JP2012519201A - リン酸塩吸着剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の主題は、リン酸塩、特には高リン酸塩血症、慢性腎機能不全の治療ならびに血液透析患者の治療のための医薬製剤として使用される、カルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を含む組成物である。

Description

本発明の主題は、リン酸塩を吸着するための医薬製剤として使用される、特には高リン酸塩血症の治療、慢性腎機能不全(deficiency)(CKD)患者の治療ならびに血液透析患者の治療のための医薬製剤として使用されるカルシウム、マグネシウムおよび鉄の塩の混合物を含む組成物である。本発明による組成物は、ヒトの治療ならびに獣医学の分野で用いることができる。
慢性腎機能不全を患う患者がほとんどの場合、カルシウムおよびリンの自己制御における障害も患っていることは知られている。従って、腎機能不全で最も高頻度で併発する疾患として、腎性骨障害について言及しなければならない。
腎性骨障害において、腸カルシウム再吸収の低下とそれに続く骨へのカルシウムインターカレーションの低下により、石化欠乏症および骨粗鬆症で現れるいわゆる低カルシウム血症(acalcinosis)が生じる。さらに、腎性骨障害において、不十分なリン排出が認められる可能性があり、結果的に高リン酸塩血症に至る血液中のリンレベル上昇を生じる。両方の現象の相互作用が続発性副甲状腺機能亢進症となって現れて、骨格の破壊を生じる。
従って、特に慢性腎臓病などの腎機能不全では、腸および血液もしくは血清におけるリン蓄積の注意深い制御が、続発性副甲状腺機能亢進症および転移性石灰化を防止する上では必要である。
リン減少の一般的な手順は、食事でのリン制限で行うしかないが、それは早期の腎不全での血清リンレベルの制御には十分であると考えられる。後期または致死性腎不全において、特には長期透析の間、リンの尿排出は通常は非常に少ない。
さらに、食事制限ではリン制限と十分なタンパク質およびミネラル供給との間に適切な均衡を保証できず、従ってバランスの取れた栄養摂取が保証されない場合が多い。従って、特には進行状態の腎不全では、所定の病的リンレベルを補償することはほとんどできない。
医学分野の結果として、リン酸塩結合剤の投与が広く行われている。
公知のリン酸塩結合剤は、金属イオン含有組成物、ほとんどの場合無機塩もしくは金属イオン含有ポリマー、例えば単一物質の形態でのセベラマーである。
非常に一般的なリン酸塩結合性吸着剤は、水酸化アルミニウムもしくはアルミニウムヒドロキシカーボネートおよび他のアルミニウム(III)組成物などのアルミニウム含有塩もしくは組成物に基づくものである。そのようなアルミニウム系リン酸塩吸着剤の一つの大きな欠点は、胃液との接触時における部分的溶解および胃および消化管でのAl3+放出において認めることができる。Al3+蓄積の毒性効果は、長期的には、脳症に至る可能性がある。
代替物として、US4970079に記載のような酢酸カルシウムおよび炭酸カルシウムなどのカルシウム塩、炭酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、炭酸ランタン、クエン酸鉄、酢酸鉄、安定化鉄酸化物、鉄水酸化物、鉄オキシ水酸化物もしくは鉄錯体などの鉄化合物がリン酸塩と結合し得ることが見出され、一般に認められている。しかしながら、これらの化合物またはそれらのイオンは、化合物が可溶性であったり、食品または胃液との組み合わせで可溶化されている場合にも吸収され得る。そこで例えば、炭酸塩などの難溶性の塩は、胃液の塩酸と反応し、Ca2+またはMg2+を生じ得る。鉄化合物の場合、Fe3+、さらにはアスコルビン酸との組み合わせでFe2+が生じ得る。これらのイオンはいずれも、生理的経路によって吸収され得る。
市販されていて、医学分野で報告されているリン酸塩結合用の製剤は通常、いわゆる単一製剤(mono−preparations)からなり、それは使用される化合物の可能な最大の吸収を提供することで、生理的必要性を超える投与イオンの過量を生じる場合が多い。そのような過量は、生理的バランスを乱し得るものであり、そのようなミネラル過量による別の副作用によって生体にさらなる負担をかける可能性がある。例えば、高用量のカルシウムイオンの過量および再吸収は高カルシウム血症を生じ、大用量のマグネシウムは下痢などを伴う高マグネシウム血症を引き起こす。従って、そのような製剤の単一薬剤としての使用には限界がある。
高リン酸塩血症治療用の製剤におけるリン酸塩結合能力を有する複数の薬剤の組み合わせについて、例えばEP1046410A2に記載があり、そこでは生理的条件下では易溶性であるカルシウム化合物およびマグネシウム化合物の同時使用を特徴とするカルシウム含有およびマグネシウム含有リン酸塩結合剤の使用について言及されている。その発明によれば、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの再吸収が互いの存在によって阻害されるという効果に関して、その同時投与が有益であると記載されている。
そうではあっても、十分なリン酸塩吸着を行うために用いられる量は高いものとせざるを得ず、阻害効果は一時的であることから、カルシウムおよびマグネシウムの過量の危険性は残る。
代わりに、EP0150792には、高リン酸塩血症の治療用の、生理的条件(pH6から9を意味する)下で難溶であるカルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物を含む製剤が開示されている。そのような難溶性塩は、胃酸で認められ得る酸性pHなどの低pHで溶解性を示す。従って、そのような組成物は、腸溶コーティング製剤で投与することで、胃での可溶化および再吸収を回避しなければならない。
EP0868125B1では、酢酸カルシウムなどの1以上のカルシウム塩をさらに含んでいても良い、炭水化物もしくはフミン酸で安定化した水酸化鉄(III)に基づくリン酸塩吸着性組成物について言及されている。そのような酢酸カルシウム添加は、特に5を超えるpHなどの高pHを有するその発明による水酸化鉄組成物のリン酸塩結合能力を高めると記載されている。十分なリン酸塩吸収を達成するためには、そのような製剤で使用される水酸化鉄などのリン酸塩結合性化合物および酢酸カルシウムなどのカルシウム塩の量は高いものとならざるを得ない。さらに、そのような組成物での酢酸塩の使用は、アルカローシスを生じる場合がある。
さらに、鉄およびカルシウム塩の混合物を含むリン酸塩結合性組成物が、DE3228231A1から知られており、そこではカルシウムイオンが部分的に鉄イオンその他の微量元素(例えば、マグネシウムもしくは亜鉛)によって置き換わっている、特にカルシウム含有多糖類の群からのカルシウム含有ポリマーに基づくカルシウム塩について言及されている。そのような不純物添加された多糖類の製造は複雑であり、正確に規定されたイオン比の塩は達成するのは容易ではない。生理的に妥当なリン酸塩結合性イオンのモル比または含有量は、そのような組成物については定義されていない。
