JP2012240170A - 幾何誤差同定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来ほど多様な条件における計測を行うことなく、多様な加工状況での幾何誤差を同定することができる幾何誤差同定装置を提供する。
【解決手段】たとえば、2つの回転軸を両方同時に回転させながら加工する際、そのような加工状況において計測値を取得しなくとも、一方の回転軸を固定し、他方の回転軸のみを回転させて取得した計測値を組み合わせることによって幾何誤差を同定するようにした。したがって、従来よりも少ない条件でしか計測を行わないものの、多様な加工状況における幾何誤差を同定することができ、作業の簡易化は勿論、計測に係る時間の短縮に伴う加工時間の短縮、ひいては加工効率の向上を図ることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、たとえば5軸制御マシニングセンタ等といった多軸工作機械における幾何誤差を同定するための幾何誤差同定装置に関するものである。
従来、たとえば特許文献1に開示されているように、直交3軸であるX軸、Y軸、及びZ軸に加え、テーブルの回転軸となるC軸及びA軸の合計5軸方向への動作を制御して加工する5軸制御マシニングセンタといった多軸工作機械が知られている。このような多軸工作機械においては、各部材の寸法精度や部材の組み立て精度の向上にも限度があるため、隣り合う軸間での傾きや位置誤差等といった所謂幾何誤差を同定する必要がある。
そして、上記5軸制御マシニングセンタにおける幾何誤差を同定する方法としては、ボールバーと呼ばれる変位センサを用いて行う3軸円弧補間運動測定、すなわち直線軸2軸と回転軸1軸とを同期させて、テーブル上の所定点と主軸の相対間変位を保持したまま円運動させ、得られた円軌跡の中心偏差量から幾何誤差を同定する方法が一般的に知られている。しかしながら、この方法では、ボールバーという特殊な測定器が必要になるとともに、ボールバーの設置方法によって同定精度に与える影響が大きく、幾何誤差の正確な同定に高い技能が必要になるという問題がある。
そこで、ボールバーの代わりにタッチプローブ(ボールバーと比べると一般的な測定器である)及び計測ターゲットとなるターゲット球を用いて、上記3軸円弧補間運動測定と同様の幾何誤差同定原理からなる幾何誤差同定方法が考案されている。これは、たとえば上記5軸制御マシニングセンタにおいては、テーブル上にターゲット球を設置し、テーブルをC軸周り及びA軸周りにおいて複数の角度で割り出すとともに、テーブル上のターゲット球の位置を主軸に装着したタッチプローブで計測し、この計測されたターゲット球の位置にもとづき複数の割出条件によって描かれた円弧軌跡の中心偏差量から幾何誤差を同定するという方法である。つまり、この方法では、たとえばテーブルをA軸周りについては任意の角度で固定し、C軸周りについて正転方向及び逆転方向へ回転させながら複数回割り出す、或いは逆にテーブルをC軸周りについては任意の角度で固定し、A軸周りについて正転方向及び逆転方向へ回転させながら複数回割り出し、それぞれの割出条件でタッチプローブをターゲット球に複数回接触させ、ターゲット球の中心座標を算出するといった計測を繰り返し、得られた複数の計測値をもとにして幾何誤差を同定することになる。
特開2007−44802号公報
しかしながら、上述した方法で同定することができる幾何誤差は、あくまでA軸周り若しくはC軸周りを所定の角度で固定した場合における幾何誤差にすぎない。したがって、計測した割出角度とは異なる角度へA軸又はC軸を割り出した場合や、A軸周り及びC軸周りを同時に正転/逆転させたり、A軸周り又はC軸周りの一方を正転、他方を逆転させるような場合の幾何誤差を求めようとすると、従来では、更に多様な条件での計測を行わなければならず、計測作業が非常に煩雑になるという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、従来ほど多様な条件における計測を行うことなく、多様な加工状況での幾何誤差を同定することができる幾何誤差同定装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、工具を装着する主軸と、ワークを保持するテーブルとが、少なくとも2つの回転軸と2方向の並進軸とによって相対移動することにより、前記ワークを前記工具で加工する多軸工作機械において、前記主軸又は前記テーブルの一方に取り付けられたターゲットの位置を前記回転軸周りで複数の割出位置に割り出すとともに、前記主軸又は前記テーブルの他方に取り付けられたタッチプローブを用いて、各割出位置での前記ターゲットの位置を計測して計測値を取得し、複数の前記計測値にもとづいて前記多軸工作機械の幾何誤差を同定する