JP2012214240A - 転写型食品用包材 - Google Patents

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Abstract

【課題】燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れ、ヒートシール性を有する転写型食品用包材を提供すること。
【解決手段】合成樹脂層を外層とし、繊維材層を内層とする転写型食品用包材であって、上記繊維材層は、ヒートシール性繊維と、マーセル化パルプと、針葉樹クラフトパルプとを含み、上記繊維材層は、坪量が10〜40g/m2であり、密度が0.6g/cm3以下であり、JIS P 8141に規定するクレム吸水度が10mm以上であることを特徴とする転写型食品用包材。
【選択図】なし

Description

本発明は、転写型食品用包材に関する。さらに詳しくは、燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れ、ヒートシール性を有する転写型食品用包材に関する。
近年、加工肉製品や水産練り製品などの食品用の包材においては、ガスバリア性、耐水性、耐油性、強度などの機能に加えて、食品の製造工程の簡素化、合理化、長期保管性や安定性などの付加価値を高めることが追及され、調味剤、風味剤、色素、保存剤などの食品改質剤を包材に塗工して、これらの成分を加熱調理により食品表面に良好に転写することが求められている。
上記改質剤としては、従来では加工性などの見地から有機溶剤が使用されていたが、最近では、環境保全や労働衛生の見地から水性改質剤へと移行が進んでいる。このような水性改質剤を塗工するには、紙や不織布などのような吸水性の良い繊維材層を包材に設けて水性改質剤を保持する必要があるが、繊維材層は単層ではガスバリア性、耐水性、強度などに乏しいため、ヒートシール可能な合成樹脂層を積層することにより、包材を補強し、包材に強度と機械適性とを付与している。たとえば、特許文献1には、合成樹脂層と吸水性を有する繊維材層とを積層した食品包材が記載されている。しかしながら、このヒートシール可能な合成樹脂層を外層とし、繊維材層を内層とする包材にあっては、内層である繊維材層にヒートシール性がないため、内層同士を貼り合わせる合掌貼りはもちろん、外層と内層とを貼り合わせる封筒貼りすらも実施することができない。そのため、ヒートシール性のあるオーバーテープ(たとえば、包材の外層と同材質)を別途用意し、包材の端部同士を突き合わせ、合成樹脂層(外層)のうちの突き合わせ部にこのオーバーテープをヒートシールすることで、筒状に製袋することが行われているが、このオーバーテープシール方式はオーバーテープを別途必要とするため、上記合掌貼りや封筒貼りを行う従来のピロー式の自動包装機を用いることができず、特殊な設備、包装機が必要であることから、製袋加工方法が複雑化してコスト高になり、包材の加工工程の簡略化、合理化が図れないという問題がある。その一方で、包材をヒートシール性の合成樹脂層のみで形成し、繊維材層を設けないと、包材の内層に転写に必要とする充分な量の水性改質剤を吸収させることができないという問題がある。
かかる問題を解決するために、特許文献2には、紙にビスコース溶液を含浸させたファイブラス紙からなる繊維材層と、ヒートシール性樹脂からなる合成樹脂層と、中間層とが設けられた包材が開示されている。また、特許文献3には、共重合ポリエステル複合繊維と親水性繊維とからなるヒートシール性ケーシングが開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の包材では、3層からなる積層構造を必要とし、かつ、繊維層に対してビスコースを含浸させなければならないため、製造工程が煩雑であり、コスト増の問題もある。また、特許文献3に記載の包材は、そもそも燻製用であり、転写型の食品用包材ではない。また、吸液性と保液性がいずれも不充分であり、転写型食品用包材としては使用できないという問題がある。
特開2000−116365号公報 特開2008−99563号公報 特開平6−248595号公報
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れ、ヒートシール性を有する転写型食品用包材を提供することを目的とする。
