JP2012515353A - Her−2発現の測定による患者の反応を判定する方法 - Google Patents

Her−2発現の測定による患者の反応を判定する方法 Download PDF

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Abstract

治療、特に、癌治療に対する患者の反応を判定するか、または他の形で評価する方法が提供される。方法は、HER2マーカーが、単独で、またはHER3マーカーなど他のバイオマーカーと共に存在するか、または不在であるかについて試料を解析することを包含する。特定の例では、まず、HER2が陽性の患者を判定し、次いで、第2のバイオマーカー(例えば、HER3マーカー)の存在または不在を用いることをによって、これをさらに層別化することにより、可能な無増悪期間を決定することができる。加えて、データを用いて、治療レジメンに対する患者の反応を追跡し、特定のレジメンを用いる患者の治療について予測される成功を評価し、治療レジメンの効果を判定し、または、臨床試験のための均質群を創出するために、患者を類別することができる。

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2009年1月15日に出願された米国仮特許出願第61/145,029号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、Her−2作用剤による治療が、癌患者に奏効する可能性があるかどうかを判定する方法を提供する。該方法は、HER3マーカーの存在または不在など、別のバイオマーカーを用いて、HER2陽性患者をさらに層別化することにより、HER2陽性患者のサブクラスの可能な無増悪期間を提供する。
(発明の背景)
Her−2など、個々の細胞表面受容体の発現レベルが、バイオマーカーとして用いられている。Her−2の過剰発現を検出し、Her2作用剤、例えば、トラスツズマブによる治療が正当化されるかどうかを判定するのに、従来の免疫組織化学(IHC)解析、または蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)解析が用いられてきた。また、特許文献1は、癌のバイオマーカーとしてのHer−2発現について記載している。しかし、2つの異なる試験において、トラスツズマブ治療が実際に奏効したのは、Her−2を過剰発現する患者の20%または35%に過ぎない。非特許文献1;非特許文献2;および非特許文献3を参照されたい。さらに、転移性乳癌状況でのトラスツズマブと化学療法との組合せについての他の試験においても、トラスツズマブ組合せ療法が実際に奏効したのは、Her−2を過剰発現する患者の約50%に過ぎない。非特許文献4を参照されたい。
米国特許第4,968,603号明細書
Baselgaら、1996年、J. Clin. Oncol. 14巻:737〜44頁 Cobleighら、1999年、J. Clin. Oncol. 17巻:2639〜48頁 Vogelら、2002年、J. Clin. Oncol. 20巻:719〜26頁 Slamonら、N Engl J Med 344巻:783〜92頁
現在のところ、トラスツズマブなどのHer−2作用剤による治療が、癌を有する被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定することは、問題でありうる。トラスツズマブおよび/または他のHer作用剤がこのような患者に奏効する可能性がないかどうかが判定されれば、これらの患者に高価ではあるが有効でない治療を施すことが回避される。例えば、Her−2作用剤に対する患者の感受性を判定するアッセイはまた、Her−2作用剤に加えた、化学療法剤が奏効する可能性がない患者を同定し、これにより、化学療法剤の潜在的な毒性作用を回避することを被験体に可能とするのにも用いることができる。また、Her−2作用剤に対する患者の感受性を判定するアッセイは、疾患の時間経過、またはHer−2陽性患者の疾患において重要事象(significant event)が生じる確率を予測するのにも用いることができる。したがって、癌患者に対する療法を最大化するように、Her−2作用剤が該患者に奏効するかどうかを判定する方法が必要とされている。
本発明は、Her−2作用剤による治療が、癌を有する被験体に奏効するかどうかを判定する方法を提供する。例えば、特定の実施形態では、本発明は、被験体に由来する生物学的試料における全Her−2(H2T)またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量の相対レベルを、Her−2作用剤による治療が該被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付ける方法であって、(a)該被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量を検出するステップと;(b)該Her−2またはHer−2ホモ二量体の量を、Her−2作用剤による治療が該被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付けるステップとを含む方法を含む。
特定の実施形態では、本発明はまた、予測された、Her−2作用剤に対する患者の感受性に基づき、癌を有する被験体における疾患の時間経過および/または該疾患の時間経過において重要事象が生じる確率を予測する方法も提供する。特定の実施形態では、方法は、本明細書の下記で説明される、Her−2作用剤による治療の有効性(responsiveness)と関連するバイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せを検出するステップと、該Her−2作用剤による治療が該被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定するステップとを含む。特定の実施形態では、方法は、バイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せを検出するステップと、癌を有する被験体における疾患の増悪と関連する時間経過、または該疾患の時間経過において重要事象が生じる確率を予測するステップとを含む。
例えば、特定の実施形態では、本発明は、癌を有し、Her−2作用剤により治療されている被験体に重要事象が生じる可能性があるかどうかを予測する方法であって、(a)該被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量を検出するステップと;(b)該Her−2またはHer−2ホモ二量体の量を、該被験体に重要事象が生じる可能性と関連付けるステップとを含む方法を含む。
他の態様では、本発明は、Her−2作用剤による治療が、癌を有する被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、疾患の時間経過を予測する方法を対象とする。別の態様では、本方法は、疾患の時間経過において重要事象が生じる確率を予測する方法を対象とする。
本発明の各々の方法の特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を検出するステップと、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体が、低レベルまたは高レベルのHer−2発現と相関するかどうかを判定するステップとを含む。
本発明の各々の方法の特定の実施形態では、高いHer−2発現は、log10H2T(全Her−2についてのlog10)≧約1.14〜1.125である。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、高いHer−2発現は、極めて高い発現、および/または中程度に高い発現を含む。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、極めて高いHer−2発現は、log10H2T≧約1.84〜2.21である。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、中程度に高いHer−2発現は、約1.14〜1.25と、約1.84〜2.21との間のlog10H2Tである(すなわち、≧1.14〜1.25かつ≦1.84〜2.21)。あるいは、患者コホートおよび/またはモニタリングされる重要事象に応じて、他の範囲も用いることができる。したがって、本明細書に記載される閾値および/または閾値範囲の各々は、log10目盛で記載する場合、約0.5log単位、または線形目盛で約25%以下(すなわち、本明細書で開示される具体的な範囲より≦25%大きく、かつ/または≦25%小さい)、もしくは約20%以下、もしくは約15%以下、もしくは約10%以下、もしくは約5%以下変化しうる。
特定の実施形態では、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。
一部の実施形態では、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性あり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。
また、一部の実施形態では、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が極めて高く、および/または低ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者は短い時間経過を有する。
したがって、特定の実施形態では、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、第1の閾値レベルを上回れば(例えば、「高い」場合)、Her−2作用剤が奏効する可能性があると被験体が予後診断される。加えて、かつ/または代替的に、特定の実施形態では、かつ、本明細書でより詳細に論じられる通り、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベルを上回れば(例えば、「極めて高い」場合)、Her−2作用剤が奏効する可能性がないと被験体が予後診断される。
特定の実施形態では、癌は乳癌である。一部の実施形態では、乳癌は、転移性である。一部の実施形態では、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。特定の実施形態では、Her−2作用剤がトラスツズマブである。特定の実施形態では、方法を、VERATAG(登録商標)アッセイにより実施する。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECISTもしくは他の効果判定基準(response criterion)を用いて測定する。
特定の実施形態では、患者試料を、少なくとも3つの患者サブグループに分割することにより所定の量を創出する。例えば、特定の実施形態では、患者を、Her−2発現(すなわち、全Her−2および/またはHer−2二量体)が低いサブグループと、Her−2発現が高いサブグループとに分割する。次いで、Her−2発現が高いサブグループを、Her−2発現が極めて高い群と、Her−2発現が中程度に高い群とに細分化し得る。したがって、特定の実施形態では、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が極めて高い患者サブグループと、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が低いサブグループと、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高いサブグループとに患者試料が分割されるように、サブグループの数が3つである。特定の実施形態では、被験体におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を、高いサブグループまたは低いサブグループと比較し、該患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性がある。
例えば、本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、複数の患者試料を、少なくとも3つのサブグループに分割することにより所定の量(measure)を創出し、第1のサブグループは、該Her−2またはHer−2ホモ二量体が低レベルである試料を含み、該低レベルは、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量(amount)が第1の閾値レベル以下であることを含み、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が該第1の閾値以上である試料は、該Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである試料を含み、次いで、該Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである該試料を、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、該第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上である試料を含む極めて高いサブグループと、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、該第1の閾値レベル以上であり、かつ、該第2の閾値レベル以下である試料を含む中程度に高いサブグループとの2つのサブグループに分割する。
Her−2を測定する、本発明の方法の各々の実施形態では、Her−3発現が、Her−2、Her−2ホモ二量体、またはHer−2ヘテロ二量体を含みうる。例えば、特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いて全てのHer−2、Her−2ホモ二量体、および/またはHer−2ヘテロ二量体の量を測定する。
別の実施形態では、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高い(すなわち、中程度量(medium))サブグループを、別のバイオマーカーを発現するサブグループにさらに細分化する。他のバイオマーカーは、FOXM1、PRAME、Bc12、STK15、CEGP1、Ki−67、GSTM1、CA9、PR、BBC3、NME1、SURV、GATA3、TFRC、YB−1、DPYD、GSTM3、RPS6KB1、Src、Chk1、ID1、EstR1、p27、CCNB1、XIAP、Chk2、CDC25B、IGF1R、AK055699、P13KC2A、TGFB3、BAGI1、CYP3A4、EpCAM、VEGFC、pS2、hENT1、WISP1、HNF3A、NFKBp65、BRCA2、EGFR、TK1、VDR、Contig51037、pENT1、EPHX1、IF1A、CDH1、HIFlα、IGFBP3、CTSB、Her3、またはDIABLOのうちの少なくとも1つでありうる。特定の実施形態では、他のバイオマーカーが、VEGF、CD31、KDR、p95、またはHer3でありうる。他の実施形態では、バイオマーカーが、Her3でありうる。さらなるマーカーを用いて、Her−2サブグループをさらに識別することができる。
特定の実施形態では、Her−2が中程度に高い患者試料を、少なくとも2つの患者サブグループに分割することにより所定の量を創出する。特定の実施形態では、そのHer−3発現が高い患者サブグループと、そのHer3発現が低い別の患者サブグループとに患者試料が分割されるように、サブグループの数が2つである。
したがって、本発明の各々の方法の特定の実施形態では、中程度に高いサブグループを、Her−3発現に基づきさらに分割し、ここで、高レベルは、Her−3が第1の閾値レベル以上であることを含み、低レベルは、Her−3が該第1の閾値レベルを下回ることを含み、該Her−2作用剤は、該少なくとも1つのHer−2および/もしくはHer−2二量体が中程度に高レベルであり、かつ、Her−3が低レベルである被験体に奏効する可能性があり、かつ/または該Her−2作用剤は、該少なくとも1つのHer−2および/もしくはHer−2二量体が中程度に高レベルであり、かつ、Her−3が高レベルである被験体に奏効する可能性がないかもしくは可能性が低い。
Her−3を測定する場合は、Her−3発現が、Her−3、Her−3ホモ二量体、またはHer−3ヘテロ二量体を含みうる。例えば、特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いて全Her−3、Her−3ホモ二量体、および/またはHer−3ヘテロ二量体(例えば、Her2/Her−3)の量を測定する。
例えば、一実施形態では、高いHer3発現(低いHer3発現と比較した)のカットオフ値が、0.158である。あるいは、約25%低い値および/または約25%高い値も用いることができる。したがって、本明細書に記載される閾値および/または閾値範囲の各々は、log10目盛で約0.5log単位、かつ/または線形目盛で約25%以下(すなわち、本明細書で開示される具体的な範囲より≦25%大きく、かつ/または≦25%小さい)、もしくは約20%以下、もしくは約15%以下、もしくは約10%以下、もしくは約5%以下変化しうる。
高いHer3対低いHer3の実際のカットオフ値は、患者コホートおよび/またはモニタリングされる重要事象に応じて変化しうる。特定の実施形態では、サブグループ数が3つを超え、4つのサブグループ、5つのサブグループ、および6つのサブグループが含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECISTもしくは他の効果判定基準を用いて測定する。特定の実施形態では、Her−2作用剤が、トラスツズマブである。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤による治療がHer−2陽性癌を有する被験体に奏効し、かつ/または疾患の時間経過が長いかどうかを判定する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、Her−2陽性癌を有する被験体における疾患の時間経過を予測する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、Her−2陽性癌を有する被験体において重要事象が生じる確率を予測する方法を対象とする。
したがって、開示される本発明の各々の方法の特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料においてHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定するステップを含み、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現が低ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料においてHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定するステップを含み、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者は短い時間経過を有する。特定の実施形態では、生物学的試料は、FFPEを含む。特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。特定の実施形態では、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。特定の実施形態では、Her−2作用剤はトラスツズマブである。
特定の実施形態では、Her−2の量を測定する。特定の実施形態では、Her−2ホモ二量体の量を測定する。例えば、特定の実施形態では、いずれの測定値によっても同じ予後診断適応(すなわち、Her−2作用剤が患者に奏効するかどうか)がもたらされるように、全Her−2レベルが、Her−2ホモ二量体レベルに相関する。特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いてHer−2ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、アッセイは、VERATAG(登録商標)アッセイである。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECISTもしくは他の効果判定基準を用いて測定する。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤による治療が、Her2陽性癌を有する被験体に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者が短い時間経過を有するかどうかを判定する方法を提供する。特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料においてHer−2量を検出するステップを含み、該Her−2量が低ければ、Her2作用剤による治療が該被験体に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者が短い時間経過を有する。特定の好ましい実施形態では、Her2作用剤は、トラスツズマブである。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤に加えた、少なくとも1つの化学療法剤による治療が、Her2陽性癌を有する被験体に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者が短い時間経過を有する可能性があるかどうかを判定する方法を対象とする。特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定するステップを含み、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体のレベルが高く、および/または極めて高ければ、Her2作用剤に加えた、少なくとも1つの化学療法剤が該被験体に奏効する可能性がない。
特定の実施形態では、生物学的試料は、FFPEを含む。特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。他の実施形態では、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。特定の実施形態では、Her−2作用剤はトラスツズマブである。特定の実施形態では、化学療法剤は、パクリタキセルである。特定の実施形態では、全Her−2量を測定する。特定の実施形態では、Her−2ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いてHer−2ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、アッセイは、VERATAG(登録商標)アッセイである。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECISTもしくは他の効果判定基準を用いて測定する。
