JP2013006729A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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Tatsuya Iwamoto
達矢 岩本
Kohei Kaji
孝平 可児
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Sekisui Chem Co Ltd
積水化学工業株式会社
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Abstract

【課題】発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜を提供する。
【解決手段】2層以上の積層構造の場合の合わせガラス用中間膜1は、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第1,第2の層2,3を備える。第1の層2中の熱可塑性樹脂に占める、絶対分子量100万以上の高分子量成分の割合は7.4%以上であるか、又は、第1の層2中の熱可塑性樹脂に占める、ポリスチレン換算分子量100万以上の高分子量成分の割合は9%以上である。中間膜1は、両側の2つの表面1a,1bの内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、合わせガラス用中間膜に関し、より詳細には、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含む合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスは、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造されている。
上記合わせガラス用中間膜の一例として、下記の特許文献1には、ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキサノエートとトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートとの混合物20〜60重量部とを含有する中間膜が開示されている。
また、下記の特許文献2には、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一種の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部以上の可塑剤とを含む遮音層が開示されている。この遮音層は、単層で中間膜として用いられ得る。
さらに、下記の特許文献2には、上記遮音層と他の層とが積層された多層中間膜も記載されている。遮音層に積層される他の層は、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一種の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部以下の可塑剤とを含む。
特開2001−097745号公報 特開2007−070200号公報
上記特許文献1,2に記載の中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの2000Hz付近の周波数領域における遮音性が充分ではなく、従ってコインシデンス効果による遮音性の低下が避けられないことがある。特に、この合わせガラスの20℃付近での遮音性が充分ではないことがある。
ここで、コインシデンス効果とは、ガラス板に音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性とによって、ガラス面上を横波が伝播して横波と入射音とが共鳴し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。
上記特許文献2に記載の遮音層を単層で中間膜として用いて合わせガラスを構成した場合でも、合わせガラスの20℃付近での遮音性が十分ではないことがある。
また、上記特許文献2に記載の遮音層と他の層とが積層された多層中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの20℃付近での遮音性をある程度高めることができる。しかし、多層中間膜が上記遮音層を有するため、該多層中間膜を用いた合わせガラスに発泡が生じることがある。
さらに、近年、合わせガラスの遮音性を高めるために、中間膜中の可塑剤の含有量を多くすることが検討されている。中間膜中の可塑剤の含有量を多くすると、合わせガラスの遮音性を改善できる。しかしながら、可塑剤の含有量を多くすると、合わせガラスに発泡が生じることがある。
本発明の目的は、発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することである。
本発明の限定的な目的は、遮音性にも優れた合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することである。
本発明の広い局面によれば、1層の構造又は2層以上の積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、1層の構造を有する合わせガラス用中間膜である場合には、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第1の層を備え、2層以上の積層構造を有する合わせガラス用中間膜である場合には、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と、該第1の層の一方の表面に積層されており、かつ熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備え、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂が絶対分子量100万以上の高分子量成分を含み、かつ上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分の割合が7.4%以上であるか、又は、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂がポリスチレン換算分子量100万以上の高分子量成分を含み、かつ上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分の割合が9%以上であり、両側の2つの表面の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有する、合わせガラス用中間膜が提供される。