本発明の転写型食品用包材は、合成樹脂層を外層とし、繊維材層を内層とする転写型食品用包材であって、上記繊維材層は、ヒートシール性繊維と、マーセル化パルプと針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を含み、上記繊維材層は、坪量が10〜40g/m2であり、密度が0.6g/cm3以下であり、JIS P 8141に規定するクレム吸水度が10mm以上であることを特徴とする。本発明は、かかる構成を有することにより、燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れ、ヒートシール性を有する転写型食品用包材を提供することができる。
上記繊維材層が、ヒートシール性繊維10〜35質量%と、マーセル化パルプ5〜25質量%と、針葉樹クラフトパルプ40〜85質量%とを含むことが好ましい。かかる構成を有することにより、内層である繊維材層に充分なヒートシール強度を与えつつ、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性をより向上させることができる。
上記ヒートシール性繊維が、芯鞘構造繊維であり、鞘部の融点が110〜150℃であることが好ましい。かかる構成を有することにより、ヒートシールにより鞘部が溶融した後でも芯部の形状が残り、空隙が維持されるため、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性を充分に維持することができる。
上記針葉樹クラフトパルプのフリーネスが500〜650mlであることが好ましい。かかる構成を有することにより、充分な強度を維持しながら、繊維材層の密度を、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性が充分に維持される範囲に調整することができる。
本発明によれば、燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れ、ヒートシール性を有する転写型食品用包材を提供することができる。
本発明の転写型食品用包材は、合成樹脂層を外層とし、繊維材層を内層とする転写型食品用包材であって、上記繊維材層は、ヒートシール性繊維と、マーセル化パルプとを含み、上記繊維材層は、坪量が10〜40g/m2であり、密度が0.6g/cm3以下であり、JIS P 8141に規定するクレム吸水度が10mm以上であることを特徴とする。以下に本発明の構成について順を追って説明する。
<合成樹脂層>
合成樹脂層は、本発明の転写型食品用包材の外層を構成し、包材にガスバリア性や強度を付与するために設けられている。本発明に使用する合成樹脂としては、特に限定されないが、ヒートシール性を有するものが好ましい。ヒートシール性を有するものとしては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも一種を使用することができる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン(PVCD)などであり、ポリエチレンには、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を初め、酢酸ビニルとの共重合体(EVA)、ビニルアルコールとの共重合体(EVOH)などを含む。また、上記ポリ塩化ビニリデンは塩化ビニルとの共重合体を含む。上記合成樹脂層は単層、複層を問わない。具体的には、ポリエチレンやポリプロビレンの単層を初め、ポリエチレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリアミド/ポリエチレン、EVOH/ポリアミド/ポリエチレン(LLDPE)、ポリ塩化ビニリデン/ポリアミド/ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン/ポリアミド/ポリプロピレン、ポリアミド/EVOH/ポリエチレン、ポリエチレン/EVA/ポリアミド/ポリエチレン、EVA/EVOH/ポリアミド/EVAなどが挙げられる。また、合成樹脂の材質としては、たとえば、ポリエチレンと他のポリオレフィン(たとえば、ポリプロピレン)などのポリマーブレンドであっても良い。
<繊維材層>
繊維材層は、本発明の転写型食品用包材の内層を構成し、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性を向上させるために設けられている。繊維材層は、ヒートシール性繊維と、マーセル化パルプと、針葉樹クラフトパルプを含む。
