JP2012236947A - ハイグロスフィルムの施与方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるハイグロスフィルムを、プロテクトフィルムを使用しないでも良好に施与することができる方法を提供する。
【解決手段】塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるハイグロスフィルムを被着体に施与する方法において、該フィルムの接着層側が被着体と接触するように該フィルムを該被着体上に置くこと、および該フィルムの塗料層の表面を直接擦って該フィルムを該被着体に圧着させることを含み、該塗料層が、ビニルモノマーの重合体鎖部分、ポリジメチルシロキサン部分および水酸基含有ポリカプロラクトン部分を有する共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなる、前記方法。
【選択図】なし

Description

本発明はハイグロスフィルムの施与方法に関する。特に、プロテクトフィルムを使用しなくてもフィルム表面に傷をつけることなく良好に施与することができる方法に関する。
ハイグロスフィルムは、壁装材等の建材や、家具、家電等における化粧フィルムとして使用されている。ハイグロスフィルムとして、例えば、ハイグロス性を有するアクリル−シリコーン系共重合体塗料からなる塗膜がプラスチック製基材の一方の面に施与され、他方の面に粘着剤が施与されたフィルムが知られている(例えば、特許文献1)。このフィルムを被着体に施与するときには、塗膜表面にプロテクトフィルムを付けたものを、粘着剤面が被着体に接するようにおき、プロテクトフィルムの上からスキージーなどを用いて貼りつけることが行われる。これは、プロテクトフィルムを付けないで塗膜の上に直接スキージーを当てると塗膜に擦り傷が付くからである。しかし、プロテクトフィルムを用いて付与する方法は、ハイグロスフィルムを貼付した後にプロテクトフィルムを剥がす必要があり、また、きれいに剥がすのは容易でない。さらに、プロテクトフィルムの上からスキージーを当てる方法は、スキージーの滑りが悪かったり、湾曲した部分に貼り付けるときの作業性が悪いなどの不具合もある。また、剥がしたプロテクトフィルムが廃棄物として残るという問題もある。
傷の付きにくい塗料として、紫外線硬化型ハードコートなどのハードコート剤が知られている。しかし、ハードコート剤から得られる塗膜は硬いため、それを基材上に施与したフィルムは、湾曲部へ貼り付けるときの作業性が悪く、また貼り付けることができても、塗膜表面にクラックを生じるなどの問題がある。また、2液硬化型ウレタン塗料から得られる塗膜はハードコート塗膜ほど硬くないので作業性の問題はないが、耐傷付き性が不十分であり、また、ハイグロス性に劣る。
特開2007−001111号公報
本発明の目的は、上記問題のない、ハイグロスフィルムの施与方法を提供することである。
本発明者らは、塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるフィルムにおいて、上記塗料層が、ビニルモノマーの重合体鎖部分、ポリジメチルシロキサン部分および水酸基含有ポリカプロラクトン部分を有する共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなるならば、上記塗料層はハイグロスでありかつ耐擦傷性に優れ、この塗料層を有するフィルムの接着層側を被着体の上におき、塗料層の表面を直接擦ることにより、プロテクトフィルムを使用することなく、良好にハイグロスフィルムを施与することができることを見出した。
すなわち、本発明は、塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるハイグロスフィルムを被着体に施与する方法において、該フィルムの接着層側が被着体と接触するように該フィルムを該被着体上に置くこと、および該フィルムの塗料層の表面を直接擦って該フィルムを該被着体に圧着させることを含み、該塗料層が、ビニルモノマーの重合体鎖部分、ポリジメチルシロキサン部分および水酸基含有ポリカプロラクトン部分を有する共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなるところの方法である。
本発明の方法は、プロテクトフィルムを使用しないでも塗料層の表面に傷を付けることなく、良好な作業性でハイグロスフィルムを被着体に施与することができる。
耐折り曲げ性試験において使用される試験板の斜視図である。
本発明方法で使用されるハイグロスフィルムは、塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるものであり、上記塗料層が、ポリカプロラクトン部分、ポリジメチルシロキサン部分およびビニルモノマーの重合体鎖部分を有する共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなる。ここで、本明細書において、「ハイグロス」は、塗料層の表面の入射角60°鏡面光沢度が70以上であることを意味する。
塗料層
塗料層は、上記共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなる。
上記共重合体は、好ましくは、(A)ビニルモノマーと(B)ポリジメチルシロキサンの(メタ)アクリルエステルと(C)ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合することにより得られる。