高リン酸塩血症治療におけるリン酸塩結合用の別の組成物が、US2004/0105896に記載されており、そこではある一定のリン酸塩結合能力を持ち、ランタン、セリウムなどの多様な金属を含むいわゆる「混合金属化合物」について言及されている。ある特別な実施形態によれば、その混合金属化合物は、予測モル比3:3:2でカルシウムイオン、マグネシウムイオンおよび鉄イオンを含むことができる。そのような混合金属化合物の製造では、アルカリ条件下での所期の金属の硫酸溶液の共沈を行う。そのような沈澱プロセスでは、共沈する化合物間の化学反応が起こり、その結果、化学結合を介して互いに結合した化合物を含む共沈化合物が生じる。従って、そのような沈澱法も複雑な手順を構成することは明らかである。さらに、有効イオン含有量の分析から、予測される値には到達できないと見ることができる。実際、カルシウム、マグネシウムおよび鉄を含む上記の具体的な混合金属化合物は、測定Ca2+:Mg2+:Fe3+比2.9:2.3;2を示す。カルシウムイオン、マグネシウムイオンおよび鉄イオンのモル比を変えての沈澱の製造または実際に所望もしくは予測される量で前記イオンを含む組成物を製造するための溶液については記載されていない。共沈プロセスでは、非常に限られた元素モル比が得られるのみであって、やはりそれらの元素のうちのいずれかの過量のリスクがあるように思われる。さらに、そのような共沈は、非常にpH依存性のリン酸塩吸着能力を示すために記載されている。さらに変化を受け乾燥した沈澱は、未変化で湿った沈澱と比較して低い吸着能力を示す。
Journal of Pharmaceutical Sciences(Vol, 91, No.1, 2002, 53−66)でのUS2004/0105896の発明者M.WebbおよびN.B.Robertsによる科学刊行物によれば、彼らの実験における混合金属化合物は、「層状複水酸化物」、「ハイドロタルサイト材料」または「ハイドロタルサイト」とも称される混合金属水酸化物として知られる種類の化合物に属する。ハイドロタルサイトは、粉末、粒子または顆粒状の金属塩の物理的混合物または混合物とは明らかに全くことなる層状無機物であることが知られている。
アルカリ溶液中での異なる金属化合物の共沈によって得ることができるさらに別の混合金属化合物が、WO2007/088343から知られている。US2004/0105896の上記の共沈物とは対照的に、WO2007/088343による混合金属塩は、MgイオンまたはCaイオン、好ましくはMgイオンおよびFeイオンと組み合わせてFeイオンなどの二つの異なる金属イオンのみを含む。Feイオン、MgイオンおよびCaイオンの沈澱については記載されていない。
さらに、そのような組成物の製造方法は、容易で、再現性があり、信頼できる回収率があることで、正確に規定されたモル比での組成物の製造を可能とするものであるべきである。さらに、そのような方法は、含有される関連金属イオンの量が大きく変動する組成物を提供すべきである。
本発明の目的は、特に吸収される絶対量の低減に関して成分の生理的吸収を考慮して、1日当たりの推奨値について十分なリン酸塩結合能力を有する組成物を提供することにある。さらに、そのような組成物は、付与されるリン酸塩結合性化合物の過量を引き起こすことなく、従って望ましくない副作用を回避して、広いpH範囲にわたって効果的なリン酸塩結合を可能とする。
驚くべきことに、例えば高リン酸塩血症の治療、CKD患者の治療および/または血液透析患者の治療のための生理的条件下でのリン酸塩の結合では、生理的に許容される量の金属イオン吸収を制限して、過量による望ましくない副作用を回避することで生理的平衡を乱さない良好な治療法の目標が、カルシウム化合物、マグネシウム化合物および鉄化合物の至適な組み合わせによって達成可能であることが認められた。驚くべきことに、そのような組み合わせによって、推奨される1日(食事)許容量(RDA:recommended daily (dietary) allowances)のみを用い、特にCKDおよび血液透析の状態下での鉄についての吸収比を考慮して、関連する塩の混合物を含む組成物が可能であることがわかった。
本発明者は、カルシウム塩(例えば酢酸塩または炭酸塩)の形態での2000から3000mgの量のカルシウムが、高リン酸塩血症の療法におけるリン酸塩吸着のための1日当たり推奨カルシウム塩量に相当するという仮定に基づいて行った。さらに、マグネシウム1000mgの量が、治療的リン酸塩吸着における炭酸マグネシウムの1日当たり推奨量に相当する。
生理的カルシウムおよびマグネシウム吸収を達成するための1日当たり推奨食物摂取は、そのような治療的に付与される量のそれぞれ約1/3、すなわち1日当たりカルシウム800mgおよびマグネシウム300mgに過ぎないことから、そのような治療的に付与される量は、すでに述べた過量の可能性を有している。さらに、1日の食事も、カルシウムおよびマグネシウムを通常はRDAまで含むことに言及すべきである。しかしながら、、本発明は、総1日摂取量をRDA値の約2倍を超えず、しかも単一のリン酸カルシウムまたはマグネシウム結合剤のみの使用の摂取量以下とすることが可能である。高齢患者においては、食事で摂取されるカルシウムおよびマグネシウムの量は相対的に低いことから、過量の問題は比較的重大性が低い。
本発明者は、それぞれ治療上必要なリン酸塩結合値の約1/3を示す推奨1日摂取による量でカルシウムおよびマグネシウムを組み合わせ、鉄含有リン酸塩結合性化合物の群から選択される第三の生理的に許容されるリン酸塩結合性化合物で残りの1/3を補完することによって、推奨リン酸塩結合値または能力を得ることが可能であることを見出した。驚くべきことに、そのような組成物を用いると、含有される生理的に吸収可能な化合物の過量を起こすことなく推奨リン酸塩結合値を達成することができる。
さらに、いくつかの強力なリン酸塩結合剤の組み合わせを含むそのような組成物を用いることで、本発明は、特に広いpH範囲にわたる高いリン酸塩結合能力および付与される化合物の吸収低下に関して改善された効力特性を有するリン酸塩結合剤を提供する。
さらに、物理的混合物で、特に塩または粉末の形態でのいくつかの強力なリン酸塩結合剤を混和もしくは混合するという解決法は、高い回収率で容易かつ再現性良く実施可能なそのような組成物の製造方法を提供する。そのような混和または混合方法は、複雑もしくは入念な工程段階や注意深い反応条件に拘束されるものではない。さらに、いくつかの塩または粉末の単なる混合は、下記に記載のリン酸塩吸着剤を必要とする患者の個々の状態をも考慮することができる組み込まれた物質およびそれの活性に関して、得られた混合物の高い変動性を許容するものである。特に鉄化合物はリン酸塩結合能力または活性において大幅に異なる可能性があることから、化合物が変わった場合にそのような活性の変動可能性があったとしても、本発明は、安定なリン酸塩吸着能力を有する非常に適合性の高いシステムを提供する。
さらに、各成分の組成および量を変えることで、例えば必要なリン酸塩吸着の等級、追加のカルシウム、マグネシウムもしくは鉄置換に関して、または患者の個々の身体状態(例:体重、性別、年齢、妊娠など)に従って、高リン酸血症患者の治療における具体的な必要条件に対して、最終組成物を容易に適合させることができる。
上記で引用の文書で、高リン酸塩血症もしくは慢性腎機能不全の治療または血液透析患者の治療のためのカルシウム、マグネシウムおよび鉄の塩の物理的混合物または混合物を開示しているものはない。さらに、本発明によって提供される3種類の塩成分の組み合わせは、既存の最新技術からは自明ではなかった。EP1046410A2、EP0150792A2またはEP0868125B1などの少なくとも2種類のリン酸塩結合塩の混合物について記載した文書からは、それが追加の異なる金属イオンを含むさらなるリン酸塩結合性成分の添加に優ることのヒントは得られない。さらに、それぞれが自体でリン酸塩結合能力を提供する3種類の異なる金属イオン塩のそのような組み合わせが、一方でそのような組成物のリン酸塩結合能力を改善し、同時に推奨1日用量の許容量による量まで付与成分を低減することを可能とすることを示す示唆を見出すことはできない。さらに、前記文書の中で、推奨1日用量まで既存の量を低下させ、結果的に生じるリン酸塩結合能力の欠如を第3のリン酸塩結合性化合物を加えることで補償する可能性を提供するものはない。