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が50重量部以上である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、上記第1の層のガラス転移温度が30℃以下である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂が絶対分子量100万以上の高分子量成分を含み、かつ上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分の割合が7.4%以上である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂がポリスチレン換算分子量100万以上の高分子量成分を含み、かつ上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分の割合が9%以上である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は31モル%以下である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のさらに他の特定の局面では、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が40〜80重量部の範囲内である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の別の特定の局面では、該合わせガラス用中間膜は、2層以上の積層構造を有し、上記第1の層と上記第2の層とを備える。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のさらに別の特定の局面では、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量は、上記第2の層中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量よりも多い。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、3層以上の積層構造を有する合わせガラス用中間膜である場合には、上記第1の層と、上記第2の層と、上記第1の層の他方の表面に積層されており、かつ熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第3の層とがさらに備えられる。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、該合わせガラス用中間膜は、3層以上の積層構造を有し、上記第1の層と上記第2の層と上記第3の層とを備える。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のさらに他の特定の局面では、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量は、上記第3の層中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量よりも多い。
なお、例えば、上記第1の層と上記第2の層との間で、可塑剤が移行することがある。また、上記第1の層と上記第3の層との間で、可塑剤が移行することがある。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の別の特定の局面では、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂であり、該ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%以下であり、かつアセタール化度が70モル%以上であるか、又は上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂であり、該ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%を超える。上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂であり、該ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%以下であり、かつアセタール化度が70モル%以上であることが好ましい。さらに、上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂であり、該ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%を超えることも好ましい。
本発明に係る合わせガラスは、第1,第2の合わせガラス構成部材と、該第1,第2の合わせガラス構成部材の間に挟み込まれた中間膜とを備えており、該中間膜が、上記第1,第2の合わせガラス構成部材の間に、本発明に従って構成された合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより形成されている。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第1の層を備える1層の構造を有するか、又は熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備える2層以上の積層構造を有し、更に上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂が絶対分子量100万以上の高分子量成分を含み、かつ上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分の割合が7.4%以上であるか、又は上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂がポリスチレン換算分子量100万以上の高分子量成分を含み、かつ上記第1の層中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分の割合が9%以上であり、更に中間膜は両側の2つの表面の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有するので、中間膜を用いた合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する。該熱可塑性樹脂は、絶対分子量100万以上の高分子量成分(以下、高分子量成分Xと記載することがある)を含むか、又は上記熱可塑性樹脂は、ポリスチレン換算分子量(以下、分子量yと記載することがある)100万以上の高分子量成分(以下、高分子量成分Yと記載することがある)を含む。該高分子量成分X,Yは、熱可塑性樹脂である。本発明に係る合わせガラス用中間膜では、上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Xの割合が7.4%以上であるか、又は上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Yの割合が9%以上である。また、本発明に係る合わせガラス用中間膜は、両側の2つの表面の内の少なくとも一方の表面に、凹凸形状を有する。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に断面図で示す。