ヒートシール性繊維は、ヒートシールにより繊維の一部が溶融し、互いに接着する性質を有する繊維である。ヒートシール繊維としては、上記した合成樹脂層を構成するヒートシール性を有する合成繊維を使用することができる。これらの中でも、芯鞘構造を有する繊維は、鞘部分が溶融したとしても芯部の形状が残り、空隙が維持されるため、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性を充分に維持することができる観点から好ましい。鞘部分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用いるのが好ましく使用され、芯部分として、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、および、ポリオレフィン系樹脂等から選ばれる1種または複数種の共重合体樹脂等が好ましく使用される。芯部分における材質の融点としては、鞘部分における材質の融点より20℃以上高いのが好ましく、鞘部の融点が110〜150℃であることが好ましい。前記芯鞘構造繊維における構成(芯/鞘)としては、たとえば、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエステル/ポリエチレン、および、高融点ポリエステル/低融点ポリエステル等の組み合わせが好適に挙げられる。ヒートシール性繊維の配合量としては、繊維材層中、10〜35質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。10〜35質量%の範囲内であれば、繊維材層に充分なヒートシール強度を与えつつ、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性をより向上させることができる。ヒートシール性繊維の繊維長としては、たとえば0.5〜10mmであることが好ましい。繊維長が0.5mm未満では繊維材層の密度が高く保液性が低下するおそれや、引張強度が低下し抄紙性が低下するおそれがある。また、繊維長が10mmを超えると結束が生じやすく繊維材層に欠陥が生じるおそれがある。繊度としては、たとえば0.5〜5デシテックスであることが好ましい。繊度が0.5デシテックス未満では、結束が生じやすく繊維材層に欠陥が生じるおそれがある。また、5デシテックスを超えると引張強度不足により抄紙性が低下するおそれがある。繊維材層が、ヒートシール性繊維と、マーセル化パルプと針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を含み、上記繊維材層は、坪量が10〜40g/m2であり、さらにヒートシール性繊維の配合量が、繊維材層中、10〜35質量%とすることにより、繊維材層により充分なヒートシール性をもたせるとともに、燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れた転写型食品用包材となり好ましい。
マーセル化パルプは、マーセル化処理(水酸化ナトリウム溶液によるパルプ表面の化学処理)を施すことにより嵩高な構造としたパルプであり、マーセル化処理されたパルプは、表面が化学処理されているために、通常のパルプと比較してパルプ繊維間の結合が弱く、嵩が高くなりやすい。また、後述する燻液成分などの各種水溶液との化学結合力も弱くなるため、水溶液の吸液性と離液性が向上する。マーセル化パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、コットンリンターパルプ、エスパルトパルプ、パイナップルパルプ、などのパルプをマーセル化処理したものが挙げられる。これらの中でも、より嵩高く加工できる観点から、NBKPをマーセル化したパルプが好ましい。NBKPとしては、樹種、産地ともに特に限定されず、たとえば、アカマツ、クロマツ、トウヒ、エゾマツ、トドマツ、モミ、カラマツ、ツガ、スギ、ダグラスファー等を使用することができる。マーセル化パルプの配合量としては、繊維材層中、5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。5〜25質量%の範囲内であれば、繊維材層に充分なヒートシール強度を与えつつ、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性をより向上させることができる。繊維材層が、ヒートシール性繊維と、マーセル化パルプと針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を含み、ヒートシール性繊維の配合量が、繊維材層中、10〜35質量%、さらにマーセル化パルプの配合量が、繊維材層中、5〜25質量%とすることにより、より嵩高として、燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れた繊維材層になるとともに、充分なヒートシール性を併せ持つため、吸液性、保液性および離液性に優れ、なおかつ、ヒートシール性を有する転写型食品用包材となり好ましい。なお、マーセル化パルプ以外に嵩高にする方法として、麻パルプ(マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプなど)やレーヨン繊維、機械パルプを配合することが知られているが、麻パルプを使用した場合、硬くなりすぎてシャーリングが困難となる傾向がある。また、レーヨンを使用する場合には、PVAバインダーが溶出したり、機械パルプを使用する場合には、リグニン分が溶出したりするため、食品包装用途では好ましくない。