3種類の金属全てを含むDE3228231A1およびUS2004/0105896に開示のものなどの組成物は、限られた範囲の使えるモル比で各種金属塩の複雑な反応プロセスを介して得ることができる組成物のみを提供する。そのような開示からも、関連する金属イオンの無機塩の単なる混合物または混合がリン酸塩結合においてプラス効果を提供するという情報を得ることはできない。さらに、DE3228231A1もUS2004/0105896も、推奨1日用量による量に関して含まれる金属イオンの量を減らす可能性に関する情報を提供しない。DE3228231A1はまだ、金属イオン含有量またはそのような成分のモル比については全く触れていないが、US2004/0105896のみが、沈澱物自体での推定モル比のある1実施形態について言及しているが、それはさらに、与えられた反応プロセスによっては達成できない。US2004/0105896では、付与される金属イオン含有量の総量や各種モル比含有量の具体的な効果については言及がない。US2004/0105896による組成物で選択されるモル比は、顕著な効果や特別な生成物の特性の結果ではないように思われ、イオンの推奨1日用量許容値に関してそのような比についての言及はない。従って、示されているモル比は偶然選択されたものである。
さらに、US2004/0105896は、補償される金属イオン比の変動または均衡の可能性について開示もしておらず、非常に多様な化合物を組み合わせたり、とにかくリン酸塩結合能力を安定に維持する可能性を提供するものでもない。従って、US2004/0105896は、リン酸塩結合能力の欠落をもたらすことなく、単一成分の組成物の均衡を取ることで変動する活性を調節する可能性を決して提供するものではない。
従って、本発明の目的は、身体内でおよび/または体液から(体内的に代謝経路内でまたは例えば透析液から体外的に)、リン酸塩を吸着する段階を有するリン酸塩を吸着するための医薬製剤として使用されるカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を含む組成物を提供することにある。特には本発明の目的は、高リン酸塩血症の治療、慢性腎機能不全(CDK)患者の治療および/または血液透析患者の治療のための医薬製剤として使用される、カルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を含む組成物を提供することにある。
本発明の文脈において、「塩」という用語は広義には、正電荷を有するカルシウム、マグネシウムまたは鉄原子および好適な負電荷を有するアニオンの異極(heteropolar)化合物を指す。そのような塩における結合は通常、イオン性の特徴を有するが、「塩」という用語は、例えば金属、特には鉄の酸化物または水酸化物の場合のように、多少極性の共有結合の共有が存在する可能性も含む。
そのような組成物のカルシウム塩およびマグネシウム塩は、炭酸塩、炭酸水素塩(重炭酸塩)、塩基性炭酸塩(炭酸塩を別としてヒドロキシルアニオンを含む)、酢酸塩、酸化物、水酸化物、アルギン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ケイ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。そのような組成物のカルシウム塩およびマグネシウムが、炭酸塩、炭酸水素塩(重炭酸塩)、塩基性炭酸、酢酸塩、酸化物、水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましく、より好ましくはそのような組成物のカルシウム塩およびマグネシウム塩は、炭酸塩および酢酸塩ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。マグネシウム塩に関しては、4MgCOMg(OH)5HOなどのいわゆる塩基性マグネシウム炭酸塩が特に好ましい。本発明による特に好ましい実施形態は、炭酸カルシウム(CaCO)および塩基性炭酸マグネシウム(4MgCOMg(OH)5HOなど)を含む。
本発明による組成物の鉄塩は、好ましくは酸化鉄、水酸化鉄(Fe(OH))、鉄オキシ水酸化物(FeO(OH)とも称される場合があるが、本発明は多様な含水量または縮合度の全ての鉄(III)−オキシ/ヒドロキシル化合物を網羅するものである)、鉄錯体化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは前記鉄塩は、鉄(III)塩から選択される。好ましい実施形態において、前記鉄塩は鉄(III)水酸化物および/または鉄(III)−オキシ水酸化物および/または鉄(III)酸化物および/またはそれらの安定化型からなる群から選択される。好ましくは前記鉄塩は、炭水化物および/またはフミン酸(hurmic acid)によって安定化される。有用な炭水化物は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および/または多糖類の群から選択することができる。可溶性または不溶性の炭水化物および/またはそれらの混合物を用いてそのような鉄化合物を安定化させることが可能である。そのような安定化炭水化物の例として、デンプン、アガロース、デキストラン、デキストリン、デキストラン誘導体、セルロースおよびそれの誘導体、ショ糖(サッカロース)、マルトース、乳糖またはマンニトールを挙げることができ、ショ糖によって安定化された鉄オキシ水酸化物塩が特に好ましい。そのような塩はさらに、デンプンを含むことができる。
例えば、そのような安定化鉄オキシ水酸化物塩は、EP0868125B1またはWO06/000547に記載されている。従って、好ましくは炭水化物および/またはフミン酸によって安定化された、より好ましくはショ糖によって安定化された水酸化鉄または鉄オキシ水酸化物の使用が好ましいが、それは、安定化されていない鉄化合物の能力と比較して、そのような安定化鉄化合物の吸着能力が高いからである。従って、組成物中の鉄の総量を減らすことができる。
本発明による好ましい組成物は、
−炭酸カルシウムまたは炭酸水素カルシウム(重炭酸塩)、
−炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム(4MgCOMg(OH)5HOなど)または炭酸水素マグネシウム(重炭酸塩)、および
−鉄(III)水酸化物および/または鉄(III)オキシ水酸化物および/または鉄(III)酸化物および/または特にはショ糖および適宜にデンプンによって安定化されたそれらの安定化型、
の物理的混合物または混合物を含み、好ましくは金属のモル比を本明細書で定義の好ましい範囲に調節し、好ましくは金属の1日用量を本明細書で定義の好ましい範囲に調節している。
すでに指摘したように、リン酸塩結合組成物を形成する塩の金属イオンは、胃および空腸上部などの消化管での生理的吸収の基礎となっていることが知られており、それらによる吸収は主として、ほとんどの場合pH依存性である付与化合物の溶解度によって決まる。従って、酸性pHで易溶である化合物は、特に胃での胃液量が多い場合には食物摂取前に主として胃で吸収される。産生条件下では難溶であるがpHが上昇すると可溶性となる化合物は、pHが通常は5から8の範囲である腸で吸収される。
すでに言及したように、カルシウム、マグネシウムまたは鉄イオンなどのリン酸塩結合剤の吸収は、特に現在までに知られていてリン酸塩結合用に投与される組成物において、過量とそれによる機能障害を引き起こす可能性がある。
酸化鉄(CAS登録番号1332−37−2)からの鉄は吸収されにくいことから、酸化鉄が一般に安全と認められる(GRAS)ことは一般に知られている。さらに、例えば酸化鉄からのFe3+の放出とその後の吸収はpH依存性である。それは、相対的に高いpHでは鉄塩から放出されるFe3+がごく少量であることを意味している。従って、Fe3+は主として、産生条件下で放出および吸収される。従って、食物摂取によって胃液が減ることで胃のpHは上昇することから、最高の吸収は、空の状態の胃においてであり、食物と組み合わせた場合ではない。