図1に示す中間膜1は、2層以上の積層構造を有し、より詳細には3層以上の積層構造を有し、多層の中間膜である。具体的には、中間膜1は、3層の積層構造を有する。中間膜1は、第1の層2と、第1の層2の一方の表面2a(第1の表面)に積層された第2の層3と、第1の中間膜2の他方の表面2b(第2の表面)に積層された第3の層4とを備える。中間膜1は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜1は、合わせガラス用中間膜である。
中間膜1は、一方の表面1a(第1の表面)と他方の表面1b(第2の表面)とを有する。一方の表面1a及び他方の表面1bは、中間膜1の両側の2つの表面である。中間膜1は、一方の表面1a及び他方の表面1b(両側の2つの表面)の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有する。なお、図1では、凹凸形状は模式的に示されている。一般に、凹凸形状は図1に示す形状よりも微細であることが多く、また凹凸形状は適宜変更され得る。中間膜1の一方の表面1aは第2の層3の外側の表面3aである。中間膜1の他方の表面1bは第3の層4の外側の表面4aである。
中間膜1は、第2,第3の層3,4の外側の表面3a,4aの内の少なくとも一方の外側の表面に凹凸形状を有する。中間膜1は、第2の層3の外側の表面3aに凹凸形状を有することが好ましく、第2の層3の外側の表面3aと第3の層4の外側の表面4aとの双方に凹凸形状を有することが好ましい。
第1の実施形態では、第1の層2は中間層であり、かつ第2,第3の層3,4は表面層である。このように、第2,第3の層3,4の双方を用いることが好ましい。ただし、第3の層4を用いずに、第2の層3のみを用いてもよい。第2,第3の層3,4の外側の表面3a,4aに、他の層がさらに積層されていてもよい。この場合には、中間膜は、該他の層の外側の表面に凹凸形状を有していてもよい。
第1〜第3の層2〜4はそれぞれ、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する。第1の層2中の上記熱可塑性樹脂は、絶対分子量100万以上の高分子量成分Xを含み、かつ上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Xの割合は7.4%以上である。第1の層2中の上記熱可塑性樹脂は、分子量yが100万以上である高分子量成分Yを含み、かつ上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Yの割合が9%以上であってもよい。
なお、第1の層2中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Xの割合は、上記絶対分子量を測定する際に得られる熱可塑性樹脂成分のピーク面積に占める、上記高分子量成分Xに相当する領域の面積の割合を百分率(%)で表した値で定義される。また、第1の層2中の上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Yの割合は、上記ポリスチレン換算分子量を測定する際に得られる熱可塑性樹脂成分のピーク面積に占める、上記高分子量成分Yに相当する領域の面積の割合を百分率(%)で表した値で定義される。
第2,第3の層3,4の組成は、第1の層2の組成と異なることが好ましい。第2,第3の層3,4中の上記熱可塑性樹脂は、絶対分子量100万以上の高分子量成分Xを含み、かつ上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Xの割合が7.4%以上であってもよく、分子量yが100万以上である高分子量成分Yを含み、かつ上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Yの割合が9%以上であってもよい。
図2に、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に断面図で示す。
図2に示す中間膜21Aは、第1の層21を備える。中間膜21Aは、第1の層21のみの1層の構造を有し、単層の中間膜である。中間膜21Aは、第1の層21である。中間膜21Aは、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜21Aは、合わせガラス用中間膜である。
中間膜21A及び第1の層21は、一方の表面21a(第1の表面)と他方の表面21b(第2の表面)とを有する。一方の表面21a及び他方の表面21bは、中間膜21A及び第1の層21の両側の2つの表面である。中間膜21A及び第1の層21は、一方の表面21a及び他方の表面21b(両側の2つの表面)の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有する。また、中間膜21Aは第1の層21のみであるので、中間膜21A及び第1の層21は、一方の表面21aに凹凸形状を有し、一方の表面21aと他方の表面21bとの双方に凹凸形状を有することが好ましい。なお、図2では、凹凸形状は模式的に示されている。一般に、凹凸形状は図2に示す形状よりも微細であることが多く、また凹凸形状は適宜変更され得る。
中間膜21A及び第1の層21は、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する。中間膜21A及び第1の層21中の上記熱可塑性樹脂は、絶対分子量100万以上の高分子量成分Xを含み、かつ熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Xの割合は7.4%以上である。中間膜21A及び第1の層21中の上記熱可塑性樹脂は、分子量yが100万以上である高分子量成分Yを含み、かつ上記熱可塑性樹脂に占める、上記高分子量成分Yの割合が9%以上であってもよい。
単層の中間膜21Aよりも、多層の中間膜1の方が好ましい。第1の層2の両面に第2,第3の層3,4が積層されている場合には、第1の層2の接着力が低くても、第2,第3の層3,4の接着力を高くすることにより、多層の中間膜1と合わせガラス構成部材との接着力を高めることができる。このため、合わせガラスの耐貫通性をより一層高めることができる。
