JP2012236947A - ハイグロスフィルムの施与方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるハイグロスフィルムを被着体に施与する方法において、該フィルムの接着層側が被着体と接触するように該フィルムを該被着体上に置くこと、および該フィルムの塗料層の表面を直接擦って該フィルムを該被着体に圧着させることを含み、該塗料層が、ビニルモノマーの重合体鎖部分、ポリジメチルシロキサン部分および水酸基含有ポリカプロラクトン部分を有する共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなる、前記方法。
【選択図】なし
Description
塗料層は、上記共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなる。
[ここで、RはHまたはCH3であり、mは10〜300の整数である。]
[ここで、RはHまたはCH3であり、l+m+nは10〜300の整数である。]
本発明におけるプラスチック製基材層としては、熱可塑性樹脂からなるフィルムが好適であり、単層又は積層のいずれであってもよい。上記熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、以下が例示される。
(i)上地が透明なポリオレフィン系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリオレフィン系樹脂フィルムである、
(ii)上地が透明なポリ塩化ビニル系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムである、
(iii)上地が透明な非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムであり、下地が着色された非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムである、
(iv)上地が透明なアクリル系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリオレフィン系樹脂フィルムである、および
(v)上地が透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂または非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂のフィルムである。
本明細書において接着層とは、感熱接着層、感圧接着(粘着)層およびホットメルト接着層を包含する。本発明におけるフィルムを壁装用に用いる場合には、上記接着層が粘着層であるのが一般的である。粘着層を構成する成分は特に制限されないが、アクリル系粘着剤が好ましく利用され、例えば、溶剤型アクリル系粘着剤、非水系エマルジョン型アクリル系粘着剤、水系エマルジョン型アクリル系粘着剤および水溶性型アクリル系粘着剤などを挙げることができる。これらの中で、溶剤型アクリル系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤には、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤を配合することができる。また、壁装用等の難燃性を必要とする分野においては、接着層に難燃剤を配合するのが有用である。
下記ハイグロスフィルムを作製し、以下の試験を行った。結果を表1に示す。
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた500ml容量のフラスコに、トルエン50重量部及びメチルイソブチルケトン50重量部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル60重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート38重量部、メタクリル酸1重量部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製、ABN−E)1重量部、片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、X−22−174DX、分子量:5000)25重量部、およびメタクリル酸ヒドロキシエチルエステルのカプロラクトン付加物(ダイセル化学工業製、プラクセルFM−5)25重量部、を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に2時間かけて滴下した。その後6時間反応させて共重合体(固形分50%)を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた500ml容量のフラスコに、エタノール106重量部、テトラエトキシシラン320重量部、脱イオン水21重量部及び1%塩酸1重量部を仕込み、85℃にて2時間保持した後、昇温しながらエタノールを回収し、180℃で30分保持した。その後冷却し、粘調なポリシロキサン成分を得た。
上記で得られた共重合体100重量部およびポリシロキサン成分10重量部に硬化剤としてのHMDIイソシアヌレート体(武田薬品工業株式会社製、タクネートD−170N、固形分:100%、NCO%:20.7)50重量部を添加し、目的とする塗料組成物を得た。