さらに別の態様では、本発明は、Her−2を測定するキットと、Her−2発現を、Her2作用剤による治療が患者に奏効する可能性があるという可能性と関連付けるための指示書とを提供する。特定の実施形態では、本発明はまた、予測された、Her2作用剤に対する患者の感受性に基づき、癌を有する被験体における疾患の時間経過および/または該疾患の時間経過において重要事象が生じる確率を予測するためのキットも提供する。特定の実施形態では、キットは、さらなるマーカーを測定するための試薬を含む。他のバイオマーカーは、FOXM1、PRAME、Bc12、STK15、CEGP1、Ki−67、GSTM1、CA9、PR、BBC3、NME1、SURV、GATA3、TFRC、YB−1、DPYD、GSTM3、RPS6KB1、Src、Chk1、ID1、EstR1、p27、CCNB1、XIAP、Chk2、CDC25B、IGF1R、AK055699、P13KC2A、TGFB3、BAGI1、CYP3A4、EpCAM、VEGFC、pS2、hENT1、WISP1、HNF3A、NFKBp65、BRCA2、EGFR、TK1、VDR、Contig51037、pENT1、EPHX1、IF1A、CDH1、HIFlα、IGFBP3、CTSB、Her3、またはDIABLOのうちの少なくとも1つでありうる。特定の実施形態では、他のバイオマーカーは、VEGF、CD31、KDR、p95、またはHer3でありうる。
本明細書で開示される各々の実施形態のさらなる態様では、本発明は、癌を有する被験体を治療する方法を提供する。一態様では、方法は、本発明の方法により、Her−2作用剤による治療が奏効する可能性があり、かつ/または長い時間経過を有する癌に被験体が罹患していることを判定するステップと、前記判定の結果として、該被験体に有効量のHer−2作用剤を投与するステップとを含む。別の態様では、方法は、本発明の方法により、Her−2作用剤による治療が奏効する可能性がある癌に被験体が罹患していることを判定し、次いで、該被験体に有効量のHer−2作用剤を投与する治療選択肢について、医療従事者に助言するステップを含む。別の態様では、方法は、増悪が速く、かつ/またはHer2作用剤に加えた化学療法剤が奏効する可能性がない癌に被験体が罹患していることを判定するステップを含む。特定の実施形態では、Her−2作用剤はトラスツズマブである。特定の実施形態では、化学療法剤は、パクリタキセルである。特定の実施形態では、癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。
本発明は、以下の非限定的な図を参照することにより、よく理解されうる。
図1は、本発明の実施形態による、FFPE VERATAG(登録商標)アッセイの概要を示す図である。 図2Aおよび図2Bは、本発明の代替的な実施形態による、反応性の一重項酸素の拡散によりVERATAG(登録商標)レポーター分子と抗体との間の共有結合が切断されるVERATAG(登録商標)反応を示す図である。 図2Aおよび図2Bは、本発明の代替的な実施形態による、反応性の一重項酸素の拡散によりVERATAG(登録商標)レポーター分子と抗体との間の共有結合が切断されるVERATAG(登録商標)反応を示す図である。 図3は、4つのよく特徴付けられた乳癌細胞系に対して生成したVERATAG(登録商標)シグナルの代表的な電気泳動図を、相当するHer−2のIHC顕微鏡写真と一緒に示した図である。グラフの左側は細胞系を示し、真ん中は対応する電気泳動図を示し、右側は本発明の実施形態による、対応するIHCを示す。 図4は、本発明の実施形態による、全HER2陽性患者についての無増悪期間(TTP)を示すグラフである。 図5は、本発明の実施形態による、Her2遺伝子増幅のFISH検出によって決定されたHER2陰性またはHER2陽性である患者についてのTTPを示すグラフである。 図6は、本発明の実施形態による、遺伝子増幅のFISH測定によるカテゴリー化に関係なく、トラスツズマブを用いた治療が奏効しない低HER2発現体(expressor)である患者についてのTTPを示すグラフである。 図7は、本発明の実施形態による、トラスツズマブを用いた治療が奏効しない、非常に高いHER2発現体(H2T≧1.84)である患者および/または低HER2発現体(FISHにかかわらず、H2T<1.14)である患者、ならびに中程度に高いレベルのHER2発現(1.14〜1.84のH2T)を有する患者についてのTTPを示すグラフである。 図8は、本発明の実施形態による、HER3過剰発現(H3Thi)またはHER3過小発現(H3Tlo)によってさらに層別化することができ、ここでHER3過小発現が、HER3過剰発現と比較してトラスツズマブを用いた治療の奏効性(responsiveness)の増大に関連する、中程度に高いHER2量を有し、FISHによる測定が陽性である患者についてのTTPを示すグラフである。 図9は、本発明の実施形態による、原発性早期(すなわち、アジュバント療法)Her−2陽性実例(sample)の試験を示すグラフである。パネルBは、H2T>2.21のカットオフを有するCISH陽性、非常に高いVERATAG(登録商標)H2Tである患者は、パネルAに示したHer−2がさほど高くない実例と比較して、化学療法にトラスツズマブを加えることにほとんど利益がないことを示している。
本明細書で用いられる「実施形態」および「態様」という用語は、互換的に用いられる。
別段に指示しない限り、本明細書で用いられる「約」という用語は、該用語により修飾される値を上回るかまたは下回る範囲が10%を超えない値を指す。例えば、「約5μg/kg」という用語は、4.5μg/kg〜5.5μg/kgの範囲を意味する。別の例として記すと、「約1時間」とは、48分間〜72分間の範囲を意味する。
「抗体」とは、特定の空間的および極性的構成を有する別の分子に特異的に結合し、したがって、これと相補的なものとして定義される、免疫グロブリンを意味する。抗体は、モノクローナル抗体の場合もあり、ポリクローナル抗体の場合もあり、組換え抗体の場合もあり、宿主の免疫および血清の回収など、当技術分野で周知の技法により調製することもでき(ポリクローナル抗体)、ハイブリッドの継代細胞系(continuous hybrid cell line)を調製して、分泌されるタンパク質を回収することにより調製することもでき(モノクローナル抗体)、少なくとも、天然抗体の特異的な結合に必要とされるアミノ酸配列を少なくともコードするヌクレオチド配列またはそれらの変異誘発異形をクローニングして発現させることにより調製することもできる。抗体は、完全免疫グロブリンを包含する場合もあり、その断片を包含する場合もあり、これらの免疫グロブリンは、IgA;IgD;IgE;IgG1、IgG2a、IgG2b、およびIgG3;IgMなど、各種のクラスおよびアイソタイプを包含する。これらの断片には、Fab、FvおよびF(ab’)2、Fab’などが含まれうる。抗体はまた、単鎖抗体もしくはその抗原結合断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、または、特定の結合部位に対して特異的な結合活性を保持する、当業者に公知の他の任意の抗体誘導体でもありうる。加えて、適切な場合は、特定の結合部位に対する結合親和性が維持される限りにおいて、免疫グロブリンまたはそれらの断片の凝集体、ポリマー、およびコンジュゲートを用いることもできる。放出可能な分子タグ(下記で説明される)を用いるようなアッセイを含め、イムノアッセイにおいて用いられる抗体および抗体誘導体を作製および選択する際の指針は、容易に入手可能な教科書およびマニュアル、例えば、HarlowおよびLane、1988年、「Antibodies: A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York; HowardおよびBethell、2001年、「Basic Methods in Antibody Production and Characterization」、CRC Press; Wild編、1994年、「The Immunoassay Handbook」、Stockton Press、New Yorkにおいて見出すことができる。
「抗体結合組成物」とは、1つ以上の抗体、または分子に結合する抗原結合断片を含み、その結合特異性がこのような抗体または抗体結合断片に由来する、分子または分子複合体を意味する。抗体結合組成物には、(i)第1の抗体が標的分子に特異的に結合し、第2の抗体が該第1の抗体の定常領域に特異的に結合する抗体対;標的分子と、ビオチン部分を介して、分子タグまたは光増感剤などの部分により誘導体化されたストレプトアビジンタンパク質とに特異的に結合するビオチン化抗体;(ii)標的分子に対して特異的であり、デキストランなどのポリマーにコンジュゲートし、ポリマーが、共有結合により直接的に、またはストレプトアビジン−ビオチン結合を介して間接的に、分子タグまたは光増感剤などの部分により誘導体化されている抗体;(iii)標的分子に特異的であり、ビーズ、もしくはマイクロビーズ、または他の固相支持体にコンジュゲートし、ビーズ、もしくはマイクロビーズ、または他の固相支持体が、分子タグもしくは光増感剤、または後者を含有するポリマーなどの部分により直接的または間接的に誘導体化されている抗体が含まれるがこれらに限定されない。
「抗原決定基」または「エピトープ」とは、単一の抗体分子が結合する分子、通常はタンパク質の表面における部位を意味する。一般に、タンパク質は、数個または多くの異なる抗原決定基を有し、異なる特異性を有する抗体と反応する。好ましい抗原決定基は、タンパク質のリン酸化部位である。
「結合化合物」とは、抗体結合組成物、抗体、ペプチド、細胞表面受容体に対するペプチドリガンドもしくはペプチド以外のリガンド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸などのオリゴヌクレオチド類似体、レクチン、あるいは、標的タンパク質もしくは標的分子、またはタンパク質複合体など、目的の検体との安定的な複合体形成物に特異的に結合することが可能な他の任意の分子実体を指すものとする。一態様では、以下の式により表わされうる結合化合物が、結合部分に結合している1つ以上の分子タグを含む。
「結合部分」とは、分子タグを直接的または間接的に結合させうる任意の分子であって、検体に特異的に結合することが可能な分子を意味する。結合部分には、抗体、抗体結合組成物、ペプチド、タンパク質、核酸、ならびに、分子量が最大で約1000ドルトンであり、水素、炭素、酸素、窒素、硫黄、およびリンからなる群から選択される原子を含有する有機分子が含まれるがこれらに限定されない。結合部分は、抗体または抗体結合組成物であることが好ましい。
「癌」および「癌性」は、制御不能の細胞増殖を特徴とすることが典型的である、哺乳動物を含めた生物の生理的状態を指すか、またはこれについて記載する。癌(cancer)の例には、癌(carcinoma)、リンパ腫、芽腫、肉腫、および白血病が含まれるがこれらに限定されない。このような癌のより具体的な例には、扁平上皮癌、肺癌、例えば、小細胞肺癌または非小細胞肺癌、;消化器癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頚癌、卵巣癌、肝癌(liver cancer)、膀胱癌、肝癌(hepatoma)、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、腎臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌(hepatic carcinoma)、および各種の頭頚部癌が含まれる。
「化学療法剤」とは、状態、特に、癌を治療するのに用いられる化学物質、主に、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤を意味する。化学療法剤には、本明細書に記載のパクリタキセルなどの化合物が含まれるものとする。
本明細書で用いられる「切断可能な結合」とは、切断可能な結合で結合部分に連結されている分子タグの構造を分解しないか、またはその検出特性に影響を与えることのない条件下で切断されうる、化学結合基を指す。
本明細書で用いられる「切断誘導部分」または「切断剤」とは、好ましくは、酸化により切断可能な結合を切断することが可能な活性種をもたらす基である。活性種とは、その切断誘導効果が、その発生部位の近接距離内だけにおいて存在するように、短寿命の活性を示す化学種であることが好ましい。
本明細書で用いられる「切断プローブ」とは、本明細書で定義される切断誘導部分と、抗体結合組成物、抗体、ペプチド、細胞表面受容体に対するペプチドリガンドもしくはペプチド以外のリガンド、ビオチンもしくはストレプトアビジンなどのタンパク質、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸などのオリゴヌクレオチド類似体、レクチン、あるいは、標的タンパク質もしくは標的分子、またはタンパク質複合体など、目的の検体との安定的な複合体形成物に特異的に結合することが可能な他の任意の分子実体とを含む試薬を指す。
「VERATAG(登録商標)」「VERATAG(登録商標)」および「VERATAG(登録商標)アッセイ」は互換的に用いられ、単一アッセイならびに多重アッセイおよび多重標識アッセイ;試薬、分析手順、ならびにこれらのアッセイに関連するソフトウェアが含まれるがこれらに限定されない、このようなアッセイを実施および利用するための材料、方法、および技法を指す。このようなアッセイは、本出願のほか、任意の図面を含め、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,105,308号において開示されている。
「FFPE」とは、固定された、特に、従来のホルマリンで固定されたパラフィン包埋試料である、一群の細胞またはある量の組織を指す。このような試料は、顕微鏡のスライドまたは同等の表面に載せた固定組織の、例えば、3〜10μmの厚さである、薄い切片の形態で、限定されないが、受容体複合体についてのアッセイで用いられることが典型的である。このような試料はまた、アッセイによる測定の一部として、またはその準備として、従来の再水和手順、ならびに、場合によって、抗原回復手順を経ることが典型的である。
本明細書で用いられる「ハザード比」とは、相対危険度の推定値をもたらすのに用いられる統計的方法を指す。「ハザード比」とは、1つの群対別の群について予測されるハザード間の比である。例えば、Her−2作用剤が疾患の遠い再発までの期間(time to distant recurrence of disease)を延長させるのに有効であるかどうかについて、Her−2作用剤により治療される患者集団対Her−2作用剤によらずに治療される患者集団を評価することができる。次いで、ハザード比を、Her−2ホモ二量体対全Her−2比など、独立の量と比較することができる。ハザード比が1未満であるときのHer−2ホモ二量体対全Her−2比では、Her−2作用剤による治療が、有効である可能性がある。ハザード比が1と区別できないときのHer−2ホモ二量体対全Her−2比では、Her−2作用剤による治療が、有効である可能性が低い。
本明細書では、「Her−2」、「ErbB2」、「c−Erb−B2」、「HER2」、「Her2」および「neu」が互換的に用いられ、例えば、Sembaら、1985年、P.N.A.S. USA 82巻:6497〜650頁;およびYamamotoら、1986年、Nature 319巻:230〜234頁;ならびにGenebank受託番号X03363において記載される通り、天然のHer−2と、その対立遺伝子変異体とを指す。別段に示さない限り、本明細書で用いられる場合の「Her−2」、「ErbB2」、「c−Erb−B2」、「HER2」、および「Her2」は、ヒトタンパク質を指す。本明細書では、Her2をコードする遺伝子を、「erbB2」と称する。本明細書で用いられるH2Tとは、例えば、VERATAG(登録商標)であるがこれに限定されない方法により示される通り、全Her−2発現を指すものとする。
本明細書で用いられる「Her−2作用剤」とは、Her−2、またはHer−2発現細胞、またはHer−2陽性癌細胞の生物学的活性を阻害しうる化合物を指す。このような生物学的活性には、二量体化、自己リン酸化、別の受容体のリン酸化、シグナル伝達などが含まれるがこれらに限定されない。生物学的活性には、細胞の生存および細胞の増殖が含まれうるがこれらに限定されず、Her−2作用剤によるこのような活性の阻害は、直接的または間接的な細胞殺滅(例えば、ADCC)、タンパク質複合体もしくは複合体形成の破壊、タンパク質輸送の調節、または酵素阻害でありうる。生物学的活性にはまた、本出願に記載の患者への効果(response)も含まれうる。例示的なHer−2作用剤には、高分子である4D5およびトラスツズマブ、ならびにAEE−788およびラパチニブなどの低分子が含まれるがこれらに限定されない。細胞表面におけるHer−2膜受容体との関連における「Her−2ホモ二量体」とは、2つ以上の膜結合Her−2タンパク質の複合体を意味する。二量体は通常、互いと接触する2つの受容体からなる。二量体は、細胞表面膜において、ファンデルワールス相互作用など、受動的過程により創出される場合もあり、リガンドにより誘導される二量体化、共有結合、細胞構成要素との相互作用など、能動的過程により創出される場合もある。例えば、Schlessinger、2000年、Cell 103巻:211〜225頁を参照されたい。本明細書で用いられる「二量体」という用語は、文脈から別段に理解されるのでない限り、「細胞表面における膜受容体の二量体」を指すことが理解される。本明細書で用いられるH22Dとは、例えば、VERATAG(登録商標)であるがこれに限定されない方法により示される通り、定量化された二量体を指すものとする。
「Her−2ホモ二量体対全Her−2比」とは、当業者に利用可能な任意の単一の定量的方法による、被験体の組織に由来する試料における全Her−2量により除したHer−2ホモ二量体の量について記載する量を指す。
本明細書で用いられる「Her−2陽性」の癌、癌細胞、被験体、または患者とは、HercepTest(登録商標)(カリフォルニア州、カーペンテリア、DakoCytomation California社製)を用いる場合に少なくとも2のスコアを示す癌、細胞、被験体、もしくは患者、またはFISHなどにより同定された癌、癌細胞、被験体、もしくは患者を指す。特定の実施形態では、Her−2陽性細胞が、HercepTest(登録商標)を用いて少なくとも2+または3+のスコアを示す。
「高い(high)」とは、量が正常の量より大きいこと、所定の量などの標準の量より大きいこと、またはあるサブグループの量が別のサブグループの量より比較的大きいことを指す。例えば、高いHer−2とは、Her−2量が、正常のHer−2量より大きいことを指す。正常のHer−2量は、当業者に利用可能な任意の方法により決定することができる。高いHer−2はまた、量が、所定のカットオフ値など、所定の量以上であることも指す場合がある。高いHer−2はまた、高いHer−2であるサブグループのHer−2レベルが、別のサブグループのHer−2レベルより比較的高い場合のHer−2量も指すことがある。例えば、限定されないが、本明細書によれば、中央値などであるがこれに限定されない、数学的に決定された点の近傍で試料を分割し、このようにして、その量が高い(すなわち、中央値より高い)サブグループと、その量が低い別のサブグループとを創出することにより、2つの異なる患者サブグループを創出することができる。例えば、VERATAG(登録商標)、または、HercepTest(登録商標)など、任意の標準的な免疫組織化学(IHC)法などであるがこれらに限定されない、当業者に公知の任意の方法を用いることにより、Her−2を測定することができる。別の例として、高Her−2ホモ二量体とは、Her−2陽性である特定の患者試料セットにおいて、Her−2ホモ二量体量が、正常のホモHer−2二量体量より大きいことを指す。正常のHer−2ホモ二量体量は、当業者に利用可能な任意の方法により決定することができる。高Her−2ホモ二量体はまた、量が、所定のカットオフなど、所定の量より大きいことも指す場合がある。高Her−2ホモ二量体はまた、高Her−2ホモ二量体であるサブグループのHer−2ホモ二量体レベルが、別のサブグループのHer−2ホモ二量体レベルより比較的高い場合のHer−2ホモ二量体量も指すことがある。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)法、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)法、近接ライゲーションアッセイ(PLA)法、二量体特異的抗体もしくはVERATAG(登録商標)、または当業者に周知の他の任意の方法など、当技術分野で公知の任意の方法により、Her−2ホモ二量体を測定することができる。別の例として、高Her−2ホモ二量体対全Her−2比とは、1つ以上のサブグループのHer−2ホモ二量体対全Her−2比の量が、中間のまたは低いサブグループの比より大きいことを指す。高Her−2ホモ二量体対全Her−2比は、当業者に利用可能な任意の個々の定量的方法により決定することができる。場合によって、「高い」発現レベルは、極めて高い発現範囲と、「中程度に高い」発現範囲とを含む場合があり、この場合、中程度に高レベルとは、正常レベルよりは大きいが、「極めて高レベル」には満たない発現レベルである。本明細書では、高いHer−2発現(極めて高いHer−2発現および中程度に高いHer−2発現を含めた)の例示的な範囲が示される。
本明細書で用いられる「中程度に高い(moderately high)」、「中程度値」、または「中間の(intermediate)」とは、量が、「低い」量より大きく、かつ、極めて「高い」量より小さいことを指す。例えば、「中間の」は、少なくとも3つのサブグループのうちの1つ以上が、Her−2ホモ二量体対全Her−2比の量の中程度の範囲内に収まることについて記載するのに用いることができる。
本明細書で用いられる「〜する可能性がある」とは、項目、対象、事柄、または患者(person)が生じる確率が高いことを指す。したがって、一例では、トラスツズマブによる治療が奏効する可能性がある被験体は、参照の被験体または被験体群と比べて、トラスツズマブによる治療が奏効する確率が高い。