制御装置を備えた幾何誤差同定装置であって、前記制御装置は、前記回転軸のうち一方の軸については所定の角度位置で固定し、他方の軸については正転方向及び/又は逆転方向へ夫々回転させながら前記ターゲットを複数の割出位置へ割り出す状態と、前記他方の軸については所定の角度位置で固定し、前記一方の軸については正転方向及び/又は逆転方向へ夫々回転させながら前記ターゲットを複数の割出位置へ割り出す状態との2つの状態で前記計測値を取得すると、前記一方の軸と前記他方の軸とを同時に回転させて加工する際の幾何誤差を、前記取得した計測値から同定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御装置は、前記一方の軸と前記他方の軸との何れか一方を計測時における前記所定の角度位置とは異なる角度位置で固定し、何れか他方を正転方向又は逆転方向へ回転させて加工する際の幾何誤差についても、前記取得した計測値から同定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記制御装置は、前記回転軸のうち固定させる側の軸について異なる2つの角度位置で前記計測値を取得すると、それらの2つの角度位置での前記計測値を平均した値を用いて前記幾何誤差を同定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記制御装置は、加工中に回転中の軸の回転方向を反転させる場合、反転前後での幾何誤差の差を予め設定されている当該軸のロストモーション量で除すとともに、回転軸の回転量を乗した値を、反転後の幾何誤差として同定することを特徴とする。
本発明によれば、取得した計測値をもとに、計測していない加工状況における幾何誤差を同定するため、従来よりも少ない条件でしか計測を行わないものの、多様な加工状況における幾何誤差を同定することができ、作業の簡易化は勿論、計測に係る時間の短縮に伴う加工時間の短縮、ひいては加工効率の向上を図ることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、既知の計測値を平均した値を用いて幾何誤差を同定するため、何も幾何誤差を補正しない場合や既知の計測値をそのまま用いる場合と比較すると、加工精度の向上を図ることができる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、回転軸の回転方向を反転させる際には、反転前後での幾何誤差の差をロストモーション量で除し、それに回転軸の回転量を乗した値を幾何誤差と算出する、すなわち反転前後における軸の稼動範囲に応じて幾何誤差を算出するため、反転時に一層精度の高い幾何誤差を求めることができ、加工精度の更なる向上を図ることができる。
多軸工作機械を示した斜視説明図である。 計測値を取得する際の制御を示したフローチャート図である。 第1の割出条件リストを示した説明図である。 第2の割出条件リストを示した説明図である。 幾何誤差を同定する際の制御を示したフローチャート図である。
以下、本発明の一実施形態となる幾何誤差同定装置について、図面にもとづき詳細に説明する。尚、本実施形態では、多軸工作機械の一例である5軸制御マシニングセンタにおける幾何誤差(特に、並進軸間の傾き誤差)の同定及び補正について説明する。
まず、多軸工作機械1について、図1をもとに説明する。図1は、多軸工作機械1を示した斜視説明図である。尚、図1中のX軸、Y軸、及びZ軸は直交3軸(多軸工作機械1が有する並進軸)であって、Y軸方向を多軸工作機械1における前後方向、X軸方向を左右方向、Z軸方向を上下方向とする。
多軸工作機械1のベッド2の上面には、Y軸案内3、3が形成されており、該Y軸案内3、3には、トラニオン構造のAC軸ユニット4がY軸方向へ移動可能に設置されている。AC軸ユニット4は、前面視で左右方向に幅広なU字状に形成されたクレードル5を備えてなるもので、該クレードル5は、左右に内蔵されたA軸駆動機構(図示せず)により、X軸方向と平行なA軸周りに旋回傾斜可能となっている。また、AC軸ユニット4は、クレードル5の上面に加工対象となるワークを載置するためのテーブル6を備えており、該テーブル6は、クレードル5に内蔵されたC軸駆動機構(図示せず)により、Z軸と平行なC軸周りに360度回転可能となっている。
一方、ベッド2には、Y軸案内3、3を跨ぐように門形構造のクロスレール7が固定されており、クロスレール7の前面には、X軸案内部8が形成されている。そして、X軸案内部8に、ラムサドル9がX軸方向へ移動可能に設置されている。また、ラムサドル9には、Z軸案内部10が設けられており、該Z軸案内部10には、下端に主軸11を備えた主軸頭12がZ軸方向へ移動可能に設置されている。尚、ラムサドル9、AC軸ユニット4、及び主軸頭12は、各案内部の案内面と平行に設置されたボールネジと、該ボールネジに連結されたサーボモータとにより移動可能となっている。また、多軸工作機械1には、幾何誤差同定装置を含んだ図示しないNC装置(制御装置)が設けられており、NC装置によって、AC軸ユニット4や主軸頭12等の各部材の各軸方向での駆動が制御されている。