健常成人での鉄の1日必要量は約1mgであり、通常は鉄豊富食品(10から20mgの鉄を含む食品)から吸収される。そうではあっても、慢性腎機能不全を患う患者および特には血液透析患者は、10倍も鉄の吸収速度が限られる。その慢性疾患のために、肝臓での鉄吸収および鉄代謝遮断剤であるヘプシジンの合成が促進されて、鉄吸収の低下を起こす。さらに、血液透析患者は慢性的な血液損失を患っていることから、経口鉄製剤による治療を奏功させることができない。1日当たり200mgまでの用量の鉄も与える必要があることから、血液透析患者では静注鉄療法が推奨される。
血液透析患者の場合の1日鉄損失は鉄約5から8mg/日であることが知られている。例えば硫酸第一鉄などの鉄塩からの吸収速度は、約1%と推算されている。従って、推奨用量を供給するには、例えば硫酸第一鉄からの鉄500から800mg/日の量が必要であると考えられる。しかし、そのような高用量の硫酸第一鉄の投与によって、腸管副作用の発生率が非常に高くなるものと考えられる。従って、血液透析患者においては、静注鉄療法が推奨される標準である。しかしながら、CKD患者では、経口鉄療法がやはり用いられる。代わりに、酸化鉄は、特に食物と組み合わせると消化管において実際には不溶である。従って、血液透析およびCKD患者の場合、鉄オキシ水酸化物の形態での鉄の投与摂取量は、例えば「Richtlinie90/496/EWG des Rates vom 24. September 1990 uber die Nahrwertkennzeichnung von Lebensmitteln」またはUS RDA(推奨栄養所要量)で健常人について記載されている推奨1日許容量よりかなり高いものとなり得るものであり、最終的に吸収される鉄が健常人について推奨される量に相当する1mgの量を超えないような形で高めることができる。吸収される鉄1mgは、RDAの14mg値の5から10%吸収速度に相当する。
カルシウムの1日必要量は、約800mgであり、Ca2+ 20mmolに相当する。カルシウム化合物の用量の約30%のみが吸収されるという事実のため、1日吸収量はCa約270mgであり、Ca2+ 7mmolに相当する。高リン酸塩血症治療の場合、炭酸カルシウムまたは酢酸カルシウムを1日1回、Ca2+2000から3000mg以下で投与する。そのような高用量により、血液透析患者における高カルシウム血症の公知の副作用が生じる。この種類の副作用を回避するため、カルシウムを含まないリン酸塩結合剤が開発されており、例えば炭酸ランタンおよびセベラマーである。しかしながら、これらの化合物は、生理的化合物ではないという問題を有する。ランタンはごくわずかしか吸収されないが、それは骨で認め得るものである。塩酸セベラマーはアシドーシスを生じる。さらに、炭酸ランタンおよびセベラマー療法下では、患者全員が食事から十分なカルシウムを吸収しているとは限らない。
マグネシウムの1日必要量は約300mgであり、Mg2+ 12.3mmolに相当する。高リン酸塩血症治療の場合、Mg2+465mg以下の炭酸マグネシウム用量は、下痢および軟便が報告されているそれより高用量の場合の公知の副作用を示さない。そうではあっても、高リン酸塩血症療法においてカルシウム化合物に代えて炭酸マグネシウムを用いることで、血管石灰化を減らすことができる。
本発明によれば、血液透析条件下での鉄吸収に関してであっても、投与される化合物の生理的吸収速度および1日推奨摂取量を考慮して、至適なリン酸塩結合能力を有する組成物を提供することが本発明の一つの主たる意図である。
「Richtlinie90/496/EWG des Rates vom 24. September 1990 uber die Nahrwertkennzeichnung von Lebensmitteln」によるカルシウムの推奨1日用量許容量は800mgであり、Ca2+ 20.0mmolに相当する。
「Richtlinie90/496/EWG des Rates vom 24. September 1990 uber die Nahrwertkennzeichnung von Lebensmitteln」によるマグネシウムの推奨1日用量許容量は300mgであり、Mg2+ 12.3mgに相当する。
「Richtlinie90/496/EWG des Rates vom 24. September 1990 uber die Nahrwertkennzeichnung von Lebensmitteln」による鉄の推奨1日用量許容量は、吸収速度を5から10%(鉄約1mg)と仮定して、14mgである。前述のように、鉄の吸収は10倍強低下し、少なくとも100mgの鉄という許容用量となる可能性がある。しかしながら、血液透析患者の場合、血液透析処置で1日血液損失があることから、1日当たり約5mgの鉄が必要であるが、CKD患者ではそれはない。特に血液透析患者、従って高リン酸塩血症を患う患者について、鉄過剰負荷を誘発することなく相対的に高くなる可能性のある鉄の1日用量を評価する上で、この相対的に高い必要量を考慮することになり得る。さらに、可溶性鉄塩からと実際には不溶の鉄オキシ水酸化物からとの間で鉄の吸収速度に少なくとも10倍の差があり、それによってCKD患者では鉄過剰負荷に対する安全性が得られる。これにより、可能な1日用量は少なくとも500mgとなり、それは少なくとも9.0mmolのFe3+に相当する。
驚くべきことに、例えば粉末混合物の形態でカルシウム、マグネシウムおよび鉄の塩の混合物または混合物を含む組成物は、金属イオンの過剰と従って望ましくない副作用を生じることなく、至適なリン酸塩結合能力を示す上記で定義の推奨1日用量許容量以下の量で投与可能であることが見出された。
従って、1日用量当たり
Ca2+:2から60mmolに相当する80mgから2400mg、
Mg2+:2から30mmolに相当する49mgから729mg、
Fe3+:2から30mmolに相当する112mgから1676mgの金属の総量でカルシウム、マグネシウムおよび鉄の塩の混合物を投与するための本発明による組成物を提供することができる。
好ましくは、1日用量当たり
Ca2+:10から30mmolに相当する400mgから1200mg、
Mg2+;6から18mmolに相当する146mgから439mg、
Fe3+:5から20mmolに相当する279mgから1117mgの金属の総量でカルシウム、マグネシウムおよび鉄の塩の混合物を投与するための本発明による組成物が提供される。
上記の量に従ったカルシウム、マグネシウムおよび鉄の塩の推奨1日用量を含むそのような組成物の総量が単一用量単位での投与には高すぎる場合には、組成物を1日にいくつかの部分量または小分け単位で投与することができる。従って、本発明の1態様において、組成物を、1日に少なくとも一つ(1以上)の部分量または小分け単位で投与することができる。さらに、リン酸塩結合療法の一つの本質的側面は食物からのリン酸塩の結合において認められるべきであることから、本発明による組成物は、特に食物摂取との組み合わせでそれのリン酸塩結合能力を示すものである。従って、本発明による組成物は好ましくは、食事とともに投与すべきである。
特に、錠剤、フィルム錠またはカプセルの形態である本発明による組成物は、そのような製剤で処理可能な量において限度がある。従って、錠剤、フィルム錠またはカプセルなどの単一単位製剤が1日用量全量を含まないという自体が起こる可能性がある。いずれにせよ、組成物は好ましくは食事とともに投与すべきであるため、ほとんどの場合で1日にわたり分割しなければならないことから、1日用量全体の一部のみを含む製剤が好ましい。