本明細書で用いられる「長い」とは、期間である量が正常の量より長いこと、所定の量などの標準の量より長いこと、またはあるサブグループの量が別のサブグループの量より相対的に長いことを指す。例えば、患者の寿命との関連で、増悪までの期間が長いとは、無増悪期間が、代表的な(normal)無増悪期間(time progression)よりも長いことを指す。増悪までの期間が長いかどうかは、当業者に利用可能な任意の方法により決定することができる。「長い」は、例えば、無増悪も包含しうる。一実施形態では、「長い」とは、期間が、疾患において重要事象が生じるのに必要な時間経過の中央値より長いことを指す。
「低い」とは、量が正常の量より小さいこと、所定の量などの標準の量より小さいこと、またはあるサブグループの量が別のサブグループの量より比較的小さいことを指す用語である。例えば、低Her−2とは、Her−2陽性である特定の患者試料セットにおいて、Her−2量が、正常のHer−2量より小さいことを意味する。正常のHer−2量は、当業者に利用可能な任意の方法により決定することができる。低Her−2はまた、量が、所定のカットオフなど、所定の量より小さい方法を指す場合もある。低Her−2はまた、低Her−2であるサブグループが、別のサブグループより比較的低い場合の量も意味することがある。例えば、限定なしに、本明細書によれば、中央値などであるがこれに限定されない、数学的に決定された点の近傍で試料を分割し、このようにして、その量が高い別の群に関して、その量が低い(すなわち、中央値より小さい)群を創出することにより、2つの異なる患者サブグループを創出することができる。例えば、VERATAG(登録商標)、または、HercepTest(登録商標)方法など、任意の標準的な免疫組織化学(IHC)法などであるがこれらに限定されない、当業者に公知の任意の方法により、Her−2を測定することができる。別の例として、低Her−2ホモ二量体とは、Her−2陽性である特定の患者試料セットにおいて、Her−2ホモ二量体量が、正常のホモHer−2二量体量より小さいことを指す。低Her−2ホモ二量体はまた、量が、所定のカットオフなど、所定の量より小さいことも意味する場合がある。低Her−2ホモ二量体はまた、低Her−2ホモ二量体であるサブグループが、別のサブグループのHer−2ホモ二量体より比較的低い場合の量も意味することがある。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)法、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)法、近接ライゲーションアッセイ(PLA)法、二量体特異的抗体もしくはVERATAG(登録商標)、または当業者に周知の他の任意の方法など、当技術分野で公知の任意の方法により、Her−2ホモ二量体を測定することができる。別の例として、低Her−2ホモ二量体対全Her−2比とは、1つ以上のサブグループのHer−2ホモ二量体対全Her−2比の量が、中間のまたは高いサブグループの比より小さいことを指す。低Her−2ホモ二量体対全Her−2比は、当業者に利用可能な任意の個々の定量的方法により決定することができる。本明細書では、低Her−2発現値の例示的な範囲が示される。
本明細書で用いられる「分子タグ」とは、分離される分子間における、電気泳動移動度、分子量、形状、溶解性、pKa、疎水性、電荷、電荷/質量比、極性などが含まれるがこれらに限定されない、1つ以上の、物理的、化学的、または光学的差違に基づき、他の分子から識別することができる分子を指す。一態様では、複数の分子タグまたは分子タグのセットは、電気泳動移動度および光学的検出特性において異なり、電気泳動により分離することができる。別の態様では、複数の分子タグまたは分子タグのセットが、分子量、形状、溶解性、pKa、疎水性、電荷、極性において異なり、正相もしくは逆相のHPLC、イオン交換HPLC、キャピラリー電気クロマトグラフィー、質量分析、気相クロマトグラフィーなどの技法により分離することができる。
本明細書で用いられる「最適のカットオフ」とは、2つの属性カテゴリー間の最良の識別を可能とする、特定の属性を示す被験体についての所定の量を指す。例えば、最適のカットオフ値を見出すことにより、高いH2T発現および低いH2T発現など、OSを決定するための2つのカテゴリー間の最良の識別が可能となる。最適のカットオフを用いて、これより低い値、またはその最適のカットオフより高い値を示す被験体を分けて、予測モデルを最適化する、例えば、該モデルの特異性を最大化するか、該モデルの感度を最大化するか、転帰の差違を最大化するか、またはハザード比もしくは反応(response)の差違に由来するp値を最小化するなどであるがこれらに限定されない。
「全生存期間」または「OS」とは、治療の開始から死亡または打ち切りまでに測定される期間を指す。打ち切りは、試験の終了または治療の変更から生じうる。全生存期間とは、例えば、治療の開始から死亡または打ち切りまでの期間である特定の期間において生存する、キャプラン−マイヤープロットで表わされる場合の確率などの確率を指す場合がある。
「光増感剤」とは、光により活性化されると、酸素分子を一重項酸素に転換する、光吸収分子を意味するものとする。
「RECIST」とは、「固形腫瘍における効果の評価基準」を表わす頭字語を意味するものとし、これは、治療期間において、癌患者が、改善する場合(「奏効」)、同じ状態にとどまる場合(「安定」)、または増悪する場合(「増悪」)を定義する一連の公表規則である。RECIST基準により定義される効果(response)は、例えば、Journal of the National Cancer Institute、92巻、3号、2000年2月2日において公表されており、RECIST基準は、他の同様に公表された定義および規則のセットを包含しうる。当業者であれば、「PR」、「CR」、「SD」、および「PD」など、本明細書で用いられるRECIST基準に準拠する定義を理解する。
「相対蛍光単位」または「RFU」は互換的に用いられ、標準値と比較した人為の蛍光単位を用いる、特定のキャピラリー電気泳動ピークの時間による積分を指すものとする。VERATAG(登録商標)の場合、RFUは、キャピラリー電気泳動に注入されたVERATAG(登録商標)の濃度に比例するが、例えば、注入およびキャピラリーの差違により、ある予測されるばらつきが導入される。
「相対ピーク面積」または「RPA」は互換的に用いられ、特定のVERATAG(登録商標)によるRFUと、既知および一定の濃度による、既知の内部蛍光標準によるRFUとの比を指すものとする。
本明細書で用いられる通り、治療の「有効性」、治療が「奏効する」、ならびにこの動詞の他の形態は、Her−2作用剤による治療に対する被験体の反応を指す。例として、被験体における腫瘍の増殖が約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上遅延すれば、Her−2作用剤による治療が被験体に奏効する。別の例では、被験体における腫瘍が、任意の適切な量、例えば、質量または容量により決定したときに約5%、10%、20%、30%、40%、50%以上縮小すれば、Her−2作用剤による治療が被験体に奏効する。別の例では、被験体の予測寿命が、治療薬を投与しない場合に予測される予測寿命より約5%、10%、20%、30%、40%、50%以上長くなれば、Her−2作用剤による治療が被験体に奏効する。別の例では、被験体の無病生存期間、全生存期間、または無増悪期間が長くなれば、Her−2作用剤による治療が被験体に奏効する。上記の通り、RECIST基準を含め、いくつかの方法を用いて、治療が患者に奏効するかどうかを判定することができる。
「試料」または「組織試料」または「患者試料」または「患者の細胞試料もしくは組織試料」または「被検物」は各々が、被験体または患者の組織から得られる同様の細胞の回収物を指す。組織試料の供給源は、新鮮な内臓試料もしくは組織試料、凍結および/もしくは保存した内臓試料もしくは組織試料、または生検もしくは吸引物などに由来する固体組織の場合もあり;血液または任意の血液構成成分の場合もあり;脳脊髄液、羊水、腹水、または間質液などの体液の場合もあり;被験体の妊娠または発達の任意の時点に由来する細胞の場合もある。組織試料は、防腐剤、抗凝固剤、バッファー、固定剤、栄養物、抗生物質などのような、天然の組織と天然では混合しない化合物を含有しうる。細胞は、FFPE法など、従来の方法により固定することができる。
本明細書で用いられる「短い」とは、期間である量が正常の量より短いこと、所定の量などの標準の量より短いこと、またはあるサブグループの量が別のサブグループの量より相対的に短いことを指す。例えば、患者の寿命との関連で、増悪までの期間が短いとは、無増悪期間が代表的な(normal)無増悪期間(time progression)より短いことを指す。増悪までの期間が短いかどうかは、当業者に利用可能な任意の方法により決定することができる。一実施形態では、「短い」とは、疾患において重要事象が生じるのに必要な時間経過の中央値より短い期間を指す。
本明細書で用いられる「重要事象」とは、当業者により重要であると判定される、患者の疾患における事象を指すものとする。重要事象の例には、例えば、初回の診断、死亡、再発、患者の疾患が転移性であるという判定、患者の疾患の再発、または患者の疾患が、上記で言及した病期のうちの任意の1つから別の病期に進行することが含まれるがこれらに限定されない。重要事象とは、OS、TTPを評価するのに用いられ、かつ/または当業者により判定される通り、RECISTもしくは他の効果判定基準を用いてOS、TTPを評価するのに用いられる任意の重要な事象でありうる。
本明細書で用いられる「被験体」および「患者」という用語は、互換的に用いられる。本明細書で用いられる「被験体(subject)」および「被験体(subjects)」は、動物、好ましくは霊長動物以外(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ロバ、ヤギ、ラクダ、ネコ、イヌ、モルモット、ラット、マウス、またはヒツジ)と、霊長動物(例えば、カニクイザルなどのサル、ゴリラ、チンパンジー、またはヒト)とを含めた哺乳動物を指す。
本明細書で用いられる「時間経過」とは、初期事象と後続事象との間の期間の量を指すものとする。例えば、患者の癌の場合、時間経過は、患者の疾患に関し、疾患の進行における重要事象を判断することにより測定することが可能であり、例えば、最初の事象が診断であり、後続事象が転移でありうる。
「無増悪期間」または「TTP」とは、治療の開始から癌の増悪または打ち切りまでに測定される期間を指す。打ち切りは、試験の終了から生じる場合もあり、治療の変更から生じる場合もある。無増悪期間はまた、例えば、キャプラン−マイヤープロットなどにおける確率としても表わすことができ、この場合、無増悪期間は、治療の開始から増悪または打ち切りまでの間の期間である特定の期間にわたり無増悪である確率を表わしうる。
「治療する」、「治療」、およびこの語の他の形態は、Her−2作用剤を投与して、癌の増殖を阻害し、癌の重量もしくは容積を縮小させ、被験体の予測生存期間および/または腫瘍の無増悪期間を延長させることなどを指す。
「〜する可能性がない」とは、項目、対象、事柄、または患者が生じる確率が低いことを指す。したがって、トラスツズマブに加えたパクリタキセルによる治療が奏効する可能性がない被験体は、参照の被験体または被験体群と比べて、パクリタキセルおよびトラスツズマブによる治療が奏効する確率が低い。
したがって、本発明の実施形態は、Her−2作用剤による治療が、癌を有する被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定する方法、ならびに/または癌を有する被験体における疾患の時間経過および/もしくは該疾患の時間経過において重要事象が生じる確率を予測する方法を提供する。特定の実施形態では、方法は、本明細書に記載されるHer−2作用剤による治療の有効性と関連するバイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せを検出するステップと、該Her−2作用剤による治療が被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定するステップとを含む。特定の実施形態では、方法は、バイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せを検出するステップと、癌を有する被験体における疾患の増悪と関連する疾患の時間経過、または該疾患の時間経過において重要事象が生じる確率を予測するステップとを含む。
一態様では、本発明は、Her−2作用剤による治療が、癌を有する被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、疾患の時間経過を予測する方法を対象とする。別の態様では、本方法は、疾患の時間経過において重要事象が生じる確率を予測する方法を対象とする。
特定の実施形態では、患者の疾患の進行における重要事象間の期間を決定することにより、時間経過を測定し、測定により、患者が長い時間経過を有するかどうかが予測される。例えば、好ましい実施形態では、重要事象は、初回の診断から死亡までの増悪である。好ましい実施形態では、重要事象は、初回の診断から転移性疾患までの増悪である。好ましい実施形態では、重要事象は、初回の診断から再発までの増悪である。好ましい実施形態では、重要事象は、転移性疾患から死亡までの増悪である。好ましい実施形態では、重要事象は、転移性疾患から再発までの増悪である。好ましい実施形態では、重要事象は、再発から死亡までの増悪である。特定の実施形態では、全生存率、無増悪期間との関連で、かつ/またはRECIST基準もしくは他の効果判定基準を用いて、時間経過を測定する。
特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料においてHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を検出するステップを含み、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。
したがって、特定の実施形態では、本発明は、被験体に由来する生物学的試料におけるHer−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量の相対レベルを、Her−2作用剤による治療が該被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付ける方法であって、(a)該被験体の癌に由来する生物学的試料において、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量を検出するステップと;(b)該Her−2またはHer−2ホモ二量体の量を、Her−2作用剤による治療が該被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付けるステップとを含む方法を含む。
特定の実施形態では、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、第1の閾値レベル以上であれば、Her−2作用剤が奏効する可能性があると被験体が予後診断される。加えて、かつ/または代替的に、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上であれば、Her−2作用剤が奏効する可能性がないと被験体が予後診断される。
また、特定の実施形態では、複数の被験体試料を、少なくとも3つのサブグループに分割することにより所定の量を創出し、第1のサブグループは、該Her−2またはHer−2ホモ二量体が低レベルである試料を含み、該低レベルは、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が第1の閾値レベル以下であることを含み、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が該第1の閾値以上である試料は、該Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである試料を含み、次いで、該Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである該試料を、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、該第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上である試料を含む極めて高いサブグループと、該Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、該第1の閾値レベル以上であり、かつ、該第2の閾値レベル以下である試料を含む中程度に高いサブグループとの2つのサブグループに分割する。
本明細書で論じられる通り、特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いてHer−2ホモ二量体の量を測定する。
本発明の各々の方法の特定の実施形態では、高いHer−2発現は、log10H2T≧約1.14〜1.125である。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、高いHer−2発現は、極めて高い発現、および/または中程度に高い発現を含む。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、極めて高いHer−2発現は、log10H2T≧約1.84〜2.21である。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、中程度に高いHer−2発現は、1.14〜1.25と、1.84〜2.21との間である。あるいは、患者コホートおよび/またはモニタリングされる重要事象に応じて、他の範囲(すなわち、本明細書に記載される、最大で約25%大きいかまたは小さい範囲)も用いることができる。
特定の実施形態では、癌は乳癌である。一部の実施形態では、乳癌は、転移性である。一部の実施形態では、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。または、Her−2作用剤に対して感受性でありうる任意の癌をモニタリングすることができる。Her−2作用剤は、任意のHer−2作用剤でありうる。特定の実施形態では、Her−2作用剤は、本明細書に記載される薬剤のうちの1つである。例えば、特定の実施形態では、Her−2作用剤は、トラスツズマブである。
本発明の各々の方法の特定の実施形態では、中程度に高いHer−2サブグループを、少なくとも1つの他のバイオマーカーを発現するサブグループにさらに細分化する。例えば、一部の実施形態では、少なくとも1つの他のバイオマーカーのレベルに基づき、Her−2が中程度量である試料および/またはHer−2が高い試料を、少なくとも2つのサブグループに分割することにより所定の量をもたらす。
代替的な実施形態では、少なくとも1つの他のバイオマーカーは、FOXM1、PRAME、Bc12、STK15、CEGP1、Ki−67、GSTM1、CA9、PR、BBC3、NME1、SURV、GATA3、TFRC、YB−1、DPYD、GSTM3、RPS6KB1、Src、Chk1、ID1、EstR1、p27、CCNB1、XIAP、Chk2、CDC25B、IGF1R、AK055699、P13KC2A、TGFB3、BAGI1、CYP3A4、EpCAM、VEGFC、pS2、hENT1、WISP1、HNF3A、NFKBp65、BRCA2、EGFR、TK1、VDR、Contig51037、pENT1、EPHX1、IF1A、CDH1、HIFlα、IGFBP3、CTSB、Her3、DIABLO、VEGF、CD31、KDR、またはp95のうちの少なくとも1つを含む。
例えば、特定の実施形態では、中程度に高いサブグループを、Her−3発現に基づきさらに分割し、高いレベルは、Her−3が第1の閾値レベル以上であることを含み、低レベルは、Her−3が該第1の閾値レベルを下回ることを含み、該Her−2作用剤は、該少なくとも1つのHer−2および/もしくはHer−2二量体が中程度に高いレベルであり、かつ、Her−3が低いレベルである被験体に奏効する可能性があり、かつ/または該Her−2作用剤は、該少なくとも1つのHer−2および/もしくはHer−2二量体が中程度に高いレベルであり、かつ、Her−3が高いレベルである被験体に奏効する可能性がないかもしくは可能性が低い。Her−3を測定する場合は、Her−3発現が、Her−3、Her−3ホモ二量体、またはHer−3ヘテロ二量体(例えば、Her−2/Her−3)を含みうる。
特定の実施形態では、アッセイを、VERATAG(登録商標)アッセイにより実施する。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECISTもしくは他の効果判定基準を用いて測定する。
特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を検出するステップを含み、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が、中程度に高い(例えば、中程度量)、患者群を、高いHer−3発現体および低いHer−3発現体にさらに細分化しうる。この実施形態では、Her−2作用剤が、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高く、Her−3が低い患者に奏効し、かつ/または患者は長い時間経過を有する。代替的な実施形態では、Her−3発現は、Her−3、Her−3ホモ二量体、またはHer−3/Her−2ヘテロ二量体の発現でありうる。
Her2およびHer3の両方を測定する特定の実施形態では、癌は乳癌である。一部の実施形態では、乳癌は、転移性である。他の実施形態では、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。または、Her−2作用剤に対して感受性である他の癌をモニタリングすることができる。Her−2作用剤は、任意のHer−2作用剤でありうる。特定の実施形態では、Her−2作用剤は、本明細書に記載される薬剤のうちの1つである。例えば、特定の実施形態では、Her−2作用剤は、トラスツズマブである。特定の実施形態では、アッセイを、VERATAG(登録商標)アッセイにより実施する。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECISTもしくは他の効果判定基準を用いて測定する。
