以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図11を用いて説明を行う。
図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。なお、パチンコ遊技機の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うガラス枠、遊技盤1を取り付ける前面枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿、下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。このガイドレール2は略円形に形成されており、その一部は、矩形板状の遊技盤本体1bの前面における四隅に設けられた区画部材1c,1c,…の側面によって形成されている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1aには、中央部に入賞装置100が設けられ、その直下に始動口3が設けられている。また、入賞装置100の上方には、始動口3への入球に基づき開閉する第1普通電動役物4が設けられている。また、始動口3の下方には、第2普通電動役物5、第3普通電動役物6、普図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの未処理回数、遊技状態などを表示する表示装置7が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口8,8,…、打球方向変換部材としての風車(図示略)、多数の障害釘(図示略)、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴9などが配設されている。
入賞装置100の詳細については後述するが、この入賞装置100においては、入賞した遊技球を始動口3の直上に排出するか否かの振分遊技が行われる。そして、遊技球が始動口3の直上に排出されて始動口3に流入すると、始動口3内に備えられた始動口センサによって検出され、これに基づき第1普通電動役物4が動作するようになっている。この第1普通電動役物4は左右一対の開閉部材4a,4aを具備しており、この開閉部材4a,4aは、常時は遊技球が流入不能な閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、始動口3への流入に基づき、駆動源(ソレノイド11)によって、逆「ハ」の字状に開いて第1普通電動役物4に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この第1普通電動役物4は、第1普図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、第1普通電動役物4の内部(入賞領域)に備えられた第1普図始動入賞口センサ20によって遊技球を検出することに基づき、第1普図の変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、第1普図の変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に第1普図の変動表示ゲームが行われ、その第1普図の変動表示ゲームが終了していない状態や、第1普図の変動表示ゲームが当って第2普通電動役物5が開状態に変換されている場合に、第1普図始動入賞口センサ20が遊技球を検出すると、第1普図始動記憶数の上限数(例えば4つ)未満でならば、第1普図始動記憶数が1加算されて第1普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この第1普図変動表示ゲームの始動記憶は表示装置7にて表示されるようになっている。そして、第1普図始動記憶数が1以上となった状態で、第1普図の変動表示ゲームが開始可能な状態となると、第1普図始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第1普図始動記憶に基づいて第1普図の変動表示ゲームが開始される。
第1普図の変動表示ゲームは表示装置7に表示されるようになっており、この第1普図の変動表示ゲームの結果があたりであった場合は、第2普通電動役物5が開放するようになっている。第2普通電動役物5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉5aを有し、第1普図の変動表示ゲームの結果如何によって入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。なお、開閉扉5aは、例えば、ソレノイドのような駆動装置により駆動される。
この第2普通電動役物5は、第2普図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、第2普通電動役物5の内部(入賞領域)に備えられた第2普図始動入賞口センサによって遊技球を検出することに基づき、第2普図の変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、第2普図の変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に第2普図の変動表示ゲームが行われ、その第2普図の変動表示ゲームが終了していない状態や、第2普図の変動表示ゲームが当って第3普通電動役物6が開状態に変換されている場合に、第2普図始動入賞口センサが遊技球を検出すると、第2普図始動記憶数の上限数(例えば4つ)未満でならば、第2普図始動記憶数が1加算されて第2普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この第2普図変動表示ゲームの始動記憶は表示装置7にて表示されるようになっている。そして、第2普図始動記憶数が1以上となった状態で、第2普図の変動表示ゲームが開始可能な状態となると、第2普図始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第2普図始動記憶に基づいて第2普図の変動表示ゲームが開始される。
第2普図の変動表示ゲームも表示装置7に表示されるようになっており、この第2普図の変動表示ゲームの結果があたりであった場合は、第3普通電動役物6が開放する。第3普通電動役物6も第2普通電動役物5と同様に、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉6aを有し、第2普図の変動表示ゲームの結果如何によって入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。なお、開閉扉6aは、例えば、ソレノイドのような駆動装置により駆動される。また、第3普通電動役物6の内部(入賞領域)には、該第3普通電動役物6に入った遊技球を検出するための第3普通電動役物用センサが配設されている。
この第2普通電動役物5の開閉動作とこれに引き続く第3普通電動役物6の開閉動作が一連の動作として1から3回繰り返され、これによって遊技者が容易に多量の遊技球を獲得可能となる。すなわち、始動口3への入賞に基づき多量の遊技球を獲得可能な大当たり状態が発生することとなる。
また、遊技領域1aに設けられた一般入賞口8,8,…には、一般入賞口8,8,…に入った遊技球を検出するための一般入賞センサが配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口8,8,…、始動口3、第1普通電動役物4、第2普通電動役物5、第3普通電動役物6等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出される(払い出される)ようになっている。
次に遊技領域1aの略中央に配される入賞装置100の詳細について説明する。