さらに、多層の中間膜1の場合には、単層の中間膜21Aの場合と比べて、合わせガラスに発泡が生じやすい傾向がある。特に、第1の層2中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が、第2,第3の層3,4中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量よりも多いと、発泡がより一層生じやすい傾向がある。さらに、発泡が一旦生じると、発生した発泡が核となり、発泡が成長する傾向がある。しかし、第1の実施形態では、第1の層2中の上記熱可塑性樹脂が絶対分子量100万以上の高分子量成分Xを上記特定の割合で含むので、合わせガラスに発泡が生じるのを抑制できる。第1の層2中の上記熱可塑性樹脂の分子量yが100万以上である高分子量成分Yを上記特定の割合で含んでいても、合わせガラスに発泡が生じるのを抑制できる。また、合わせガラス用中間膜の表面に凹凸形状を形成することにより、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を効果的に抑制できる。
合わせガラスの遮音性をより一層高め、かつ発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制する観点からは、第1の層2,21中の上記熱可塑性樹脂に占める、絶対分子量100万以上の高分子量成分Xの割合の好ましい下限は8%、より好ましい下限は8.5%、更に好ましい下限は9%、特に好ましい下限は9.5%、最も好ましい下限は10%である。合わせガラスの遮音性をより一層高め、かつ発泡の発生及び発泡の成長を更に一層抑制できることから、高分子量成分Xの割合は、好ましくは11%以上、より好ましくは12%以上、更に好ましくは14%以上、特に好ましくは16%以上である。上記高分子量成分Xの割合の好ましい上限は特に限定されないが、好ましい上限は40%、より好ましい上限は30%、更に好ましい上限は25%である。
第1の層2,21中の上記熱可塑性樹脂が、分子量yが100万以上である高分子量成分Yを含む場合には、高分子量成分Yを含む第1の層2,21中の上記熱可塑性樹脂に占める、分子量yが100万以上である高分子量成分Yの割合の好ましい下限は10%、より好ましい下限は11%、更に好ましい下限は11.5%、特に好ましい下限は12%である。合わせガラスの遮音性をより一層高め、かつ発泡の発生及び発泡の成長を更に一層抑制できることから、高分子量成分Yの割合は、好ましくは12.5%以上、より好ましくは13.5%以上、更に好ましくは14%以上、特に好ましくは15%以上、最も好ましくは18%以上である。上記高分子量成分Yの割合の上限は特に限定されないが、好ましい上限は40%、より好ましい上限は30%、更に好ましい上限は25%である。高分子量成分Yの割合が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高め、かつ発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制することができる。
合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、多層の中間膜1及び単層の中間膜21Aの厚みの好ましい下限は0.05mm、より好ましい下限は0.25mm、好ましい上限は3mm、より好ましい上限は1.5mmである。多層の中間膜1及び単層の中間膜21Aの厚みが上記好ましい下限及び上記好ましい上限をそれぞれ満たすと、合わせガラスの耐貫通性及び透明性をより一層高めることができる。
以下、中間膜の上記第1〜第3の層に含まれている各成分の詳細を説明する。
(熱可塑性樹脂)
上記第1〜第3の層に含まれている上記熱可塑性樹脂の種類は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量の好ましい下限は100,000、より好ましい下限は300,000、好ましい上限は10,000,000、より好ましい上限は5,000,000である。上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量が上記好ましい下限以下であると、中間膜の強度が低下することがある。上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量が上記好ましい上限を超えると、得られる中間膜の強度が強くなりすぎることがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との併用により、合わせガラス構成部材に対する中間膜の接着力をより一層高くすることができる。上記熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂である場合には、上記高分子量成分X,Yはポリビニルアセタール樹脂である。
さらに、上記熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂である場合には、中間膜を用いた合わせガラスに発泡が特に生じやすい傾向がある。しかし、ポリビニルアセタール樹脂が、絶対分子量100万以上の高分子量成分X又は分子量yが100万以上である高分子量成分Yを上記特定の割合で含むので、合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を充分に抑制できる。
中間層である上記第1の層及び単層の中間膜である上記第1の層がポリビニルアセタール樹脂を含む場合には、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率(水酸基量)は、31モル%以下であることが好ましい。この場合には、合わせガラスの遮音性をより一層高くすることができる。なお、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が低いと、ポリビニルアセタール樹脂の親水性が低くなる。このため、可塑剤の含有量を多くすることができ、この結果、合わせガラスの遮音性をより一層高くすることができる。
上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率の好ましい下限は13モル%、より好ましい下限は18モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は21.5モル%、より好ましい上限は30モル%、更に好ましい上限は28モル%、特に好ましい上限は26モル%である。上記水酸基の含有率が上記好ましい下限を満たすと、上記第1の層の接着力をより一層高くすることができる。上記水酸基の含有率が上記好ましい上限を満たすと、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。さらに、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱性をより一層高めることができる。