特定の実施形態では、患者試料を、少なくとも2つの患者サブグループに分割することにより所定の量を創出する。特定の実施形態では、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が極めて高い患者サブグループと、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が低いサブグループと、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高い(すなわち、中程度量である)サブグループとに患者試料が分割されるように、サブグループの数が3つである。次いで、各々のサブグループを、そのHer−3が高量または中程度量であるサブグループにさらに細分化することができる。
Her−2ホモ二量体レベルは、全Her−2レベルと密接に相関しうる。したがって、本発明の各々の方法の特定の実施形態では、被験体におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を、極めて高いサブグループ、中程度に高いサブグループ、または低いサブグループのうちの少なくとも1つと比較する。患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現が低ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性がある。患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者は短い時間経過を有する可能性がある。特定の実施形態では、サブグループ数が2つより多く、3つのサブグループ、4つのサブグループ、5つのサブグループ、および6つのサブグループが含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECIST基準を用いて測定する。特定の好ましい実施形態では、Her−2作用剤が、トラスツズマブである。
特定の実施形態では、所定の量が、最適のカットオフである。このような最適のカットオフは、本明細書で開示されており、本発明の特定の実施形態は、本明細書で言及および開示される量に近似される量を包含することを意味する。特定の実施形態では、被験体におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を、最適のカットオフと比較して、該患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高ければ(例えば、1.14〜1.25 H2Tと、1.84〜2.21 H2Tとの間)、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性がある。別の実施形態では、Her−2量が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性がある。別の実施形態では、Her−2量が高く、Her−2ホモ二量体の量が低く、かつ/またはHer−2ホモ二量体対Her−2比が低値であれば、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性がある。別の実施形態では、Her−2量が高く、Her−2二量体の量が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性がある。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤による治療がHer−2陽性癌を有する被験体に奏効し、かつ/または疾患の時間経過が長いかどうかを判定する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、Her−2陽性癌を有する被験体における疾患の時間経過を予測する方法を対象とする。別の態様では、本発明は、Her−2陽性癌を有する被験体において重要事象が生じる確率を予測する方法を対象とする。
例えば、本発明は、癌を有し、Her−2作用剤により治療されている被験体に重要事象が生じる可能性があるかどうかを予測する方法であって、(a)該被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量を検出するステップと;(b)該Her−2またはHer−2ホモ二量体の量を、該被験体に重要事象が生じる可能性と関連付けるステップとを含む方法を含み得る。
ある実施形態では、重要事象が、癌についての診断と、初回の診断、1つの病期からより進行した病期への癌の増悪、転移性疾患への増悪、再発、手術、または死亡のうちの少なくとも1つとの間の期間が短縮されることである。また、特定の実施形態では、方法は、重要事象が生じうる間の時間経過を予測するステップもさらに含みうる。
ある実施形態では、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、第1の閾値レベル以下であれば、Her−2作用剤が、被験体に奏効する可能性が低いことが重要事象である。加えて、かつ/または代替的に、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量が、第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上であれば、Her−2作用剤が奏効する可能性がないと被験体が予後診断される。
好ましい実施形態では、患者の疾患の進行における重要事象間の期間を決定することにより、時間経過を測定し、測定により、患者が長い時間経過を有するかどうかが予測される。一実施形態では、重要事象は、初回の診断から死亡までの増悪である。別の実施形態では、重要事象は、初回の診断から転移性疾患までの増悪である。さらに別の実施形態では、重要事象は、初回の診断から再発までの増悪である。別の実施形態では、重要事象は、転移性疾患から死亡までの増悪である。別の実施形態では、重要事象は、転移性疾患から再発までの増悪である。別の実施形態では、重要事象は、再発から死亡までの増悪である。特定の実施形態では、全生存率、無増悪期間との関連で、かつ/またはRECISTもしくは他の効果判定基準を用いて、時間経過を測定する。
特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料においてHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定するステップを含み、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が高く、および/または中程度に高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。特定の実施形態では、生物学的試料は、FFPEを含む。特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。他の実施形態では、癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。または、Her−2作用剤に対して感受性である他の癌をモニタリングすることができる。本明細書で言及する通り、Her−2作用剤は、公知の薬剤のうちの1つでありうる。特定の実施形態では、Her−2作用剤は、トラスツズマブである。または、他のHer−2作用剤も用いることができる。
特定の実施形態では、Her−2量を測定する。特定の実施形態では、Her−2ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いてHer−2ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、アッセイが、VERATAG(登録商標)アッセイである。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECIST基準を用いて測定する。
特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量のほか、Her−3および/またはHer−3ホモ二量体の量も測定するステップを含み、該Her−3および/またはHer−3ホモ二量体の量が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。特定の実施形態では、生物学的試料は、FFPEを含む。特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。または、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)でありうる。または、Her−2作用剤に対して感受性である他の癌をモニタリングすることができる。本明細書で言及する通り、Her−2作用剤は、公知であり、かつ/または本明細書に記載される薬剤のうちの1つでありうる。特定の実施形態では、Her−2作用剤は、トラスツズマブである。
特定の実施形態では、Her−3ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いてHer−3ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、アッセイが、VERATAG(登録商標)アッセイである。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECIST基準を用いて測定する。
特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料においてHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定するステップを含み、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高ければ(すなわち、中程度量)、該生物学的試料を、Her−3、Her−3ホモ二量体、またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体の発現でありうるHer−3発現体の量についてさらに解析する。患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現体の量が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。逆に、患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現体の量が低ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者は短い時間経過を有する。特定の実施形態では、生物学的試料は、FFPEを含む。特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。または、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)でありうる。または、Her−2作用剤が奏効する他の任意の癌をモニタリングすることができる。本明細書で言及する通り、Her−2作用剤は、公知であり、かつ/または本明細書に記載される薬剤のうちの1つでありうる。特定の実施形態では、Her−2作用剤は、トラスツズマブである。特定の実施形態では、アッセイは、VERATAG(登録商標)アッセイである。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECIST基準を用いて測定する。
特定の実施形態では、患者試料を、少なくとも2つの患者サブグループに分割することにより所定の量を創出する。特定の実施形態では、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が高い患者サブグループと、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が低いサブグループとに患者試料が分割されるように、サブグループの数が3つである。特定の実施形態では、高いHer−2サブグループを、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が極めて高いサブグループと、そのHer−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高い(すなわち、中程度量)サブグループとに分割する。ある実施形態では、被験体におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を、極めて高いサブグループ、中程度に高いサブグループ、または低いサブグループのいずれかと比較する。患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性がある。患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が極めて高いかまたは低ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者は短い時間経過を有する可能性がある。
別の実施形態では、患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現体の量が高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者は短い時間経過を有する。別の実施形態では、患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高く、Her−3発現体の量が低ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性がある、かつ/または該患者は長い時間経過を有する。特定の実施形態では、サブグループ数が3つより多く、4つのサブグループ、5つのサブグループ、および6つのサブグループが含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECIST基準を用いて測定する。特定の実施形態では、Her−2作用剤が、トラスツズマブである。
特定の実施形態では、所定の量(measure)は、最適のカットオフである。このような最適のカットオフは、本明細書で開示されており、本発明の特定の実施形態は、本明細書で言及および開示される量(amount)に近似される量(amount)を包含することを意味する。特定の実施形態では、被験体におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を、最適のカットオフと比較する;該患者におけるHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が高いかまたは中程度に高ければ、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または該患者の時間経過が長い可能性がある。別の実施形態では、Her−2量が高く、Her−2ホモ二量体の量が低く、かつ/またはHer−2ホモ二量体対Her−2比が低値であれば、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または時間経過が長い可能性がある。別の実施形態では、Her−2量が高く、Her−2ホモ二量体の量が高く、かつ/またはHer−2ホモ二量体対Her−2比が高値であれば、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性があり、かつ/または時間経過が長い可能性がある。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤による治療が、Her2陽性癌を有する被験体に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者の時間経過が短い可能性があるかどうかを判定する方法を提供する。特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料においてHer−2量を検出するステップを含み、該Her−2量が低ければ、Her2作用剤による治療が該被験体に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者が短い時間経過を有する可能性がある。特定の実施形態では、Her2作用剤は、トラスツズマブである。
本発明により、Her−2発現および/もしくはHer−2ホモ二量体の量、ならびに/またはHer−3発現の量および/もしくはHer−3ホモ二量体の量、ならびに/またはHer−3発現の量および/もしくはHer−3ホモ二量体の量、ならびに/またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体の量を決定するのに有用であることが当業者に公知である任意の方法を用いることができる。例えば、このような発現の量または二量体の量を決定する任煮の定量的アッセイを用いて、細胞または癌によりどのくらいの量のシグナルが発生するかを決定することができ、次いで、該シグナルを、VERATAG(登録商標)アッセイで発生したシグナルと比較して、2つのアッセイ間における一致を判定する。このような方法には、FRET法、BRET法、生体分子蛍光補完法、および近接ライゲーションアッセイ法が含まれうるが、必ずしもこれらに限定されない。
特定の実施形態では、癌を有する被験体に由来する生物学的試料を、切断可能な結合により分子タグがそれに結合している結合化合物、および切断誘導部分を有する切断プローブと接触させ、分子タグが放出されるかどうか、およびどの分子タグが放出されるかを検出することにより、量を決定する。図1は、このようなFFPE VERATAG(登録商標)アッセイの概要を示すものであり、この場合、組織切片を固定し(上パネルまたは第1のパネル)、次いで、これを、切断誘導剤(切断ツールとして示す)を有する第1の抗体、および検出可能部分(ETAG(登録商標))に連結した第2の抗体に結合させ(第2のパネル)、光(hν)により切断誘導剤を光誘導し(第3のパネル)、電気泳動によりe−Tag(複数可)を分離し(第4のパネル)、データを読み取る(下パネルまたは第5のパネル)。
特定の実施形態では、結合化合物および切断プローブの各々が、Her−2またはHer−3に特異的に結合する。特定の実施形態では、切断プローブおよび結合プローブの両方が、同じエピトープに結合することはない。特定の実施形態では、結合化合物が、切断プローブの切断誘導部分の有効近接距離内にあれば、分子タグが放出されるように、切断誘導部分により切断可能なリンカーが切断される。特定の実施形態では、Her−2ホモ二量体、Her−3ホモ二量体、またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体が存在すれば放出される分子タグが、Her−2単量体および/またはHer−3単量体が存在すれば放出される分子タグから識別される。全Her−2および/またはHer−2ホモ二量体を検出するアッセイによりHer−2を検出する例は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる共有特許である、米国特許出願公開第2009/0191559号に示されている。同様の戦略を用いて、Her−3、p−95など、他のバイオマーカーを測定することができる。
特定の実施形態では、切断誘導部分を活性化することにより、切断可能なリンカーを切断する。特定の実施形態では、結合化合物は、Her−2エピトープまたはHer−3エピトープに特異的に結合する。特定の実施形態では、結合化合物は、抗体または抗原結合断片を含む。特定の実施形態では、結合化合物は、Her−2のリガンド結合部位またはHer−3のリガンド結合部位に特異的に結合する。特定の実施形態では、結合化合物は、Her−2リガンドおよび/またはHer−3リガンドを含む。特定の実施形態では、結合化合物および切断プローブは、同じHer−2エピトープおよび/またはHer−3エピトープに結合する。
特定の実施形態では、1つは切断剤を伴い、1つはタグを伴う、2つの異なる抗体を用いる全Her−2の測定を示す図2Aと、切断剤または結合部分のいずれかをどちらか一方に結合させた単一の抗体を用いるHer−2二量体の測定を示す図2Bとにおいて例示される通り、1つ以上のHer−2ホモ二量体、Her−3ホモ二量体、またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体の量を測定するステップは、以下のステップ:(i)1つ以上のHer−2ホモ二量体の各々に対して、1または複数のHer−2ホモ二量体のうちの各々における第1のHer−2タンパク質に特異的な切断プローブ(例えば、図2Aにおける抗体15、および図2Bにおける抗体8)を供給するステップであって、各切断プローブが、有効近接距離を有する切断誘導部分を有するステップ;(ii)各結合化合物が1つ以上の分子タグを有し、その分子タグ各々は切断可能な結合によってそれに結合しており、かつ、異なる結合化合物に結合している1つ以上の分子タグが異なる分離特性を有し、分離したとき、異なる結合化合物に由来する分子タグが、分離プロファイルにおいて異なるピークを形成するように、1つ以上のHer−2ホモ二量体のうちの各々の第2のタンパク質に特異的な、1つ以上の結合化合物(例えば、図2Aおよび図2Bの両方における抗体8)を供給するステップ;(iii)切断プローブが、Her−2ホモ二量体の第1のタンパク質に特異的に結合し、結合化合物が、Her−2ホモ二量体の第2のタンパク質に特異的に結合し、結合化合物の切断可能な結合が、切断プローブの切断誘導部分の有効近接距離内に入って、分子タグが放出されるように、切断プローブと、結合化合物と、1つ以上の複合体とを混合するステップ;(iv)放出された分子タグを分離および同定して、Her−2ホモ二量体の存在もしくは不在または量を決定するステップを含む。
特定の実施形態では、1つ以上のHer−2ホモ二量体、Her−3ホモ二量体、またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体の量を測定するステップは、以下のステップ:(i)1つ以上のHer−2ホモ二量体の各々に対して、1または複数のHer−2ホモ二量体のうちの各々における第1のHer−2タンパク質に特異的な切断プローブを供給するステップであって、各切断プローブが、有効近接距離を有する切断誘導部分を有するステップ;(ii)各結合化合物が1つ以上の分子タグを有し、その分子タグ各々は切断可能な結合によってそれに結合しており、かつ、異なる結合化合物に結合している1つ以上の分子タグが異なる分離特性を有し、分離したとき、異なる結合化合物に由来する分子タグが、分離プロファイルにおいて異なるピークを形成するように、1つ以上のHer−3ホモ二量体のうちの各々の第2のタンパク質に特異的な、1つ以上の結合化合物を供給するステップ;(iii)切断プローブが、Her−3ホモ二量体の第1のタンパク質に特異的に結合し、結合化合物が、Her−3ホモ二量体の第2のタンパク質に特異的に結合し、結合化合物の切断可能な結合が、切断プローブの切断誘導部分の有効近接距離内に入って、分子タグが放出されるように、切断プローブと、結合化合物と、1つ以上の複合体とを混合するステップ;(iv)放出された分子タグを分離および同定して、Her−3ホモ二量体の存在もしくは不在または量を決定するステップを含む。