基材としての塩化ビニルフィルム(リケンテクノス株式会社製、S23018Fc24458、厚み120μm)の片面に、コンマコーターを用いて上記塗料組成物を乾燥後の膜厚が10μmになるように塗工した。また、セパレータ(サンエー化研(株)製、WHB80A)に、コンマコーターを用いて、粘着剤(綜研化学(株)製、SKダイン1301)を乾燥後の厚さが50μmとなるように塗工した。乾燥後、粘着剤側の面を上記基材フィルムの他方の面と接合して、セパレータ付きのハイグロスフィルムを作製した。このハイグロスフィルムを養生(40℃で48時間)した後、以下の試験を行った。
(1)光沢
ハイグロスフィルムの塗料層の表面における入射角60°鏡面光沢度を、HORIBA社製ハンディ光沢計<グロスチェッカー>IG−320を用い、JIS K7105に準拠して測定した。
上記で得られたセパレータ付きハイグロスフィルムからセパレータを剥がし、ガラス板の上にハイグロスフィルムをその粘着剤側の面が接するように置き、塗料層の表面をプラスチックスキージーで5往復擦った。塗料層面における傷の有無を以下の基準で評価した。
○・・・傷がつかなかった
△・・・4往復または5往復で傷がついた
×・・・3往復までに傷がついた
ハイグロスフィルムを、プラスチックスキージーを用いて壁面に施与するときの作業性を5人のパネラーにより以下の基準に従って評価した。施与は、ハイグロスフィルムをその粘着剤層が壁面に接するように置き、塗料層の表面にスキージーを当ててハイグロスフィルムを壁面に圧着させることにより行った。以下の基準において、良好とは、スキージーの滑りが適度であり、ハイグロスフィルムの粘着層と壁面との間に気泡を巻き込むことなく容易にハイグロスフィルムを施与することができることを意味する。
○・・・5人が良好と評価
△・・・4〜3人が良好と評価
×・・・良好と評価したのが2人以下
端面が曲面(曲率半径50mm)である図1に示す形状の厚さ50mmの試験板1の表面(Aで示される部分)へのハイグロスフィルムの施与を5人のパネラーによって行い、以下の基準で評価した。施与は、ハイグロスフィルムをその粘着剤層が試験板の表面Aに接するように置き、ハイグロスフィルムをドライヤーの熱で延伸させながら、塗料層の表面にプラスチックスキージーを当ててハイグロスフィルムを試験板に圧着させることにより行った。以下の基準において、良好とは、ハイグロスフィルムが裂けたり、塗料層にクラックが入ったりすることなくハイグロスフィルムを施与することができることを意味する。
○・・・5人が良好と評価
△・・・4〜3人が良好と評価
×・・・良好と評価したのが2人以下
ハイグロスフィルムを厚さ0.27mmの鋼板(亜鉛メッキ鋼板)に試験(2)と同様に施与して試験片を作成した。得られた試験片を用い、建築基準法第2条9号および建築基準法施行令第108条の2に基づく防耐火試験方法および性能評価規格に従って、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験を行い(加熱時間20分)、最大発熱速度(kW/m2)および総発熱量(MJ/m2)を測定した。不燃材料としての規定を満たすには、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、また総発熱量が8MJ/m2以下であることが必要である。より高い不燃性能をもたせるために、総発熱量が7.2MJ/m2以下であることがより好ましい。
実施例1において、基材としてポリプロピレンフィルム(リケンテクノス株式会社製、LPP005 XP2050、厚み120μm)を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、上記塗料組成物に代えてアクリル樹脂を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1と同様のハイグロスフィルムを使用し、試験(2)〜(5)の施与の際にハイグロスフィルムの塗料層の上にプロテクトフィルムを付け、プラスチックスキージーをプロテクトフィルムに当てて施与した以外は、比較例1と同様にして試験(1)〜(5)を行った。なお、試験(5)では、施与後、プロテクトフィルムを剥がしたものを試験片とした。結果を表1に示す。
実施例1において、上記塗料組成物に代えてポリウレタン系2液硬化型塗料(ザ・インクテック社製、商品名「NHWPクリアー」100質量部に、ポリイソシアネート[ザ・インクテック社製、商品名「XEL硬化剤(D)」、ポリイソシアネート濃度75質量%]10質量部を添加した塗料)を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、上記塗料組成物に代えて紫外線硬化型塗料(日本化薬(株)製DPHA100質量部に対して、光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「ダロキュアー1173」)を5質量部、溶剤としてイソプロピルアルコール50質量部およびメチルエチルケトン50質量部を添加した塗料)を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
Claims (2)
- 塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるハイグロスフィルムを被着体に施与する方法において、該フィルムの接着層側が被着体と接触するように該フィルムを該被着体上に置くこと、および該フィルムの塗料層の表面を直接擦って該フィルムを該被着体に圧着させることを含み、該塗料層が、ビニルモノマーの重合体鎖部分、ポリジメチルシロキサン部分および水酸基含有ポリカプロラクトン部分を有する共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなる、前記方法。
- 基材層が塩化ビニル系樹脂からなる請求項1に記載の方法。
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