上記ビニルモノマー(A)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、シトラコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートおよびジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のOH基含有モノマーを用いることもできる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
上記ポリジメチルシロキサンの(メタ)アクリルエステル(B)としては、例えば下記構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2012236947
[ここで、RはHまたはCHであり、mは10〜300の整数である。]
Figure 2012236947
[ここで、RはHまたはCHであり、l+m+nは10〜300の整数である。]
成分(B)の市販例としては、例えば片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサンであるX−22−2426、X−22−174DXおよびX−22−2475(いずれも商品名、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
上記ラクトン変成ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(C)としては、例えば下記構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2012236947
[ここで、RはHまたはCHであり、nは1〜25の整数である。]
成分(C)の市販例としては、例えばメタクリル酸ヒドロキシエチルエステルのカプロラクトン付加物であるプラクセルFM−5、プラクセルFM−2DおよびプラクセルFM−3(いずれも商品名、ダイセル化学工業製)が挙げられる。
成分(A)〜(C)の配合量は、成分(A)100重量部に対して、成分(B)が1〜45重量部、特に3〜30重量部であり、成分(C)が5〜85重量部、特に8〜70重量部であるのが好ましい。
成分(B)は、塗膜表面に潤滑性を与え、摩擦係数を低くすることにより、耐擦傷性を付与する働きを有する。成分(B)の量が上記下限未満では、かかる効果が十分に発揮されず、一方、上記上限を超えると、塗膜の耐汚染性が低下する。成分(B)の分子量は、1000〜30000程度であるのが好ましく、効果的に塗膜表面に配向し、潤滑性を与える点から、特に3000〜20000程度であるのが好ましい。
成分(C)は、塗膜に高い反撥弾性と良好な密着性を付与し、塗膜に擦過力が及ぼされると、該擦過力をエネルギー弾性変形により吸収する働きを有する。成分(C)の量が上記下限未満では、塗膜の耐擦傷性及び耐スクラッチ性が低下し、一方、上記上限を超えると、塗膜の耐汚染性が低下する。
成分(A)〜(C)の共重合は、通常溶液重合によって行われる。溶液重合では、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤などが単独又は混合溶剤として用いられ、所望により、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤が用いられる。重合温度は50〜150℃であるのが好ましく、反応時間は3〜12時間であるのが好ましい。
上記ポリイソシアネート系硬化剤としては、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)のイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート、あるいは上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等が挙げられる。上記ポリイソシアネート系硬化剤は、上記共重合体の水酸基含有ポリカプロラクトン部分における水酸基と反応してウレタン架橋を生じて硬化物を形成する。
ポリイソシアネート系硬化剤の添加量は、上記共重合体100重量部に対し、20〜80重量部、特に30〜70重量部であるのが好ましい。該ポリイソシアネート系硬化剤の量が上記下限未満では、塗膜の架橋が不十分で硬化せず、一方、上記上限を超えると、架橋が進みすぎて柔軟性が低下し、傷付き復元性が低下する。
塗料層のための塗料組成物は、上記共重合体および硬化剤の他に、ポリシロキサン成分を含んでいてもよい。上記ポリシロキサン成分は、加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、および該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記シラン化合物を付加させたものから選ばれる1以上である。上記シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトキエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。
上記ポリシロキサン成分の量は、上記共重合体100重量部に対し、1〜25重量部であるのが好ましく、特に5〜18重量部であるのが好ましい。上記ポリシロキサン成分は、塗膜に耐汚染性、耐候性および耐熱性を付与するとともに塗膜の表面硬度を向上させる働きを有するが、上記量が1重量部未満ではかかる効果が十分に発揮されず、25重量部を超えると、塗膜の耐擦傷性が低下する。
上記塗料組成物を硬化させて得られる塗膜は、耐擦傷性に優れるとともにハイグロス性に優れる。したがって、この塗膜を塗料層として有する本発明におけるフィルムはハイグロスフィルムである。
基材層