Her−2およびHer−3に特異的な切断プローブおよび結合プローブを用いて、例えば、Her−2に特異的な切断プローブと、Her−3に特異的な結合プローブとを用いて、かつ/またはHer−3に特異的な切断プローブと、Her−2に特異的な結合プローブとを用いて、Her−2/Her−3ヘテロ二量体を同様に決定することができる。
本発明は、Her−2作用剤に関する。Her−2作用剤は、当業者に公知の任意のこのような薬剤でありうる。特定の実施形態では、Her2作用剤は、4D5、トラスツズマブ、AEE−788、およびラパチニブからなる群から選択される。好ましい実施形態では、Her−2作用剤は、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))である。例えば、Goldenberg、1999年、Clin Ther. 21巻:309〜18頁;およびShak、1999年、Semin Oncol. 26巻:71〜7頁を参照されたい。また、本明細書に記載される方法を用いて、他のHer−2作用剤も評価することができる。
バイオマーカーとして用いるのに適するHer−2、および/またはHer−2ホモ二量体、および/またはHer−3、および/またはHer−3ホモ二量体、および/またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体を含有する試料は、細胞培養物、動物組織または植物組織、患者生検などを含め、多種多様な供給源に由来しうる。試料は、ヒト患者試料であることが好ましい。試料がそこから採取される供給源に依存しうる、従来の技法を用いる本発明のアッセイに応じて、試料を調製する。生検および医学的被検物については、以下の参考文献:Bancroft JDおよびStevens A編、1977年、「Theory and Practice of Histological Techniques」、Churchill Livingstone、Edinburgh; Pearse、1980年、「Histochemistry. Theory and applied」、第4版、Churchill Livingstone、Edinburghにおいて、指針が示されている。
癌性疾患状態の領域において、用いうる患者組織試料の例には、乳房組織、前立腺組織、卵巣組織、結腸組織、肺組織、子宮内膜組織、胃組織、唾液腺組織、または膵臓組織が含まれるがこれらに限定されない。組織試料は、手術による切除、吸引、または生検を含め、各種の手順により得ることができる。組織は、新鮮試料の場合もあり、凍結試料の場合もある。一実施形態では、固定され、パラフィンに包埋された組織試料に対して本発明のアッセイを実施し、脱パラフィンのステップを実施する。従来の方法により、組織試料を固定(すなわち、保存)することができる。例えば、Lee G. Luna, HT(ASCP)編、1960年、「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」、第3版、The Blakston Division、McGraw−Hill Book Company、New York; Ulreka V. Mikel編、1994年、「The Armed Forces Institute of Pathology Advanced Laboratory Methods in Histology and Pathology」、Armed Forces Institute of Pathology、American Registry of Pathology、Washington, D.C.を参照されたい。当業者は、組織を組織学的に染色するか、または他の形で分析する目的により、固定剤の選択が決定されることを理解する。当業者はまた、固定化の長さが、組織試料のサイズ、ならびに用いられる固定剤に依存することも理解する。
一般に、まず、組織試料を固定し、次いで、濃度を上昇させた一連のアルコールにより脱水し、組織試料を切片化しうるように、パラフィンまたは他の切片化媒体を浸透させてこれにより包埋する。代替的に、組織を切片化し、得られた切片を固定することもできる。例示目的で、上記に示した参考文献により説明される従来の技法に従う従来の方法により、組織試料をパラフィンに包埋および加工することができる。用いうるパラフィンの例には、Paraplast、Broloid、およびTissuemayが含まれるがこれらに限定されない。組織試料を包埋したら、従来の技法により、ミクロトームにより試料を切片化することができる。切片は、厚さが約3ミクロン〜約12ミクロンの範囲であり、約5ミクロン〜約10ミクロンの範囲の厚さであることが好ましい。一態様では、切片が、約10mm〜約1cmの面積でありうる。切断したら、数種の標準的な方法により、切片をスライドに付着させることができる。スライド接着剤の例には、シラン、ゼラチン、およびポリ−L−リシンが含まれるがこれらに限定されない。パラフィン包埋された切片は、正に帯電したスライド、および/またはポリ−L−リシンによりコーティングされたスライドに付着させることができる。
パラフィンを包埋材料として用いた場合は、一般に、バイオマーカーを検出する前に、組織切片を脱パラフィンおよび再水和する。従来の数種の標準的な方法により、組織切片を脱パラフィンすることができる。例えば、上記の参考文献により説明される従来の技法により、キシレンと、段階的に濃度を低下させる一連のアルコールとを用いることができる。代替的に、Hemo−De(登録商標)(テキサス州、ヒューストン、CMS社製)など、市販の非有機の脱パラフィン剤を用いることもできる。
従来の細胞溶解法(例えば、0.14M NaCl、1.5mM MgCl、10mMトリス−Cl(pH8.6)、0.5%Nonidet P−40、および、必要に応じてプロテアーゼ阻害剤ならびに/またはホスファターゼ阻害剤)により、哺乳動物組織培養細胞または新鮮組織もしくは凍結組織を調製することができる。新鮮な哺乳動物組織の場合、試料調製はまた、粉砕(crusing)、ミンチ化(mincing)、すりつぶし(grinding)、または超音波処理など、組織の脱凝集(tissue disaggregation)ステップも包含する。
放出可能な分子タグを用いて二量体集団を測定することにより、(1)放出された分子タグをアッセイ混合物から分離することにより、バックグラウンドが大幅に軽減され、感度が大幅に増大すること;ならびに(2)分離および検出を容易にするために特にデザインされた分子タグを用いることにより、同じアッセイにおいて同時に、受容体複合体の複数の成分を容易に測定しうるような、簡便な多重化能がもたらされることを含め、多くの利点がもたらされる。このようなタグを用いるアッセイは、各種の形態を取ることが可能であり、以下の参考文献:それらの各々が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第7,105,308号;同第6,627,400号;米国特許出願公開第2002/0013126号;同第2003/0170915号;同第2002/0146726号;および同第2009/0191559号;ならびに国際特許公開第WO2004/011900号において開示されている。例えば、電気泳動移動度、分子量、形状、溶解性、pKa、疎水性、電荷、電荷/質量比、または極性を含め、分離される分子間における、1つ以上の、物理的、化学的、または光学的差違に基づき分子を識別しうる、多種多様な分離法を用いることができる。一態様では、複数の分子タグまたは分子タグのセットが、電気泳動移動度および光学的検出特性において異なり、電気泳動により分離される。別の態様では、複数の分子タグまたは分子タグのセットが、分子量、形状、溶解性、pKa、疎水性、電荷、極性において異なり得、正相もしくは逆相のHPLC、イオン交換HPLC、キャピラリー電気クロマトグラフィー、質量分析、または気相クロマトグラフィーにより分離される。
結合化合物から放出された後で、分離技法により異なるバンドまたはピークに分離されうる、分子タグのセットが供給される。このようなピークを同定および定量化することにより、受容体二量体の存在および/または量の尺度またはプロファイルがもたらされる。セットにおける分子タグは、化学的に多様でありうる;しかし、簡便のため、分子タグのセットは、通常、化学的に類縁である。例えば、それらがすべてペプチドの場合もあり、それらが同じ基本的構成要素(basic building block)または単量体の異なる組合せからなる場合もあり、それらを、異なる置換基を有して異なる分離特性を付与する、同じ基本的足場(basic scaffold)を用いて合成する場合もある。複数の分子タグの数は、用いられる分離方式、検出用分子タグにおいて用いられる標識、結合部分の感度、および切断可能な結合が切断される効率を含め、複数の因子に応じて変化しうる。
組織試料に対して直接なされた測定は、試料における全細胞数、および/または試料における特定の細胞亜型の数を表わす細胞標的または組織標的についての測定を組み入れることにより、正規化することができる。実質的な割合の正常細胞を含みうる患者試料、特に、腫瘍試料においては、細胞および組織が不均質性であるため、さらなる測定が好ましい場合もあり、さらに必要な場合もある。
上記で言及した通り、異なる結合化合物各々が切断可能な結合を介して1つ以上の分子タグを有する、複数の異なる結合化合物を含有する混合物を供給することができる。結合化合物、切断可能な結合、および分子タグの性質は、多様に異なりうる。結合化合物は、抗体結合組成物、抗体、ペプチド、細胞表面受容体に対するペプチドリガンドもしくはペプチド以外のリガンド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸などのオリゴヌクレオチド類似体、レクチン、あるいは、標的タンパク質もしくは標的分子、またはHer−2ホモ二量体など、目的の検体との安定的な複合体形成物に特異的に結合することが可能な他の任意の分子実体を含みうる。一態様では、結合化合物を、以下の式:
B−(L−E)
[式中、Bは、結合部分であり;Lは、切断可能な結合であり;Eは、分子タグである]により表わすことができる。ホモジニアスアッセイでは、切断可能な結合Lが、易酸化結合であり得、より好ましくは、それが一重項酸素により切断されうる結合である。部分「−(L−E)」は、単一の結合化合物が、切断可能な結合を介して複数の分子タグを結合させうることを示す。一態様では、kが1以上の整数であるが、他の実施形態では、kが数百を超える、例えば、100〜500の場合もあり、または、kが数百を超えて最大数千もの数である、例えば、500〜5000の場合もある。通常、複数の異なる種類の結合化合物の各々は、異なる分子タグEを有する。切断可能な結合、例えば、易酸化結合と、分子タグEとは、通常の化学反応によりBに結合している。
Bは、Her−2における抗原決定基などの標的に特異的に結合する抗体結合組成物であることが好ましい。Her−2エピトープに特異的な抗体は、本明細書に記載の実施例で示される。抗体組成物は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である多種多様な市販の抗体から容易に形成することができる。特に、上皮増殖因子受容体に特異的な抗体は、それらの各々が参照によりその全体において組み込まれる、米国特許第5,677,171号;同第5,772,997号;同第5,968,511号;同第5,480,968号;同第5,811,098号において開示されている。参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,599,681号は、タンパク質のリン酸化部位に特異的な抗体について開示している。Cell Signaling Technology社(マサチューセッツ州、ビバリー)、Biosource International社(カリフォルニア州、カマリロ)、およびUpstate社(バージニア州、シャーロッツビル)などの販売元もまた、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を提供している。
切断可能な結合Lは、放出される分子タグEの構造を分解しないし、その検出特性に影響を与えることのない条件下で切断されうる、実質的に任意の化学結合基でありうる。ホモジニアスアッセイフォーマットで切断プローブを用いる場合は常に、切断可能な結合Lが、切断プローブの有効近接距離内にある切断可能な結合だけを切断するように、作用距離が短い切断プローブにより作製される切断剤により切断される。拡散して、切断可能な結合に至り、切断に影響を及ぼす短命の活性種が、このような薬剤によりもたらされるように、反応混合物に物理的または化学的な変化をもたらすことにより、その薬剤を活性化しなければならないことが典型的である。ホモジニアスフォーマットでは、切断剤は抗体などの結合部分に結合することが好ましく、切断剤は、活性化する前に、放出可能な分子タグを伴う結合化合物の近接距離内における特定の部位に対して標的とする。本明細書では、このような実施形態の切断剤を、「切断誘導部分」と称する。
非ホモジニアスフォーマットでは、特異的に結合した結合化合物が、結合しなかった結合化合物から分離されるため、切断可能な結合および切断剤のより広い選択を用いることが可能である。切断可能な結合には、過酸化水素、一重項酸素など、局所的に作用する反応種との反応を受けやすい結合だけでなく、塩基に不安定な結合、光により切断可能な結合、還元により切断可能な結合、酸化により切断される結合、酸に不安定な結合、および特定のプロテアーゼにより切断可能なペプチド結合など、反応混合物全体に作用する薬剤に対して不安定な結合も含まれる。多くのこのような結合について記載する参考文献には、それらの各々が参照により本明細書に組み込まれる、GreeneおよびWuts、1991年、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版、John Wiley & Sons、New York; Hermanson、1996年、「Bioconjugate Techniques」、Academic Press、New York;ならびに米国特許第5,565,324号が含まれる。
一態様では、市販の切断可能な試薬システムを本発明と共に用いることができる。例えば、Pierce Chemical社(イリノイ州、ロックフォード)などの販売元から入手可能な、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)(N−succinimidyl 3−(2−pyridyldithio)propionate (SPDP))、スクシンイミジルオキシカルボニル−α−メチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)(succinimidyloxycarbonyl−α−methyl−α−(2−pyridyldithio)toluene (SMPT))などのヘテロ官能性薬剤を用いて、抗体結合組成物と分子タグとの間に、ジスルフィド結合を導入することができる。このような連結により導入されたジスルフィド結合は、ジチオトレイトール(DTT)、ジチオエリトリトール(DTE)、2−メルカプトエタノール、または水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で処理することにより壊すことができる。ジスルフィド結合を切断する還元剤の典型的な濃度は、10〜100mMの範囲にある。ホモ二官能性NHSエステルによる架橋試薬、過ヨウ素酸ナトリウム(例えば、生理的pHにおいて4時間にわたる15mM過ヨウ素酸塩)による切断を受けやすいcis−ジオール類を中央部に含有する酒石酸ジスクシンイミジル(DST)(Pierce社から入手可能)を用いて、抗体結合組成物と分子タグとの間に、易酸化結合を導入することができる。エステル化されたスペーサー構成要素を含有する結合は、ヒドロキシルアミン、例えば、37℃で3〜6時間にわたる、pH8.5の0.1Nヒドロキシルアミンなど、強力な求核剤により切断することができる。このようなスペーサーは、Pierce社(イリノイ州、ロックフォード)から入手可能な、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)など、ホモ二官能性の架橋剤により導入することができる。塩基に不安定な結合は、スルホン基により導入することができる。切断可能な結合にスルホン基を導入するのに用いうるホモ二官能性の架橋剤には、ビス[2−(スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)、および4,4−ジフルオロ−3,3−ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)が含まれる。切断のための例示的な塩基性条件には、37℃で2時間にわたるインキュベーションを伴う、6M尿素、0.1%SDS、および2mM DTTを含有するトリス塩基を添加することによりpH11.6に調整した、0.1Mリン酸ナトリウムが含まれる。光により切断可能な結合にはまた、米国特許第5,986,076号において開示される結合も含まれる。
Lが易酸化性である場合、Lは、チオエーテルまたはそのセレニウム類似体の場合もあり;オキソ基に対する二重結合が切断されると分子タグEが放出される、炭素間の二重結合を含有するオレフィンの場合もある。例示的な易酸化結合は、それらの各々が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第6,627,400号および同第5,622,929号;ならびに米国特許出願公開第2002/0013126号および同第2003/0170915号において開示されている。
ガスクロマトグラフィーまたは質量分析により複数の分子タグを分離する場合、本発明における分子タグEは、以下の参考文献(例えば、それらの各々が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Zhangら、2002年、Bioconjugate Chem. 13巻:1002〜1012頁; Giese、1983年、Anal. Chem. 2巻:165〜168頁;ならびに米国特許第4,650,750号;同第5,360,819号;同第5,516,931号;および同第5,602,273号を参照されたい)において記載される電気泳動タグを含みうる。
分子タグEは、活性種、とりわけ、一重項酸素に対して安定であり、検出基またはレポーター基を包含する、水溶性の有機化合物であることが好ましい。その他の点において、Eは、サイズおよび構造が多種多様に変化しうる。一態様では、Eの分子量が、約50〜約2500ドルトン、より好ましくは、約50〜約1500ドルトンの範囲にある。Eは、電気化学シグナル、蛍光シグナル、または発色シグナルを発生させる検出基を含みうる。質量による検出を用いる実施形態では、Eは、検出の目的で別個の部分を有し得ない。検出基は、蛍光シグナルを発生させることが好ましい。
複数の分子タグは、各々が、同じ複数タグの他のメンバーに対して、固有の分離特性および/または固有の光学特性を有するように選択される。一態様では、クロマトグラフィーまたは電気泳動における分離特性が、当技術分野における従来の標準的な一連の分離条件(例えば、電圧、カラム圧、カラム種類、移動相、または電気泳動の分離媒体)下における保持時間である。別の態様では、光学特性が、所与の波長または波長バンドにおける発光スペクトル、蛍光寿命、または蛍光強度などの蛍光特性である。蛍光特性は、蛍光強度であることが好ましい。例えば、複数の分子タグのうちの各々は、同じ蛍光発光特性を示しうるが、固有の保持時間により互いとは異なる。他方、複数の分子タグのうちの1つまたは2つまたはそれより多くは、同一の移動時間または保持時間を有しうるが、分子の分離および蛍光の測定を組み合わせることにより、該複数の分子タグのうちのすべてのメンバーが識別可能であるように、それらは、固有の蛍光特性、例えば、スペクトル分解可能な発光スペクトルを有す。
放出された分子タグは、電気泳動による分離、および検出基による蛍光発光によって検出することが好ましい。このような実施形態では、分離条件下で、電気泳動図において異なるピークが形成されるように、実質的に同一の蛍光特性を示す分子タグが、異なる電気泳動移動度を有す。本発明による複数の分子タグは、従来のふるい分けマトリックス(sieving matrix)が存在する場合も、これが不在の場合も、従来のキャピラリー電気泳動装置により分離することが好ましい。電気泳動による分離中において、またはその後において、蛍光シグナルおよび分離される化合物の移動時間(または移動距離)を記録することにより、または相対蛍光発光および分子タグの移動順序についてのチャート(例えば、電気泳動図としての)を構築することにより、分子タグを検出または同定する。分子タグの存在、不在、および/または量は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0170734A1号により開示されている、1つ以上の標準品を用いることにより測定することが好ましい。図3は、本発明の実施形態に従う、電気泳動によるHer−2タグの分離についての例を示す。
また、例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0235832号により開示される通り、分子量、形状、溶解性、pKa、疎水性、電荷、極性などが含まれる、1つ以上の物理的特性に基づく、クロマトグラフィーによる分離を行うための複数の分子タグもデザインすることができる。クロマトグラフィーによる分離技術は、カラムの種類、固相、移動相などのパラメータに基づき選択され、続いて単回の操作において分離されて異なるピークまたはバンドを形成しうる複数の分子タグが選択される。検出される分子タグの数(すなわち、該複数のサイズ)、アッセイにおいて発生する各分子タグの推定量、多重化アッセイにおいて用いられるセットの候補である分子タグを合成する有用性および容易さ、用いられる検出モダリティー、ならびにHPLC装置、カラム、および溶媒の入手可能性、頑健性、費用、および操作の容易さを含め、数種の因子により、本発明で用いるのにどのHPLC法を選択するかが決定される。一般に、限定量の試料を解析するのに適し、最高の解像度による分離をもたらすカラムおよび技法が好ましい。このような選択を行うための指針は、例えば、Snyderら、1988年、「Practical HPLC Method Development」、John Wiley & Sons、New York; Millner、1999年、「High Resolution Chromatography: A Practical Approach」、Oxford University Press、New York; Chi−San Wu、1999年、「Column Handbook for Size Exclusion Chromatography」、Academic Press、San Diego;およびOliver、1989年、「HPLC of Macromolecules: A Practical Approach」、Oxford University Press、Oxford、Englandなどの文献において見出すことができる。