そして、上記多軸工作機械1は、テーブル6上に固定されるワークをA軸周り及びC軸周りで旋回・回転させるとともにY軸方向へと移動させる一方、工具を取り付けた主軸11をX軸及びZ軸へと移動させることにより、ワークに対して多面加工を施すようになっている。
次に、多軸工作機械1における幾何誤差を同定するための計測について、図2のフローチャート、図3及び図4の割出条件リストをもとに説明する。
幾何誤差を同定するための計測は、従来同様、主軸11に装着したタッチプローブと、テーブル6上に固定されるターゲット球とを用いて行うものであって、まず、テーブル6上に固定されるターゲット球の初期位置を特定する初期計測を行う(S1)。次に、作業者により予め設定される割出条件リストを読み込んで取得し(S2)、当該割出条件リストにしたがって計測動作を開始させ、AC軸ユニット4を作動させて最初の割出条件において最初の計測ポイントへとターゲット球を割り出す(S3)。そして、主軸11をX軸及びZ軸方向へ移動させるとともにテーブル6をY軸方向へ移動させて、ターゲット球を計測する計測ポイントへタッチプローブを位置決めする(S4)。その後、タッチプローブを複数回ターゲット球に接触させて、ターゲット球の中心座標を計測値として取得し記憶する(S5)。そして、S2で設定された割出条件リストのうち最初の割出条件における全ての計測ポイントにおいて計測を行った否かを判断し(S6)、全ての計測ポイントで計測を行うまではS3〜S5を繰り返す。また、最初の割出条件における全ての計測ポイントにおいて計測が終了すると、割出条件リストの全ての割出条件において計測を行ったか否かを判断し(S7)、計測していない割出条件が残っている場合には割出条件を変更する(S8)。そして、当該割出条件における全ての計測ポイントにおいて計測が終了するまでS3〜S5を繰り返し、最終的には全ての割出条件における全ての計測ポイントでの計測値を得る。
なお、S2で取得する割出条件リストとは、図3及び図4に示すようなものである。すなわち、各割出条件としては、固定する軸側の固定角度と、固定しない側の軸を正転させるか若しくは逆転させるかが設定されている。したがって、図3の割出条件3−1では、A軸を所定の角度(たとえばα)で固定させた状態で、C軸を正転方向へ回転させながら、ターゲット球を複数の割出角度へ順に割り出していき、各割出角度におけるターゲット球の中心座標を計測するといった計測動作がS3〜5で実行されることになる。そして、図3の割出条件1における計測が終了すると、次に図3の割出条件3−2での計測を開始されることになり、今度はC軸を所定の角度(たとえばα)で固定させた状態で、A軸を逆転方向へ旋回させながらターゲット球を複数の割出角度へ順に割り出していく。また、図3の割出条件3−3では、C軸を割出条件3−2とは異なる所定の角度(たとえばβ)で固定した状態で、A軸を逆転方向へ旋回させることになり、図3の割出条件3−4では、A軸を割出条件3−1とは異なる所定の角度(たとえばβ)で固定した状態で、C軸を正転方向へ回転させることになる。さらに、図4に示す割出条件リストについての詳細な説明は省略するものの、図3に示す割出条件リスト同様、任意の異なる2つの角度で一方の軸を固定し、他の軸を正転方向若しくは逆転方向(図3に示す割出条件リストと図4に示す割出条件リストとは回転させる側の軸の回転方向が異なっている)させるようになっている。
そして、多軸工作機械1では、以上のようにして取得した計測値をもとに、以下のようにして幾何誤差を同定するとともに、同定した幾何誤差を補正しながら加工を行う。ここで、本発明の要部となる幾何誤差の同定及び補正に係る制御について図5のフローチャート図にしたがい説明する。
まず、加工を開始する前に、NC装置は加工プログラムを読み込んで、A軸及びC軸の回転に係る情報を取得するとともに、上述したようにして計測した計測値をも読み込んで取得する。