図2,3に示すように、この入賞装置100は、前面側を構成する前面構成部材101と、前面構成部材101の後方に配される凹室状の入賞空間121を形成するユニットベース120とを備え、遊技盤本体1bに形成された入賞装置取付開口(図示略)に前面側から嵌め込まれるように取り付けられている。なお、前面構成部材101の上部には、第1普通電動役物4を配設する第1普通電動役物配設部102および一般入賞口8(天入賞口)を配設する一般入賞口配設部103が形成され、入賞装置100と第1普通電動役物4、一般入賞口8が一体的に形成されるようになっている。
前面構成部材101は、ユニットベース120の前側を覆うとともに、凹室状の入賞空間121の開口に合わせた前方開口部104が形成された枠状に形成されている。この前面構成部材101は、遊技盤本体1bの前面側に突出するように配される前方突出部105と、前方突出部105の後端にあって外側に延出するように形成された板状の取付ベース106と、取付ベース106の後面側に後方へ突出するように形成された後方突出部107とを備える。
前方突出部105は、前方開口部104の周縁に沿って形成されていて、その前後幅は、遊技盤本体1bの前面から遊技領域1aの前面側を覆うガラス板までの幅と略等しくされ、遊技領域1aを流下する遊技球が、所定の流入部(上部振分部材141の前端部)以外から入賞空間121に侵入することを防止するようになっている。また、前方突出部105は、その形状及び外観により装飾部材としても機能し、さらに一部には、開口部108が形成されてレンズ部材109が嵌め込まれており、後述するユニットベース120に取り付けられた発光部材としてのLED13a,13a,…からの光を透過し、光による装飾が可能となっている。
また、前方突出部105は、前方開口部104の上部において、前方開口部104を横切るように形成され、この部分の後方には後述するように円形の上部振分部材141の前端部が配される。このため、前方開口部104を横切るように形成された部分は、上部振分部材の前端部の形状に合わせてアーチ状に切欠きが形成されている。さらに、この部分においては、前側に突出した上部振分部材の前端部に遊技球を誘導するように、左右から中央に向かって下るように傾斜している。すなわち、この部分が遊技領域1aから入賞空間121への流入部となる。
また、前方突出部105は、前方開口部104の下部において途切れた状態となっていて、この部分が入賞空間121から遊技領域1aへの流出部となる。この部分には、後述するように振分装置139により振り分けられ、第1流下路192もしくは第2流下路193を流下した遊技球を遊技領域1aの所定個所へ案内する流下案内部110が形成されている。
前方突出部105の後端部には、その外周に沿って外側に向かって鍔状に延出する板状の取付ベース106が形成されている。この取付ベース106は、遊技盤1に形成された図示しない入賞装置取付開口の周縁よりも外側に延出するように形成されており、入賞装置取付開口に入賞装置100を前面側から挿入した際に、遊技盤本体1bの前面にその裏面が当接するようになっている。これによって、遊技盤本体1bに対する入賞装置100の前後位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。また、この取付ベース106には、前後に貫通するねじ穴114,114が形成されており、ねじによって入賞装置100を遊技盤本体1bに固定できるようになっている。また、この取付ベース106も、その形状及び外観により装飾部材として機能し、一部には開口部111が形成されてレンズ部材112が嵌め込まれ、後述するユニットベース120に取り付けられた発光部材としてのLED13a,13a,…からの光による装飾も可能となっている。
取付ベース106の後面側には、後方へ突出するリブ状の後方突出部107が形成されている。この後方突出部107は、遊技盤本体1bに形成された入賞装置取付開口の周縁に沿って嵌るように形成されており、これにより、遊技盤本体1bに対する入賞装置100の位置が所定の位置に設定されるようになっている。また、この後方突出部107は、前面構成部材101の後方に取り付けられるユニットベース120と接する部分でもあり、後方突出部107に隣設して複数のねじ止め部が形成され、ユニットベース120をねじによって前面構成部材101の後方に固定できるようになっている。
また、取付ベース106は、前面構成部材101の上部において前方開口部104よりも大きく上側へ延出しており、この延出した部分には、第1普通電動役物配設部102、一般入賞口配設部103が形成されている。
第1普通電動役物配設部102の前面側には、一対の開閉部材4a,4aと、開閉部材4a,4aを回動可能に保持する保持部材10、前方に突出する流下案内部15が配されている。また、第1普通電動役物配設部102の後面側には、駆動源としてのソレノイド11を備える駆動ユニット12、LED13a,13a,…が配されたLED基板13、流入した遊技球を後方へ誘導する流下路14が配されている。
一対の開閉部材4a,4aは、遊技球の直径より若干広い程度の間隔をおいて配設されており、下端部に形成された図示しない回動軸が、開閉部材4a,4aの前側に取り付けられる保持部材10と第1普通電動役物配設部102との間に前後方向に沿って回動可能に保持されている。これによって、遊技球の直径より若干広い程度の間隔をおいて対向した閉じた状態と、逆「ハ」の字状に開いた状態とに変換可能となっている。また、第1普通電動役物配設部102には、開閉部材4a,4aの上側に位置する部分に前方へ突出する板状の流下案内部15が形成されており、開閉部材4a,4aが閉じた状態で開閉部材4a,4aの上部を覆って閉鎖し、第1普通電動役物4に遊技球が流入しないようになっている。
また、第1普通電動役物配設部102には、中央部に前後に貫通した遊技球が通過可能な大きさの貫通穴16が形成されているとともに、後面側にはこの貫通穴16に接続した樋状の流下路14が形成されている。これにより、開閉部材4a,4aが開いた状態で第1普通電動役物4に流入した遊技球は、この貫通穴16を通って遊技盤1の後面側へ誘導されるようになっている。また、この貫通穴16を通じて開閉部材4a,4aの後端に後方へ突出するように形成された図示しない操作部が、第1普通電動役物配設部102の後面側に延出するようになっている。
第1普通電動役物配設部102の後面側には、駆動源としてのソレノイド11を備える駆動ユニット12が配されている。この駆動ユニット12に取り付けられたソレノイド11は、伸縮可能な出力軸11aに上下に回動可能な伝達部材17が固定されていて、出力軸11aを退縮することで伝達部材17が上方へ回動するようになっている。この伝達部材17には、開閉部材4a,4aの操作部の後端が係合するようになっていて、ソレノイド11を退縮することにより伝達部材17を介して操作部が操作され、開閉部材4a,4aが開いた状態に変換されるようになっている。なお、出力軸11aには付勢部材18が設けられていて、出力軸11aが伸張した状態となるように付勢されており、常時は開閉部材4a,4aが閉じた状態となるようにされている。
また、駆動ユニット12におけるソレノイド11が取り付けられた部分の下部は、流路形成部19とされ、樋状の流下路14とともに第1普通電動役物4に流入した遊技球を流下案内する流路を形成している。この流路における駆動ユニット12の下部に位置する部分には、流下する遊技球を検出可能な第1普図始動入賞口センサ20が取り付けられており、第1普通電動役物4に流入した遊技球を検出できるようにされている。なお、この流路は、ユニットベース120の外周面の流路形成部128によって形成された流路に連続し、さらに、図示しない排出流路に接続しており、第1普通電動役物4に入賞して第1普図始動入賞口センサ20に検出された遊技球は、遊技機外部の島設備に排出される。