一態様では、分子タグEが、(M、D)[表記中、Mとは、移動度修飾部分(mobility−modifying moiety)であり、Dとは検出部分である]である。「(M、D)」という表記を用いて、そのどちらの部分も切断可能な結合Lに隣接しうるように、M部分およびD部分の順序づけがなされうることを示す。すなわち、「B−L−(M、D)」とは、結合化合物が、2つの形態:「B−L−M−D」または「B−L−D−M」のうちのいずれかであることを示す。
検出部分Dは、蛍光標識または蛍光色素の場合もあり、発色標識または発色色素の場合もあり、電気化学標識の場合もある。Dは、蛍光色素であることが好ましい。本発明と共に用いられる例示的な蛍光色素には、以下の参考文献:著者不詳、2002年、「Handbook of Molecular Probes and Research Reagents」、第8版、Molecular Probes、Eugene、OR;米国特許第6,191,278号;同第6,372,907号;同第6,096,723号;同第5,945,526号;同第4,997,928号;および同第4,318,846号;ならびにLeeら、1997年、Nucleic Acids Research 25巻:2816〜2822頁において開示される、水溶性のローダミン色素類、フルオレセイン類、4,7−ジクロロフルオレセイン類、ベンゾキサンテン色素類、およびエネルギー移動色素類が含まれる。Dは、フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体であることが好ましい。
結合化合物の各々を、異なる分子タグにより個別に誘導体化したら、これを他の結合化合物と共にプールして、複数の結合化合物を形成する。通常、組成物には、各異なる種類の結合化合物が同じ比率で存在するが、特定の実施形態またはアッセイの所望性または必要性に応じ、特定の結合化合物のうちの1つまたはサブセットが、より大きいかまたはより小さな比率で存在するように、デザインの選択として、比率を変化させることができる。このようなデザインの選択に影響を及ぼしうる因子には、特定の標的に対して産生させた抗体の親和性およびアビディティー、標的の相対存在率、分子タグの検出部分の蛍光特性などが含まれるがこれらに限定されない。
切断誘導部分または切断剤とは、好ましくは酸化により、切断可能な結合を切断することが可能な活性種を生成させる基である。活性種とは、その切断誘導効果が、その発生部位の近接距離内だけにおいて存在するように、短寿命の活性を示す化学種である。活性種が創出される近接距離を越えて顕著なバックグラウンドを創出しないように、活性種を固有の形で短命とするか、またはその発生部位からの短距離を越えて、切断可能な結合と反応することが可能でないように、活性種を効果的に除去するスカベンジャーを用いる。例示的な活性種には、一重項酸素、過酸化水素、NADHおよびヒドロキシルラジカル、フェノキシラジカル、スーパーオキサイドなどが含まれる。酸化を引き起こす活性種に対する例示的な抑制剤には、ポリエン類、カロテノイド類、ビタミンE、ビタミンC、チロシン、ヒスチジン、およびグルタチオンのアミノ酸−ピロールN−コンジュゲートが含まれる。例えば、Beutnerら、2000年、Meth. Enzymol. 319巻:226〜241頁を参照されたい。
切断誘導部分および切断可能な結合を用いるアッセイをデザインする際の1つの考慮点は、受容体複合体と結合したとき、切断誘導部分により生成される活性種が切断可能な結合を効果的に切断することが不可能となる程度に遠く、切断誘導部分および切断可能な結合が、互いから引き離されないようにすることである。一態様では、切断可能な結合が、結合した切断誘導部分の約1000nm以内にあることが好ましく、約20〜200nm以内にあることが好ましい。一重項酸素を発生させる、光増感剤の切断誘導部分の場合は、切断可能な結合が、受容体複合体において光増感剤の約20〜100nm以内にあることがより好ましい。本明細書では、切断誘導部分により切断可能な結合が有効に切断されうる(すなわち、検出可能なシグナルを発生させるのに十分な分子タグを切断できる)範囲を、その「有効近接距離」と称する。当業者は、特定の光増感剤の有効近接距離が、特定のアッセイデザインの詳細に依存する場合があり、日常的な実験により決定または改変されうることを認識する。
増感剤とは、反応中間体、または、通常一重項酸素である種を発生させるように誘導されうる化合物である。本発明により用いられる増感剤は、光増感剤であることが好ましい。本発明の範囲内に包含される他の増感剤は、熱、光、イオン化放射、または化学的活性化により励起されると、一重項酸素分子を放出する化合物である。このクラスの化合物のうちで最も周知のメンバーには、1,4−ビスカルボキシエチル−1,4−ナフタレンエンドペルオキシド、9,10−ジフェニルアントラセン−9,10−エンドペルオキシド、および5,6,11,12−テトラフェニルナフタレン−5,12−エンドペルオキシドなどのエンドペルオキシド類が含まれる。これらの化合物を加熱するか、またはこれらの化合物が直接的に光を吸収すると、一重項酸素が放出される。さらなる増感剤については、Di Mascioら、1994年、FEBS Lett. 355巻:287頁;およびKanofsky、1983年、J. Biol. Chem. 258巻:5991〜5993頁; Pierlotら、2000年、Meth. Enzymol. 319巻:3〜20頁により開示されている。
光増感剤は、共有結合または非共有結合により、直接的または間接的にクラス特異的な試薬による結合剤と結合しうる。このような組成物を構築するための指針、特に、結合剤としての抗体についての指針は、例えば、光線力学療法、免疫診断学などの分野の文献において得られる。例示的な指針は、Ullmanら、1994年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91巻、5426〜5430頁; Strongら、1994年、Ann. New York Acad. Sci. 745巻:297〜320頁; Yarmushら、1993年、Crit. Rev. Therapeutic Drug Carrier Syst. 10巻:197〜252頁;ならびに米国特許第5,709,994号;同第5,340,716号;同第6,251,581号;および同第5,516,636号において見出すことができる。
光増感剤を光活性化して一重項酸素を発生させるには、多種多様な光源が利用できる。光源が、実用的な時間内で十分な一重項酸素を生成させるのに十分な強度を示す限りにおいて、多色光源および単色光源の両方を用いることができる。照射の距離は、光増感剤の性質、切断可能な結合の性質、照射光源の出力、および試料からの照射光源の距離に依存する。一般に、照射時間は、約マイクロ秒間未満〜最長約10分間であることが可能であり、通常、約1ミリ秒間〜約60秒間の範囲内である。照射の強度および距離は、光増感剤分子のうちの少なくとも約0.1%、通常、光増感剤分子のうちの少なくとも約30%、ならびに、好ましくは、光増感剤分子のうちの実質的にすべてを励起するのに十分であるものとする。例示的な光源には、例えば、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンレーザー、YAGレーザー、He/Cdレーザー、およびルビーレーザー;光ダイオード;水銀灯、ナトリウム灯、およびキセノン灯;ならびに、例えば、タングステン灯およびタングステン/ハロゲン灯および閃光灯などの白熱灯が含まれる。本発明の方法において用いるのに適する例示的な光活性化デバイスは、国際特許公開第WO03/051669号において開示されている。このような実施形態では、光活性化デバイスは、96ウェルプレートのすべてのウェルを同時に照射することが可能な、ハウジング内に搭載された発光ダイオード(LED)のアレイである。
本発明において用いうる光増感剤の例は、上記の特性を有する増感剤、ならびに、米国特許第5,536,834号;同第5,763,602号;同第5,565,552号;同第5,709,994号;同第5,340,716号;同第5,516,636号;同第6,251,581号;および同第6,001,673号;欧州特許出願公開第0484027号; Martinら、1990年、Methods Enzymol. 186巻:635〜645頁;およびYarmushら、1993年、Crit. Rev. Therapeutic Drug Carrier Syst. 10巻:197〜252頁により開示される増感剤である。増感剤の場合と同様、特定の実施形態では、固相支持体の表面に共有結合または非共有結合により結合させるか、または固相支持体の本体に組み込むことにより、光増感剤を、固相支持体と会合させることができる。一般に、光増感剤は、必要量の一重項酸素を達成するのに必要な量で、支持体と会合させる。一般に、光増感剤の量は、日常的な方法により、経験的に決定される。
一実施形態では、例えば、米国特許第5,709,994号;および同第6,346,384号;ならびに国際特許公開第WO01/84157号により開示される通り、光増感剤を、ラテックス粒子に組み込み、光増感剤ビーズを形成する。代替的に、J. Amer. Chem. Soc.、97巻:3741頁(1975年)において記載される通り、ローズベンガルなどの光増感剤を、ラテックスにおけるクロロメチル基を介して、0.5ミクロンのラテックスビーズに共有結合させることにより調製することもできる。この反応は、例えば、真空を適用することにより試薬の除去を可能とするウェルの1つの壁面、例えば、その底面を形成するフィルター膜を有する、従来の96ウェルまたは384ウェルのマイクロタイタープレートにおいて実施することができる。結合化合物の特異的な結合に必要とされるバッファーが、一重項酸素の生成または分離に必要とされるバッファーと異なる場合、これにより、バッファーの簡便な交換が可能となる。例えば、抗体ベースの結合化合物の場合、高塩濃度バッファーが必要となる。放出されたタグを電気泳動により分離する場合は、バッファーを、電気泳動に適する、塩濃度がより低いバッファーに交換することにより、より良好な性能が達成される。
例として、切断プローブは、複数の光増感剤分子により誘導体化された、ハプテン化一次抗体、ならびに二次抗ハプテン結合タンパク質を含みうる。好ましいハプテン化一次抗体は、ビオチン化抗体であり、好ましい二次抗ハプテン結合タンパク質は、抗ビオチン抗体またはストレプトアビジンのいずれかでありうる。このような一次試薬および二次試薬の他の組合せは、当技術分野において周知である。このような試薬の例示的な組合せは、Haugland、2002年、「Handbook of Fluorescent Probes and Research Reagents」、第9版、Molecular Probes、Eugene、ORにより教示されている。このような試薬の例示的な組合せは、以下に記載される。放出可能なタグ(「mT」および「mT」)と、ビオチンにより誘導体化された一次抗体とを有するこれらの結合化合物は、膜の受容体二量体の異なるエピトープに特異的に結合する。ビオチン特異的な結合タンパク質、例えば、ストレプトアビジンは、ビオチンに結合して、複数の光増感剤を、結合化合物の有効近接距離内にもたらす。ビオチン特異的な結合タンパク質はまた、抗ビオチン抗体の場合もあり、従来の結合化学反応(例えば、Hermanson(前出))により、該タンパク質における遊離アミン基を介して、光増感剤を結合させることもできる。このような使用のための例示的な光増感剤は、欧州特許出願公開第0510688号において開示される通りに調製される、メチレンブルーのNHSエステルである。
方法および特定の条件ならびに材料についての以下の一般的な議論は、例示を目的とするものであり、限定を目的とするものではない。当業者は、本明細書に記載される方法を、特に、異なる試料、細胞型、および標的複合体を用いることにより、他の適用にどのように適合させうるかについて理解する。
本発明の方法を実施するには、被験試料と、結合化合物と、場合によって、切断プローブとを含めた、アッセイ成分の組み合わせを作製する。一般に、アッセイ成分は、任意の順序で組み合わせることができる。しかし、特定の適用では、添加の順序が重要となりうる。例えば、定量的アッセイなどにおいて、競合的結合についてモニタリングしたい場合がある。または、会合した複合体の安定性をモニタリングしたい場合もある。このような適用では、反応物を段階的に会合させることができる。
各試薬の量は、一般に、経験的に決定することができる。アッセイで用いられる試料の量は、存在することが予測される標的複合体の数と、アッセイのシグナルをモニタリングするのに用いられる分離および検出の手段とにより決定される。一般に、結合化合物および切断プローブの量は、試料において予測される標的分子の量と比べたモル過剰、一般に、少なくとも約1.5モルの過剰、より望ましくは約10倍以上のモル過剰で供給することができる。特定の適用において、用いられる濃度は、結合剤の親和性、および単一の細胞において存在することが予測される標的分子の数に応じて高濃度の場合もあり、低濃度の場合もある。細胞表面オリゴマー複合体の形成に対する化合物の効果を決定しようとする場合は、モニタリングされる効果に応じて、プローブを添加する前に、これと同時に、またはこの後において、該化合物を細胞に添加することができる。
アッセイ混合物は、通常、約10〜200mMの範囲の濃度のバッファーにより維持される、一般に、生理的pH(細胞が培養されるpHと同等のpH)にある水性媒体において、細胞表面分子へのプローブの結合をもたらす条件下で混合およびインキュベートすることができる。従来のバッファーのほか、必要に応じて、糖、増殖媒体、安定化剤など、他の従来の添加物も用いることができる。一般に、生理的な一定温度を用いる。インキュベーション温度は、一般に、約4℃〜70℃、通常約15℃〜45℃であり、より通常の場合には、約25℃〜37℃である。
アッセイ混合物を組み立て、インキュベートして、プローブを細胞表面分子に結合させた後、該混合物を処理して、切断剤を活性化させ、切断剤の有効近接距離内にある結合化合物からタグを切断させ、該細胞表面から対応するタグを溶液に放出させることができる。この処理の性質は、切断剤の作用機構に依存する。例えば、切断剤として光増感剤を用いる場合、切断の活性化は、用いられる特定の増感剤に適切な光の波長で、混合物を照射することを含みうる。
次いで、切断後、試料を解析して、放出されたタグを識別することができる。複数の結合化合物を用いるアッセイを用いる場合は、一般に、放出されたタグの分離が、それらの検出に先行する。分離および検出のいずれの方法も、アッセイのためにタグをデザインする過程で決定される。好ましい分離方式では電気泳動が用いられ、そこでは、各種のタグが、それらの電気泳動移動度における公知の差違に基づき分離される。
上記で言及した通り、一部の実施形態では、アッセイ反応条件が、用いられる分離法に干渉しうる場合、分子タグを切断および分離する前に、アッセイ反応バッファーを除去または交換することが必要でありうる。例えば、アッセイ条件には、電気泳動移動度に基づき分子タグを分離する場合、分離の効能を劣化させる塩濃度(例えば、特異的な結合に必要とされる)が含まれうる。したがって、例えば、分子タグを切断する前に、このような高塩濃度のバッファーを除去し、濾過、吸引、希釈、または他の手段により、電気泳動による分離に適する別のバッファーで置換することができる。
特定の実施形態では、被験体に、トラスツズマブを包含する組合せ療法を投与することができる。組合せ療法は、当業者に公知の任意の化学療法剤のうちの1つ以上であるがこれらに限定されない化学療法剤との組合せで、トラスツズマブを包含しうる。化学療法剤は、作用機構が、トラスツズマブとは異なることが好ましい。例えば、化学療法剤は、代謝拮抗薬(例えば、5−フルオロウラシル(5−FU)、メトトレキサート(MTX)、フルダラビンなど)、抗微小管剤(例えば、ビンクリスチン;ビンブラスチン;パクリタキセルおよびドセタキセルなどのタキサン類など)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、ビスクロロエチルニトロソウレア(bischloroethylnitrosurea)など)、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM−216、CI−973など)、アントラサイクリン類(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシンなど)、抗生物質(例えば、マイトマイシンC、アクチノマイシンDなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、カンプトテシンなど)、または、当業者に公知である、他の任意の化学療法剤でありうる。
本発明の薬学的組成物、剤形、およびキットを含め、本発明の各種の実施形態で用いうる化学療法剤の具体例には、シタラビン、メルファラン、トポテカン、フルダラビン、エトポシド、イダルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、シスプラチン、パクリタキセル、およびシクロホスファミドが含まれるがこれらに限定されない。
用いうる他の化学療法剤には、アバレリクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミフォスチン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、BCG生菌、ベバセイズマブ、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルステロン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セレコキシブ、セツキシマブ、クロラムブシル、シナカルセト、シスプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダウノルビシン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロモスタノロン、エリオットのB溶液、エピルビシン、エポエチンアルファ、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、ゲムツズマブ オゾガマイシン、ゲフィチニブ、ゴセレリン、ヒドロキシウレア、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b、イリノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メトキサレン、メチルプレドニゾロン、マイトマイシンC、ミトーテン、ミトキサントロン、ナンドロロン、ノフェツモマブ、オブリメルセン、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペガデマーゼ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ポリフェプロサン、ポルフィマー、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、サルグラモスチム、ストレプトゾシン、滑石、タモキシフェン、タルセバ、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、およびゾレドロネートが含まれる。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤に加えた、少なくとも1つの化学療法剤による治療が、Her2陽性癌を有する被験体に奏効する可能性がなく、かつ/または該患者が短い時間経過を有する可能性があるかどうかを判定する方法を対象とする。特定の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定するステップを含み、ここで、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体のレベルが高いレベルまたは極めて高いレベルであれば、Her2作用剤に加えた、少なくとも1つの化学療法剤該被験体に奏効する可能性がない。
特定の実施形態では、方法は、Her−2が高い患者を、2つの群:極めて高い群と、中程度に高い群とに層別化するステップを含みうる。層別化は、本明細書に記載されるHer−2の使用を含みうる。一部の実施形態では、方法は、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を検出するステップをさらに含み、ここで、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が、中程度に高ければ、患者群を、高いHer−3発現体および低いHer−3発現体にさらに細分化(すなわち、層別化)する。一部の実施形態では、Her−2作用剤が、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高く(すなわち、中程度量)、かつ、Her−3が低い患者よりも、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高く(すなわち、中程度量)、かつ、Her−3が高い患者に奏効する可能性が低く、かつ/または、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高く(すなわち、中程度量)、かつ、Her−3が高い患者は、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体が中程度に高く(すなわち、中程度量)、かつ、Her−3が低い患者より長い時間経過を有する。本発明の各々の方法の特定の実施形態では、高いHer−2発現は、log10H2T≧約1.14〜1.125である。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、高いHer−2発現は、極めて高い発現、および/または中程度に高い発現を含む。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、極めて高いHer−2発現は、log10H2T≧約1.84〜2.21である。本明細書で開示される各々の方法の特定の実施形態では、中程度に高い発現は、1.14〜1.25と、1.84〜2.21との間である。あるいは、患者コホートおよび/またはモニタリングされる重要事象に応じて、他の範囲も用いることができる。
