用いて明確に指し示すことができる。
また、パチンコ機10は、可動体108A、108B、108C、108Dが同じ部材で同様の構成とされているので、可動体108A、108B、108C、108Dを異なる部材で構成するものに比べて、部品数の増加及び製造工程の増加を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図12には、第2実施形態の遊技機の一例としてのパチンコ機200が示されている。パチンコ機200は、遊技球PBが打込まれる遊技盤202を有している。遊技盤202は、中央に開口部204が形成されたアクリル板であり、開口部204の周縁部を覆うようにしてセンター役物ユニット206が設けられている。また、遊技盤202は、開口部204の周縁下部にステージ80Sが設けられている。そして、遊技盤202の外周端部付近には、円弧状の外レール72及び内レール74が取付けられている。
さらに、遊技盤202は、開口部204の右側に配置された電動チューリップ93と、電動チューリップ93の下側に配置されたアタッカー94と、ステージ80Sの下側に配置された特別図柄始動入賞口96と、特別図柄始動入賞口96の下側に配置されたアウト口97とが設けられている。そして複数の釘75(1本のみ図示して残りは図示省略)によって、遊技球PBの流路が形成されている。
また、遊技盤202よりも奥側(遊技者側とは反対側)で且つ開口部204よりも外側の部位には、装飾が施された板状の装飾部材208が取付けられており、装飾部材208には、第2実施形態の指示部材の一例としての可動体210A、210B、210C、210D、210Eが回転可能に設けられている。なお、可動体210A、210B、210C、210D、210Eは、遊技盤202と装飾部材208との間に配置されているが、図12では、配置を明確にするために、可動体210A、210B、210C、210D、210Eをアタッカー94等と同じ遊技盤202の前面側に図示している。
装飾部材208よりも奥側で開口部204から視認可能となる部位には、LCD表示部82が設けられている。そして、LCD表示部82を中心として、可動体210AはLCD表示部82の左端面よりも左側の位置、可動体210BはLCD表示部82の左上端面よりも上側の位置、可動体210CはLCD表示部82の中央上端面よりも上側の位置に配置されている。さらに、LCD表示部82を中心として、可動体210DはLCD表示部82の右上端面よりも上側の位置、可動体210EはLCD表示部82の右端面よりも右側の位置に配置されている。
ここで、可動体210A、210B、210C、210D、210Eは全て同様の構成となっているため、ここでは可動体210Aについて説明し、可動体210B、210C、210D、210Eの説明を省略する。なお、以後の部材の説明において、可動体210A、210B、210C、210D、210Eを区別する必要がある場合は、部材の符号の後に英字A、B、C、D、Eを付与して区別する。
可動体210Aは、遊技盤202の手前側から奥側へ向かう方向を軸方向として装飾部材208に回転可能に設けられた回転軸212と、回転軸212の側面から軸方向と直交する方向(遊技盤202の表面に沿う方向)に延出された平面視で略台形状の延出部213と、延出部213の一方の端部(台形の上底側)に連続して三角形状に形成された指示部214とが一体成形された構成となっている。そして、可動体210Aは、鋭角な指示部214によって、遊技盤202の位置を指し示すようになっている。また、可動体210Aは光を透過する樹脂材料で中空に形成されており、内部にランプ215が設けられている。
一方、装飾部材208を挟んで可動体210Aの裏側には、可動体210Aが指し示す遊技盤202上の位置を変更する変更手段の一例としての駆動部216が設けられている。駆動部216は、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により回転駆動されるモータ及びギア(図示省略)を含んで構成されている。そして、駆動部216は、LCD表示部82(図2参照)における演出状態の変化に合わせて、可動体210Aの指示部214が指し示す位置を変更するようになっている。なお、可動体210B、210C、210D、210Eについても、それぞれ駆動部216が設けられているが、図示は省略する。