また、第1普通電動役物配設部102の後面側には、複数の発光部材としてのLED13a,13a,…を備えたLED基板13が取り付けられ、第1普通電動役物配設部102には、LED13a,13a,…からの光を前方へ通すための開口21,21が形成されている。この開口21,21の前側は、保持部材10のレンズ部材10a,10aが取り付けられた部分によって覆われるようになっており、光による装飾が可能となっている。
第1普通電動役物配設部102の上方に形成された一般入賞口配設部103は、上方に開口した流入口23を形成する入賞口形成部材24が前面側に取り付けられている。また、一般入賞口配設部103には、前後に貫通する貫通穴25が形成されているとともに後面側にはこの貫通穴25に接続した樋状の流下路26が形成されている。なお、この流下路は、一般入賞口8,8,…に入賞した遊技球が流下する図示しない一般入賞流路に接続している。
ユニットベース120は透明な材質からなり、凹室状の入賞空間121を有していて、この入賞空間121の内部には振分遊技を行う振分装置139が配されている。なお、振分装置139の詳細については後述する。またユニットベース120には、発光部材としてのLED13a,13a,…が複数配されたLED基板13を取り付けるLED基板取付部が複数形成されている。このLED基板取付部には、ユニットベース120の前端部近傍の側方に突出するように形成された側方基板取付部122,122、ユニットベース120の下部側面に形成された下部基板取付部123,123、ユニットベース120の後部に形成された後方基板取付部124がある。
図3,4に示すように、側方基板取付部122,122は、前側に開口した凹部122a,122aを有し、この凹部内にLED13a,13a,…が前側を照らすようにLED基板13が収納されている。この側方基板取付部122,122は、前面構成部材101のレンズ部材109,112が取り付けられた部分に対応して形成されていて、LED13a,13a,…からの光が前面構成部材101のレンズ部材109,112を通して視認可能となるようにされている。
また、下部基板取付部123,123には、LED基板13が取り付けられた基板カバー27を取り付けることでLED基板13が配されるようになっている。このように下部基板取付部123,123に取り付けられたLED基板13は、LED13a,13a,…が入賞空間121の下側を照らすような向きで配される。
また、後方基板取付部124には、振分装置139の誘導路を流下する遊技球を検出する後述する検出装置30が備えられた部分を除いてLED13a,13a,…が前方を照らすような向きでLED基板13が配されるようになっており、さらに、検出装置30とLED基板13の後方側を覆うように基板カバー28が取り付けられるようになっている。また、後方基板取付部124に配されるLED基板13は各LED基板13,13,…からの配線を中継する中継基板としての機能も有しており、ユニットベース120には各LED基板13,13,…からの配線を保持する配線保持部127,127,…が複数形成されている。
また、ユニットベース120の上部には、入賞装置100の上部に配設された第1普通電動役物4に入賞した遊技球を流下案内する流路を形成する流路形成部128が形成されている。さらに、ユニットベース120の外周には、ねじ穴を有する取付部129,129,…が形成されており、ユニットベース120を前面構成部材101の後面側にねじによって固定できるようになっている。この他にユニットベース120には、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。
入賞空間121に配された振分装置139は、図4,5に示すように、上部振分部材141と下部振分部材172の二つの振分部材を備えるとともに、上部振分部材141から下部振分部材172へ遊技球を流下誘導する複数の誘導路(第1誘導路173、第2誘導路174)、下部振分部材172の振分結果に応じて遊技球を遊技領域1aへ誘導する振分板190を備える。このうち、上部振分部材141と誘導路の一部を構成する振分流路部材150は、予め組み立てられて上部ユニット140して入賞空間121に取り付けられている。また、下部振分部材172を備える下部ユニットベース171と誘導路の一部を構成する第2誘導路形成部材175も、予め組み立てられて下部ユニット170として入賞空間121に取り付けられている。また振分装置139の各部材は、透明な部材で形成されており、振分装置139を転動する遊技球の視認性が向上するようにされている。
上部ユニット140を構成する上部振分部材141は、円形皿状で上面が中心に向かって下る傾斜面となった略すり鉢状に形成されているとともに、中心付近に遊技球が流入可能な第1振分口143、第2振分口144が、中心を挟んで対向するように形成されたいわゆるクルーンである。この上部振分部材141はユニットベース120に形成された入賞空間121の上部に、前端部がユニットベース120の前端部よりも前側に突出するように配され、この突出した前端部は前面構成部材101の前方開口部104の上部に突出するようになっている。
また、上部振分部材141における円形部分を囲む側壁145は、ユニットベース120の前端部から突出する部分においては、他の部分より低く形成され、上部振分部材141の前端部を覆う前方突出部105における、遊技球を流下案内する上面と略同じ高さとなるようにされている。そして、上述したように、前面構成部材101の前方突出部105の上面は、前側に突出した上部振分部材141の前端部に遊技球を誘導するように形成されおり、これによって遊技球が円形の上部振分部材141の外周付近に、周方向に沿って流入するようになっている。すなわち、上部振分部材141は、遊技領域1aから振分装置139への流入部としての機能を有している。
また、上部振分部材141における円形部分を囲む側壁145の外周面であって、中心を通り第1振分口143および第2振分口144を結ぶ直線上には、リブ状の突片146,146が外周面に対して垂直に外側へ突出するように形成されている。この突片146,146は、入賞空間121の上部における内側面に前後方向に沿って形成されたスリット125,125に嵌合可能であって、これにより上部振分部材141が第1振分口143と第2振分口144が左右に並んだ状態で入賞空間121の上部における所定位置に配されるようになっている。
また、この側壁145における後側の外周面には、弾性変形可能であるとともに先端部に係合爪148aを有する係合部148が後方へ向かって突出するように形成されている。この係合部148が入賞空間121の内部に形成された係合突起126に係合することで、上部振分部材141が入賞空間121内に固定されるようになっている。
さらに、この側壁145における前側の外周面には、前側に突出する係合突部145aが形成されている。この係合突部145aは、上部振分部材141の前側を覆うように配される前方突出部105に係合可能であり、これにより上部振分部材141が簡単な構成でより確実に固定されるとともに、所定の位置に正確に固定される。このように、上部振分部材141の各部分がユニットベース120に保持され、確実に固定されることで、振動により振分確率が変化することを防止でき、遊技の公平さを確保することができる。すなわち、上部振分部材141は、ユニットベース120に保持される保持部(突片146,146、係合部148、係合突部145a)を複数備えていることとなる。
また、上部振分部材141の下面における外周部に隣接した部分であって、中心を通り第1振分口143および第2振分口144を結ぶ直線上には、下方へ突出するボス状の取付部149が形成され、ここに第1振分口143、第2振分口144に流入した遊技球を、入賞空間121の後方(奥手方向)へ流下案内する振分流路部材150が取り付けられている。
上部ユニット140を構成する振分流路部材150は、図5,6に示すように、第1振分口143に流入した遊技球を後方へ流下誘導する第1振分流路151、第2振分口144に流入した遊技球を後方へ流下誘導する第2振分流路152と、上部振分部材141に固定するための取付片153,153を備える。