従って、例えば複数の錠剤、フィルム錠、カプセルを1回でまたは当日にわたり分割して投与することで本発明による組成物を部分量で投与することが好ましい。1日当たりで推奨1日用量の総量が達成できる限りにおいて、そして小分け単位であっても混合物の組成物が下記で記載のCa2+、Mg2+およびFe3+イオンのモル比を含む限りにおいて、そのような1日にわたる分割はあまり重要ではない。そうではあっても、1日用量の小分け単位への分割は、錠剤、フィルム錠またはカプセルの形態での組成物に限定されない。特に好ましい実施形態において組成物は、1日用量総量のいくつかの(複数の)相対的に小さい量またはその総量のいくつかの(複数の)部分が各食事とともにその当日にわたって分割して投与される粉末の形態である。
従って、本発明の1実施形態において、カルシウム、マグネシウムおよび鉄塩の混合物の1日用量の総量を、1日当たりいくつかの(複数の)部分量で投与する。さらに、そのような部分量は例えば、粉剤、粒剤、カプセル、錠剤、フィルム錠、サシェ剤またはスティックの形態である。別の実施形態において、本発明による組成物は、一つの部分量が上記で定義の範囲による1日用量当たりの総量の1/4を含む部分量で投与される。
例えば、カルシウム800mg(20mmol)(リン酸塩結合用の推奨1日用量の約1/3)とマグネシウム300mg(12mmol)の組み合わせによって、吸収能力は32mmolとなり、それはカルシウム1300mgと等価である。これは、上記のリン酸塩結合用のカルシウム2000mg用量の約2/3である。さらに、鉄約1500mgに相当する鉄オキシ水酸化物を含むリン酸塩結合剤約7.5gの1日用量(OHergesell and E Ritz, Nephrology Dialysis Transplantation, Vol 14, Issue 4 863−867)によって血清リン酸塩の減少が生じる。これは、カルシウムおよびマグネシウムの組み合わせで、これが約1/3(鉄500mg、鉄9.0mmolに相当)まで減る可能性があることを意味している。比較的リン酸塩結合能力が低い(例えば、Hergesellによって用いられたものの2/3)が、相対的に鉄含有量が高い(例えば、3倍高い)通常の鉄オキシ水酸化物を摂取すると、1190mg鉄オキシ水酸化物(Fe(OOH))の形態で鉄750mgを用いなければならない。
カルシウム、マグネシウムまたは鉄の含有量を上記で示した最小値まで低下させ、残りの成分を増加させることでこの低下を補償して安定なリン酸塩結合能力を得ることによって、本発明による組成物を変えることができる。さらに、カルシウムおよび/またはマグネシウムの含有量を上記で示した範囲で上昇させて、リン酸塩結合能力の低下した鉄化合物のリン酸塩結合活性における低下を補償して安定なリン酸塩結合値を得ることで、前記組成物を変えることができる。
そうではあっても、成分を変えることで、モル比を考慮しなければならない。
本発明による組成物は、好ましくはCa2+:Mg2+のモル比1:0.02から20およびCa2+:Fe3+のモル比1:0.02から20を含むことができる。
やはり好ましくは、本発明による組成物は、Ca2+:Mg2+のモル比1:0.20から0.78またはCa2+:Mg2+のモル比1:0.80から0.99または1:1.03から2.00を含む。
本発明による別の好ましい組成物は、Ca2+:Fe3+のモル比1:0.02から0.65またはCa2+:Fe3+のモル比1:0.67から0.68または1:0.7から0.99を含む。
本発明によるある特に好ましい実施形態は、Ca2+、Mg2+およびFe3+それぞれを本明細書で定義の水晶1日用量許容値以下の量で含む。
従って、そのような特に好ましい実施形態は、好ましくは食事とともに単一単位でまたは1回もしくはその日にわたって分割して投与される部分量で、1日用量当たり
Ca2+:20mmolに相当する800mg、
Mg2+:12.3mmolに相当する300mg、
Fe3+:9mmolに相当する500mgの金属の総量でCa2+、Mg2+およびFe3+を含む。
本発明による組成物の鉄化合物の量は、使用される鉄化合物のリン酸塩結合能力によって決まる。特に、上記で挙げた安定化鉄(III)化合物は、改善されたリン酸塩結合能力を示すことから、相対的に少ない総量で投与することができる。
例えば好ましい化合物である炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび鉄酸化物/水酸化物のリン酸塩結合能力はpH依存性である。従って、pHが高くなると、炭酸カルシウムおよびマグネシウムのリン酸塩結合能力は上昇するが、鉄の酸化物/水酸化物のリン酸塩結合能力は低下する。さらに、炭酸塩と鉄オキシ水酸化物の組み合わせは、鉄溶解度の低下とその結果としての鉄吸収低下を保証するものである。この効果は、胃におけるpHをさらに上昇させる消化管での酸と炭酸塩の即時反応に関連して説明することができる。Fe(OH)の溶解度積によれば、pH単位の各上昇は鉄の溶解度を1000倍低下させ、それは非常に大きい値であり、鉄の吸収および可能性のある副作用に対して決定的に影響を与える。
本発明による組成物に含まれる化合物のpH依存性は、下記のように並べることができる。
炭酸カルシウムまたは炭酸水素カルシウムは、弱酸性pHで至適なリン酸塩結合能力を示す。その結合能力は、pH3<pH5.5>pH8と並べることができる。
炭酸マグネシウム、塩基性炭酸塩(4MgCO×Mg(OH)×5HOなど)または炭酸水素塩は、腸における生理的条件下などの中性または弱塩基性pHで至適なリン酸塩結合能力を示す。その結合能力は、pH3<pH5.5<pH8と並べることができる。
鉄酸化物/水酸化物は、胃での胃液における生理的条件下などの酸性pHで至適なリン酸塩結合能力を示す。その結合能力は、pH3>pH5.5>pH8と並べることができる。
さらに、本発明による組成物で投与される化合物は、互いに吸収されるのを防ぐ。安定化された不溶性水酸化鉄は、強酸条件(<pH3)下でのみ溶解度が上がることから、腸ではごくわずかしか吸収されない。炭酸塩の存在は、胃でのpHが3以下に低下するのを防ぐ。さらに、カルシウムは鉄の吸収を阻害し、マグネシウムはカルシウムの吸収を阻害、その逆も言える。そのような機序は、リン酸塩結合性化合物投与後の高カルシウム血症または高マグネシウム血症のリスクをさらに低下させるものである。
従って、本発明によるリン酸塩結合カルシウム、マグネシウムおよび鉄塩の組み合わせを用いると、生理的条件下で認められる少なくともpH2から8の広いpH範囲にわたって至適かつバランスの良好なリン酸塩結合特性を示す高リン酸塩血症および慢性腎機能不全の治療用の組成物を提供することができる。
本発明による組成物の別の利点は、容易かつ安全な製造方法で認めることができる。
本発明による組成物は、前記塩の物理的混合物または混合物を含む。これは、前記組成物がカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩を混合することによって得られることを意味する。さらに、前記組成物は、粉末、顆粒、結晶、クランブ(crumbs)その他の利用可能な形のカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩を混合することで得ることができる。好ましくは前記組成物は、それらの塩の粉末を混合することで得ることができる。
適宜に、本発明による組成物のカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物は、それらの塩の圧縮混合粉末である。
本発明による組成物は、少なくとも1種類の別の医薬物質および/または製薬上許容される賦形剤を含むことができる。