その後、加工が開始される(S11)と、A軸及びC軸の動作状況を判断し、対応する割出条件が存在するか否かを判断する(S12)。すなわち、A軸又はC軸の何れか一方を、計測値を取得した場合と同じ割出角度に割り出して固定する一方、他方を作動させながら加工を行う場合には、S12における判断はYESとなり、対応する割出条件における上記計測値をそのまま用いて幾何誤差を周知の方法(たとえば、「タッチプローブを用いた5軸制御工作機械の幾何誤差同定」2010年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集Q38−1105頁〜1106頁に記載)で同定する(S15)。また、A軸又はC軸を同時に作動させる場合にも、上記割出条件を組み合わせることにより加工時の動作状況と対応させることができるため、S12における判断はYESとなり、上記計測値を組み合わせることによって幾何誤差を同定する(S15)。つまり、たとえばA軸及びC軸をともに正転方向へ動作させる場合には、割出条件3−1、3−4、4−2、4−3における計測値を用いて幾何誤差を同定すればよいし、A軸を逆転方向へC軸を正転方向へ夫々作動させる場合には、割出条件3−1、3−2、3−3、3−4における計測値をを用いて幾何誤差を同定すればよい。一方、A軸又はC軸の何れか一方を、計測値を取得した場合とは異なる割出角度に割り出して固定する一方、他方を作動させるような場合には、対応する割出条件が存在しないため、S12における判断はNOとなる。その場合、上記計測値のうち類似する割出条件の計測値を平均し(S13)、当該平均値をもとに幾何誤差を同定する(S14)。したがって、たとえばA軸を固定し、C軸を正転方向へ作動させるものの、A軸を固定する割出角度が割出条件3−1、3−4のどちらとも異なる場合には、割出条件3−1、3−4における計測値を夫々平均し、その平均値をもとに幾何誤差を同定することになる。
上述したように幾何誤差を同定すると、該幾何誤差を補正しながら加工を継続し、予め読み込んだA軸及びC軸の回転に係る情報にもとづいてA軸及びC軸の作動状況の変更の有無を判断する(S16)。そして、A軸若しくはC軸の固定/作動が変更となったり、固定されているA軸若しくはC軸の割出角度が変更となる条件Aが発生すると、S12へと戻り、S12〜S15において変更された加工状況に応じた幾何誤差を新たに同定、新たに同定された幾何誤差を補正しながら加工を継続する。一方、作動中のA軸及び/又はC軸の作動方向が正逆で変更となる(作動方向が反転する)条件Bが発生すると、S17へ進み、反転する前後での夫々の幾何誤差を上述したような方法(種々の割出条件における計測値の組み合わせ)で求めるとともに、両幾何誤差(反転前の幾何誤差と反転後の幾何誤差)の差を算出する(S17)。そして、当該差と予め設定されている所定の閾値とを比較し(S18)、差が閾値よりも小さい場合(S18でYES)には、両幾何誤差の平均値を算出し、当該平均値を幾何誤差として同定する(S19)。そして、実際に反転を検出した後、平均値を幾何誤差として補正しながら加工を継続する。また、両幾何誤差の差が所定の閾値以上である場合(S18でNO)には、予め設定されているロストモーション量を取得するとともに、両幾何誤差の差をロストモーション量で除し、それに回転軸の回転量を乗した値を補正値、すなわち幾何誤差として同定し(S20)、実際に反転を検出した後、ロストモーション量を考慮した値を幾何誤差として補正しながら加工を継続する。そして、加工が終了となると(S21でYES)、上記幾何誤差の同定及び補正制御を終了させる。尚、2度目以降の反転時における反転前の幾何誤差は、S19で算出した平均値若しくはS20で算出したロストモーション量を考慮した値となる。
以上のような構成を有する幾何誤差同定装置によれば、A軸及びC軸の両軸を同時に回転させながら加工する際、一方の軸を固定し、他方の軸を回転(若しくは旋回)させながら取得した計測値を組み合わせることによって、上記計測していない加工状況における幾何誤差を同定する。したがって、従来よりも少ない条件でしか計測を行わないものの、多様な加工状況における幾何誤差を同定することができ、作業の簡易化は勿論、計測に係る時間の短縮に伴う加工時間の短縮、ひいては加工効率の向上を図ることができる。
また、割出条件を組み合わせても加工状況が再現できない、すなわち加工状況に対応する割出条件が存在しないような場合には、既知の計測値を平均した値を用いて幾何誤差を同定するため、何も幾何誤差を補正しない場合や既知の計測値をそのまま用いる場合と比較すると、加工精度の向上を図ることができる。
さらに、A軸やC軸を反転させる際には、反転前後での幾何誤差の差をロストモーション量で除し、それに回転軸の回転量を乗した値を幾何誤差と算出する、すなわち反転前後における軸の稼動範囲に応じて幾何誤差を算出するため、反転時に一層精度の高い幾何誤差を求めることができ、加工精度の更なる向上を図ることができる。