本発明におけるプラスチック製基材層としては、熱可塑性樹脂からなるフィルムが好適であり、単層又は積層のいずれであってもよい。上記熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、以下が例示される。
基材層が単層である場合には、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリエステル系樹脂等のフィルムが好ましく、ハイグロスフィルムに不燃性を付与する点からポリ塩化ビニル系樹脂が特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、1以上のオレフィン系単量体、例えばエチレン、プロピレンおよびブチレン等から選択される1以上を主成分とする(共)重合体が挙げられる。好ましくは、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂から選択され、具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)およびポリプロピレン(PP)が挙げられる。ポリ塩化ビニル系樹脂としては、公知の塩化ビニル系樹脂を主成分とする硬質、半硬質または軟質の組成物をいずれも使用することができる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系およびポリトリメチレンテレフタレート系等の単独あるいは共重合体が使用され、結晶性であっても非晶性であっても良く、また、これらのブレンド系であっても良い。中でも非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく、本発明の効果の点から、テレフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール60〜90モル%およびシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%からなるグリコール成分(ただし、前記グリコール成分の合計は100モル%)とから構成された非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が特に好ましい。
基材層が、例えば二層からなる積層体である場合には、上地が透明樹脂フィルムからなり、下地が着色樹脂からなる形態が例示され、例えば以下の組み合わせが好適である。なお、上地とは、塗料層と直接接する側の層である。
(i)上地が透明なポリオレフィン系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリオレフィン系樹脂フィルムである、
(ii)上地が透明なポリ塩化ビニル系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムである、
(iii)上地が透明な非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムであり、下地が着色された非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムである、
(iv)上地が透明なアクリル系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリオレフィン系樹脂フィルムである、および
(v)上地が透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムであり、下地が着色されたポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂または非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂のフィルムである。
上記(i)〜(v)の形態において、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、基材層が単層である場合に説明したものと同じである。アクリル系樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、あるいは(メタ)アクリレート単位とスチレン単位やウレタン構造とを有する共重合体などを挙げることができる。さらには、前記のアクリル系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との混合樹脂、あるいは前記のアクリル系樹脂とアクリルゴムとの混合樹脂などを用いることもできる。二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、とくに制限されず、公知のものを適宜利用できる。
また、各層の着色方法もとくに制限されず、公知の手段を適宜採用できる。また、延伸可能な樹脂の場合は、従来公知の方法で一軸または二軸延伸処理してもよい。更に、上地と下地との間に印刷層を設けることも可能である。印刷層は上地にバックプリントしたものでもよく、あるいは下地にトッププリントしたものでも良い。
基材層が単層である場合、その厚さは例えば30〜300μmが好ましい。基材層が積層体である場合、その厚さは、例えば上地が10〜200μmであり、下地が20〜200μmであるのが好ましく、積層の全厚さは、30〜300μmであるのが好ましい。基材層が積層体である場合、積層方法としては、熱ラミネート、ドライラミネート、押出しラミネートおよび共押出し等が挙げられる。
接着層