第1振分流路151および第2振分流路152は、それぞれが遊技球を一列に流下可能な幅を有する上方に開口した溝状の流路であって、振分流路部材150の中央に沿って形成された振分流路隔壁154を挟んで隣接するように形成された平行な流路である。また、第1振分流路151および第2振分流路152は、振分流路部材150の上端部に対して底面が同じ一端側に向かって下る傾斜面とされており、傾斜に沿って遊技球を一端側へ流下案内できるようにされている。
この第1振分流路151および第2振分流路152の上流側端部は、側壁が形成されて閉鎖されているとともに、流路の延在方向に沿って下流側へ向かって下る上面を有するリブ155が突設され、各振分口143,144から流下した遊技球の流下方向を変更して確実に下流側へ誘導するようにされている。また、第1振分流路151および第2振分流路152の下流側端部は、側壁がなく開放された状態となっていて、後述する第1連通路161、第2連通路162に接続可能となっている。さらに、この下流側端部となる振分流路部材150の後端部には、後方へ突出する取付用突起156が形成されており、入賞空間121への取り付けの際に連通路161,162を形成する連通路形成部160に形成された取付孔163aに挿入することで、振分流路151,152と連通路161,162が正確に接続できるようになっている。
また、第1振分流路151および第2振分流路152の側壁をなす振分流路部材150の左右側部であって、上流側端部に近い外側面には、側方へ突出する取付片153,153が形成されている。この取付片153,153は、振分流路部材150の上端部と平行に形成されるとともに、溝状の第1振分流路151および第2振分流路152が開口した上側に向かって開口する凹部153aを有する。また、凹部153aの底面にはねじ穴が形成されている。そして、この取付片153の凹部153aに上部振分部材141に形成されたボス状の取付部149を受け入れた状態でねじ止めすることにより、振分流路部材150が上部振分部材141の下側における所定の位置に固定され、上部ユニット140が構成される。なお、振分流路部材150は、第1振分流路151および第2振分流路152の下流側端部が後方へ延在するように取り付けられる。
このように振分流路部材150を上部振分部材141に固定した状態では、溝状の第1振分流路151および第2振分流路152が上部振分部材141側に開口するように配されるとともに、第1振分口143のちょうど下側に第1振分流路151の上流側端部が配され、第2振分口144のちょうど下側に第2振分流路152の上流側端部が配される。また、第1振分流路151および第2振分流路152の底面は、上部振分部材141の下面から遊技球の直径以上の間隔をおいて配される。さらに、上部振分部材141の突片146,146と振分流路部材150の上端部が平行に配され、第1振分流路151および第2振分流路152の底面が後方へ下るように配される。
以上のような上部ユニット140は、ユニットベース120の前側から上部振分部材141の突片146,146をスリット125,125に挿入するように後方へ押し込むことで取り付けられるようになっている。このとき、上部振分部材141の後方に突出する係合部148は、係合爪148aが係合突起126の前部に当接するが、さらに後方へ押し込まれることで係合部148が弾性変形する。そして係合爪148aが係合突起126を乗り越えると、弾性変形していた係合部148が元の状態に復帰し、係合爪148aが係合突起126に係合するようになっている。
また、振分流路部材150の後端部に突設された取付用突起156が連通路形成部160に形成された取付孔163aに嵌ることで、振分流路151,152と連通路161,162とが正しく接続されるようになっている。さらに、ユニットベース120を前面構成部材101に取り付けることで、上部振分部材141の前端部に形成された係合突部145aが前方突出部105に係合し、確実に固定されるようになっている。
入賞空間121の後壁には、振分流路151,152の下流側端部に接続する連通路161,162が形成されている。この連通路161,162は、後壁から入賞空間121内に突出する連通路形成部160によって形成された溝状の流路で、第1振分流路151に接続する第1連通路161と、第2振分流路152に接続する第2連通路162とを備える。
この第1連通路161と第2連通路162は、振分流路部材150の振分流路隔壁154と接続するように形成された連通路隔壁163を境に左右に分かれるように形成されており、第1連通路161は前面側から見て左側に遊技球を誘導するように傾斜し、第2連通路162は前面側から見て右側に遊技球を誘導するように傾斜している。すなわち、第1振分流路151および第2振分流路152に沿って後方へ流下した遊技球の流下方向は、第1連通路161および第2連通路162に流入することよって左右方向に変換されるようになっている。
また、第1連通路161および第2連通路162の上流側端部に位置する入賞空間121の後壁には、第1振分流路151および第2振分流路152の延長線上にあたる部分にそれぞれ検出用開口164,164が形成され、ユニットベース120の後部に配された検出装置30の検知板31,31が入賞空間121内に露出している。この検知板31,31は上下に回動可能に保持されていて、常時は回動範囲の上限位置にあって、遊技球が振分流路151,152から連通路161,162に落下する際に、遊技球が接触して押し下げられるようになっている。
検出装置30には検知板31,31が押し下げられたことを検出するセンサ32,32が備えられており、これによって遊技球の通過を検出するようになっている。検知板31,31が押し下げられたことを検出するセンサ32,32は、例えば、発光部と受光部が対向するように配された光センサであって、検知板31,31が押し下げられることに伴い、発光部と受光部の間に遮光板が挿入されるように構成されている。このような構成によって、遊技球が第1振分流路151と第2振分流路152の何れの流路を流下したかを検出することができ、このことから上部振分部材141における振り分けの結果を検出することができる。
前面側から見て左側へ下る第1連通路161においては、検出用開口164,164を過ぎてすぐに溝状の流路が途切れているとともに、流下方向の前方に遊技球の直径程度の間隔をおいて、流下する遊技球を下方に誘導する誘導壁部165が形成されている。この誘導壁部165によって下方に誘導される先には、後述する下部ユニット170に形成された第1誘導路173が配されている。また、前面側から見て右側へ下る第2連通路162は入賞空間121の右端部まで延在し、後述する下部ユニット170に設けられた第2誘導路174に接続するようになっている。
下部ユニット170は、図5,7に示すように、下部振分部材172と第1誘導路173が一体に形成された下部ユニットベース171に、第2誘導路174を構成する第2誘導路形成部材175が取り付けられることで構成されており、入賞空間121の下側部分に配されるようになっている。
この下部ユニット170を構成する下部ユニットベース171の中央部には、下部振分部材172が形成されている。下部振分部材172は、上部振分部材141と同様に、円形皿状で上面が中心に向かって下る傾斜面となった略すり鉢状に形成されているとともに、中心付近に遊技球が流入可能な第1流下口176,176、第2流下口177が中心の周りに等間隔(120度おきに)形成されたいわゆるクルーンである。
下部振分部材172において中心の周りに等間隔に形成された第1流下口176,176、第2流下口177は、第2流下口177が中心に対して下部ユニットベース171の正面に位置し、第1流下口176,176は後方に位置するように形成されている。第2流下口177に流入した遊技球は、後述するように高い確率で始動口3に誘導されるようになっており、この第2流下口177は所謂当たり穴である。これに対し、第1流下口176,176に流入した遊技球は、始動口3から離れるように誘導されるようになっており、この第1流下口176,176は所謂はずれ穴である。