なお、本発明に係る幾何誤差同定装置は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、計測値をもとにして幾何誤差を同定する際の制御に係る構成等を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、上記実施形態では、対応する割出条件が存在しない場合には、類似する割出条件における計測値を平均した値をもとに幾何誤差を同定するように構成しているが、平均するのではなく、たとえばC軸を固定した割出条件においてC軸の割出角度が0deg、90degであり、加工時におけるC軸の割出角度が60degであると、90degでの割出条件における計測値には2/3をかけ、0degでの割出条件における計測値には1/3をかけるといったように、加工時の固定角度と割出条件における割出角度とから各割出条件における計測値に重み付けを行ってもよい。
また、上記実施形態では、ターゲットとしてターゲット球を採用しているが、ターゲット球の代わりに立方体をターゲットとして採用することも可能である。
さらに、上記実施形態では、計測値を得るにあたって、固定する側の割出角度が異なる2種類の計測値を得るように構成しているが、固定する側の割出角度が3種類以上であってもよいし、1種類としてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、計測値を得るにあたって、A軸及びC軸を夫々正逆両方向に回転(旋回)させているが、正転方向又は逆転方向の何れか一方へのみ回転させて計測値を取得し、他方へ回転させる際の幾何誤差についても、取得した計測値をもとに同定した幾何誤差を用いるように構成してもよい。当該構成を採用することにより、一層の計測作業の簡略化を図ることができる。
加えて、上記実施形態では5軸制御マシニングセンタにおける幾何誤差同定装置について説明しているが、当該幾何誤差同定装置は、5軸制御マシニングセンタに限らず、2つ以上の並進軸、及び2つ以上の回転軸をもつ多軸工作機械に対して好適に採用することができる。たとえば主軸側に回転軸を2軸以上設けてなるものや、主軸側とテーブル側との夫々に回転軸を1軸ずつ設けてなるものであってもよい。すなわち、5軸加工機と称されるマシニングセンタベースの工作機械のみならず、旋盤をベースとする複合加工機なども対象となる。そして、そのような場合、並進軸は制御上構成可能であれば、実際の案内面が直交している必要はない。また、回転軸の1つであるA軸はクレードルの旋回軸に限定されず、360度回転可能な回転軸であってもよいし、ターゲットとタッチプローブの配置を入れ替えても幾何誤差の同定は可能である。
1・・多軸工作機械、4・・AC軸ユニット、6・・テーブル、11・・主軸、21・・ターゲット球(ターゲット)。

Claims (4)

  1. 工具を装着する主軸と、ワークを保持するテーブルとが、少なくとも2つの回転軸と2方向の並進軸とによって相対移動することにより、前記ワークを前記工具で加工する多軸工作機械において、前記主軸又は前記テーブルの一方に取り付けられたターゲットの位置を前記回転軸周りで複数の割出位置に割り出すとともに、前記主軸又は前記テーブルの他方に取り付けられたタッチプローブを用いて、各割出位置での前記ターゲットの位置を計測して計測値を取得し、複数の前記計測値にもとづいて前記多軸工作機械の幾何誤差を同定する制御装置を備えた幾何誤差同定装置であって、
    前記制御装置は、前記回転軸のうち一方の軸については所定の角度位置で固定し、他方の軸については正転方向及び/又は逆転方向へ夫々回転させながら前記ターゲットを複数の割出位置へ割り出す状態と、前記他方の軸については所定の角度位置で固定し、前記一方の軸については正転方向及び/又は逆転方向へ夫々回転させながら前記ターゲットを複数の割出位置へ割り出す状態との2つの状態で前記計測値を取得すると、前記一方の軸と前記他方の軸とを同時に回転させて加工する際の幾何誤差を、前記取得した計測値から同定することを特徴とする幾何誤差同定装置。
  2. 前記制御装置は、前記一方の軸と前記他方の軸との何れか一方を計測時における前記所定の角度位置とは異なる角度位置で固定し、何れか他方を正転方向又は逆転方向へ回転させて加工する際の幾何誤差を、前記取得した計測値から同定することを特徴とする請求項1に記載の幾何誤差同定装置。
  3. 前記制御装置は、前記回転軸のうち固定させる側の軸について異なる2つの角度位置で前記計測値を取得すると、それらの2つの角度位置での前記計測値を平均した値を用いて前記幾何誤差を同定することを特徴とする請求項2に記載の幾何誤差同定装置。
  4. 前記制御装置は、加工中に回転中の軸の回転方向を反転させる場合、反転前後での幾何誤差の差を予め設定されている当該軸のロストモーション量で除すとともに、回転軸の回転量を乗した値を、反転後の幾何誤差として同定することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の幾何誤差同定装置。
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