NBKPとしては上記したものを使用することができる。NBKPを繊維材層中に配合する場合の配合量としては、たとえば40〜85質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることがより好ましい。NBKPの配合量が40質量%未満では引張強度が低下し製袋適性が低下するおそれがある。また、NBKPの配合量が85質量%を超えると密度が高くなり保液性が低下するおそれがある。また、フリーネスが500〜650mlであることが好ましい。フリーネスが500ml未満では、密度が高くなり保液性が低下するおそれがある。フリーネスが650mlを超えると引張強度が低下し製袋適性が低下するおそれがある。繊維材層にヒートシール性繊維とマーセル化パルプとNBKPを組み合わせて使用し、ヒートシール性繊維の配合量を10〜35質量%、マーセル化パルプの配合量を5〜25質量%とし、さらにNBKPの配合量を40〜85質量%とすることにより、嵩高でありながら得られる包材に充分な強度を与えつつ、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性が充分に維持される範囲に調整したヒートシール性を有する転写型食品用包材となり好ましい。繊維材層にヒートシール性繊維とマーセル化パルプとNBKPを組み合わせて使用し、さらにヒートシール性繊維の配合量を10〜35質量%、マーセル化パルプの配合量を5〜25質量%、NBKPの配合量を40〜85質量%とすることに加え、NBKPのフリーネスを500〜650mlとすることとの相乗効果により、より嵩高でありながら得られる包材に充分な強度を与えつつ、各種水溶液の吸液性、保液性および離液性がさらに向上したヒートシール性を有する転写型食品用包材となり好ましい。
本発明では、繊維材層に添加する他の添加剤として、たとえば、湿潤紙力増強剤を配合することができる。
湿潤紙力増強剤としては、特に限定されず、たとえば、尿素ホルモアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミド・エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリアミド等を使用することができる。これらの中でも、繊維への定着性、食品への安全性の観点から、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂が好ましい。湿潤紙力増強剤は、繊維材固形分に対し、固形分換算で0.1〜3質量%配合することができる。この範囲内で湿潤紙力増強剤を配合することにより、湿潤強度を向上させることができるとともに、本発明にかかる転写型食品用包材により被包装物を包装した後に、包材をはがす際に繊維が被包装物に取られることを効率的に防止することができる。
繊維材層は、既知の抄紙方法に基づいて、抄紙することが可能である。たとえば、上記繊維を配合したパルプスラリーを既知の抄紙機によって抄紙することにより製造することができる。得られる繊維材層の坪量としては、10〜40g/m2であることが好ましく、15〜35g/m2であることがより好ましい。坪量が10g/m2未満の場合、繊維材層の強度が不足するとともに、保液性が低下する傾向がある。一方、40g/m2を超える場合、繊維層が硬くなりすぎるため、シャーリングが困難になる傾向がある。また、得られる繊維材層の密度としては、0.6g/cm3以下であることが好ましく、0.5g/cm3以下であることがより好ましい。下限は特に設けないが、たとえば0.1g/cm3を下限とすることが食品用包材として好適に使用する観点から好ましい。密度が0.6g/cm3を超える場合、繊維材層の吸液性が悪くなる傾向がある。本形態において、密度は、たとえば、繊維材層に用いる原料の種類、配合質量割合、パルプのフリーネス等を変化させることによって調節することができる。さらに、得られる繊維材層の、JIS P 8141に規定するクレム吸水度としては、10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましい。クレム吸水度が10mm未満の場合、吸水性が不充分となる傾向がある。クレム吸水度は、たとえば、繊維材層に用いる原料の種類、配合質量割合、パルプのフリーネス、坪量等を変化させることによって調節することができる。