本明細書において接着層とは、感熱接着層、感圧接着(粘着)層およびホットメルト接着層を包含する。本発明におけるフィルムを壁装用に用いる場合には、上記接着層が粘着層であるのが一般的である。粘着層を構成する成分は特に制限されないが、アクリル系粘着剤が好ましく利用され、例えば、溶剤型アクリル系粘着剤、非水系エマルジョン型アクリル系粘着剤、水系エマルジョン型アクリル系粘着剤および水溶性型アクリル系粘着剤などを挙げることができる。これらの中で、溶剤型アクリル系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤には、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤を配合することができる。また、壁装用等の難燃性を必要とする分野においては、接着層に難燃剤を配合するのが有用である。
本発明におけるフィルムは、上記基材層の片面に上記塗料組成物を塗布し、硬化させて塗料層を形成し、上記基材層の他方の面に接着層を形成することにより製造することができる。上記塗料組成物には、必要に応じて、本発明の硬化を損なわない範囲で添加剤を添加してもよい。上記添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、レベリング剤および希釈剤が挙げられる。上記塗料組成物の塗布は、通常の方法で行うことができ、例えばロールコーター、グラビアコーター、ダイコーターおよびスプレーコーター等を用いて行うことができる。また、ダイレクトに塗布するだけでなく、一旦別の基材に塗布したものを転写させることもできる。塗料層の厚みは、乾燥後に5〜20μmであるのが好ましい。この厚みが薄過ぎると傷付復元性が低下する傾向にある。厚過ぎると耐薬品性が劣る傾向にあり、また、不燃性も低下する。上記硬化は、室温乾燥または焼付乾燥することにより行うことができる。室温乾燥は8時間〜1週間行われ、焼付乾燥は40〜300℃で5秒〜120分行われる。
接着層の形成は公知の方法に従って行うことができ、例えば適当な離型紙にアクリル系の粘着剤を乾燥後の厚みが10〜80μm程度になるように塗布し、その後、基材層に貼り合わせる方法等が挙げられる。
こうして得られたフィルムは、塗料層が上記特定の塗料からなるので、ハイグロスであり、かつ耐擦傷性に優れる。したがって、上記フィルムを、その接着層側が被着体と接触するように該被着体上に置き、上記フィルムの塗料層の表面を直接擦ってフィルムを被着体に圧着させることにより、塗料層の表面に傷を付けることなく、良好にハイグロスフィルムを被着体に施与することができる。
上記「塗料層の表面を直接擦ってフィルムを被着体に圧着させること」は、例えば手やスキージーなどのヘラを塗料層の表面に当てて力を加えることにより行うことができる。塗料層の表面を擦るための手段は、その手段によって上記表面を擦ることにより、すなわちその手段を上記表面に当てて力を加えることによりフィルムを被着体に圧着させることができるものであれば、上記で挙げたものに限定されない。
本発明方法によれば、プロテクトフィルムを使用することなく、良好にハイグロスフィルムを被着体に施与することができ、壁面や床面、天板、家具等への化粧材としての施与や家電等への装飾材としての施与において有用である。
以下、実施例等により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記ハイグロスフィルムを作製し、以下の試験を行った。結果を表1に示す。
共重合体の合成
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた500ml容量のフラスコに、トルエン50重量部及びメチルイソブチルケトン50重量部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル60重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート38重量部、メタクリル酸1重量部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製、ABN−E)1重量部、片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、X−22−174DX、分子量:5000)25重量部、およびメタクリル酸ヒドロキシエチルエステルのカプロラクトン付加物(ダイセル化学工業製、プラクセルFM−5)25重量部、を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に2時間かけて滴下した。その後6時間反応させて共重合体(固形分50%)を得た。
ポリシロキサン成分の合成
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた500ml容量のフラスコに、エタノール106重量部、テトラエトキシシラン320重量部、脱イオン水21重量部及び1%塩酸1重量部を仕込み、85℃にて2時間保持した後、昇温しながらエタノールを回収し、180℃で30分保持した。その後冷却し、粘調なポリシロキサン成分を得た。
塗料組成物の調製
上記で得られた共重合体100重量部およびポリシロキサン成分10重量部に硬化剤としてのHMDIイソシアヌレート体(武田薬品工業株式会社製、タクネートD−170N、固形分:100%、NCO%:20.7)50重量部を添加し、目的とする塗料組成物を得た。
ハイグロスフィルムの作製
基材としての塩化ビニルフィルム(リケンテクノス株式会社製、S23018Fc24458、厚み120μm)の片面に、コンマコーターを用いて上記塗料組成物を乾燥後の膜厚が10μmになるように塗工した。また、セパレータ(サンエー化研(株)製、WHB80A)に、コンマコーターを用いて、粘着剤(綜研化学(株)製、SKダイン1301)を乾燥後の厚さが50μmとなるように塗工した。乾燥後、粘着剤側の面を上記基材フィルムの他方の面と接合して、セパレータ付きのハイグロスフィルムを作製した。このハイグロスフィルムを養生(40℃で48時間)した後、以下の試験を行った。