特定の実施形態では、生物学的試料は、FFPEを含む。特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。一部の実施形態では、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。または、Her−2作用剤に対して感受性でありうる任意の癌をモニタリングすることができる。Her−2作用剤は、任意のHer−2作用剤でありうる。特定の実施形態では、Her−2作用剤が、本明細書に記載される薬剤のうちの1つである。例えば、特定の実施形態では、Her−2作用剤はトラスツズマブである。特定の実施形態では、化学療法剤は、パクリタキセルである。
特定の実施形態では、Her−2の量を測定する。特定の実施形態では、Her−2ホモ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、Her−2が中程度量であれば、Her−3の量を測定する。特定の実施形態では、Her−2が中程度に高ければ(すなわち、中程度量)、Her−3ホモ二量体および/またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体の量を測定する。特定の実施形態では、試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いてHer−2および/またはher−3の量を測定する。特定の実施形態では、アッセイが、VERATAG(登録商標)アッセイである。特定の実施形態では、奏効する可能性を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECIST基準もしくは他の効果判定基準を用いて測定する。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤に加えた、少なくとも1つの化学療法剤による治療が、Her2陽性癌を有する被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定する方法を対象とする。特定の実施形態では、方法が、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定するステップを含み、ここで、該Her−2および/またはHer−2ホモ二量体のレベルが低レベルであれば、Her2作用剤に加えた、少なくとも1つの化学療法剤が該患者に奏効する可能性がある。特定の実施形態では、生物学的試料は、FFPEを含む。特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性である。一部の実施形態では、乳癌は、早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。または、Her−2作用剤に対して感受性でありうる任意の癌をモニタリングすることができる。Her−2作用剤は、任意のHer−2作用剤でありうる。特定の実施形態では、Her−2作用剤は、本明細書に記載される薬剤のうちの1つである。例えば、特定の実施形態では、Her−2作用剤はトラスツズマブである。特定の実施形態では、さらなる化学療法剤は、パクリタキセルである。あるいは、当技術分野で公知であり、かつ/または本明細書で開示さえる他のさらなる化学療法剤も評価することができる。特定の実施形態では、奏効する可能性または時間経過を、全生存率、無増悪期間に関して、かつ/またはRECISTを用いて測定する。
別の態様では、本発明は、Her2作用剤がHer−2陽性癌を有する被験体に奏効する可能性があるかどうかを判定し、かつ/または疾患の時間経過が長いかどうかを予測し、かつ/または該被験体に重要事象が生じるかどうかを予測する方法であって、被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を検出するステップと、Her−2ホモ二量体対全Her−2比を決定するステップとを含み、該対象の比が、少なくとも3つのサブグループのうちの1つにあると決定し、該対象の比が低値のサブグループまたは高値のサブグループにあれば、該Her−2作用剤が該被験体に奏効する可能性があり、該被験体は長い時間経過を有する可能性があり、かつ/または該被験体に重要事象が生じる可能性がない方法を対象とする。好ましい実施形態では、Her−2作用剤により治療される集団対Her−2作用剤によらずに治療される集団について、Her−2ホモ二量体対全Her−2比を、ハザード比と比較することにより、少なくとも3つのサブグループを決定し、ハザード比が1未満であれば、該Her−2作用剤が該被験体に奏効する可能性があり、該患者は長い時間経過を有する可能性がより高く、かつ/または該被験体に重要事象が生じる可能性がより低い。
例えば、早期状況(すなわち、アジュバント療法)におけるトラスツズマブの有効性について調べるようにデザインされたFIN HER臨床試験において、トラスツズマブの有効性との関連でもまた、H2D/H2T比、Her−2発現(H2T)、およびHer−2ホモ二量体レベル(H2D)を試験した。H2T、H2D、およびH2D/H2Tを、該試験におけるIHC、CISH、および臨床転帰と比較した。IHCまたはFISHによるHer−2の陽性度(positivity)は、予後診断の悪化、およびトラスツズマブによる臨床転帰の改善と相関することが示されているので、HERMarkアッセイなどの定量的アッセイにより、奏効する可能性のある患者と、奏効する可能性のない患者とを識別することが可能であると期待された。しかし、コックス比例ハザード解析により示される通り、H2TおよびH2Dのいずれも、転帰と著明には相関しなかった。これに対し、H2D/H2Tは、無再発期間(TAR)と独立に関連し、無遠隔再発期間(TDR)とはほぼ著明に関連した。これらの知見が得られたため、STEPP(部分集団治療効果パターンプロット)解析を実施して、H2T、H2D、およびH2D/H2Tの分布全体にわたり、被治療患者対対照患者について、ハザード比を試験した。これらの解析には、患者80例の部分集団を用いた。H2DおよびH2Tのいずれによっても、トラスツズマブから利益を得ない患者群が同定されなかったのに対し、H2D/H2Tによれば、トラスツズマブが奏効する患者群と、トラスツズマブが奏効しない患者群とが識別されることが示された。この後者の群のH2D/H2T比は、H2D/H2T比が低い群と、H2D/H2T比が高い群との間の中間である。本出願者らは、機構についての理論に拘束されることを望まないが、この観察についての1つの可能な説明は、H2D/H2Tが、乳腺腫瘍におけるHer−2活性化の尺度であり、したがって、トラスツズマブを施されていない、早期状況(すなわち、アジュバント療法)にあるHer−2陽性患者について予後診断するバイオマーカーであり、早期状況(すなわち、アジュバント療法)において、トラスツズマブにより治療された場合に患者が得る臨床的有益性の程度について予測するバイオマーカーであるということである。
特定の実施形態では、被験体の癌は乳癌である。特定の実施形態では、被験体の癌は、転移性癌または原発性早期癌(すなわち、アジュバント療法)である。特定の実施形態では、Her−2作用剤はトラスツズマブである。特定の実施形態では、VERATAG(登録商標)アッセイを用いて、Her−2、Her−2ホモ二量体、Her−3、Her−3ホモ二量体、およびHer−2/Her−3ヘテロ二量体を検出する。特定の実施形態では、奏効する可能性、長い時間経過を有する可能性、および/または重要事象が生じる可能性を、全生存率として、無増悪期間として、無遠隔再発期間および無病生存期間として、かつ/またはRECISTを用いる効果または臨床的有益性として測定する。特定の実施形態では、IHCまたはFISHまたはCISHにより、癌がHer−2陽性であるかどうかを判定する。他の実施形態では、本発明は、被験体の癌のHer−2ホモ二量体対全Her−2比を、最適のカットオフと比較することにより、Her−2ホモ二量体対全Her−2比が低いか、中間であるか、または高いかを決定するステップを含む方法を対象とする。またさらなる実施形態では、Her−2ホモ二量体対全Her−2比が中間であり、かつ/またはハザード比が1以上であれば、Her−2作用剤が患者に奏効する可能性が低く、かつ/または該患者は長い時間経過を有する可能性が低く、かつ/または該患者に重要事象が生じる可能性がより高い。
さらなる態様では、本発明は、癌を有する被験体を治療する方法を提供する。一態様では、方法は、本発明の方法により、被験体が、Her−2作用剤による治療が奏効する可能性があり、かつ/または長い時間経過を有する癌に罹患していることを判定するステップと、前記判定の結果として、該被験体に有効量のHer−2作用剤を投与するステップとを含む。別の態様では、本方法は、本発明の方法により、被験体が、Her−2作用剤による治療が奏効する可能性があり、かつ/または長い時間経過を有する癌に罹患していることを判定し、次いで、該被験体に有効量のHer−2作用剤を投与する治療選択肢について、医療従事者に助言するステップを含む。別の態様では、本方法は、被験体が、短い時間経過を有し、かつ/またはHer2作用剤に加えた化学療法剤が奏効する可能性がない癌に罹患していることを判定するステップを含む。本発明のこれらの態様の各々が、各種の実施形態の各々(例えば、Her−2、ならびに本明細書で開示される他のマーカーの発現による層別化;各種のHer−2作用剤、および/または他の化学療法剤の評価;多様な癌の種類についての分析)を含む。特定の実施形態では、Her−2作用剤はトラスツズマブである。特定の実施形態では、化学療法剤は、パクリタキセルである。特定の実施形態では、癌は乳癌である。特定の実施形態では、乳癌は、転移性乳癌または原発性早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)である。
(実施例1)
抗体、VERATAG(登録商標)抗体、ビオチンおよび分子はさみ
モノクローナル抗体である、HER2の細胞質ドメインに対するAb8およびHER2のC末端に対するAb15を、Lab Visionから購入した。VERATAG(登録商標)レポーター(Pro11およびPro14)およびストレプトアビジンをコンジュゲートしたメチレンブルー(「分子はさみ」)を以前記載されたプロトコールに従って合成し、精製した(例えば、任意の図を含め、上記、および本明細書に参照により組み込まれている米国特許第7,105,308号を参照されたい)。抗体−VERATAG(登録商標)コンジュゲートおよび抗体−ビオチンコンジュゲート、すなわち、Ab8−Pro11およびAb−15−ビオチンを、sulfo−NHS−LC−LC−ビオチン(Pierce )を製造者のプロトコールに従ってリンカーとして使用して作製し、コンジュゲート産物をHPLC(Agilent)によって精製した。
(実施例2)
細胞培養、固定、処理およびパラフィン包埋
4つの乳癌細胞系である、MDA−MB−468、MCF−7、MDA−MB−453およびSKBR−3をAmerican Type Cell Culture Collectionから購入した。全ての細胞系を、37℃、5%COにおいて、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle medium(DMEM)):F12(50:50)、10%FBS、1%PSQ(10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン−ストレプトマイシン)および2mMのL−グルタミンで維持した。各細胞系につき少なくとも10個の150mmの培養皿で細胞をほぼ集密になるまで増殖させた。培地を取り除いた後、細胞を冷たい1×PBSで1回洗浄し、各皿に10%NBF(中性緩衝ホルマリン)15mLを加えた。細胞を4℃で一晩(>16時間)固定した。固定液を取り除いた後、残りの固定液で掻き取ることによって細胞を回収し、3200×gで15分間遠心分離した。細胞ペレットをゴム製のOリングに移し、濾紙で包み、処理カセットに置いた。処理するために自動Tissue−Tek処理装置を使用した。簡単に記載すると、細胞ペレットを、濃度を次第に上昇させたアルコール、Clear−rite(キシレン代替品)、およびパラフィンに曝露させた。処理後、パラフィン包埋ステーション(paraffin embedding station)を使用してペレットをブロックに包埋した。細胞ペレットを処理するために使用した全ての溶媒は、Richard−Allen Scientificから入手した。
(実施例3)
乳房組織、固定、処理およびパラフィン包埋
Her−2発現レベルが異なる凍結乳房組織をBiooptionsから購入した。組織の塊(0.9〜1.9グラム)を10%NBFに、4℃で約24時間固定し、細胞系ペレットについて記載した通り、処理し、パラフィン包埋した。
(実施例4)
顕微鏡切片作成法
ミクロトーム(LEICA)を用いて厚さ7μmの切片を切り取り、連続番号を付した正電荷を帯びたガラススライド(VWR)に置いた。スライドを30分間風乾し、次いで、60℃に設定した加熱したオーブンで1時間焼いた。全ての試料スライドを将来のアッセイのために4℃で貯蔵した。
(実施例5)
免疫組織化学検査およびH&E染色
Ventana Discovery XTシステムで、製造者の説明書に従ってHer−2についての免疫組織化学検査を行った。Her−2に対する一次抗体(CB11)および他の試薬はVentanaから購入した。FFPE乳房組織のH&G染色を標準のプロトコールに従って行った。
(実施例6)
ホルマリン固定パラフィン包埋された細胞系および乳房組織における、Her−2 VERATAG(登録商標)アッセイ
FFPE試料を、一連の溶媒を使用して脱パラフィン/再水和させた。簡単に記載すると、スライドをキシレン(2×、5分)、100%エタノール(2×、5分)、70%エタノール(2×、5分)および脱イオン水(2×、5分)に順次浸漬した。再水和した試料の熱誘導性エピトープ回復(Heat−induced epitope retrieval)を、1×クエン酸バッファー(pH6.0)(Lab Vision)250mLを含有する皿中で、電子レンジ(Spacemaker II、GE)を使用して行った:出力10で3分、次に出力3で10分。室温で20分間冷却した後、スライドを脱イオン水で1回すすいだ。疎水性ペン(Zymed)を使用してスライドに疎水性の円を描いて試薬をスライド上に保持した。次いで、1×PBS中1%マウス血清、1.5%BSAおよびプロテアーゼ阻害剤とホスファターゼ阻害剤のカクテル(Roche)を含有するブロッキングバッファーで試料を1時間ブロッキングした。吸引してブロッキングバッファーを取り除いた後、ブロッキングバッファーで調製した、VERATAG(登録商標)をコンジュゲートした抗体およびビオチンをコンジュゲートした抗体の混合物(どちらの濃度も4μg/mL)を加え、結合反応物を加湿チャンバー内、4℃で振とうしながら一晩インキュベートした。抗体混合物を吸引し、試料を、1×PBS中0.25%TritonX−100を含有する洗浄バッファーで洗浄し、ストレプトアビジンをコンジュゲートしたメチレンブルーを1×PBS中、2.5μg/mLの濃度で加えた。抗体およびストレプトアビジン−光増感剤コンジュゲートの濃度は、細胞系および乳房組織の試料の両方を使用して、シグナル特異性およびアッセイの読み取りのダイナミックレンジに基づいて全て最適化した。室温で1時間インキュベートした後、ストレプトアビジンメチレンブルー試薬を吸引し、試料を洗浄バッファーで1回洗浄した後、脱イオン水を3回交換して洗浄した。0.01×PBS中、3pMのフルオレセインおよび2種のCE内部マーカー(MFおよびML)を含有するイルミネーションバッファーを試料切片に加えた。電子冷却ブロック(electronic ice cube)(Torrey Pine Scientific)を備えた自家のLEDアレイイルミネーターを使用して、結合したVERATAG(登録商標)を約4℃で光活性化切断によって遊離させた。遊離したVERATAG(登録商標)レポーターを含有するCE試料を上記スライド上の組織切片から採取し、CE試料の遊離したVERATAG(登録商標)レポーターを、30℃で6kV、50秒のCE注入条件下、ABI3100 CE機器(22cmのキャピラリーアレイ;Applied Biosystems)で分離し、検出した。
(実施例7)
データ分析
VERATAG(登録商標)Informerソフトウェアを使用してVERATAG(登録商標)の同定および定量化を行った(例えば、任意の図面を含め、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2007/0203408−A1号を参照されたい)。未加工のCE電気泳動図においてVERATAG(登録商標)シグナルを分析するために、2種のCE内部マーカーである、MF(最初のマーカー)およびML(最後のマーカー)を使用して、VERATAG(登録商標)ピークを、それらの電気泳動移動度、または2種のマーカーに対する移動時間t、すなわち[t(VERATAG(登録商標))−t(MF)]/[t(ML)−t(MF)]に従って同定した。次いで、同定されたVERATAG(登録商標)ピークを、各VERATAG(登録商標)についてピーク面積を算出することによって定量化した。組織切片からのVERATAG(登録商標)回収におけるばらつき、およびキャピラリーアレイにわたるCE注入効率および/または検出感度における処理のばらつきを補正するために、フルオレセイン(3pM)をイルミネーションバッファーおよびVERATAG(登録商標)回収バッファーに含め、各試料の処理における内部参照対照として一緒に電気泳動した。次いで、各VERATAG(登録商標)ピーク面積を、VERATAG(登録商標)ピーク(VERATAG(登録商標)ピーク面積)を内部フルオレセインピーク(フルオレセインピーク面積/1pM)に対して面積正規化することによってRFUまたはRPAとして報告し、それは濃度(pM)の単位を有した。VERATAG(登録商標)アッセイによって検出された標的タンパク質についての最終的な定量化の項は、同様の試料についてのRPA(pM)または可変の腫瘍試料に対するRPA*IB 容積/TA(=相対ピーク面積×試料切片にローディングされたイルミネーションバッファーの容積(IB)÷腫瘍面積mm(RPA*IB 容積/TA=pモル/L*L/mm=pモル/mm)のいずれかとすることができる。
(実施例8)
試料切片サイズの滴定および腫瘍面積の推定
VERATAG(登録商標)アッセイの、同じ試料被検物における標的タンパク質を定量化する能力を評価するために、スライド上の7μmに切り取った細胞系試料の切片サイズをかみそりの刃を用いて連続的に滴定し、また、異なる数の、ミクロトームで切り取った乳房組織切片を、その組織材料の各滴定のため1枚のスライドに捕捉した。VERATAG(登録商標)アッセイ後、細胞系のスライドを風乾し、フォトスキャンした。ImageJソフトウェアを使用してスキャンされた画像についてmm単位の試料の切片面積を測定し、算出した。乳房組織試料について、VERATAG(登録商標)アッセイ後のスライドをH&E染色し、マウント媒体(Richard−Allan Scientific)でマウントした。組織試料の腫瘍内容物が認定病理学者によってマーカーペンを使用して画定され、mm単位の腫瘍内容物の面積を、細胞系試料と同じ様式でImageJソフトウェアで測定し、算出した。
(実施例9)
FFPE細胞に対するVERATAG(登録商標)アッセイの開発
FFPE VERATAG(登録商標)アッセイの概要を図1に示す。アッセイを開始する前に、ヒト乳癌の細胞系または腫瘍組織からFFPEミクロトーム切片を作製し、上記の通りガラススライドに焼き付けた。FFPE細胞系またはFFPE腫瘍組織切片を標準のキシレン/エタノール/水プロトコールによって脱パラフィンし、再水和させ、次いで熱誘導性抗原回復に供し、その後VERATAG(登録商標)アッセイに供した。VERATAG(登録商標)をコンジュゲートした抗体とビオチンをコンジュゲートした抗体の対を加えてVERATAG(登録商標)アッセイを開始し、その後洗浄し、ストレプトアビジンをコンジュゲートした光増感剤(すなわち、SA−メチレンブルー、SA−MB)と一緒にインキュベートした。細胞系および腫瘍切片を670nmの光照射に曝露させ、その間に、ビオチン抗体に結合した光増感剤により、バッファー溶液で、溶存酸素が反応性の高い一重項状態の酸素(O)に変換された。これは吸収、項間交差およびO産生によって起こる。
分子は短寿命(水中で約4μs)であり、したがって限られた平均拡散距離を有し、例えば、産生したOは、クエンチされるまでにその50%が約80nm拡散し、<0.1%が250nm拡散する(Latch、Science、2006)。したがって、拡散したOがVERATAG(登録商標)レポーター分子と抗体との間の共有結合と反応し、それにより近接であることに基づいてチオエーテル結合が切断され、組織細胞に結合したVERATAG(登録商標)レポーター分子が遊離する(例えば、図2Aおよび2Bを参照されたい)。従来のキャピラリー電気泳動(CE)機器を適用して、遊離したVERATAG(登録商標)レポーターを、その移動特性に従って分離し、電気泳動図において、VERATAG(登録商標)Informerソフトウェアを使用してピーク面積として同定および定量化することができる蛍光ピークとして検出する。したがって、VERATAG(登録商標)蛍光レポーター分子のピーク面積は、細胞に存在する標的抗原の量に直接比例する。VERATAG(登録商標)ピーク面積は、最初にRFUで算出する。VERATAG(登録商標)シグナルを、組織切片からの回収の変動およびCEへの注入の変動について補正するために、既知濃度の内部標準フルオレセインのピーク面積に対するピーク面積(RPA)を算出する。
VERATAG(登録商標)アッセイを開発するために適したHer−2抗体の近接対を同定するために、5種の抗体を、VERATAG(登録商標)蛍光レポーター基またはビオチンのいずれかにコンジュゲートし、10種の近接対を、FFPE調製したヒト乳腺腫瘍細胞系に対して、それぞれ1μg/mLで試験した。各抗体対の性能を、SK−BR−3細胞(6×10/細胞)、MDA−MB−453細胞(1.5×10/細胞);BT−20細胞(6×10/細胞);MCF−7細胞(2×10/細胞)およびMDA−MB−468細胞(陰性対照;<10/細胞)においてFACS分析および他の独立した方法によって決定される相対的なHer−2タンパク質発現レベルに相当するその能力によって評価した。Her−2抗体対、Ab15およびAb8により、シグナルの最大ダイナミックレンジが生成し、これは他の方法によって定量化された相対的なHer−2発現レベルと一致している。4つのよく特徴付けられたFFPE乳癌細胞系に対して生成したVERATAG(登録商標)シグナルの代表的な電気泳動図を、DAB発色を利用した相当するHer−2のIHC顕微鏡写真と一緒に図3に示す。Her−2 VERATAG(登録商標)アッセイから生成したVERATAG(登録商標)のピーク面積は、IHCシグナル強度に相当し、一般に認められたHer−2発現レベルのIHC試験カテゴリー(すなわち、HercepTest:SK−BR−3=3+;MDA−MB−453=2+;MCF−7=0−1+;MDA−MB−468=0)と一致している。