可動体210A、210B、210C、210D、210Eについて、図12では、通常遊技状態における配置位置を二点鎖線で示しており、大当り状態における配置位置を実線で表示している。即ち、可動体210A、210B、210C、210D、210Eは、通常遊技状態において、指示部214A、214B、214C、214D、214Eが全てLCD表示部82とは反対側を指し示す放射型配置となっている。
ここで、可動体210A、210B、210C、210D、210Eの変形例として、図13では、通常遊技状態における配置位置を二点鎖線で示しており、大当り状態における配置位置を実線で表示している。即ち、変形例での可動体210A、210B、210C、210D、210Eは、通常遊技状態において、指示部214A、214B、214C、214D、214Eが全てLCD表示部82を指し示す配置となっている。このように可動体210A、210B、210C、210D、210Eを用いてLCD表示部82を指し示してもよい。
また、図12に示すように、可動体210A、210B、210C、210D、210Eは、回転中心が1つの弧上(第1実施形態の弧S(図11(B)参照)と同様であるため図示は省略する)に配置されている。そして、大当り状態において、指示部214A、214B、214C、214D、214Eが1つの弧上に配置され、一方向(アタッカー94又は電動チューリップ93を指し示す方向)に揃って配置されるようになっている。
なお、各駆動部216は、指示部214A、214B、214C、214D、214Eが通常遊技時に指し示す位置を、次に指し示す位置(大当り時に指し示す位置)へ変更する前、例えば、大当りとなる可能性が非常に高いリーチ演出がLCD表示部82で行われているときに、可動体210A、210B、210C、210D、210Eを矢印+R方向及び矢印−R方向に揺動(往復動)させるようになっている。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図12に示すように、パチンコ機200では、大当り確率が低い通常遊技状態において、特別図柄始動入賞口96(図2参照)に遊技球PBが入賞することで特別図柄抽選を行う。そして、特別図柄抽選の当選/落選が、主としてLCD表示部82の図柄変動表示演出において遊技者に報知される。
ここで、可動体210A、210B、210C、210D、210Eは、複数の指示部214A、214B、214C、214D、214EがLCD表示部82とは反対側に向けられており、即ち、LCD表示部82を中心として放射状に配置されている。そして、可動体210A、210B、210C、210D、210Eは、内部のランプ215により発光している。これにより、パチンコ機200では、LCD表示部82から外側へ向けてあたかも放射状に光が出る(発散する)ような演出を行うことができる。このように、パチンコ機200では、可動体210A、210B、210C、210D、210Eを用いて、注目させたい位置を指し示す演出を行うだけでなく、異なる態様の演出を行うことができる。
続いて、LCD表示部82において、大当りとなる可能性が非常に高いリーチ演出が行われているとき、各駆動部216が動作され、LCD表示部82での図柄演出に合わせて、可動体210A、210B、210C、210D、210Eが矢印+R方向及び矢印−R方向に複数回、揺動(往復動)する。
この動作を見た遊技者は、通常遊技状態が継続されるガセ演出なのか、あるいは、大当り演出なのかが分からなくなる。これにより、遊技者に不安と期待が混在する緊張感を与えたり、大当り状態や確率変動状態を彷彿させる期待感をあおることができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
続いて、LCD表示部82において図柄が揃い、あるいは、大当りの文字が表示されるなどして、当選結果(大当り)が遊技者に報知されたとき、各駆動部216が動作され、可動体210A、210B、210C、210D、210Eが矢印−R方向へ回転移動する。これにより、指示部214A、214B、214C、214D、214Eの指し示す方向が、アタッカー94に向かう一方向(遊技盤202の右狙いの方向)に揃えられる。これにより、遊技者は、指示部214A、214B、214C、214D、214Eが指し示す遊技盤202上のアタッカー94に視点を移すことになる。
続いて、大当り状態が終了し、前述の特典遊技状態となったとき、指示部214A、214B、214C、214Dの指し示す方向が、電動チューリップ93に向かう一方向(遊技盤202の右狙いの方向)に揃えられる。そして、遊技者は、指示部214A、214B、214C、214Dが指し示す遊技盤202上の電動チューリップ93に視点を移すと共に、継続して右打ちし、賞球を獲得すると共に遊技を継続することになる。なお、アタッカー94を指し示す方向、電動チューリップ93を指し示す方向は、電動チューリップ93及びアタッカー94の配置によるため、同じ方向、異なる方向のいずれでもよい。本実施形態では、一例として、アタッカー94を指し示す方向と電動チューリップ93を指し示す方向がほぼ同じ角度の方向であるため、図12のみで示している。