繊維材層に付着される水溶液としては、たとえば以下のものを挙げることができる。すなわち、調味剤、風味剤、色素、燻液剤、抗菌剤、殺菌剤、保存剤、酸化防止剤よりなる群から選ばれた少なくとも一種である。これらの水溶液を付着した包材に練り肉原料などの食品原料を充填すると、加熱調理に際して、包材の内層の繊維材層から食品表面に転写される。このように水溶液を付着するには、シート状の包材において、水溶液(または分散液)を塗布、含浸または噴霧することにより処理される。
調味剤としては、醤油、ウスターソース、みそ、焼肉タレ、ニンニク、粉末のり、粉末ゴマ、ペパー(黒胡椒など)、ジンジャー、チリ、ナツメグ、パプリカ、キャラウェー、ハツカ、ワサビ、酵母エキス、肉エキス、カニエキス、カツオエキス、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、食塩、砂糖などの天然調味料、燻結晶、炒り麦粉、粉末チーズ、バター、マーガリン、お茶類などが挙げられる。
風味剤としては、スモークフレーバー、バナナ、イチゴ、オレンジ、メロン等の果汁フレーバー、ビーフフレーバー、ポークフレーバー、チキンフレーバー、カツオフレーバー、ウメフレーバーなどが挙げられる。
色素としては、アナトー、コウリャン、シアナット、ウコン、モナスカス、カカオ、ベニバナ、クチナシ、コチニール、クロレラ、スピルリナ、カラメル、シソ、タマネギ、アカネなどの天然色素、食用赤色2号、3号、102号、106号、同黄色4号、5号、同青色1号などの合成色素が挙げられる。
燻液剤は食品に主にスモーク臭と保存性を付与するもので、市販品が使用できる。
保存剤としては、ソルビン酸類、デヒドロ酢酸、安息香酸、或はこれらの塩、プロタミン、ε−ポリリジンなどが挙げられる。
抗菌剤はいわば鮮度保持剤であり、からし、ワサビ、これらの抽出物、抗菌性カルシウム、キトサン、グレープフルーツ種子抽出物などのような、保存剤より機能が緩いが、短期の制菌作用を有するものをいう。
酸化防止剤としては、トコフェロール、没食子酸プロピルなどのポリフェノール類、グアヤク脂、L−アスコルビン酸、各種フラボノイド類などが挙げられる。
なお、上記調味料、風味剤、色素などの改質剤は繊維材層の内面に直接付着しても良いが、改質剤の付着を強化する見地から、改質剤に結合剤を含有させることができる。
結合剤としては、各種デキストリン、プルラン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガムなどの天然ガム類、アルギン酸塩、マンナン、ペクチン、ゼラチン、ゼイン、シェラックなどの水溶性或はアルコール溶解性の糊料が挙げられる。結合剤を使用する場合には、通常、結合剤を水または、水とエタノールなどの加水アルコール類に溶解し、次いで、上記改質剤を混合した液を繊維材層の内面に付着するか、結合剤の水溶液を繊維材層に塗布・含浸した後、上記改質剤を振り掛け状に付着させても良い。
次に、本発明の転写型食品用包材を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
使用原料を以下に示す。
・ヒートシール繊維(ダイワボウポリテック(株)製、品名:NBF(MWP)、変性ポリプロピレン、融点:芯部170℃、鞘部135℃)
・ヒートシール繊維(三井化学(株)製、品名:SWP E−620、変性ポリエチレン、融点135℃)
・マーセル化パルプ(レオニア社製、品名:ポロサニアJ、NBKPマーセル化パルプ)
・NBKP(市販品)
・湿潤紙力増強剤(星光PMC(株)製、品名:WS4024、固形分25%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂)
評価方法を以下に示す。
(坪量)
JIS P 8124(1998)「紙および板紙−坪量測定方法」に準拠して測定する。
(密度)
JIS P 8118(1998)「紙および板紙−厚さおよび密度の試験方法」に準拠して測定する。
(クレム吸水度)
JIS P 8141(2004)「紙および板紙−吸水度試験方法−クレム法」に準拠して測定する。
(保液量)
100mm×100mmの試料に水を30分含浸後、濾紙で挟み、1kg/cm2で5分間プレスした後の重量を測定し、含浸前との重量差から1m2あたりの保液量を算出する。