上記第2,第3の層がポリビニルアセタール樹脂を含む場合には、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率の好ましい下限は25モル%、より好ましい下限は26モル%、更に好ましい下限は27モル%、特に好ましい下限は28モル%、最も好ましい下限は29モル%、好ましい上限は35モル%、より好ましい上限は33モル%、更に好ましい上限は32モル%、特に好ましい上限は31.5モル%である。上記水酸基の含有率が上記好ましい下限を満たすと、上記第2,第3の層の接着力をより一層高くすることができる。上記水酸基の含有率が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱性をより一層高めることができる。
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の水酸基の各含有率よりも低いことが好ましい。合わせガラスの遮音性をさらに一層高める観点からは、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の水酸基の各含有率よりも1モル%以上低いことが好ましく、3モル%以上低いことがより好ましく、5モル%以上低いことが更に好ましく、7モル%以上低いことが特に好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により、上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記第1の層がポリビニルアセタール樹脂を含む場合には、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、より好ましい下限は0.4モル%、更に好ましい下限は0.8モル%、好ましい上限は30モル%、より好ましい上限は25モル%、更に好ましい上限は20モル%、特に好ましい上限は15モル%である。上記第2,第3の層がポリビニルアセタール樹脂を含む場合には、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度の好ましい下限は0.1モル%、より好ましい下限は0.4モル%、好ましい上限は20モル%、より好ましい上限は5モル%、更に好ましい上限は2モル%、特に好ましい上限は1.5モル%である。上記アセチル化度が上記好ましい下限を満たすと、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性がより一層高くなり、かつ中間膜のガラス転移温度を十分に低下させることができる。上記アセチル化度が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の耐湿性をより一層高めることができる。
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度は、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度よりも高いことが好ましい。合わせガラスの遮音性をさらに一層高める観点からは、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度は、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度よりも0.1モル%以上高いことが好ましく、1モル%以上高いことがより好ましく、5モル%以上高いことが更に好ましく、10モル%以上高いことが特に好ましい。
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度よりも高いことが好ましい。
上記アセチル化度は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
絶対分子量100万以上の高分子量成分Xを上記特定の割合で含む上記第1の層がポリビニルアセタール樹脂を含む場合には、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は50モル%、より好ましい下限は53モル%、更に好ましい下限は60モル%、特に好ましい下限は63モル%、好ましい上限は85モル%、より好ましい上限は80モル%、更に好ましい上限は78モル%である。上記第2,第3の層がポリビニルアセタール樹脂を含む場合には、上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は55モル%、より好ましい下限は60モル%、更に好ましい下限は65モル%、特に好ましい下限は67モル%、好ましい上限は75モル%、より好ましい上限は72モル%、更に好ましい上限は71モル%である。上記アセタール化度が上記好ましい下限を満たすと、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性がより一層高くなり、かつ中間膜のガラス転移温度を十分に低下させることができる。上記アセタール化度が上記好ましい上限を満たすと、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間を短縮できる。
上記アセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。
上記アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、ついで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出され得る。
なお、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル基量は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。
上記第1の層がポリビニルアセタール樹脂を含む場合、中間膜の遮音性がより一層高くなることから、上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル化度aが8モル%以下であり、かつアセタール化度aが70モル%以上であるポリビニルアセタール樹脂Aであるか、又はアセチル化度bが8モル%を超えるポリビニルアセタール樹脂Bであることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル化度aが8モル%以下であり、かつアセタール化度aが70モル%以上であるポリビニルアセタール樹脂Aであってもよく、アセチル化度bが8モル%を超えるポリビニルアセタール樹脂Bであってもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aのアセチル化度aの上限は8モル%、好ましい上限は7.5モル%、より好ましい上限は7モル%、更に好ましい上限は6.5モル%、特に好ましい上限は5モル%、好ましい下限は0.1モル%、より好ましい下限は0.5モル%、更に好ましい下限は0.8モル%、特に好ましい下限は1モル%である。