(実施例10)
VERATAG(登録商標)抗体およびアッセイの最適化
VERATAG(登録商標)アッセイを近接フォーマット(proximity format)で開発するのに適した抗体対を同定して、個々の抗体について、非近接の、直接VERATAG(登録商標)遊離条件下での相対的な親和性および特異性、ならびに近接条件下でのK1/2および飽和濃度を決定した。抗体滴定を、VERATAG(登録商標)をコンジュゲートしたAb8−Pro11またはAb15−Pro11を用い、陽性Her−2発現FFPE細胞系(SKBR−3)および陰性Her−2発現FFPE細胞系(MDA−MB−468)に対して、VERATAG(登録商標)を遊離させるために飽和濃度(200μM)のO増感剤メチレンブルーを利用して行った。濃度を上昇させた結合抗体からのこの非近接のPro11 VERATAG(登録商標)の遊離は、抗体の相対的な親和性を反映する。Ab8−Pro11に対する多パラメータカーブフィッティングの結果が、K=6〜8μg/mL(40〜50nM)である単一結合部位と最も一致し、K=2〜3μg/mL(12〜18nM)であるAb15−Pro11の単一結合部位と類似している。陰性対照のMDA−MB−468から、Ab8−Pro11の非特異的結合が総SK−BR−3シグナルの<4%であると推定することができ、一方、Ab15−Pro11の非特異的結合は約10%であることが推定される。
総Her−2の近接アッセイのために最適なAb8−Pro11およびAb15−ビオチンの濃度を、FFPE乳癌細胞系およびヒト乳腺腫瘍試料に対する抗体滴定によって決定した。どちらの抗体の濃度も、滴定の間、等しく0.25μg/mL〜8μg/mLに保持した。どちらの抗体についても、およそ2μg/mLに等しい最大VERATAG(登録商標)シグナルK112が観察され、飽和濃度は3〜4μg/mLに達した。この滴定実験および他の同様の滴定実験において、最適なシグナル対バックグラウンド比100〜200は、Ab8−Pro11およびAb15−ビオチンのどちらについても2〜4μg/mLである。追加的な最適化実験により、O増感試薬SA−MBはほとんどの条件下で2.5μg/mLの濃度で飽和し、最適な照射時間は2時間であることが決定された。これらの結果を考慮し、さらなるアッセイ最適化および性能の特徴付けのために、Ab8−Pro11およびAb15−ビオチンについてはどちらも4μg/mL(26nM)の濃度を選択し、SA−MBについては2.5μg/mLを選択した。
3つのHer−2 VERATAG(登録商標)アッセイフォーマットを4μg/mLの抗体濃度で比較して、最良のアッセイ性能がもたらされる条件を同定した。これらはAb15−ビオチン+Ab8−Pro11と、Ab8−ビオチン+Ab15−Pro11からなる2つの近接フォーマット、および飽和メチレンブルーの存在下でAb8−Pro11からのVERATAG(登録商標)の非近接の直接遊離である。最も高い全体的なシグナルはメチレンブルー直接遊離フォーマットによってもたらされたが、どちらの近接アッセイ方法の結果もバックグラウンドが低く、シグナル対バックグラウンド比およびダイナミックレンジが高く、独立した方法によって決定された予測される細胞当たりの受容体数が最も密接に追跡された。Ab15−ビオチンおよびAb8−Pro11を用いた近接フォーマットによって、最良のシグナル対バックグラウンド比がもたらされ、この近接フォーマットを、さらなる試験のための最終アッセイフォーマットとして選択した。
Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度である生物学的試料を、上記の方法を用いてHer−3の発現についてさらに分析した。したがって、中程度のHer−2発現体(expressor)を、Her−3発現体のレベルが高いか低いかによって、さらに層別化、もしくは分類した。
(実施例11)
転移性乳癌患者におけるHer−2およびHer−3分類の適用
MBC患者のコホートにおいてVERATAG(登録商標)アッセイを行った。このコホート(N=103)は、International Serum Her2/neu Study Group(ISHSG)から得られ、Liptonコホートと称される。中心の場所(central location)−オーストリアのUniversity of Viennaにおいて、一人の病理学者によって患者に対してIHCが行われ、患者はIHC3+または2+/FISH陽性であった。患者103人から、99人が中心でのFISH測定(central FISH measurement)を受け、98人がH2T測定を受け、79人がH3T測定を受けた。このようにして選択された79人の患者のうち、H2T≧1.14のFISH陰性であった3人を除外した。したがって、患者76人の最終的な試験群を試験した。
以下の通り5つの群を試験した。
図4に示した通り、Her−2陽性患者のプール全体は7.9ヵ月の無増悪期間(TTP)中央値を有した。第1群の患者についてのデータを図5に示し、それにより4.4ヵ月のTTP中央値が示されている。
FISH陽性かつ低HER−2発現体である第2群の患者についてのデータを図6に示し、それによりFISH陰性かつH2T<1.4について4.4ヵ月、FISH陽性かつH2T<1.14について3.2ヵ月、そしてFISH陽性かつH2T≧1.14について11.3ヵ月のTTP中央値が示されている。FISH陽性、H2T≧1.14である群と比較して、FISH陰性、H2T<1.14である群(HR=2.7;p=0.0002)およびFISH陽性、H2T<1.14である群(HR=2.9;p=0.004)である群は、転帰が劣った。
FISH陽性かつ高HER−2発現体である第3群の患者についてのデータを図7に示し、それによりFISH陽性かつ1.14≦H2T<1.84について12.21ヵ月のTTPが示されている。したがって、このデータにより、中程度に高いH2Tを有する(例えば、1.14≦H2T<1.84である患者)FISH陽性患者が、低H2T(例えば、H2T<1.14)のFISH陽性患者(HR=4.0;p=0.0002)、低H2TのFISH陰性患者(HR=3.5;p<0.0001)または高H2T(例えば、H2T>1.84)のFISH陽性患者(HR=3.0;p=0.0005)よりもよい動作をすることが示されている。
FISH陽性かつ高HER−2発現体であり、Her−3発現が高いか低いかによってさらに層別化される第4群および第5群の患者についてのデータを図8に示し、それによりFISH陽性かつ1.14≦H2T<1.84(例えば、中程度に高いH2T)かつ高Her−3発現について7.4ヵ月のTTP中央値、およびFISH陽性かつ1.14≦H2T<1.84(例えば、中程度に高いH2T)について15.0ヵ月のTTP中央値が、および低Her−3発現について15.0ヵ月のTTP中央値が示されている。
5つの群について、FISH陰性、H2T<1.14に対するTTP中央値(月)およびハザード比を以下に示す。
したがって、データにより、IHCに基づいてトラスツズマブを用いた治療を受けた患者のかなりの数がFISH陰性であり、治療が奏効しなかったことが示されている。HERmarkによって測定されたときに低Her−2発現を有したFISH陽性患者のサブグループにはトラスツズマブを用いた治療が奏効しなかった一方で、HERmarkによって測定されたときに非常に高いHer−2発現を有するFISH陽性患者の別のサブグループにも、トラスツズマブを用いた治療が奏効しなかった。HERmarkによって測定されたときに中程度に高い(例えば、中間の)Her−2発現を有するFISH陽性患者の第3のサブグループに、トラスツズマブを用いた治療が最良の奏効を示した。
中程度に高い(例えば、中間の)Her−2発現を有するFISH陽性患者の第3のサブグループは、Her−3発現レベルに基づいてさらに細分することができた。第3のサブグループにおいて、データにより、高Her−3発現を有する患者(第4群)は、FISH陰性、低Her−2発現患者(第1群)よりも有意に長いTTPを有し(p=0.051)、増悪の危険性は約半分であったことが示されている。一方、低Her−3発現を有する第3のサブグループの患者(第5群)が、いずれのサブグループのうちで最良の奏効を有し、FISH陰性、低Her−2発現患者(第1群)と比較して危険性が5分の1であり、中間のHer−2かつ高Her−3の発現体よりも有意によく奏効した(p=0.0003)。
したがって、データにより、Her−2陽性癌の患者に、Her2作用剤を用いた治療が奏効する可能性があるかどうかを決定すること、および/またはHer−2および/またはHer−2ホモ二量体の量を測定することによって疾患の時間経過を予測することが可能であることが示されており、ここで、Her−2および/またはHer−2ホモ二量体の量が中程度に高ければ(例えば、中間)、Her−3の量を測定することによって患者をさらに分類する。Her−2作用剤を用いて治療される患者で、中程度のHer−2発現を有するが高Her−3発現を有する患者はより長いTTPを有し、一方、中程度のHer−2発現を有するが低Her−3発現を有する患者では最もよく奏効する。
(実施例12)
早期状況(すなわち、アジュバント療法)の乳癌患者におけるHer−2およびHer−3分類の適用
FinHer(Joensuuら、N Engl J Med 2006、J Clin Oncol 2009)は、早期化学療法(すなわち、アジュバント療法)に加えたトラスツズマブの臨床的利益を示しているいくつかの前向き無作為化臨床試験の1つである。本発明者らは、トラスツズマブの臨床的利益と、HERmarkアッセイによって決定された定量的なHER2タンパク質発現(H2T)との間の関連を調査した。HERmarkアッセイのために適切な浸潤性腫瘍組織を有するFinHer試験の浸潤性乳癌の899症例からのホルマリン固定されたパラフィン包埋(FFPE)組織を含めた。これらのうち196が、CISHによりHER−2陽性であった。この試験において、HER2陽性癌を有する患者(n=232)を、化学療法と同時にトラスツズマブ投与を9週間受けるか、化学療法単独を受けるかに無作為に割り当てた。この試験において、本発明者らは、トラスツズマブ治療または対照に無作為化されたHER2陽性癌の患者に焦点を置いた。位置走査分析を行って、非常に高いH2Tの群を識別する最適なカットオフを同定した。図9に示している通り、H2T値が非常に高い(logH2T≧2.21;≧125.9HERmark単位)患者には、対照と比較して、化学療法にトラスツズマブを加えた治療の利益はなかったが(TDRについて、HR=1.23、P=0.75、OSについて、HR=1.05、P=0.95)、H2T値が<125.9の患者には利益があった(TDRについて、HR=0.52、P=0.05、OSについて、HR=0.48、P=0.1)。
本出願において言及した全ての出版された特許および刊行物は、ここで、本参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の好ましい実施形態を例示し、記載しているが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができることを理解されたい。

Claims (24)

  1. 被験体に由来する生物学的試料におけるHer−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量の相対レベルを、Her−2作用剤による治療が前記被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付ける方法であって、
    (a)前記被験体の癌に由来する生物学的試料において、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量を検出するステップと、
    (b)前記Her−2またはHer−2ホモ二量体の量を、Her−2作用剤による治療が前記被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付けるステップと
    を含む方法。
  2. 癌が、転移性乳癌、または原発性早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの前記量が、第1の閾値レベル以上であれば、前記Her−2作用剤が奏効する可能性があると前記被験体が予後診断される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの前記量が、前記第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上であれば、前記Her−2作用剤が奏効する可能性がないと前記被験体が予後診断される、請求項1に記載の方法。
  5. 複数の患者試料を、少なくとも3つのサブグループに分割することにより所定の量を創出し、第1のサブグループは、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体が低レベルである試料を含み、前記低レベルは、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が第1の閾値レベル以下であることを含み、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が前記第1の閾値を上回る前記試料は、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである試料を含み、次いで、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである前記試料を、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が、前記第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上である試料を含む極めて高いサブグループと、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が、前記第1の閾値レベル以上であり、かつ、前記第2の閾値レベル以下である試料を含む中程度に高いサブグループとの2つのサブグループに分割する、請求項1に記載の方法。
  6. 試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いて前記Her−2ホモ二量体の量を測定する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記Her−2が中程度に高いサブグループを、少なくとも1つの他のバイオマーカーを発現するサブグループにさらに細分化する、請求項5に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの他のバイオマーカーが、FOXM1、PRAME、Bc12、STK15、CEGP1、Ki−67、GSTM1、CA9、PR、BBC3、NME1、SURV、GATA3、TFRC、YB−1、DPYD、GSTM3、RPS6KB1、Src、Chk1、ID1、EstR1、p27、CCNB1、XIAP、Chk2、CDC25B、IGF1R、AK055699、P13KC2A、TGFB3、BAGI1、CYP3A4、EpCAM、VEGFC、pS2、hENT1、WISP1、HNF3A、NFKBp65、BRCA2、EGFR、TK1、VDR、Contig51037、pENT1、EPHX1、IF1A、CDH1、HIFlα、IGFBP3、CTSB、Her3、DIABLO、VEGF、CD31、KDR、またはp95のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの他のバイオマーカーのレベルに基づき、前記Her−2が中程度量である試料および/または前記Her−2が高量である試料を、少なくとも2つのサブグループに分割することにより所定の量を作製する、請求項7に記載の方法。
  10. 前記中程度に高いサブグループを、Her−3発現に基づきさらに分割し、ここで、高レベルは、Her−3が第1の閾値レベルを上回ることを含み、低レベルは、Her−3が第2の閾値レベルを下回ることを含み、前記Her−2作用剤は、前記少なくとも1つのHer−2および/もしくはHer−2二量体が中程度に高レベルであり、かつ、Her−3が低レベルである被験体に奏効する可能性があり、かつ/または前記Her−2作用剤は、前記少なくとも1つのHer−2および/もしくはHer−2二量体が中程度に高レベルであり、かつ、Her−3が高レベルである被験体に奏効する可能性がないかもしくは可能性が低い、請求項9に記載の方法。
  11. 前記Her−3発現が、Her−3、Her−3ホモ二量体、またはHer−3/Her−2ヘテロ二量体を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いて前記Her−3ホモ二量体および/またはHer−2/Her−3ヘテロ二量体の量を測定する、請求項11に記載の方法。
  13. 癌を有し、Her−2作用剤により治療されている被験体に重要事象が生じる可能性があるかどうかを予測する方法であって、
    (a)前記被験体の癌に由来する生物学的試料において、Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量を検出するステップと、
    (b)前記Her−2またはHer−2ホモ二量体の量を、前記被験体に重要事象が生じる可能性と関連付けるステップと
    を含む方法。
  14. 前記癌が、転移性乳癌、または原発性早期乳癌(すなわち、アジュバント療法)のうちの少なくとも1つである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記重要事象が、前記癌に関する診断と、初回の診断、前記癌の1つの病期からより進行した病期への増悪、転移性疾患への増悪、再発、手術、または死亡のうちの少なくとも1つとの間の期間の短縮である、請求項13に記載の方法。
  16. 前記重要事象が生じうる間の時間経過を予測するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの前記量が、第1の閾値レベル以下であれば、前記重要事象は、前記Her−2作用剤が前記被験体に奏効する可能性が低いことである、請求項13に記載の方法。
  18. 前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの前記量が、前記第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上であれば、前記Her−2作用剤が前記被験体に奏効する可能性がないと前記被験体が予後診断される、請求項13に記載の方法。
  19. 複数の患者試料を、少なくとも3つのサブグループに分割することにより所定の量を創出し、第1のサブグループは、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体が低レベルである試料を含み、前記低レベルは、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が第1の閾値レベル以下であることを含み、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が前記第1の閾値以上である試料は、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである試料を含み、次いで、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体が高レベルである前記試料を、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が、前記第1の閾値レベルより高い第2の閾値レベル以上である試料を含む極めて高いサブグループと、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの前記少なくとも1つの量が、前記第1の閾値レベル以上であり、かつ、前記第2の閾値レベル以下である試料を含む中程度に高いサブグループとの2つのサブグループに分割する、請求項13に記載の方法。
  20. 試料におけるタンパク質間相互作用の量を測定および/または定量化することが可能なアッセイを用いて前記Her−2ホモ二量体の量を測定する、請求項13に記載の方法。
  21. 前記中程度量であるサブグループを、少なくとも1つの他のバイオマーカーを発現するサブグループにさらに細分化する、請求項13に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1つの他のバイオマーカーが、FOXM1、PRAME、Bc12、STK15、CEGP1、Ki−67、GSTM1、CA9、PR、BBC3、NME1、SURV、GATA3、TFRC、YB−1、DPYD、GSTM3、RPS6KB1、Src、Chk1、ID1、EstR1、p27、CCNB1、XIAP、Chk2、CDC25B、IGF1R、AK055699、P13KC2A、TGFB3、BAGI1、CYP3A4、EpCAM、VEGFC、pS2、hENT1、WISP1、HNF3A、NFKBp65、BRCA2、EGFR、TK1、VDR、Contig51037、pENT1、EPHX1、IF1A、CDH1、HIFlα、IGFBP3、CTSB、Her3、DIABLO、VEGF、CD31、KDR、またはp95を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記Her−2が中程度に高い試料を、前記少なくとも1つの他のバイオマーカーのレベルみ基づき、重要事象が生じる時間経過が異なる可能性がある、少なくとも2つのサブグループに分割することにより所定の量を作製する、請求項21に記載の方法。
  24. 被験体に由来する生物学的試料におけるHer−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量の相対レベルを、Her−2作用剤による治療が前記被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付けるためのキットであって、
    (a)前記被験体の癌に由来する生物学的試料において、前記Her−2またはHer−2ホモ二量体のうちの少なくとも1つの量を検出するための試薬と、
    (b)前記Her−2またはHer−2ホモ二量体の量を、Her−2作用剤による治療が前記被験体に奏効する可能性についての予後診断と関連付けるための指示書と
    を含むキット。
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