なお、第2流下口177は一つのみ形成されているのに対し第1流下口176,176は二つ形成されており、さらに、第2流下口177よりも第1流下口176,176の方が大きく形成されていることから、第2流下口177への入賞確率は第1流下口176,176への入賞確率よりも低くなっている。また、この下部振分部材172の前端部は、上部振分部材141の前端部と同じ程度ユニットベース120の前端部よりも前側に突出するように配され、この突出した前端部は前面構成部材101の前方開口部104の下部に突出するようになっている。
また、下部ユニットベース171における上面には、第1連通路161によって入賞空間121の左側に誘導された遊技球を、下部振分部材172の右側の外周部へ誘導する第1誘導路173が形成されている。この第1誘導路173は、下部ユニットベース171の前面側から見て、後部における左端部から右側へ下って下部振分部材172の後方に至り、さらにここから下部振分部材172の外周に沿って前側へ下るように形成されている。すなわち、第1誘導路173は、ユニットベース120の入賞空間121(凹室)内を旋回するようにしながら下るように形成されている。そして、この第1誘導路173の下流側端部は、下部振分部材172の外周部分に位置し、周方向に沿って遊技球を流入させるように形成されている。
また、下部ユニットベース171の上面であって、前面側から見て下部振分部材172の右側の部分は、第2誘導路174を形成する誘導路形成部材175を取り付ける誘導路形成部材取付部178とされている。この誘導路形成部材取付部178には、ねじ止め部178aや誘導路形成部材175に形成されたボス状のねじ止め部179b,179bを受け入れる凹部178b,178bが形成されており、誘導路形成部材175を所定の位置に固定できるようになっている。
誘導路形成部材175は、下部ユニットベース171の右端部に沿って配される上流側部材179と、下部ユニットベース171の右端部から下部振分部材172の上方に延出するように配される下流側部材180とから構成されている。そして、誘導路形成部材取付部178に下流側部材180を取り付けた後、上流側部材179を取り付けることで、L字状の第2誘導路174がユニットベース120の入賞空間121(凹室)内を旋回するようにしながら下るように形成される。
第2誘導路174を形成する上流側部材179は、上方に開口する溝状の流路を有し、この流路が前方へ向かって下るように配される。この上流側部材179において下部ユニットベース171の後部に配されて第2誘導路174の上流側端部となる部分は、第2連通路162と接続する接続部とされていて、ここから流入した遊技球は溝状の流路に沿って前方へ誘導される。なお、溝状の流路を形成する側壁の内側面には、左右交互に複数の突部179a,179a,…が形成され、遊技球の流下速度が速くなりすぎないようにしている。また、下部ユニットベース171の前部に配される下流部分は、下部振分部材172が配された中央部に向かって流路が屈折し、下流側部材180と接続されるようになっている。
第2誘導路174を形成する下流側部材180は、底部に延在方向に沿った遊技球の径より狭い幅のスリット状の開口180aが形成された溝状の流路で、前方から見て左側へ下るように形成されている。また、下流側端部には遊技球が通過可能な大きさの球導出口180bが形成され、この球導出口180bが下部振分部材172の第2流下口177の直上に配されるようになっている。これにより、第2連通路162からの遊技球が下部振分部材172の第2流下口177の上方に誘導され、高い確率で第2流下口177に流入するようにされる。なお、第2誘導路174は下部振分部材172の底面から、遊技球の直径より大きい間隔をおいて上方に配されており、下部振分部材172上を転動する遊技球が接触しないようにされている。
また、下部ユニットベース171の側面には、リブ状の突片181,181が側面に対して垂直に外側へ突出するように形成されている。この突片181,181は、入賞空間121の下部における内側面に前後方向に沿って形成されたスリット130,130に嵌合可能であって、これにより下部ユニット170が入賞空間121の下部における所定位置に配されるようになっている。さらに、下部ユニットベース171の後面には、後方へ突出する取付用突起182,182が形成され、この取付用突起182,182がユニットベース120の後面に形成された取付孔131,131に挿入されることによっても下部ユニット170が所定位置に配されるようになっている。また、下部ユニットベースの左右の底面が、入賞空間121の左右に形成された平面部134,134上に載置されることでも下部ユニット170が所定位置に配されるようになっている。
また、このように、下部ユニットベース171の各部分がユニットベース120に保持されることで、下部振分部材172が確実に固定されることとなり、振動により振分確率が変化することを防止でき、遊技の公平さを確保することができる。すなわち、下部振分部材172は、ユニットベース120に保持される保持部(突片181,181、取付用突起182,182、底面171a)を複数備えていることとなる。
図5,6に示すように、入賞空間121の下部であって下部振分部材172の下側には、下部振分部材172により振り分けられた遊技球を流下案内する振分板190が配されている。この振分板190は、矩形板状のベース部191と、該ベース部191の上面に形成された第1流下路192、第2流下路193と、該ベース部191の後方に形成された係合部194とを備える。
矩形板状のベース部191は、下部の前側における大部分が入賞空間121の底壁に形成された矩形状の切欠き132に収容されることで、所定の位置に配されるようになっている。すなわち、切欠き132の左右幅はベース部191の左右幅と等しく、これによって左右位置が決められるようになっている。また、切欠き132の前後幅はベース部191の前後幅よりも狭いが、ベース部191の下部には、切欠き132の前後幅にあわせて段部191aが形成されており、この段部191aが切欠きの後端部に当接することで、後方への移動が規制され、前後位置が決められるようになっている。
また、ベース部191の後端部には、弾性変形可能であるとともに先端部に係合爪194aを有する係合部194が後方へ向かって突出するように形成されている。この係合部194が入賞空間121の内部に形成された振分板保持部133の係合突起133a,133aに係合することで、振分板190が入賞空間121内に固定されるようになっている。
ベース部191の上面には、第1流下口176,176に流入した遊技球を流下案内する第1流下路192と、第2流下口177に流入した遊技球を流下案内する第2流下路193とが形成されている。上述したように、下部振分部材172に形成された流下口は、第2流下口177が中心に対して下部ユニットベース171の正面に配され、第1流下口176,176は後方に配されるようになっており、これに対応するように第1流下路192、第2流下路193が形成されている。
この第2流下路193は、ベース部191の前端における左右方向の中央に、前後方向に沿って形成された溝状の流路で、ベース部191の前端部に流出口を有する。また、第1流下路192は、第2流下路193の側方及び後方を囲むようにU字状に形成された溝状の流路で、ベース部191の前端部であって第2流下路193の流出口の左右に流出口を有する。また、第1流下路192、第2流下路193が形成されたベース部191の上面は前側に傾斜しており、第1流下路192、第2流下路193に流入した遊技球は、傾斜に沿って流下して流出口から流出するようになっている。