上記アセチル化度aが上記上限以下及び上記下限以上であると、可塑剤の移行を容易に制御でき、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aのアセタール化度aの下限は70モル%、好ましい下限は70.5モル%、より好ましい下限は71モル%、更に好ましい下限は71.5モル%、特に好ましい下限は72モル%、好ましい上限は85モル%、より好ましい上限は83モル%、更に好ましい上限は81モル%、特に好ましい上限は79モル%である。上記アセタール化度aが上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセタール化度aが上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂Aを製造するために必要な反応時間を短縮できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aの水酸基の含有率aの好ましい下限は18モル%、より好ましい下限は19モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は21モル%、好ましい上限は31モル%、より好ましい上限は30モル%、更に好ましい上限は29モル%、特に好ましい上限は28モル%である。上記水酸基の含有率aが上記好ましい下限を満たすと、中間膜の接着力をより一層高くすることができる。上記水酸基の含有率aが上記好ましい上限を満たすと、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aはポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bのアセチル化度bは、8モル%を超え、好ましい下限は9モル%、より好ましい下限は9.5モル%、更に好ましい下限は10モル%、特に好ましい下限は10.5モル%、好ましい上限は30モル%、より好ましい上限は28モル%、更に好ましい上限は26モル%、特に好ましい上限は24モル%である。上記アセチル化度bが上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセチル化度bが上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂Bを製造するために必要な反応時間を短縮できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bのアセタール化度bの好ましい下限は50モル%、より好ましい下限は53モル%、更に好ましい下限は55モル%、特に好ましい下限は60モル%、好ましい上限は80モル%、より好ましい上限は78モル%、更に好ましい上限は76モル%、特に好ましい上限は74モル%である。上記アセタール化度bが上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセタール化度bが上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂Bを製造するために必要な反応時間を短縮できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bの水酸基の含有率bの好ましい下限は18モル%、より好ましい下限は19モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は21モル%、好ましい上限は31モル%、より好ましい上限は30モル%、更に好ましい上限は29モル%、特に好ましい上限は28モル%である。上記水酸基の含有率bが上記好ましい下限を満たすと、中間膜の接着力をより一層高くすることができる。上記水酸基の含有率bが上記好ましい上限を満たすと、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bはポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂A及び上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することで得られる。上記アルデヒドは炭素数1〜10のアルデヒドであることが好ましく、炭素数4又は5のアルデヒドであることがより好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂A及び上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、重合度が1600〜3000のポリビニルアルコールXをアルデヒドでアセタール化することで得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を充分に抑制できることから、上記ポリビニルアルコールXの重合度は、1700以上であることが好ましく、1700を超えることが好ましく、1800以上であることが好ましく、2000以上であることが好ましく、2100以上であることが好ましく、2200以上であることが好ましく、2900以下であることが好ましく、2800以下であることが好ましい。上記重合度は、平均重合度を示す。なお、上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
(絶対分子量100万以上の高分子量成分X又は分子量yが100万以上である高分子量成分Yを含むポリビニルアセタール樹脂の製造方法)
絶対分子量100万以上の高分子量成分X又は分子量yが100万以上である高分子量成分Yを上記下限以上の割合で含む上記熱可塑性樹脂の一例として、絶対分子量100万以上の高分子量成分X又は分子量yが100万以上である高分子量成分Yを含むポリビニルアセタール樹脂の具体的な製造方法を以下説明する。
まず、ポリビニルアルコールを用意する。該ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70〜99.9モル%の範囲内であり、75〜99.8モル%の範囲内であることが好ましく、80〜99.8モル%の範囲内であることがより好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、より好ましい下限は500、更に好ましい下限は1,000、特に好ましい下限は1,500、好ましい上限は3,000、より好ましい上限は2,900、更に好ましい上限は2,800、特に好ましい上限は2,700である。上記重合度が低すぎると、合わせガラスの耐貫通性が低下する傾向がある。上記重合度が高すぎると、中間膜の成形が困難となることがある。
次に、上記ポリビニルアルコールとアルデヒドとを触媒を用いて反応させ、ポリビニルアルコールをアセタール化する。このとき、上記ポリビニルアルコールを含む溶液を用いてもよい。該ポリビニルアルコールを含む溶液に用いられる溶媒としては、水等が挙げられる。
上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の製造方法は、ポリビニルアルコールとアルデヒドとを触媒を用いて反応させ、ポリビニルアルコールをアセタール化することにより、ポリビニルアセタール樹脂を得る製造方法であることが好ましい。