本発明の1態様では、前記混合物は、高リン酸塩血症または慢性腎臓機能不全を患う患者の治療において特に必要とされる別の医薬物質と組み合わせることができる。そのような対象となる別の医薬物質は、例えばビタミンDおよびそれの誘導体、ビタミンEおよび/またはそれの誘導体などの酸化防止剤、システインなどのアミノ酸、グルタチオンなどのタンパク質、フラボン類および/またはフラバノイド類またはこれらの混合物である。
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、ビタミンDおよび/またはそれの誘導体から選択される少なくとも1種類の別の医薬物質を含む。
本発明による混合物は、例えばカプセル、錠剤、フィルム錠、サシェ剤、スティック、粒剤または粉剤などの生薬製剤として提供することができる。そのような生薬製剤は、一般に許容される賦形剤、補助成分、着色剤および香味剤を用いて公知の技術に従って製造することができる。従って、本発明による組成物は好ましくは、乾燥形態である。
従って、別の実施形態において、本発明による組成物は、少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を含む。好ましくは、そのような製薬上許容される賦形剤は、充填剤、結合剤、着色剤、香味剤および/または不快な味を隠すための成分の群から選択される。
本発明による組成物は、ヒトの治療用であるとともに動物の治療用でもある。
本発明による組成物は、経口投与または口周囲投与用であり、組成物の経口投与が好ましい。
本発明の1態様において、本発明による組成物は栄養補助食品である。
本発明の別の態様において、本発明による組成物は、食物摂取との時間的関連で投与される。別の実施形態において、本発明による組成物は、少なくとも1種類の食料品と当該組成物を混合することで用いられる。そのような投与は、それの栄養補助食品としての使用か医薬組成物としての使用かとは無関係に選択することができる。
本発明の主題である組成物の塩の前述の量は、1日の食事とともに摂取されるいくつかの(複数の)単一用量、部分量または小分け単位に分けることができる本明細書で定義の平均通常1日用量に相当する。好ましくは、1日用量は、1日用量のうちの1部を1日に2回含む4部、例えば朝食で1部と夕食で1部そして例えば昼食などの主要な食事で2部という具合に分ける。患者の個々の栄養摂取行動に従って、用量を分割および投与することができることは言うまでもない。要するに、投与される用量の分割は、各食事の量、栄養価および組成に従って選択すべきである。例えば、例えば肉およびタンパク質が豊富な食事などのリン酸塩豊富食には、相対的に高い用量を伴うべきである。そうではあっても、好ましくは1日推奨量を超えるべきではない。
従って、本発明はさらに、本発明による1日用量当たりの組成物の総量の投与を、各食事で摂取する部分量に分割し、1日当たりの部分量で投与される組成物の総量が本発明による1日総量を構成する、本明細書で定義の組成物の使用を含む。
好ましくは、1日用量当たりの組成物の総量は、本発明による1日用量当たりの総量の1/4をそれぞれ含む四つの部分量に分割され、二つの部分量は主たる食事とともに投与され、一つの部分量はそれぞれ2回の軽い食事とともに投与される。
本発明による組成物は、代謝経路内で体内的(internally)に、または例えば透析液から体外的(externally)に、身体中および/または体液からのリン酸塩を吸着する段階を有する、リン酸塩を吸着するための医薬組成物の製造に用いることができる。
下記において、本発明の好ましい実施形態をまとめた。
1.リン酸塩を吸着するための医薬製剤として使用される、カルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物または混合物を含む組成物。
2.体内的および/または体外的に、身体中および/または体液からのリン酸塩を吸着する段階を有する、実施形態1による組成物。
3.高リン酸塩血症の治療、慢性腎機能不全(CKD)患者の治療および/または血液透析患者の治療を含む実施形態1または2のうちの一つによる組成物。
4.前記カルシウム塩およびマグネシウム塩が炭酸塩、炭酸水素塩、塩基性炭酸塩、酢酸塩、酸化物、水酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択される前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
5.前記鉄塩が鉄酸化物、鉄水酸化物、鉄オキシ水酸化物、鉄錯体化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
6.前記鉄塩が鉄(III)塩類から選択される前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
7.前記鉄塩が鉄(III)水酸化物および/または鉄(III)オキシ水酸化物および/または鉄(III)酸化物および/またはそれらの安定化型から選択される前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
8.前記鉄塩が炭水化物および/またはフミン酸によって安定化されている前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
9.前記鉄塩がショ糖により、適宜にショ糖およびデンプンによりによって安定化されている前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
10.カルシウム:マグネシウムのモル比が1:0.02から20であり、カルシウム:鉄のモル比が1:0.02から20である前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
11.カルシウム:マグネシウムのモル比が1:0.20から0.78である実施形態10に記載の組成物。
12.カルシウム:マグネシウムのモル比が1:0.80から0.99である実施形態10に記載の組成物。
13.カルシウム:マグネシウムのモル比が1:1.03から2.00である実施形態10に記載の組成物。
14.カルシウム:鉄のモル比が1:0.02から0.65である実施形態10に記載の組成物。
15.カルシウム:鉄のモル比が1:0.67から0.68である実施形態10に記載の組成物。
16.カルシウム:鉄のモル比が1:0.7から1.50である実施形態10に記載の組成物。
17.1日用量当たり
カルシウム:2から60mmolに相当する80mgから2400mg、
マグネシウム:2から30mmolに相当する49mgから729mg、
鉄:2から30mmolに相当する112mgから1676mg
の金属総量でカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を投与するための前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
18.1日用量当たり
カルシウム:10から30mmolに相当する400mgから1200mg、
マグネシウム:6から18mmolに相当する146mgから439mg、
鉄:5から20mmolに相当する279mgから1117mg
の金属総量でカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を投与するための前記実施形態のうちのいずれか一つによる組成物。
19.カルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物の1日用量の総量を、1日当たり1回以上の部分量で投与する実施形態17または18のうちのいずれか一つに記載の組成物。
20.1回の部分量が1日用量当たり総量の1/4を含む実施形態19に記載の組成物。
21.