このように、パチンコ機200は、複数の可動体210A、210B、210C、210D、210Eで遊技盤202上の1つの位置(アタッカー94又は電動チューリップ93)を指し示すので、遊技盤202の注目させたい位置を遊技者に明確に示すことができる。即ち、通常遊技状態では、放射状に配置された可動体210A、210B、210C、210D、210Eの指示部214A、214B、214C、214D、214Eが指し示す部分に遊技者の意識を集中させることができる。そして、大当り状態又は特典遊技状態において、可動体210A、210B、210C、210D、210Eが回転して右打ち(一方向)を示唆することができる。
また、本実施形態のように、可動体210A、210B、210C、210D、210Eが指し示す位置がアタッカー94又は電動チューリップ93(賞球口)となっている場合は、複数の可動体210A、210B、210C、210D、210Eによって表現される1つの仮想の弧が、遊技球PBの流れるべき軌跡を表すことになるので、遊技者がアタッカー94又は電動チューリップ93を狙いやすくなる。
また、パチンコ機200は、各駆動部216が、指示部214A、214B、214C、214D、214Eの指し示す位置を変更することで、遊技者に注目させたい位置の切り換えが行われるので、遊技者に注目させたい遊技盤202上の複数の位置を簡単な構成で切り換えて示すことができる。
さらに、パチンコ機200は、可動体210A、210B、210C、210D、210Eが内部にランプ215を有しており、ランプ215が発光することで可動体210A、210B、210C、210D、210Eがそれぞれ発光するので、遊技者に注目させたい位置を、外形だけでなく、さらに光を用いて明確に指し示すことができる。
加えて、パチンコ機200は、可動体210A、210B、210C、210D、210Eが同じ部材で同様の構成とされているので、可動体210A、210B、210C、210D、210Eを異なる部材で構成するものに比べて、部品数の増加及び製造工程の増加を抑制することができる。
なお、図13に示す変形例の場合は、LCD表示部82に向かって光が集まるような状態となるため、通常遊技状態において、遊技者の意識をLCD表示部82に集中させることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る遊技機について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図14(A)には、第3実施形態の遊技機の一例としてのパチンコ機220が示されている。パチンコ機220は、遊技球PBが打込まれる遊技盤222を有している。遊技盤222は、中央に開口部224が形成されたアクリル板であり、開口部224の周縁部を覆うようにしてセンター役物ユニット226が設けられている。また、開口部224の下側には、遊技球PBが入賞する特別図柄始動入賞口(図示省略)が設けられており、開口部224よりも奥側には、LCD表示部82が設けられている。
センター役物ユニット226の左上部には、遊技球PBがLCD表示部82へ直接流下しないように堰き止めるための板状の壁部228が、遊技盤222の盤面に対して垂直方向に立設されている。そして、壁部228の一部には、開口部232が形成されており、この開口部232を塞ぐようにして、三角柱状の開閉部材234が回転可能に設けられている。
開閉部材234は、遊技盤222の正面視で三角形状の上面が手前側(遊技者側)に配置されており、遊技盤222の盤面に対する垂直方向を軸方向として設けられた回転軸235を回転中心として、回転移動可能に設けられている。そして、開閉部材234の回転移動は、モータ及びギアからなる駆動手段(図示省略)により行われるようになっている。ここで、開閉部材234は、三角柱の1つの側面に相当する面を壁部228の上面と揃えるように配置されることで、開口部232を閉止するようになっている。また、開閉部材234は、三角形の頂角部分を図示の反時計回り方向に回転移動させることで、開口部232を開放するようになっている。