上記第1の層の製造方法は、ポリビニルアルコールとアルデヒドとを触媒を用いて反応させ、ポリビニルアルコールをアセタール化することにより、ポリビニルアセタール樹脂を得る工程と、得られたポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを混合した混合物を用いて、上記第1の層を得る工程とを備えることが好ましい。この第1の層を得る工程において、又は第1の層を得た後に、該第1の層に、第2の層を積層することにより、更に必要に応じて第3の層を積層することにより、多層の中間膜を得ることができる。また、第1の層及び第2の層を共押出することにより多層の中間膜を製造してもよく、第1の層、第2の層及び第3の層を共押出することにより多層の中間膜を製造してもよい。
上記アルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
絶対分子量100万以上又は分子量yが100万以上の高分子量成分X,Yを上記特定の割合で含むポリビニルアセタール樹脂を容易に得る観点からは、例えば、アルデヒドによるアセタール化反応の前又は途中で、隣接するポリビニルアルコールの主鎖を架橋させるために、ジアルデヒド等の架橋剤を添加する方法や、過剰のアルデヒドを投入することにより、分子間のアセタール化反応を進行させる方法や、重合度が高いポリビニルアルコールを添加する方法等が挙げられる。また、これらの方法は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記触媒は、酸触媒であることが好ましい。該酸触媒としては、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸及びパラトルエンスルホン酸等が挙げられる。
上記ポリスチレン換算分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算での分子量を示す。上記熱可塑性樹脂に占める、上記分子量yが100万以上である高分子量成分Yの割合(%)は、上記熱可塑性樹脂のGPCによるポリスチレン換算分子量の測定時に、RI検出器で検出されるピーク面積のうち、分子量yが100万以上の領域に相当する面積の割合から算出される。なお、ピーク面積とは、測定の対象となる成分のピークとベースラインとの間の面積を意味する。
ポリスチレン換算分子量は、例えば、以下のようにして測定される。
ポリスチレン換算分子量を測定するために、分子量既知のポリスチレン標準試料のGPC測定を行う。ポリスチレン標準試料(昭和電工社製「Shodex Standard SM−105」、「Shodex Standard SH−75」)としては、重量平均分子量580、1,260、2,960、5,000、10,100、21,000、28,500、76,600、196,000、630,000、1,130,000、2,190,000、3,150,000、3,900,000の14試料を用いる。それぞれの標準試料ピークのピークトップが示す溶出時間に対して重量平均分子量をプロットし得られる近似直線を検量線として使用する。例えば、表面層と中間層と表面層とがこの順に積層された多層の中間膜における中間層中の熱可塑性樹脂に占める、上記分子量yが100万以上である高分子量成分Yの割合(%)を測定する場合、恒温恒湿室(湿度30%(±3%)、温度23℃)に1ヶ月放置した多層の中間膜から表面層と中間層とを剥離する。剥離された中間層をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、0.1重量%の溶液を調製する。得られた溶液をGPC装置により分析し、中間層中の熱可塑性樹脂のピーク面積を測定する。次いで、中間層中の熱可塑性樹脂の溶出時間と検量線から、中間層中の熱可塑性樹脂のポリスチレン換算分子量が100万以上の領域に相当する面積を算出する。中間層中の熱可塑性樹脂のポリスチレン換算分子量が100万以上の領域に相当する面積を、中間層中の熱可塑性樹脂のピーク面積で除算した値を百分率(%)で表すことにより、上記熱可塑性樹脂に占める、上記分子量yが100万以上である高分子量成分Yの割合(%)を算出できる。例えば、Gel Permeation Chromatography(GPC)装置(日立ハイテク社製「RI:L2490、オートサンプラー:L−2200、ポンプ:L−2130、カラムオーブン:L−2350、カラム:GL−A120−SとGL−A100MX−Sの直列」)を用いて、ポリスチレン換算分子量を測定することができる。
(可塑剤)
上記第1〜第3の層に含まれている上記可塑剤は特に限定されない。上記可塑剤として、従来公知の可塑剤を用いることができる。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル、並びにトリエチレングリコール又はトリプロピレングリコールと一塩基性有機酸とのエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
上記有機エステル可塑剤としては、特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
上記有機リン酸可塑剤としては、特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。このジエステル可塑剤の使用により、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数6〜10の有機基であることが好ましい。
上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)及びトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)の内の少なくとも一種を含むことが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。
合わせガラス用中間膜における上記可塑剤の含有量は特に限定されない。
上記熱可塑性樹脂が絶対分子量100万以上の高分子量成分Xを上記特定の割合で含む上記第1の層の場合は、該第1の層中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量の好ましい下限は40重量部、より好ましい下限は50重量部、更に好ましい下限は55重量部、特に好ましい下限は60重量部、好ましい上限は80重量部、より好ましい上限は78重量部、更に好ましい上限は75重量部、特に好ましい上限は72重量部である。上記熱可塑性樹脂の分子量yが100万以上である高分子量成分Yを上記特定の割合で含む上記第1の層の場合にも、該第1の層中の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量の好ましい下限は40重量部、より好ましい下限は50重量部、更に好ましい下限は55重量部、特に好ましい下限は60重量部、好ましい上限は80重量部、より好ましい上限は78重量部、更に好ましい上限は75重量部、特に好ましい上限は72重量部である。上記可塑剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、合わせガラスの耐貫通性をより一層高めることができる。上記可塑剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の透明性をより一層高めることができる。