試験
(1)光沢
ハイグロスフィルムの塗料層の表面における入射角60°鏡面光沢度を、HORIBA社製ハンディ光沢計<グロスチェッカー>IG−320を用い、JIS K7105に準拠して測定した。
(2)耐擦傷性
上記で得られたセパレータ付きハイグロスフィルムからセパレータを剥がし、ガラス板の上にハイグロスフィルムをその粘着剤側の面が接するように置き、塗料層の表面をプラスチックスキージーで5往復擦った。塗料層面における傷の有無を以下の基準で評価した。

○・・・傷がつかなかった
△・・・4往復または5往復で傷がついた
×・・・3往復までに傷がついた
(3)作業性
ハイグロスフィルムを、プラスチックスキージーを用いて壁面に施与するときの作業性を5人のパネラーにより以下の基準に従って評価した。施与は、ハイグロスフィルムをその粘着剤層が壁面に接するように置き、塗料層の表面にスキージーを当ててハイグロスフィルムを壁面に圧着させることにより行った。以下の基準において、良好とは、スキージーの滑りが適度であり、ハイグロスフィルムの粘着層と壁面との間に気泡を巻き込むことなく容易にハイグロスフィルムを施与することができることを意味する。
○・・・5人が良好と評価
△・・・4〜3人が良好と評価
×・・・良好と評価したのが2人以下
(4)耐折り曲げ性
端面が曲面(曲率半径50mm)である図1に示す形状の厚さ50mmの試験板1の表面(Aで示される部分)へのハイグロスフィルムの施与を5人のパネラーによって行い、以下の基準で評価した。施与は、ハイグロスフィルムをその粘着剤層が試験板の表面Aに接するように置き、ハイグロスフィルムをドライヤーの熱で延伸させながら、塗料層の表面にプラスチックスキージーを当ててハイグロスフィルムを試験板に圧着させることにより行った。以下の基準において、良好とは、ハイグロスフィルムが裂けたり、塗料層にクラックが入ったりすることなくハイグロスフィルムを施与することができることを意味する。
○・・・5人が良好と評価
△・・・4〜3人が良好と評価
×・・・良好と評価したのが2人以下
(5)不燃性
ハイグロスフィルムを厚さ0.27mmの鋼板(亜鉛メッキ鋼板)に試験(2)と同様に施与して試験片を作成した。得られた試験片を用い、建築基準法第2条9号および建築基準法施行令第108条の2に基づく防耐火試験方法および性能評価規格に従って、コーンカロリーメーター試験機による発熱性試験を行い(加熱時間20分)、最大発熱速度(kW/m2)および総発熱量(MJ/m2)を測定した。不燃材料としての規定を満たすには、加熱開始後の最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えず、また総発熱量が8MJ/m2以下であることが必要である。より高い不燃性能をもたせるために、総発熱量が7.2MJ/m2以下であることがより好ましい。
実施例2
実施例1において、基材としてポリプロピレンフィルム(リケンテクノス株式会社製、LPP005 XP2050、厚み120μm)を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、上記塗料組成物に代えてアクリル樹脂を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1と同様のハイグロスフィルムを使用し、試験(2)〜(5)の施与の際にハイグロスフィルムの塗料層の上にプロテクトフィルムを付け、プラスチックスキージーをプロテクトフィルムに当てて施与した以外は、比較例1と同様にして試験(1)〜(5)を行った。なお、試験(5)では、施与後、プロテクトフィルムを剥がしたものを試験片とした。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、上記塗料組成物に代えてポリウレタン系2液硬化型塗料(ザ・インクテック社製、商品名「NHWPクリアー」100質量部に、ポリイソシアネート[ザ・インクテック社製、商品名「XEL硬化剤(D)」、ポリイソシアネート濃度75質量%]10質量部を添加した塗料)を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、上記塗料組成物に代えて紫外線硬化型塗料(日本化薬(株)製DPHA100質量部に対して、光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「ダロキュアー1173」)を5質量部、溶剤としてイソプロピルアルコール50質量部およびメチルエチルケトン50質量部を添加した塗料)を使用した以外は実施例1と同様にしてハイグロスフィルムを作製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2012236947
1 試験板

Claims (2)

  1. 塗料層、プラスチック製基材層および接着層が順次積層されてなるハイグロスフィルムを被着体に施与する方法において、該フィルムの接着層側が被着体と接触するように該フィルムを該被着体上に置くこと、および該フィルムの塗料層の表面を直接擦って該フィルムを該被着体に圧着させることを含み、該塗料層が、ビニルモノマーの重合体鎖部分、ポリジメチルシロキサン部分および水酸基含有ポリカプロラクトン部分を有する共重合体およびポリイソシアネート系硬化剤を含む塗料組成物の硬化物からなる、前記方法。
  2. 基材層が塩化ビニル系樹脂からなる請求項1に記載の方法。
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