さらに、壁部228は、開口部232の一方から連続して下方側へ折れ曲がると共にU字状に延設されており、開口部232から流下してくる遊技球PBを受ける受部236が形成されている。そして、受部236の内側には、流下してきた遊技球PBを遊技盤222の裏側へ案内する球通路238が設けられている。ここで、開閉部材234、受部236、及び球通路238を含んで、上部アタッカー230が構成されている。なお、上部アタッカー230は、大当り時に大量の賞球を獲得するためのアタッカーの一例である。
一方、遊技盤222よりも奥側(遊技者側とは反対側)で且つ開口部224よりも外側の部位には、装飾が施された板状の装飾部材239が取付けられており、装飾部材239には、第3実施形態の指示部材の一例としての可動体240が回転可能に設けられている。なお、可動体240は、遊技盤222と装飾部材239との間に配置されているが、図14(A)、(B)では、配置を明確にするために、可動体240を上部アタッカー230と同じ遊技盤222の前面側に図示している。
可動体240は、遊技盤222の正面視で、LCD表示部82よりも左上方で且つ上部アタッカー230よりも左下側に配置されている。また、可動体240は、遊技盤222の手前側から奥側へ向かう方向を軸方向として装飾部材239に回転可能に設けられた回転軸242と、回転軸242から軸方向と直交する方向(遊技盤222の表面に沿う方向)に延出された矩形状の延出部244と、延出部244の一方の端部に連続して三角形状に形成された指示部246とが一体成形され、外形が矢印形状となっている。そして、可動体240は、鋭角な指示部246によって、遊技盤222の位置を指し示すようになっている。また、可動体240は、光を透過する樹脂材料で中空に形成されており、内部にランプ248が設けられている。
装飾部材239を挟んで可動体240の裏側には、可動体240が指し示す遊技盤222上の位置を変更する変更手段の一例としての駆動部252が設けられている。駆動部252は、電飾制御部158(図3参照)からの指令(給電)により回転駆動されるモータ及びギア(図示省略)を含んで構成されている。そして、駆動部252は、LCD表示部82(図2参照)における演出状態の変化に合わせて、可動体240の指示部246が指し示す位置を変更するようになっている。
また、可動体240は、図14(A)に示すように、通常遊技状態において、指示部246がLCD表示部82を指し示すようになっている。さらに、可動体240は、図14(B)に示すように、大当り状態において、指示部246が上部アタッカー230を指し示すようになっている。
なお、駆動部252は、指示部246が通常遊技時に指し示す位置を、次に指し示す位置(大当り時に指し示す位置)へ変更する前、例えば、大当りとなる可能性が非常に高いリーチ演出がLCD表示部82で行われているときに、可動体240を矢印+R方向及び矢印−R方向(図14(A)参照)に揺動(往復動)させるようになっている。
次に、第3実施形態の作用について説明する。
パチンコ機220では、大当り確率が低い通常遊技状態において、特別図柄始動入賞口(図示省略)に遊技球PBが入賞することで特別図柄抽選を行う。そして、特別図柄抽選の当選/落選が、主としてLCD表示部82の図柄変動表示演出において遊技者に報知される。ここで、図14(A)に示すように、可動体240の指示部246がLCD表示部82を指し示しているので、遊技者はLCD表示部82を注視することになる。
続いて、LCD表示部82において、大当りとなる可能性が非常に高いリーチ演出が行われているとき、駆動部252が動作され、LCD表示部82での図柄演出に合わせて、可動体240が矢印+R方向及び矢印−R方向に複数回、揺動(往復動)する。
この動作を見た遊技者は、通常遊技状態が継続されるガセ演出なのか、あるいは、大当り演出なのかが分からなくなる。これにより、遊技者に不安と期待が混在する緊張感を与えたり、大当り状態や確率変動状態を彷彿させる期待感をあおることができ、遊技に対する興趣を高めることができる。
続いて、LCD表示部82において図柄が揃い、あるいは大当りの文字が表示されるなどして、当選結果(大当り)が遊技者に報知されたとき、駆動部252が動作され、可動体240が矢印+R方向へ回転移動する。これにより、指示部246の指し示す方向が、LCD表示部82から上部アタッカー230へ変更される。そして、遊技者は、指示部246が指し示す上部アタッカー230に視点を移すことになる。