上記第2,第3の層の場合には、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量の好ましい下限は25重量部、より好ましい下限は30重量部、更に好ましい下限は35重量部、好ましい上限は50重量部、より好ましい上限は45重量部、更に好ましい上限は43重量部、特に好ましい上限は38重量部である。上記可塑剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、中間膜の接着力が高くなり、合わせガラスの耐貫通性をより一層高めることができる。上記可塑剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の透明性をより一層高めることができる。
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層中の熱可塑性樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量は、上記第2,第3の層中の熱可塑性樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量よりも多いことが好ましい。合わせガラスの遮音性をさらに一層高める観点からは、上記第1の層中の熱可塑性樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量は、上記第2,第3の層中の熱可塑性樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量よりも5重量部以上多いことが好ましく、10重量部以上多いことがより好ましく、15重量部以上多いことが更に好ましく、20重量部以上多いことが特に好ましい。
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層のガラス転移温度は30℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、10℃以下であることが更に好ましい。また、合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記第2の層のガラス転移温度は、上記第1の層のガラス転移温度よりも高いことが好ましい。さらに、上記第2,第3の層の内の少なくとも一方のガラス転移温度は、上記第1の層のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、上記第2,第3の層の双方のガラス転移温度が上記第1の層のガラス転移温度よりも高いことがより好ましい。。また、合わせガラスの遮音性を広い温度領域にて高める観点からは、例えば、上記第1の層のガラス転移温度が30℃以下であり、上記第2の層のガラス転移温度が30℃を超え、かつ上記第3の層のガラス転移温度が上記第1の層のガラス転移温度より高く、上記第2の層のガラス転移温度より低いことが好ましい。ガラス転移温度を測定する方法として、例えば、合わせガラス用中間膜を23℃の環境下にて1ヶ月保管した後に、直径8mmの円形に切り抜き、粘弾性測定装置(レオメトリック社製「ARES」)を用いて、せん断法にて、歪み量1.0%及び周波数1Hzの条件で、昇温速度5℃/分で動的粘弾性の温度分散測定を行うことにより、ガラス転移温度を測定する方法が挙げられる。
(凹凸形状)
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、両側の表面の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有する。中間膜が表面に凹凸形状を有することにより、多層構造を有する合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを製造する際に、合わせガラス用中間膜とガラスとの間に残留する空気を効率的に脱気できる。この結果、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を充分に抑制できる。中間膜が両側の表面ではなく一方の表面のみに凹凸形状を有していても、該凹凸形状が形成されている一方の表面に由来して、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる。
第1〜第3の層のうちのいずれかが表面層である場合に、中間膜は、2つの表面層の各外側の表面の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有する。第1の層が表面層である場合に、中間膜は、第1の層の外側の表面に凹凸形状を有することが好ましい。第2の層が表面層である場合に、中間膜は、第2の層の外側の表面に凹凸形状を有することが好ましい。第3の層が表面層である場合に、中間膜は、第3の層の外側の表面に凹凸形状を有することが好ましい。第2の層は表面層であることが好ましく、第3の層は表面層であることが好ましい。また、第1の層が表面層であってもよい。
例えば、上記第1の層のみの単層の中間膜である場合、中間膜は、上記第1の層の一方の表面に凹凸形状を有するか、上記第1の層の他方の表面に凹凸形状を有するか、又は上記第1の層の一方の表面に凹凸形状を有しかつ上記第1の層の他方の表面に凹凸形状を有する。例えば、上記第1の層と上記第2の層とが積層された多層中間膜である場合、中間膜は、上記第1の層の上記第2の層と接している表面とは反対側の表面(外側の表面)に凹凸形状を有するか、上記第2の層の上記第1の層と接している表面とは反対側の表面に凹凸形状を有するか、又は上記第1の層の上記第2の層と接している表面とは反対側の表面(外側の表面)に凹凸形状を有しかつ上記第2の層の上記第1の層と接している表面とは反対側の表面に凹凸形状を有する。上記第2の層と上記第1の層と上記第3の層とがこの順に積層されている場合、中間膜は、上記第2の層の上記第1の層と接している表面とは反対側の表面(外側の表面)に凹凸形状を有するか、上記第3の層の上記第1の層と接している表面とは反対側の表面(外側の表面)に凹凸形状を有するか、又は上記第2の層の上記第1の層と接している表面とは反対側の表面に凹凸形状を有しかつ上記第3の層の上記第1の層と接している表面とは反対側の表面に凹凸形状を有する。本発明に係る合わせガラス用中間膜が、上記第