そして、このように形成された第1流下路192、第2流下路193は、上述したように振分板190が入賞空間121の所定位置に配されることで、第1流下路192が第1流下口176,176の下方に配され、第2流下路193が第2流下口177の下方に配されるようになっている。
さらに、図8,10に示すように、ユニットベース120を前面構成部材101に取り付けることで、第1流下路192と第2流下路193の流出口が前面構成部材101の流下案内部110に臨むようになる。この流下案内部110には第1流下路192と第2流下路193を区画する区画壁195と接続するように、前方へ突出する二つの流下案内部材115,115が形成されていて、第1流下路192と第2流下路193を前方へ延長するようになっている。この流下案内部材115,115の側面であって第2流下路193側の面は上下方向に沿った垂直な面とされ、第2流下路193を流下した遊技球を直下の始動口3へ誘導可能とされている。また、流下案内部材115,115の側面であって第1流下路192側の面は、下側へ行くにつれて外側へ湾曲した曲面となっていて、第1流下路192を流下した遊技球を始動口3から離れた位置へ誘導するようになっている。
以上のことから、遊技領域1aが形成された遊技盤1に配設され、該遊技領域1aを流下する遊技球を入球可能な入賞装置100と、該入賞装置100の直下に配置される始動口3と、を備えた遊技機において、入賞装置100は、前面が開口した凹室形状をなすユニットベース120と、該ユニットベース120上部に配設され、略すり鉢状に形成されるとともに、その底面に2つの振分口(第1振分口143、第2振分口144)が設定された上部振分部材141と、該上部振分部材141によって振り分けられた遊技球を、当該ユニットベース120の奥手方向に向かって流下させ得る振分流路部材150と、ユニットベース120下部に配設され、略すり鉢状に形成されるとともに、その底面に、遊技球を遊技領域1aへ流下案内させ得る複数の第1流下口176,176と、遊技球を直下の始動口3へ流下案内させ得る第2流下口177と、が設定された下部振分部材172と、上部振分部材141により振り分けられた遊技球を、下部振分部材172まで誘導するための複数の誘導路(第1誘導路173、第2誘導路174)と、第1流下口176,176から流下する遊技球を遊技領域1aへ流下案内するための第1流下路192と、第2流下口177から流下する遊技球を始動口3の直上へ流下案内する第2流下路193と、が形成された振分板190と、を備え、複数の誘導路は、上部振分部材141の一方の振分口(第1振分口143)から振分流路部材150を介して奥手方向に流下した遊技球を、後方から当該ユニットベース120の凹室内を旋回するようにしながら、下部振分部材172まで誘導する第1誘導路173と、上部振分部材141の他方の振分口(第2振分口144)から振分流路部材150を介して奥手方向に流下した遊技球を、後方から当該ユニットベース120の凹室内を旋回するようにしながら、下部振分部材172の第2流下口177の直上まで誘導する第2誘導路174と、からなることとなる。
なお、上述したように振分装置139における各部材のユニットベース120への組み付けは、主に部材どうしの係合や嵌合によって行うようにしており、ビスの使用個所が少なくなるようにされている。これにより、透明な部材から構成される振分装置139の美観を向上させることができるとともに、生産時の作業効率を向上させることができる。また、ビスの使用個所が少ないことでコストを削減することができる。すなわち、振分装置139を構成する部材は透明な材質からなり、各部材はユニットベース120に対して係合もしくは嵌合することで組み付けられていることとなる。
次に、以上のような構成を有する振分装置139における振分遊技について説明する。
遊技領域1aに発射され、釘などに接触して入賞装置100の上部に至った遊技球は、図8に示すように、前方突出部105の上部の斜面に沿って中央へ誘導される。この遊技球が誘導される前方突出部105の上部における中央には、上部振分部材141の前端部が突出しており、ここに誘導された遊技球は上部振分部材141に流入することとなる。このとき、前方突出部105の上部を流下する遊技球の流下方向は、円形の上部振分部材141の接線方向となっており、上部振分部材141に流入する遊技球は外周部分に周方向に沿って流入するようになっている。
上部振分部材141に流入した遊技球は、流入時の勢いがある程度残っている間は、上部振分部材141の外周部を周方向に沿って移動し、遊技球の勢いがなくなって速度が遅くなると、底面の傾斜に従って中央部側に寄ることになる。すなわち、遊技球の上部振分部材141上での周回速度が遅くなると、遊技球の周回する径が小さくなっていき、中央部に形成された第1振分口143、第2振分口144の何れかに流入する(振り分けられる)こととなる。
このような上部振分部材141における振り分けによって第2振分口144に流入した場合は、図9(a)に示すように、第2振分流路152を後方へ流下し、図9(b)に示すように、第2連通路162を右側へ流下して第2誘導路174に至る。第2誘導路174に沿って流下した遊技球は、下流側端部に形成された球導出口180bから下方へ落下する。この球導出口180bの下方には、下部振分部材172の第2流下口177が位置しており、高い確率で第2流下口177に流入するようになっている。このように入賞空間121内を旋回するように遊技球を転動させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
第2流下口177に流入した遊技球は、第2流下路193に流入して前方へ誘導され、図8に示すように、流下案内部110に形成された二つの流下案内部材115,115の間を通って直下に誘導され、始動口3に高い確率で流入するようになっている。この始動口3に遊技球が流入すると、上述したように多量の遊技球を獲得可能な大当たり状態が発生するようになっている。以上のことから、上部振分部材141で第2振分口144に流入した場合は、高い確率で始動口3に誘導されることとなる。すなわち、第2振分口144は当り振分口である。
以上のことから、ユニットベース120の奥側内面には、振分流路部材150によって奥手方向に流下した遊技球を、第2誘導路174へ流下させるための第2連通路162が立設され、第2誘導路174の先端を、第2流下口177の直上に設定するとともに、当該第2流下口177に遊技球が流下し得る球導出口180bを開設し、上部振分部材141の他方の振分口(第2振分口144)から、振分流路部材150と、第2連通路162、及び第2誘導路174を介して後方から誘導された遊技球は、球導出口180bから第2流下口177に流下し得るように誘導され、第2流下路193により始動口3の直上に流下し得るようにしたこととなる。
また、図10、図11(a)に示すように、上部振分部材141における振り分けによって第1振分口143に流入した場合は、第1振分流路151を後方へ流下し、図11(b)に示すように、第1連通路161を左側へ流下して第1誘導路173に至る。この第1誘導路173を流下した遊技球は下部振分部材172の外周部分に周方向に沿って流入する。このように入賞空間121内を旋回するように遊技球を転動させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
下部振分部材172に流入した遊技球は、上部振分部材141の場合と同様に、流入時の勢いがある程度残っている間は、下部振分部材172の外周部を周方向に沿って移動し、遊技球の勢いがなくなって速度が遅くなると、底面の傾斜に従って中央部側に寄ることになる。すなわち、遊技球の下部振分部材172上での周回速度が遅くなると、遊技球の周回する径が小さくなっていき、中央部に形成された第1流下口176,176、第2流下口177の何れかに流入する(振り分けられる)こととなる。