このように、パチンコ機220は、可動体240の指示部246で遊技盤222上の1つの位置(上部アタッカー230)を指し示すので、遊技盤222の注目させたい位置を遊技者に明確に示すことができる。また、パチンコ機220は、駆動部252が指示部246の指し示す位置を変更することで、遊技者に注目させたい位置の切り換えが行われるので、遊技者に注目させたい遊技盤222上の複数の位置を簡単な構成で切り換えて示すことができる。
さらに、パチンコ機220は、可動体240が内部にランプ248を有しており、ランプ248が発光することで可動体240が発光するので、遊技者に注目させたい位置を、外形だけでなく、さらに光を用いて明確に指し示すことができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
図15(A)に示すように、1つの頂角が三角形状に黒塗りされた指示部264Aを有する三角形のシール部材264を、円柱状の回転体262の遊技者側の面に貼付けて、指示部材260を構成してもよい。そして、複数の指示部264Aにより、LCD表示部82又はアタッカー266を指し示してもよい。この指示部材260を用いても、パチンコ機10(図1参照)と同様の効果が得られる。
また、図15(B)に示すように、長手方向の一端側が黒塗りされた指示部272Aを有する矩形状のシール部材272を、回転体262の遊技者側の面に貼付けて、指示部材270を構成してもよい。そして、複数の指示部272Aにより、LCD表示部82又はアタッカー266を指し示してもよい。この指示部材270を用いても、パチンコ機10(図1参照)と同様の効果が得られる。
図1〜図11に示す第1実施形態のパチンコ機10において、ランプ119が設けられていることがより好ましいが、ランプ119が設けられていなくても、矢印形状の外形及び指示部118A〜118Dの鋭角部分によって、遊技盤22の位置を指し示すことができる。また、ランプ119の数は2個に限らず、1個でも、3個以上の複数個であっても同様の効果を得ることができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10において、回転部116Aを設けずに延出部117A及び指示部118Aを一体で直接回転するように構成してもよい(図7に示されているような形状)。また、可動体108A〜108DをLCD表示部82とは反対側に向けて配置しておき、第2実施形態のパチンコ機200のように、LCD表示部82から放射状に光が拡がる状態を表す演出を行ってもよい。加えて、可動体108A〜108Dは、回転移動させるものに限らず、可動体108A〜108Dをそれぞれ装飾部材103、105に形成された溝に沿ってスライド移動させて、指し示す位置を変更するものであってもよい。
図13に示すパチンコ機200の変形例において、指示部214A、214B、214C、214D、214Eの少なくとも1つが、正面視でLCD表示部82と重なり且つLCD表示部82に表示される図柄あるいはキャラクタ(図示省略)の一部を指し示すように、可動体210A〜210Eを配置してもよい。
また、指示部材は、遊技盤の裏側に設けられるものだけに限定されない。遊技盤上で遊技球PBの流下に邪魔にならない部位に設けてもよい。このようにすることで、パチンコ機の奥行き方向の幅を狭めることができる。そして、指示部材は、例えば、複数設けたとき、アタッカーに最も近いものを矢印形状とし、残りを棒状としてもよい。
さらに、複数の指示部材は、アタッカー側を指し示すことができるものであれば、1つの弧上に載らない配置であってもよい。また、第1実施形態では、矢印(延出部)の湾曲方向が時計回り方向の湾曲状態となっていたが、アタッカーを指し示すことができるのであれば、矢印(延出部)の湾曲方向が反時計回り方向となっていてもよい。この場合、指示部材は、アタッカーの左下側に配置すればよい。
加えて、指示部材の+R方向、−R方向の揺動は、大当りになるかどうかのリーチ中だけでなく、例えば、大当りの残りラウンド数が少なくなったときに指示部材を揺動させて、大当りラウンドの終了が近いことを遊技者に知らせるようにしてもよい。また、指示部材を揺動させるものに限らず、例えば、大当りラウンドの終了が近づくにつれて、可動体108A〜108Dがアタッカー94からLCD表示部82へ向けて(遊技盤22の中央に向けて)徐々に角度を変更するように構成されていてもよい。
なお、各実施形態では、遊技機としてパチンコ機について説明していたが、他の例として、液晶部を演出部とするパチスロ機に指示部材を設けて、指示部材を変更手段で位置変更させ、液晶部の特定の箇所を指し示すように構成してもよい。また、演出部はLCD表示部82に限らず、可動役物が動作する演出部であってもよい。