−炭酸カルシウムおよび/または炭酸水素カルシウム、
−炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウムおよび/または塩基性炭酸マグネシウムおよび
−鉄(III)水酸化物および/または鉄(III)オキシ水酸化物および/または鉄(III)酸化物および/またはこれらの安定化型
の混合物を含む前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
22.前記塩の物理的混合物または粉末混合物それぞれを含む前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
23.前記組成物が前記塩を混合することによって得ることができる前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
24.前記組成物が前記塩の粉末を混合することによって得ることができる前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
25.前記組成物が前記塩の圧縮されていても良い混合粉末である前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
26.少なくとも一つの別の製薬上活性な物質および/または製薬上許容される賦形剤を含む前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
27.ビタミンDおよび/またはそれの誘導体、ビタミンEおよび/またはそれの誘導体などの酸化防止剤、システインなどのアミノ酸類、グルタチオンなどのペプチド類、フラボン類および/またはフラバノイド類またはこれらの混合物から選択される少なくとも一つの別の製薬上活性物質を含む実施形態26に記載の組成物。
28.充填剤、結合剤、着色剤、香味剤および/または不快な味をマスクするための成分の群から選択される少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を含む実施形態26に記載の組成物。
29.粉剤、粒剤、カプセル、錠剤、フィルム錠、スティックまたはサシェ剤の形態である前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
30.ヒトの治療用である前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
31.動物の治療用である前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
32.経口投与用である前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
33.栄養補助食品である前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
34.食物摂取との時間的関連での投与のための前記実施形態のうちのいずれか一つに記載の組成物。
35.ヒトおよび/または動物でのリン酸塩吸着のための医薬組成物製造における、前記実施形態のうちのいずれか一つに従って定義の組成物の使用。
36.前記組成物を少なくとも一つの食料品および/または別の栄養補助食品と混合する、前記実施形態のうちのいずれか一つに従って定義の組成物の使用。
37.1日用量当たりの前記組成物の総量の投与を、各食事で摂取される部分量に分ける、前記実施形態のうちのいずれか一つに従って定義の組成物の使用。
38.1日用量当たりの前記組成物の総量を四つの部分量に分け、各部分量が1日用量当たりの総量の1/4を含み、二つの部分量を主たる食事とともに投与し、一つの部分量を二つの軽い食事それぞれとともに投与する、実施形態37に記載の使用。
39.1日用量当たりの前記組成物の総量が実施形態17または18で定義されるものである実施形態35から38のうちのいずれか一つに記載の使用。
本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの尿におけるリン濃度を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの腎臓リン排出を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコのリン摂取(%)との関係での腎臓リン排出を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの1日飼料摂取を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの1日リン摂取を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの1日飼料摂取(個々のデータ)を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの1日リン摂取(個々のデータ)を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの尿中のリン濃度(個々のデータ)を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコの腎臓リン排出(個々のデータ)を示す図である。 本発明によるリン酸塩吸着性組成物を与えたネコのリン摂取(%)との関連での腎臓リン排出(個々のデータ)を示す図である。
下記の実施例によって、本発明を説明する。
実施例
下記の実施例は、それぞれ1日用量用の組成物を構成している。
Figure 2012519201

実施例1の組成物から、一つの成分の相対的に低いモル比を他の成分の相対的に高いモル比で置き換えて、下記の組成物を推定することができる。
Figure 2012519201
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リン酸塩結合能力が2倍低い鉄オキシ水酸化物を用いる場合、組成は下記の通りである。
Figure 2012519201

さらに、カルシウム、マグネシウムまたは鉄の含有量を例えば実施例1のものの10から50%の最小値まで低下させ、残りの成分を増量することでその低下を補償して実施例1の場合と同じリン酸塩結合能力を得ることによって、実施例1の組成を変えることができる。
さらに、アルカローシスが回避可能な限りにおいて、炭酸塩に代えて酢酸塩も用いることが可能である。
さらに、通常の鉄オキシ水酸化物に代えて、例えばEP0868125B1またはUS6174442B1に記載の安定化鉄オキシ水酸化物を用いることができる。そのような鉄オキシ水酸化物は、相対的に高い吸着能力という利点を有する。従って、合計鉄用量は低くなり、例えば750mgに代えて、わずか500mgとなり、それは例えばそのような成分の20から40Z%のみの相対的に低い鉄含有量を補償するものである。次の実施例では、サッカロース(ショ糖)によって安定化された鉄オキシ水酸化物を含むそのような組み合わせをまとめてある。
Figure 2012519201
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Figure 2012519201
Figure 2012519201

実施例1から15に言及の量は、食事とともに摂取されるいくつかの単一用量に分割することができる平均通常1日用量に相当する。好ましくは、その1日用量は4部に分けられ、例えば朝食と夕食に1部で2回、例えば昼食などの主たる食事に2部である。全ての混合物が、例えば着色剤および香味剤などの一般に許容される賦形剤を用いることで例えばカプセル、錠剤、フィルム錠、サシェ剤、粒剤および粉剤などの生薬製剤の形態で提供することができる。その混合物は、高リン酸塩血症および/または慢性腎臓機能不全を患う患者の治療において特殊もしくは高いニーズが存在する他の物質と組み合わせることができる。対象となる物質は、例えばビタミンDおよび/またはそれの誘導体、ビタミンEおよび/またはそれの誘導体などの酸化防止剤、システインなどのアミノ酸類、グルタチオンなどのペプチド類、フラボン類および/またはフラバノイド類またはそれらの混合物である。
ネコでのリン利用能に対する実施例11による組成物の効果についての検討
ネコの腸での本発明による組成物のリン結合能力を、食物からのリン摂取の低減に関して調べた。
時期および実験群
本研究では、4つの実験時間単位を網羅し、それぞれが14日間を含むことで、試験の合計時間は4×2週間(8週間)となった。
実験動物群は、ネコの4群からなるものであり、それぞれが2匹のネコを含み、それらの動物は、実際の身体測定値および動物の性別を考慮して選択しておいたものである。ネコの平均年齢は2.5年であり、いずれの動物も健常であり、臨床状態はなかった。それらの群に対する投与計画の割り当ては無作為に行った。動物2匹の各群は、実験経過全体を通して一貫した投与量で飼育した。
Figure 2012519201

1)2食品小分け単位/日で投与される1日量
2)初期体重に基づく
第一の実験単位の前に、2週間の順応期を設けた。この順応期間では、ネコの飼料にリン酸塩結合組成物は加えなかった。
それぞれが2週間の長さであるその後の四つの実験時間単位では、ネコには、下記の投与計画に従って飼料と混合した実施例11による組成物を投与した。
Figure 2012519201

栄養素
ネコは、比較的低いが表3によるリンの要求量を網羅しているキャットフードで飼育した。
Figure 2012519201

各ネコには、NRC2006(National Research Council 2006)に従って計算した個々の飼料量で1日2回飼育した。実施例11による組成物を、表1による量で各飼料に混合した。
結果
実験期間中、体重は大部分は安定に保たれた。健康状態は変化なく維持された。
飼料からのリン酸塩結合能力に関する実施例11による組成物の効力を下記のものによって評価した。
−飼料摂取(g/日)
−リン摂取(mg/日)
−尿量(mL/日)
−尿中のリン濃度(mg/mL)
−腎臓リン排出(mg/日)
−腎臓リン排出/リン摂取(%)。
下記の結果/群を評価した。
Figure 2012519201

実施例11によるリン酸塩結合性組成物の用量が増えるに連れて、尿中のリン濃度(図1)および腎臓リン排出(図2および3)が低下することが明らかになった。飼料摂取は、用量による影響を受けず、その結果として、これらの群を通じて同等のリン摂取があった。
群3は、飼料およびリンの摂取増加を示している(図4および5)。表5に従って全ての動物の個々のデータを比較すると(図6から10)、これが動物番号6のデータにおける矛盾の結果生じていることが明らかになる。
Figure 2012519201

考察
本研究の目的は、本発明による組成物のリン酸塩吸着効力を調べることにあった。