この下部振分部材172における振り分けの結果、第1流下口176,176に流入した場合は、第1流下路192に流入して前方へ誘導され流下案内部110に至る。流下案内部110では、図10に示すように、流下案内部材115,115が外側へ湾曲するように形成されており、第1流下路192を流下した遊技球は始動口3から離れる方向へ誘導されることとなる。また、第2流下口177に流入した場合は、上述したように始動口3へ誘導される。ただし、上述したように下部振分部材172における第2流下口177への振分確率は低くなっており、多くの遊技球は第1流下口176,176へ振り分けられる。すなわち、上部振分部材141の第1振分口143は、始動口3に誘導される確率が低いはずれ振分口であるが、この第1振分口143に流入しても、始動口3への入賞の可能性がまったく無いわけではなく、遊技者の期待感を持続させることができる。
以上のことから、ユニットベース120の奥側内面には、振分流路部材150によって奥手方向に流下した遊技球を、第1誘導路173へ流下させるための第1連通路161と、該第1連通路161から流下する遊技球を第1誘導路173へ誘導しやすくするための誘導壁部165と、が立設され、下部振分部材172に設定される第1流下口176,176は、第2流下口177よりもその形状を大きく設定され、上部振分部材141の一方の振分口(第1振分口143)から、振分流路部材150と、第1連通路161、及び誘導壁部165と第1誘導路173を介して後方から誘導された遊技球は、下部振分部材172上を回転して、当該下部振分部材172に設定された第1流下口176,176及び第2流下口177のいずれかに流下し、第1流下路192及び第2流下路193により、遊技領域1a及び始動口3の直上に流下することとなる。
以上のような遊技機は、遊技領域1aが形成された遊技盤1に配設され、該遊技領域1aを流下する遊技球を入球可能な入賞装置100と、該入賞装置100の直下に配置される始動口3と、を備えた遊技機であって、入賞装置100は、前面が開口した凹室形状をなすユニットベース120と、該ユニットベース120上部に配設され、略すり鉢状に形成されるとともに、その底面に2つの振分口(第1振分口143、第2振分口144)が設定された上部振分部材141と、該上部振分部材141によって振り分けられた遊技球を、当該ユニットベース120の奥手方向に向かって流下させ得る振分流路部材150と、ユニットベース120下部に配設され、略すり鉢状に形成されるとともに、その底面に、遊技球を遊技領域1aへ流下案内させ得る複数の第1流下口176,176と、遊技球を直下の始動口3へ流下案内させ得る第2流下口177と、が設定された下部振分部材172と、上部振分部材141により振り分けられた遊技球を、下部振分部材172まで誘導するための複数の誘導路(第1誘導路173、第2誘導路174)と、第1流下口176,176から流下する遊技球を遊技領域1aへ流下案内するための第1流下路192と、第2流下口177から流下する遊技球を始動口3の直上へ流下案内する第2流下路193と、が形成された振分板190と、を備え、複数の誘導路は、上部振分部材141の一方の振分口(第1振分口143)から振分流路部材150を介して奥手方向に流下した遊技球を、後方から当該ユニットベース120の凹室(入賞空間121)内を旋回するようにしながら、下部振分部材172まで誘導する第1誘導路173と、上部振分部材141の他方の振分口(第2振分口144)から振分流路部材150を介して奥手方向に流下した遊技球を、後方から当該ユニットベース120の凹室内を旋回するようにしながら、下部振分部材172の第2流下口177の直上まで誘導する第2誘導路174と、からなる。
したがって、入賞装置100は、ユニットベース120の上部に配設され、2つの振分口が設定された上部振分部材141と、ユニットベース120下部に配設され、遊技球を遊技領域1aへ流下案内させ得る複数の第1流下口176,176と、遊技球を直下の始動口3へ流下案内させ得る第2流下口177と、が設定された下部振分部材172とを備えるので、複数回の振分遊技が行われ、遊技の興趣が向上する。
さらに、上部振分部材141の一方の振分口から振分流路部材150を介して奥手方向に流下した遊技球を、ユニットベース120の凹室内を旋回するようにしながら下部振分部材172まで誘導する第1誘導路173と、上部振分部材141の他方の振分口から振分流路部材150を介して奥手方向に流下した遊技球を、ユニットベース120の凹室内を旋回するようにしながら下部振分部材172の第2流下口177の直上まで誘導する第2誘導路174と、からなる複数の誘導路を備えるので、第2流下口177(いわゆる当り穴)までの遊技球の流れに変化を持たせ、その過程を遊技者に楽しませることができる。
また、下部振分部材172まで誘導された場合にも、当該下部振分部材172上を回転し、第1流下口176,176と第2流下口177のいずれかの穴に落下するようになっているので、最後まで遊技球が始動口3へ入るという遊技者の期待感を持続させることができる。
また、ユニットベース120の奥側内面には、振分流路部材150によって奥手方向に流下した遊技球を、第1誘導路173へ流下させるための第1連通路161と、該第1連通路161から流下する遊技球を第1誘導路173へ誘導しやすくするための誘導壁部165と、が立設され、下部振分部材172に設定される第1流下口176,176は、第2流下口177よりもその形状を大きく設定され、上部振分部材141の一方の振分口(第1振分口143)から、振分流路部材150と、第1連通路161、及び誘導壁部165と第1誘導路173を介して後方から誘導された遊技球は、下部振分部材172上を回転して、当該下部振分部材172に設定された第1流下口176,176及び第2流下口177のいずれかに流下し、第1流下路192及び第2流下路193により、遊技領域1a及び始動口3の直上に流下するようにしている。
したがって、ユニットベース120の奥側内面には、振分流路部材150によって奥手方向に流下した遊技球を、第1誘導路173へ流下させるための第1連通路161と、該第1連通路161から流下する遊技球を第1誘導路173へ誘導しやすくするための誘導壁部165と、が立設されているので、確実に遊技球を第1誘導路173へ誘導することができる。
また、下部振分部材172に設定される第1流下口176,176は、第2流下口177よりもその形状を大きく設定され、上部振分部材141の一方の振分口から誘導された遊技球は、下部振分部材172上を回転して第1流下口176,176及び第2流下口177のいずれかに流下し、第1流下路192及び第2流下路193により、遊技領域1a及び始動口3の直上に流下するので、いずれかの穴に入るまでの遊技球の流れに変化を持たせ、その過程を遊技者に楽しませることができる。
また、上部振分部材141に設定された2つの振分口のうち、下部振分部材172で第1流下口176,176(いわゆるはずれ穴)に入る可能性の高い方の振分口に入っても、下部振分部材172で転動させることにより、最後まで遊技球に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
また、ユニットベース120の奥側内面には、振分流路部材150によって奥手方向に流下した遊技球を、第2誘導路174へ流下させるための第2連通路162が立設され、第2誘導路174の先端を、第2流下口177の直上に設定するとともに、当該第2流下口177に遊技球が流下し得る球導出口180bを開設し、上部振分部材141の他方の振分口(第2振分口144)から、振分流路部材150と、第2連通路162、及び第2誘導路174を介して後方から誘導された遊技球は、球導出口180bから第2流下口177に流下し得るように誘導され、第2流下路193により始動口3の直上に流下し得るようにしている。
したがって、ユニットベース120の奥側内面には、振分流路部材150によって奥手方向に流下した遊技球を、第2誘導路174へ流下させるための第2連通路162が立設されているので、確実に遊技球を第2誘導路174へ誘導することができる。