(離液性)
市販の燻液を用い、保液量の測定と同様に含浸し、その後プレスしたサンプルを使用する。サンプルで肉片を包み、100℃の乾燥機で10分間加熱し、色付きおよび香りの変化を官能評価する。評価は20人で実施し、5点満点で評価を行い、平均点3.0以上であれば合格とする(4.0以上:◎、3.0〜4.0:○、3未満:×)。
(ヒートシール強度)
包材のうち繊維材層と合成樹脂層を重ね合わせ、試験片の巾は15mm、シール巾は15mm×10mmとし、熱傾斜試験機(東洋精機(株)製)にて温度160℃、圧力3kg/cm2、シール時間2秒の条件で熱接着後、JIS P 8113に準じて測定する。
(製袋加工適性)
包材について、熱傾斜試験機(東洋精機(株)製)で温度160℃、圧力3kg/cm2、シール時間2秒の条件で3方シールした100mm×100mmの製袋サンプルを作成し、中に肉片を入れた際の破れの有無を確認する(サンプルは50袋作成し、破れやシール剥れが3個以下であれば合格とする(0個:◎、1〜2個:○、3個以上:×))。
(シャーリング)
100mm×500mmの筒状の包材サンプルを用意し、この筒状包材をシャード機にかけて伸長可能にひだ寄せし(シャーリングし)、シャーリング形状・破れについて目視で観察する(サンプルは50袋作成し、破れやシャーリング形状が形成されていないもの(シャーリング不足)が2個以下であれば合格とする(0個:◎、1〜2個:○、3個以上:×))。
(実施例1)
叩解してフリーネスを600mlに調整した市販のNBKP60質量%と、ダイワボウポリテック(株)製のNBF(MWP)25質量重量%と、レオニア社製のポロサニアJ15質量重量%とを配合した原料スラリーに、湿潤紙力剤((星光PMC(株)製、品名:WS4024)を繊維材固形分に対し固形分で1.5質量%添加し、円網抄紙機きにて抄紙し、坪量20g/m2の繊維材層を作製した。得られた繊維材層と市販のOPフィルム(フタムラ化学(株)製、品名:FOH、厚さ30μ)をドライラミネートにて貼合し、転写型食品用包材を作製した。得られた転写型食品用包材について、上記評価を行った。結果を表1および表2に示す。
(実施例2〜12、比較例1〜5)
原料および製造条件を表1および表2のとおりとし、実施例1と同様に調製し、評価した。結果を表1および表2に示すに示す。
Figure 2012214240
Figure 2012214240
表1および表2に示されるように、ヒートシール繊維を含有しない比較例1にかかる転写型食品用包材や、NBKPを配合しない比較例3にかかる転写型食品用包材では、製袋加工後に多くの破れが発生した。また、マーセル化パルプを配合せず、密度が高くなった比較例2にかかる転写型食品用包材では、離液性が悪くなった。さらに、坪量が本発明の範囲から外れる比較例4および比較例5にかかる転写型食品用包材では、製袋加工後に多くの破れが発生し、シャーリング加工において多くが破れ、またはシャーリング不足となった。一方、実施例1〜12では、これらの問題は生じず、吸液性、保液性および離液性に優れ、ヒートシール性を有する転写型食品用包材が得られた。
本発明の転写型食品用包材は、燻液剤、調味剤、色素などの水溶液の吸液性、保液性および離液性に優れ、ヒートシール性を有するため、たとえば食品用包材等の分野において好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 合成樹脂層を外層とし、繊維材層を内層とする転写型食品用包材であって、
    前記繊維材層は、ヒートシール性繊維と、マーセル化パルプと、針葉樹クラフトパルプを含み、
    前記繊維材層は、
    坪量が10〜40g/m2であり、
    密度が0.6g/cm3以下であり、
    JIS P 8141に規定するクレム吸水度が10mm以上であることを特徴とする転写型食品用包材。
  2. 前記繊維材層が、ヒートシール性繊維10〜35質量%と、マーセル化パルプ5〜25質量%と、針葉樹クラフトパルプ40〜85質量%とを含むことを特徴とする請求項1記載の転写型食品用包材。
  3. 前記ヒートシール性繊維が、芯鞘構造繊維であり、鞘部の融点が110〜150℃であることを特徴とする請求項1または2記載の転写型食品用包材。
  4. 前記針葉樹クラフトパルプのフリーネスが500〜650mlであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写型食品用包材。
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