腸におけるリン吸着によって、糞便の増加および腎臓リン排出の低下が生じる。一方で、腎臓リン排出低減が、制限された臓器機能に対する負荷軽減を意味し、他方ではそれによって、高リン酸塩血症を防ぐことから、この側面は、特に腎臓機能不全を患う患者の治療において重要なものである。結果的に、効果的なリン酸塩結合剤の使用は、腎臓機能不全患者の治療を支援するものである。
この基礎となる研究は、腎臓リン排出の低減に対する本発明によるリン酸塩結合性組成物の効力を示すことができた。さらに、リン酸塩結合性組成物の用量増加として目視できるようになる比較的低い腎臓リン排出の意味での効力向上によって、用量依存性効果を認めることができた(図9)。概して、飼料摂取は、リン酸塩結合性組成物の用量増加によって影響されなかったことから、同等の1日リン摂取を仮定することができる。平均より高い飼料摂取と従って平均より高いリン摂取を示して、それにより群3において逸脱した結果を生じた群3からの動物6が例外となるが、動物6を考慮しなければ、記載の用量依存的効果を明瞭に認めることができる。
動物6の逸脱した結果に関しては、個々の条件および影響も影響し得ることが明らかになる。選択して試験設計では、特に同等の試験動物を群分けし、測定サイクルを3回繰り返すことで、そのような個々の条件は検出可能である。
最後に、一つの試験群内で、一定の試験結果が得られ、それはリン酸塩結合能力の効力を示すものであると言うことができる。
さらに、用量を上昇させると、効力上昇が明らかになる。リン酸塩結合性組成物の量が大きくなっても飼料摂取に栄養しなかったことから、同等の用量推奨量によって、腎臓リン排出の顕著な低下が生じる可能性があると仮定することができるが、ただしリン酸塩結合性組成物の用量が相対的に低いとしても、すでに尿におけるリン排出を低下させていることから、効力を示している。結果的に、リン酸塩結合性組成物の投与される用量については、飼料による高いリン摂取量によって、リン酸塩結合性組成物の量が高くなって、腎臓リン排出の効果的な低減が行われることから、1日リン摂取も考慮する必要がある。1日リン摂取は、栄養素ならびに個体の飼料摂取によって影響を受ける。従って、リン酸塩結合性組成物の効力の評価および用量推奨量の推算値を、1日リン摂取量に基づいて評価すべきである。従って、これらの側面を考慮すると、基礎となる研究によるリン酸塩結合性組成物は、ネコにおける飼料からのリンの利用能、従って腎臓リン排出を低下させる上で好適であるように思われる。

Claims (39)

  1. リン酸塩を吸着するための医薬製剤として使用される、カルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を含む組成物。
  2. 体内的または体外的に、身体中および/または体液からのリン酸塩を吸着する段階を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 高リン酸塩血症の治療、慢性腎機能不全(CKD)患者の治療および/または血液透析患者の治療を含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記カルシウム塩およびマグネシウム塩が、炭酸塩、炭酸水素塩、塩基性炭酸塩、酢酸塩、酸化物、水酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記鉄塩が、鉄酸化物、鉄水酸化物、鉄オキシ水酸化物、鉄錯体化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記鉄塩が、鉄(III)塩類から選択される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記鉄塩が、鉄(III)水酸化物および/または鉄(III)オキシ水酸化物および/または鉄(III)酸化物および/またはそれらの安定化型から選択される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記鉄塩が、炭水化物および/またはフミン酸によって安定化されている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記鉄塩が、ショ糖により、またはショ糖およびデンプンにより安定化されている、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. カルシウム:マグネシウムのモル比が1:0.02から20であり、カルシウム:鉄のモル比が1:0.02から20である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. カルシウム:マグネシウムのモル比が、1:0.20から0.78である、請求項10に記載の組成物。
  12. カルシウム:マグネシウムのモル比が、1:0.80から0.99である、請求項10に記載の組成物。
  13. カルシウム:マグネシウムのモル比が、1:1.03から2.00である請求項10に記載の組成物。
  14. カルシウム:鉄のモル比が、1:0.02から0.65である、請求項10に記載の組成物。
  15. カルシウム:鉄のモル比が、1:0.67から0.68である、請求項10に記載の組成物。
  16. カルシウム:鉄のモル比が、1:0.7から1.50である、請求項10に記載の組成物。
  17. 1日用量当たり
    カルシウム: 2から60mmolに相当する80mgから2400mg、
    マグネシウム: 2から30mmolに相当する49mgから729mg、
    鉄: 2から30mmolに相当する112mgから1676mg
    の金属総量でカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を投与するための、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 1日用量当たり
    カルシウム: 10から30mmolに相当する400mgから1200mg、
    マグネシウム: 6から18mmolに相当する146mgから439mg、
    鉄: 5から20mmolに相当する279mgから1117mg
    の金属の総量でカルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物を投与するための、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. カルシウム塩、マグネシウム塩および鉄塩の混合物の1日用量の総量を、1日当たり1回以上の部分量で投与する、請求項17または18に記載の組成物。
  20. 1回の部分量が1日用量当たり総量の1/4を含む、請求項19に記載の組成物。
  21. 炭酸カルシウムおよび/または炭酸水素カルシウム、
    炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウムおよび/または塩基性炭酸マグネシウム、および
    鉄(III)水酸化物および/または鉄(III)オキシ水酸化物および/または鉄(III)酸化物および/またはこれらの安定化型、
    の混合物を含む、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 前記塩の物理的混合物または粉末混合物それぞれを含む、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 前記組成物が前記塩を混合することによって得ることができる、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 前記組成物が前記塩の粉末を混合することによって得ることができる、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の組成物。
  25. 前記組成物が前記塩の任意に圧縮された混合粉末である、請求項1乃至24のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 少なくとも一つの別の製薬上活性な物質および/または製薬上許容される賦形剤を含む、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の組成物。
  27. ビタミンDおよび/またはそれの誘導体、ビタミンEおよび/またはそれの誘導体などの酸化防止剤、システインなどのアミノ酸類、グルタチオンなどのペプチド類、フラボン類および/またはフラバノイド類またはこれらの混合物から選択される少なくとも一つの別の製薬上活性物質を含む、請求項26に記載の組成物。
  28. 充填剤、結合剤、着色剤、香味剤および/または不快な味をマスクするための成分の群から選択される少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤を含む、請求項26に記載の組成物。
  29. 粉剤、粒剤、カプセル、錠剤、フィルム錠、スティックまたはサシェ剤の形態である、請求項1乃至28のいずれか1項に記載の組成物。
  30. ヒトの治療用である、請求項1乃至29のいずれか1項に記載の組成物。
  31. 動物の治療用である、請求項1乃至30のいずれか1項に記載の組成物。
  32. 経口投与用である、請求項1乃至31のいずれか1項に記載の組成物。
  33. 栄養補助食品である、請求項1乃至32のいずれか1項に記載の組成物。
  34. 食物摂取との時間的関連での投与のための、請求項1乃至33のいずれか1項に記載の組成物。
  35. ヒトおよび/または動物でのリン酸塩吸着のための医薬組成物製造における、請求項1乃至34のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  36. 前記組成物を少なくとも一つの食料品および/または別の栄養補助食品と混合する、請求項1乃至34のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  37. 1日用量当たりの前記組成物の総量の投与を、各食事で摂取される部分量に分ける、請求項1乃至34のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  38. 1日用量当たりの前記組成物の総量を四つの部分量に分け、各部分量が1日用量当たりの総量の1/4を含み、二つの部分量を主たる食事とともに投与し、一つの部分量を二つの軽い食事それぞれとともに投与する、請求項37に記載の使用。
  39. 1日用量当たりの前記組成物の総量が実施形態17または18で定義されるものである、実施形態35から38のうちのいずれか一つに記載の使用。
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