また、第2誘導路174の先端を、第2流下口177の直上に設定するとともに、当該第2流下口177に遊技球が流下し得る球導出口180bを開設し、上部振分部材141の他方の振分口から誘導された遊技球は、球導出口180bから第2流下口177に流下し得るように誘導され、第2流下路193により始動口3の直上に流下し得るようにしたので、第2流下口177(いわゆる当り穴)までの遊技球の流れに変化を持たせ、その過程を遊技者に楽しませることができる。
また、上部振分部材141に設定された2つの振分口のうち、下部振分部材172で第2流下口177(いわゆる当り穴)に入る可能性の高い方の振分口に入っても、その傾斜や振動等により、必ずしもそのまま第2流下口177に入るとは限らず、最後まで遊技球に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
なお、本発明はこの実施の形態のパチスロ遊技機100に限られるものではなく、例えば、その他のパチスロ遊技機、コインではなく遊技球を用いて遊技を行うパチスロ遊技機、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機等にも適用可能である。
加えて、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願は、分割出願である。出願人、特許庁、第三者の便宜のために、分割の基礎となる出願(原出願)の出願当初の請求の範囲を記載する。
[原出願の出願当初の課題]
しかし、上記のような遊技機における2段構成のクルーンを有する遊技機は、当り/はずれの抽選を行う際の球の動きは、クルーン上を回転するのみという非常に単純な動きでしかなく、特段に遊技者の目を引くようなものではなかった。
また、上クルーンにおいて手前側の穴を通過した遊技球は、直下の穴に入球することで遊技者に有利な状態を発生させるようになっているが、この場合、いわゆる当り穴へ入球するまでの球の動きに変化がなく、ストレートに落下するのみで、せっかく当り穴へ入球するということへの遊技者の期待感や興趣を向上させることはできない。
またさらに、クルーンを2段に配置すると、遊技盤面の限られたスペースに入賞装置を配置するという点、その入賞装置内に多段に形成されたクルーン上をさらに遊技球が動き、転動するという点などから、あまり複雑な転動をさせることができず、かえって窮屈な印象を与え、遊技者は遊技を十分に楽しむことができない。
そこで、特開2004−298263号公報のような遊技機においては、一次抽選で当りとなると、やはりストレートで権利発生入賞装置に流下してしまうため、せっかくの当りへの流路であっても、遊技者は遊技機本来の目的である遊技球の転動を楽しむという機会がなく、故に、当りへの流路(V誘導路)へ誘導されることが分かると、その時点で遊技球の転動に興味を示さなくなり、興趣が半減してしまうことが考えられる。
また、特開2004−298263号公報のような構造では、各々の流路(ルート)を樋として別個で設けるようにしているので、限られた遊技盤のスペースを有効に活用することができず、窮屈な印象を与える遊技機となるとともに、組み付け性の点でも非常に煩雑な遊技機であるという問題がある。
本発明の目的は、遊技領域が形成された遊技盤に配設され、該遊技領域を流下する遊技球を入球可能な入賞装置と、該入賞装置の直下に配置される始動口と、を備えた遊技機において、遊技球が当り穴に入るまでの過程に変化を持たせて遊技者の興趣を持続させることである。
[原出願の出願当初の特許請求の範囲]
[請求項1]
遊技領域が形成された遊技盤に配設され、該遊技領域を流下する遊技球を入球可能な入賞装置と、該入賞装置の直下に配置される始動口と、を備えた遊技機において、
前記入賞装置は、
前面が開口した凹室形状をなすユニットベースと、
該ユニットベース上部に配設され、略すり鉢状に形成されるとともに、その底面に2つの振分口が設定された上部振分部材と、
該上部振分部材によって振り分けられた遊技球を、当該ユニットベースの奥手方向に向かって流下させ得る振分流路部材と、
前記ユニットベース下部に配設され、略すり鉢状に形成されるとともに、その底面に、遊技球を遊技領域へ流下案内させ得る複数の第1流下口と、遊技球を直下の始動口へ流下案内させ得る第2流下口と、が設定された下部振分部材と、
前記上部振分部材により振り分けられた遊技球を、前記下部振分部材まで誘導するための複数の誘導路と、
前記第1流下口から流下する遊技球を遊技領域へ流下案内するための第1流下路と、前記第2流下口から流下する遊技球を始動口の直上へ流下案内する第2流下路と、が形成された振分板と、
を備え、
前記複数の誘導路は、
前記上部振分部材の一方の振分口から振分流路部材を介して奥手方向に流下した遊技球を、後方から当該ユニットベースの凹室内を旋回するようにしながら、前記下部振分部材まで誘導する第1誘導路と、
前記上部振分部材の他方の振分口から振分流路部材を介して奥手方向に流下した遊技球を、後方から当該ユニットベースの凹室内を旋回するようにしながら、前記下部振分部材の第2流下口の直上まで誘導する第2誘導路と、からなることを特徴とする遊技機。
[請求項2]
前記ユニットベースの奥側内面には、前記振分流路部材によって奥手方向に流下した遊技球を、前記第1誘導路へ流下させるための第1連通路と、該第1連通路から流下する遊技球を前記第1誘導路へ誘導しやすくするための誘導壁部と、が立設され、
前記下部振分部材に設定される第1流下口は、前記第2流下口よりもその形状を大きく設定され、
前記上部振分部材の一方の振分口から、前記振分流路部材と、前記第1連通路、及び前記誘導壁部と前記第1誘導路を介して後方から誘導された遊技球は、前記下部振分部材上を回転して、当該下部振分部材に設定された第1流下口及び第2流下口のいずれかに流下し、前記第1流下路及び第2流下路により、遊技領域及び始動口の直上に流下することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
[請求項3]
前記ユニットベースの奥側内面には、前記振分流路部材によって奥手方向に流下した遊技球を、前記第2誘導路へ流下させるための第2連通路が立設され、
前記第2誘導路の先端を、前記第2流下口の直上に設定するとともに、当該第2流下口に遊技球が流下し得る球導出口を開設し、
前記上部振分部材の他方の振分口から、前記振分流路部材と、前記第2連通路、及び前記第2誘導路を介して後方から誘導された遊技球は、前記球導出口から前記第2流下口に流下し得るように誘導され、前記第2流下路により始動口の直上に流下し得るようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
[原出願の出願当初の発明の効果]
本発明によれば、入賞装置は、ユニットベースの上部に配設され、2つの振分口が設定された上部振分部材と、ユニットベース下部に配設され、遊技球を遊技領域へ流下案内させ得る複数の第1流下口と、遊技球を直下の始動口へ流下案内させ得る第2流下口と、が設定された下部振分部材とを備えるので、複数回の振分遊技が行われ、遊技の興趣が向上する。
さらに、上部振分部材の一方の振分口から振分流路部材を介して奥手方向に流下した遊技球を、ユニットベースの凹室内を旋回するようにしながら下部振分部材まで誘導する第1誘導路と、上部振分部材の他方の振分口から振分流路部材を介して奥手方向に流下した遊技球を、ユニットベースの凹室内を旋回するようにしながら下部振分部材の第2流下口の直上まで誘導する第2誘導路と、からなる複数の誘導路を備えるので、第2流下口(いわゆる当り穴)までの遊技球の流れに変化を持たせ、その過程を遊技者に楽しませることができる。
また、下部振分部材まで誘導された場合にも、当該下部振分部材上を回転し、第1流下口と第2流下口のいずれかの穴に落下するようになっているので、最後まで遊技球が始動口へ入るという遊技者の期待感を持続させることができる。